JP2005063524A - 光ディスク及びその製造方法 - Google Patents

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Shiyouzou Murata
省蔵 村田
Nobuaki Onaki
伸晃 小名木
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Abstract

【課題】光ディスクの表面粗さを小さくし限りなく平滑な面として、光ディスクの面振れを低減させて高品質な記録再生特性を得るために、プラスチックフィルム自体を一度ガラス転移点以上に加熱して溶融させ、鏡面金型の平滑表面を転写することにより、光ディスクに対して、表面粗さが小さく平滑度の高いフィルム表面性を与えることである。
【解決手段】鏡面金型にプラスチックフィルムをセットし所定圧力でプレスすると共に、前記プラスチックフィルム上に転写層を形成する光ディスク基板の製造方法を前提として、前記プラスチックフィルムの表面を前記鏡面金型に接触させ、加熱することで一度溶融させてから前記転写層を形成すること。
【選択図】図2

Description

本発明は、光ディスク等の光記録媒体及びその製造方法に関し、特に、高記録密度の光ディスク及びその製造方法に関する。
光ディスクはリムーバブルの記録媒体であり、かつ大容量であることから、CD,DVD等として広く普及している。通常は、厚さ1.2又は0.6mmのポリカーボネート(PC)基板に記録膜を成膜して、信号を記録再生する。光ディスクの記録再生においては、光を記録面上に集光するため機械的な位置精度が必要となるから、光ディスクの基板を平坦にして剛性を持たせ、かつ光ピックアップにサーボをかけて位置精度を出している。
現在は、さらに記録容量を高めるために対物レンズの開口数(NA)を上げたり、レーザーを短波長化することで、光スポットを更に小径化しようとする開発が行われている。開口数(NA)を上げるためには、基板のチルト(面振れ)を小さくしなければならないが、これを実現するために、製造する基板の精度を向上すること、ピックアップへチルト(面振れ)サーボを搭載すること、記録膜上に0.1mm程度の薄いカバー層を設け、このカバー層側から記録再生することによってチルト(面振れ)マージンを拡大すること、などが行われている。
基板のチルト(面振れ)を小さくすることは、材料や製法の工夫により達成することが可能であるが、コストが高くなる。光ピックアップにチルト(面振れ)サーボを搭載することも可能であるが、これも同様にコストが高くなる。
また、基板を通さず、記録膜側から光を当てて再生する手法も考えられるが、記録膜面と対物レンズとの距離が0.1mm程度しか確保できず、剛体である通常の光ディスクを回転させるとき、対物レンズとの衝突を防ぐためには、面振れを小さくするようにディスクのチャッキングの精度を向上させることなどが挙げられるが、これらは全てコストアップにつながる。
そこで、光ディスクそのものを剛体として機械精度を高精度化するのではなく、ディスクを可撓性材料で製造すると共に、このディスク(フレキシブル光ディスク)の記録再生面と反対側にガイドを設ける構成とする。このようにしてディスクを回転させると、対物レンズとディスクを挟んで対向するガイドにより、空気力学的にディスクが浮上して(ベルヌーイ浮上;非接触)安定化し、チルトを限りなく0に近づけることが可能となり、表面記録型の光ディスクとして機能させることができる。
これらのフレキシブル光ディスクの光ディスク基板を作製するための従来工法として、PETフィルムなどのフレキシブルシート表面に熱可塑性樹脂もしくは熱硬化性樹脂を塗布してスタンパの微細凹凸パターンを転写すると共に、熱硬化させてから記録膜を成膜する熱プレス法や、同じくフレキシブルシート表面に紫外線硬化型樹脂を塗布してスタンパの微細パターンを転写するとともに紫外線硬化させてから記録膜を成膜する2P(Photo Polymerization)法(特許第2942430号公報)などがある。
これらのフィルム(フレキシブルシート)は、キャスティング法や延伸法で製造される。延伸法により製造されるものは、引っ張り力のばらつき等で厚みのばらつきや表面粗さが大きくなり、またキャスティング法により製造されるものは、延伸法によるものよりは厚みのばらつきや表面粗さは小さいが、鏡面研磨されたガラスや金型に比べるとこの厚みのばらつきや表面粗さは大きい。フィルムを扱う工法では、フィルムの表面粗さがそのままフレキシブル光ディスクの表面粗さとして残存することになる。すなわち、フレキシブル光ディスクのブランク材であるフィルムを、限りなく平滑な面としなければ、その表面粗さがそのままフレキシブル光ディスクの表面粗さとなって現れる。フレキシブル光ディスクを空気力学的に面振れを安定させる場合に、フレキシブル光ディスクの表面粗さ自身は、固定面振れとして機能するので、低減不能である。実際のフレキシブル光ディスクの面振れを評価したところ、表面粗さの周波数帯域に相当する面振れ量が大きい傾向がみられた。
特許第2942430号公報
そこで、本発明は、光ディスクの表面粗さを小さくし限りなく平滑な面として、光ディスクの面振れを低減させて高品質な記録再生特性を得るために、プラスチックフィルム自体を一度ガラス転移点以上に加熱して溶融させ、鏡面金型の平滑表面を転写することにより、光ディスクに対して、表面粗さが小さく平滑度の高いフィルム表面性を与えることである。加えて、転写金型自体にプリフォーマットパターンを付与させておくことにより、プリフォーマットパターンが転写形成されたフレキシブル光ディスク基板の作製を可能とすることである。さらに、フィルムの両面に接触する鏡面金型の両方にプリフォーマットパターンを付与させておくことにより、2層タイプのBlu-rayディスクのプリフォーマットパターン転写プロセスとしての能力も有するようにすることである。
〔解決手段〕(請求項1に対応)
上記課題を解決するために講じた手段は、鏡面金型にプラスチックフィルムをセットし所定圧力でプレスすると共に、前記プラスチックフィルム上に転写層を形成する光ディスク基板の製造方法を前提として、前記プラスチックフィルムの表面を前記鏡面金型に接触させ、加熱することで一度溶融させてから前記転写層を形成することである。
〔作 用〕
プラスチックフィルムの表面を加熱することで一度溶融させて転写層を形成するので、鏡面金型の表面性を転写することができ、表面粗さが小さく平滑度の高い光ディスク基板を製作することができる。
〔実施の態様〕
(1) 実施態様1(請求項2に対応)
実施態様1は、上記解決手段において、プラスチックフィルムの両面を鏡面金型に接触させ、加熱することで前記プラスチックフィルムの両面を溶融させることである。
〔作 用〕
プラスチックフィルムの両面を加熱することで一度溶融させて転写層を形成するので、鏡面金型の表面性を転写することができ、表面粗さが小さく平滑度の高い光ディスク基板を製作することができる。
(2) 実施態様2(請求項3に対応)
実施態様2は、上記解決手段又は実施態様1において、プラスチックフィルムの表面を鏡面金型に接触させ溶融させる際に、前記プラスチックフィルムのガラス転移点(Tg)より10℃以上高い温度に加熱されることである。
〔作 用〕
プラスチックフィルムの表面を鏡面金型に接触させ溶融させる際に、プラスチックフィルムのガラス転移点(Tg)より10℃以上高い温度に加熱されるので、鏡面金型の表面性を忠実に転写することができる。
(3) 実施態様3(請求項4に対応)
実施態様3は、上記解決手段、実施態様1又は実施態様2において、鏡面金型の表面粗さ(Ra)が20nm以下であることである。
〔作 用〕
鏡面金型の表面粗さ(Ra)が20nm以下であるので、該鏡面金型と同等の表面粗さを有するフレキシブル光ディスク基板を得ることができる。
(4) 実施態様4(請求項5に対応)
実施態様4は、上記解決手段、実施態様1〜実施態様3のいずれかにおいて、鏡面金型の表面にフッ素系単分子膜が形成されていることである。
〔作 用〕
鏡面金型表面にフッ素系単分子膜が形成されているので、プラスチックフィルムを加熱溶融させて鏡面金型の表面性を転写した後、前記鏡面金型からプラスチックフィルムを容易に離型することができる。
(5) 実施態様5(請求項6に対応)
実施態様5は、上記実施態様4において、鏡面金型の表面にフッ素系単分子膜が予め熱処理されていることである。
〔作 用〕
鏡面金型の表面にフッ素系単分子膜が予め熱処理されているので、多数枚のプラスチックフィルムに表面転写が可能であり、金型の転写に係る耐久性も向上する。
(6) 実施態様6(請求項7に対応)
実施態様6は、上記解決手段、実施態様1〜実施態様5のいずれかにおいて、鏡面金型の一方にプリフォーマットパターンが刻まれていることである。
〔作 用〕
一方の鏡面金型にプリフォーマットパターンが刻まれているので、高い平滑性を有するプラスチックフィルムの表面にプリフォーマットパターンを形成することができる。
(7) 実施態様7(請求項8に対応)
実施態様7は、上記解決手段、実施態様1〜実施態様5のいずれかにおいて、鏡面金型の両方にプリフォーマットパターンが刻まれていることである。
〔作 用〕
両方の鏡面金型にプリフォーマットパターンが刻まれているので、実施態様6と同様に、プリフォーマットパターンを形成することができるばかりでなく、2層タイプのBlu-rayディスクのプリフォーマットパターンを同時に形成することができる。
(8) 実施態様8(請求項9に対応)
実施態様8は、上記解決手段、実施態様1〜実施態様5のいずれかにおいて、プラスチックフィルムの片面に鏡面金型の鏡面を転写する際のプレス圧力が、1〜10MPaの範囲であることである。
〔作 用〕
プラスチックフィルムの片面に鏡面金型の鏡面を転写する際のプレス圧力が、1〜10MPaの範囲であるので、金型の鏡面を完全にプラスチックフィルムに転写することができる。
(9) 実施態様9(請求項10に対応)
実施態様9は、上記実施態様6において、プラスチックフィルムの片面に鏡面金型に刻まれたプリフォーマットパターンを転写する際のプレス圧力が、10〜100MPaの範囲であることである。
〔作 用〕
プラスチックフィルムの片面に鏡面金型に刻まれたプリフォーマットパターンを転写する際のプレス圧力が、10〜100MPaの範囲であるので、金型のプリフォーマットパターンを高精度に転写することができる。
本発明の効果を主な請求項毎に整理すれば、次のとおりである。
(1) 請求項1及び請求項2の発明の効果
光ディスク基板の製造方法において、プラスチックフィルムの表面(両面)を鏡面金型に接触させ、加熱することで一度溶融させてから転写層を形成することにより、極めて平滑な表面性を有する光ディスク基板が得られるので、光ディスクの面振れを空気力学的に安定化することが可能である。
(2) 請求項3の発明の効果
光ディスク基板の製造方法において、プラスチックフィルムの表面を鏡面金型に接触させ溶融させる際に、前記プラスチックフィルムのガラス転移点(Tg)より10℃以上高い温度に加熱されることにより、前記鏡面金型の表面性を光ディスク基板に忠実に転写することができ、光ディスクの面振れを安定化することが可能である。
(3) 請求項4の発明の効果
光ディスク基板の製造方法において、鏡面金型の表面粗さ(Ra)が20nm以下であることにより、鏡面金型と同等の表面粗さを有するフレキシブル光ディスクを得ることができるので、光ディスクの面振れによる高域リップルを低減することが可能である。
(4) 請求項5の発明の効果
光ディスク基板の製造方法において、鏡面金型の表面にフッ素系単分子膜が形成されていることにより、プラスチックフィルムを加熱溶融させて鏡面金型の表面性を転写した後、このプラスチックフィルムを前記鏡面金型から容易に離型することができる。
(5) 請求項6の発明の効果
光ディスク基板の製造方法において、鏡面金型の表面にフッ素系単分子膜が予め熱処理されていることにより、請求項5の発明と同様に、プラスチックフィルムを容易に離型することができるばかりでなく、多数枚のプラスチックフィルムに表面転写をすることが可能であり、金型の転写に係る耐久性も向上する。
(6) 請求項7の発明の効果
光ディスク基板の製造方法において、鏡面金型の一方にプリフォーマットパターンが刻まれていることにより、極めて平滑な表面にプリフォーマットパターンを有する光ディスクが得られるので、高品質な記録再生特性を得ることができる。
(7) 請求項8の発明の効果
光ディスク基板の製造方法において、鏡面金型の両方にプリフォーマットパターンが刻まれていることにより、請求項7の発明と同様に、高品質な記録再生特性を得ることができるばかりでなく、2層タイプのBlu-rayディスクのプリフォーマットパターンを同時に形成することができる。
(8) 請求項9の発明の効果
光ディスク基板の製造方法において、プラスチックフィルムの片面に鏡面金型の鏡面を転写する際のプレス圧力が、1〜10MPaの範囲であることにより、金型の鏡面を完全にプラスチックフィルムに転写することができるので、高い平滑性を有する光ディスクのガイド面を得ることができる。
(9) 請求項10の発明の効果
光ディスク基板の製造方法において、プラスチックフィルムの片面に鏡面金型に刻まれたプリフォーマットパターンを転写する際のプレス圧力が、10〜100MPaの範囲であることにより、金型のプリフォーマットパターンを高精度に転写することができるので、C/N特性の良好な光ディスクを得ることができる。
(10) 請求項11及び請求項12の発明の効果
光ディスクの製造方法において、光ディスク基板が、請求項1〜請求項10のいずれかに記載された製造方法により製造されることにより、極めて平滑な表面性を有する光ディスクを得ることができ、光ディスクの面振れを空気力学的に安定化することができるので、面振れによる高域リップルを低減することも可能である。
(11) 請求項13の発明の効果
光ディスクが、請求項11又は請求項12に記載された光ディスクの製造方法により製造されることにより、光ディスクの面振れを空気力学的に安定化することができるので、面振れによる高域リップルを低減することができ、C/N特性も良好である。
本発明は、鏡面仕上げされた一対の金型の表面にフッ素系単分子膜を形成し、これらの鏡面金型を互いに対向させてキャビティーを形成する。前記鏡面金型をプラスチックフィルムのガラス転移点(Tg)より高い温度に設定し、鏡面金型のキャビティー形成表面の温度がプラスチックフィルムのガラス転移点(Tg)より10℃高い温度になるように加熱する。前記キャビティーにプラスチックフィルムをセットし、所定の圧力でプレスする。その結果、プラスチックフィルムの表面が一度溶融して、その表面に前記鏡面金型の表面性状が転写され、さらにこのプラスチックフィルムの高精度の平滑面にプリフォーマットパターンを形成して光ディスク基板を得る。この光ディスク基板のプリフォーマットパターン上に記録層と保護層を形成することにより光ディスクが完成する。
先ず、実施例1(請求項1〜6、請求項9、請求項11、及び請求項13に対応)について、図1〜図3を参照しながら説明する。
この実施例1においては、ラッピングにより鏡面仕上げされた表面粗さRaで20nmである金型表面に、予め熱処理されたフッ素系コーティング剤(オプツールDSX;ダイキン工業製)を塗工し、熱処理することで余剰水分を蒸発除去する。これにより、前記金型表面には、必要最低限の水酸基を選択的にシランカップリング処理された状態で、フッ素系分子が単分子の膜厚オーダーで形成される。このようにフッ素系単分子膜が形成された一対の鏡面金型を互いに対向させてキャビティーを形成する。このキャビティーにおける光ディスクの肉厚方向の幅(厚み)は100μmである。前記キャビティーにセットするプラスチックフィルムとしてPC(ポリカーボネート)フィルムを用いる場合は、両側の鏡面金型をPC(ポリカーボネート)のガラス転移点(Tg)より高い温度に設定し、鏡面金型のキャビティー形成表面の温度が、PCフィルムのガラス転移点(Tg)より10℃高い温度になるように加熱ヒーターを調整する。
なお、鏡面金型の表面粗さRaが20nmより大きい場合は、フォーカスサーボをロックさせた時の残留フォーカスエラーの高域リップルが大きくなる。また、前記キャビティー形成表面の温度が、前記設定温度より十分に高い場合は、フィルムが低粘度化しすぎてディスク厚みが薄板化はするものの、転写性自身には問題はない。また低い場合は、フィルムが十分低粘度化しないため、転写不良となる。
前記キャビティーに対して厚み120μmのPCフィルムをセットして、8MPaの圧力でプレスする。その結果、前記PCフィルムの上下面両面が一度溶融し、このPCフィルム表面には前記鏡面金型の表面性状が転写される。前記表面性状が転写されたPCフィルムは鏡面金型から離型され、スタンパ上に塗布形成された光硬化型樹脂の上に載置され、光を照射された後、前記スタンパから剥離することにより、転写層2としてプリフォーマットパターン5が転写された光ディスク基板1を得ることができる。この光ディスク基板1のプリフォーマットパターン5上に記録層3と保護層4を形成することにより、光ディスク7(図2参照)が完成する。
なお、鏡面金型の鏡面を転写する際のプレス圧力は、1〜100MPaの範囲が適正であり、100MPaより大きい場合は、フィルムが圧縮されすぎて、離型後表面が肥大化し、表面粗さが大きくなり、面振れが悪化する。また1MPa未満では、平滑な表面性が得られない。
この光ディスク7を図1に示す評価装置にセットしてスピンドル12により回転させ、光ディスクの片面(プリフォーマットパターンのない面;ガイド面)にガイド10を近接させると、前記光ディスク7とガイド10との間に空気浮上現象が発生して、前記光ディスク7の周内面振れが5μm以下に安定化する。その結果、フォーカスやトラッキングサーボアクチュエーターへの負荷を低減することが可能となり、サーボエラー率を大幅に低減することができ、残留フォーカスエラーが小さくなり(図3参照)、高品質な記録再生特性が得られた。
次に、実施例2(請求項1〜7、請求項10〜11、及び請求項13に対応)について、図1、図3及び図4を参照しながら説明する。
この実施例2においては、実施例1と同様に光ディスクを製造する。ただし、表面ラップ仕上げされた表面粗さRaで10nmである一方側の鏡面金型と対向側の鏡面金型には、これも表裏面に鏡面である表面粗さRaで10nmのスタンパが載置されている。両側の鏡面金型で形成されたキャビティーにおける光ディスクの肉厚方向の幅(厚み)は100μmである。前記キャビティーにセットするプラスチックフィルムとしてPCフィルムを用いる場合は、両側の金型をPCのガラス転移点(Tg)より高い温度に設定し、鏡面金型のキャビティー形成表面の温度が、PCフィルムのガラス転移点(Tg)より10℃高い温度になるように加熱ヒーターを調整する。前記キャビティーに対して厚み120μmのPCフィルムをセットし、50MPaの圧力でプレスする(ホットエンボシング工法)。金型から離型されたPCフィルムは、両面とも平滑性の良い表面性状を呈し、その片面にはプリフォーマットパターン5が転写されている。このプリフォーマットパターン5上に記録層3と保護層4を形成することにより、光ディスク7(図4参照)が完成する。
なお、鏡面金型に刻まれたプリフォーマットパターンを転写する際のプレス圧力は、1〜100MPaの範囲が適正であり、100MPaより大きい場合は、フィルムが圧縮されすぎて、離型後パターン形状が肥大化し、所望の信号特性を有する転写パターン形状が得られなくなる。また1MPa未満では、十分な転写性が得られない。
この光ディスク7を図1に示す評価装置にセットしてスピンドル12により回転させ、光ディスクの片面(プリフォーマットパターンのない面;ガイド面)にガイド10を近接させると、前記光ディスク7とガイド10との間に空気浮上現象が発生して、前記光ディスクの周内面振れが5μm以下に安定化する。フォーカス及びトラッキングサーボをロックさせて記録再生を行った結果、フォーカスやトラッキングサーボアクチュエーターへの負荷を低減することが可能となり、サーボエラー率を大幅に低減することができ、残留フォーカスエラーが小さくなり(図3参照)、高品質な記録再生特性が得られた。
次に、実施例3(請求項1〜6、請求項8、請求項12〜13に対応)について、図5を参照しながら説明する。
この実施例3においては、実施例1と同様に光ディスクを製造する。ただし、表面ラップ仕上げされた表面粗さRaで10nmである一対の鏡面金型に対して、これも表裏面に鏡面である表面粗さRaで10nmのスタンパが鏡面金型各々に載置されている。両側のスタンパで形成されたキャビティーにおける光ディスクの肉厚方向の幅(厚み)は35μmである。前記キャビティーにセットするプラスチックフィルムとしてPCフィルムを用いる場合は、両側の金型をPCのガラス転移点(Tg)より高い温度に設定し、鏡面金型のキャビティー形成表面の温度が、PCフィルムのガラス転移点(Tg)より10℃高い温度になるように加熱ヒーターを調整する。
前記キャビティーに対して厚み50μmのPCフィルムをセットし、75MPaの圧力でプレスする。前記金型から離型されたPCフィルムは、両面とも平滑性の良い表面性状を呈し、かつその両面にプリフォーマットパターン5a,5bが転写されている。この両面のプリフォーマットパターン5a,5b上に第1記録層3a及び第2記録層3bを各々形成した後、各々の記録層面に対して、一方側に厚み1.1mmのPC(ポリカーボネート)基板8を、他方側に厚み90μmのカバー層9を接着剤を介して貼り合わせることにより、2層タイプのBlu-rayディスク(図5参照)が完成する。
対物レンズの開口数(NA)が0.85であるピックアップを有する評価装置により、この2層タイプのディスクを記録再生した結果、1層目及び2層目の記録層(第1及び第2記録層3a,3b)において、それぞれ45dB以上のC/N特性が得られた。
次に、上記実施例に対する比較例について説明する。
[比較例1]
比較例1については、上記実施例1と同様に光ディスクを製造する。ただし、キャビティーにセットされたPCフィルムに対するプレス圧を800kPaで実施した。この場合は、金型鏡面の表面性状を完全に転写することができず、得られたPCフィルムの表面粗さが悪化した。このPCフィルムから得られた光ディスクの周内面振れ自体は5μm以下に安定化していたが、フォーカスサーボをロックさせた場合の残留フォーカスエラーの高域リップルが大きくなり(図6参照)、記録再生特性が悪化した。
[比較例2]
比較例2については、実施例2と同様に光ディスクを製造する。ただし、表面ラップ仕上げされた表面粗さRaで10nmである鏡面金型と対向側の鏡面金型にはこれも表裏面に鏡面である表面粗さRaで10nmのスタンパが載置されている。両側の鏡面金型で形成されたキャビティーにおける光ディスクの肉厚方向の幅は100μmである。プラスチックフィルムとしてPCフィルムを用いる場合は、両側の金型をPCのTgより高い温度に設定し、鏡面金型のキャビティー形成表面の温度がPCフィルムのTgより10℃高い温度になるように加熱ヒーターを調整する。キャビティーに対して厚み120μmのPCフィルムをセットし、0.5MPaの圧力でプレスする。金型から離型されたフィルムには、鏡面の転写が不十分であり、片面に転写されたプリフォーマットパターンも転写性が不十分であった。このPCフィルムから得られた光ディスクの周内面振れ自体は5μm以下に安定化していたが、フォーカスサーボをロックさせた場合の残留フォーカスエラーの高域リップルが大きくなり、かつ再生信号波形のエンベロープが幅広なものとなり(図7参照)、高品質な記録再生特性が得られなかった。
[比較例3]
比較例3については、上記実施例1と同様に光ディスクを製造する。ただし、ラッピングにより鏡面仕上げされた表面粗さRaで20nmである金型表面へのフッ素系コーティングは、実施しなかった。PCフィルムをキャビティーから取り出す際、前記PCフィルムと鏡面金型の離型性が悪く、無理に離型すると、PCフィルムが伸びてしまったり、前記鏡面金型にフィルムの残滓が発生し、金型の再利用ができなくなった。
本発明の光ディスクとドライブ(ピックアップの対物レンズ)との関係を示す模式図である。 光硬化型樹脂を用いた層構成を有する光ディスクの模式図である。 本発明の光ディスクの残留フォーカスエラー特性を示す図である。 ホットエンボシング工法による層構成を有する光ディスクの模式図である。 2層タイプのBlu-rayディスクの層構成を有する光ディスクの模式図である。 比較例1の光ディスクの残留フォーカスエラー特性を示す図である。 比較例2の光ディスクの再生信号波形のエンベロープを示す図である。
符号の説明
1 光ディスク基板
2 転写層
3 記録層
3a 第1記録層
3b 第2記録層
4 保護層
5,5a,5b プリフォーマットパターン
7 光ディスク(フレキシブル光ディスク)
8 PC基板
9 カバー層
10 ガイド
11 対物レンズ
12 スピンドル

Claims (13)

  1. 鏡面金型にプラスチックフィルムをセットして所定圧力でプレスすると共に、前記プラスチックフィルム上に転写層を形成する光ディスク基板の製造方法であって、前記プラスチックフィルムの表面を前記鏡面金型に接触させ、加熱することで一度溶融させてから前記転写層を形成することを特徴とする光ディスク基板の製造方法。
  2. 上記プラスチックフィルムの両面を鏡面金型に接触させ、加熱することで前記プラスチックフィルムの両面を溶融させることを特徴とする請求項1記載の光ディスク基板の製造方法。
  3. 上記プラスチックフィルムの表面を鏡面金型に接触させ溶融させる際に、前記プラスチックフィルムのガラス転移点(Tg)より10℃以上高い温度に加熱されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の光ディスク基板の製造方法。
  4. 上記鏡面金型の表面粗さ(Ra)が20nm以下であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の光ディスク基板の製造方法。
  5. 上記鏡面金型の表面にフッ素系単分子膜が形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の光ディスク基板の製造方法。
  6. 上記鏡面金型の表面にフッ素系単分子膜が予め熱処理されていることを特徴とする請求項5記載の光ディスク基板の製造方法。
  7. 上記鏡面金型の一方にプリフォーマットパターンが刻まれていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の光ディスク基板の製造方法。
  8. 上記鏡面金型の両方にプリフォーマットパターンが刻まれていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の光ディスク基板の製造方法。
  9. 上記プラスチックフィルムの片面に鏡面金型の鏡面を転写する際のプレス圧力が、1〜100MPaの範囲であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の光ディスク基板の製造方法。
  10. 上記プラスチックフィルムの片面に鏡面金型に刻まれたプリフォーマットパターンを転写する際のプレス圧力が、1〜100MPaの範囲であることを特徴とする請求項7記載の光ディスク基板の製造方法。
  11. 上記請求項1〜請求項10のいずれかに記載された光ディスク基板の製造方法により製造される光ディスク基板に、記録層及び保護層を形成することを特徴とする光ディスクの製造方法。
  12. 上記請求項1〜請求項10のいずれかに記載された光ディスク基板の製造方法により製造される光ディスク基板に、記録層、基板及び保護層を形成することを特徴とする光ディスクの製造方法。
  13. 上記請求項11又は請求項12に記載された光ディスクの製造方法により製造されることを特徴とする光ディスク。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006305924A (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法、およびポリビニルアルコール系フィルム

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