JP2018018062A - ポリビニルアルコール系樹脂水溶液、光学用ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法、光学用ポリビニルアルコール系フィルム、及び偏光フィルム - Google Patents
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Abstract
Description
厚み精度に関しては、ポリビニルアルコール系フィルムの厚さにムラが有ると、偏光フィルムにスジ状の色ムラが発生する傾向があり、かかる対策として、表面粗さが3S以下のキャスト型を用いるポリビニルアルコール系フィルムの製造法が提案されている(たとえば、特許文献2参照。)。
位相差に関しては、特定の位相差を有するポリビニルアルコール系フィルムが提案されている(例えば特許文献3、4参照。)。
特定のポリビニルアルコール系樹脂水溶液を用いることにより、色ムラが無く、かつ長尺化が可能なポリビニルアルコール系フィルムの製造方法が提案されている(例えば特許文献5参照。)。
光学ムラに関して、キャスト型表面にフッ素系撥水膜を形成するポリビニルアルコール系フィルムの製造方法が提案されている(例えば特許文献6参照。)。
なお、同一のキャスト型表面に対するポリビニルアルコール樹脂水溶液の濡れ性は、溶剤の組成に大きく依存する。一般的に、溶剤としては水が単独で使われており、特許文献の中には、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどの水と親和性を有する有機溶剤を挙げたものもあるが、実施例は全て水単独であり、水と親和性を有するアルコールを使用する提案はされていない。
前述した通り、本発明の課題は、ポリビニルアルコール系フィルムの透明性、厚み精度、位相差の均一性、染色性の向上である。本発明者らは、それぞれの問題の発生状況を詳細に観察した結果、製膜原液であるポリビニルアルコール系樹脂水溶液の界面張力が、諸課題解決の糸口であるとの結論に達した。具体的には、ポリビニルアルコール系フィルムの透明性を低下させる表面荒れは、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液とキャスト型との界面で発生し、その発生具合は、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液の界面張力に依存する。また、厚み精度を悪化させる流涎性の低下や位相差を悪化させる剥離性の低下も、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液とキャスト型との界面の問題であり、その発生具合は、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液の界面張力に依存する。すなわち本発明者らは、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液の界面張力が適切な範囲であれば、諸課題は解決されることを見出したものである。
まず、本発明のポリビニルアルコール系樹脂水溶液について説明する。
本発明のポリビニルアルコール系樹脂水溶液は、ポリビニルアルコール系樹脂と添加剤を、水を主成分とする溶剤に混合し、加熱溶解して得られるものであることが好ましい。
ここで、本発明における平均ケン化度は、JIS K 6726に準じて測定されるものである。
かかる界面張力が上限値を超えると、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液のキャスト型表面への流涎性が悪化し、本発明の目的を達成することができず、逆に、下限値未満でも、製膜されたフィルムのキャスト型表面からの剥離性が悪化し本発明の目的を達成することができない。いずれの場合も、ポリビニルアルコール系フィルムに厚みムラや位相差ムラが発生する傾向にある。
なお、本発明において希釈のために使用される水は、イオン交換水とする。水の界面張力は、一般的に、72.8mN/mであり(化学便覧参照。)、本発明で用いたイオン交換水の界面張力は、70.3mN/mであった。
[I]ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中の樹脂濃度を調整する手法。
[II]ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中の可塑剤の種類や濃度を調整する手法。
[III]ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中の界面活性剤の種類や濃度を調整する手
法。
[IV]ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中の金属イオン濃度を調整する手法。
条件(1)ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中の樹脂濃度が、20〜35重量%であること。
条件(2)ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中のグリセリン濃度が、1〜6重量%であること。
条件(3)ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中の高級脂肪酸アルカノールアミド濃度が、0.02〜0.4重量%であること。
なお、本発明において希釈のために使用される水は、イオン交換水とする。
かかるΔθ1は、特に好ましくは5°以内、更に好ましくは3°以内である。Δθ1が大きすぎると、製膜原液であるポリビニルアルコール系樹脂水溶液のキャスト型への流涎性や、製膜されたフィルムのキャスト型からの剥離性が均一でなくなり、ポリビニルアルコール系フィルムに微細な厚みムラや微細な位相差ムラが発生する傾向がある。特に、幅広長尺薄型のポリビニルアルコール系フィルムの製造歩留りが低下する傾向がある。
[i]希釈水溶液(X)の界面張力γ(mN/m)を調整する手法。
[ii]キャスト型表面の材質や仕様を調整する手法。
かかる表面粗さRaが小さすぎると、接触角θ1が増大すると共に、キャスト型表面とフィルムとの密着性が低下し、ポリビニルアルコール系フィルムに汚れや気泡など欠陥が増加しやすい傾向があり、逆に大きすぎると、接触角θ1のふれΔθ1が増大すると共に、ポリビニルアルコール系フィルムのヘイズが増大する傾向にある。
かかる直径が小さすぎると乾燥長が不足し速度が出にくい傾向があり、大きすぎると輸送性が低下する傾向がある。
フィルムの乾燥は、フィルムの表面と裏面とを複数の乾燥ロールに交互に接触させることにより行なわれる。乾燥ロールの表面温度は特に限定されないが、通常50〜150℃であり、好ましくは60〜120℃である。かかる表面温度が低すぎると乾燥不良となり、高すぎると乾燥しすぎることとなり、うねりなどの外観不良を招く傾向がある。
本発明の光学用ポリビニルアルコール系フィルムは、厚さが30μm以下であることが好ましく、特に好ましくは破断回避の点から5〜30μmである。厚さが厚すぎると、偏光フィルムの薄型化が困難となる傾向がある。また、本発明の光学用ポリビニルアルコール系フィルムは、幅4m以上であることが、生産性の点で好ましく、長さ4km以上であることが、生産性の点で特に好ましい。
処理時間は、通常1〜300秒間、好ましくは10〜240秒間である。なお、水洗浄とヨウ化カリウム水溶液による洗浄は、適宜組み合わせて行ってもよい。
なお、偏光度は、一般的に2枚の偏光フィルムを、その配向方向が同一方向になるように重ね合わせた状態で、波長λにおいて測定した光線透過率(H11)と、2枚の偏光フィルムを、配向方向が互いに直交する方向になる様に重ね合わせた状態で、波長λにおいて測定した光線透過率(H1)より、下式にしたがって算出される。
〔(H11−H1)/(H11+H1)〕1/2
単体透過率は、分光光度計を用いて偏光フィルム単体の光線透過率を測定して得られる値である。
また、偏光フィルムには、薄膜化を目的として、上記保護フィルムの代わりに、その方面または両面にウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレア樹脂などの硬化性樹脂を塗布し、硬化して積層させることもできる。
尚、例中「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。
各物性について、次のようにして測定を行った。
ポリビニルアルコール系樹脂水溶液をイオン交換水で15倍希釈した希釈水溶液(X)を用意し、協和界面科学社製「ポータブル接触角計PCA−1」を用いて、23℃、50%RHの測定雰囲気で、希釈水溶液(X)の液滴4μLの輪郭形状を測定し、Young−Laplace法に従って界面張力(mN/m)を算出した。
ポリビニルアルコール系樹脂水溶液をイオン交換水で15倍希釈した希釈水溶液(X)を用意し、協和界面科学社製「ポータブル接触角計PCA−1」を用いて、23℃、50%RHの測定雰囲気で、希釈水溶液(X)の液滴1μLをキャスト型表面に落液させ、10秒後の液滴の形状から接触角θ1(°)を算出した。かかる測定をキャスト型の幅方向10箇所で行い、得られた10点の平均値をとった。
また、得られた10点の接触角θ1(°)の最大値と最小値の差を接触角のふれΔθ1(°)とした。
界面活性剤をイオン交換水で希釈して0.05重量%水溶液を用意し、上記手法に準じて接触角θ2(°)を算出した。
キーエンス社製レーザーフォーカス顕微鏡VK−9700(測定長:1mm、対物レンズ:50倍)を用いて、キャスト型表面の10箇所の表面粗さRa(nm)を測定し、平均値をとった。
製膜中に、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液のキャスト型への流涎状態を目視観察し、下記の基準で流涎性を評価した。
(評価基準)
○・・・全長全幅にわたりきれいに流涎した。
×・・・一部にはじきが生じた。
製膜中に、キャスト型からのフィルムの剥離状態を目視観察し、下記の基準で剥離性を評価した。
(評価基準)
○・・・全幅全長にわたりきれいに剥離した。
×・・・フィルムの一部分がキャスト型に付着した。
得られたポリビニルアルコール系フィルムから50mm×50mmの試験片を10枚採取し、日本電色製ヘイズメーターNDH−4000を用いて測定し、10枚の平均値をヘイズ(%)とした。
得られたポリビニルアルコール系フィルムの流れ方向(MD方向)と幅方向(TD方向)の厚みを次の手法で測定し、下記式に従って両方向の厚み変動係数(%)を算出した。・MD方向の測定は、キーエンス社製「分光干渉型膜厚計SI−T80」を用いて0.3mm刻みで、幅方向(TD方向)の中央部と両端部(両端から20cm内側)の3か所をそれぞれ6万点測定する。
・TD方向の測定は、山文電気社製「連続膜厚計TOF−5R01」を用いて、流れ方向(MD方向)の先端部、中央部、終端部の3箇所をそれぞれ4,000点測定する。
・厚み変動係数(C.V.)=100×S.D./x
「標準偏差(S.D.)=√(Σ(xi−x)2/(n−1)) x:平均値、xi:i番目の値、n:サンプル数」
得られたロール状のポリビニルアルコール系フィルムから、幅方向(TD)4800mm×流れ方向(MD)50mmの試験片を切り出し、「KOBRA−WFD」(王子計測機器(株)製、測定波長590nm)を用いて、幅方向に10mmピッチで全幅にわたって計480点の面内位相差(nm)を測定した。かかる測定を、ロールフィルムの流れ方向(MD方向)先端部/中央部/終端部の3箇所について行い、面内位相差(nm)の最大値と最小値の差を位相差ムラ(nm)とした。
得られた偏光フィルムから、延伸方向200mm×幅方向40mmの試験片を切り出し、大塚電子(株)製:RETS−1100Aを用いて延伸方向に10mmピッチで10点の偏光度(%)と単体透過率(%)を測定し、それぞれの平均値を偏光フィルムの偏光度(%)と単体透過率(%)とした。また得られた偏光度(%)の最大値と最小値の差を偏光度ムラ(%)とした。
得られた偏光フィルムから、長さ30cm×幅30cmの試験片を切り出し、クロスニコル状態の2枚の偏光板(単体透過率43.5%、偏光度99.9%)の間に45°の角
度で挟んだのちに、表面照度14,000lxのライトボックスを用いて、透過モードで光学的な色ムラを観察し、以下の基準で評価した。
(評価基準)
○・・・色ムラなし
×・・・色ムラあり
(ポリビニルアルコール系樹脂水溶液の製造)
重量平均分子量142000、ケン化度99.8モル%のポリビニルアルコール系樹脂1,200kg(ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中の樹脂濃度30重量%)、溶剤として水2,625kg、可塑剤としてグリセリン160kg(ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中のグリセリン濃度4重量%)、界面活性剤としてラウリン酸ジエタノールアミド15kg(ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中の高級脂肪酸アルカノールアミド濃度0.38重量%)を溶解槽に投入し、撹拌しながら140℃まで昇温して、均一に溶解したポリビニルアルコール系樹脂水溶液4,000kgを得た。
かかるポリビニルアルコール系樹脂水溶液を水で15倍希釈した希釈水溶液(X)の界面張力γは27mN/mであった。
また、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を水で15倍希釈した希釈水溶液(X)とキャスト型表面(キャストドラム表面)とのなす接触角θ1は30°、接触角θ1のふれΔθ1は3°であった。なお、使用したラウリン酸ジエタノールアミドの0.05重量%水溶液のクロムメッキ面との接触角θ2は54°であった。
得られたポリビニルアルコール系樹脂水溶液を、ベントを有する2軸押出機に供給して脱泡した後、水溶液温度を95℃にし、T型スリットダイ吐出口より、回転するキャストドラム(表面クロムメッキ、表面粗さRa18nm)に、吐出速度1.3m/分で吐出及び流延して製膜した。流涎性は良好であった。次いで、キャストドラムからフィルムを剥離した。剥離性は良好であった。
最後に、フィルムの表面と裏面とを15本の熱ロール(温度70〜120℃)に交互に接触させながら乾燥を行い、更に、フローティングドライヤーを用いて、フィルム両面から120℃の熱風を吹き付けて熱処理し、両端部をスリットしてロールに巻き取り、幅5m、厚さ30μm、長さ5kmのポリビニルアルコール系フィルムを得た。得られたポリビニルアルコール系フィルムの特性は、表2に示される通りであり、透明性、厚み精度、位相差の均一性に優れていた。
得られたポリビニルアルコール系フィルムをロールから巻き出し、水平方向に搬送しながら、水温30℃の水槽に浸漬して膨潤させながら1.7倍に延伸した。次に、ヨウ素0.5g/L、ヨウ化カリウム30g/Lよりなる30℃の水溶液中に浸漬して染色しながら1.6倍に延伸し、ついでホウ酸40g/L、ヨウ化カリウム30g/Lの組成の水溶液(50℃)に浸漬してホウ酸架橋しながら2.1倍に一軸延伸した。最後に、ヨウ化カリウム水溶液で洗浄を行い、50℃で2分間乾燥して総延伸倍率5.7倍の偏光フィルムを得た。得られた偏光フィルムの特性は表2に示される通りであった。
得られたポリビニルアルコール系樹脂水溶液を水で15倍希釈した希釈水溶液(X)とPETフィルム(東レ社製「ルミラーT60」、厚さ38μm)との接触角θ1は34°
であり、キャスト型がPETフィルムであっても、流涎性と剥離性共に良好であると予想された。
実施例1において、界面活性剤としてラウリン酸ジエタノールアミド4.8kg(ポリ
ビニルアルコール系樹脂水溶液中の高級脂肪酸ジアルカノールアミド濃度0.12重量%)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を得た。得られたポリビニルアルコール系樹脂水溶液の特性は、表1に示される通りであった。
更に、実施例1と同様にして、ポリビニルアルコール系フィルムと偏光フィルムを得た。得られたポリビニルアルコール系フィルムと偏光フィルムの特性は、表2に示される通りであった。
実施例1において、界面活性剤としてラウリン酸ジエタノールアミド2kg(ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中の高級脂肪酸アルカノールアミド濃度0.05重量%)を用い、加えて1−ヘキサノール200kg(ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中のアルコール濃度5重量%)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を得た。得られたポリビニルアルコール系樹脂水溶液の特性は、表1に示される通りであった。
更に、実施例1と同様にして、ポリビニルアルコール系フィルムと偏光フィルムを得た。得られたポリビニルアルコール系フィルムと偏光フィルムの特性は、表2に示される通りであった。
実施例1において、界面活性剤としてラウリン酸ジエタノールアミド2kg(ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中の高級脂肪酸アルカノールアミド濃度0.05重量%)と、平均縮合度10のポリオキシエチレンラウリルアミン0.48kg(ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中のポリオキシエチレンラウリルアミン濃度0.012重量%)を用いること以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を得た。使用したポリオキシエチレンラウリルアミンの0.05重量%水溶液とクロムメッキ面との接触角θ2は58°であった。得られたポリビニルアルコール系樹脂水溶液の特性は、表1に示される通りであった。
更に、実施例1と同様にして、ポリビニルアルコール系フィルムと偏光フィルムを得た。得られたポリビニルアルコール系フィルムと偏光フィルムの特性は、表2に示される通りであった。
実施例1において、界面活性剤としてラウリン酸ジエタノールアミド20kg(ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中の高級脂肪酸アルカノールアミド濃度0.5重量%)を用いること以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を得た。得られたポリビニルアルコール系樹脂水溶液の特性は、表1に示される通りであった。
得られたポリビニルアルコール系樹脂水溶液を用いて製膜を行ったが、フィルムの一部がキャスト型から剥離せず、フィルムの一部に破損が生じた。更に、実施例1と同様にして、ポリビニルアルコール系フィルムと偏光フィルムを得た。得られたポリビニルアルコール系フィルムと偏光フィルムの特性は、表2に示される通りであった。
実施例1において、界面活性剤としてラウリン酸ジエタノールアミド0.6kg(ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中の高級脂肪酸アルカノールアミド濃度0.015重量%)を用いること以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を得た。得られたポリビニルアルコール系樹脂水溶液の特性は、表1に示される通りであった。
得られたポリビニルアルコール系樹脂水溶液を用いて製膜を行ったが、キャスト型への流涎中にはじきが観察され、目視で確認していても液面に凹凸が観察された。更に、実施例1と同様にして、ポリビニルアルコール系フィルムと偏光フィルムを得た。得られたポリビニルアルコール系フィルムと偏光フィルムの特性は、表2に示される通りであった。
実施例1において、界面活性剤としてラウリン酸ジエタノールアミド1.56kg(ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中の高級脂肪酸アルカノールアミド濃度0.039重量%)と、平均縮合度4のポリオキシエチレンラウリルエーテル0.48kg(ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中のポリオキシエチレンラウリルエーテル濃度0.012重量%)を用いること以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を得た。使用したポリオキシエチレンラウリルエーテルの0.05重量%水溶液とクロムメッキ面との接触角θ2は67°であった。得られたポリビニルアルコール系樹脂水溶液の特性は、表1に示される通りであった。
得られたポリビニルアルコール系樹脂水溶液を用いて製膜を行ったが、キャスト型への流涎中にはじきが観察され、目視で確認していても液面に凹凸が観察された。更に、実施例1と同様にして、ポリビニルアルコール系フィルムと偏光フィルムを得た。得られたポリビニルアルコール系フィルムと偏光フィルムの特性は、表2に示される通りであった。
また、実施例1〜4のポリビニルアルコール系フィルムから得られる偏光フィルムは、偏光性能に優れ、色ムラが無く、偏光度の均一性にも優れていることがわかる。
Claims (10)
- 光学用ポリビニルアルコール系フィルムを製造するためのポリビニルアルコール系樹脂水溶液であって、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を水で15倍希釈した希釈水溶液(X)とした際に23℃50%RHの環境下で測定した界面張力が、25〜55mN/mであることを特徴とするポリビニルアルコール系樹脂水溶液。
- グリセリンと高級脂肪酸アルカノールアミドを含有し、かつ下記条件(1)〜(3)を全て満足することを特徴とする請求項1記載のポリビニルアルコール系樹脂水溶液。
条件(1)ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中の樹脂濃度が、20〜35重量%であること。
条件(2)ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中のグリセリン濃度が、1〜6重量%であること。
条件(3)ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中の高級脂肪酸アルカノールアミド濃度が、0.02〜0.4重量%であること。 - エーテル結合を含んでもよい炭素数1〜8の1価アルコールを含有し、その含有濃度が1〜20重量%であることを特徴とする請求項1または2記載のポリビニルアルコール系樹脂水溶液。
- 請求項1〜3いずれか記載のポリビニルアルコール系樹脂水溶液を用いて得られる光学用ポリビニルアルコール系フィルム。
- ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を、連続的にキャスト型表面に吐出及び流涎して製膜する光学用ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法であり、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を水で15倍希釈した希釈水溶液(X)の23℃50%RHの環境下におけるキャスト型表面に対する接触角θ1が、30〜80°であることを特徴とする光学用ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
- 希釈水溶液(X)の23℃50%RHの環境下におけるキャスト型表面に対する接触角を、キャスト型表面の幅方向に沿って測定した際の接触角θ1のふれ(Δθ1)が、10°以内であることを特徴とする請求項5記載の光学用ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
- キャスト型表面がクロムメッキされており、かつ表面粗さRaが10〜20nmであることを特徴とする請求項5または6記載の光学用ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
- 請求項5〜7いずれか記載の製造方法により製造されることを特徴とする光学用ポリビニルアルコール系フィルム。
- 厚さが5〜30μmであることを特徴とする請求項4または8記載の光学用ポリビニルアルコール系フィルム。
- 請求項4、8、9いずれか記載の光学用ポリビニルアルコール系フィルムからなることを特徴とする偏光フィルム。
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