JP2018018062A - ポリビニルアルコール系樹脂水溶液、光学用ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法、光学用ポリビニルアルコール系フィルム、及び偏光フィルム - Google Patents

ポリビニルアルコール系樹脂水溶液、光学用ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法、光学用ポリビニルアルコール系フィルム、及び偏光フィルム Download PDF

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宏志 御手洗
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昭一 可児
早川 誠一郎
Seiichiro Hayakawa
誠一郎 早川
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Abstract

【課題】 透明性、厚み精度、位相差の均一性に優れ、染色性にも優れる光学用ポリビニルアルコール系フィルムを製造することができるポリビニルアルコール系樹脂水溶液を提供する。【解決手段】 光学用ポリビニルアルコール系フィルムを製造するためのポリビニルアルコール系樹脂水溶液であって、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を水で15倍希釈した希釈水溶液(X)とした際に23℃50%RHの環境下で測定した界面張力が、25〜55mN/mであることを特徴とするポリビニルアルコール系樹脂水溶液。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液に関する。さらに詳しくは、本発明は、透明性、厚み精度、位相差の均一性に優れ、染色性にも優れる光学用ポリビニルアルコール系フィルムを製造するためのポリビニルアルコール系樹脂水溶液、該ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を用いた光学用ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法、該製造方法により得られる光学用ポリビニルアルコール系フィルム、更に、該光学用ポリビニルアルコール系フィルムより得られる色ムラが無く、均一な偏光度を有する偏光フィルムに関する。
ポリビニルアルコール系フィルムは、一般的に、ポリビニルアルコール系樹脂を水に溶解してポリビニルアルコール系樹脂水溶液(製膜原液)を調液し、連続的にキャスト型表面に吐出及び流涎して製膜した後、得られるフィルムをキャスト型から剥離し、金属加熱ロールやフローティングドライヤーなどを用いて乾燥することにより製造される。このようにして得られるポリビニルアルコール系フィルムは、透明性や染色性に優れるフィルムとして多くの光学用途に利用されており、その有用な用途の一つに偏光フィルムがあげられる。かかる偏光フィルムは、液晶ディスプレイの基本構成要素として用いられており、近年では、高輝度、高精細な液晶テレビへとその使用が拡大されている。
このような中、液晶テレビなどの画面の大型化や高精細化にともない、従来品より一段と、色ムラの少ない偏光フィルムが要望されている。偏光フィルムの色ムラは、比較的広い面積(例えば、1cm2以上のサイズ。)で色や濃淡が異なっているものや、微細な点状のもの、微細なスジ状の濃淡など様々である。これらの中で、比較的広い面積で観察されるものは、偏光フィルムの製造方法の改良により解消されてきた。しかし、画面の高輝度化や高精細化に伴って問題になってきた微細な色ムラについては、まだまだ改良が不充分である。かかる微細な色ムラの中でも、点状のものは目視観察やCCDカメラで検出できるが、スジ状の濃淡は検出すら困難であり、周期的に多数存在していても見逃されがちである。更に、通常、偏光フィルムは連続的な製造工程の中で、全幅全長にわたって検査されるが、1mm以下のピッチで微細なスジ状の濃淡を検出するには多大な労力を要する。
上記スジ状の濃淡は、偏光フィルムの製造条件だけでは解消しないため、原反であるポリビニルアルコール系フィルムに起因する可能性が高い。すなわち、ポリビニルアルコール系フィルムの微細な透明性のムラ、微細な厚みのムラ、微細な位相差のムラなどが原因と推測される。かかる背景から、幅広長尺薄型でありながらも、透明性、厚み精度、位相差が均一であり、染色性に優れる光学用ポリビニルアルコール系フィルムが必要とされていた。
透明性に関しては、ポリビニルアルコール系フィルムのヘイズや表面粗さが増大すると、偏光フィルムの光線透過率にムラが発生する傾向があり、かかる対策として、製膜原液となるポリビニルアルコール系樹脂水溶液に、特定の界面活性剤を特定量添加する手法が提案されている(例えば特許文献1参照。)。
厚み精度に関しては、ポリビニルアルコール系フィルムの厚さにムラが有ると、偏光フィルムにスジ状の色ムラが発生する傾向があり、かかる対策として、表面粗さが3S以下のキャスト型を用いるポリビニルアルコール系フィルムの製造法が提案されている(たとえば、特許文献2参照。)。
位相差に関しては、特定の位相差を有するポリビニルアルコール系フィルムが提案されている(例えば特許文献3、4参照。)。
特定のポリビニルアルコール系樹脂水溶液を用いることにより、色ムラが無く、かつ長尺化が可能なポリビニルアルコール系フィルムの製造方法が提案されている(例えば特許文献5参照。)。
光学ムラに関して、キャスト型表面にフッ素系撥水膜を形成するポリビニルアルコール系フィルムの製造方法が提案されている(例えば特許文献6参照。)。
特開2006−249407号公報 特開2001−315138号公報 特開2006−291173号公報 特開2007−137042号公報 特開2007−9056号公報 特開2006−305924号公報
しかし、これらの開示技術をもってしても、偏光フィルムの微細な色ムラを解消するには不十分であった。
特許文献1の開示技術は、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液に、HLB(親水親油バランス)を考慮してノニオン系界面活性剤を添加することにより、製膜時における添加剤の析出やブリードアウトを回避し、ポリビニルアルコール系フィルムの透明性を確保している。しかしながら、HLBだけでなく、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液の界面張力や、水溶液とキャスト型表面との濡れ性も考慮しなければ、厚さや位相差のムラの改良には不充分である。ポリビニルアルコール系樹脂水溶液の界面張力が大きすぎる場合は、水溶液のキャスト型への流涎性が低下し、キャスト型表面でのはじきや気泡などの欠点が増加する傾向があり、逆に、小さすぎる場合は、製膜されたフィルムをキャスト型表面からスムーズに剥離することが困難になる傾向がある。
同様のことは、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液とキャスト型表面との濡れ性に関しても言える。すなわち、濡れ性が低すぎる場合は、水溶液のキャスト型への流涎性が低下し、はじきや気泡などの欠点が増加するばかりでなく、キャスト型の平滑な表面を転写することが困難となり、フィルムの粗さやうねりが増加し、最終的なポリビニルアルコール系フィルムの透明性や厚み精度が低下する。逆に、濡れ性が高すぎる場合は、製膜されたフィルムをキャスト型表面からスムーズに剥離することが困難となり、フィルムに位相差ムラが生じ、最終的なポリビニルアルコール系フィルムの染色性が低下する傾向がある。
なお、同一のキャスト型表面に対するポリビニルアルコール樹脂水溶液の濡れ性は、溶剤の組成に大きく依存する。一般的に、溶剤としては水が単独で使われており、特許文献の中には、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどの水と親和性を有する有機溶剤を挙げたものもあるが、実施例は全て水単独であり、水と親和性を有するアルコールを使用する提案はされていない。
特許文献2の開示技術は、キャスト型表面の凹凸を3μm以下にするものであるが、確かに、かかるキャスト型を用いることによりフィルムのうねりは低減されるものの、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液の界面張力やキャスト型との濡れ性も考慮しなければ、良好な流涎性や剥離性は得られず、厚み精度や位相差の均一性は得られない。
特許文献3や4の開示技術では、ポリビニルアルコール系フィルムの位相差やそのふれを低減することにより、確かに色ムラを抑えた偏光フィルムが得られるが、前述した偏光フィルムの微細な色ムラの解消には至っていない。かかる微細な色ムラは、原反であるポリビニルアルコール系フィルムに微細な厚みムラや微細な位相差ムラが存在すると顕著であるが、特許文献3や4の開示技術は、例えば、ポリビニルアルコール系フィルムの位相差を100mm刻みや10mm刻みで測定しているため、1mm以下の位相差ムラを検出できていないと推測される。また、測定方向がフィルムの幅方向(TD方向)のみであるため、流れ方向(MD方向)の位相差ムラを検出できていないと推測される。更に、特許文献3や4の開示技術には、いかにして生産性良くかかるポリビニルアルコール系フィルムを製造するかという問題がある。かかる問題は、ポリビニルアルコール系フィルムが幅広長尺薄型になるほど顕著である。問題解決には、製膜工程を見直す必要があり、いかにポリビニルアルコール系樹脂水溶液をスムーズに流涎し、かつ、いかに得られるフィルムをキャスト型からスムーズに剥離するかという点が重要であった。
特許文献5の開示技術では、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中のカルシウムの含有量を、0.002〜1000ppmに低減することにより、確かに8km以上の長尺化がなされているが、幅3m程度、厚さ50μm以上であり、近年の幅広薄型化の要望には応えられないものであった。特に、キャスト型からの剥離が困難な厚さ30μm以下の薄型フィルムの場合、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中の金属イオン量をさらに管理する必要があった。
特許文献6の開示技術は、キャスト型表面と水との接触角を100°以上にすることにより、フィルムのキャスト型からの剥離性を向上させるものであるが、撥水膜によりポリビニルアルコール系樹脂水溶液の流涎性が低下するため更なる改善が要望されていた。
そこで、本発明ではこのような背景下において、透明性、厚み精度、位相差の均一性に優れ、染色性にも優れる光学用ポリビニルアルコール系フィルムを製造することができるポリビニルアルコール系樹脂水溶液を提供することを目的とするものである。
しかるに、本発明者等はかかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの製膜原液であるポリビニルアルコール系樹脂水溶液として、特定の界面張力を示すポリビニルアルコール系樹脂水溶液を用いることにより、水溶液のキャスト型への流涎性やフィルムのキャスト型からの剥離性が改善され、透明性、厚み精度、位相差の均一性に優れ、染色性にも優れる光学用ポリビニルアルコール系フィルムを製造することができることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の要旨は、光学用ポリビニルアルコール系フィルムを製造するためのポリビニルアルコール系樹脂水溶液であって、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を水で15倍希釈した希釈水溶液(X)とした際に23℃50%RHの環境下で測定した界面張力が、25〜55mN/mであることを特徴とするポリビニルアルコール系樹脂水溶液である。
また、本発明は、光学用ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法、光学用ポリビニルアルコール系フィルム、及び偏光フィルムも提供するものである。
以下に、本発明の諸課題と、界面張力制御による課題解決法に関して総括する。
前述した通り、本発明の課題は、ポリビニルアルコール系フィルムの透明性、厚み精度、位相差の均一性、染色性の向上である。本発明者らは、それぞれの問題の発生状況を詳細に観察した結果、製膜原液であるポリビニルアルコール系樹脂水溶液の界面張力が、諸課題解決の糸口であるとの結論に達した。具体的には、ポリビニルアルコール系フィルムの透明性を低下させる表面荒れは、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液とキャスト型との界面で発生し、その発生具合は、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液の界面張力に依存する。また、厚み精度を悪化させる流涎性の低下や位相差を悪化させる剥離性の低下も、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液とキャスト型との界面の問題であり、その発生具合は、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液の界面張力に依存する。すなわち本発明者らは、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液の界面張力が適切な範囲であれば、諸課題は解決されることを見出したものである。
本発明のポリビニルアルコール系樹脂水溶液を製膜原液として用いることにより、透明性、厚み精度、位相差の均一性に優れ、染色性にも優れる光学用ポリビニルアルコール系フィルムを製造することができる。更に、該光学用ポリビニルアルコール系フィルムを用いると、色ムラが無く、均一な偏光度や光線透過率を有する偏光フィルムを得ることができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明のポリビニルアルコール系樹脂水溶液について説明する。
本発明のポリビニルアルコール系樹脂水溶液は、ポリビニルアルコール系樹脂と添加剤を、水を主成分とする溶剤に混合し、加熱溶解して得られるものであることが好ましい。
本発明で用いられるポリビニルアルコール系樹脂としては、通常、未変性のポリビニルアルコール系樹脂、即ち、酢酸ビニルを重合して得られるポリ酢酸ビニルをケン化して製造される樹脂が用いられる。必要に応じて、酢酸ビニルと、少量(通常、10モル%以下、好ましくは5モル%以下)の酢酸ビニルと共重合可能な成分との共重合体をケン化して得られる樹脂を用いることもできる。酢酸ビニルと共重合可能な成分としては、例えば、不飽和カルボン酸(例えば、塩、エステル、アミド、ニトリル等を含む)、炭素数2〜30のオレフィン類(例えば、エチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブテン等)、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸塩等が挙げられる。また、ケン化後の水酸基を化学修飾して得られる変性ポリビニルアルコール系樹脂を用いることもできる。
また、ポリビニルアルコール系樹脂として、側鎖に1,2−ジオール構造を有するポリビニルアルコール系樹脂を用いることもできる。かかる側鎖に1,2−ジオール構造を有するポリビニルアルコール系樹脂は、例えば、(i)酢酸ビニルと3,4−ジアセトキシ−1−ブテンとの共重合体をケン化する方法、(ii)酢酸ビニルとビニルエチレンカーボネートとの共重合体をケン化及び脱炭酸する方法、(iii)酢酸ビニルと2,2−ジアルキル−4−ビニル−1,3−ジオキソランとの共重合体をケン化及び脱ケタール化する方法、(iv)酢酸ビニルとグリセリンモノアリルエーテルとの共重合体をケン化する方法、等により得られる。
ポリビニルアルコール系樹脂の重量平均分子量は、10万〜30万であることが好ましく、特に好ましくは11万〜28万、更に好ましくは12万〜26万である。かかる重量平均分子量が小さすぎると偏光膜の偏光度が低下する傾向があり、大きすぎると偏光膜製造時の延伸が困難となる傾向がある。なお、上記ポリビニルアルコール系樹脂の重量平均分子量は、GPC−MALS法により測定される重量平均分子量である。
本発明で用いるポリビニルアルコール系樹脂の平均ケン化度は、通常98モル%以上であることが好ましく、特に好ましくは99モル%以上、更に好ましくは99.5モル%以上、殊に好ましくは99.8モル%以上である。かかる平均ケン化度が小さすぎると偏光膜の偏光度が低下する傾向がある。
ここで、本発明における平均ケン化度は、JIS K 6726に準じて測定されるものである。
本発明に用いるポリビニルアルコール系樹脂として、変性種、変性量、重量平均分子量、平均ケン化度などの異なる2種以上のものを併用してもよい。
一般的に、製膜原液であるポリビニルアルコール系樹脂水溶液には、ポリビニルアルコール系樹脂以外に、製膜性、ポリビニルアルコール系フィルムの強度、透明性、染色性などの向上のために、添加剤として、可塑剤や界面活性剤が添加される。
本発明で用いられる可塑剤としては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパンなどが挙げられる。これらの中では、ポリビニルアルコール系フィルムの透明性の点で、グリセリンが好ましい。
本発明で用いられる界面活性剤としては、ノニオン性、アニオン性、および/またはカチオン性の界面活性剤が挙げられる。
上記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンヘキシルエーテル、ポリオキシエチレンヘプチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンノニルエーテル、ポリオキシエチレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル、ポリオキシエチレンオクタデシルエーテル、ポリオキシエチレンエイコシルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、やし油還元アルコールエチレンオキサイド付加物、牛脂還元アルコールエチレンオキサイド付加物等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、カプロン酸モノまたはジエタノールアミド、カプリル酸モノまたはジエタノールアミド、カプリン酸モノまたはジエタノールアミド、ラウリン酸モノまたはジエタノールアミド、パルミチン酸モノまたはジエタノールアミド、ステアリン酸モノまたはジエタノールアミド、オレイン酸モノまたはジエタノールアミド、やし油脂肪酸モノまたはジエタノールアミド、あるいはこれらのエタノールアミドに代えてプロパノールアミド、ブタノールアミド等の高級脂肪酸アルカノールアミド、カプロン酸アミド、カプリル酸アミド、カプリン酸アミド、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、ヒドロキシエチルラウリルアミン、ポリオキシエチレンヘキシルアミン、ポリオキシエチレンヘプチルアミン、ポリオキシエチレンオクチルアミン、ポリオキシエチレンノニルアミン、ポリオキシエチレンデシルアミン、ポリオキシエチレンドデシルアミン、ポリオキシエチレンテトラデシルアミン、ポリオキシエチレンヘキサデシルアミン、ポリオキシエチレンオクタデシルアミン、ポリオキシエチレンオレイルアミン、ポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレンエイコシルアミン等のポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンカプロン酸アミド、ポリオキシエチレンカプリル酸アミド、ポリオキシエチレンカプリン酸アミド、ポリオキシエチレンラウリン酸アミド、ポリオキシエチレンパルミチン酸アミド、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ポリオキシエチレンオレイン酸アミド等のポリオキシエチレン高級脂肪酸アミド、ジメチルラウリルアミンオキシド、ジメチルステアリルオキシド、ジヒドロキシエチルラウリルアミンオキシド等のアミンオキシド、パーフルオロオクタン酸等のフルオロアルキル酸などが挙げられる。
上記アニオン性の界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩型として、ヘキシル硫酸ナトリウム、ヘプチル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、ノニル硫酸ナトリウム、デシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ヘキサデシル硫酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム、エイコシル硫酸ナトリウム、あるいはこれらのカリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩等のアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンヘキシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンヘプチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオクチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンデシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンドデシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンテトラデシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオクタデシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンエイコシルエーテル硫酸ナトリウム、あるいはこれらのカリウム塩、アンモニウム塩等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンヘキシルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンヘプチルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンデシルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンテトラデシルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンヘキサデシルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオクタデシルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンエイコシルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、あるいはこれらのカリウム塩、アンモニウム塩等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、カプロン酸エタノールアミド硫酸ナトリウム、カプリル酸エタノールアミド硫酸ナトリウム、カプリン酸エタノールアミド硫酸ナトリウム、ラウリン酸エタノールアミド硫酸ナトリウム、パルミチン酸エタノールアミド硫酸ナトリウム、ステアリン酸エタノールアミド硫酸ナトリウム、オレイン酸エタノールアミド硫酸ナトリウムあるいはこれらのカリウム塩、更にはこれらエタノールアミドに代えてプロパノールアミド、ブタノールアミド等の高級脂肪酸アルカノールアミド硫酸エステル塩、硫酸化油、高級アルコールエトキシサルフェート、モノグリサルフェートなどが挙げられる。また、上記硫酸エステル塩型以外に、脂肪酸石鹸、N−アシルアミノ酸およびその塩、ポリオキシエチレンアルキルエステルカルボン酸塩、アシル化ペプチド等のカルボン酸塩型、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸の塩ホルマリン重縮合物、メラミンスルホン酸の塩ホルマリン縮合物、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、スルホコハク酸アルキル二塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸二塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルメチルタウリン塩、ジメチル−5−スルホイソフタレートナトリウム塩等のスルホン酸塩型、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸塩、アルキルリン酸塩等のリン酸エステル塩型なども挙げられる。
上記カチオン性の界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミン塩酸塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルピリジニウムクロライドなどが挙げられる。
上記界面活性剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ノニオン性界面活性剤が好ましく、特に好ましくは高級脂肪酸アルカノールアミドであり、更に好ましくはラウリン酸モノまたはジエタノールアミド、パルミチン酸モノまたはジエタノールアミド、ステアリン酸モノまたはジエタノールアミド、オレイン酸モノまたはジエタノールアミドであり、殊に好ましくはラウリン酸モノまたはジエタノールアミド、より好ましくはラウリン酸ジエタノールアミドである。
ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中の界面活性剤濃度は、0.01〜0.5重量%であることが好ましく、特に好ましくは0.02〜0.4重量%である。かかる界面活性剤濃度が高すぎると、溶解工程において界面活性剤が十分に溶解しにくい傾向があり、溶解したとしても製膜時に析出しやすいため、ポリビニルアルコール系フィルムのヘイズが増大する傾向がある。逆に、界面活性剤濃度が低すぎても、ポリビニルアルコール系樹脂の水への溶解性が低下し、ポリビニルアルコール系フィルムのヘイズが増大する傾向にある。
上述したポリビニルアルコール系樹脂及び添加剤を用いて、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を調液するが、本発明の最大の特徴は、水で15倍希釈した希釈水溶液(X)とした際に23℃50%RHの環境下において測定した界面張力が、25〜55mN/mとなるようなポリビニルアルコール系樹脂水溶液を製膜原液として用いる点である。
かかる界面張力(mN/m)は、25〜55mN/mであることが必要であり、キャスト型表面への流涎性の点で、好ましくは25〜50mN/mであり、フィルムのキャスト型表面からの剥離性の点で、特に好ましくは30〜47mN/mであり、ポリビニルアルコール系フィルムの幅広長尺薄型化の点で、更に好ましくは30〜45mN/mである。
かかる界面張力が上限値を超えると、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液のキャスト型表面への流涎性が悪化し、本発明の目的を達成することができず、逆に、下限値未満でも、製膜されたフィルムのキャスト型表面からの剥離性が悪化し本発明の目的を達成することができない。いずれの場合も、ポリビニルアルコール系フィルムに厚みムラや位相差ムラが発生する傾向にある。
なお、製膜に供されるポリビニルアルコール系樹脂水溶液は、通常、23℃50%RHの環境下において固形であるため界面張力の測定は不可能であり、また、加熱すると高粘度な液体となるが、界面張力を安定して測定するのは困難である。従って、本発明は、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を水で15倍希釈した希釈水溶液(X)とした際の界面張力を測定し、実際に製膜に供された時のポリビニルアルコール系樹脂水溶液の界面張力を見積もったものである。
なお、本発明において希釈のために使用される水は、イオン交換水とする。水の界面張力は、一般的に、72.8mN/mであり(化学便覧参照。)、本発明で用いたイオン交換水の界面張力は、70.3mN/mであった。
かかる界面張力を制御する手法としては、以下の手法等が挙げられる。
[I]ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中の樹脂濃度を調整する手法。
[II]ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中の可塑剤の種類や濃度を調整する手法。
[III]ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中の界面活性剤の種類や濃度を調整する手
法。
[IV]ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中の金属イオン濃度を調整する手法。
これらの手法は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明においては、界面張力の制御の点で、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液が、グリセリンと高級脂肪酸アルカノールアミドを含有し、かつ次の3条件を満足することが好ましい。
条件(1)ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中の樹脂濃度が、20〜35重量%であること。
条件(2)ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中のグリセリン濃度が、1〜6重量%であること。
条件(3)ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中の高級脂肪酸アルカノールアミド濃度が、0.02〜0.4重量%であること。
上記条件(1)に関して、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中の樹脂濃度は、好ましくは20〜35重量%であることが好ましく、特に好ましくは24〜34重量%、更に好ましくは26〜33重量%である。かかる樹脂濃度が高すぎると、高粘度となるためポリビニルアルコール系樹脂水溶液の吐出が困難となり、かつ流涎性が低下する傾向があり、低すぎても、低粘度なため流涎性が低下する傾向がある。
上記条件(2)に関して、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中のグリセリン濃度は、1〜6重量%であることが好ましく、特に好ましくは2〜5重量%、更に好ましくは3〜4.5重量%である。かかるグリセリン濃度が高すぎると、ポリビニルアルコール系フィルムがブロッキングする傾向があり、低すぎると、ポリビニルアルコール系フィルムの巻き取り性やスリット性が低下する傾向がある。
上記条件(3)に関して、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中の高級脂肪酸アルカノールアミド濃度は、0.02〜0.4重量%であることが好ましく、特に好ましくは0.05〜0.35重量%、更に好ましくは0.1〜0.3重量%である。かかる高級脂肪酸アルカノールアミド濃度が高すぎると、ポリビニルアルコール系フィルムの透明性が低下する傾向があり、低すぎると、界面張力が増大する傾向がある。
本発明のポリビニルアルコール系樹脂水溶液は、界面張力低減の点で、更に、エーテル結合を含んでもよい炭素数1〜8の1価アルコールを含有することが好ましく、その含有濃度は、1〜20重量%であることが好ましい。
かかるエーテル結合を含んでもよい炭素数1〜8の1価アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、iso−ブタノール、t−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、1−ヘキサノール、2-ヘキサノール、3−ヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、4−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、3−オクタノール、4−オクタノール、5−オクタノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、シクロプロパノール、シクロブタノール、シクロプロピルメタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノールなどが挙げられる。これらの中では、乾燥性の点で、沸点が80〜200℃のものが好ましく、特に好ましくは沸点が100〜180℃のもの、更に好ましくは、界面張力低減の点で、1−ヘキサノールが好ましい。
ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中のアルコール濃度は、1〜20重量%であることが好ましく、特に好ましくは1〜15重量%であり、更に好ましくは2〜10重量%である。かかるアルコール濃度が濃すぎると界面張力低減の効果が低下する傾向があり、高すぎるとポリビニルアルコール系樹脂水溶液が相分離しやすくなる傾向がある。
本発明においては、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液の調液に使用される水のカルシウムイオン濃度が、0.1ppm以下であることが好ましく、特に好ましくは0.01ppm以下である。かかるカルシウムイオン濃度が高すぎると、界面張力が不安定になると共に、フィルムのキャスト型からの剥離性が低下する傾向がある。
なお、カルシウムイオン濃度と同様に、2価以上の金属イオン濃度も0.1ppm以下であることが好ましい。かかる2価以上の金属イオンとしては、例えば、アルミニウム、ヒ素、ホウ素、バリウム、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、コバルト、鉄、水銀、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ニッケル、リン、鉛、アンチモン、セレン、ケイ素、スズ、ストロンチウム、バナジウム、亜鉛、ジルコニウムなどのイオンが挙げられる。
ポリビニルアルコール系樹脂水溶液の調液方法は、とくに限定されず、たとえば、加温した多軸押出機を用いて調液してもよく、また、上下循環流発生型撹拌翼を備えた溶解缶に、前述したポリビニルアルコール系樹脂と添加剤を投入し、缶中に水蒸気を吹き込んで、溶解及び所望濃度の水溶液を調液することもできる。
かくして本発明のポリビニルアルコール系樹脂水溶液が得られる。ポリビニルアルコール系樹脂水溶液は、連続的にキャスト型表面に吐出及び流涎されて、製膜に供される。
本発明で使用されるキャスト型としては、キャストドラム(ドラム型ロール)、エンドレスベルト、樹脂フィルムなどが挙げられるが、これらの中では、表面平滑性の点から、キャストドラムとエンドレスベルトが好ましく、特に好ましくは、得られるフィルムの幅広長尺薄型化の点から、キャストドラムである。
かかるキャストドラムとしては、通常、鉄を主成分とするステンレス鋼(SUS)の表面に、傷つき防止のため金属メッキが施されているものが使用される。金属メッキとしては、例えば、クロムメッキ、ニッケルメッキ、亜鉛メッキなどが挙げられ、これらが単独または2層以上積層化して使用される。これらの中でも、耐久性に優れる点で、最表面がクロムメッキされたものが好ましい。なお、キャスト型表面の水との接触角は、材質や使用状況によりまちまちであり、通常、10〜170°である。キャスト型がクロムメッキされたものであっても、表面状態は使用状況で異なり、本発明者等がイオン交換水を用いて確認したところ、80〜90°であった。ちなみに、上述した特許文献6において、クロムメッキ面と水との接触角は、表面処理前で79°、表面処理後で110〜112°である。
本発明の光学用ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法の特徴は、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を水で15倍希釈した希釈水溶液(X)とした際に、希釈水溶液(X)のキャスト型表面に対する接触角θ1が、23℃50%RHの環境下において、30〜80°となるような、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を製膜原液として用いる点にある。
かかる接触角θ1は、30〜80°であることが必要であり、フィルムのキャスト型表面からの剥離性の点で、好ましくは35〜75°、平滑なキャスト型表面の転写性の点で、特に好ましくは40〜70°である。希釈水溶液(X)とキャスト型表面の接触角θ1が、上限値を超えると、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液のキャスト型への流涎性が悪化し本発明の目的を達成することができず、逆に、下限値未満でも、製膜されたフィルムのキャスト型からの剥離性が悪化し、本発明の目的を達成できない。いずれの場合も、ポリビニルアルコール系フィルムに厚みムラや位相差ムラが発生する傾向がある。
なお、製膜に供されるポリビニルアルコール系樹脂水溶液は、通常、23℃50%RHの環境下において固形であるため接触角の測定は不可能であり、加熱すると高粘度な液体となるが、キャスト型表面上で接触角を安定して測定するのは困難である。従って、本発明は、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を水で15倍希釈した希釈水溶液(X)を用いて、キャスト型表面との接触角θ1(°)を測定し、実際に製膜に供された時のポリビニルアルコール系樹脂水溶液のキャスト型表面に対する接触角を見積もるものである。
なお、本発明において希釈のために使用される水は、イオン交換水とする。
本発明においては、かかる接触角θ1をキャスト型の幅方向に沿って測定した場合に、接触角θ1のふれ(Δθ1)が10°以内であることが好ましい。本発明におけるΔθ1は、キャスト型の幅方向に接触角θ1を10箇所以上測定して、最大値と最小値の差を採るものとする。
かかるΔθ1は、特に好ましくは5°以内、更に好ましくは3°以内である。Δθ1が大きすぎると、製膜原液であるポリビニルアルコール系樹脂水溶液のキャスト型への流涎性や、製膜されたフィルムのキャスト型からの剥離性が均一でなくなり、ポリビニルアルコール系フィルムに微細な厚みムラや微細な位相差ムラが発生する傾向がある。特に、幅広長尺薄型のポリビニルアルコール系フィルムの製造歩留りが低下する傾向がある。
上述した接触角θ1や接触角θ1のふれΔθ1を制御するには、以下の手法などが挙げられる。
[i]希釈水溶液(X)の界面張力γ(mN/m)を調整する手法。
[ii]キャスト型表面の材質や仕様を調整する手法。
上記手法[i]に関しては、本発明のポリビニルアルコール系樹脂水溶液を用いればよい。ポリビニルアルコール系フィルムの生産性の点で、高級脂肪酸アルカノールアミド以外に、複数の界面活性剤を併用することもできる。かかる場合、界面活性剤の0.05重量%水溶液とキャスト面との接触角θ2が60°以下のものが好ましく、特に好ましくは、ポリオキシエチレンラウリルアミン(クロムメッキ面との接触角θ2=58°)である。なお、ラウリン酸ジエタノールアミドのクロムメッキ面との接触角θ2は54°である。
複数の界面活性剤を併用する場合、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中の合計濃度は、0.5重量%以下であることが好ましく、特に好ましくは0.02〜0.4重量%である。合計濃度が高すぎるとポリビニルアルコール系フィルムの透明性が低下する傾向がある。
上記手法[ii]に関しては、本発明の好ましい実施形態として、前述したキャスト型表面がクロムメッキの場合、かかるクロムメッキ面の表面粗さが、接触角θ1や接触角θ1のふれΔθ1に影響する。かかる観点から、クロムメッキ面の表面粗さRaは充分に考慮する必要があり、表面粗さRaは10〜20nmであることが好ましく、特に好ましくは13〜19nm、更に好ましくは15〜18nmである。
かかる表面粗さRaが小さすぎると、接触角θ1が増大すると共に、キャスト型表面とフィルムとの密着性が低下し、ポリビニルアルコール系フィルムに汚れや気泡など欠陥が増加しやすい傾向があり、逆に大きすぎると、接触角θ1のふれΔθ1が増大すると共に、ポリビニルアルコール系フィルムのヘイズが増大する傾向にある。
以下、本発明の光学用ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法について説明する。
本発明の光学用ポリビニルアルコール系フィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を、T型スリットダイからキャストドラム(ドラム型ロール)、エンドレスベルト、樹脂フィルムなどのキャスト型に吐出及び流延して製膜し、乾燥することにより製造される。
T型スリットダイ出口のポリビニルアルコール系樹脂水溶液の温度は80〜100℃であることが好ましく、特に好ましくは85〜98℃である。かかる樹脂温度が低すぎると流動不良となる傾向があり、高すぎると発泡する傾向がある。
ポリビニルアルコール系樹脂水溶液の粘度は、吐出時に50〜200Pa・sであることが好ましく、特に好ましくは70〜150Pa・sである。かかる水溶液の粘度が、低すぎると流動不良となる傾向があり、高すぎると流涎が困難となる傾向がある。
本発明においてキャスト型としてキャストドラムを用いる場合、キャストドラムドラムの直径は、2〜5mであることが好ましく、特に好ましくは2.4〜4.5m、更に好ましくは2.8〜4mである。
かかる直径が小さすぎると乾燥長が不足し速度が出にくい傾向があり、大きすぎると輸送性が低下する傾向がある。
かかるキャストドラムの幅は、4〜7mであることが好ましく、特に好ましくは4.5〜7m、更に好ましくは5〜7mである。キャストドラムの幅が小さすぎると生産性が低下する傾向があり、大きすぎると輸送性が低下する傾向がある。
キャスト型の表面温度は、40〜99℃であることが好ましく、特に好ましくは50〜97℃である。かかる表面温度が低すぎると乾燥不良となる傾向があり、高すぎると発泡してしまう傾向がある。
本発明においては、転写性の点で、キャスト型からフィルム剥離する時のフィルムの含水率が25重量%以下であることが好ましく、特に好ましくは10〜20重量%である。かかる含水率が大きすぎると、ポリビニルアルコール系フィルムの位相差が増大する傾向があり、小さすぎるとポリビニルアルコール系フィルムにうねりが発生する傾向がある。
本発明においては、キャスト型からフィルムを剥離する時の剥離応力が、0.1〜100mN/10mmであることが好ましく、特に好ましくは1〜10mN/10mmである。かかる応力が大きすぎると、フィルムが破断しやすく、ポリビニルアルコール系フィルムの位相差ムラが増大する傾向があり、逆に、低すぎると剥離が安定化せず、ポリビニルアルコール系フィルムに厚みムラが発生しやすい傾向がある。
かくして本発明の製膜が行われ、得られたフィルムは乾燥される。
フィルムの乾燥は、フィルムの表面と裏面とを複数の乾燥ロールに交互に接触させることにより行なわれる。乾燥ロールの表面温度は特に限定されないが、通常50〜150℃であり、好ましくは60〜120℃である。かかる表面温度が低すぎると乾燥不良となり、高すぎると乾燥しすぎることとなり、うねりなどの外観不良を招く傾向がある。
本発明においては、熱ロールによる乾燥後、フィルムに熱処理を行うことが好ましい。熱処理温度は、60〜150℃であることが好ましく、特に好ましくは70〜140℃である。熱処理温度が低すぎると、ポリビニルアルコール系フィルムの耐水性が不足する傾向があり、高すぎると偏光フィルム製造時の延伸性が低下する傾向がある。かかる熱処理方法としては、例えば、フローティングドライヤーにて行う方法、乾燥後一旦常温程度まで冷却した後に再度高温の熱ロールに接触させる方法、赤外線ランプを用いてフィルムの両面に近赤外線を照射する方法等が挙げられるが、これらの中でも、均一に熱処理できる点で、フローティングドライヤーにて行う方法が好ましい。
かくして得られた光学用ポリビニルアルコール系フィルムの原反は、幅方向両端部をスリットされ、ロールに巻き取られて製品となる。
かくして本発明の光学用ポリビニルアルコール系フィルムが製造される。
本発明の光学用ポリビニルアルコール系フィルムは、厚さが30μm以下であることが好ましく、特に好ましくは破断回避の点から5〜30μmである。厚さが厚すぎると、偏光フィルムの薄型化が困難となる傾向がある。また、本発明の光学用ポリビニルアルコール系フィルムは、幅4m以上であることが、生産性の点で好ましく、長さ4km以上であることが、生産性の点で特に好ましい。
本発明の光学用ポリビニルアルコール系フィルムは、ヘイズが1%以下であることが好ましく、特に好ましくは0.5%以下、更に好ましくは0.3%以下である。ヘイズが高すぎると、偏光フィルムに微細な光線透過率のムラが発生しやすい傾向がある。
本発明の光学用ポリビニルアルコール系フィルムは、厚み変動係数が1%以下であることが好ましく、特に好ましくは0.9%以下、更に好ましくは0.8%以下である。厚み変動係数が大きすぎると、偏光フィルムに微細な色ムラが発生しやすい傾向がある。
本発明の光学用ポリビニルアルコール系フィルムは、面内位相差ムラが30nm以下であることが好ましく、特に好ましくは20nm以下、更に好ましくは10nm以下である。面内位相差ムラが大きすぎると、偏光フィルムに微細な色ムラが発生する傾向にある。
本発明のポリビニルアルコール系フィルムは、透明性、厚み精度、位相差の均一性、染色性に優れ、偏光フィルムの原反として好ましく用いられる。
以下、本発明の偏光フィルムの製造方法について説明する。
本発明の偏光フィルムは、上記ポリビニルアルコール系フィルムを、ロールから巻き出して水平方向に移送し、膨潤、染色、ホウ酸架橋、延伸、洗浄、乾燥などの工程を経て製造される。
膨潤工程は、染色工程の前に施される。膨潤工程により、ポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れを洗浄することができるほかに、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色ムラなどを防止する効果もある。膨潤工程において、処理液としては、通常、水が用いられる。当該処理液は、主成分が水であれば、ヨウ化化合物、界面活性剤等の添加物、アルコール等が少量入っていてもよい。膨潤浴の温度は、通常10〜45℃程度であり、膨潤浴への浸漬時間は、通常0.1〜10分間程度である。
染色工程は、フィルムにヨウ素または二色性染料を含有する液体を接触させることによって行なわれる。通常は、ヨウ素−ヨウ化カリウムの水溶液が用いられ、ヨウ素の濃度は通常0.1〜2g/L、ヨウ化カリウムの濃度は通常1〜100g/Lである。染色時間は通常30〜500秒程度が実用的である。処理浴の温度は5〜50℃であることが好ましい。水溶液には、水溶媒以外に水と相溶性のある有機溶媒を少量含有させてもよい。
ホウ酸架橋工程は、ホウ酸やホウ砂などのホウ素化合物を使用して行われる。ホウ素化合物は、水溶液または水−有機溶媒混合液の形で、通常濃度10〜100g/L程度で用いられ、液中にはヨウ化カリウムを共存させるのが、偏光性能の安定化の点で好ましい。処理時の温度は通常30〜70℃程度、処理時間は0.1〜20分程度が好ましく、また必要に応じて処理中に延伸操作を行なってもよい。
延伸工程は、一軸方向に3〜10倍することが好ましく、特に好ましくは3.5〜6倍である。この際、延伸方向の直角方向にも若干の延伸(幅方向の収縮を防止する程度、またはそれ以上の延伸)を行なっても差し支えない。延伸時の温度は、30〜170℃が好ましい。さらに、延伸倍率は最終的に前記範囲に設定されればよく、延伸操作は一段階のみならず、製造工程の任意の範囲の段階に実施すればよい。
洗浄工程は、例えば、水やヨウ化カリウム等のヨウ化物水溶液にポリビニルアルコール系フィルムを浸漬することにより行われ、フィルムの表面に発生する析出物を除去することができる。ヨウ化カリウム水溶液を用いる場合のヨウ化カリウム濃度は1〜80g/L程度でよい。洗浄処理時の温度は、通常、5〜50℃、好ましくは10〜45℃である。
処理時間は、通常1〜300秒間、好ましくは10〜240秒間である。なお、水洗浄とヨウ化カリウム水溶液による洗浄は、適宜組み合わせて行ってもよい。
乾燥工程は、通常大気中で40〜80℃で1〜10分間行えばよい。
また、偏光フィルムの偏光度は、好ましくは99.8%以上、特に好ましくは99.9%以上である。偏光度が低すぎると液晶ディスプレイにおけるコントラストを確保することができなくなる傾向がある。
なお、偏光度は、一般的に2枚の偏光フィルムを、その配向方向が同一方向になるように重ね合わせた状態で、波長λにおいて測定した光線透過率(H11)と、2枚の偏光フィルムを、配向方向が互いに直交する方向になる様に重ね合わせた状態で、波長λにおいて測定した光線透過率(H1)より、下式にしたがって算出される。
〔(H11−H1)/(H11+H1)〕1/2
さらに、本発明の偏光フィルムの単体透過率は、好ましくは42%以上、特に好ましくは43%以上である。かかる単体透過率が低すぎると液晶ディスプレイの高輝度化を達成できなくなる傾向がある。
単体透過率は、分光光度計を用いて偏光フィルム単体の光線透過率を測定して得られる値である。
かくして、本発明の偏光フィルムが得られるが、本発明の偏光フィルムは、偏光度ムラの少ない偏光板を製造するのに好適である。
得られた偏光フィルムは、その片面または両面に光学的に等方性の高分子フィルムまたはシートを保護フィルムとして積層接着して、偏光板として用いることもできる。保護フィルムとしては、たとえば、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、架橋メタクリレート系樹脂、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、ポリスチレン、ポリエーテルスルホン、ポリアリーレンエステル、ポリ−4−メチルペンテン、ポリフェニレンオキサイドなどのフィルムまたはシートがあげられる。
また、偏光フィルムには、薄膜化を目的として、上記保護フィルムの代わりに、その方面または両面にウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレア樹脂などの硬化性樹脂を塗布し、硬化して積層させることもできる。
本発明のポリビニルアルコール系フィルムから得られる偏光フィルムは、色ムラがなく、偏光性能の面内均一性にも優れており、携帯情報端末機、パソコン、テレビ、プロジェクター、サイネージ、電子卓上計算機、電子時計、ワープロ、電子ペーパー、ゲーム機、ビデオ、カメラ、フォトアルバム、温度計、オーディオ、自動車や機械類の計器類などの液晶表示装置、サングラス、防眩メガネ、立体メガネ、ウェアラブルディスプレイ、表示素子(CRT、LCD、有機EL、電子ペーパーなど)用反射防止層、光通信機器、医療機器、建築材料、玩具などに好ましく用いられる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
尚、例中「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。
各物性について、次のようにして測定を行った。
(1)界面張力(mN/m)
ポリビニルアルコール系樹脂水溶液をイオン交換水で15倍希釈した希釈水溶液(X)を用意し、協和界面科学社製「ポータブル接触角計PCA−1」を用いて、23℃、50%RHの測定雰囲気で、希釈水溶液(X)の液滴4μLの輪郭形状を測定し、Young−Laplace法に従って界面張力(mN/m)を算出した。
(2)接触角θ1(°)、接触角のふれΔθ1(°)
ポリビニルアルコール系樹脂水溶液をイオン交換水で15倍希釈した希釈水溶液(X)を用意し、協和界面科学社製「ポータブル接触角計PCA−1」を用いて、23℃、50%RHの測定雰囲気で、希釈水溶液(X)の液滴1μLをキャスト型表面に落液させ、10秒後の液滴の形状から接触角θ1(°)を算出した。かかる測定をキャスト型の幅方向10箇所で行い、得られた10点の平均値をとった。
また、得られた10点の接触角θ1(°)の最大値と最小値の差を接触角のふれΔθ1(°)とした。
(3)接触角θ2(°)
界面活性剤をイオン交換水で希釈して0.05重量%水溶液を用意し、上記手法に準じて接触角θ2(°)を算出した。
(4)表面粗さRa(nm)
キーエンス社製レーザーフォーカス顕微鏡VK−9700(測定長:1mm、対物レンズ:50倍)を用いて、キャスト型表面の10箇所の表面粗さRa(nm)を測定し、平均値をとった。
(5)流涎性
製膜中に、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液のキャスト型への流涎状態を目視観察し、下記の基準で流涎性を評価した。
(評価基準)
○・・・全長全幅にわたりきれいに流涎した。
×・・・一部にはじきが生じた。
(6)剥離性
製膜中に、キャスト型からのフィルムの剥離状態を目視観察し、下記の基準で剥離性を評価した。
(評価基準)
○・・・全幅全長にわたりきれいに剥離した。
×・・・フィルムの一部分がキャスト型に付着した。
(7)ヘイズ(%)
得られたポリビニルアルコール系フィルムから50mm×50mmの試験片を10枚採取し、日本電色製ヘイズメーターNDH−4000を用いて測定し、10枚の平均値をヘイズ(%)とした。
(8)厚み精度
得られたポリビニルアルコール系フィルムの流れ方向(MD方向)と幅方向(TD方向)の厚みを次の手法で測定し、下記式に従って両方向の厚み変動係数(%)を算出した。・MD方向の測定は、キーエンス社製「分光干渉型膜厚計SI−T80」を用いて0.3mm刻みで、幅方向(TD方向)の中央部と両端部(両端から20cm内側)の3か所をそれぞれ6万点測定する。
・TD方向の測定は、山文電気社製「連続膜厚計TOF−5R01」を用いて、流れ方向(MD方向)の先端部、中央部、終端部の3箇所をそれぞれ4,000点測定する。
・厚み変動係数(C.V.)=100×S.D./x
「標準偏差(S.D.)=√(Σ(xi−x)2/(n−1)) x:平均値、xi:i番目の値、n:サンプル数」
(9)位相差ムラ(nm)
得られたロール状のポリビニルアルコール系フィルムから、幅方向(TD)4800mm×流れ方向(MD)50mmの試験片を切り出し、「KOBRA−WFD」(王子計測機器(株)製、測定波長590nm)を用いて、幅方向に10mmピッチで全幅にわたって計480点の面内位相差(nm)を測定した。かかる測定を、ロールフィルムの流れ方向(MD方向)先端部/中央部/終端部の3箇所について行い、面内位相差(nm)の最大値と最小値の差を位相差ムラ(nm)とした。
(10)偏光フィルムの偏光度(%)、単体透過率(%)、偏光度ムラ(%)
得られた偏光フィルムから、延伸方向200mm×幅方向40mmの試験片を切り出し、大塚電子(株)製:RETS−1100Aを用いて延伸方向に10mmピッチで10点の偏光度(%)と単体透過率(%)を測定し、それぞれの平均値を偏光フィルムの偏光度(%)と単体透過率(%)とした。また得られた偏光度(%)の最大値と最小値の差を偏光度ムラ(%)とした。
(11)偏光フィルムの色ムラ
得られた偏光フィルムから、長さ30cm×幅30cmの試験片を切り出し、クロスニコル状態の2枚の偏光板(単体透過率43.5%、偏光度99.9%)の間に45°の角
度で挟んだのちに、表面照度14,000lxのライトボックスを用いて、透過モードで光学的な色ムラを観察し、以下の基準で評価した。
(評価基準)
○・・・色ムラなし
×・・・色ムラあり
<実施例1>
(ポリビニルアルコール系樹脂水溶液の製造)
重量平均分子量142000、ケン化度99.8モル%のポリビニルアルコール系樹脂1,200kg(ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中の樹脂濃度30重量%)、溶剤として水2,625kg、可塑剤としてグリセリン160kg(ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中のグリセリン濃度4重量%)、界面活性剤としてラウリン酸ジエタノールアミド15kg(ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中の高級脂肪酸アルカノールアミド濃度0.38重量%)を溶解槽に投入し、撹拌しながら140℃まで昇温して、均一に溶解したポリビニルアルコール系樹脂水溶液4,000kgを得た。
かかるポリビニルアルコール系樹脂水溶液を水で15倍希釈した希釈水溶液(X)の界面張力γは27mN/mであった。
また、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を水で15倍希釈した希釈水溶液(X)とキャスト型表面(キャストドラム表面)とのなす接触角θ1は30°、接触角θ1のふれΔθ1は3°であった。なお、使用したラウリン酸ジエタノールアミドの0.05重量%水溶液のクロムメッキ面との接触角θ2は54°であった。
(ポリビニルアルコール系フィルムの製造)
得られたポリビニルアルコール系樹脂水溶液を、ベントを有する2軸押出機に供給して脱泡した後、水溶液温度を95℃にし、T型スリットダイ吐出口より、回転するキャストドラム(表面クロムメッキ、表面粗さRa18nm)に、吐出速度1.3m/分で吐出及び流延して製膜した。流涎性は良好であった。次いで、キャストドラムからフィルムを剥離した。剥離性は良好であった。
最後に、フィルムの表面と裏面とを15本の熱ロール(温度70〜120℃)に交互に接触させながら乾燥を行い、更に、フローティングドライヤーを用いて、フィルム両面から120℃の熱風を吹き付けて熱処理し、両端部をスリットしてロールに巻き取り、幅5m、厚さ30μm、長さ5kmのポリビニルアルコール系フィルムを得た。得られたポリビニルアルコール系フィルムの特性は、表2に示される通りであり、透明性、厚み精度、位相差の均一性に優れていた。
(偏光フィルムの製造)
得られたポリビニルアルコール系フィルムをロールから巻き出し、水平方向に搬送しながら、水温30℃の水槽に浸漬して膨潤させながら1.7倍に延伸した。次に、ヨウ素0.5g/L、ヨウ化カリウム30g/Lよりなる30℃の水溶液中に浸漬して染色しながら1.6倍に延伸し、ついでホウ酸40g/L、ヨウ化カリウム30g/Lの組成の水溶液(50℃)に浸漬してホウ酸架橋しながら2.1倍に一軸延伸した。最後に、ヨウ化カリウム水溶液で洗浄を行い、50℃で2分間乾燥して総延伸倍率5.7倍の偏光フィルムを得た。得られた偏光フィルムの特性は表2に示される通りであった。
<参考例1>
得られたポリビニルアルコール系樹脂水溶液を水で15倍希釈した希釈水溶液(X)とPETフィルム(東レ社製「ルミラーT60」、厚さ38μm)との接触角θ1は34°
であり、キャスト型がPETフィルムであっても、流涎性と剥離性共に良好であると予想された。
<実施例2>
実施例1において、界面活性剤としてラウリン酸ジエタノールアミド4.8kg(ポリ
ビニルアルコール系樹脂水溶液中の高級脂肪酸ジアルカノールアミド濃度0.12重量%)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を得た。得られたポリビニルアルコール系樹脂水溶液の特性は、表1に示される通りであった。
更に、実施例1と同様にして、ポリビニルアルコール系フィルムと偏光フィルムを得た。得られたポリビニルアルコール系フィルムと偏光フィルムの特性は、表2に示される通りであった。
<実施例3>
実施例1において、界面活性剤としてラウリン酸ジエタノールアミド2kg(ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中の高級脂肪酸アルカノールアミド濃度0.05重量%)を用い、加えて1−ヘキサノール200kg(ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中のアルコール濃度5重量%)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を得た。得られたポリビニルアルコール系樹脂水溶液の特性は、表1に示される通りであった。
更に、実施例1と同様にして、ポリビニルアルコール系フィルムと偏光フィルムを得た。得られたポリビニルアルコール系フィルムと偏光フィルムの特性は、表2に示される通りであった。
<実施例4>
実施例1において、界面活性剤としてラウリン酸ジエタノールアミド2kg(ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中の高級脂肪酸アルカノールアミド濃度0.05重量%)と、平均縮合度10のポリオキシエチレンラウリルアミン0.48kg(ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中のポリオキシエチレンラウリルアミン濃度0.012重量%)を用いること以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を得た。使用したポリオキシエチレンラウリルアミンの0.05重量%水溶液とクロムメッキ面との接触角θ2は58°であった。得られたポリビニルアルコール系樹脂水溶液の特性は、表1に示される通りであった。
更に、実施例1と同様にして、ポリビニルアルコール系フィルムと偏光フィルムを得た。得られたポリビニルアルコール系フィルムと偏光フィルムの特性は、表2に示される通りであった。
<比較例1>
実施例1において、界面活性剤としてラウリン酸ジエタノールアミド20kg(ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中の高級脂肪酸アルカノールアミド濃度0.5重量%)を用いること以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を得た。得られたポリビニルアルコール系樹脂水溶液の特性は、表1に示される通りであった。
得られたポリビニルアルコール系樹脂水溶液を用いて製膜を行ったが、フィルムの一部がキャスト型から剥離せず、フィルムの一部に破損が生じた。更に、実施例1と同様にして、ポリビニルアルコール系フィルムと偏光フィルムを得た。得られたポリビニルアルコール系フィルムと偏光フィルムの特性は、表2に示される通りであった。
<比較例2>
実施例1において、界面活性剤としてラウリン酸ジエタノールアミド0.6kg(ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中の高級脂肪酸アルカノールアミド濃度0.015重量%)を用いること以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を得た。得られたポリビニルアルコール系樹脂水溶液の特性は、表1に示される通りであった。
得られたポリビニルアルコール系樹脂水溶液を用いて製膜を行ったが、キャスト型への流涎中にはじきが観察され、目視で確認していても液面に凹凸が観察された。更に、実施例1と同様にして、ポリビニルアルコール系フィルムと偏光フィルムを得た。得られたポリビニルアルコール系フィルムと偏光フィルムの特性は、表2に示される通りであった。
<比較例3>
実施例1において、界面活性剤としてラウリン酸ジエタノールアミド1.56kg(ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中の高級脂肪酸アルカノールアミド濃度0.039重量%)と、平均縮合度4のポリオキシエチレンラウリルエーテル0.48kg(ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中のポリオキシエチレンラウリルエーテル濃度0.012重量%)を用いること以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を得た。使用したポリオキシエチレンラウリルエーテルの0.05重量%水溶液とクロムメッキ面との接触角θ2は67°であった。得られたポリビニルアルコール系樹脂水溶液の特性は、表1に示される通りであった。
得られたポリビニルアルコール系樹脂水溶液を用いて製膜を行ったが、キャスト型への流涎中にはじきが観察され、目視で確認していても液面に凹凸が観察された。更に、実施例1と同様にして、ポリビニルアルコール系フィルムと偏光フィルムを得た。得られたポリビニルアルコール系フィルムと偏光フィルムの特性は、表2に示される通りであった。
Figure 2018018062
Figure 2018018062
実施例1〜4のポリビニルアルコール系樹脂水溶液は、界面張力が本発明の特定の範囲内であるため、フィルム製膜時の流涎性や剥離性が良好であり、得られたポリビニルアルコール系フィルムは、薄型幅広長尺であるにもかかわらず、透明性、厚み精度、位相差の均一性に優れているのに対し、比較例1〜3のポリビニルアルコール系樹脂水溶液は、界面張力が本発明の特定の範囲外であるため、フィルム製膜時の流涎性や剥離性に劣り、得られるポリビニルアルコール系フィルムは、透明性、厚み精度、位相差の均一性に劣ることがわかる。
また、実施例1〜4のポリビニルアルコール系フィルムから得られる偏光フィルムは、偏光性能に優れ、色ムラが無く、偏光度の均一性にも優れていることがわかる。
本発明により得られる偏光フィルムや偏光板は、偏光性能の面内均一性にも優れており、携帯情報端末機、パソコン、テレビ、プロジェクター、サイネージ、電子卓上計算機、電子時計、ワープロ、電子ペーパー、ゲーム機、ビデオ、カメラ、フォトアルバム、温度計、オーディオ、自動車や機械類の計器類などの液晶表示装置、サングラス、防眩メガネ、立体メガネ、ウェアラブルディスプレイ、表示素子(CRT、LCD、有機EL、電子ペーパーなど)用反射防止層、光通信機器、医療機器、建築材料、玩具などに好ましく用いられる。

Claims (10)

  1. 光学用ポリビニルアルコール系フィルムを製造するためのポリビニルアルコール系樹脂水溶液であって、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を水で15倍希釈した希釈水溶液(X)とした際に23℃50%RHの環境下で測定した界面張力が、25〜55mN/mであることを特徴とするポリビニルアルコール系樹脂水溶液。
  2. グリセリンと高級脂肪酸アルカノールアミドを含有し、かつ下記条件(1)〜(3)を全て満足することを特徴とする請求項1記載のポリビニルアルコール系樹脂水溶液。
    条件(1)ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中の樹脂濃度が、20〜35重量%であること。
    条件(2)ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中のグリセリン濃度が、1〜6重量%であること。
    条件(3)ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中の高級脂肪酸アルカノールアミド濃度が、0.02〜0.4重量%であること。
  3. エーテル結合を含んでもよい炭素数1〜8の1価アルコールを含有し、その含有濃度が1〜20重量%であることを特徴とする請求項1または2記載のポリビニルアルコール系樹脂水溶液。
  4. 請求項1〜3いずれか記載のポリビニルアルコール系樹脂水溶液を用いて得られる光学用ポリビニルアルコール系フィルム。
  5. ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を、連続的にキャスト型表面に吐出及び流涎して製膜する光学用ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法であり、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を水で15倍希釈した希釈水溶液(X)の23℃50%RHの環境下におけるキャスト型表面に対する接触角θ1が、30〜80°であることを特徴とする光学用ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
  6. 希釈水溶液(X)の23℃50%RHの環境下におけるキャスト型表面に対する接触角を、キャスト型表面の幅方向に沿って測定した際の接触角θ1のふれ(Δθ1)が、10°以内であることを特徴とする請求項5記載の光学用ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
  7. キャスト型表面がクロムメッキされており、かつ表面粗さRaが10〜20nmであることを特徴とする請求項5または6記載の光学用ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
  8. 請求項5〜7いずれか記載の製造方法により製造されることを特徴とする光学用ポリビニルアルコール系フィルム。
  9. 厚さが5〜30μmであることを特徴とする請求項4または8記載の光学用ポリビニルアルコール系フィルム。
  10. 請求項4、8、9いずれか記載の光学用ポリビニルアルコール系フィルムからなることを特徴とする偏光フィルム。
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