JP2017213878A - ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法、ポリビニルアルコール系フィルム、および偏光膜 - Google Patents
ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法、ポリビニルアルコール系フィルム、および偏光膜 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】 ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液を、連続的にキャスト型に流延して製膜し、得られるフィルムをキャスト型から剥離後、乾燥するポリビニルアルコール系フィルムの製造方法であって、流延前のキャスト型表面が、界面活性剤で連続的に親水化処理され、水との接触角が5〜50°であることを特徴とするポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
【選択図】なし
Description
ここで、本発明における平均ケン化度は、JIS K 6726に準じて測定されるものである。
かかるポリビニルアルコール系樹脂ウェットケーキを温水や熱水に溶解して、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を調整する。
(A)回転するキャストドラムの表面を、連続的に界面活性剤で親水化処理する工程。
(B)親水化されたキャストドラムの表面に、ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液を、T型スリットダイから吐出及び流延する工程。
(C)キャストドラムの表面で、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を乾燥して製膜す
る工程。
(D)キャストドラムの表面からフィルムを剥離する工程。
(E)剥離したフィルムを、更に乾燥、必要に応じて熱処理する工程。
かかるアミド系ノニオン性界面活性剤としては、
カプロン酸モノまたはジエタノールアミド、カプリル酸モノまたはジエタノールアミド、カプリン酸モノまたはジエタノールアミド、ラウリン酸モノまたはジエタノールアミド、パルミチン酸モノまたはジエタノールアミド、ステアリン酸モノまたはジエタノールアミド、オレイン酸モノまたはジエタノールアミド、やし油脂肪酸モノまたはジエタノールアミド、あるいはこれらのエタノールアミドに代えてプロパノールアミド、ブタノールアミド等の高級脂肪酸アルカノールアミド;
カプロン酸アミド、カプリル酸アミド、カプリン酸アミド、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等の高級脂肪酸アミド;
ポリオキシエチレンカプロン酸アミド、ポリオキシエチレンカプリル酸アミド、ポリオキシエチレンカプリン酸アミド、ポリオキシエチレンラウリン酸アミド、ポリオキシエチレンパルミチン酸アミド、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ポリオキシエチレンオレイン酸アミド等のポリオキシエチレン高級脂肪酸アミド;
などが挙げられる。
かかる接触角が5°未満では、キャスト型からのフィルムの剥離性が低下してしまい本発明の目的を達成することができず、逆に、50°を超えてもキャスト型へのポリビニルアルコール系樹脂水溶液の流延性が低下してしまい本発明の目的を達成することができない。
前述した通り、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液には、通常、流延性や剥離性を安定化するために、界面活性剤が配合されており、かかる界面活性剤がフィルムのヘイズや欠点を増加させていた。しかし、本発明の親水化処理を行なうことにより、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液への界面活性剤の配合量を削減することができ、上記不具合が解消される。
(粘着テープ引きはがし試験)
試験条件:引きはがし角度90°、引きはがし速度300mm/分、試験環境:23℃50%RH
粘着テープ:ニチバン社製CT−24(クロスカット試験用・碁盤目試験用粘着テープ、幅24mm)
工程(B)は、親水化されたキャストドラムの表面に、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を、T型スリットダイから吐出及び流延する工程である。
工程(C)は、キャストドラムの表面で、ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液を乾燥して製膜する工程である。
工程(D)は、キャストドラムの表面からフィルムを剥離する工程である。
工程(E)は、剥離したフィルムを、更に乾燥、必要に応じて熱処理する工程である。
表面粗さRzが、大きすぎると偏光膜の偏光度が低下する傾向がある。
以下、本発明のポリビニルアルコール系フィルムを用いて得られる偏光膜の製造方法について説明する。
。処理時間は、通常、1〜300秒間、好ましくは10〜240秒間である。なお、水洗浄とヨウ化カリウム水溶液による洗浄は、適宜組み合わせて行なってもよい。
〔(H11−H1)/(H11+H1)〕1/2
単体透過率は、分光光度計を用いて偏光膜単体の光線透過率を測定して得られる値である。
また、偏光膜には、薄膜化を目的として、上記保護フィルムの代わりに、その片面または両面にウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレア樹脂などの硬化性樹脂を塗布し、硬化して偏光板とすることもできる。
尚、例中「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。
各物性について、次のようにして測定をおこなう。
(1)接触角(°)
協和界面科学社製「ポータブル接触角計PCA−1」を用い、注射針より作成される2μlの水滴をキャストドラム表面に落液させて、1秒後の液形状を測定し、θ/2法で算出した。測定雰囲気は23℃50%RHである。かかる測定をキャスト型表面の10箇所で行ない、平均値を接触角(°)、最大値と最小値の差を接触角のふれ(°)とした。
JIS Z0237に準じて、キャスト型表面の10箇所で粘着テープ引きはがし試験を行ない、平均値を粘着力(N/10mm)とした。試験条件は以下の通りである。
試験条件:引きはがし角度90°、引きはがし速度300mm/分
試験環境:23℃50%RH
粘着テープ:ニチバン社製CT−24(クロスカット試験用・碁盤目試験用粘着テープ、幅24mm)
製膜中に、キャストドラムからのフィルムの剥離状態を目視観察し、下記の基準で剥離性を評価した。
(評価基準)
○・・・全長にわたりきれいに剥離した
△・・・剥離したもののフィルムの一部分が付着した
×・・・剥離せず破断が生じた
得られたポリビニルアルコール系フィルムの終端部(終端から100mの位置)から50mm×50mmの試験片を10枚切り出し、日本電色製ヘイズメーターNDH−2000を用いて測定し、10枚の平均値をヘイズ(%)とした。
得られたポリビニルアルコール系フィルムの終端部(終端から100mの位置)から50mm×50mmの試験片を10枚切り出し、(株)キーエンス製レーザーフォーカス顕微鏡VK−9700(測定長:1mm、対物レンズ:20倍)を用いて、キャスト型と接していた面を測定し、10枚の平均値を表面粗さRz(μm)とした。
得られたポリビニルアルコール系フィルムの先端部(先端から100mの位置)、中央部、終端部(終端から100mの位置)から50mm×50mmの試験片を1枚ずつ切り出し、(株)キーエンス製レーザーフォーカス顕微鏡VK−9700(対物レンズ:10倍)を用いて、キャスト型と接していた面の1mm×1mm(面積1mm2)の中に存在する高さまたは深さが1μm以上の欠点数(点状も線状も含む)を観察し、3枚の中の最大値を欠点数(個/mm2)とした。
得られたポリビニルアルコール系フィルムの終端部(終端から100mの位置)から長さ30cm×幅30cmの試験片を切り出し、クロスニコル状態の2枚の偏光板(単体透過率43.5%、偏光度99.9%)の間に45°の角度で挟み、暗室で表面照度が14,000lxのライトボックスを用いて、透過モードで面内位相差を観察し、以下の基準で評価した。
(評価基準)
○・・・濃淡が確認できなかった。
×・・・濃淡が確認できた。
得られた偏光膜から、100m刻みで、延伸方向50mm×幅方向1mの短冊サンプルを切り出し、大塚電子社製:RETS−1100Aを用いて、幅方向に10mmピッチで全幅にわたり偏光度と単体透過率を測定し、平均値を得られた偏光膜の偏光度(%)と単体透過率(%)とした。
得られた偏光膜の終端部(終端から100mの位置)から長さ1m×幅1mの試験片を切り出し、15,000lxの環境下で目視検査し、100μm以上の表示欠点数(個/m2)を測定した。
(キャストドラムの親水化処理)
まず、キャストドラム(直径3m、幅5.5m、表面クロムメッキ、表面粗さRa11nm、初期接触角92°)上に、幅5.5m、長さ(接触長)10cm、厚さ0.5mmのポリエステル系不織布(ポリエチレンテレフタレート繊維65%/ナイロン繊維35%)を設置した(図1参照)。設置位置は、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液の吐出位置から1m上流側であり、フィルムの剥離位置から0.5m下流側である。
次いで、該ポリエステル系不織布を、押圧ブレード(幅5.5m、テフロン(登録商標)製)を用いて、キャストドラムの全幅にわたって接触させ、界面活性剤の水溶液として、ラウリン酸ジエタノールアミド(分子量287)1kgを水99kgに溶解した水溶液(界面活性剤濃度1重量%)を、複数設置されたスプレーノズルからポリエステル系不織布全体に0.1kg/分で供給及び含浸して、20m/分で回転するキャストドラムの表面(表面温度80℃)に塗布した。
キャストドラム表面を目視で観察したところ、塗布された水溶液は速やかに乾燥し、表面に濁りなどの欠陥は見られなかった。キャストドラム表面の接触角を測定したところ10°であり、親水化処理されていることが確認された。
重量平均分子量142,000、ケン化度99.8モル%のポリビニルアルコール系樹脂1,000kg、水2,000kg、可塑剤としてグリセリン100kg、界面活性剤としてドデシル硫酸ナトリウム0.6kgを入れ、撹拌しながら150℃まで昇温して、樹脂濃度25%に濃度調整を行ない、均一に溶解したポリビニルアルコール系樹脂の水溶液を得た。
次いで、該ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を、ベントを有する2軸押出機に供給して脱泡した後、水溶液温度を95℃にし、T型スリットダイから、20m/分で回転する上記親水化処理後のキャストドラム表面に連続して吐出及び流延して製膜を行なった。流延性を目視で確認したところ良好であった。
続いて、キャストドラム上で乾燥して得られたフィルム(含水率18%)を、キャストドラムから剥離した。剥離性を目視で確認したところ良好であり、破断は生じなかった。フィルムを剥離した後のキャストドラム表面は、再度、上記親水化処理され、回転しながら上記T型スリットダイの下部に移動し、製膜に供される。
最後に、剥離後のフィルムを、熱ロールを用いて更に乾燥した後、巻き取ってポリビニルアルコール系フィルム(幅5m、厚さ30μm、長さ5km)のロールを得た。フィルム製造の終了までキャストドラム表面の目視観察を続けたが、濁りなどの欠陥は生じなかった。得られたポリビニルアルコール系フィルムの特性を表2に示す。
得られたポリビニルアルコール系フィルムを、ロールから巻き出し、水温25℃の水槽に浸漬しながら1.7倍に延伸した。次にヨウ素0.5g/L、ヨウ化カリウム30g/Lよりなる28℃の水溶液中に浸漬しながら1.6倍に延伸し、ついでホウ酸40g/L、ヨウ化カリウム30g/Lの組成の水溶液(55℃)に浸漬するとともに、同時に2.1倍に一軸延伸しつつホウ酸処理を行なった。その後、ヨウ化カリウム水溶液で洗浄行ない、乾燥して総延伸倍率5.8倍の偏光膜を得た。得られた偏光膜の特性を表2に示す。
実施例1において、幅5.5m、長さ(接触長)10cm、厚さ0.5mmのポリエステル系不織布に代えて、幅0.9m、長さ(接触長)10cm、厚さ1mmの板状ポリビニルアルコールスポンジ(アイオン社製PVAスポンジ)を6枚用いる以外は、実施例1と同様にしてキャストドラムの親水化処理を行ない、ポリビニルアルコール系フィルムと偏光膜を得た。得られたポリビニルアルコール系フィルムと偏光膜の特性は、表2に示される通りである。
実施例1において、ラウリン酸ジエタノールアミド(分子量287)1kgを水99k
gに溶解した水溶液(濃度1重量%)に代えて、ラウリン酸ジエタノールアミド(分子量
287)0.1kgを水99.9kgに溶解した水溶液(濃度0.1重量%)を用いる以
外は、実施例1と同様にしてキャストドラムの親水化処理を行ない、ポリビニルアルコー
ル系フィルムと偏光膜を得た。得られたポリビニルアルコール系フィルムと偏光膜の特性
は、表2に示される通りである。
実施例1において、ラウリン酸ジエタノールアミド(分子量287)1kgを水99kgに溶解した水溶液(濃度1重量%)に代えて、ラウリン酸ジエタノールアミド(分子量287)1kgを2−プロパノール(沸点82℃)99kgに溶解したアルコール溶液(濃度1重量%)を用いること以外は、実施例1と同様にしてキャストドラムの親水化処理を行ない、ポリビニルアルコール系フィルムと偏光膜を得た。得られたポリビニルアルコール系フィルムと偏光膜の特性は、表2に示される通りである。
実施例1において、ラウリン酸ジエタノールアミド(分子量287)1kgを水99kgに溶解した水溶液(濃度1重量%)に代えて、ラウリン酸ジエタノールアミド(分子量287)1kgを1−ヘキサノール(沸点157℃)99kgに溶解したアルコール溶液(濃度1重量%)を用いること以外は、実施例1と同様にしてキャストドラムの親水化処理を行ない、ポリビニルアルコール系フィルムと偏光膜を得た。得られたポリビニルアルコール系フィルムと偏光膜の特性は、表2に示される通りである。
実施例1において、ラウリン酸ジエタノールアミド(分子量287)1kgを水99kgに溶解した水溶液(濃度1重量%)に代えて、ドデシルスルホン酸ナトリウム(分子量272)1kgを1−へキサノール(沸点157℃)99kgに溶解したアルコール溶液(濃度1重量%)を用いること以外は、実施例1と同様にしてキャストドラムの親水化処理を行ない、ポリビニルアルコール系フィルムと偏光膜を得た。得られたポリビニルアルコール系フィルムと偏光膜の特性は、表2に示される通りである。
実施例1において、ドデシル硫酸ナトリウム0.6kgを用いないこと以外は、実施例
1と同様にしてポリビニルアルコール系フィルムの製造を行ない、ポリビニルアルコール
系フィルムと偏光膜を得た。得られたポリビニルアルコール系フィルムと偏光膜の特性は
、表2に示される通りである。
実施例1において、キャストドラムの親水化処理を、以下の方法に変更する以外は、実施例1と同様にして、ポリビニルアルコール系フィルムと偏光膜を得た。得られたポリビニルアルコール系フィルムと偏光膜の特性は表2に示される通りである。
(キャストドラムの親水化処理)
キャストドラムの表面がむき出しになっている位置にロール式塗布装置を設置した(図3参照)。巻き出しロールから幅1m、長さ1km、厚さ0.5mmの乾いたポリエステル系不織布(ポリエチレンテレフタレート繊維65%/ナイロン繊維35%)を2mm/秒で巻き出しながらキャストドラムに接触させ(接触長10cm)、接触中間地点に配置された塗布ロールを介して、ラウリン酸ジエタノールアミド(分子量287)1kgを水99kgに溶解した水溶液(濃度1重量%)をポリエステル系不織布に含浸させて、該ポリエステル系不織布をキャストドラムの幅方向に20cm/秒でスライドさせながら塗布を行ない(図2参照)、塗布後のポリエステル系不織布を巻き取りロールに巻き取った。
なお、塗布ロールへの界面活性剤溶液の供給は、スプレーノズルを用いて0.02kg/分で行なった。
実施例1において、キャストドラム表面を親水化処理しないこと以外は、実施例1と同様にして、ポリビニルアルコール系フィルムを製造した。製造前のキャストドラム表面の接触角を測定したところ92°であった。また、フィルムの製膜中にキャストドラムのクロムメッキ面を目視観察したところ、製造の進行とともに白濁が増加し、キャストドラム表面が汚れていくことが確認された。更に、製造終盤にフィルムの一部がキャストドラム表面から剥離しなかったため製造を中止した。得られたポリビニルアルコール系フィルム(長さ4km)の特性は表2に示される通りである。更に、得られたポリビニルアルコール系フィルムを用いて、実施例1と同様にして偏光膜を得た。得られた偏光膜の特性は表
2に示される通りである。
実施例1において、キャストドラム表面を親水化処理しないことと、ドデシル硫酸ナトリウム0.6kgを用いないこと以外は、実施例1と同様にして、ポリビニルアルコール系フィルムの製造を試みたが、キャストドラムからフィルムを剥離するのが困難であり、製造途中でフィルムに破断が生じ、製造を中止した。
実施例1において、ラウリン酸ジエタノールアミド(分子量287)1kgを水99kgに溶解した水溶液(濃度1重量%)に代えて、へプタオキシエチレンラウリルアミン(分子量494)1kgを水99kgに溶解した水溶液(濃度1重量%)を用いる以外は、実施例1と同様にしてキャストドラムの親水化処理を行ない、ポリビニルアルコール系フィルムを製造したが、製造終盤にフィルムの一部がキャストドラム表面から剥離しなかったため製造を中止した。得られたポリビニルアルコール系フィルム(長さ4km)の特性は表2に示される通りである。更に、得られたポリビニルアルコール系フィルムを用いて、実施例1と同様にして偏光膜を得た。得られた偏光膜の特性は、表2に示される通りである。
更に、実施例7は、製膜用の原液に界面活性剤を配合していないにも関わらず、キャスト型に本発明の親水化処理を行なっているため、良好な剥離性が得られるのに対し、比較例2は、キャスト型に本発明の親水化処理を行なっていないため、フィルムの剥離性が悪く、製造中にフィルムに破断が生じていることから、本発明のキャスト型の親水化処理が、界面活性剤の削減に有効であることがわかる。
また、比較例3は、界面活性剤の選定が適切でないために、キャスト型の接触角が本発明の範囲外であり、得られるポリビニルアルコール系フィルムは、ヘイズと表面粗さが大きく、欠点が多いことがわかる。
そして、各々のポリビニルアルコール系フィルムから得られる偏光膜の偏光特性や品質は、実施例の方が比較例よりも優れるものであることがわかる。
Claims (11)
- ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液を、連続的にキャスト型に流延して製膜し、得られるフィルムをキャスト型から剥離後、乾燥するポリビニルアルコール系フィルムの製造方法であって、流延前のキャスト型表面が、界面活性剤で連続的に親水化処理され、水との接触角が5〜50°であることを特徴とするポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
- 水との接触角のふれが、10°以下であることを特徴とする請求項1記載のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
- キャスト型表面に対して、JIS Z0237に準じて、下記粘着テープ引きはがし試験を行なった際の粘着力が0.1〜3.5N/10mmとなるキャスト型を用いることを特徴とする請求項1または2記載のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
(粘着テープ引きはがし試験)
試験条件:引きはがし角度90°、引きはがし速度300mm/分
試験環境:23℃50%RH
粘着テープ:ニチバン社製CT−24(クロスカット試験用・碁盤目試験用粘着テープ、幅24mm) - 界面活性剤が、アミド系ノニオン性界面活性剤であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
- アミド系ノニオン性界面活性剤が、分子量200〜500のアミド系ノニオン性界面活性剤であることを特徴とする請求項4記載のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
- 親水化処理が、界面活性剤の水溶液および/または界面活性剤のアルコール溶液をキャスト型の全幅にわたって塗布し、キャスト型の表面上で拭き取りおよび/または乾燥する方法により行なわれることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
- 界面活性剤の水溶液および/または界面活性剤のアルコール溶液中の界面活性剤濃度が、0.1〜10重量%であることを特徴とする請求項6記載のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
- キャスト型が、表面がクロムメッキされているキャストドラムであることを特徴とする請求項1〜7いずれか記載のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
- 請求項1〜8いずれか記載の製造方法により製造されることを特徴とするポリビニルアルコール系フィルム
- 幅4m以上、長さ4km以上であることを特徴とする請求項9記載のポリビニルアルコール系フィルム。
- 請求項9または10記載のポリビニルアルコール系フィルムからなる偏光膜。
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