JP2017213878A - ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法、ポリビニルアルコール系フィルム、および偏光膜 - Google Patents

ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法、ポリビニルアルコール系フィルム、および偏光膜 Download PDF

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Abstract

【課題】 特段キャスト型の清掃や補修を行なわなくとも、低ヘイズで欠点の少ないポリビニルアルコール系フィルムを得ることのできるポリビニルアルコール系フィルムの製造方法を提供すること。
【解決手段】 ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液を、連続的にキャスト型に流延して製膜し、得られるフィルムをキャスト型から剥離後、乾燥するポリビニルアルコール系フィルムの製造方法であって、流延前のキャスト型表面が、界面活性剤で連続的に親水化処理され、水との接触角が5〜50°であることを特徴とするポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法に関し、さらに詳しくは、連続キャスト法による低ヘイズで欠点のないポリビニルアルコール系フィルムの製造方法、更に、該製造方法により得られるポリビニルアルコール系フィルム、該ポリビニルアルコール系フィルムを原反として製造される偏光膜に関する。
従来、ポリビニルアルコール系フィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂を水などの溶媒に溶解して製膜用の原液を調製したのち、かかる原液を、キャストドラム(ドラム型ロール)やキャストベルトなどのキャスト型に流延して製膜し(連続キャスト法)、キャスト型から剥離後、金属加熱ロールなどを使用して乾燥することにより製造される。このようにして得られるポリビニルアルコール系フィルムは、透明性や染色性に優れたフィルムとして多くの用途に利用されており、その有用な用途の一つに偏光膜があげられる。かかる偏光膜は、液晶ディスプレイの基本構成要素として用いられており、近年では高品位で高信頼性の要求される機器へとその使用が拡大している。
このような中、液晶画面の高精細化や高輝度化にともない、従来品より一段と透明性に優れ、かつ欠点の少ないポリビニルアルコール系フィルムが必要とされている。ポリビニルアルコール系フィルムのヘイズが大きい場合には透明性が低下し、得られる偏光膜の光線透過率が下がるため、ディスプレイの高輝度化や高精細化の障害となる。また、ポリビニルアルコール系フィルムに欠点が多い場合には、偏光膜の表示欠点も増加し、高品位なディスプレイの製造は困難となる。なお、本発明におけるヘイズとは透明性の指標であり、フィルム表面の光散乱に起因する外部ヘイズとフィルム内部の光散乱に起因する内部ヘイズの合計値である。また、本発明における欠点とは、主として、異物による点状欠点や、汚れによる面状欠点、ムラやスジなどの光学欠点である。
低ヘイズで欠点の少ないポリビニルアルコール系フィルムを製造するためには、キャスト型の表面が平滑かつ清浄でなければならない。一般的に、キャスト型の表面は、表面平滑性を確保するために、クロムメッキなどの金属メッキ処理が施される。しかし、初期は平滑なキャスト型であっても、フィルムの製造が繰り返されると有機物が付着するため、表面粗さが増大し、かつ欠点も増加する。かかる有機物は、主として、ポリビニルアルコール系樹脂の分解物や添加剤の分解物などである。
ポリビニルアルコール系フィルムの表面平滑性や厚み精度を向上する手法として、例えば、表面粗さが3S以下である金属表面(キャスト型表面)で製膜する手法が提案されている(たとえば、特許文献1参照。)また、キャスト型の表面にフッ素系樹脂膜を形成して剥離性を向上する手法が提案されている(たとえば、特許文献2参照。)。また、キャスト型にポリオキシエチレンアルキルアミンを塗布する手法が提案されている(たとえば、特許文献3参照。)。
特開2001−315138号公報 特開2006−305924号公報 特開昭51−119057号公報
しかしながら、特許文献1の開示技術では、キャスト型の使用開始時には平滑かつ平坦なフィルムが得られるものの、製造を繰り返すとキャスト型の表面に有機物が付着して、フィルムの表面粗さや外部ヘイズが増加し、かつ欠点が増加する傾向にあった。また、製膜用原液のキャスト型への流延性が低下したり、キャスト型表面からフィルムが浮き上がって次工程への搬送が困難となる現象が生じていた。
特許文献2の開示技術では、キャスト型の使用開始時には有機物の付着を低減できるものの、キャスト型が繰り返し加熱/冷却されると、表面のフッ素系樹脂膜が剥がれて、フィルムのキャスト型からの剥離性が低下するとともに、フィルムの欠点が増加する傾向にあった。
特許文献3の開示技術では、キャスト型表面にポリオキシエチレンアルキルアミンを塗布することによりフィルムの剥離性を改善できるものの、当時のポリビニルアルコール系フィルムは、幅が狭く長さも短いものであり、現在要望されている幅4m以上、長さ4km以上の要望には応えられず、また、ヘイズや位相差などの光学性能、欠点数などの品質に更なる改良が必要であった。
かかる不具合を解消するために、ポリビニルアルコール系フィルムの製造現場においては、製造を止めて、キャスト型の表面を手作業により清掃したり、清掃でも不具合が解消しない場合は大規模な補修を行なっているのが実状である。これらの清掃や補修は、キャスト型が大サイズになるほど多大な労力を要し、ポリビニルアルコール系フィルムの生産性を大きく低下させる原因となっていた。
また、キャスト型の全面が、物理的及び/または化学的に安定していないと、ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液を均一に流延できないばかりか、フィルムを安定して剥離することも困難となる。かかる不具合は、特に薄型フィルムの場合に顕著であり、フィルムの破断やしわなどの原因になっていた。更に、不均一な流延や剥離は、ポリビニルアルコール系フィルムの膜厚ムラや位相差ムラを誘発していた。
通常、流延性や剥離性を安定化するために、ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液には、界面活性剤などの添加剤が配合されている。しかし、かかる界面活性剤やその分解物は、前述した通り、ポリビニルアルコール系フィルムのヘイズや欠点の増加を招いており、可能な限り配合量を削減する必要があった。
そこで、本発明ではこのような背景下において、特段キャスト型の清掃や補修を行なわなくとも、低ヘイズで欠点の少ないポリビニルアルコール系フィルムを得ることのできるポリビニルアルコール系フィルムの製造方法を提供することを目的とするものである。
しかるに、本発明者等はかかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、ポリビニルアルコール系フィルムを連続キャスト法で製造する際に、キャスト型表面に界面活性剤を用いて親水化処理を施すことにより、低ヘイズで欠点の少ないポリビニルアルコール系フィルムが得られることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の要旨は、ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液を、連続的にキャスト型に流延して製膜し、得られるフィルムをキャスト型から剥離後、乾燥するポリビニルアルコール系フィルムの製造方法であって、流延前のキャスト型表面が、界面活性剤で連続的に親水化処理され、水との接触角が5〜50°であることを特徴とするポリビニルアルコール系フィルムの製造方法に関するものである。
また、本発明は、上記製造方法を用いて得られるポリビニルアルコール系フィルム、ならびに該ポリビニルアルコール系フィルムを用いてなる偏光膜も提供するものである。
本発明のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法を用いると、低ヘイズで欠点の少ないポリビニルアルコール系フィルムが効率よく得られ、更には該ポリビニルアルコール系フィルムを用いて高品質な偏光膜も得られるものである。
図1は、界面活性剤溶液を含浸させた塗布用不織布を回転するキャストドラムの表面に接触させる界面活性剤溶液の塗布方法を示した説明図である。 図2は、1枚の塗布用不織布をキャストドラムの幅方向にスライドさせる界面活性剤溶液の塗布方法を示した説明図である。 図3は、ロール式洗浄装置を用いた界面活性剤溶液の塗布方法を示した説明図である。 図4は、乾いた不織布やスポンジを回転するキャストドラムの表面に接触させる界面活性剤溶液を拭き取る手法を示した説明図である。 図5は、キャストドラムの幅方向の端部のみ高濃度の界面活性剤溶液を塗布する方法を示した説明図である。
本発明は、ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液を、連続的にキャスト型に流延して製膜し、得られるフィルムをキャスト型から剥離後、乾燥するポリビニルアルコール系フィルムの製造方法であって、流延前のキャスト型表面が、界面活性剤で連続的に親水化処理され、水との接触角が5〜50°であることを特徴とするものである。
本発明のポリビニルアルコール系樹脂としては、通常、未変性のポリビニルアルコール系樹脂、即ち、酢酸ビニルを重合して得られるポリ酢酸ビニルをケン化して製造される樹脂が用いられる。必要に応じて、酢酸ビニルと、少量(通常10モル%以下、好ましくは5モル%以下)の酢酸ビニルと共重合可能な成分との共重合体をケン化して得られる樹脂を用いることもできる。酢酸ビニルと共重合可能な成分としては、例えば、不飽和カルボン酸(例えば、塩、エステル、アミド、ニトリル等を含む)、炭素数2〜30のオレフィン類(例えば、エチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブテン等)、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸塩等が挙げられる。また、ケン化後の水酸基を化学修飾して得られる変性ポリビニルアルコール系樹脂を用いることもできる。
また、ポリビニルアルコール系樹脂として、側鎖に1,2−ジオール構造を有するポリビニルアルコール系樹脂を用いることもできる。かかる側鎖に1,2−ジオール構造を有するポリビニルアルコール系樹脂は、例えば、(i)酢酸ビニルと3,4−ジアセトキシ−1−ブテンとの共重合体をケン化する方法、(ii)酢酸ビニルとビニルエチレンカーボネートとの共重合体をケン化および脱炭酸する方法、(iii)酢酸ビニルと2,2−ジアルキル−4−ビニル−1,3−ジオキソランとの共重合体をケン化および脱ケタール化する方法、(iv)酢酸ビニルとグリセリンモノアリルエーテルとの共重合体をケン化する方法、等により得られる。
ポリビニルアルコール系樹脂の重量平均分子量は10万〜30万であることが好ましく、特に好ましくは11万〜28万、更に好ましくは12万〜26万である。かかる重量平均分子量が小さすぎるとポリビニルアルコール系樹脂を光学フィルムとする場合に充分な光学性能が得られにくい傾向があり、大きすぎるとポリビニルアルコール系樹脂フィルムを偏光膜とする場合に延伸が困難となり、工業的な生産が難しくなる傾向にある。なお、かかるポリビニルアルコール系樹脂の重量平均分子量は、GPC−MALS法により測定される重量平均分子量である。
ポリビニルアルコール系樹脂の平均ケン化度は、97〜100モル%であることが好ましく、特に好ましくは98〜100モル%、更に好ましくは99〜100モル%である。かかるケン化度が低すぎるとポリビニルアルコール系樹脂を光学フィルムとする場合に充分な光学性能が得られにくい傾向がある。
ここで、本発明における平均ケン化度は、JIS K 6726に準じて測定されるものである。
本発明に用いるポリビニルアルコール系樹脂として、変性種、変性量、重量平均分子量、平均ケン化度などの異なる2種以上のものを併用してもよい。
本発明においては、上記ポリビニルアルコール系樹脂を、水を用いて洗浄し、遠心分離機などを用いて脱水して、含水率50重量%以下のポリビニルアルコール系樹脂ウェットケーキとすることが好ましい。含水率が大きすぎると、所望する水溶液濃度にすることが難しくなる傾向がある。
かかるポリビニルアルコール系樹脂ウェットケーキを温水や熱水に溶解して、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を調整する。
ポリビニルアルコール系樹脂水溶液の調製方法は、特に限定されず、例えば、加温された多軸押出機を用いて調製してもよく、また、上下循環流発生型撹拌翼を備えた溶解缶に、前述したポリビニルアルコール系樹脂ウェットケーキを投入し、缶中に水蒸気を吹き込んで、溶解および所望濃度の水溶液を調製することもできる。
このようにして得られるポリビニルアルコール系樹脂水溶液の濃度は、15〜60重量%であることが好ましく、特に好ましくは17〜55重量%、更に好ましくは20〜50重量%である。水溶液濃度が低すぎると乾燥負荷が大きくなるため生産能力が低下する傾向があり、高すぎると粘度が高くなりすぎて均一な溶解ができない傾向がある。
ポリビニルアルコール系樹脂水溶液には、ポリビニルアルコール系樹脂以外に、必要に応じて、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパンなどの一般的に使用される可塑剤や、ノニオン性、アニオン性、及び/またはカチオン性の界面活性剤を配合してもよい。
上記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンヘキシルエーテル、ポリオキシエチレンヘプチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンノニルエーテル、ポリオキシエチレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル、ポリオキシエチレンオクタデシルエーテル、ポリオキシエチレンエイコシルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、やし油還元アルコールエチレンオキサイド付加物、牛脂還元アルコールエチレンオキサイド付加物等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、カプロン酸モノまたはジエタノールアミド、カプリル酸モノまたはジエタノールアミド、カプリン酸モノまたはジエタノールアミド、ラウリン酸モノまたはジエタノールアミド、パルミチン酸モノまたはジエタノールアミド、ステアリン酸モノまたはジエタノールアミド、オレイン酸モノまたはジエタノールアミド、やし油脂肪酸モノまたはジエタノールアミド、あるいはこれらのエタノールアミドに代えてプロパノールアミド、ブタノールアミド等の高級脂肪酸アルカノールアミド、カプロン酸アミド、カプリル酸アミド、カプリン酸アミド、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、ヒドロキシエチルラウリルアミン、ポリオキシエチレンヘキシルアミン、ポリオキシエチレンヘプチルアミン、ポリオキシエチレンオクチルアミン、ポリオキシエチレンノニルアミン、ポリオキシエチレンデシルアミン、ポリオキシエチレンドデシルアミン、ポリオキシエチレンテトラデシルアミン、ポリオキシエチレンヘキサデシルアミン、ポリオキシエチレンオクタデシルアミン、ポリオキシエチレンオレイルアミン、ポリオキシエチレンエイコシルアミン等のポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンカプロン酸アミド、ポリオキシエチレンカプリル酸アミド、ポリオキシエチレンカプリン酸アミド、ポリオキシエチレンラウリン酸アミド、ポリオキシエチレンパルミチン酸アミド、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ポリオキシエチレンオレイン酸アミド等のポリオキシエチレン高級脂肪酸アミド、ジメチルラウリルアミンオキシド、ジメチルステアリルオキシド、ジヒドロキシエチルラウリルアミンオキシド等のアミンオキシドなどが挙げられる。
上記アニオン性の界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩型として、ヘキシル硫酸ナトリウム、ヘプチル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、ノニル硫酸ナトリウム、デシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ヘキサデシル硫酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム、エイコシル硫酸ナトリウム、あるいはこれらのカリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩等のアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンヘキシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンヘプチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオクチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンデシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンドデシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンテトラデシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオクタデシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンエイコシルエーテル硫酸ナトリウム、あるいはこれらのカリウム塩、アンモニウム塩等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンヘキシルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンヘプチルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンデシルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンテトラデシルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンヘキサデシルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオクタデシルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンエイコシルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、あるいはこれらのカリウム塩、アンモニウム塩等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、カプロン酸エタノールアミド硫酸ナトリウム、カプリル酸エタノールアミド硫酸ナトリウム、カプリン酸エタノールアミド硫酸ナトリウム、ラウリン酸エタノールアミド硫酸ナトリウム、パルミチン酸エタノールアミド硫酸ナトリウム、ステアリン酸エタノールアミド硫酸ナトリウム、オレイン酸エタノールアミド硫酸ナトリウムあるいはこれらのカリウム塩、更にはこれらエタノールアミドに代えてプロパノールアミド、ブタノールアミド等の高級脂肪酸アルカノールアミド硫酸エステル塩、硫酸化油、高級アルコールエトキシサルフェート、モノグリサルフェートなどが挙げられる。また、上記硫酸エステル塩型以外に、脂肪酸石鹸、N−アシルアミノ酸およびその塩、ポリオキシエチレンアルキルエステルカルボン酸塩、アシル化ペプチド等のカルボン酸塩型、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸の塩ホルマリン重縮合物、メラミンスルホン酸の塩ホルマリン縮合物、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、スルホコハク酸アルキル二塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸二塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルメチルタウリン塩、ジメチル−5−スルホイソフタレートナトリウム塩等のスルホン酸塩型、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸塩、アルキルリン酸塩等のリン酸エステル塩型なども挙げられる。
上記カチオン性の界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミン塩酸塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルピリジニウムクロライドなどが挙げられる。
上記界面活性剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
かかる界面活性剤の配合量は、ポリビニルアルコール系樹脂に対して、10〜100,000ppmであることが好ましく、特に好ましくは100〜10,000ppmである。かかる配合量が少なすぎるとキャスト型からのフィルムの剥離性が低下する傾向があり、多すぎるとフィルムのヘイズが増加する傾向がある。
本発明で使用されるキャスト型としては、キャストドラム(ドラム型ロール)、キャストベルト、樹脂フィルムなどが挙げられる。いずれも回転しながら、表面に流延されたポリビニルアルコール系樹脂の水溶液を乾燥して、連続的にフィルムを製膜するものである。これらの中では、ポリビニルアルコール系フィルムの表面平滑性の点で、キャストドラムとキャストベルトが好ましく、特に好ましくは、生産性の点でキャストドラムである。
キャストドラムとしては、鉄を主成分とするステンレス鋼(SUS)などの表面に、傷つき防止のため金属メッキが施されているものが好ましい。金属メッキとしては、例えば、クロムメッキ、ニッケルメッキ、亜鉛メッキなどが挙げられ、これらが単層または2層以上積層化して使用される。これらの中では、キャスト型表面の平滑化の容易さや、耐久性の点から、最表面がクロムメッキであることが好ましい。
本発明で使用されるキャストドラムの表面粗さRaは、30nm以下であることが好ましく、特に好ましくは1〜25nm、更に好ましくは5〜20nmである。キャストドラムの表面粗さRaが大きすぎると、ポリビニルアルコール系フィルムの表面粗さが増大する傾向がある。
かかるキャスト型に、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を流延して、乾燥することでポリビニルアルコール系フィルムは製造されるが、例えば、キャスト型としてキャストドラムを用いる場合、以下の工程により製造される。
(A)回転するキャストドラムの表面を、連続的に界面活性剤で親水化処理する工程。
(B)親水化されたキャストドラムの表面に、ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液を、T型スリットダイから吐出及び流延する工程。
(C)キャストドラムの表面で、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を乾燥して製膜す
る工程。
(D)キャストドラムの表面からフィルムを剥離する工程。
(E)剥離したフィルムを、更に乾燥、必要に応じて熱処理する工程。
本発明は、キャスト型の表面を、連続的に界面活性剤で親水化処理することを特徴とするが、当然のことながら、親水化処理は、キャスト型の表面がむき出しになっている位置で行なわれる。すなわち、上記キャストドラムを用いる場合、工程(D)においてフィルムが剥離された後、工程(B)においてポリビニルアルコール系樹脂の水溶液が流延されるまでの間に行なわれる。かかる位置において、回転するキャストドラムの全幅を親水化することが、作業効率の点で好ましい。キャスト型がキャストベルトや樹脂フィルムの場合も、かかる位置において、移送される型の全幅にわたって連続的に親水化を行なえばよい。
以下、本発明の親水化処理について具体的に説明する。親水化処理は、好ましくは、界面活性剤の水溶液および/または界面活性剤のアルコール溶液(以下、総称して「界面活性剤溶液」と記載することがある。)をキャストドラムの表面で乾燥することにより行なわれる。例えば、キャストドラムの全幅にわたって界面活性剤溶液を塗布し、溶剤を乾燥することでなされる。
界面活性剤としては上述した界面活性剤が挙げられるが、これらの中でも、化学的な安定性の点でノニオン性界面活性剤が好ましく、特に好ましくは、溶解性の点で、アミド系ノニオン性界面活性剤である。
かかるアミド系ノニオン性界面活性剤としては、
カプロン酸モノまたはジエタノールアミド、カプリル酸モノまたはジエタノールアミド、カプリン酸モノまたはジエタノールアミド、ラウリン酸モノまたはジエタノールアミド、パルミチン酸モノまたはジエタノールアミド、ステアリン酸モノまたはジエタノールアミド、オレイン酸モノまたはジエタノールアミド、やし油脂肪酸モノまたはジエタノールアミド、あるいはこれらのエタノールアミドに代えてプロパノールアミド、ブタノールアミド等の高級脂肪酸アルカノールアミド;
カプロン酸アミド、カプリル酸アミド、カプリン酸アミド、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等の高級脂肪酸アミド;
ポリオキシエチレンカプロン酸アミド、ポリオキシエチレンカプリル酸アミド、ポリオキシエチレンカプリン酸アミド、ポリオキシエチレンラウリン酸アミド、ポリオキシエチレンパルミチン酸アミド、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ポリオキシエチレンオレイン酸アミド等のポリオキシエチレン高級脂肪酸アミド;
などが挙げられる。
これらの中でも、親水化効率に優れる点で、分子量200〜500のアミド系ノニオン性界面活性剤が好ましく、特に好ましくは、安定性の点で、高級脂肪酸アルカノールアミドであり、更に好ましくは、親水化処理の作業性に優れる点で、ラウリン酸モノまたはジエタノールアミドである。
上記界面活性剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
かかる界面活性剤の配合量は、界面活性剤溶液全体に対して、0.1〜10重量%であることが好ましく、更に好ましくは0.2〜5重量%、特に好ましくは0.3〜3重量%ある。かかる配合量が少なすぎるとキャストドラム表面の親水化が不充分になる傾向があり、多すぎるとフィルムのヘイズが増加する傾向がある。
本発明において界面活性剤のアルコール溶液を用いる場合、使用するアルコールとしては、エーテル結合を含んでもよい炭素数1〜6のアルコールよりなることが好ましく、例えば、メタノール、メトキシメタノール、ジメトキシメタノール、エトキシメタノール、メトキシエトキシメタノール、n−プロポキシメタノール、iso−プロポキシメタノール、エトキシエトキシエタノール、メトキシプロポキシメタノール、n−ブトキシメタノール、iso−ブトキシメタノール、t−ブトキシメタノール、エトキシ−n−プロポキシメタノール、エトキシ−iso−プロポキシメタノール、ペントキシメタノール、エタノール、2−メトキシエタノール、1,1−ジメトキシエタノール、2,2−ジメトキシエタノール、1,2−ジメトキシエタノール、1−エトキシエタノール、2−エトキシエタノール、1−メトキシー2−エトキシエタノール、1−エトキシー2−メトキシエタノール、1,1-ジエトキシエタノール、1,2−ジエトキシエタノール、2,2−ジエトキシエタノール、1−n−プロポキシエタノール、1−iso−プロポキシエタノール、2−n−プロポキシエタノール、2−iso−プロポキシエタノール、1−メトキシ−2−n−プロポキシエタノール、1−メトキシ−2−iso−プロポキシエタノール、2−メトキシ−1−n−プロポキシエタノール、2−メトキシ−1−iso−プロポキシエタノール、1−n−ブトキシエタノール、1−iso−ブトキシエタノール、1−t−ブトキシエタノール、2−n−ブトキシエタノール、2−iso−ブトキシエタノール、2−t−ブトキシエタノール、1−プロパノール、2−メトキシプロパノール、3−メトキシプロパノール、1,1−ジメトキシプロパノール、1,2−ジメトキシプロパノール、2,2−ジメトキシプロパノール、1,3−ジメトキシプロパノール、2,3−ジメトキシプロパノール、3,3−ジメトキシプロパノール、1-エトキシプロパノール、2−エトキシプロパノール、3−エトキシプロパノール、1−エトキシ−1−メトキシプロパノール、2−エトキシ−2−メトキシプロパノール、3−エトキシ−3−メトキシプロパノール、1−エトキシー2−メトキシプロパノール、2−エトキシ−1−メトキシプロパノール、1−エトキシ−3−メトキシプロパノール、3−エトキシ−1−メトキシプロパノール、2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1,1−ジメトキシ−2−プロパノール、1,2−ジメトキシ−2−プロパノール、1−エトキシー2−プロパノール、2−エトキシー2−プロパノール、1−メトキシー1−エトキシ−2−プロパノール、1−メトキシー2−エトキシ−2−プロパノール、1−n−プロポキシー2−プロパノール、1−iso−プロポキシー2−プロパノール、2−n−プロポキシー2−プロパノール、2−iso−プロポキシー2−プロパノール、1−ブタノール、1−メチル−1−ブタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、4−メチル−1−ブタノール、1−メトキシ−1−ブタノール、1−メチル−1−メトキシ−1−ブタノール、2−メチル−1−メトキシ−1−ブタノール、3−メチル−1−メトキシ−1−ブタノール、3−メチル−1−メトキシ−1−ブタノール、4−メチル−1−メトキシ−1−ブタノール、2−メトキシ−1−ブタノール、1−メチル−2−メトキシ−1−ブタノール、2−メチル−2−メトキシ−1−ブタノール、3−メチル−2−メトキシ−1−ブタノール、4−メチル−2−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−1−ブタノール、1−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール、4−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール、4−メトキシ−1−ブタノール、1−メチル−4−メトキシ−1−ブタノール、2−メチル−4−メトキシ−1−ブタノール、3−メチル−4−メトキシ−1−ブタノール、4−メチル−4−メトキシ−1−ブタノール、1−エトキシ−1−ブタノール、2−エトキシ−1−ブタノール、3−エトキシ−1−ブタノール、4−エトキシ−1−ブタノール、1,1−ジメトキシ−1−ブタノール、1,2−ジメトキシ−1−ブタノール、1,3−ジメトキシ−1−ブタノール、1,4−ジメトキシ−1−ブタノール、2−ブタノール、1−メトキシ−2−ブタノール、2−メトキシ−2−ブタノール、3−メトキシ−2−ブタノール、4−メトキシ−2−ブタノール、1−エトキシ−2−ブタノール、2−エトキシ−2−ブタノール、3−エトキシ−2−ブタノール、4−エトキシ−2−ブタノール、iso−ブタノール、1−メトキシ−iso−ブタノール、2−メトキシ−iso−ブタノール、3−メトキシ−iso−ブタノール、1,1−ジメトキシ−t−ブタノール、3,3−ジメトキシ−iso−ブタノール、3,3'−ジメトキシ−iso−ブタノール、1,2−ジメトキシ−iso−ブタノール、1,3−ジメトキシ−iso−ブタノール、2,3−ジメトキシ−iso−ブタノール、1−エトキシ−iso−ブタノール、2−エトキシ−iso−ブタノール、3−エトキシ−iso−ブタノール、t−ブタノール、2−メトキシ−t−ブタノール、2,2−ジメトキシ−t−ブタノール、2,2'−ジメトキシ−t−ブタノール、2−エトキシ−t−ブタノール、1−ペンタノール、1−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−1−ペンタノール、1−メトキシ−1−ペンタノール、2−メトキシ−1−ペンタノール、3−メトキシ−1−ペンタノール、4−メトキシ−1−ペンタノール、5−メトキシ−1−ペンタノール、2−ペンタノール、1−メトキシ−2−ペンタノール、2−メトキシ−2−ペンタノール、3−メトキシ−2−ペンタノール、4−メトキシ−2−ペンタノール、3−ペンタノール、1−メトキシ−3−ペンタノール、2−メトキシ−3−ペンタノール、3−メトキシ−3−ペンタノール、1−ヘキサノール、2-ヘキサノール、3−ヘキサノール、シクロプロパノール、シクロブタノール、シクロプロピルメタノール、シクロペンタノール、1−シクロプロピル−1−エタノール、2−シクロプロピル−1−エタノール、シクロブチルメタノール、シクロヘキサノール、1−シクロプロピルプロパノール、2−シクロプロピルプロパノール、3−シクロプロピルプロパノール、1−シクロブチルエタノール、2−シクロブチルエタノール、シクロペンチルメタノール、ジ(シクロプロピル)メタノールなどが挙げられる。これらの中では、乾燥性の点で、沸点が50〜200℃のものが好ましく、特に好ましくは沸点が60〜190℃のもの、更に好ましくは沸点が70〜180℃ものである。
本発明で用いられるアルコールは、安全性や塗布性を制御するために、補助成分として、水やエーテル化合物(上記アルコールを除く)を含有してもよい。かかる補助成分の配合割合は、アルコール全体の50重量%未満が好ましい。
エーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジプロピルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、トリメチレングリコールジメチルエーテル、トリメチレングリコールジエチルエーテル、トリメチレングリコールジプロピルエーテル、トリメチレングリコールジブチルエーテルなどが挙げられる。これらの中では、乾燥性の点で、沸点が50〜200℃のものが好ましく、特に好ましくは、沸点が100〜190℃のものである。
界面活性剤溶液の塗布法は、特に限定されず、界面活性剤溶液を含浸した不織布、スポンジ、および/または刷毛を回転するキャストドラムの表面に接触させる手法、界面活性剤溶液をキャストドラムの表面にスプレーコートする手法などが挙げられるが、本発明においては、均一に塗布できる点で、界面活性剤溶液を含浸した不織布、スポンジ、及び/または刷毛を、回転するキャストドラムの表面に接触させる手法が好ましく、特に好ましくは、界面活性剤溶液を含浸した不織布を回転するキャストドラムの表面に接触させる手法である(図1参照)。
本発明で使用される不織布は、特に限定されず、ナイロン系不織布、ポリエステル系不織布、ポリオレフィン系不織布などが挙げられる。これらの中では、界面活性剤の塗布効率が優れる点で、ナイロン系不織布とポリエステル系不織布が好ましく、特に好ましくはポリエステル系不織布、更に好ましくはポリエチレンテレフタレート繊維よりなるポリエステル系不織布、殊に好ましくはポリエチレンテレフタレート繊維とナイロン繊維よりなるポリエステル系不織布である。
本発明で使用されるスポンジは、特に限定されず、スポンジとしてはポリビニルアルコールスポンジ、ウレタンスポンジ、ポリエチレンスポンジ、シリコンスポンジ、メラミンスポンジ、ゴムスポンジなどが挙げられる。これらの中では、ポリビニルアルコールスポンジがキャストドラムの表面を傷付けない点で好ましい。また、界面活性剤溶液の含浸性の点で、スポンジの密度が1〜100kg/m3のものが好ましい。
かかる不織布、スポンジ、および/または刷毛は、使用後に、水やアルコールなどの溶剤により洗浄、必要に応じて乾燥して再利用することが可能である。
不織布、スポンジ、及び/または刷毛に、界面活性剤溶液を含浸する手法は、特に限定されず、不織布、スポンジ、および/または刷毛が乾かない程度に、スプレーノズルやスリットダイから連続的もしくは断続的に供給されればよい。必要に応じて、界面活性剤溶液を、一旦塗布ロールなどの媒体に塗布した後、不織布、スポンジ、および/または刷毛に転移させてもよい。
不織布、スポンジ、および/または刷毛を回転するキャストドラムの表面に接触させるには、ブレード、パッド、ロールなどの押圧治具で、不織布、スポンジ、および/または刷毛を押圧すればよい。押圧の程度は、特に限定されないが、塗布と同時にキャストドラム表面の洗浄も兼ねる点で、0.01N以上が好ましく、特に好ましくは0.1〜100N、更に好ましくは1〜10Nである。過度に押圧した場合は、キャストドラムへの負荷が大きくなり、キャストドラムのスムーズな回転を阻害する傾向がある。
界面活性剤溶液を、キャストドラムの全幅に塗布するには、例えば不織布を用いる場合、キャストドラムの幅に合わせた不織布で塗布する手法、キャストドラムの幅を数分割して複数の不織布で塗布する手法、1枚もしくは複数の不織布がキャストドラムの幅方向にスライドして塗布する手法などが挙げられる。これらの中では、塗布効率と装置の簡便さの点で、1枚の不織布がキャストドラムの幅方向にスライドしながら塗布する手法が好ましい(図2参照)。過度に長幅の不織布は蛇行や布ゆるみが生じやすく、塗布ムラが発生しやすい傾向がある。かかる手法はスポンジや刷毛を用いる場合も同様である。
本発明の好ましい実施形態として、ロール式塗布装置を用いる手法が挙げられる(図3参照)。具体的には、不織布が巻かれたロール(巻き出しロール)から乾いた清浄な不織布を巻き出し、不織布をキャストドラムに接触させながら、拭き取りと、界面活性剤溶液の塗布を行なった後、不織布をロール(巻き取りロール)に巻き取る方法である。キャストドラム上での不織布の移送方向は、塗布効率の点で、キャストドラムの回転方向は逆向きであることが好ましい。塗布は、例えば、界面活性剤溶液をスプレーノズルから、不織布が接触する中間地点に設置された塗布ロールにスプレーコートし、塗布ロールと不織布を接触させることにより、界面活性剤溶液を不織布に転移させ、かかる不織布がキャストドラムの表面と接触することによりなされる。かかる方法により、常に清浄な不織布を用いた塗布と拭き取りが可能となり、より欠点の少ないポリビニルアルコール系フィルムを得ることができる。
界面活性剤溶液の塗布温度は、ポリビニルアルコール系フィルム製造時のキャストドラムの表面温度と同じであればよく、具体的には50〜100℃であることが好ましく、特に好ましくは55〜98℃、更に好ましくは60〜97℃である。塗布温度が低すぎると乾燥性が低下する傾向があり、逆に高すぎると均一な塗布が困難となる傾向がある。かかる塗布温度を一定に保つために、塗布に使用する界面活性剤溶液や、不織布をかかる温度範囲に加温してもよい。なお、一般的に、工程(B)におけるキャストドラムの表面温度は、ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液を乾燥するために、50〜100℃である。
界面活性剤溶液の塗布速度は、ポリビニルアルコール系フィルム製造時のキャストドラムの回転速度と同じであればよく、具体的には1〜50m/分であることが好ましく、特に好ましくは10〜40m/分、更に好ましくは15〜30m/分である。塗布速度が遅すぎると生産性が低下する傾向があり、逆に、速すぎても塗布効率が低下する傾向がある。なお、一般的に、工程(B)におけるキャストドラムの回転速度は、生産性と乾燥速度を勘案して5〜50m/分である。
上述した塗布方法は、複数組み合わせることも可能であり、界面活性剤溶液を複数回に分けて塗布したり、1回目と2回目で異なる界面活性剤溶液を塗布することも可能である。
また、界面活性剤溶液の塗布前に、異物や不純物を除去するために、洗浄装置を取り付けてもよい。かかる洗浄装置としては、異物を掻き取るブレードを有するものや紫外線洗浄装置などが挙げられる。
塗布された界面活性剤溶液は、上述した工程(B)におけるポリビニルアルコール系樹脂水溶液の流延までに乾燥される。乾燥は、溶剤の選定、キャストドラムの温度などで制御されるが、必要に応じて、塗布後の過剰な界面活性剤溶液を拭き取ったり、温風をキャストドラム表面に吹き付けて乾燥を加速させてもよい。
界面活性剤溶液を拭き取る手法としては、乾いた不織布やスポンジを回転するキャストドラムの表面に接触させる手法などが挙げられる(図4参照)。かかる拭き取りは、界面活性剤溶液がキャストドラム表面に過剰に塗布された場合に必要となる。過剰の界面活性剤溶液は、上述した工程(B)におけるポリビニルアルコール系樹脂水溶液の流延までに乾燥せず、流延性や剥離性の不均一化のみならず、ポリビニルアルコール系フィルムのヘイズを増加させ、更には膜厚ムラや位相差ムラの原因となる。当然のことながら、キャストドラム表面に存在する界面活性剤分子を全て拭き取ることは、本発明の親水化処理を無駄にするため回避する必要がある。
なお、本発明の一形態として、キャストドラムの幅方向の端部のみを親水化処理してもよいし、かかる端部にのみ高濃度の界面活性剤溶液を塗布してもよい(図5参照)。薄型フィルムにおいては、かかる端部から破断する傾向があるため、親水化処理により端部の剥離性を向上することで、破断を回避することができる。
かくして上述した工程(A)の親水化処理が完了する。なお、ここまでキャスト型としてキャストドラムを例にとって親水化処理の方法を説明してきたが、キャスト型としてキャストベルト、または樹脂フィルムを用いる場合も同様の手法で親水化処理を行なうことができる。
本発明において、親水化処理されたキャスト型表面の水との接触角は、5〜50°であることが必要であり、好ましくは8〜30°、特に好ましくは10〜20°である。
かかる接触角が5°未満では、キャスト型からのフィルムの剥離性が低下してしまい本発明の目的を達成することができず、逆に、50°を超えてもキャスト型へのポリビニルアルコール系樹脂水溶液の流延性が低下してしまい本発明の目的を達成することができない。
前述した通り、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液には、通常、流延性や剥離性を安定化するために、界面活性剤が配合されており、かかる界面活性剤がフィルムのヘイズや欠点を増加させていた。しかし、本発明の親水化処理を行なうことにより、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液への界面活性剤の配合量を削減することができ、上記不具合が解消される。
更に、上記接触角のふれは10°以下であることが好ましく、特に好ましくは7°以下、更に好ましくは5°以下である。接触角のふれが大きすぎると、キャスト型へのポリビニルアルコール系樹脂水溶液の流延性やキャスト型からのフィルムの剥離性が、不安定になる傾向がある。なお、かかる接触角のふれとは、親水化処理されたキャスト型全面における面内ふれに加えて、経時的な変動をも含むものである。経時的な変動とは、例えば、処理直後と処理数秒後の接触角の差を意味する。
親水化処理されたキャスト型表面は、JIS Z0237に準じて、下記粘着テープ引きはがし試験を行なった際の粘着力が、0.1〜3.5N/10mmであることが好ましく、特に好ましくは0.5〜3.2N/10mm、更に好ましくは1〜3N/10mmである。かかる粘着力が低すぎるとキャスト型表面の転写性が低下する傾向があり、逆に、高すぎると、キャスト型からのフィルムの剥離性が低下する傾向にある。
(粘着テープ引きはがし試験)
試験条件:引きはがし角度90°、引きはがし速度300mm/分、試験環境:23℃50%RH
粘着テープ:ニチバン社製CT−24(クロスカット試験用・碁盤目試験用粘着テープ、幅24mm)
なお、上記JIS規格は粘着テープの試験方法であるため、試験板(貼り付け基材)として、洗浄したSUS304鋼板を用いて試験するが、本発明では、逆に、粘着テープを一定にしてキャスト型(貼り付け基材)を試験するものである。当然のことながら、親水化処理後のキャスト型表面を洗浄すると試験にならないため、本発明では洗浄を行なっていない。
更に、上記粘着力のふれは1N/10mm以下であることが好ましく、特に好ましくは0.7N/10mm以下、更に好ましくは0.5N/10mm以下である。粘着力のふれが大きすぎると、キャスト型へのポリビニルアルコール系樹脂水溶液の流延性やキャスト型からのフィルムの剥離性が不安定となる傾向がある。
親水化処理が完了したキャスト型の表面は、前記工程(B)に進み、ポリビニルアルコール系フィルムの製造に供される。
以下、工程(B)〜(E)について、キャスト型としてキャストドラムを使用した場合を例にとって説明する。
工程(B)は、親水化されたキャストドラムの表面に、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を、T型スリットダイから吐出及び流延する工程である。
まず、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液は、脱泡処理される。脱泡方法としては、静置脱泡やベントを有した多軸押出機による脱泡などの方法があげられる。ベントを有した多軸押出機としては、通常はベントを有した2軸押出機が用いられる。
脱泡処理ののち、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液は、一定量ずつ、T型スリットダイに導入され、親水化処理がなされたキャスト型に流延されて、キャスト法により製膜される。
T型スリットダイ出口の水溶液温度は、80〜100℃であることが好ましく、特に好ましくは85〜99℃である。かかる水溶液温度が低すぎるとは流動不良となる傾向があり、高すぎると発泡する傾向がある。
ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液の粘度は、吐出時に50〜200Pa・sであることが好ましく、特に好ましくは70〜150Pa・sである。かかる水溶液の粘度が、低すぎると流動不良となる傾向があり、高すぎると流延が困難となる。
T型スリットダイからキャストドラムに吐出される水溶液の吐出速度は、0.1〜5m/分であることが好ましく、特に好ましくは0.2〜4m/分、更に好ましくは0.3〜3m/分である。かかる吐出速度が遅すぎると生産性が低下する傾向があり、速すぎると流延が困難となる傾向がある。
キャストドラムの直径は、好ましくは2〜5m、特に好ましくは2.4〜4.5m、更に好ましくは2.8〜4mである。かかる直径が小さすぎると乾燥長が不足し速度が出にくい傾向があり、大きすぎると輸送性が低下する傾向がある。
キャストドラムの幅は、好ましくは4m以上であり、特に好ましくは4.5m以上、更に好ましくは5m以上である。キャストドラムの幅が小さすぎると生産性が低下する傾向がある。
次いで、前記工程(C)について説明する。
工程(C)は、キャストドラムの表面で、ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液を乾燥して製膜する工程である。
キャストドラムの表面温度は、50〜100℃であることが好ましく、特に好ましくは60〜97℃である。かかる表面温度が低すぎると乾燥不良となる傾向があり、高すぎると水溶液が発泡してしまう傾向がある。
キャストドラムの回転速度は、1〜50m/分であることが好ましく、特に好ましくは2〜40m/分、更に好ましくは3〜35m/分である。かかる回転速度が遅すぎると生産性が低下する傾向があり、速すぎると乾燥が不足する傾向がある。
次いで、前記工程(D)について説明する。
工程(D)は、キャストドラムの表面からフィルムを剥離する工程である。
乾燥が終了したフィルムはキャストドラムの表面から剥離され、熱ロール、最終的には巻き取りロールへと移送される。本発明においては、キャストドラムからフィルムを剥離する時の応力(剥離応力)が重要である。かかる剥離応力は、0.01N/10mm以下であることが好ましく、特に好ましくは0.001〜0.005N/10mmである。剥離応力が、大きすぎると、フィルムが破断しやすい傾向があり、逆に、低すぎると剥離が安定化せず、フィルムに位相差ムラが発生しやすい傾向がある。
なお、剥離応力を制御する手法として、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液の組成が同じ場合、本発明のキャストドラム表面の親水化以外に、剥離時のフィルムの含水量の制御が挙げられる。本発明においては、かかる含水量が5〜25重量%であることが好ましく、特に好ましくは7〜23重量%、更に好ましくは9〜22重量%、殊に好ましくは10〜20重量%である。
次いで、前記工程(E)について説明する。
工程(E)は、剥離したフィルムを、更に乾燥、必要に応じて熱処理する工程である。
剥離されたフィルムは、膜の表面と裏面とを複数の熱ロールに交互に通過させることで、更に乾燥される。熱ロールの表面温度は特に限定されないが、通常40〜150℃である。かかる表面温度が低すぎると、最終的なポリビニルアルコール系フィルムが乾燥不良となり、逆に高すぎると、乾燥しすぎてうねりなどの外観不良を招く傾向がある。
熱ロールによる乾燥後、フィルムに熱処理を行なってもよい。熱処理を行なう場合、温度は70〜150℃が好ましく、特に好ましくは80〜140℃である。熱処理温度が低すぎると、ポリビニルアルコール系フィルムの耐水性が不足する傾向にあり、高すぎると偏光膜製造時の延伸性が低下する傾向がある。かかる熱処理方法としては、例えば、フローティングドライヤーを用いてフィルムの両面に熱風を吹き付ける方法、赤外線ランプを用いてフィルムの両面に近赤外線を照射する手法が挙げられる。
乾燥、必要に応じて熱処理が行なわれたポリビニルアルコール系フィルムの原反は、ロール状に巻き取られて製品となる。巻き取り前にフィルムの両端部をスリットして製品の幅を整えてもよい。
本発明のポリビニルアルコール系フィルムの幅は、偏光膜の幅広化の点で4m以上であることが好ましく、特に好ましくは4.5m以上、更に好ましくは、破断回避の点から4.5〜6mである。
本発明のポリビニルアルコール系フィルムの長さは、偏光膜の大面積化の点から4km以上であることが好ましく、特に好ましくは5km以上、更に好ましくは輸送重量の点から5〜50kmである。
本発明のポリビニルアルコール系フィルムの厚さは、偏光膜の薄型化の点から、50μm以下であることが好ましく、特に好ましくは30μm以下、更に好ましくは、破断回避の点から5〜30μmである。
本発明のポリビニルアルコール系フィルムのヘイズは、偏光膜の光線透過率の点で、0.5%以下が好ましく、特に好ましくは0.3%以下、更に好ましくは0.2%以下、殊に好ましくは0.1%以下である。
本発明のポリビニルアルコール系フィルムの表面粗さRzは、0.3μm以下であることが好ましく、特に好ましくは0.2μm以下、更に好ましくは0.1μm以下である。
表面粗さRzが、大きすぎると偏光膜の偏光度が低下する傾向がある。
本発明のポリビニルアルコール系フィルムは、高さ1μm以上の欠点(点状も線状も含む)が、1mm2中に3個以下であることが好ましく、特に好ましくは2個以下、更に好ましくは1個以下である。かかる欠点の個数が多すぎると、偏光膜の光学欠点が増加する傾向にある。
かかるポリビニルアルコール系フィルムは、低ヘイズで、かつ欠点が少ないため、偏光膜用の原反として好ましく用いられる。
以下、本発明のポリビニルアルコール系フィルムを用いて得られる偏光膜の製造方法について説明する。
本発明の偏光膜は、上記ポリビニルアルコール系フィルムを、ロールから巻き出して水平方向に移送し、膨潤、染色、ホウ酸架橋、延伸、洗浄、乾燥などの工程を経て製造される。
膨潤工程は、染色工程の前に施される。膨潤工程により、ポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れを洗浄することができるほかに、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色ムラなどを防止する効果もある。膨潤工程において、処理液としては、通常、水が用いられる。当該処理液は、主成分が水であれば、ヨウ化化合物、界面活性剤等の添加物、アルコール等が少量入っていてもよい。膨潤浴の温度は、通常10〜45℃程度であり、膨潤浴への浸漬時間は、通常0.1〜10分間程度である。
染色工程は、フィルムにヨウ素または二色性染料を含有する液体を接触させることによって行なわれる。通常は、ヨウ素−ヨウ化カリウムの水溶液が用いられ、ヨウ素の濃度は0.1〜2g/L、ヨウ化カリウムの濃度は1〜100g/Lが適当である。染色時間は30〜500秒程度が実用的である。処理浴の温度は5〜50℃が好ましい。水溶液には、水溶媒以外に水と相溶性のある有機溶媒を少量含有させてもよい。
ホウ酸架橋工程は、ホウ酸やホウ砂などのホウ素化合物を使用して行なわれる。ホウ素化合物は水溶液または水−有機溶媒混合液の形で濃度10〜100g/L程度で用いられ、液中にはヨウ化カリウムを共存させるのが、偏光性能の安定化の点で好ましい。処理時の温度は30〜70℃程度、処理時間は0.1〜20分程度が好ましく、また必要に応じて処理中に延伸操作を行なってもよい。
延伸工程は、一軸方向に3〜10倍、好ましくは3.5〜6倍延伸することが好ましい。この際、延伸方向の直角方向にも若干の延伸(幅方向の収縮を防止する程度、またはそれ以上の延伸)を行なっても差し支えない。延伸時の温度は、30〜170℃が好ましい。さらに、延伸倍率は最終的に前記範囲に設定されればよく、延伸操作は一段階のみならず、製造工程の任意の範囲の段階に実施すればよい。
洗浄工程は、例えば、水やヨウ化カリウム等のヨウ化物水溶液にポリビニルアルコール系フィルムを浸漬することにより行なわれ、フィルムの表面に発生する析出物を除去することができる。ヨウ化カリウム水溶液を用いる場合のヨウ化カリウム濃度は1〜80g/L程度でよい。洗浄処理時の温度は、通常、5〜50℃、好ましくは10〜45℃である
。処理時間は、通常、1〜300秒間、好ましくは10〜240秒間である。なお、水洗浄とヨウ化カリウム水溶液による洗浄は、適宜組み合わせて行なってもよい。
乾燥工程は、大気中で40〜80℃で1〜10分間行なえばよい。
かくして得られる偏光膜の偏光度は、好ましくは99.5%以上、特に好ましくは99.8%以上である。偏光度が低すぎると液晶ディスプレイにおけるコントラストが低下する傾向がある。なお、偏光度は、一般的に2枚の偏光膜を、その配向方向が同一方向になるように重ね合わせた状態で、波長λにおいて測定した光線透過率(H11)と、2枚の偏光フィルムを、配向方向が互いに直交する方向になる様に重ね合わせた状態で、波長λにおいて測定した光線透過率(H1)より、下式にしたがって算出される。
〔(H11−H1)/(H11+H1)〕1/2
さらに、本発明の偏光膜の単体透過率は、好ましくは43%以上である。かかる単体透過率が低すぎると液晶ディスプレイの高輝度化を達成できなくなる傾向がある。
単体透過率は、分光光度計を用いて偏光膜単体の光線透過率を測定して得られる値である。
このようにして得られる偏光膜は、その片面または両面に光学的に等方性の高分子フィルムまたはシートを保護フィルムとして積層接着して、偏光板として用いることもできる。保護フィルムとしては、たとえば、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、ポリスチレン、ポリエーテルスルホン、ポリアリーレンエステル、ポリ−4−メチルペンテン、ポリフェニレンオキサイドなどのフィルムまたはシートがあげられる。
また、偏光膜には、薄膜化を目的として、上記保護フィルムの代わりに、その片面または両面にウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレア樹脂などの硬化性樹脂を塗布し、硬化して偏光板とすることもできる。
本発明のポリビニルアルコール系フィルムからなる偏光膜や偏光板は、偏光性能に優れており、携帯情報端末機、パソコン、テレビ、プロジェクター、サイネージ、電子卓上計算機、電子時計、ワープロ、電子ペーパー、ゲーム機、ビデオ、カメラ、フォトアルバム、温度計、オーディオ、自動車や機械類の計器類などの液晶表示装置、サングラス、防眩メガネ、立体メガネ、ウェアラブルディスプレイ、表示素子(CRT、LCD、有機EL、電子ペーパーなど)用反射防止層、光通信機器、医療機器、建築材料、玩具などに好ましく用いられる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
尚、例中「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。
各物性について、次のようにして測定をおこなう。
<測定条件>
(1)接触角(°)
協和界面科学社製「ポータブル接触角計PCA−1」を用い、注射針より作成される2μlの水滴をキャストドラム表面に落液させて、1秒後の液形状を測定し、θ/2法で算出した。測定雰囲気は23℃50%RHである。かかる測定をキャスト型表面の10箇所で行ない、平均値を接触角(°)、最大値と最小値の差を接触角のふれ(°)とした。
(2)粘着力(N/10mm)
JIS Z0237に準じて、キャスト型表面の10箇所で粘着テープ引きはがし試験を行ない、平均値を粘着力(N/10mm)とした。試験条件は以下の通りである。
試験条件:引きはがし角度90°、引きはがし速度300mm/分
試験環境:23℃50%RH
粘着テープ:ニチバン社製CT−24(クロスカット試験用・碁盤目試験用粘着テープ、幅24mm)
(3)剥離性
製膜中に、キャストドラムからのフィルムの剥離状態を目視観察し、下記の基準で剥離性を評価した。
(評価基準)
○・・・全長にわたりきれいに剥離した
△・・・剥離したもののフィルムの一部分が付着した
×・・・剥離せず破断が生じた
(4)ヘイズ(%)
得られたポリビニルアルコール系フィルムの終端部(終端から100mの位置)から50mm×50mmの試験片を10枚切り出し、日本電色製ヘイズメーターNDH−2000を用いて測定し、10枚の平均値をヘイズ(%)とした。
(5)表面粗さRz(μm)
得られたポリビニルアルコール系フィルムの終端部(終端から100mの位置)から50mm×50mmの試験片を10枚切り出し、(株)キーエンス製レーザーフォーカス顕微鏡VK−9700(測定長:1mm、対物レンズ:20倍)を用いて、キャスト型と接していた面を測定し、10枚の平均値を表面粗さRz(μm)とした。
(6)欠点(個/mm2
得られたポリビニルアルコール系フィルムの先端部(先端から100mの位置)、中央部、終端部(終端から100mの位置)から50mm×50mmの試験片を1枚ずつ切り出し、(株)キーエンス製レーザーフォーカス顕微鏡VK−9700(対物レンズ:10倍)を用いて、キャスト型と接していた面の1mm×1mm(面積1mm2)の中に存在する高さまたは深さが1μm以上の欠点数(点状も線状も含む)を観察し、3枚の中の最大値を欠点数(個/mm2)とした。
(7)位相差ムラ
得られたポリビニルアルコール系フィルムの終端部(終端から100mの位置)から長さ30cm×幅30cmの試験片を切り出し、クロスニコル状態の2枚の偏光板(単体透過率43.5%、偏光度99.9%)の間に45°の角度で挟み、暗室で表面照度が14,000lxのライトボックスを用いて、透過モードで面内位相差を観察し、以下の基準で評価した。
(評価基準)
○・・・濃淡が確認できなかった。
×・・・濃淡が確認できた。
(8)偏光度(%)、単体透過率(%)
得られた偏光膜から、100m刻みで、延伸方向50mm×幅方向1mの短冊サンプルを切り出し、大塚電子社製:RETS−1100Aを用いて、幅方向に10mmピッチで全幅にわたり偏光度と単体透過率を測定し、平均値を得られた偏光膜の偏光度(%)と単体透過率(%)とした。
(9)表示欠点(個/m2
得られた偏光膜の終端部(終端から100mの位置)から長さ1m×幅1mの試験片を切り出し、15,000lxの環境下で目視検査し、100μm以上の表示欠点数(個/m2)を測定した。
<実施例1>
(キャストドラムの親水化処理)
まず、キャストドラム(直径3m、幅5.5m、表面クロムメッキ、表面粗さRa11nm、初期接触角92°)上に、幅5.5m、長さ(接触長)10cm、厚さ0.5mmのポリエステル系不織布(ポリエチレンテレフタレート繊維65%/ナイロン繊維35%)を設置した(図1参照)。設置位置は、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液の吐出位置から1m上流側であり、フィルムの剥離位置から0.5m下流側である。
次いで、該ポリエステル系不織布を、押圧ブレード(幅5.5m、テフロン(登録商標)製)を用いて、キャストドラムの全幅にわたって接触させ、界面活性剤の水溶液として、ラウリン酸ジエタノールアミド(分子量287)1kgを水99kgに溶解した水溶液(界面活性剤濃度1重量%)を、複数設置されたスプレーノズルからポリエステル系不織布全体に0.1kg/分で供給及び含浸して、20m/分で回転するキャストドラムの表面(表面温度80℃)に塗布した。
キャストドラム表面を目視で観察したところ、塗布された水溶液は速やかに乾燥し、表面に濁りなどの欠陥は見られなかった。キャストドラム表面の接触角を測定したところ10°であり、親水化処理されていることが確認された。
(ポリビニルアルコール系フィルムの製造)
重量平均分子量142,000、ケン化度99.8モル%のポリビニルアルコール系樹脂1,000kg、水2,000kg、可塑剤としてグリセリン100kg、界面活性剤としてドデシル硫酸ナトリウム0.6kgを入れ、撹拌しながら150℃まで昇温して、樹脂濃度25%に濃度調整を行ない、均一に溶解したポリビニルアルコール系樹脂の水溶液を得た。
次いで、該ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を、ベントを有する2軸押出機に供給して脱泡した後、水溶液温度を95℃にし、T型スリットダイから、20m/分で回転する上記親水化処理後のキャストドラム表面に連続して吐出及び流延して製膜を行なった。流延性を目視で確認したところ良好であった。
続いて、キャストドラム上で乾燥して得られたフィルム(含水率18%)を、キャストドラムから剥離した。剥離性を目視で確認したところ良好であり、破断は生じなかった。フィルムを剥離した後のキャストドラム表面は、再度、上記親水化処理され、回転しながら上記T型スリットダイの下部に移動し、製膜に供される。
最後に、剥離後のフィルムを、熱ロールを用いて更に乾燥した後、巻き取ってポリビニルアルコール系フィルム(幅5m、厚さ30μm、長さ5km)のロールを得た。フィルム製造の終了までキャストドラム表面の目視観察を続けたが、濁りなどの欠陥は生じなかった。得られたポリビニルアルコール系フィルムの特性を表2に示す。
(偏光膜の製造)
得られたポリビニルアルコール系フィルムを、ロールから巻き出し、水温25℃の水槽に浸漬しながら1.7倍に延伸した。次にヨウ素0.5g/L、ヨウ化カリウム30g/Lよりなる28℃の水溶液中に浸漬しながら1.6倍に延伸し、ついでホウ酸40g/L、ヨウ化カリウム30g/Lの組成の水溶液(55℃)に浸漬するとともに、同時に2.1倍に一軸延伸しつつホウ酸処理を行なった。その後、ヨウ化カリウム水溶液で洗浄行ない、乾燥して総延伸倍率5.8倍の偏光膜を得た。得られた偏光膜の特性を表2に示す。
<実施例2>
実施例1において、幅5.5m、長さ(接触長)10cm、厚さ0.5mmのポリエステル系不織布に代えて、幅0.9m、長さ(接触長)10cm、厚さ1mmの板状ポリビニルアルコールスポンジ(アイオン社製PVAスポンジ)を6枚用いる以外は、実施例1と同様にしてキャストドラムの親水化処理を行ない、ポリビニルアルコール系フィルムと偏光膜を得た。得られたポリビニルアルコール系フィルムと偏光膜の特性は、表2に示される通りである。
<実施例3>
実施例1において、ラウリン酸ジエタノールアミド(分子量287)1kgを水99k
gに溶解した水溶液(濃度1重量%)に代えて、ラウリン酸ジエタノールアミド(分子量
287)0.1kgを水99.9kgに溶解した水溶液(濃度0.1重量%)を用いる以
外は、実施例1と同様にしてキャストドラムの親水化処理を行ない、ポリビニルアルコー
ル系フィルムと偏光膜を得た。得られたポリビニルアルコール系フィルムと偏光膜の特性
は、表2に示される通りである。
<実施例4>
実施例1において、ラウリン酸ジエタノールアミド(分子量287)1kgを水99kgに溶解した水溶液(濃度1重量%)に代えて、ラウリン酸ジエタノールアミド(分子量287)1kgを2−プロパノール(沸点82℃)99kgに溶解したアルコール溶液(濃度1重量%)を用いること以外は、実施例1と同様にしてキャストドラムの親水化処理を行ない、ポリビニルアルコール系フィルムと偏光膜を得た。得られたポリビニルアルコール系フィルムと偏光膜の特性は、表2に示される通りである。
<実施例5>
実施例1において、ラウリン酸ジエタノールアミド(分子量287)1kgを水99kgに溶解した水溶液(濃度1重量%)に代えて、ラウリン酸ジエタノールアミド(分子量287)1kgを1−ヘキサノール(沸点157℃)99kgに溶解したアルコール溶液(濃度1重量%)を用いること以外は、実施例1と同様にしてキャストドラムの親水化処理を行ない、ポリビニルアルコール系フィルムと偏光膜を得た。得られたポリビニルアルコール系フィルムと偏光膜の特性は、表2に示される通りである。
<実施例6>
実施例1において、ラウリン酸ジエタノールアミド(分子量287)1kgを水99kgに溶解した水溶液(濃度1重量%)に代えて、ドデシルスルホン酸ナトリウム(分子量272)1kgを1−へキサノール(沸点157℃)99kgに溶解したアルコール溶液(濃度1重量%)を用いること以外は、実施例1と同様にしてキャストドラムの親水化処理を行ない、ポリビニルアルコール系フィルムと偏光膜を得た。得られたポリビニルアルコール系フィルムと偏光膜の特性は、表2に示される通りである。
<実施例7>
実施例1において、ドデシル硫酸ナトリウム0.6kgを用いないこと以外は、実施例
1と同様にしてポリビニルアルコール系フィルムの製造を行ない、ポリビニルアルコール
系フィルムと偏光膜を得た。得られたポリビニルアルコール系フィルムと偏光膜の特性は
、表2に示される通りである。
<実施例8>
実施例1において、キャストドラムの親水化処理を、以下の方法に変更する以外は、実施例1と同様にして、ポリビニルアルコール系フィルムと偏光膜を得た。得られたポリビニルアルコール系フィルムと偏光膜の特性は表2に示される通りである。
(キャストドラムの親水化処理)
キャストドラムの表面がむき出しになっている位置にロール式塗布装置を設置した(図3参照)。巻き出しロールから幅1m、長さ1km、厚さ0.5mmの乾いたポリエステル系不織布(ポリエチレンテレフタレート繊維65%/ナイロン繊維35%)を2mm/秒で巻き出しながらキャストドラムに接触させ(接触長10cm)、接触中間地点に配置された塗布ロールを介して、ラウリン酸ジエタノールアミド(分子量287)1kgを水99kgに溶解した水溶液(濃度1重量%)をポリエステル系不織布に含浸させて、該ポリエステル系不織布をキャストドラムの幅方向に20cm/秒でスライドさせながら塗布を行ない(図2参照)、塗布後のポリエステル系不織布を巻き取りロールに巻き取った。
なお、塗布ロールへの界面活性剤溶液の供給は、スプレーノズルを用いて0.02kg/分で行なった。
<比較例1>
実施例1において、キャストドラム表面を親水化処理しないこと以外は、実施例1と同様にして、ポリビニルアルコール系フィルムを製造した。製造前のキャストドラム表面の接触角を測定したところ92°であった。また、フィルムの製膜中にキャストドラムのクロムメッキ面を目視観察したところ、製造の進行とともに白濁が増加し、キャストドラム表面が汚れていくことが確認された。更に、製造終盤にフィルムの一部がキャストドラム表面から剥離しなかったため製造を中止した。得られたポリビニルアルコール系フィルム(長さ4km)の特性は表2に示される通りである。更に、得られたポリビニルアルコール系フィルムを用いて、実施例1と同様にして偏光膜を得た。得られた偏光膜の特性は表
2に示される通りである。
<比較例2>
実施例1において、キャストドラム表面を親水化処理しないことと、ドデシル硫酸ナトリウム0.6kgを用いないこと以外は、実施例1と同様にして、ポリビニルアルコール系フィルムの製造を試みたが、キャストドラムからフィルムを剥離するのが困難であり、製造途中でフィルムに破断が生じ、製造を中止した。
<比較例3>
実施例1において、ラウリン酸ジエタノールアミド(分子量287)1kgを水99kgに溶解した水溶液(濃度1重量%)に代えて、へプタオキシエチレンラウリルアミン(分子量494)1kgを水99kgに溶解した水溶液(濃度1重量%)を用いる以外は、実施例1と同様にしてキャストドラムの親水化処理を行ない、ポリビニルアルコール系フィルムを製造したが、製造終盤にフィルムの一部がキャストドラム表面から剥離しなかったため製造を中止した。得られたポリビニルアルコール系フィルム(長さ4km)の特性は表2に示される通りである。更に、得られたポリビニルアルコール系フィルムを用いて、実施例1と同様にして偏光膜を得た。得られた偏光膜の特性は、表2に示される通りである。
Figure 2017213878
Figure 2017213878
実施例1〜8は、キャスト型に本発明の親水化処理を行なっているため、フィルムの剥離性が良好であり、得られたポリビニルアルコール系フィルムは、ヘイズと表面粗さが小さく、欠点が少ないのに対し、比較例1は、キャスト型に本発明の親水化処理を行なっていないため、フィルムの剥離性に劣り、得られたポリビニルアルコール系フィルムは、ヘイズと表面粗さが大きく、欠点が多いものであり、位相差ムラも確認された。またに、比較例1においては、フィルムの製膜中にキャストドラムの表面に白濁が生じ、清掃や補修が必要である。
更に、実施例7は、製膜用の原液に界面活性剤を配合していないにも関わらず、キャスト型に本発明の親水化処理を行なっているため、良好な剥離性が得られるのに対し、比較例2は、キャスト型に本発明の親水化処理を行なっていないため、フィルムの剥離性が悪く、製造中にフィルムに破断が生じていることから、本発明のキャスト型の親水化処理が、界面活性剤の削減に有効であることがわかる。
また、比較例3は、界面活性剤の選定が適切でないために、キャスト型の接触角が本発明の範囲外であり、得られるポリビニルアルコール系フィルムは、ヘイズと表面粗さが大きく、欠点が多いことがわかる。
そして、各々のポリビニルアルコール系フィルムから得られる偏光膜の偏光特性や品質は、実施例の方が比較例よりも優れるものであることがわかる。

Claims (11)

  1. ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液を、連続的にキャスト型に流延して製膜し、得られるフィルムをキャスト型から剥離後、乾燥するポリビニルアルコール系フィルムの製造方法であって、流延前のキャスト型表面が、界面活性剤で連続的に親水化処理され、水との接触角が5〜50°であることを特徴とするポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
  2. 水との接触角のふれが、10°以下であることを特徴とする請求項1記載のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
  3. キャスト型表面に対して、JIS Z0237に準じて、下記粘着テープ引きはがし試験を行なった際の粘着力が0.1〜3.5N/10mmとなるキャスト型を用いることを特徴とする請求項1または2記載のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
    (粘着テープ引きはがし試験)
    試験条件:引きはがし角度90°、引きはがし速度300mm/分
    試験環境:23℃50%RH
    粘着テープ:ニチバン社製CT−24(クロスカット試験用・碁盤目試験用粘着テープ、幅24mm)
  4. 界面活性剤が、アミド系ノニオン性界面活性剤であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
  5. アミド系ノニオン性界面活性剤が、分子量200〜500のアミド系ノニオン性界面活性剤であることを特徴とする請求項4記載のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
  6. 親水化処理が、界面活性剤の水溶液および/または界面活性剤のアルコール溶液をキャスト型の全幅にわたって塗布し、キャスト型の表面上で拭き取りおよび/または乾燥する方法により行なわれることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
  7. 界面活性剤の水溶液および/または界面活性剤のアルコール溶液中の界面活性剤濃度が、0.1〜10重量%であることを特徴とする請求項6記載のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
  8. キャスト型が、表面がクロムメッキされているキャストドラムであることを特徴とする請求項1〜7いずれか記載のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
  9. 請求項1〜8いずれか記載の製造方法により製造されることを特徴とするポリビニルアルコール系フィルム
  10. 幅4m以上、長さ4km以上であることを特徴とする請求項9記載のポリビニルアルコール系フィルム。
  11. 請求項9または10記載のポリビニルアルコール系フィルムからなる偏光膜。
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