JPWO2017217346A1 - ポリビニルアルコール系フィルム、およびその製造方法、ならびにそのポリビニルアルコール系フィルムを用いた偏光膜 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明のポリビニルアルコール系フィルムは、n−ヘキサデカンの液滴の接触から1秒後の、そのn−ヘキサデカンに対する接触角θ1Sが、5〜13°であることを特徴とするものである。
また、上記接触角は、23℃50%RHで24時間調湿したポリビニルアルコール系フィルムを用い、そのフィルム表面の試験する部分を触れたりこすったりせずに、JIS−R3257(1999)に準じて(θ/2法)測定した、n−ヘキサデカンに対する接触角である。
上記接触角の測定は、市販の接触角測定装置を用いて容易に行うことができ、n−ヘキサデカンを用いれば、接触直後から経時的に連続して精度よく測定できる。さらに、0.1秒刻みの断続的な測定も可能であり、接触角の時間的な変動を追うことができる。
逆に、接触角θ1Sが大きすぎるものは、ヨウ素の吸着が安定せず、そのため染色ムラが発生してしまい、本発明の目的を達成できない。
さらに、かかるθ1Sは、ポリビニルアルコール系フィルムの両面(表裏面)のどちらを測定した場合にも上記範囲を満足する。
かかるδθ1Sの値が大きすぎると、ポリビニルアルコール系フィルムの両面でヨウ素の吸着が均一でなくなるため、偏光膜に染色ムラが発生しやすくなる傾向がある。
なお、上記接触角θ1S、θ1S'は、ポリビニルアルコール系フィルムの同一地点での両面で測定した値である。
かかるΔθの値が小さすぎると、ポリビニルアルコール系フィルムの染色性が低下する傾向があり、逆に、大きすぎても、液体に対する濡れ性が大きく変動する傾向があり、膨潤工程で一定な膨潤度が得られず、結果的に染色ムラが発生しやすい傾向がある。
さらに、かかるΔθの値は、ポリビニルアルコール系フィルムの両面のどちらについて測定した場合も上記範囲を満足することが好ましい。
本発明のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法は、ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液(製膜原液)を調製する調製工程(A)と、その調製した水溶液を連続的にキャスト型に吐出および流涎して製膜する製膜工程(B)と、その製膜したフィルムをキャスト型から剥離した後、乾燥させる乾燥工程(C)とを備えている。なお、その乾燥させたフィルムを必要に応じて熱処理する熱処理工程(D)を備えていることが好ましい。
まず、前記ポリビニルアルコール系樹脂水溶液の調製工程(A)について詳しく説明する。
ここで、本発明における平均ケン化度は、JIS K 6726に準じて測定されるものである。
かかるポリビニルアルコール系樹脂ウェットケーキを温水や熱水に溶解して、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を調整する。
本発明においては、偏光膜の光線透過率向上の点で後者が好ましく、調製する際の上記水溶液の温度は、100〜150℃であることが好ましい。当然のことながら、その温度は、大気圧下での水の沸点以上であるため、かかる調製は加圧して行なわれる。
ヒドロキシエチルラウリルアミン、ポリオキシエチレンヘキシルアミン、ポリオキシエチレンヘプチルアミン、ポリオキシエチレンオクチルアミン、ポリオキシエチレンノニルアミン、ポリオキシエチレンデシルアミン、ポリオキシエチレンドデシルアミン、ポリオキシエチレンテトラデシルアミン、ポリオキシエチレンヘキサデシルアミン、ポリオキシエチレンオクタデシルアミン、ポリオキシエチレンオレイルアミン、ポリオキシエチレンエイコシルアミン等のポリオキシエチレンアルキルアミン;
カプロン酸アミド、エナント酸アミド、カプリル酸アミド、ペラルゴン酸アミド、カプリン酸アミド、ウンデシル酸アミド、ラウリン酸アミド、トリデシル酸アミド、ミリスチン酸アミド、ペンタデシル酸アミド、パルミチン酸アミド、マルガリン酸アミド、ステアリン酸アミド、ノナデシル酸アミド、アラキジン酸アミド、ヘンイコシル酸アミド、ベヘン酸アミド、トリコシル酸アミド、リグノセリン酸アミド、セロチン酸アミド、モンタン酸アミド、メリシン酸アミド、オレイン酸アミド等の高級脂肪酸アミド;
ポリオキシエチレンカプロン酸アミド、ポリオキシエチレンエナント酸アミド、ポリオキシエチレンカプリル酸アミド、ポリオキシエチレンペラルゴン酸アミド、ポリオキシエチレンカプリン酸アミド、ポリオキシエチレンウンデシル酸アミド、ポリオキシエチレンラウリン酸アミド、ポリオキシエチレントリデシル酸アミド、ポリオキシエチレンミリスチン酸アミド、ポリオキシエチレンペンタデシル酸アミド、ポリオキシエチレンパルミチン酸アミド、ポリオキシエチレンマルガリン酸アミド、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ポリオキシエチレンノナデシル酸アミド、ポリオキシエチレンアラキジン酸アミド、ポリオキシエチレンヘンイコシル酸アミド、ポリオキシエチレンベヘン酸アミド、ポリオキシエチレントリコシル酸アミド、ポリオキシエチレンリグノセリン酸アミド、ポリオキシエチレンセロチン酸アミド、ポリオキシエチレンモンタン酸アミド、ポリオキシエチレンメリシン酸アミド、ポリオキシエチレンオレイン酸アミド等のポリオキシエチレン高級脂肪酸アミド;
N−エタノールウンデシル酸アミド、N−エタノールラウリン酸アミド、N−エタノールトリデシル酸アミド、N−エタノールミリスチン酸アミド、N−エタノールペンタデシル酸アミド、N−エタノールパルミチン酸アミド、N−ジエタノールマルガリン酸アミド、N−エタノールステアリン酸アミド、N−エタノールノナデシル酸アミド、N−エタノールアラキジン酸アミド、N−エタノールヘンイコシル酸アミド、N−エタノールベヘン酸アミド、N−エタノールトリコシル酸アミド、N−エタノールリグノセリン酸アミド、N−エタノールセロチン酸アミド、N−エタノールモンタン酸アミド、N−エタノールメリシン酸アミド、N−エタノールオレイン酸アミド等のN−アルカノール高級脂肪酸アミド;
N,N−ジエタノールウンデシル酸アミド、N,N−ジエタノールラウリン酸アミド、N,N−ジエタノールトリデシル酸アミド、N,N−ジエタノールミリスチン酸アミド、N,N−ジエタノールペンタデシル酸アミド、N,N−ジエタノールパルミチン酸アミド、N,N−ジエタノールマルガリン酸アミド、N,N−ジエタノールステアリン酸アミド、N,N−ジエタノールノナデシル酸アミド、N,N−ジエタノールアラキジン酸アミド、N,N−ジエタノールヘンイコシル酸アミド、N,N−ジエタノールベヘン酸アミド、N,N−ジエタノールトリコシル酸アミド、N,N−ジエタノールリグノセリン酸アミド、N,N−ジエタノールセロチン酸アミド、N,N−ジエタノールモンタン酸アミド、N,N−ジエタノールメリシン酸アミド、N,N−ジエタノールオレイン酸アミド等のN,N−ジアルカノール高級脂肪酸アミド;
ジメチルラウリルアミンオキシド、ジメチルステアリルオキシド、ジヒドロキシエチルラウリルアミンオキシド等のアミンオキシド;
等があげられる。
かかる分解量は、調製後の水溶液中の高級脂肪酸アミド系化合物の残存量を、液体クロマトグラフィー質量分析(LC/MS)やガスクロマトグラフィー質量分析(GC/MS)等の分析手法を用いて測定することで算出できる。
次に、前記製膜工程(B)について詳しく説明する。
なお、この実施の形態では、製膜に用いるキャスト型として上記キャストドラム(ドラム型ロール)を用いる場合を例にとって説明しているが、そのキャストドラムに替えてエンドレスベルト等を製膜に用いることもできる。幅広化や長尺化、膜厚の均一性に優れる点から、キャストドラムを用いることが好ましい。
次いで、前記乾燥工程(C)について詳しく説明する。この乾燥工程(C)は、上記製膜されたフィルムを、複数の金属製加熱ロール(以下、単に「熱ロール」と記載する。)と接触させること等により、加熱して乾燥する工程である。
次いで、前記熱処理工程(D)について詳しく説明する。この熱処理工程(D)は、上記乾燥されたフィルムを熱処理する工程である。この熱処理工程(D)は、必要に応じてなされる任意の工程である。
熱処理の方法としては、例えば、フローティングドライヤーを用いてフィルムの両面に熱風を吹き付ける方法や赤外線ランプを用いてフィルムの両面に近赤外線を照射する方法があげられるが、温度制御の点で、フローティングドライヤーで行われることが好ましい。
上記乾燥工程(C)の後、必要に応じて上記熱処理工程(D)を経たフィルムは、幅方向(TD)の両端部がスリットされ、流れ方向(MD)に長い本発明のポリビニルアルコール系フィルムとなる。このポリビニルアルコール系フィルムは、芯管にロール状に巻き取られることにより、フィルム巻装体に作製される。
本発明の偏光膜は、上記ポリビニルアルコール系フィルムを、前記フィルム巻装体から繰り出して水平方向に搬送し、膨潤、染色、ホウ酸架橋、延伸、洗浄、乾燥等の工程を経て製造される。
偏光度=〔(H11−H1)/(H11+H1)〕1/2
単体透過率は、分光光度計を用いて偏光膜単体の光線透過率を測定して得られる値である。
このようにして得られる偏光膜は、偏光板の製造に用いられる。すなわち、その偏光板は、上記偏光膜の片面または両面に、光学等方性の高分子フィルムまたはシートを保護膜として積層接着することにより、作製される。保護膜としては、例えば、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、ポリスチレン、ポリエーテルスルホン、ポリアリーレンエステル、ポリ−4−メチルペンテン、ポリフェニレンオキサイド等のフィルムまたはシートがあげられる。
(1)高級脂肪酸アミド系化合物の分解量(重量%)
調製後のポリビニルアルコール系樹脂水溶液から10gのサンプルを採取し、ダイオネクス社製ASE−200(11mLセル)を用いて、高速溶媒抽出法 (Accelerated Solvent Extraction)により、高級脂肪酸アミド系化合物をメタノール/水(9/1)の溶媒に抽出した。抽出後の固形分を乾燥後、秤量してポリビニルアルコール樹脂の含有量A(g)を測定した。一方、抽出液を濃縮後、メタノールに溶解して10mLの液体クロマトグラフィー質量分析(LC/MS)の試料とし、以下の測定装置及び測定条件で、高級脂肪酸アミド系化合物の含有量B(g)を測定した。
(液体クロマトグラフィー)
装置:Agilent社製 Agilent Technologies HP1100
カラム:YMC-Pack ODS-A 150×3.0mm φ5μm、カラム温度30℃
移動層:10mM AcONH4/MeOH=25/75(0min)→5/95(15-30min)、流量0.4mL/min
(質量分析)
装置:Thermo 社製 Thermo Electron LCQ Deca XP Max
測定モード:Positive ion mode
MS検出器:Full-Scan(m/z 100-2000) & MS/MS
得られた高級脂肪酸アミド系化合物の含有量B(g)と、上記ポリビニルアルコール樹脂の含有量A(g)から、下記式に従って、ポリビニルアルコール樹脂に対する高級脂肪酸アミド系化合物の残存量(重量%)を求めた。
残存量(重量%)=100×B(g)/A(g)
次いで、かかる高級脂肪酸アミド系化合物の残存量(重量%)と、ポリビニルアルコール樹脂に対する高級脂肪酸アミド系化合物の配合量(重量%)から、下記式に従って、高級脂肪酸アミド系化合物の分解量(重量%)を算出した。
分解量(重量%)=100×{配合量(重量%)−残存量(重量%)}/配合量(重量%)
得られたポリビニルアルコール系フィルムから10cm×10cmの試験片を切り出し、23℃50%RHで24時間調湿後、協和界面科学社製ポータブル接触角計PCA−1を用いて、JIS−R3257(1999)に準じて、23℃50%RHにおけるn−ヘキサデカンに対する接触角を測定した(θ/2法)。n−ヘキサデカンの液滴量は1μLである。液滴とフィルムが接触してから、0.1秒後の接触角をθ0S(°)、経時的に1秒後まで測定し、1秒後の値をθ1S(°)とした。測定は、ポリビニルアルコール系フィルムのキャストドラムと接していた面を表面、逆面を裏面として、両面を測定した。
得られた偏光膜から、長さ30cm×幅30cmの試験片を切り出し、クロスニコル状態の2枚の偏光板(単体透過率43.5%、偏光度99.9%)の間に45°の角度で挟んだ後に、表面照度14,000lxのライトボックスを用いて、透過モードで染色ムラを観察し、以下の基準で評価した。
(評価基準)
○・・・全面に染色ムラが全くなし。
△・・・全面の20%未満の領域に染色ムラあり。
×・・・全面の20%以上の領域に染色ムラあり。
得られた偏光膜から、長さ4cm×幅4cmのサンプルを切り出し、自動偏光フィルム測定装置(日本分光社製:VAP7070)を用いて、偏光度(%)と単体透過率(%)を測定した。
(ポリビニルアルコール系フィルムの製造)
5,000Lの溶解缶に、重量平均分子量142,000、ケン化度99.9モル%のポリビニルアルコール系樹脂1,000kg、水2,500kg、可塑剤としてグリセリン105kg、および界面活性剤としてN,N−ジエタノールラウリン酸アミド(炭素数16)0.3kg(ポリビニルアルコール系樹脂に対する配合量0.03重量%)を入れ、撹拌しながら水蒸気を吹き込んで加圧溶解し、樹脂濃度25重量%のポリビニルアルコール系樹脂水溶液を調製した。かかる調製の調製温度は140℃、調製時間は20時間である。得られた水溶液中のN,N−ジエタノールラウリン酸アミドの残存量を測定したところ、ポリビニルアルコール樹脂に対して0.009重量%であり、高級脂肪酸アミド系化合物の分解量は70重量%であった。
次に上記ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を、2軸押出機に供給して脱泡した後、水溶液温度を95℃にし、T型スリットダイ吐出口より、回転するキャストドラムに吐出(吐出速度1.8m/分)および流延して製膜した。その製膜したフィルムをキャストドラムから剥離し、そのフィルムの表面と裏面とを合計10本の熱ロールに交互に接触させながら乾燥を行った。次いで、上記剥離したフィルム両面から140℃の熱風を吹き付けて熱処理を行った後、幅方向(TD方向)の両端部をスリットし、ポリビニルアルコール系フィルム(厚さ45μm、幅5m、長さ5km)を得た。得られたポリビニルアルコール系フィルムの特性は下記の表1に示される通りであった。最後に、そのポリビニルアルコール系フィルムを芯管にロール状に巻き取り、フィルム巻装体を得た。
得られたポリビニルアルコール系フィルムを上記フィルム巻装体から繰り出し、水平方向に搬送しながら、水温30℃の水槽に浸漬して膨潤させながら流れ方向(MD方向)に1.7倍に延伸した。次に、ヨウ素0.5g/L、ヨウ化カリウム30g/Lよりなる30℃の水溶液中に浸漬して染色しながら流れ方向(MD方向)に1.6倍に延伸し、ついでホウ酸40g/L、ヨウ化カリウム30g/Lの組成の水溶液(50℃)に浸漬してホウ酸架橋しながら流れ方向(MD方向)に2.1倍に一軸延伸した。最後に、ヨウ化カリウム水溶液で洗浄を行い、50℃で2分間乾燥して総延伸倍率5.7倍の偏光膜を得た。得られた偏光膜の特性は下記の表1に示される通りであった。
実施例1において、調製時間を10時間とする以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアルコール系フィルムを得た。得られたポリビニルアルコール系フィルムの特性は、下記の表1に示される通りであった。さらに、実施例1と同様にして偏光膜を得た。得られた偏光膜の特性は、下記の表1に示される通りであった。
実施例1において、調製温度を120℃とする以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアルコール系フィルムを得た。得られたポリビニルアルコール系フィルムの特性は、下記の表1に示される通りであった。さらに、実施例1と同様にして偏光膜を得た。得られた偏光膜の特性は、下記の表1に示される通りであった。
実施例1において、調製温度を100℃とする以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアルコール系フィルムを得た。得られたポリビニルアルコール系フィルムの特性は、下記の表1に示される通りであった。さらに、実施例1と同様にして偏光膜を得た。得られた偏光膜の特性は、下記の表1に示される通りであった。
実施例1において、N,N−ジエタノールラウリン酸アミドを0.5kg(ポリビニルアルコール系樹脂に対する配合量0.05重量%)とする以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアルコール系フィルムを得た。得られたポリビニルアルコール系フィルムの特性は、下記の表1に示される通りであった。さらに、実施例1と同様にして偏光膜を得た。得られた偏光膜の特性は、下記の表1に示される通りであった。
実施例1において、N,N−ジエタノールラウリン酸アミド0.3kg(ポリビニルアルコール系樹脂に対する配合量0.03重量%)に加えて、ステアリン酸アミド(炭素数18)0.1kg(ポリビニルアルコール系樹脂に対する配合量0.01重量%)も用いること以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアルコール系フィルムを得た。得られたポリビニルアルコール系フィルムの特性は、下記の表1に示される通りであった。さらに、実施例1と同様にして偏光膜を得た。得られた偏光膜の特性は、下記の表1に示される通りであった。
なお、得られた水溶液中のN,N−ジエタノールラウリン酸アミドとステアリン酸アミドの残存量を測定したところ、ポリビニルアルコール系樹脂に対して、それぞれ0.021重量%と0.002重量%であり、高級脂肪酸アミド系化合物の分解量(N,N−ジエタノールラウリン酸アミドとステアリン酸アミドの合計値)は42重量%であった。
実施例1において、N,N−ジエタノールラウリン酸アミド0.3kg(ポリビニルアルコール系樹脂に対する配合量0.03重量%)に加えて、ポリオキシエチレンドデシルアミン(平均炭素数28)0.2kg(ポリビニルアルコール系樹脂に対する配合量0.02重量%)も用いること以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアルコール系フィルムを得た。得られたポリビニルアルコール系フィルムの特性は、下記の表1に示される通りであった。さらに、実施例1と同様にして偏光膜を得た。得られた偏光膜の特性は、下記の表1に示される通りであった。
なお、得られた水溶液中のポリオキシエチレンドデシルアミンの残存量を測定したところ、ポリビニルアルコール樹脂に対して0.02重量%であり、分解は確認されなかった。また、N,N−ジエタノールラウリン酸アミドの残存量を測定したところ、ポリビニルアルコール系樹脂に対して0.009重量%であり、高級脂肪酸アミド系化合物(N,N−ジエタノールラウリン酸アミドのみ)の分解量は70重量%であった。
実施例1において、吐出速度1.25m/分としてフィルム厚を30μmとする以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアルコール系フィルムを得た。得られたポリビニルアルコール系フィルムの特性は、下記の表1に示される通りであった。さらに、実施例1と同様にして偏光膜を得た。得られた偏光膜の特性は、下記の表1に示される通りであった。
実施例1において、調製温度を160℃とする以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアルコール系フィルムを得た。得られたポリビニルアルコール系フィルムの特性は、下記の表2に示される通りであった。さらに、実施例1と同様にして偏光膜を得た。得られた偏光膜の特性は、下記の表2に示される通りであった。
実施例1において、N,N−ジエタノールラウリン酸アミド0.3kg(ポリビニルアルコール系樹脂に対する配合量0.03重量%)に代えて、ポリオキシエチレンドデシルアミン0.2kg(ポリビニルアルコール系樹脂に対する配合量0.02重量%)を用いること以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアルコール系フィルムを得た。得られたポリビニルアルコール系フィルムの特性は、下記の表2に示される通りであった。さらに、実施例1と同様にして偏光膜を得た。得られた偏光膜の特性は、下記の表2に示される通りであった。
なお、得られた水溶液中のポリオキシエチレンドデシルアミンの残存量を測定したところ、ポリビニルアルコール樹脂に対して0.02重量%であり、分解は確認されなかった。
実施例1において、調製温度を100℃、調製時間を1時間とする以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアルコール系フィルムを得た。得られたポリビニルアルコール系フィルムの特性は、下記の表2に示される通りであった。さらに、実施例1と同様にして偏光膜を得た。得られた偏光膜の特性は、下記の表2に示される通りであった。
Claims (11)
- n−ヘキサデカンの液滴の接触から1秒後の、そのn−ヘキサデカンに対する接触角θ1Sが、5〜13°であることを特徴とするポリビニルアルコール系フィルム。
- 上記フィルム両面の、第1の面の上記接触角θ1Sと、第2の面の上記接触角θ1S'との差δθ1S=|θ1S−θ1S'|が、2°以内であることを特徴とする請求項1記載のポリビニルアルコール系フィルム。
- 上記フィルム両面の各面において、上記接触角θ1Sと、上記n−ヘキサデカンの液滴の接触から0.1秒後の、そのn−ヘキサデカンに対する接触角θ0Sとの差Δθ=|θ0S−θ1S|が、3〜7°であることを特徴とする請求項1または2記載のポリビニルアルコール系フィルム。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリビニルアルコール系フィルムを製造する方法であって、ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液を調製する調製工程と、その調製した水溶液を連続的にキャスト型に流延して製膜する製膜工程と、その製膜したフィルムをキャスト型から剥離した後、乾燥させる乾燥工程とを備えていることを特徴とするポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
- 上記調製工程において、上記ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液が、炭素数10〜30の高級脂肪酸アミド系化合物を、上記ポリビニルアルコール系樹脂に対して0.01〜0.1重量%配合した水溶液を、100〜150℃で調製して得られるものであることを特徴とする請求項4記載のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
- 上記調製工程において、配合した上記高級脂肪酸アミド系化合物の10〜90重量%を分解させることを特徴とする請求項5記載のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
- 上記調製工程において、上記ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液の調製にかける時間が、5〜40時間であることを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
- 請求項4〜7のいずれか一項に記載のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法により製造されることを特徴とするポリビニルアルコール系フィルム。
- 偏光膜の製造に用いることを特徴とする請求項1〜3、8のいずれか一項に記載のポリビニルアルコール系フィルム。
- 厚さ5〜45μmであることを特徴とする請求項1〜3、8、9のいずれか一項に記載のポリビニルアルコール系フィルム。
- 請求項1〜3、8〜10のいずれか一項に記載のポリビニルアルコール系フィルムが用いられていることを特徴とする偏光膜。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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