JP6759690B2 - ポリビニルアルコール系フィルム、ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法、及び偏光膜 - Google Patents

ポリビニルアルコール系フィルム、ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法、及び偏光膜 Download PDF

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Description

本発明は、ポリビニルアルコール系フィルムに関する。さらに詳しくは、厚み変動が少ないポリビニルアルコール系フィルムであり、偏光特性に優れる偏光膜を得ることができるポリビニルアルコール系フィルム、かかるポリビニルアルコール系フィルムの製造方法、及び偏光膜に関するものである。
従来より、ポリビニルアルコール系フィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂を水などの溶媒に溶解して製膜原液を調液し、溶液流延法(キャスト法)により製膜した後、金属加熱ロールなどを使用して乾燥することにより製造される。このようにして得られるポリビニルアルコール系フィルムは、透明性や染色性に優れたフィルムとして多くの用途に利用されており、その有用な用途の一つに偏光膜が挙げられる。かかる偏光膜は、液晶ディスプレイの基本構成要素として用いられており、近年では大面積で高品位な液晶テレビへとその使用が拡大されている。
このような中、液晶テレビなどの画面の大型化にともない、従来品より一段と平坦性に優れ、かつ幅広長尺薄型の偏光膜、およびその原反となるポリビニルアルコール系フィルムが必要とされているが、厚み変動のためにポリビニルアルコール系フィルムが平坦でない場合には、該フィルムを用いて得られる偏光膜の偏光性能の面内均一性が不足したり、組み立てられた液晶セルに応力が生じ、液晶セル自体の変形や、耐久性の低下が引き起こされてしまう。
このような問題への対策として、たとえば、TD方向(幅方向)の厚み変動が0.5μm/mm以下のポリビニルアルコール系フィルムを偏光膜の製造に用いることが提案されている(たとえば、特許文献1参照。)。また、厚み変動を抑えるために、ポリビニルアルコール系フィルムを、特定の位置関係にあるダイと金属ロールを用いて製膜する手法が提案されている(たとえば、特許文献2参照。)。
特開2002−31720号公報 特開2002−144355号公報
しかしながら、上記特許文献1においては、TD方向の厚み変動が、長さ1mm当たり0.5μm以下であるが、たかだか長さ1mmの中での変動値であり、特に全幅が4m以上であるような幅広フィルムの場合ではかかる変動値は大きく増大すると考えられる。更に全長2km以上であるような長尺フィルムの場合では、かかるTD方向の厚み変動は更に大きくなってしまう。
また、TD方向の厚み変動だけを低減しても、ポリビニルアルコール系フィルムロールからフィルムを巻き出して、偏光膜を製造する場合には、MD方向の厚み変動のため、染色、延伸、ホウ酸処理といった各工程に供するにあたり均一な処理が困難となり、偏光膜の面内で偏光度が不均一になるという問題がある。
上記特許文献2の実施例においては、フィルムの幅方向の厚み変動が1.5μmであるが、フィルムの厚さが75μmと分厚く、偏光膜の薄型化に対応するのが困難であり、60μm以下に薄型化した場合には、十分な厚み精度を確保できないという問題点がある。
また、ポリビニルアルコール系フィルムの厚み変動が大きく平坦でない場合は、ロールに巻き取ったり巻き出したりすることが困難であり、保管および輸送中にフィルムが吸湿した際には、この現象は更に増大し、偏光膜製造前にフィルムの大部分を破棄せざるを得ないという問題点があった。
そこで、本発明ではこのような背景下において、厚み変動が少ないポリビニルアルコール系フィルムであり、更に、偏光特性、特に偏光ムラのない均一性に優れた偏光膜を得ることができるポリビニルアルコール系フィルムを提供することを目的とするものである。
しかるに、本発明者等はかかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、ポリビニルアルコール系フィルムの厚み変動の中でも、特定の厚み変動成分を低減することにより、ポリビニルアルコール系フィルム全体の厚み変動を抑えることができ、該ポリビニルアルコール系フィルムから得られる偏光膜は偏光特性、特に偏光ムラのない均一性に優れるものであることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の要旨は、幅4m以上、長さ2km以上であるポリビニルアルコール系フィルムであって、流れ方向(MD方向)の厚み変動量(μm)を高速フーリエ変換した場合に、空間周波数(A)0.02〜0.5/mmの範囲に含まれる厚みのパーシャルオーバーオール値(厚みPOA値0.02-0.5)が、0.8μm以下であることを特徴とするポリビニルアルコール系フィルムである。
本発明における高速フーリエ変換は、下記条件(1)〜(5)に基づいて行われる。
条件(1)サンプリング周波数3 /mm
条件(2)サンプルサイズ:59392点
条件(3)フレーム点数:8192点
条件(4)窓関数:ハニング窓(hanning Window)
条件(5)オーバーラップ:75%
また、本発明は、ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法、上記ポリビニルアルコール系フィルムを用いて得られる偏光膜も提供するものである。
本発明のポリビニルアルコール系フィルムは、フィルムの厚み変動が低減されたものであり、とりわけ幅広長尺で薄型の偏光膜の原反フィルムとして好ましく用いられ、偏光度が面内で均一な偏光膜を得ることができるものである。
図1はエアナイフからの空気の吐出方向と、タッチラインにおけるキャストドラムの接線とのなす角度θを示した説明図である。
本発明のポリビニルアルコール系フィルムは、幅4m以上、長さ2km以上であり、MD方向の厚み変動量(μm)を、下記条件(1)〜(5)に基づいて高速フーリエ変換した場合に、空間周波数(A)0.02〜0.5/mmの範囲に含まれる厚みのパーシャルオーバーオール値(以下、「厚みPOA値0.02-0.5」と記載する。)が、0.8μm以下であることを最大の特徴とするものである。
<高速フーリエ変換の条件>
条件(1)サンプリング周波数3 /mm
条件(2)サンプルサイズ:59392点
条件(3)フレーム点数:8192点
条件(4)窓関数:ハニング窓(hanning Window)
条件(5)オーバーラップ:75%
ここで、上記MD方向の厚み変動量(μm)とは、ポリビニルアルコール系フィルムを搬送しながら、接触式または非接触式の膜厚計を用いて、比較的長距離にわたって厚みを測定した時の一連のデータである。測定距離は、少なくとも10m以上であることが好ましく、特に好ましくは15m以上であり、測定箇所は、少なくともフィルム幅方向中央部を必須で測定するものである。
本発明のポリビニルアルコール系フィルムは、上述した条件で高速フーリエ変換した場合に、厚みPOA値0.02-0.5が0.8μm以下であることが必要であり、好ましくは0.77μm以下、更に好ましくは0.75μm以下である。
かかる厚みPOA値0.02-0.5が上限値より大きいと、偏光膜に偏光ムラが発生しやすく、本発明の目的を達成することができない。なお、厚みPOA値0.02-0.5の下限値は、通常0.1μmである。
次に、本発明におけるポリビニルアルコール系フィルムの空間周波数に関して詳述する。
MD方向に存在する空間周波数(A)0.02〜0.5/mmの厚み変動成分は、周期構造では2〜50mmにあたり、偏光膜製造工程において数十mm〜数十cmの長さに延伸される。かかる長さは、情報端末、パソコン、テレビの画面サイズに匹敵するものであり、偏光膜にかかる周期の厚み変動成分が有ると、偏光ムラが際立ち、画像の品質を損ねる傾向にある。
一方、空間周波数(A)0.02/mm未満の厚み変動成分は、周期構造では50mmを超えるものであり、偏光膜製造工程において数十cm以上の長さに延伸される。かかる長さは、昨今の大画面テレビや商業用スクリーンには重要である。
本発明においては、MD方向の厚み変動量を、上述した条件で高速フーリエ変換した場合に、空間周波数(A)0.02/mm未満(ただし0より大きい)の厚みのパーシャルオーバーオール値(以下「厚みPOA値<0.02」と記載する。)は0.9μm以下であることが好ましく、特に好ましくは0.8μm以下、更に好ましくは0.7μm以下である。
かかる厚みPOA値<0.02が高すぎると、大型の偏光膜に偏光ムラが発生しやすい傾向がある。厚みPOA値<0.02の下限値は、通常0.1μmである。
なお、低空間周波数の厚みPOA値<0.02は、より高空間周波数の厚みPOA値0.02-0.5よりも、画像の品質への影響は少ない傾向にある。
本発明においてはMD方向の厚み変動量を、上述した条件で高速フーリエ変換した場合に、空間周波数(A)0.02〜0.5/mmの範囲に含まれる厚みの最大振幅(以下、「厚み最大振幅0.02-0.5」と記載する。)は0.5μm以下であることが好ましく、特に好ましくは0.45μm以下、更に好ましくは0.4μm以下である。厚み最大振幅0.02-0.5が、大きすぎると偏光ムラが増大する傾向にある。厚み最大振幅0.02-0.5の下限値は通常0.1μmである。
以下、本発明における厚みPOA値0.02-0.5を低減する手法を説明する。
本発明のポリビニルアルコール系フィルムは、一般的に、ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液を、T型スリットダイから回転するキャストドラムに吐出及び流涎して製膜し、連続的に乾燥して得られる。
上述した厚みの周期構造が発生する原因としては、吐出水溶液量の脈動、T型スリットダイの搖動、T型スリットダイのリップ形状などに起因する吐出ムラ、環境の気流、静電気、キャストドラムの回転ムラ、キャストドラムの搖動などに起因するタッチラインの揺れ、キャストドラムの表面温度のバラツキ、環境の気流などに起因する乾燥ムラ等が挙げられるが、これらの中ではタッチラインの揺れが、比較的高い空間周波数を発生させる。従って、タッチラインの安定化が厚みPOA値0.02-0.5を抑制する点で重要である。かかるタッチラインの安定化には、後述する通り、エアナイフ、静電ピニングなどの手法が挙げられるが、これらの中でもエアナイフを使用する方法が好ましい。エアナイフとしては、市販の設備を使用できる。
なお、周期構造は、製膜されるポリビニルアルコール系フィルムが薄型の場合や、生産性向上のために高速製膜や高温製膜する場合に発生しやすい。例えば、キャストドラムの回転速度が20m/分以上の場合、回転速度を正確に一定に保つのは困難であり、キャストドラムに接地した水溶液がMD方向に不均一に引っ張られる現象が生じ、タッチラインはMD方向に周期的に変動しやすい。
以下に本発明のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法に関して説明する。
本発明のポリビニルアルコール系フィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液を、T型スリットダイから回転するキャストドラム上に吐出及び流涎して製膜し、連続的に乾燥して製造される。
本発明で用いられるポリビニルアルコール系樹脂としては、通常、未変性のポリビニルアルコール系樹脂、即ち、酢酸ビニルを重合して得られるポリ酢酸ビニルをケン化して製造される樹脂が用いられる。必要に応じて、酢酸ビニルと、少量(通常、10モル%以下、好ましくは5モル%以下)の酢酸ビニルと共重合可能な成分との共重合体をケン化して得られる樹脂を用いることもできる。酢酸ビニルと共重合可能な成分としては、例えば、不飽和カルボン酸(例えば、塩、エステル、アミド、ニトリル等を含む)、炭素数2〜30のオレフィン類(例えば、エチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブテン等)、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸塩等が挙げられる。また、ケン化後の水酸基を化学修飾して得られる変性ポリビニルアルコール系樹脂を用いることもできる。
また、ポリビニルアルコール系樹脂として、側鎖に1,2−ジオール構造を有するポリビニルアルコール系樹脂を用いることもできる。かかる側鎖に1,2−ジオール構造を有するポリビニルアルコール系樹脂は、例えば、(i)酢酸ビニルと3,4−ジアセトキシ−1−ブテンとの共重合体をケン化する方法、(ii)酢酸ビニルとビニルエチレンカーボネートとの共重合体をケン化及び脱炭酸する方法、(iii)酢酸ビニルと2,2−ジアルキル−4−ビニル−1,3−ジオキソランとの共重合体をケン化及び脱ケタール化する方法、(iv)酢酸ビニルとグリセリンモノアリルエーテルとの共重合体をケン化する方法、等により得られる。
ポリビニルアルコール系樹脂の重量平均分子量は、10万〜30万であることが好ましく、特に好ましくは11万〜28万、更に好ましくは12万〜26万である。かかる重量平均分子量が小さすぎるとポリビニルアルコール系樹脂を光学フィルムとする場合に充分な光学性能が得られにくい傾向があり、大きすぎるとポリビニルアルコール系フィルムを偏光膜製造時の延伸が困難となる傾向がある。なお、上記ポリビニルアルコール系樹脂の重量平均分子量は、GPC−MALS法により測定される重量平均分子量である。
本発明で用いるポリビニルアルコール系樹脂の平均ケン化度は、通常98モル%以上であることが好ましく、特に好ましくは99モル%以上、更に好ましくは99.5モル%以上、殊に好ましくは99.8モル%以上である。かかる平均ケン化度が小さすぎるとポリビニルアルコール系フィルムを偏光膜とする場合に充分な光学性能が得られない傾向がある。
ここで、本発明における平均ケン化度は、JIS K 6726に準じて測定されるものである。
本発明に用いるポリビニルアルコール系樹脂として、変性種、変性量、重量平均分子量、平均ケン化度などの異なる2種以上のものを併用してもよい。
上記ポリビニルアルコール系樹脂を用いてポリビニルアルコール系樹脂水溶液を調製し、この水溶液を回転するキャストドラム(ドラム型ロール)に吐出及び流延して、キャスト法により製膜、乾燥することで、本発明のポリビニルアルコール系樹脂を連続的に製造することができ、例えば、以下の工程により製造することができる。
(A)キャスト法によりフィルムを製膜する工程、
(B)製膜されたフィルムを加熱して乾燥する工程、
(C)乾燥されたフィルムをスリットした後、ロールに巻き取る工程
以下、前記工程(A)について説明する。
工程(A)においては、まず、前述したポリビニルアルコール系樹脂を、水などの溶剤を用いて洗浄し、遠心分離機などを用いて脱水して、含水率50重量%以下のポリビニルアルコール系樹脂ウェットケーキとすることが好ましい。含水率が大きすぎると、所望する水溶液濃度にすることが難しくなる傾向がある。
かかるポリビニルアルコール系樹脂ウェットケーキを温水や熱水に溶解して、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を調製する。
ポリビニルアルコール系樹脂水溶液の調製方法は、特に限定されず、例えば、加熱された多軸押出機を用いて調製してもよく、また、上下循環流発生型撹拌翼を備えた溶解缶に、前述したポリビニルアルコール系樹脂ウェットケーキを投入し、缶中に水蒸気を吹き込んで、溶解及び所望濃度の水溶液を調製することもできる。
ポリビニルアルコール系樹脂水溶液には、ポリビニルアルコール系樹脂以外に、必要に応じて、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパンなどの一般的に使用される可塑剤や、ノニオン性、アニオン性、および/またはカチオン性の界面活性剤を含有させることが、製膜性の点より好ましい。
このようにして得られるポリビニルアルコール系樹脂水溶液の樹脂濃度は、15〜60重量%であることが好ましく、特に好ましくは17〜55重量%、更に好ましくは20〜50重量%である。かかる水溶液の樹脂濃度が低すぎると乾燥負荷が大きくなるため生産能力が低下する傾向があり、高すぎると粘度が高くなりすぎて均一な溶解ができにくくなる傾向がある。
次に、得られたポリビニルアルコール系樹脂水溶液は、脱泡処理される。脱泡方法としては、静置脱泡やベントを有した多軸押出機による脱泡などの方法があげられる。ベントを有した多軸押出機としては、通常はベントを有した2軸押出機が用いられる。
脱泡処理ののち、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液は、一定量ずつT型スリットダイに導入され、回転するキャストドラム上に吐出及び流延されて、キャスト法により製膜される。
T型スリットダイ出口のポリビニルアルコール系樹脂水溶液の温度は、80〜100℃であることが好ましく、特に好ましくは85〜98℃である。
かかるポリビニルアルコール系樹脂水溶液の温度が低すぎると流動不良となる傾向があり、高すぎると発泡する傾向がある。
かかるポリビニルアルコール系樹脂水溶液の粘度は、吐出時に50〜200Pa・sであることが好ましく、特に好ましくは70〜150Pa・sである。
かかる水溶液の粘度が低すぎると流動不良となる傾向があり、高すぎると流涎が困難となる傾向がある。
T型スリットダイからキャストドラムに吐出されるポリビニルアルコール系樹脂水溶液の吐出速度は、0.2〜5m/分であることが好ましく、特に好ましくは0.4〜4m/分、更に好ましくは0.6〜3m/分である。
かかる吐出速度が遅すぎると生産性が低下する傾向があり、速すぎると流涎が困難となる傾向がある。
本発明においては、水溶液のタッチラインの安定化のために、タッチラインの上部にエアナイフを設置することが好ましい。
エアナイフの位置は、タッチラインに風圧を集中する点で、キャストドラム表面からエアナイフ吐出口までの距離H(図1参照)が、1〜10mmであることが好ましく、特に好ましくはタッチラインへの風の逆流抑制の点で1〜7mmであり、更に好ましくは1〜5mmである。
エアナイフの風圧は、タッチラインのMD方向への揺れ抑制の点で、5〜25kPaが好ましく、特に好ましくはタッチラインへの風の逆流抑制の点で、5〜15kPaである。
エアナイフからの空気の吐出方向と、タッチラインにおけるキャストドラムの接線とのなす角度θは、タッチラインへの風の逆流抑制の点で60〜120°であることが好ましく、特に好ましくはタッチラインに風圧を集中する点で70〜110°、更に好ましくはエアナイフの設置のしやすさから80〜110°である(図1参照)。
エアナイフのリップ開度は、タッチラインへの風圧を集中する点で、30〜100μmが好ましく、特に好ましくは幅方向の風圧分布の均一さの点から30〜50μmである。
かかるキャストドラムの直径は、好ましくは2〜5m、特に好ましくは2.4〜4.5m、更に好ましくは2.8〜4mである。
かかる直径が小さすぎると乾燥長が不足し速度が出にくい傾向があり、大きすぎると輸送性が低下する傾向がある。
かかるキャストドラムの幅は、好ましくは4m以上であり、特に好ましくは5m以上、殊に好ましくは5〜6mである。キャストドラムの幅が小さすぎると生産性が低下する傾向がある。
かかるキャストドラムの回転速度は、3〜50m/分であることが好ましく、特に好ましくは4〜40m/分、更に好ましくは5〜35m/分である。かかる回転速度が遅すぎると生産性が低下する傾向があり、速すぎると乾燥が不十分となる傾向がある。
かかるキャストドラムの表面温度は、40〜99℃であることが好ましく、特に好ましくは60〜95℃である。かかる表面温度が低すぎると乾燥不良となる傾向があり、高すぎると発泡してしまう傾向がある。
次いで、前記工程(B)について説明する。工程(B)は、製膜されたフィルムを加熱して乾燥する工程である。
キャストドラムで製膜されたフィルムの乾燥は、膜の表面と裏面とを複数の熱ロールに交互に接触させることにより行なわれる。熱ロールの表面温度は、通常40〜150℃、好ましくは50〜140℃である。かかる表面温度が低すぎると乾燥不良となる傾向が有り、高すぎると乾燥しすぎることとなり、うねりなどの外観不良を招く傾向がある。
また、熱ロールは、例えば、表面をハードクロムメッキ処理又は鏡面処理した、直径0.2〜2mのロールであり、通常2〜30本、好ましくは10〜25本を用いて乾燥を行うことが好ましい。
本発明においては、熱ロールによる乾燥後、フィルムに熱処理を行うことが好ましい。熱処理温度は、60〜150℃が好ましく、特には70〜140℃が好ましい。熱処理温度が低すぎると、ポリビニルアルコール系フィルムの耐水性が不足したり、位相差ふれの原因となる傾向があり、高すぎると偏光膜製造時の延伸性が低下する傾向がある。かかる熱処理方法としては、例えば、高温の熱ロールに接触させる方法や、フローティングドライヤーにて行う方法等が挙げられる。
乾燥、必要に応じて熱処理が行われたフィルムは、前記工程(C)を経て製品(本発明のポリビニルアルコール系フィルム)となる。工程(C)は、フィルムの両端をスリットして、ロールに巻き取る工程である。
なお、ここまでポリビニルアルコール系樹脂水溶液を調製し、この水溶液を回転するキャストドラム(ドラム型ロール)に流延して、キャスト法により製膜、乾燥し、ポリビニルアルコール系フィルムを製造する方法を説明してきたが、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を樹脂フィルム上、または金属ベルト上に流延し、製膜、乾燥することも可能である。
かくして本発明のポリビニルアルコール系フィルムが得られる。
本発明のポリビニルアルコール系フィルムは、偏光膜の薄型化に好適な点で、厚さが5〜60μmであることが好ましく、更に好ましくは、破断回避の点から、20〜60μmである。
本発明のポリビニルアルコール系フィルムは、幅が4m以上であることが好ましく、大面積化の点から特に好ましくは5m以上、破断回避の点から更に好ましくは5〜6mである。
本発明のポリビニルアルコール系フィルムは、長さが2km以上であることが好ましく、大面積化の点から特に好ましくは3km以上、更に好ましくは4km以上、輸送重量の点から殊に好ましくは4〜50kmである。
本発明のポリビニルアルコール系フィルムの厚みの変動係数は、2%以下であることが好ましく、更に好ましくは1.8%以下、特に好ましくは1.6%以下である。
本発明のポリビニルアルコール系フィルムは厚み精度に優れるため、光学用のポリビニルアルコール系フィルムとして好適に用いられ、更には偏光膜用の原反として特に好ましく用いられる。
以下、本発明のポリビニルアルコール系フィルムを用いて得られる偏光膜の製造方法について説明する。
本発明の偏光膜は、上記ポリビニルアルコール系フィルムを、ロールから巻き出して水平方向に移送し、膨潤、染色、ホウ酸架橋、延伸、洗浄、乾燥などの工程を経て製造される。
膨潤工程は、染色工程の前に施される。膨潤工程により、ポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れを洗浄することができるほかに、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色ムラなどを防止する効果もある。膨潤工程において、処理液としては、通常、水が用いられる。当該処理液は、主成分が水であれば、ヨウ化化合物、界面活性剤等の添加物、アルコール等が少量入っていてもよい。膨潤浴の温度は、通常10〜45℃程度であり、膨潤浴への浸漬時間は、通常0.1〜10分間程度である。
染色工程は、フィルムにヨウ素または二色性染料を含有する液体を接触させることによって行なわれる。通常は、ヨウ素−ヨウ化カリウムの水溶液が用いられ、ヨウ素の濃度は0.1〜2g/L、ヨウ化カリウムの濃度は1〜100g/Lが適当である。染色時間は30〜500秒程度が実用的である。処理浴の温度は5〜50℃が好ましい。水溶液には、水溶媒以外に水と相溶性のある有機溶媒を少量含有させてもよい。
ホウ酸架橋工程は、ホウ酸やホウ砂などのホウ素化合物を使用して行われる。ホウ素化合物は水溶液または水−有機溶媒混合液の形で濃度10〜100g/L程度で用いられ、液中にはヨウ化カリウムを共存させるのが、偏光性能の安定化の点で好ましい。処理時の温度は30〜70℃程度、処理時間は0.1〜20分程度が好ましく、また必要に応じて処理中に延伸操作を行なってもよい。
延伸工程は、一軸方向に3〜10倍、好ましくは3.5〜6倍延伸することが好ましい。この際、延伸方向の直角方向にも若干の延伸(幅方向の収縮を防止する程度、またはそれ以上の延伸)を行なっても差し支えない。延伸時の温度は、30〜170℃が好ましい。さらに、延伸倍率は最終的に前記範囲に設定されればよく、延伸操作は一段階のみならず、製造工程の任意の範囲の段階に実施すればよい。
洗浄工程は、例えば、水やヨウ化カリウム等のヨウ化物水溶液にポリビニルアルコール系フィルムを浸漬することにより行われ、フィルムの表面に発生する析出物を除去することができる。ヨウ化カリウム水溶液を用いる場合のヨウ化カリウム濃度は1〜80g/L程度でよい。洗浄処理時の温度は、通常、5〜50℃、好ましくは10〜45℃である。処理時間は、通常、1〜300秒間、好ましくは10〜240秒間である。なお、水洗浄とヨウ化カリウム水溶液による洗浄は、適宜組み合わせて行ってもよい。
乾燥工程は、大気中で40〜80℃で1〜10分間行えばよい。
また、偏光膜の偏光度は、好ましくは99.5%以上、より好ましくは99.8%以上である。偏光度が低すぎると液晶ディスプレイにおけるコントラストを確保することができなくなる傾向がある。
なお、偏光度は、一般的に2枚の偏光膜を、その配向方向が同一方向になるように重ね合わせた状態で、波長λにおいて測定した光線透過率(H11)と、2枚の偏光膜を、配向方向が互いに直交する方向になる様に重ね合わせた状態で、波長λにおいて測定した光線透過率(H1)より、下式にしたがって算出される。
〔(H11−H1)/(H11+H1)〕1/2
さらに、本発明の偏光膜の単体透過率は、好ましくは42%以上である。かかる単体透過率が低すぎると液晶ディスプレイの高輝度化を達成できなくなる傾向がある。
単体透過率は、分光光度計を用いて偏光膜単体の光線透過率を測定して得られる値である。
かくして、本発明の偏光膜が得られるが、本発明の偏光膜は、偏光ムラの少ない偏光板を製造するのに好適である。
以下、本発明の偏光板の製造方法について説明する。
本発明の偏光膜は、その片面または両面に、接着剤を介して、光学的に等方性な樹脂フィルムを保護フィルムとして貼合されて偏光板となる。保護フィルムとしては、たとえば、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、ポリスチレン、ポリエーテルスルホン、ポリアリーレンエステル、ポリ−4−メチルペンテン、ポリフェニレンオキサイドなどのフィルムまたはシートがあげられる。
貼合方法は、公知の手法で行われるが、例えば、液状の接着剤組成物を、偏光膜、保護フィルム、あるいはその両方に均一に塗布した後、両者を貼り合わせて圧着し、加熱や活性エネルギー線を照射することで行われる。
また、偏光膜には、薄膜化を目的として、上記保護フィルムの代わりに、その片面または両面にウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレア樹脂などの硬化性樹脂を塗布し、硬化して偏光板とすることもできる。
本発明のポリビニルアルコール系フィルムからなる偏光膜は、偏光ムラがなく、偏光性能の面内均一性にも優れており、携帯情報端末機、パソコン、テレビ、プロジェクター、サイネージ、電子卓上計算機、電子時計、ワープロ、電子ペーパー、ゲーム機、ビデオ、カメラ、フォトアルバム、温度計、オーディオ、自動車や機械類の計器類などの液晶表示装置、サングラス、防眩メガネ、立体メガネ、ウェアラブルディスプレイ、表示素子(CRT、LCD、有機EL、電子ペーパーなど)用反射防止層、光通信機器、医療機器、建築材料、玩具などに好ましく用いられる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない
限り以下の実施例に限定されるものではない。
尚、例中「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。
各物性について、次のようにして行った。
<測定条件>
(1)空間周波数(A)(/mm)、厚みPOA値0.02-0.5(μm)、厚みPOA値<0.02(μm)、厚み最大振幅0.02-0.5(μm)
先ず、得られたポリビニルアルコール系フィルムをMD方向に搬送しながら、キーエンス社製「分光干渉型膜厚計SI―T80」を用いて、サンプリング周波数3/mmで幅方向中央部の1ライン分(測定長20m)の厚みデータを採取し、高速フーリエ変換用の厚み変動量(μm)とした。
次いで、前記MD方向の厚み変動量(μm)を、下記条件(1)〜(5)に基づいて高速フーリエ変換し、横軸を空間周波数(A)(/mm)、縦軸を厚み振幅(μm)でスペクトルを作成した。この時、上記厚み変動量(μm)の平均値がゼロになるようにベースラインを調整した。
条件(1)サンプリング周波数 :3/mm、
条件(2)サンプルサイズ:59392点
条件(3)フレーム点数:8192点
条件(4)窓関数:ハニング窓(hanning Window)
条件(5)オーバーラップ:75%
最後に、作成されたスペクトルより、厚みPOA値0.02-0.5(μm)と厚みPOA値<0.02(μm)を計算し、厚み最大振幅0.02-0.5(μm)を読み取った。
なお、POA値とは任意の空間周波数範囲に含まれる振幅の積和のことで下記式より計算される。
(2)フィルムの厚み変動係数(%)
MD方向の測定は、キーエンス社製「分光干渉型膜厚計SI−T80」を用いて0.3mm刻みで、幅方向(TD方向)の中央部と両端部(両端から20cm内側)の3ラインをそれぞれ6万点測定した。
TD方向の測定は山文電気社製「連続膜厚計TOF−5R01」を用いて、流れ方向(MD方向)の先端部、中央部、終端部の3ラインをそれぞれ4千点測定した。
得られた合計19万2千点の測定値から、下記式に基づきフィルムの厚み変動係数(%)を計算した。
(3)偏光ムラ
得られた偏光膜から長さ30cm×幅30cmの試験片を採取し、クロスニコル状態の2枚の偏光板(単体透過率43.5%、偏光度99.9%)の間に45°の角度で挟んだのちに、表面照度14000lxのライトボックスを用いて、透過モードで光学的な色ムラを目視観察し、以下の基準で評価した。
(評価基準)
○・・・色ムラなし
×・・・色ムラあり
<実施例1>
(ポリビニルアルコール系フィルムの製造)
ポリビニルアルコール系樹脂1,500kg、水3,750kg、可塑剤としてグリセリン180kg、および界面活性剤としてドデシルスルホン酸ナトリウム0.25kgを入れ、撹拌しながら150℃まで昇温して加圧溶解を行い、樹脂濃度25%のポリビニルアルコール系樹脂水溶液を得た。
次に該ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を、2軸押出機に供給して脱泡した後、水溶液温度を95℃にし、T型スリットダイ吐出口よりキャストドラムに、吐出速度2.5m/分で流延して製膜した。
かかる水溶液の吐出に際しては、水溶液のタッチライン上部にエアナイフを設置し(距離H5mm、角度90°)、エアナイフ吐出口からタッチラインに向けて風速10kPaでエアを吐出した。
次いで、得られたフィルムを、熱ロールを用いて乾燥後、フローティングドライヤーを用いて熱処理を行なった。最後に、フィルムの両端部をスリットで切り落とし、巻き取ることによりロール状のポリビニルアルコール系フィルム(厚さ60μm、幅5m、長さ4km)を得た。得られたポリビニルアルコール系フィルムの特性を表1に示す。
(偏光膜の製造)
得られたポリビニルアルコール系フィルムを、水温25℃の水槽に浸漬しながら1.7倍に一軸延伸した。次に、ヨウ素0.5g/L、ヨウ化カリウム30g/Lよりなる28℃の水溶液中に浸漬しながら1.6倍に一軸延伸した。「次に、ホウ酸40g/L、ヨウ化カリウム30g/Lよりなる55℃の水溶液に浸漬しながら2.1倍に一軸延伸した。最後に、ヨウ化カリウム水溶液で洗浄を行い、乾燥して総延伸倍率5.8倍の偏光膜を得た。得られた偏光膜についての偏光ムラの評価結果を表1に示す。
<実施例2>
実施例1において、フィルム製膜の条件を表1に示す通りに変更した以外は同様に行い、ポリビニルアルコール系フィルムを得、更に、実施例1と同様に偏光膜を得た。
得られたポリビニルアルコール系フィルム、及び、偏光膜について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
<比較例1>
実施例1において、エアナイフを用いなかった以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアルコール系フィルムを得、更に、実施例1と同様に偏光膜を得た。
得られたポリビニルアルコール系フィルム、及び、偏光膜について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
実施例1及び2のポリビニルアルコール系フィルムは、空間周波数(A)0.02〜0.5/mmの範囲に含まれる厚みのパーシャルオーバーオール値(厚みPOA値0.02-0.5)が0.8μm以下と小さいフィルムであるため、得られる偏光膜に偏光ムラがないのに対し、比較例1のポリビニルアルコール系フィルムは空間周波数(A)0.02〜0.5/mmの範囲に含まれる厚みのパーシャルオーバーオール値(厚みPOA値0.02-0.5)が大きいフィルムであるため、得られる偏光膜に偏光ムラが多いことがわかる。
本発明のポリビニルアルコール系フィルムからなる偏光膜や偏光板は、偏光ムラがなく、偏光性能の面内均一性にも優れており、携帯情報端末機、パソコン、テレビ、プロジェクター、サイネージ、電子卓上計算機、電子時計、ワープロ、電子ペーパー、ゲーム機、ビデオ、カメラ、フォトアルバム、温度計、オーディオ、自動車や機械類の計器類などの液晶表示装置、サングラス、防眩メガネ、立体メガネ、ウェアラブルディスプレイ、表示素子(CRT、LCD、有機EL、電子ペーパーなど)用反射防止層、光通信機器、医療機器、建築材料、玩具などに好ましく用いられる。

Claims (9)

  1. 幅4m以上、長さ2km以上であるポリビニルアルコール系フィルムであって、
    流れ方向(MD方向)の厚み変動量(μm)を高速フーリエ変換した場合に、空間周波数(A)0.02〜0.5/mmの範囲に含まれる厚みのパーシャルオーバーオール値(厚みPOA値0.02-0.5)が、0.8μm以下であることを特徴とするポリビニルアルコール系フィルム。
  2. 流れ方向(MD方向)の厚み変動量(μm)を高速フーリエ変換した場合に、空間周波数(A)0.02/mm未満(ただし0より大きい)の厚みのパーシャルオーバーオール値(厚みPOA値<0.02)が0.9μm以下であることを特徴とする請求項1記載のポリビニルアルコール系フィルム。
  3. 流れ方向(MD方向)の厚み変動量(μm)を高速フーリエ変換した場合に、空間周波数(A)0.02〜0.5/mmの範囲に含まれる厚みの最大振幅(厚み最大振幅0.02-0.5)が、0.5μm以下であることを特徴とする請求項1または2記載のポリビニルアルコール系フィルム。
  4. 厚さが5〜60μmであることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のポリビニルアルコール系フィルム。
  5. ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液を、T型スリットダイから回転するキャストドラム上に吐出及び流涎して製膜し、連続的に乾燥して得られるポリビニルアルコール系フィルムの製造方法であり、MD方向の厚み変動量(μm)を高速フーリエ変換した場合に、空間周波数(A)0.02〜0.5/mmの範囲に含まれる厚みのパーシャルオーバーオール値(厚みPOA値0.02-0.5)が、0.8μm以下であることを特徴とするポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
  6. ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液がキャストドラムと接するタッチラインを、エアナイフにより安定化することを特徴とする請求項5記載のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
  7. キャストドラム表面からエアナイフ吐出口までの距離Hが、1〜10mmであり、エアナイフの風圧が、5〜25kPaであることを特徴とする請求項6記載のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
  8. エアナイフからの空気の吐出方向と、タッチラインにおけるキャストドラムの接線とのなす角度が、60〜120°であることを特徴とする請求項6または7記載のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
  9. 請求項1〜4いずれか記載のポリビニルアルコール系フィルムからなる偏光膜。
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