JP2018001747A - ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法、ポリビニルアルコール系フィルム、偏光フィルム - Google Patents
ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法、ポリビニルアルコール系フィルム、偏光フィルム Download PDFInfo
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Abstract
Description
また、TD方向の厚み変動だけを低減しても、ポリビニルアルコール系フィルムロールからフィルムを巻き出して、偏光フィルムを製造する場合には、MD方向(長手方向:流れ方向)の厚み変動のため、染色、延伸、ホウ酸架橋といった各工程において均一な処理が困難となり、偏光フィルムの面内で偏光度が不均一になるという問題があった。
また、上記特許文献1の場合と同じように、TD方向の厚み変動だけを低減しても、ポリビニルアルコール系フィルムロールからフィルムを巻き出して、偏光フィルムを製造する場合には、MD方向の厚み変動のため、染色、延伸、ホウ酸架橋といった各工程において均一な処理が困難となり、偏光フィルムの面内で偏光度が不均一になるという問題があった。
本発明のポリビニルアルコール系フィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液をキャスト型に流延して乾燥することにより得られる。
ここで、本発明における平均ケン化度は、JIS K 6726に準じて測定されるものである。
また、熱ロールは、例えば、表面をハードクロムメッキ処理又は鏡面処理した、直径0.2〜2mのロールであり、通常2〜30本、好ましくは10〜25本を用いて乾燥を行うことが好ましい。
なお、ポリビルアルコール系フィルムの厚みが薄い場合は、偏光フィルム製造において流れ方向に偏光度が不均一になりやすく、ポリビルアルコール系フィルムの流れ方向(MD方向)の厚み変動係数が重要となる。
変動係数(C.V.)=100×標準偏差(S.D.)/x
ここで、標準偏差(S.D.)=√{Σ(xi−x)2/(n-1)}
x :平均値
xi :i番目の値
n :サンプル数
なお、偏光度は、一般的に、2枚の偏光フィルムを、その配向方向が同一方向になるように重ね合わせた状態で、波長λにおいて測定した光線透過率(H11)と、2枚の偏光フィルムを、配向方向が互いに直交する方向になる様に重ね合わせた状態で、波長λにおいて測定した光線透過率(H1)より、下式にしたがって算出される。
〔(H11−H1)/(H11+H1)〕1/2
さらに、本発明の偏光フィルムの単体透過率は、好ましくは42%以上、特に好ましくは43%以上である。かかる単体透過率が低すぎると液晶ディスプレイの高輝度化を達成できなくなる傾向がある。
単体透過率は、分光光度計を用いて偏光フィルム単体の光線透過率を測定して得られる
値である。
また、偏光フィルムには、薄膜化を目的として、上記保護フィルムの代わりに、その方面または両面にウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレア樹脂などの硬化性樹脂を塗布し、硬化して偏光板とすることもできる。
尚、例中「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。
各物性について、次のようにして行った。
まず、得られたポリビニルアルコール系フィルムのMD方向とTD方向の厚みを測定した。
・MD方向の測定はキーエンス社製「分光干渉型膜厚計SI-T80」を用いて0.3mm刻みで、幅方向(TD方向)の中央部と両端部(両端から20cm内側)の3か所をそれぞれ6万点測定した。
・TD方向の測定は山文電気社製「連続膜厚計TOF-5R01」を用いて、流れ方向(MD方向)の先端部、中央部、終端部の3箇所をそれぞれ4000点測定した。
次いで、上記厚みの測定値を用いて、下記式より厚み変動係数を算出した。
変動係数(C.V.)=100×S.D./x
「標準偏差(S.D.)=√(Σ(xi−x)2/(n-1))
x :平均値
xi :i番目の値
n :サンプル数」
得られた偏光フィルムの幅方向の中央部から、延伸方向200mm×幅方向40mmの短冊サンプルを切り出し、大塚電子(株)製:RETS−1100Aを用いて延伸方向に10mmピッチで10点の測定を行い、平均値を偏光度(%)と単体透過率(%)とした。また、偏光度の最大値と最小値から偏光度のふれR(%)を求めた。
(ポリビニルアルコール系フィルムの製造)
重量平均分子量142,000、ケン化度99.8モル%のポリビニルアルコール系樹脂1,000kg、水2,000kg、可塑剤としてグリセリン100kgを入れ、撹拌しながら150℃まで昇温して、樹脂濃度25%に濃度調整を行い均一に溶解したポリビニルアルコール系樹脂水溶液を得た。次に該ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を、2軸押出機に供給して脱泡した後、水溶液温度を95℃にし、T型スリットダイ吐出口よりキャストドラム(表面温度95℃)に、吐出速度1.3m/分で吐出及び流延した。次いで、流延されたポリビニルアルコール系樹脂水溶液を、低周波で振動させながら乾燥した。かかる振動に用いた装置と振動条件は下記の通りである(図1参照)。
振動装置:サウンドハウス社製CLASSIC PRO CSP12(タイプ:2WAYフルレンジ)
サイズ:42W×62H×38Dcm
ウーハーユニット:12"
最大出力音圧レベル (SPL/m):112dB
中心周波数:20Hz
水溶液液面の音圧レベル(鉛直方向):100dB
次いで、得られたフィルムをキャストドラムから剥離し、熱ロールを用いて更に乾燥した後、幅方向両端部をスリットで切り落とし、ポリビニルアルコール系フィルム(厚さ30μm、幅4m、長さ4km)を得た。得られたポリビニルアルコール系フィルムの評価結果を表1に示す。
得られたポリビニルアルコール系フィルムを、水温25℃の水槽に浸漬しつつ、1.7倍に延伸した。次にヨウ素0.5g/L、ヨウ化カリウム30g/Lよりなる28℃の水溶液中に浸漬しつつ1.6倍に延伸し、ついでホウ酸40g/L、ヨウ化カリウム30g/Lの組成の水溶液(55℃)に浸漬するとともに、同時に2.1倍に一軸延伸しつつホウ酸処理を行なった。その後、ヨウ化カリウム水溶液で洗浄行い、乾燥して総延伸倍率5.8倍の偏光フィルムを得た。得られた偏光フィルムの偏光特性を表2に示す。
実施例1において、振動条件を表1に示す通りに変更した以外は同様に行い、ポリビニルアルコール系フィルムを得、更に、実施例1と同様に偏光フィルムを得た。
得られたポリビニルアルコール系フィルム、及び、偏光フィルムについて、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1および表2に示す。
Claims (7)
- ポリビニルアルコール系樹脂水溶液をキャスト型に流延し、流延されたポリビニルアルコール系樹脂水溶液を中心周波数10〜1,000Hzの低周波で振動させながら乾燥することを特徴とするポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
- 低周波の音圧レベルが、水溶液液面の鉛直方向に、20〜110dBであることを特徴とする請求項1記載のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
- 低周波が、出力音圧レベル50〜120dBのスピーカーにより発生されることを特徴とする請求項1または2記載のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
- 請求項1〜3いずれか記載のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法で製造されることを特徴とするポリビニルアルコール系フィルム。
- 厚さ5〜60μm、幅4m以上、長さ4km以上であることを特徴とする請求項4記載のポリビニルアルコール系フィルム。
- フィルムの厚み変動係数が、1%以下であることを特徴とする請求項4または5記載のポリビニルアルコール系フィルム。
- 請求項4〜6いずれか記載のポリビニルアルコール系フィルムからなることを特徴とする偏光フィルム。
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JP2017098182A Pending JP2018001747A (ja) | 2016-06-27 | 2017-05-17 | ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法、ポリビニルアルコール系フィルム、偏光フィルム |
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JP2019194656A (ja) * | 2017-09-13 | 2019-11-07 | 日東電工株式会社 | 偏光膜、偏光板、偏光板ロール、および偏光膜の製造方法 |
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