JP6750262B2 - ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液を、T型スリットダイから回転する直径2〜5mのキャストドラム上に吐出及び流延して製膜し、連続的に乾燥して得られる厚み5〜40μmのポリビニルアルコール系フィルムを得るに際し、ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液がT型スリットダイ吐出口からキャストドラム表面へ達するまでの飛行時間が、0.1〜0.7秒となるようにポリビニルアルコール系フィルムを製造するものである。
ここで、本発明における平均ケン化度は、JIS K 6726に準じて測定されるものである。
(A)キャスト法によりフィルムを製膜する工程。
(B)製膜されたフィルムを加熱して乾燥する工程。
(C)乾燥されたフィルムをスリットした後、ロールに巻き取る工程。
かかるポリビニルアルコール系樹脂ウェットケーキを温水や熱水に溶解して、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を調整する。
かかる樹脂温度が低すぎると流動不良となる傾向があり、高すぎると発泡する傾向がある。
かかる水溶液の粘度が、低すぎると流動不良となる傾向があり、高すぎると流延が困難となる傾向がある。
かかる吐出速度が遅すぎると生産性が低下する傾向があり、速すぎると流延が困難となる傾向がある。
かかる飛行時間が短すぎても、長すぎても厚み精度が悪化し、本発明の目的を達成することができない。
かかる直径が小さすぎると乾燥長が不足し速度が出にくい傾向があり、大きすぎると輸送性が低下する傾向がある。
キャストドラムの幅が小さすぎると生産性が低下する傾向がある。
かかる回転速度が遅すぎると生産性が低下する傾向があり、速すぎると乾燥が不充分となる傾向がある。
かかる表面温度が低すぎると乾燥不良となる傾向があり、高すぎると発泡してしまう傾向がある。
また、熱ロールは、例えば、表面をハードクロムメッキ処理又は鏡面処理した、直径0.2〜2mのロールであり、通常2〜30本、好ましくは10〜25本を用いて乾燥を行うことが好ましい。
なお、フィルムの長さの上限は、破断回避の点から、好ましくは50km以下、特に好ましくは40km以下、更に好ましくは30km以下である。
例えば、ポリビニルアルコール系フィルムの平均厚みが30μmの場合、フィルム全面の厚み精度は、±1.5μm以内であることが好ましい。
かかる厚み精度は、フィルムの幅方向の中央部と両端部(フィルム両端から中央部に20cm内側の位置)を全長に渡って走査して得られた値と、フィルムの流れ方向の先頭部(先端から10m内側)、中央部、終端部(終端から10m内側)を全幅に渡って走査して得られた値の両方から算出されるものである。
なお、偏光度は、一般的に2枚の偏光膜を、その配向方向が同一方向になるように重ね合わせた状態で、波長λにおいて測定した光線透過率(H11)と、2枚の偏光膜を、配向方向が互いに直交する方向になる様に重ね合わせた状態で、波長λにおいて測定した光線透過率(H1)より、下式にしたがって算出される。
〔(H11−H1)/(H11+H1)〕1/2
単体透過率は、分光光度計を用いて偏光膜単体の光線透過率を測定して得られる値である。
以下、本発明の偏光板の製造方法について説明する。
限り以下の実施例に限定されるものではない。
尚、例中「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。
各物性について、次のようにして測定を行った。
(1)厚み精度(%)
ポリビニルアルコール系フィルムの厚みを下記の通り測定した。
流れ方向(MD方向)の測定はキーエンス社製「分光干渉型膜厚計SI-T80」を用いて0.3mm刻みで、TD方向の中央部と両端部(両端から20cm内側)の3か所をそれぞれ6万点測定した。
幅方向(TD方向)の測定は山文電気社製「連続膜厚計TOF-5R01」を用いて、MD方向の先頭部(先端から10m内側)、中央部、終端部(終端から10m内側)の3箇所を、それぞれ1mm刻みで4mにわたって4000点測定した。
次いで、MD方向とTD方向の全測定値の平均値Taと、かかる平均値から最もずれた厚みTfから、下記式に従って厚み精度(%)を算出した。
得られた偏光膜から、延伸方向50mm×幅方向1mの短冊サンプルを切り出し、大塚電子社製「RETS−1100A」を用いて、幅方向に10mmピッチで全幅にわたり単体透過率を測定し平均値をとった。
得られた偏光膜から、延伸方向50mm×幅方向1mの短冊サンプルを切り出し、大塚電子社製「RETS−1100A」を用いて、幅方向に10mmピッチで全幅にわたり偏光度を測定した。
また、得られた偏光フィルムの幅方向の中央部から、延伸方向200mm×幅方向40mmの短冊サンプルを切り出し、大塚電子社製「RETS−1100A」を用いて、延伸方向に10mmピッチで全長にわたり偏光度を測定した。
得られた両方向のデータを用いて、偏光度の平均値Paと、かかる平均値から最もずれた偏光度Pfから、下記式に従って偏光度ムラ(%)を算出した。
(ポリビニルアルコール系フィルムの製造)
重量平均分子量142,000、ケン化度99.8モル%のポリビニルアルコール系樹脂1000kg、水2000kg、可塑剤としてグリセリン100kgを入れ、撹拌しながら150℃まで昇温して、樹脂濃度25%に濃度調整を行い均一に溶解したポリビニルアルコール系樹脂水溶液を得た。次に該ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を、2軸押出機に供給して脱泡した後、水溶液温度を95℃にし、T型スリットダイ吐出口よりキャストドラムに、吐出速度1.25m/分で流延して製膜した。このとき、T型スリットダイ吐出口からキャストドラム表面への最短距離B(図1参照)は2mmであった。
ここで、水溶液が吐出されてキャストドラム表面に達するまでの飛行時間を、ハイスピードカメラ(キーエンス社製、製品名「VW−9000」、1000fpsでの撮影)により計測したところ0.2秒であった。
得られたポリビニルアルコール系フィルムを、水温25℃の水槽に浸漬しつつ、1.7倍に延伸した。次にヨウ素0.5g/L、ヨウ化カリウム30g/Lよりなる28℃の水溶液中に浸漬しつつ1.6倍に延伸し、ついでホウ酸40g/L、ヨウ化カリウム30g/Lの組成の水溶液(55℃)に浸漬するとともに、同時に2.1倍に一軸延伸しつつホウ酸処理を行なった。その後、ヨウ化カリウム水溶液で洗浄行い、乾燥して総延伸倍率5.8倍の偏光膜を得た。得られた偏光膜の偏光特性を表2に示す。
(ポリビニルアルコール系フィルムの製造)
T型スリットダイ吐出口からキャストドラム表面への最短距離B(図1参照)を3mm、水溶液が吐出されてキャストドラム表面に達するまでの飛行時間を、0.3秒とすること以外は実施例1と同様にして、ロール状のポリビニルアルコール系フィルム(厚み30μm、幅5m、長さ5km)を得た。得られたポリビニルアルコール系フィルムの特性を表1に示す。
得られたポリビニルアルコール系フィルムから、実施例1と同様にして、偏光膜を得た。得られた偏光膜の偏光特性を表2に示す。
(ポリビニルアルコール系フィルムの製造)
T型スリットダイ吐出口からキャストドラム表面への最短距離B(図1参照)を6mm、水溶液が吐出されてキャストドラム表面に達するまでの飛行時間を、0.5秒とすること以外は実施例1と同様にして、ロール状のポリビニルアルコール系フィルム(厚み30μm、幅5m、長さ5km)を得た。得られたポリビニルアルコール系フィルムの特性を表1に示す。
得られたポリビニルアルコール系フィルムから、実施例1と同様にして、偏光膜を得た。得られた偏光膜の偏光特性を表2に示す。
(ポリビニルアルコール系フィルムの製造)
T型スリットダイ吐出口からキャストドラム表面への最短距離B(図1参照)を10mm、水溶液が吐出されてキャストドラム表面に達するまでの飛行時間を、0.8秒とすること以外は実施例1と同様にして、ロール状のポリビニルアルコール系フィルム(厚み30μm、幅5m、長さ5km)を得た。得られたポリビニルアルコール系フィルムの特性を表1に示す。
得られたポリビニルアルコール系フィルムから、実施例1と同様にして、偏光膜を得た。得られた偏光膜の偏光特性を表2に示す。
そして、各々のポリビニルアルコール系フィルムから得られる偏光膜の偏光特性は、実施例1〜3の方が比較例1よりも優れるものであることがわかる。
Claims (3)
- ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液を、T型スリットダイから回転する直径2〜5mのキャストドラム上に吐出及び流延して製膜し、連続的に乾燥して得られる厚み5〜40μmのポリビニルアルコール系フィルムの製造方法であって、ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液がT型スリットダイ吐出口からキャストドラム表面へ達するまでの飛行時間が、0.1〜0.7秒であることを特徴とするポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
- ポリビニルアルコール系フィルムの幅が4m以上かつ長さ4km以上であることを特徴とする請求項1記載のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
- T型スリットダイからキャストドラムに吐出される水溶液の吐出速度が、0.5〜5m/分であることを特徴とする請求項1または2記載のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
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