JP6750261B2 - ポリビニルアルコール系フィルム、ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法、偏光フィルム及び偏光板 - Google Patents

ポリビニルアルコール系フィルム、ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法、偏光フィルム及び偏光板 Download PDF

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Description

本発明は、ポリビニルアルコール系フィルムに関する。さらに詳しくは、厚み変動が少なく、偏光特性に優れる偏光フィルムを得ることができるポリビニルアルコール系フィルム、及びかかるポリビニルアルコール系フィルムの製造方法、並びに偏光フィルム、偏光板に関するものである。
従来、ポリビニルアルコール系フィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂を水などの溶媒に溶解して原液を調製したのち、溶液流延法(キャスト法)により製膜して、金属加熱ロールなどを使用して乾燥することにより製造される。このようにして得られるポリビニルアルコール系フィルムは、透明性や染色性に優れたフィルムとして多くの用途に利用されており、その有用な用途の一つに偏光フィルムがあげられる。かかる偏光フィルムは、液晶ディスプレイの基本構成要素として用いられており、近年では高品位で高信頼性の要求される機器へとその使用が拡大されている。
このような中、液晶テレビなどの画面の大型化にともない、従来品より一段と平坦性に優れ、かつ幅広長尺薄型の偏光フィルム、およびその原反となるポリビニルアルコール系フィルムが必要とされている。ポリビニルアルコール系フィルムが、厚み変動のために平坦でない場合には、偏光フィルムの厚み変動も大きくなり、偏光性能の面内均一性が不足したり、組み立てられた液晶セルに応力が生じたりして、液晶セル自体の変形や、耐久性の低下を引き起こす。このような問題への対策として、たとえば、TD方向(幅方向)の厚み変動が0.5μm/mm以下のポリビニルアルコール系フィルムを偏光フィルムの製造に用いることが提案されている(たとえば、特許文献1参照。)。また、厚み変動を抑えるために、ポリビニルアルコール系フィルムを、特定の位置関係にあるダイと金属ロールを用いて製膜する手法が提案されている(たとえば、特許文献2参照。)。
特開2002−31720号公報 特開2002−144355号公報
しかしながら、上記特許文献1においては、TD方向の厚み変動が、長さ1mm当たり0.5μm以下であるが、たかだか長さ1mmの中での変動値であり、特に全幅が2m以上であるような幅広フィルムの場合ではかかる変動値は大きく増大すると考えられる。更に全長2km以上であるような長尺フィルムの場合では、かかるTD方向の厚み変動は更に大きくなってしまう。
また、TD方向の厚み変動だけを低減しても、ポリビニルアルコール系フィルムロールからフィルムを巻き出して、偏光フィルムを製造する場合には、MD方向(流れ方向:長手方向)の厚み変動のため、染色、延伸、ホウ酸処理といった各工程に供するにあたり均一な処理が困難となり、偏光フィルムの面内で偏光度が不均一になるという問題がある。
上記特許文献2の実施例においては、フィルムのTD方向の厚み変動が1.5μmであるが、フィルムの厚さが75μmと分厚く、偏光フィルムの薄型化に対応するのが困難であり、60μm以下に薄型化した場合には、充分な厚み精度を確保できないという問題点がある。なお、フィルムの厚さが30μmの場合、フィルムの厚み変動が1.5μmであると、厚み変動係数は0.8%程度である。
また、上記特許文献1の場合と同じように、TD方向の厚み変動だけを低減しても、ポリビニルアルコール系フィルムロールからフィルムを巻き出して、偏光フィルムを製造する場合には、MD方向の厚み変動のため、染色、延伸、ホウ酸処理といった各工程に供するにあたり均一な処理が困難となり、偏光フィルムの面内で偏光度が不均一になるという問題がある。
また、ポリビニルアルコール系フィルムの厚み変動が大きく平坦でない場合は、ロールに巻き取ることが困難であり、保管および輸送中にフィルムが吸湿した際には、うねりが増大し、偏光フィルム製造前にフィルムの大部分を破棄せざるを得ないという問題点があった。
そこで、本発明ではこのような背景下において、厚み変動が少なく、偏光特性に優れる偏光フィルムを得ることができるポリビニルアルコール系フィルム、及びかかるポリビニルアルコール系フィルムの製造方法、並びに偏光フィルム、偏光板を提供することを目的とするものである。
しかるに、本発明者等はかかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、ポリビニルアルコール系フィルムの膜厚に着目し、その変動係数が小さくなるように制御することにより、偏光特性に優れた偏光フィルムが得られることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の第1の要旨は、厚み5〜60μm、幅2m以上、長さ2km以上であるポリビニルアルコール系フィルムであって、フィルム全面における厚みの変動係数が1%以下であることを特徴とするポリビニルアルコール系フィルムに関するものである。
また、本発明の第2の要旨は、ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液を、T型スリットダイから回転するキャストドラム上に吐出して製膜し、連続的に乾燥して得られるポリビニルアルコール系フィルムの製造方法であって、フィルム全面における厚みの変動係数が1%以下であることを特徴とするポリビニルアルコール系フィルムの製造方法に関するものである。
更に、本発明の第3の要旨は、前記ポリビニルアルコール系フィルムからなることを特徴とする偏光フィルムに関するものである。
そして、本発明の第4の要旨は、前記偏光フィルムの少なくとも片面に保護フィルムを設けてなる偏光板に関するものである。
本発明のポリビニルアルコール系フィルムは、厚み精度に優れているため、偏光特性に優れた偏光フィルムが得られるものであり、とりわけ薄型で長尺の偏光フィルムの原反として好ましく用いられ、偏光度が面内で均一な偏光フィルムを得ることができるものである。
図1はT型スリットダイ吐出口からキャストドラム表面へのポリビニルアルコール系樹脂水溶液の飛行距離を示した説明図である。 図2はT型スリットダイからキャストドラムへのポリビニルアルコール系樹脂水溶液の吐出方向を示した説明図である。
本発明のポリビニルアルコール系フィルムは、厚み5〜60μm、幅2m以上、長さ2km以上であるポリビニルアルコール系フィルムであって、フィルム全面における厚みの変動係数が1%以下であることを特徴とするポリビニルアルコール系フィルムである。
ここで、上記変動係数とは、以下の方法により求めるものである。
<測定方法>
まず、ポリビニルアルコール系フィルムの任意の箇所の厚みを測定する。
・流れ方向(MD方向)の測定はキーエンス社製「分光干渉型膜厚計SI-T80」を用いて0.3mm刻みで幅方向(TD方向)の中央部と両端部の3箇所をそれぞれ6万点測定する。
・TD方向の測定は山文電気社製「連続膜厚計TOF-5R01」を用いてMD方向の先端部、中央部、終端部の3箇所をそれぞれ4000点測定する。
次いで、上記厚みの測定値について、下記式より標準偏差を計算する。
Figure 0006750261
最後に下記式より変動係数を計算する。
変動係数(C.V.)=100×S.D./x
なお、本発明において「フィルム全面における」とは、全長、全幅に対する測定を意味し、具体的にはMD方向については中央部と両端部の最低3か所、TD方向についても中央と両端部の最低3か所を意味するものである。
本発明のポリビニルアルコール系フィルムは、上記方法による厚みの変動係数が1%以下であることが必要であり、好ましくは0.7%以下、特に好ましくは0.5%以下、更に好ましくは0.4%以下である。厚みの変動係数が1%より大きいと、偏光フィルムの性能が悪化し、本発明の目的を達成することができない。
また、上記厚みの変動係数の下限値は通常0.01%、好ましくは0.05%、特に好ましくは0.1%である。
上記のような本発明のポリビニルアルコール系フィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液を、T型スリットダイから回転するキャストドラム上に吐出して製膜し、連続的に乾燥して製造されるものであることが好ましい。
かかるポリビニルアルコール系樹脂としては、通常、未変性のポリビニルアルコール系樹脂、即ち、酢酸ビニルを重合して得られるポリ酢酸ビニルをケン化して製造される樹脂が用いられる。必要に応じて、酢酸ビニルと、少量(例えば、10モル%以下、好ましくは5モル%以下)の酢酸ビニルと共重合可能な成分との共重合体をケン化して得られる樹脂を用いることもできる。酢酸ビニルと共重合可能な成分としては、例えば、不飽和カルボン酸(例えば、塩、エステル、アミド、ニトリル等を含む)、炭素数2〜30のオレフィン類(例えば、エチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブテン等)、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸塩等が挙げられる。また、ケン化後の水酸基を化学修飾して得られる変性ポリビニルアルコール系樹脂を用いることもできる。
また、ポリビニルアルコール系樹脂として、側鎖に1,2−ジオール構造を有するポリビニルアルコール系樹脂を用いることもできる。かかる側鎖に1,2−ジオール構造を有するポリビニルアルコール系樹脂は、例えば、(i)酢酸ビニルと3,4−ジアセトキシ−1−ブテンとの共重合体をケン化する方法、(ii)酢酸ビニルとビニルエチレンカーボネートとの共重合体をケン化及び脱炭酸する方法、(iii)酢酸ビニルと2,2−ジアルキル−4−ビニル−1,3−ジオキソランとの共重合体をケン化及び脱ケタール化する方法、(iv)酢酸ビニルとグリセリンモノアリルエーテルとの共重合体をケン化する方法、等により得られる。
ポリビニルアルコール系樹脂の重量平均分子量は、10万〜30万であることが好ましく、特に好ましくは11万〜28万、更に好ましくは12万〜26万である。かかる重量平均分子量が小さすぎるとポリビニルアルコール系樹脂を光学フィルムとする場合に充分な光学性能が得られにくい傾向があり、大きすぎると偏光フィルム製造時のポリビニルアルコール系フィルムの延伸が困難となる傾向がある。なお、上記ポリビニルアルコール系樹脂の重量平均分子量は、GPC−MALS法により測定される重量平均分子量である。
本発明で用いるポリビニルアルコール系樹脂の平均ケン化度は、通常98モル%以上であることが好ましく、特に好ましくは99モル%以上、更に好ましくは99.5モル%以上、殊に好ましくは99.8モル%以上である。かかる平均ケン化度が小さすぎるとポリビニルアルコール系フィルムを偏光フィルムとする場合に充分な光学性能が得られない傾向がある。
ここで、本発明における平均ケン化度は、JIS K 6726に準じて測定されるものである。
本発明に用いるポリビニルアルコール系樹脂として、変性種、重量平均分子量、平均ケン化度などの異なる2種以上のものを併用してもよい。
上記ポリビニルアルコール系樹脂を用いてポリビニルアルコール系樹脂水溶液を調製し、この水溶液を回転するキャストドラム(ドラム型ロール)に流延して、キャスト法により製膜、乾燥することで、本発明のポリビニルアルコール系樹脂を連続的に製造することができ、例えば、以下の工程により製造することができる。
(A)キャスト法によりフィルムを製膜する工程。
(B)製膜されたフィルムを加熱して乾燥する工程。
(C)乾燥されたフィルムをスリットした後、ロールに巻き取る工程。
以下、前記工程(A)について説明する。
工程(A)においては、上記のポリビニルアルコール系樹脂を、水などの溶剤を用いて洗浄し、遠心分離機などを用いて脱水して、含水率50重量%以下のポリビニルアルコール系樹脂ウェットケーキとすることが好ましい。含水率が大きすぎると、所望する水溶液濃度にすることが難しくなる傾向がある。
かかるポリビニルアルコール系樹脂ウェットケーキを温水や熱水に溶解して、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を調製する。
ポリビニルアルコール系樹脂水溶液の調製方法は、特に限定されず、例えば、加熱された多軸押出機を用いて調製してもよく、また、上下循環流発生型撹拌翼を備えた溶解缶に、前述したポリビニルアルコール系樹脂ウェットケーキを投入し、缶中に水蒸気を吹き込んで、溶解及び所望濃度の水溶液を調製することもできる。
ポリビニルアルコール系樹脂水溶液には、ポリビニルアルコール系樹脂以外に、必要に応じて、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパンなどの一般的に使用される可塑剤や、ノニオン性、アニオン性、またはカチオン性の界面活性剤を含有させることが、ポリビニルアルコール系フィルムの製膜性の点で好ましい。
このようにして得られるポリビニルアルコール系樹脂水溶液の樹脂濃度は、15〜60重量%であることが好ましく、特に好ましくは17〜55重量%、更に好ましくは20〜50重量%である。かかる樹脂濃度が低すぎると乾燥負荷が大きくなるため生産能力が低下する傾向があり、高すぎると粘度が高くなりすぎて均一な溶解ができにくくなる傾向がある。
次に、得られたポリビニルアルコール系樹脂水溶液は、脱泡処理される。脱泡方法としては、静置脱泡や多軸押出機による脱泡などの方法があげられる。多軸押出機としては、ベントを有した多軸押出機であれば、とくに限定されないが、通常はベントを有した2軸押出機が用いられる。
脱泡処理ののち、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液は、一定量ずつT型スリットダイに導入され、回転するキャストドラム上に吐出及び流延されて、キャスト法により製膜される。
T型スリットダイ出口のポリビニルアルコール系樹脂水溶液の温度は、80〜100℃であることが好ましく、特に好ましくは85〜98℃である。
かかるポリビニルアルコール系樹脂水溶液の温度が低すぎると流動不良となる傾向があり、高すぎると発泡する傾向がある。
かかるポリビニルアルコール系樹脂水溶液の粘度は、吐出時に50〜200Pa・sであることが好ましく、特に好ましくは70〜150Pa・sである。
かかる水溶液の粘度が、低すぎると流動不良となる傾向があり、高すぎると流涎が困難となる傾向がある。
T型スリットダイからキャストドラムに吐出されるポリビニルアルコール系樹脂水溶液の吐出速度は、0.5〜5m/分であることが好ましく、特に好ましくは0.8〜4m/分、更に好ましくは1〜3m/分である。
かかる吐出速度が遅すぎると生産性が低下する傾向があり、速すぎると流涎が困難となる傾向がある。
かかるキャストドラムの直径は、好ましくは2〜5m、特に好ましくは2.4〜4.5m、更に好ましくは2.8〜4mである。
かかる直径が小さすぎると乾燥長が不足し速度が出にくい傾向があり、大きすぎると輸送性が低下する傾向がある。
かかるキャストドラムの幅は、好ましくは2m以上であり、特に好ましくは3m以上、更に好ましくは4m以上、殊に好ましくは5〜6mである。
キャストドラムの幅が小さすぎると生産性が低下する傾向がある。
かかるキャストドラムの回転速度は、3〜50m/分であることが好ましく、特に好ましくは4〜40m/分、更に好ましくは5〜35m/分である。
かかる回転速度が遅すぎると生産性が低下する傾向があり、速すぎると乾燥が不充分となる傾向がある。
かかるキャストドラムの表面温度は、40〜99℃であることが好ましく、特に好ましくは60〜97℃である。
かかる表面温度が低すぎると乾燥不良となる傾向があり、高すぎると発泡してしまう傾向がある。
次いで、前記工程(B)について説明する。工程(B)は、製膜されたフィルムを加熱して乾燥する工程である。
キャストドラムで製膜されたフィルムの乾燥は、膜の表面と裏面とを複数の熱ロールに交互に接触させることにより行なわれる。熱ロールの表面温度は、通常40〜150℃、好ましくは50〜140℃である。かかる表面温度が低すぎると乾燥不良となる傾向があり、高すぎると乾燥しすぎることとなり、うねりなどの外観不良を招く傾向がある。
また、熱ロールは、例えば、表面をハードクロムメッキ処理又は鏡面処理した、直径0.2〜2mのロールであり、通常2〜30本、好ましくは10〜25本を用いて乾燥を行うことが好ましい。
本発明においては、熱ロールによる乾燥後、フィルムに熱処理を行うことが好ましい。熱処理温度は、60〜150℃が好ましく、特には70〜140℃が好ましい。熱処理温度が低すぎると、ポリビニルアルコール系フィルムの耐水性が低下する等して、位相差ふれの原因となる傾向があり、高すぎると偏光フィルム製造時の延伸性が低下する傾向がある。かかる熱処理方法としては、例えば、高温の熱ロールに接触させる方法や、フローティングドライヤーにて行う方法等が挙げられる。
乾燥、必要に応じて熱処理が行われたフィルムは、前記工程(C)を経て製品(本発明のポリビニルアルコール系フィルム)となる。工程(C)は、フィルムの両端をスリットして、ロールに巻き取る工程である。
なお、ここまでポリビニルアルコール系樹脂水溶液を調製し、この水溶液を回転するキャストドラム(ドラム型ロール)に流延して、キャスト法により製膜、乾燥し、ポリビニルアルコール系フィルムを製造する方法を説明してきたが、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を樹脂フィルム上、または金属ベルト上に流延し、製膜、乾燥することも可能である。
かくして本発明のポリビニルアルコール系フィルムが得られる。
本発明のポリビニルアルコール系フィルムは、厚みが5〜60μmであることが必要であり、薄型化の点から特に好ましくは5〜50μm、更に好ましくは5〜30μmであり、破断回避の点から殊に好ましくは10〜30μmである。
本発明のポリビニルアルコール系フィルムは、幅が2m以上であることが必要であり、大面積化の点から特に好ましくは3m以上、破断回避の点から更に好ましくは4〜6mである。
本発明のポリビニルアルコール系フィルムは、長さが2km以上であることが必要であり、大面積化の点から特に好ましくは3km以上、更に好ましくは4km以上である。
なお、フィルムの長さの上限は、破断回避の点から、好ましくは50km以下、特に好ましくは40km以下、更に好ましくは30km以下である。
上述のように、本発明のポリビニルアルコール系フィルムは、フィルム全面における厚みの変動係数が1%以下であるが、フィルムの流れ方向(MD方向)の厚みの変動係数は、偏光フィルムの偏光性能の点で0.7%以下であることが好ましく、特に好ましくは0.6%以下、さらに好ましくは0.5%以下である。
また、幅方向(TD方向)の厚みの変動係数は、偏光フィルムの偏光性能の点で、0.7%以下であることが好ましく、特に好ましくは0.6%以下、さらに好ましくは0.5%以下である。
ここで、ポリビルアルコール系フィルムの厚みが薄い場合は、偏光フィルム製造において流れ方向に偏光度が不均一になりやすく、原反の流れ方向(MD方向)の厚み精度が重要となる。
本発明の厚み変動係数について詳細に詳述する。
フィルムの厚み変動係数は、キャストドラムの平滑性、キャストドラムの均一な回転、T型スリットダイスリットの開口部の均一性、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液の吐出精度、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液のキャストドラムへの吐出角度、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液がキャストドラムに接地するまでの時間と距離、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液とキャストドラムの安定した接触、キャストドラムやその後の熱ロールにおける乾燥条件などに支配される。
これらの中でも、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液とキャストドラムの安定した接触は重要であり、接触線(タッチライン)がMD方向に前後すると、フィルムのMD方向に厚み変動が生じる。また、接触線がTD方向にゆらぐと、フィルムのTD方向に厚み変動が生じる。かかるタッチラインの安定化のためには、次の[I]〜[V]を調整する手法が有効であり好ましい。
[I]「T型スリットダイ1の吐出口1aからキャストドラム2の表面(接地点P)へのポリビニルアルコール系樹脂水溶液の飛行距離A(図1参照)。」
該飛行距離Aが長いほど、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液はキャストドラム2の回転や環境の気流の影響を受けやすいため、吐出口1aからキャストドラム2への距離は可能な限り近接していることが望ましい。
本発明において、T型スリットダイ1の吐出口1aからキャストドラム2の表面(接地点P)への最短距離Bは好ましくは2mm以下であり、特に好ましくは、1.5mm以下、更に好ましくは1mm以下である。かかる最短距離Bが大きすぎるとフィルムの厚み変動が増大する傾向がある。
[II]「T型スリットダイ1からキャストドラム2へのポリビニルアルコール系樹脂水溶液の吐出方向D(図2参照)。」
ポリビニルアルコール系樹脂水溶液が、上方からキャストドラム2に吐出され接地するまでに、重力により液だれするとタッチラインは乱れやすい。例えば、接地点Pにおけるキャストドラム2の接線と吐出方向Dが平行な場合、吐出液は重力により下方だれしてスムーズな接地になりがたい。
本発明においては、T型スリットダイ1からキャストドラム2への吐出方向(T型スリットダイ内部のリップ面が向いている方向)Dと、T型スリットダイ1の吐出口1aとキャストドラム2の中心軸Cを結ぶ平面Eとのなす角度θが40°以下であることが好ましく、特に好ましくは1〜30°、更に好ましくは2〜20°、殊に好ましくは3〜10°である。かかる角度θが大きすぎるとフィルムの厚み変動が増大する傾向にある。
[III]「エアナイフ及び/またはエアチャンバ。」
樹脂の押出し成形において、タッチラインを強制的に安定化するための一般的な手法である。エアナイフやエアチャンバとしては、公知の手法を用いることができる。
[IV]「T型スリットダイの水平度。」
製膜されるフィルムの幅が2m以上であるため、T型スリットダイの幅も2m以上となる。かかる場合は、重力の影響を無視できず、T型スリットダイに剛性の高い材質を用いると共に、幅方向におけるT型スリットダイ中央部がたわまないように、吊り上げる手法が有効である。
本発明においては、1本以上の吊り具でT型スリットダイが吊り上げられることが好ましく、具体的には、T型スリットダイの幅方向中央部の重力によるたわみが0.3mm以下であることが好ましく、特に好ましくは0.2mm以下、更に好ましくは0.1mm以下である。かかるたわみ量を低減するには、吊り具の本数を増やしたり、吊り上げ位置を変更したりするなどの手法が挙げられる。
[V]「キャストドラムの空間的な変位量。」
当然のことながら、キャストドラムが空間的にゆれるようでは、T型スリットダイからの吐出液は安定した接地ができない。本発明においては、回転するキャストドラムの上下、前後(MD方向)、左右(TD方向)への揺れが、それぞれ±50μm以下であることが好ましく、特に好ましくは±40μm以下、更に好ましくは±30μm以下である。かかる揺れが大きすぎると、フィルムの厚み変動が増大する傾向にある。キャストドラムのゆれを低減するには、キャストドラムの重量を低減したり、モーター回転精度を上げたりするといった手法が挙げられる。
本発明のポリビニルアルコール系フィルムは、厚み精度に優れ、光学用のポリビニルアルコール系フィルムとして好適に用いられ、更には偏光膜用の原反として特に好ましく用いられる。
以下、本発明のポリビニルアルコール系フィルムを用いて得られる偏光膜の製造方法について説明する。
本発明の偏光膜は、上記ポリビニルアルコール系フィルムを、ロールから巻き出して水平方向に移送し、膨潤、染色、ホウ酸架橋、延伸、洗浄、乾燥などの工程を経て製造される。
膨潤工程は、染色工程の前に施される。膨潤工程により、ポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れを洗浄することができるほかに、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色ムラなどを防止する効果もある。膨潤工程において、処理液としては、通常、水が用いられる。当該処理液は、主成分が水であれば、ヨウ化化合物、界面活性剤等の添加物、アルコール等が少量入っていてもよい。膨潤浴の温度は、通常10〜45℃程度であり、膨潤浴への浸漬時間は、通常0.1〜10分間程度である。
染色工程は、フィルムにヨウ素または二色性染料を含有する液体を接触させることによって行なわれる。通常は、ヨウ素−ヨウ化カリウムの水溶液が用いられ、ヨウ素の濃度は0.1〜2g/L、ヨウ化カリウムの濃度は1〜100g/Lが適当である。染色時間は30〜500秒程度が実用的である。処理浴の温度は5〜50℃が好ましい。水溶液には、水溶媒以外に水と相溶性のある有機溶媒を少量含有させてもよい。
ホウ酸架橋工程は、ホウ酸やホウ砂などのホウ素化合物を使用して行われる。ホウ素化合物は水溶液または水−有機溶媒混合液の形で濃度10〜100g/L程度で用いられ、液中にはヨウ化カリウムを共存させるのが、偏光性能の安定化の点で好ましい。処理時の温度は30〜70℃程度、処理時間は0.1〜20分程度が好ましく、また必要に応じて処理中に延伸操作を行なってもよい。
延伸工程は、一軸方向に3〜10倍、好ましくは3.5〜6倍延伸することが好ましい。この際、延伸方向の直角方向にも若干の延伸(幅方向の収縮を防止する程度、またはそれ以上の延伸)を行なっても差し支えない。延伸時の温度は、40〜170℃が好ましい。さらに、延伸倍率は最終的に前記範囲に設定されればよく、延伸操作は一段階のみならず、製造工程の任意の範囲の段階に実施すればよい。
洗浄工程は、例えば、水やヨウ化カリウム等のヨウ化物水溶液にポリビニルアルコール系フィルムを浸漬することにより行われ、フィルムの表面に発生する析出物を除去することができる。ヨウ化カリウム水溶液を用いる場合のヨウ化カリウム濃度は1〜80g/L程度でよい。洗浄処理時の温度は、通常、5〜50℃、好ましくは10〜45℃である。処理時間は、通常、1〜300秒間、好ましくは10〜240秒間である。なお、水洗浄とヨウ化カリウム水溶液による洗浄は、適宜組み合わせて行ってもよい。
乾燥工程は、大気中で40〜80℃で1〜10分間行えばよい。
また、偏光フィルムの偏光度は、好ましくは99.5%以上、より好ましくは99.8%以上である。偏光度が低すぎると液晶ディスプレイにおけるコントラストを確保することができなくなる傾向がある。
なお、偏光度は、一般的に2枚の偏光フィルムを、その配向方向が同一方向になるように重ね合わせた状態で、波長λにおいて測定した光線透過率(H11)と、2枚の偏光フィルムを、配向方向が互いに直交する方向になる様に重ね合わせた状態で、波長λにおいて測定した光線透過率(H)より、下式にしたがって算出される。
〔(H11−H)/(H11+H)〕1/2
さらに、本発明の偏光フィルムの単体透過率は、好ましくは42%以上である。かかる単体透過率が低すぎると液晶ディスプレイの高輝度化を達成できなくなる傾向がある。
単体透過率は、分光光度計を用いて偏光フィルム単体の光線透過率を測定して得られる値である。
かくして、本発明の偏光フィルムが得られるが、本発明の偏光フィルムは、色ムラの少ない偏光板を製造するのに好適である。
以下、本発明の偏光板の製造方法について説明する。
本発明の偏光フィルムは、その片面または両面に、接着剤を介して、光学的に等方性な樹脂フィルムを保護フィルムとして貼合されて偏光板となる。保護フィルムとしては、たとえば、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、ポリスチレン、ポリエーテルスルホン、ポリアリーレンエステル、ポリ−4−メチルペンテン、ポリフェニレンオキサイドなどのフィルムまたはシートがあげられる。
貼合方法は、公知の手法で行われるが、例えば、液状の接着剤組成物を、偏光膜、保護フィルム、あるいはその両方に均一に塗布した後、両者を貼り合わせて圧着し、加熱や活性エネルギー線を照射することで行われる。
また、偏光フィルムには、薄膜化を目的として、上記保護フィルムの代わりに、その片面または両面にウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレア樹脂などの硬化性樹脂を塗布し、硬化して偏光板とすることもできる。
本発明により得られる偏光フィルムや偏光板は、厚み変動係数に優れ、色ムラがなく偏光性能の面内均一性にも優れており、携帯情報端末機、パソコン、テレビ、プロジェクター、サイネージ、電子卓上計算機、電子時計、ワープロ、電子ペーパー、ゲーム機、ビデオ、カメラ、フォトアルバム、温度計、オーディオ、自動車や機械類の計器類などの液晶表示装置、サングラス、防眩メガネ、立体メガネ、ウェアラブルディスプレイ、表示素子(CRT、LCD、有機EL、電子ペーパーなど)用反射低減層、光通信機器、医療機器、建築材料、玩具などに好ましく用いられる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない
限り以下の実施例に限定されるものではない。
尚、例中「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。
各物性について、次のようにして行った。
(1)厚み
ポリビニルアルコール系フィルムのMD方向とTD方向の厚みを測定した。
・流れ方向(MD方向)の測定はキーエンス社製「分光干渉型膜厚計SI-T80」を用いて0.3mm刻みで、幅方向(TD方向)の中央部と両端部(両端から20cm内側)の3か所をそれぞれ6万点測定する。
・TD方向の測定は山文電気社製「連続膜厚計TOF-5R01」を用いて、流れ方向(MD方向)の先端部、中央部、終端部の3箇所をそれぞれ4000点測定する。
(2)厚み変動係数
上記厚みの測定値を用いて、下記式より計算した。
Figure 0006750261
(3)偏光度(%)
得られた偏光フィルムの幅方向の中央部から、延伸方向200mm×幅方向40mmの短冊サンプルを切り出し、大塚電子社製「RETS−1100A」を用いて延伸方向に10mmピッチで10点の偏光度を測定した。
<実施例1>
(ポリビニルアルコール系フィルムの製造)
重量平均分子量142,000、ケン化度99.8モル%のポリビニルアルコール系樹脂1000kg、水2000kg、可塑剤としてグリセリン100kgを入れ、撹拌しながら150℃まで昇温して、樹脂濃度25%に濃度調整を行い均一に溶解したポリビニルアルコール系樹脂水溶液を得た。次に該ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を、2軸押出機に供給して脱泡した後、水溶液温度を95℃にし、T型スリットダイ吐出口より回転するキャストドラムに、吐出速度2.5m/分で流延して製膜した。T型スリットダイ吐出口からキャストドラム表面への最短距離は2mmであり、T型スリットダイからキャストドラムへの吐出方向(T型スリットダイ内部のリップ面が向いている方向)と、T型スリットダイ吐出口とキャストドラム中心軸を結ぶ平面とのなす角度は15°である(表1参照。)。
次いで、得られたフィルムをキャストドラムから剥離し、熱ロールを用いた乾燥とフローティングドライヤーを用いた熱処理を行なった。次いで両端部を幅4mになるようスリットで切り落とし、ポリビニルアルコール系フィルムを得た。
得られたポリビニルアルコール系フィルムの特性を表2に示す。
次に、上記で得られたポリビニルアルコール系フィルムを用いて、以下の要領で偏光フィルムを得て、以下の評価を行った。評価結果を表3に示す。
(偏光フィルムの製造)
得られたポリビニルアルコール系フィルムを、水温25℃の水槽に浸漬しつつ、1.7倍に延伸した。次にヨウ素0.5g/L、ヨウ化カリウム30g/Lよりなる28℃の水溶液中に浸漬しつつ1.6倍に延伸し、ついでホウ酸40g/L、ヨウ化カリウム30g/Lの組成の水溶液(55℃)に浸漬するとともに、同時に2.1倍に一軸延伸しつつホウ酸処理を行なった。その後、ヨウ化カリウム水溶液で洗浄行い、乾燥して総延伸倍率5.8倍の偏光フィルムを得た。得られた偏光フィルムの偏光特性を表3に示す。
<実施例2、3、5〜7、比較例1〜4>
実施例1において、フィルム製膜の条件を表1に示す通りに変更した以外は同様に行い、ポリビニルアルコール系フィルムを得、更に、実施例1と同様に偏光フィルムを得た。
得られたポリビニルアルコール系フィルム、及び、偏光フィルムについて、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2および表3に示す。
<実施例4>
実施例1において、フィルム製膜の条件を表1に示す通りに変更し、更に水溶液の吐出に際しては、水溶液のタッチライン上部にエアナイフを設置し(高さ5mm、角度90°)、エアナイフから風速10kPaでエアを吐出し、タッチラインを安定化したこと以外は実施例1と同様に行ない、ポリビニルアルコール系フィルムを得、更に、実施例1と同様に偏光フィルムを得た。
得られたポリビニルアルコール系フィルム、及び、偏光フィルムについて、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2および表3に示す。
Figure 0006750261
Figure 0006750261
Figure 0006750261
実施例1〜7のポリビニルアルコール系フィルムは、薄型幅広長尺であるにもかかわらず、MD方向、TD方向いずれの厚み変動係数も1%以下であるため、得られる偏光フィルムの偏光度は面内で均一であるのに対し、比較例1〜4のポリビニルアルコール系フィルムは、厚みの変動係数が大きく、得られる偏光フィルムの偏光度が面内で不均一である。
また、T型スリットダイ吐出口からキャストドラム表面への最短距離(mm)、T型スリットダイからキャストドラムへの吐出方向(T型スリットダイ内部のリップ面が向いている方向)とT型スリットダイ吐出口とキャストドラム中心軸を結ぶ平面とのなす角度(°)、エアナイフの使用などで、厚み変動係数の小さなポリビニルアルコール系フィルムを製造できることがわかる。
本発明により得られる偏光フィルムや偏光板は、厚み変動係数に優れ、偏光性能の面内均一性にも優れており、携帯情報端末機、パソコン、テレビ、プロジェクター、サイネージ、電子卓上計算機、電子時計、ワープロ、電子ペーパー、ゲーム機、ビデオ、カメラ、フォトアルバム、温度計、オーディオ、自動車や機械類の計器類などの液晶表示装置、サングラス、防眩メガネ、立体メガネ、ウェアラブルディスプレイ、表示素子(CRT、LCD、有機EL、電子ペーパーなど)用反射低減層、光通信機器、医療機器、建築材料、玩具などに好ましく用いられる。

Claims (8)

  1. 厚み5〜60μm、幅2m以上、長さ2km以上であるポリビニルアルコール系フィルムであって、フィルム全面における厚みの変動係数が1%以下であることを特徴とするポリビニルアルコール系フィルム。
  2. ポリビニルアルコール系フィルムの厚みが30μm以下であって、かつポリビニルアルコール系フィルムの流れ方向(MD方向)の厚みの変動係数が、0.7%以下であることを特徴とする請求項1記載のポリビニルアルコール系フィルム。
  3. ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液を、T型スリットダイから回転するキャストドラム上に吐出して製膜し、連続的に乾燥して得られるポリビニルアルコール系フィルムの製造方法であって、フィルム全面における厚みの変動係数が1%以下であることを特徴とするポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
  4. T型スリットダイからキャストドラムのドラム表面への最短距離が2mm以下であることを特徴とする請求項3記載のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
  5. T型スリットダイからキャストドラムへの吐出方向(T型スリットダイ内部のリップ面が向いている方向)と、T型スリットダイ吐出口とキャストドラム中心軸を結ぶ平面とのなす角度が、40°以下であることを特徴とする請求項3または4記載のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
  6. 水溶液がキャストドラムに接地するタッチラインを、エアナイフにより安定化させることを特徴とする請求項3〜5いずれか記載のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
  7. 請求項1または2記載のポリビニルアルコール系フィルムからなることを特徴とする偏光フィルム。
  8. 請求項7記載の偏光フィルムの少なくとも片面に保護フィルムを設けてなることを特徴とする偏光板。
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