JP2019123091A - 支持体、支持体の製造方法および光学フィルムの製造方法 - Google Patents
支持体、支持体の製造方法および光学フィルムの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019123091A JP2019123091A JP2018003375A JP2018003375A JP2019123091A JP 2019123091 A JP2019123091 A JP 2019123091A JP 2018003375 A JP2018003375 A JP 2018003375A JP 2018003375 A JP2018003375 A JP 2018003375A JP 2019123091 A JP2019123091 A JP 2019123091A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lining
- layer
- lining layer
- hardness
- support
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C41/00—Shaping by coating a mould, core or other substrate, i.e. by depositing material and stripping-off the shaped article; Apparatus therefor
- B29C41/02—Shaping by coating a mould, core or other substrate, i.e. by depositing material and stripping-off the shaped article; Apparatus therefor for making articles of definite length, i.e. discrete articles
- B29C41/08—Coating a former, core or other substrate by spraying or fluidisation, e.g. spraying powder
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B05—SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
- B05D—PROCESSES FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
- B05D7/00—Processes, other than flocking, specially adapted for applying liquids or other fluent materials to particular surfaces or for applying particular liquids or other fluent materials
- B05D7/14—Processes, other than flocking, specially adapted for applying liquids or other fluent materials to particular surfaces or for applying particular liquids or other fluent materials to metal, e.g. car bodies
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C41/00—Shaping by coating a mould, core or other substrate, i.e. by depositing material and stripping-off the shaped article; Apparatus therefor
- B29C41/24—Shaping by coating a mould, core or other substrate, i.e. by depositing material and stripping-off the shaped article; Apparatus therefor for making articles of indefinite length
- B29C41/28—Shaping by coating a mould, core or other substrate, i.e. by depositing material and stripping-off the shaped article; Apparatus therefor for making articles of indefinite length by depositing flowable material on an endless belt
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C41/00—Shaping by coating a mould, core or other substrate, i.e. by depositing material and stripping-off the shaped article; Apparatus therefor
- B29C41/34—Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
- B29C41/38—Moulds, cores or other substrates
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29D—PRODUCING PARTICULAR ARTICLES FROM PLASTICS OR FROM SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE
- B29D11/00—Producing optical elements, e.g. lenses or prisms
- B29D11/0073—Optical laminates
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29D—PRODUCING PARTICULAR ARTICLES FROM PLASTICS OR FROM SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE
- B29D11/00—Producing optical elements, e.g. lenses or prisms
- B29D11/0074—Production of other optical elements not provided for in B29D11/00009- B29D11/0073
- B29D11/00788—Producing optical films
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C23—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
- C23D—ENAMELLING OF, OR APPLYING A VITREOUS LAYER TO, METALS
- C23D5/00—Coating with enamels or vitreous layers
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C23—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
- C23D—ENAMELLING OF, OR APPLYING A VITREOUS LAYER TO, METALS
- C23D5/00—Coating with enamels or vitreous layers
- C23D5/005—Coating with enamels or vitreous layers by a method specially adapted for coating special objects
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C25—ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
- C25D—PROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
- C25D3/00—Electroplating: Baths therefor
- C25D3/02—Electroplating: Baths therefor from solutions
- C25D3/04—Electroplating: Baths therefor from solutions of chromium
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Ophthalmology & Optometry (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Wood Science & Technology (AREA)
- Moulding By Coating Moulds (AREA)
- Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
- Electroplating Methods And Accessories (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Electrochemistry (AREA)
Abstract
【課題】光学フィルムの面品質劣化を低減し、支持体のロングラン適性を向上させ、光学フィルムのカールを容易に低減する、流延ドープを支持しながら搬送する光学フィルム支持体の製造方法。【解決手段】金属ベルト上にライニング層を複数層形成する工程S13、S14を含み、金属ベルトから最も離れた最表層のライニング層の表面粗さRaは、3〜200nmとする。最表層のライニング層の硬度は、金属ベルト側に位置する少なくとも1層のライニング層の硬度よりも高い。【選択図】図5
Description
本発明は、流延ドープを支持しながら搬送する支持体と、その支持体の製造方法と、上記支持体を用いて光学フィルムを製造する光学フィルムの製造方法とに関する。
従来から、グラスライニングと呼ばれるライニング技術が知られている。グラスライニングとは、低炭素鋼板あるいはステンレス鋼板を素地とし、素地表面上にグラスライニング組成物を焼き付けてグラスライニング層を形成する表面加工技術である。グラスライニング層の表面は、耐薬品性および耐熱性に優れることから、グラスライニングは、例えば化学工業、医薬品工業、食品工業における反応漕や撹拌漕の製造に広く利用されている(例えば特許文献1参照)。
また、グラスライニングのようなライニング技術は、鉱石搬送用コンベアベルト等にも利用されている。例えば特許文献2では、コンベアベルトの基材の上面にライニング材を被覆するとともに、ライニング材中に耐摩耗用ラギング材を埋設することで、コンベアベルトを利用した土砂等の搬送の際に、ラギング材によってライニング材の摩耗を防止するようにしている。
一方、光学フィルムの分野においては、近年の光学デバイスの薄型化に伴い、より薄く、高品質な光学フィルムが求められている。光学フィルムの製造方法には様々な方法が存在するが、その中でも代表的な方法として、ポリマー(樹脂)を溶媒に溶解させたドープを支持体上に流延して製膜する溶液流延製膜法が広く知られている(例えば特許文献3、4参照)。
さらに、光学フィルムの製膜過程では、光学フィルムを一対のロールでニップして搬送することがしばしば行われる。このとき、光学フィルムの幅手方向を含む断面内で、光学フィルムにカールが発生していると、光学フィルムが一対のロールの間を通過する際に、光学フィルムに折れ込みや割れが発生することがある。この点、例えば特許文献5では、光学フィルムが一対のロールの間を通過する際に、光学フィルムの幅手端部にかかる圧力が幅手中央部にかかる圧力よりも小さくなるように、各ロールの形状を工夫することにより、上記した光学フィルムの折れ込み等の発生を低減するようにしている。
ところで、溶液流延製膜法では、ドープを支持して搬送する支持体として、安価で、平面性および弾性が良好なSUS(stainless steel、ステンレス鋼)からなる金属支持体(金属ベルト)を用いることが一般的である。この金属ベルトの表面には、ピンホール(窪み)や溶接線が存在することが周知の事実である。光学フィルムの製造時に上記のピンホール等の形状が流延膜(後に光学フィルムとなる)に転写されると、光学フィルムの面品質劣化が生じる。このため、金属ベルトの表面に、ピンホール等の転写を防止するための何らかの加工をすることが望ましい。
このとき、例えば特許文献1または2に記載されているようなライニング技術を、光学フィルムの製造で用いる金属ベルトに適用して、ピンホール等の転写防止を図ろうとする考え方もある。しかし、光学フィルムの製造では、金属ベルトが周回することで金属ベルトに屈曲部が生じるため、従来、金属ベルト上にライニング層を形成したとしても、そのライニング層が上記屈曲部の曲げに耐えられず、ライニング層に割れが発生すると考えられており、上記ライニング技術を金属ベルトに適用することはなかった。
また、溶液流延製膜法で用いられる金属ベルトの交換には、通常、多大なコストおよび時間を要するため、1つの金属ベルトを長期的に使用することが望ましい。そのためには、金属ベルトを定期的に保守・点検し、例えば金属ベルトの表面にドープの被膜が残っている場合には、それをウエスで拭き取ることが必要となる。しかし、金属ベルトの保守・点検において、上記ドープの被膜の拭き取り清掃の際に、ウエスとの擦れによって金属ベルトの表面に数ミクロン程度のキズ(拭き取りキズ)が付いてしまうことがある。上記の拭き取りキズは、流延膜に転写されて上記と同様に光学フィルムの面品質劣化を生じさせる原因となるため、拭き取りキズの付いた金属ベルトは、新しいベルトと交換することが必要となる。このことは、金属ベルトのロングラン適性(連続生産適性)が低下することを意味するため、何らかの改善が必要である。つまり、金属ベルトの保守・点検時に、金属ベルトの表面に拭き取りキズが付きにくくなるようにすることが望まれる。
また、溶液流延製膜法では、支持体から流延膜を剥離する際の残留溶媒量を適切に管理(調整)することが必要である。上記残留溶媒量の管理が適切でないと(例えば残留溶媒量が過度に低下すると)、流延膜の幅手端部が幅手中央部よりも乾燥が速く進行する影響で、剥離後の流延膜(光学フィルム)の幅手端部にカールが発生し、これが後工程で搬送不良を引き起こす原因となる。このような光学フィルムの幅手端部のカールは、製膜される光学フィルムが薄膜になるほど顕著に現れる。したがって、剥離のための残留溶媒量の適切な管理を容易にして、剥離後の光学フィルムのカールを容易に低減することが望まれる。なお、特許文献5で開示されているのは、光学フィルムの搬送不良を低減する技術であって、光学フィルムのカールそのものを低減する技術ではない。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、金属ベルトの表面に存在するピンホールおよび溶接線の形状が流延膜に転写されるのを防止して、光学フィルムの面品質劣化を低減することができるとともに、支持体のロングラン適性を向上させることができ、さらに、剥離後の流延膜(光学フィルム)のカールを容易に低減することができる支持体およびその製造方法と、その支持体を用いた光学フィルムの製造方法とを提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の製造方法および構成によって達成される。
1.光学フィルムを構成する樹脂および溶媒を含む流延ドープを支持しながら搬送する支持体の製造方法であって、
金属ベルト上にライニング層を複数層形成する工程を含み、
前記金属ベルトから最も離れた最表層のライニング層の表面粗さRaが、3〜200nmであることを特徴とする支持体の製造方法。
金属ベルト上にライニング層を複数層形成する工程を含み、
前記金属ベルトから最も離れた最表層のライニング層の表面粗さRaが、3〜200nmであることを特徴とする支持体の製造方法。
2.前記最表層のライニング層の硬度は、該最表層のライニング層よりも前記金属ベルト側に位置する少なくとも1層のライニング層の硬度よりも高いことを特徴とする前記1に記載の支持体の製造方法。
3.前記最表層のライニング層の硬度は、前記金属ベルトに最も近いライニング層の硬度よりも高いことを特徴とする前記1または2に記載の支持体の製造方法。
4.前記最表層のライニング層の硬度は、ビッカース硬度で500以上であることを特徴とする前記1から3のいずれかに記載の支持体の製造方法。
5.前記工程では、ハードクロムメッキ加工によって前記ライニング層を複数層形成することを特徴とする前記4に記載の支持体の製造方法。
6.前記工程では、グラス加工によって前記ライニング層を複数層形成し、
前記最表層のライニング層の表面粗さRaが、30〜100nmであり、
前記最表層のライニング層の硬度が、ビッカース硬度で500以上700以下であり、
前記複数層のライニング層の熱伝導率が、0.8〜1W/m・Kであることを特徴とする前記1から3のいずれかに記載の支持体の製造方法。
前記最表層のライニング層の表面粗さRaが、30〜100nmであり、
前記最表層のライニング層の硬度が、ビッカース硬度で500以上700以下であり、
前記複数層のライニング層の熱伝導率が、0.8〜1W/m・Kであることを特徴とする前記1から3のいずれかに記載の支持体の製造方法。
7.光学フィルムを構成する樹脂および溶媒を含む流延ドープを支持しながら搬送する支持体であって、
金属ベルトと、
前記金属ベルト上に位置する複数層のライニング層とを含み、
前記金属ベルトから最も離れた最表層のライニング層の表面粗さRaが、3〜200nmであることを特徴とする支持体。
金属ベルトと、
前記金属ベルト上に位置する複数層のライニング層とを含み、
前記金属ベルトから最も離れた最表層のライニング層の表面粗さRaが、3〜200nmであることを特徴とする支持体。
8.前記最表層のライニング層の硬度は、該最表層のライニング層よりも前記金属ベルト側に位置する少なくとも1層のライニング層の硬度よりも高いことを特徴とする前記7に記載の支持体。
9.前記最表層のライニング層の硬度は、前記金属ベルトに最も近いライニング層の硬度よりも高いことを特徴とする前記7または8に記載の支持体。
10.前記最表層のライニング層の硬度は、ビッカース硬度で500以上であることを特徴とする前記7から9のいずれかに記載の支持体。
11.前記複数層のライニング層は、それぞれハードクロムメッキで構成されていることを特徴とする前記10に記載の支持体。
12.前記複数層のライニング層は、それぞれガラス材料で構成されており、
前記最表層のライニング層の表面粗さRaが、30〜100nmであり、
前記最表層のライニング層の硬度が、ビッカース硬度で500以上700以下であり、
前記複数層のライニング層の熱伝導率が、0.8〜1W/m・Kであることを特徴とする前記7から9のいずれかに記載の支持体。
前記最表層のライニング層の表面粗さRaが、30〜100nmであり、
前記最表層のライニング層の硬度が、ビッカース硬度で500以上700以下であり、
前記複数層のライニング層の熱伝導率が、0.8〜1W/m・Kであることを特徴とする前記7から9のいずれかに記載の支持体。
13.前記7から12のいずれかに記載の支持体を用いて光学フィルムを製造する光学フィルムの製造方法であって、
前記光学フィルムを構成する樹脂および溶媒を含むドープを前記支持体上に流延して流延膜を形成する工程と、
前記流延膜を前記支持体から剥離する工程と、
剥離した前記流延膜を乾燥させて前記光学フィルムを取得する工程とを含むことを特徴とする光学フィルムの製造方法。
前記光学フィルムを構成する樹脂および溶媒を含むドープを前記支持体上に流延して流延膜を形成する工程と、
前記流延膜を前記支持体から剥離する工程と、
剥離した前記流延膜を乾燥させて前記光学フィルムを取得する工程とを含むことを特徴とする光学フィルムの製造方法。
上記した支持体の製造方法および構成によれば、金属ベルトの表面に存在するピンホールおよび溶接線の形状が流延膜に転写されるのを防止することができ、光学フィルムの面品質劣化を低減することができる。また、支持体のロングラン適性を向上させることができるとともに、剥離後の流延膜(光学フィルム)のカールを容易に低減することができる。
本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、本明細書において、数値範囲をA〜Bと表記した場合、その数値範囲に下限Aおよび上限Bの値は含まれるものとする。なお、本発明は、以下の内容に限定されるわけではない。
〔光学フィルムの製造方法〕
図1は、本実施形態の光学フィルムの製造装置1の概略の構成を示す説明図である。また、図2は、光学フィルムの製造工程の流れを示すフローチャートである。本実施形態の光学フィルムの製造方法は、溶液流延製膜法によって光学フィルムを製造する方法であり、図2に示すように、攪拌調製工程(S1)、流延工程(S2)、剥離工程(S3)、乾燥工程(S4)、延伸工程(S5)、切断工程(S6)、エンボス加工工程(S7)、巻取工程(S8)を含む。以下、図1および図2を参照しながら、各工程について説明する。
図1は、本実施形態の光学フィルムの製造装置1の概略の構成を示す説明図である。また、図2は、光学フィルムの製造工程の流れを示すフローチャートである。本実施形態の光学フィルムの製造方法は、溶液流延製膜法によって光学フィルムを製造する方法であり、図2に示すように、攪拌調製工程(S1)、流延工程(S2)、剥離工程(S3)、乾燥工程(S4)、延伸工程(S5)、切断工程(S6)、エンボス加工工程(S7)、巻取工程(S8)を含む。以下、図1および図2を参照しながら、各工程について説明する。
(S1;攪拌調製工程)
攪拌調製工程では、攪拌装置100の攪拌槽101にて、少なくとも樹脂および溶媒を攪拌し、支持体3(エンドレスベルト)上に流延するドープを調製する。
攪拌調製工程では、攪拌装置100の攪拌槽101にて、少なくとも樹脂および溶媒を攪拌し、支持体3(エンドレスベルト)上に流延するドープを調製する。
(S2;流延工程)
流延工程では、攪拌調製工程で調製されたドープを、加圧型定量ギヤポンプ等を通して、導管によって流延ダイ2に送液し、無限に移送する回転駆動ステンレス鋼製エンドレスベルトよりなる支持体3上の流延位置に、流延ダイ2からドープを流延する。そして、支持体3は、流延されたドープ(流延ドープ)を支持しながら搬送する。これにより、支持体3上に流延膜としてのウェブ5が形成される。
流延工程では、攪拌調製工程で調製されたドープを、加圧型定量ギヤポンプ等を通して、導管によって流延ダイ2に送液し、無限に移送する回転駆動ステンレス鋼製エンドレスベルトよりなる支持体3上の流延位置に、流延ダイ2からドープを流延する。そして、支持体3は、流延されたドープ(流延ドープ)を支持しながら搬送する。これにより、支持体3上に流延膜としてのウェブ5が形成される。
支持体3は、一対のロール3a・3bおよびこれらの間に位置する複数のロール(不図示)によって保持されている。ロール3a・3bの一方または両方には、支持体3に張力を付与する駆動装置(不図示)が設けられており、これによって支持体3は張力が掛けられて張った状態で使用される。
流延工程では、ウェブ5を支持体3上で加熱し、支持体3から剥離ロール4によってウェブ5が剥離可能になるまで溶媒を蒸発させる。溶媒を蒸発させるには、ウェブ側から風を吹かせる方法や、支持体3の裏面から液体により伝熱させる方法、輻射熱により表裏から伝熱する方法等があり、適宜、単独であるいは組み合わせて用いればよい。
(S3;剥離工程)
上記の流延工程にて、支持体3上でウェブ5が剥離可能な膜強度となるまで乾燥固化あるいは冷却凝固させた後、剥離工程では、ウェブ5を、自己支持性を持たせたまま剥離ロール4によって剥離する。
上記の流延工程にて、支持体3上でウェブ5が剥離可能な膜強度となるまで乾燥固化あるいは冷却凝固させた後、剥離工程では、ウェブ5を、自己支持性を持たせたまま剥離ロール4によって剥離する。
なお、剥離時点での支持体3上でのウェブ5の残留溶媒量は、乾燥の条件の強弱、支持体3の長さ等により、40〜120質量%の範囲であることが望ましい。残留溶媒量がより多い時点で剥離する場合、ウェブ5が柔らか過ぎると剥離時平面性を損ね、剥離張力によるシワや縦スジが発生しやすいため、経済速度と品質との兼ね合いで剥離時の残留溶媒量が決められる。なお、残留溶媒量は、下記式で定義される。
残留溶媒量(質量%)=(ウェブの加熱処理前質量−ウェブの加熱処理後質量)/
(ウェブの加熱処理後質量)×100
ここで、残留溶媒量を測定する際の加熱処理とは、115℃で1時間の加熱処理を行うことを表す。
(ウェブの加熱処理後質量)×100
ここで、残留溶媒量を測定する際の加熱処理とは、115℃で1時間の加熱処理を行うことを表す。
(S4;乾燥工程)
支持体3から剥離されたウェブ5は、乾燥装置6にて乾燥される。乾燥装置6内では、側面から見て千鳥状に配置された複数の搬送ロールによってウェブ5が搬送され、その間にウェブ5が乾燥される。乾燥装置6での乾燥方法は、特に制限はなく、一般的に熱風、赤外線、加熱ロール、マイクロ波等を用いてウェブ5を乾燥させる。簡便さの点から、熱風でウェブ5を乾燥させる方法が好ましい。
支持体3から剥離されたウェブ5は、乾燥装置6にて乾燥される。乾燥装置6内では、側面から見て千鳥状に配置された複数の搬送ロールによってウェブ5が搬送され、その間にウェブ5が乾燥される。乾燥装置6での乾燥方法は、特に制限はなく、一般的に熱風、赤外線、加熱ロール、マイクロ波等を用いてウェブ5を乾燥させる。簡便さの点から、熱風でウェブ5を乾燥させる方法が好ましい。
ウェブ5は、乾燥装置6にて乾燥後、光学フィルムFとしてテンター7に向かって搬送される。
(S5;延伸工程)
延伸工程では、テンター7にて光学フィルムFを延伸する。このときの延伸方向としては、フィルム搬送方向(MD方向;Machine Direction)、フィルム面内で上記搬送方向に垂直な幅手方向(TD方向;Transverse Direction)、これらの両方向、のいずれかである。延伸工程では、光学フィルムFの両側縁部をクリップ等で固定して延伸するテンター方式が、フィルムの平面性や寸法安定性を向上させるために好ましい。なお、テンター7内では、延伸に加えて乾燥を行ってもよい。延伸工程において、光学フィルムFをMD方向およびTD方向の両方向に延伸することにより、光学フィルムFをMD方向およびTD方向に対して斜めに交差する方向に延伸(斜め延伸)することもできる。
延伸工程では、テンター7にて光学フィルムFを延伸する。このときの延伸方向としては、フィルム搬送方向(MD方向;Machine Direction)、フィルム面内で上記搬送方向に垂直な幅手方向(TD方向;Transverse Direction)、これらの両方向、のいずれかである。延伸工程では、光学フィルムFの両側縁部をクリップ等で固定して延伸するテンター方式が、フィルムの平面性や寸法安定性を向上させるために好ましい。なお、テンター7内では、延伸に加えて乾燥を行ってもよい。延伸工程において、光学フィルムFをMD方向およびTD方向の両方向に延伸することにより、光学フィルムFをMD方向およびTD方向に対して斜めに交差する方向に延伸(斜め延伸)することもできる。
(S6;切断工程、S7;エンボス加工工程)
テンター7と巻取装置10との間には、切断部8およびエンボス加工部9がこの順で配置されている。切断部8では、製膜された光学フィルムFを搬送しながら、その幅手方向の両端部を、スリッターによって切断する切断工程が行われる。光学フィルムFにおいて、両端部の切断後に残った部分は、フィルム製品となる製品部を構成する。一方、光学フィルムFから切断された部分は、シュータにて回収され、再び原材料の一部としてフィルムの製膜に再利用される。
テンター7と巻取装置10との間には、切断部8およびエンボス加工部9がこの順で配置されている。切断部8では、製膜された光学フィルムFを搬送しながら、その幅手方向の両端部を、スリッターによって切断する切断工程が行われる。光学フィルムFにおいて、両端部の切断後に残った部分は、フィルム製品となる製品部を構成する。一方、光学フィルムFから切断された部分は、シュータにて回収され、再び原材料の一部としてフィルムの製膜に再利用される。
切断工程の後、光学フィルムFの幅手方向の両端部には、エンボス加工部9により、エンボス加工(ナーリング加工)が施される。エンボス加工は、加熱されたエンボスローラーを光学フィルムFの両端部に押し当てることにより行われる。エンボスローラーの表面には細かな凹凸が形成されており、エンボスローラーを光学フィルムFの両端部に押し当てることで、上記両端部に凹凸が形成される。このようなエンボス加工により、次の巻取工程での巻きズレやブロッキング(フィルム同士の貼り付き)を極力抑えることができる。
(S8;巻取工程)
最後に、エンボス加工が終了した光学フィルムFを、巻取装置10によって巻き取り、光学フィルムFの元巻(フィルムロール)を得る。すなわち、巻取工程では、光学フィルムFを搬送しながら巻芯に巻き取ることにより、フィルムロールが製造される。光学フィルムFの巻き取り方法は、一般に使用されているワインダーを用いればよく、定トルク法、定テンション法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法等の張力をコントロールする方法があり、それらを使い分ければよい。光学フィルムFの巻長は、1000〜7200mであることが好ましい。また、その際の幅は1000〜3200mm幅であることが望ましく、膜厚は10〜60μmであることが望ましい。
最後に、エンボス加工が終了した光学フィルムFを、巻取装置10によって巻き取り、光学フィルムFの元巻(フィルムロール)を得る。すなわち、巻取工程では、光学フィルムFを搬送しながら巻芯に巻き取ることにより、フィルムロールが製造される。光学フィルムFの巻き取り方法は、一般に使用されているワインダーを用いればよく、定トルク法、定テンション法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法等の張力をコントロールする方法があり、それらを使い分ければよい。光学フィルムFの巻長は、1000〜7200mであることが好ましい。また、その際の幅は1000〜3200mm幅であることが望ましく、膜厚は10〜60μmであることが望ましい。
〔光学フィルム〕
本実施形態の光学フィルムは、上記した溶液流延製膜法によって製造される。光学フィルムは、熱可塑性樹脂から構成されているフィルムであれば何でもよいが、光学用途に使用する場合には、所望の波長に対して透明な性質を有する樹脂からなるフィルムであることが好ましい。このようなフィルムを構成する樹脂としては、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテルスルフォン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂、ポリスルフォン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、脂環構造を有するオレフィンポリマー系樹脂(脂環式オレフィンポリマー系樹脂)、セルロースエステル系樹脂などが挙げられる。なお、光学フィルムには、必要に応じて、マット材などの添加剤が含まれていてもよい。
本実施形態の光学フィルムは、上記した溶液流延製膜法によって製造される。光学フィルムは、熱可塑性樹脂から構成されているフィルムであれば何でもよいが、光学用途に使用する場合には、所望の波長に対して透明な性質を有する樹脂からなるフィルムであることが好ましい。このようなフィルムを構成する樹脂としては、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテルスルフォン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂、ポリスルフォン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、脂環構造を有するオレフィンポリマー系樹脂(脂環式オレフィンポリマー系樹脂)、セルロースエステル系樹脂などが挙げられる。なお、光学フィルムには、必要に応じて、マット材などの添加剤が含まれていてもよい。
〔支持体の詳細〕
次に、上記した光学フィルムの製造装置1が有する支持体3の詳細について説明する。図3は、上記支持体3の概略の構成を示す断面図である。本実施形態では、支持体3は、金属ベルト31と、複数のライニング層32とを有して構成されている。
次に、上記した光学フィルムの製造装置1が有する支持体3の詳細について説明する。図3は、上記支持体3の概略の構成を示す断面図である。本実施形態では、支持体3は、金属ベルト31と、複数のライニング層32とを有して構成されている。
金属ベルト31は、SUS等の金属からなる無端状のベルトである。複数のライニング層32は、金属ベルト31の表面を覆うように形成されており、ここでは、ライニング層32a・32bで構成されている。ライニング層32a・32bは、金属ベルト31上にこの順で積層されている。したがって、ライニング層32aは、金属ベルトに最も近いライニング層であり、ライニング層32bは、金属ベルト31から最も離れた(最表層の)ライニング層である。各ライニング層32は、例えばグラス加工などのライニング技術によって形成される。
本実施形態では、金属ベルト31から最も離れた最表層のライニング層32bの表面粗さ(算出平均粗さ)Raが、3〜200nmである。上記範囲の表面粗さRaは、ライニング層32bを構成する材料(例えばガラス材料)を適切に選択することによって実現することができる。
ここで、表面粗さRaは、JIS B0601−1994またはJIS B 0601−2001で定義される値である。すなわち、表面粗さRaは、図4に示すように、粗さ曲線から、その平均線mの方向に基準長さLだけを抜き取り、この抜き取り部分の平均線mの方向にX軸を、縦倍率の方向にY軸を取り、粗さ曲線をy=f(x)で表したときに、同図中の式によって求められる値をマイクロメートル(μm)で表したものである。
図5は、上記構成の支持体3の製造工程の流れを示すフローチャートである。支持体3の製造方法は、調製工程(S11)、ブラスト工程(S12)、ライニング層(第1層目)形成工程(S13)、ライニング層(第2層目)形成工程(S14)を含む。以下、各工程の詳細について説明する。
S11の調製工程では、ライニング層形成用組成物を調製する。グラス加工の場合、ライニング層形成用組成物としては、SiO2、B2O3、Al2O3、CaO、MgO、Na2O、CoO、NiO、MnO2、K2O、Li2O、BaO、ZnO、TiO2、ZrO2、およびCaF2等からなる群から選択される成分を含む組成物であれば、特に限定なく使用することができる。なお、ライニング層形成用組成物のうち、金属ベルト31側から1層目のライニング層32aの形成用組成物を「下ぐすり」とも称し、2層目のライニング層32bの形成用組成物を「上ぐすり」とも称する。調整工程では、下ぐすり、上ぐすりのそれぞれを調製して用意する。
S12のブラスト工程では、金属ベルト31の表面に、固体金属、鉱物性または植物性の研磨材を高速度で吹き付けることにより、金属ベルト31の表面のスケールを除去し、表面を清浄化する。
S13のライニング層形成工程では、S11で調製した下ぐすりを用い、S12で表面が清浄化された金属ベルト31上にライニング層32aを形成する。この工程では、下ぐすりの塗布、乾燥、焼成を複数回繰り返すことにより、ライニング層32aが所定厚み(例えば0.1〜0.3mm)で形成される。
S14のライニング層形成工程では、S11で調製した上ぐすりを用い、S13で形成したライニング層32aの表面にライニング層32bを形成する。この工程では、上ぐすりの塗布、乾燥、焼成を複数回繰り返すことにより、ライニング層32bが所定厚み(例えば0.3〜0.7mm)で形成される。すなわち、ライニング層32a・32bの総厚みは、例えば0.4〜1.0mmである。これにより、金属ベルト31上にライニング層32を複数層形成した支持体3が得られる。
なお、下ぐすり、上ぐすりの塗布は、湿式での手掛け、スプレー式、ディップ式、乾式等のいずれで行われてもよい。下ぐすり、上ぐすりの乾燥後は、ガラスが軟化溶融する温度で焼成を行えばよい。また、耐食性、耐磨耗性の点では、ライニング層32a・32bの総厚みは、0.8mm以上であることが望ましい。
なお、本実施形態では、SUSなどのステンレス鋼からなる金属ベルト31上に、グラス加工によってライニング層32を形成しているが、グラス加工が適用できる金属は、ステンレス鋼には限定されない。例えば、低炭素鋼板、鋳鉄、ニッケル・モリブデン合金(ハステロイ)、ニッケル・クロム・鉄合金(インコネル)等に対しても、グラス加工によってライニング層を形成することができる。すなわち、ステンレス鋼以外の上記金属で金属ベルト31が構成された場合でも、その金属ベルト31上に、グラス加工によってライニング層32を形成することができる。
また、金属ベルト31上に、グラス加工によってライニング層32を複数層形成する以外にも、例えばハードクロム(硬質クロム、HCr)メッキ加工によってライニング層32を複数層形成することもできる。ハードクロムメッキ加工は、例えば公知の電気メッキ法を用いてハードクロムをメッキすることで行うことができる。
以上のように、本実施形態の支持体3の製造方法は、金属ベルト31上にライニング層32を複数層形成する工程(S13、S14)を含む。したがって、この製造方法によって製造された支持体3では、金属ベルト31上に、複数層のライニング層32が位置する(図3参照)。このような支持体3の構成では、金属ベルト31の表面が複数層のライニング層32で覆われるため、上述した溶液流延製膜法によって光学フィルムFを製造する場合において、金属ベルト31の表面に存在するピンホールおよび溶接線の形状が支持体3上の流延膜(ウェブ5)に転写されるのを、複数層のライニング層32によって防止することができる。これにより、製造される光学フィルムFの面品質が、上記形状の転写によって劣化するのを低減することができる。
また、金属ベルト31上のライニング層32は複数層であるため、後述するように、各ライニング層32の硬度を適切に設定することにより(例えば内側のライニング層32aを軟らかくし、外側のライニング層32bを硬くすることにより)、金属ベルト31の屈曲部(ロール3a・3bの外周面に沿う部分)において各ライニング層32の割れを生じにくくすることができる。その結果、従来は困難であったライニング技術の金属ベルト31への適用が可能となり、本実施形態のように、金属ベルト31上にライニング層32を設ける構成が可能となる。
また、製造された光学フィルムFを、例えば大型の液晶表示装置の偏光板の保護フィルムに適用する場合、光学フィルムFに上記ピンホール等の転写によるキズ(転写キズ)が多少付いていたとしても、そのような転写キズが表示画像の視認性を大きく低下させることはない(画像の表示領域全体に対して転写キズの影響を受ける画像の表示領域の割合が小さいため)。一方、上記光学フィルムFを、例えば撮像光学系(例えば撮像素子の光入射側に配置される赤外線カットフィルム)に適用する場合、撮像素子の画素が微小であるため、上記転写キズは撮像素子の撮像性能に大きく影響する。したがって、上記光学フィルムFの面品質劣化を低減できる本実施形態の構成は、特に光学フィルムFを撮像光学系に適用する場合に非常に有効となる。
また、金属ベルト31をライニング層32で覆う構成では、金属ベルト31よりも硬い材料でライニング層32を構成することが可能となる。これにより、支持体3の保守・点検において、支持体3の表面に残ったドープ被膜の拭き取り清掃を行う場合でも、支持体3(ライニング層32)の表面に拭き取りキズが付きにくくなる。したがって、支持体3を長期にわたって使用することが可能となり、支持体3のロングラン適性(連続生産適性)を向上させることができる。また、ロングラン適性の向上によって支持体3の交換頻度が低下するため、支持体3の交換に要する多大なコストや時間も削減される。
また、最表層のライニング層32bの表面粗さRaが、3〜200nmであり、例えばSUSの表面粗さ(例えば1nm程度)よりも十分に大きいため、剥離時に支持体3からウェブ5を剥離することが容易となる。したがって、剥離のためのウェブ5の残留溶媒量の適切な管理(特に残留溶媒量を過度に低下させない調整)が容易となり、これによって、剥離後のウェブ5および光学フィルムFのカールを容易に低減することが可能となる。また、残留溶媒量の適切な管理が容易となるため、例えば剥離を容易にすべく、光学フィルムFに求められる機能を損なわないようにドープの揮発性を変化させる処方検討に多大な時間をかける必要がなくなり、また、剥離を容易にするための設備(例えば特許文献4の冷却体)の追加も不要であり、設備追加によるコスト増加などの懸念もなくなる。
また、本実施形態の光学フィルムFの製造方法は、上記した支持体3を用いて光学フィルムFを製造する光学フィルムの製造方法であって、光学フィルムFを構成する樹脂および溶媒を含むドープを支持体3上に流延して流延膜(ウェブ5)を形成する工程(S2)と、流延膜を支持体3から剥離する工程(S3)と、剥離した流延膜を乾燥させて光学フィルムFを取得する工程(S5)とを含む。これにより、支持体3を長期間使用して支持体3の交換に要するコスト低減を図りながら、面品質が良好で、かつ、カールを低減した光学フィルムFを製造することができる。
〔支持体の他の構成〕
図6は、支持体3の他の構成を示す断面図である。同図に示すように、金属ベルト31上に形成される複数のライニング層32は、3層であってもよい。また、図示はしないが複数のライニング層32は、4層以上であってもよい。この場合でも、金属ベルト31の表面が複数層のライニング層32で覆われるため、金属ベルト31の表面に存在するピンホール等の転写に起因する光学フィルムFの面品質劣化を低減できる、支持体3のロングラン適性(連続生産適性)を向上させることができるなど、上述した本実施形態の効果と同様の効果を得ることができる。
図6は、支持体3の他の構成を示す断面図である。同図に示すように、金属ベルト31上に形成される複数のライニング層32は、3層であってもよい。また、図示はしないが複数のライニング層32は、4層以上であってもよい。この場合でも、金属ベルト31の表面が複数層のライニング層32で覆われるため、金属ベルト31の表面に存在するピンホール等の転写に起因する光学フィルムFの面品質劣化を低減できる、支持体3のロングラン適性(連続生産適性)を向上させることができるなど、上述した本実施形態の効果と同様の効果を得ることができる。
また、金属ベルト31側から、ライニング層32a、ライニング層32b、ライニング層32cの3層が設けられる場合、最表層のライニング層32cの表面粗さRaを3〜200nmとすることにより、剥離時に支持体3からウェブ5を剥離することが容易となり、残留溶媒量の管理が容易となるため、光学フィルムFのカールを容易に低減することが可能となる。
〔各ライニング層の硬度について〕
各ライニング層32は、上述したように、例えばガラス材料を用いたグラス加工によってそれぞれ形成される。このときの各ライニング層32の硬度は、ビッカース硬度で500以上700以下である。また、各ライニング層32がハードクロムメッキでそれぞれ構成される場合、各ライニング層32の硬度は、ビッカース硬度で500以上1200以下である。
各ライニング層32は、上述したように、例えばガラス材料を用いたグラス加工によってそれぞれ形成される。このときの各ライニング層32の硬度は、ビッカース硬度で500以上700以下である。また、各ライニング層32がハードクロムメッキでそれぞれ構成される場合、各ライニング層32の硬度は、ビッカース硬度で500以上1200以下である。
ここで、ビッカース硬度(「HV」と表記されることもある)とは、図7に示すように、圧子P(対面角136°のダイヤモンド正四角錐)に試験力F(N)を加えて、圧子Pを計測対象物OBに押し込み、圧子Pを取り除いた際にできる永久変形のくぼみの対角線長さd(mm)から接触面積S(mm2)を算出し、試験力Fを接触面積Sで割った値を指す。
本実施形態では、最表層のライニング層32の硬度は、最表層のライニング層32よりも金属ベルト31側に位置する少なくとも1層のライニング層32の硬度よりも高い。例えば、図3のように、金属ベルト31上にライニング層32を2層設ける構成では、最表層のライニング層32bの硬度は、金属ベルト31に最も近いライニング層32aの硬度よりも高い。
また、例えば、図6のように、金属ベルト31上にライニング層32を3層設ける構成では、最表層のライニング層32cの硬度は、両方のライニング層32a・32bの硬度よりも高くてもよいし、金属ベルト31に2番目に近いライニング層32bの硬度と同じで、金属ベルト31に最も近いライニング層32aの硬度よりも高くてもよい。また、最表層のライニング層32cの硬度が、両方のライニング層32a・32bの硬度よりも高い場合、金属ベルト31に2番目に近いライニング層32bの硬度は、金属ベルト31に最も近いライニング層32aの硬度よりも高くてもよいし、上記ライニング層32aの硬度と同じであってもよい。
このように、最表層のライニング層32(以下、外側のライニング層32とも称する)の硬度が、最表層のライニング層32よりも金属ベルト31側に位置する少なくとも1層のライニング層32(以下、内側のライニング層32とも称する)の硬度よりも高くなることで、内側のライニング層32が外側のライニング層32よりも相対的に軟らかくなる。これにより、金属ベルト31がロール3a・3bの外周面に沿って屈曲しても、その屈曲を内側のライニング層32で吸収し、上記ライニング層32を割れにくくすることができる。したがって、従来、困難であったライニング技術の金属ベルト31への適用が可能となり、金属ベルト31上にライニング層32を設けて、金属ベルト31の表面のピンホール等の転写に起因する光学フィルムFの面品質劣化を低減するなど、上述した効果を確実に得ることが可能となる。
特に、最表層のライニング層32の硬度が、金属ベルト31に最も近い(金属ベルト31と接する)ライニング層32の硬度よりも高い場合、金属ベルト31と接するライニング層32が相対的に軟らかいため、金属ベルト31の屈曲を、金属ベルト31と接するライニング層32で効率よく吸収することができる。その結果、上記ライニング層32およびその上層のライニング層32の割れを確実に低減することができる。よって、本実施形態のように、金属ベルト31上に複数のライニング層32を設ける構成を実現して、光学フィルムFの面品質劣化を低減するなど、上述した効果を確実に得ることが可能となる。
また、ハードクロムメッキ加工によってライニング層32を複数層形成する場合(複数層のライニング層32がハードクロムメッキで構成される場合)、最表層のライニング層32の硬度は、ビッカース硬度で500以上であり、SUSのビッカース硬度(200以下)よりも2倍以上高い。このため、最表層のライニング層32に外的要因によるキズが付きにくくなり、特に、支持体3の保守・点検において、ドープ被膜をウエスで拭き取る場合でも、最表層のライニング層32に拭き取りキズが付きにくくなる。また、上記ライニング層32により、溶媒による支持体3の表面の腐食も抑えられる。これにより、支持体3のロングラン適性を確実に向上させることができる。
〔グラスライニング特有の構成〕
金属ベルト31上に、グラス加工によってライニング層32を複数層形成する構成では、最表層のライニング層32の表面粗さRaが、30〜100nmであり、最表層のライニング層32の硬度が、ビッカース硬度で500以上700以下であり、複数層のライニング層32(ライニング層全体)の熱伝導率が、0.8〜1W/m・Kであることが望ましい。
金属ベルト31上に、グラス加工によってライニング層32を複数層形成する構成では、最表層のライニング層32の表面粗さRaが、30〜100nmであり、最表層のライニング層32の硬度が、ビッカース硬度で500以上700以下であり、複数層のライニング層32(ライニング層全体)の熱伝導率が、0.8〜1W/m・Kであることが望ましい。
最表層のライニング層32の表面粗さRaが上記範囲であることにより、金属ベルト31でウェブ5を直接支持する構成に比べて、支持体3に対するウェブ5の密着性を確実に低下させて、ウェブ5の剥離性を確実に向上させることができる。これにより、剥離のためのウェブ5の残留溶媒量の適切な管理が容易となり、剥離後のウェブ5および光学フィルムFのカールを容易に低減することが可能となる。
また、最表層のライニング層32の硬度が、ビッカース硬度で500以上700以下であり、SUSのビッカース硬度(200以下)よりも2倍以上高いため、ハードクロムメッキの場合と同様に、最表層のライニング層32に外的要因によるキズが付きにくく、保守・点検の際でも、ライニング層32にウエスによる拭き取りキズが付きにくくなり、溶媒による支持体3の表面の腐食も抑えられる。これにより、支持体3のロングラン適性を確実に向上させることができる。
さらに、複数層のライニング層32の熱伝導率は、0.8〜1W/m・Kであり、例えばSUS(熱伝導率;40W/m・K)よりも非常に小さい。これにより、ウェブ5の支持体3上での乾燥を抑制することができる。したがって、ドープ処方変更や、追加設備による外的な温度管理を行わなくても、剥離の際に残留溶媒量が過度に低下してしまうのを抑えることができる。その結果、ウェブ5の幅手端部が幅手中央部よりも乾燥が速く進行する影響で、ウェブ5(光学フィルムF)の端部にカールが生じるのを防止することができる。したがって、特に乾燥が容易に進行する薄膜の光学フィルムFでは、複数層のライニング層32の熱伝導率を上記のように設定する構成が非常に有効となる。
〔実施例〕
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<支持体の製造>
まず、ライニング層形成用組成物として、表1に示すガラス材料(組成物A〜C)を調製して準備した。また、ハードクロムメッキ加工用に、クロム溶液を用意した。
まず、ライニング層形成用組成物として、表1に示すガラス材料(組成物A〜C)を調製して準備した。また、ハードクロムメッキ加工用に、クロム溶液を用意した。
次に、表1で示した組成物A〜Cを用い、SUSからなる無端状の金属ベルト上に、各組成物を表2に示す組み合わせおよび塗布方法で塗布し、乾燥および焼成することで、金属ベルト上にライニング層を複数層(2層または3層)形成して、各支持体1〜6、8を作製した。このとき、各ライニング層の形成は、組成物の塗布、乾燥、焼成を複数回繰り返すことで行った。なお、各ライニング層の焼成温度は、表2に示す通りである。各ライニング層の形成において焼成を繰り返すことにより、各ライニング層の厚みが薄くても、実際の焼成負荷に耐えられる。
なお、ライニング層を2層形成する場合は、金属ベルトから1層目を「下層」とも称し、2層目を「上層」とも称する。また、ライニング層を3層形成する場合は、金属ベルトから1層目を「下層」とも称し、2層目を「中間層」とも称し、3層目を「上層」とも称する。ここでは、下層を厚みが約0.1mmとなるように形成し、上層を厚みが約0.4mmとなるように形成した。また、中間層を形成する場合は、中間層を厚みが約0.3mmとなるように形成した。
また、SUSからなる金属ベルトをクロム溶液に浸し、電気メッキ法により、金属ベルト上にライニング層を複数層形成し、表2に示す支持体7を作製した。なお、支持体7では、メッキ処理後の熱処理温度を異ならせることにより、下層と上層とで硬度を異ならせた。ここでは、下層の加熱温度を上層の加熱温度よりも上げることによって、下層の硬度を上層の硬度よりも低下させた。
また、比較のため、金属ベルト上にライニング層を形成していない支持体9を用意した。
<光学フィルムの作製>
〈微粒子分散液1〉
微粒子(アエロジル R812 日本アエロジル(株)製) 11質量部
エタノール 89質量部
以上をディゾルバーで50分間撹拌混合した後、マントンゴーリンで分散を行い、微粒子分散液1を調製した。
〈微粒子分散液1〉
微粒子(アエロジル R812 日本アエロジル(株)製) 11質量部
エタノール 89質量部
以上をディゾルバーで50分間撹拌混合した後、マントンゴーリンで分散を行い、微粒子分散液1を調製した。
〈微粒子添加液1〉
メチレンクロライドを入れた溶解タンクに十分撹拌しながら、微粒子分散液1をゆっくりと添加した。更に、二次粒子の粒径が所定の大きさとなるようにアトライターにて分散を行った。これを日本精線(株)製のファインメットNFで濾過し、微粒子添加液1を調製した。
メチレンクロライド 99質量部
微粒子分散液1 5質量部
メチレンクロライドを入れた溶解タンクに十分撹拌しながら、微粒子分散液1をゆっくりと添加した。更に、二次粒子の粒径が所定の大きさとなるようにアトライターにて分散を行った。これを日本精線(株)製のファインメットNFで濾過し、微粒子添加液1を調製した。
メチレンクロライド 99質量部
微粒子分散液1 5質量部
〈ドープの調製〉
次に、加圧溶解タンクにメチレンクロライドとエタノールを添加した。そして、溶剤の入った加圧溶解タンクに総アシル基置換度2.56のセルロースアセテートを撹拌しながら投入した。これを加熱し、撹拌しながら、完全に溶解し、これを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過し、主ドープを調製した。そして、以下のものを密閉されている溶解釜に投入し、撹拌しながら溶解してドープを調製した。
次に、加圧溶解タンクにメチレンクロライドとエタノールを添加した。そして、溶剤の入った加圧溶解タンクに総アシル基置換度2.56のセルロースアセテートを撹拌しながら投入した。これを加熱し、撹拌しながら、完全に溶解し、これを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過し、主ドープを調製した。そして、以下のものを密閉されている溶解釜に投入し、撹拌しながら溶解してドープを調製した。
《ドープの組成》
メチレンクロライド 365質量部
エタノール 50質量部
セルロースアシレート 100質量部
(セルロースアセテートプロピオネート、アセチル基置換度1.6、プロピオニル基置換度0.9、総アシル基置換度2.5、数平均分子量(Mn)6.4万)
微粒子添加液1 1質量部
メチレンクロライド 365質量部
エタノール 50質量部
セルロースアシレート 100質量部
(セルロースアセテートプロピオネート、アセチル基置換度1.6、プロピオニル基置換度0.9、総アシル基置換度2.5、数平均分子量(Mn)6.4万)
微粒子添加液1 1質量部
〈フィルムの製膜〉
支持体として、上記で作製した支持体1〜9を用い、順に、以下のようにして光学フィルムを製膜した。すなわち、支持体上にドープを流延させ、流延したドープによって形成されるウェブ中の残留溶媒量が45質量%になるまで支持体上で溶媒を蒸発させ、次いで剥離張力130N/mで、支持体上からウェブを剥離した。その後、剥離したウェブを、乾燥ゾーンを多数のローラで搬送させながら乾燥を終了させた。乾燥ゾーンの温度は125℃であり、乾燥時間は20分であった。乾燥後の残留溶媒量は3質量%以下であった。
支持体として、上記で作製した支持体1〜9を用い、順に、以下のようにして光学フィルムを製膜した。すなわち、支持体上にドープを流延させ、流延したドープによって形成されるウェブ中の残留溶媒量が45質量%になるまで支持体上で溶媒を蒸発させ、次いで剥離張力130N/mで、支持体上からウェブを剥離した。その後、剥離したウェブを、乾燥ゾーンを多数のローラで搬送させながら乾燥を終了させた。乾燥ゾーンの温度は125℃であり、乾燥時間は20分であった。乾燥後の残留溶媒量は3質量%以下であった。
次いで、テンターを用いて乾燥後のウェブを延伸もしくは端部保持し搬送した。テンターでの延伸温度は180℃であり、延伸後の残留溶媒量は0.1質量%であった。
<各パラメータの測定方法>
(硬度の測定)
金属ベルト上に下層(ライニング層)を形成した後、マイクロビッカース硬度計(HMV−Gシリーズ、島津製作所製)を用いて、下層のビッカース硬度を測定した。中間層および上層についても、上記と同様にして、中間層の形成後、および上層の形成後のそれぞれにおいて、上記硬度計を用いてビッカース硬度を測定した。また、支持体9については、金属ベルトのビッカース硬度を、上記硬度計を用いて測定した。
(硬度の測定)
金属ベルト上に下層(ライニング層)を形成した後、マイクロビッカース硬度計(HMV−Gシリーズ、島津製作所製)を用いて、下層のビッカース硬度を測定した。中間層および上層についても、上記と同様にして、中間層の形成後、および上層の形成後のそれぞれにおいて、上記硬度計を用いてビッカース硬度を測定した。また、支持体9については、金属ベルトのビッカース硬度を、上記硬度計を用いて測定した。
(熱伝導率の測定)
レーザーフラッシュ法を用いて、ライニング層全体(支持体1〜8)および金属ベルト(支持体9)の熱伝導率を測定した。ここで、レーザーフラッシュ法による熱伝導率の測定原理は、以下の通りである。
レーザーフラッシュ法を用いて、ライニング層全体(支持体1〜8)および金属ベルト(支持体9)の熱伝導率を測定した。ここで、レーザーフラッシュ法による熱伝導率の測定原理は、以下の通りである。
まず、パルスレーザー光を試料表面に照射し、温度上昇量θm(K)の逆数から比熱Cpを求める。このときの比熱Cp(kJ/kg・K)は、以下の式で表される。
Cp=Q/(M・θm)
なお、Qは、熱入量(パルス光エネルギー、単位kJ)を示し、Mは、試料の質量(kg)を示す。
Cp=Q/(M・θm)
なお、Qは、熱入量(パルス光エネルギー、単位kJ)を示し、Mは、試料の質量(kg)を示す。
次に、温度上昇量θmの1/2だけ温度が上昇するのに要する時間t1/2(s)から熱拡散率α(mm2/s)を求める。
α=0.1388d2/t1/2
なお、dは、試料の厚さ(mm)を示す。
α=0.1388d2/t1/2
なお、dは、試料の厚さ(mm)を示す。
熱伝導率λ(W/m・K)は、比熱Cp、熱拡散率α、試料の密度ρ(kg/m3)の積で表される。
λ=α・Cp・ρ
λ=α・Cp・ρ
(表面粗さRaの測定)
上層(支持体1〜8)および金属ベルト(支持体9)の表面粗さRaを、レーザー干渉計(光学計測機器Zygo、キャノン製)を用いて測定した。
上層(支持体1〜8)および金属ベルト(支持体9)の表面粗さRaを、レーザー干渉計(光学計測機器Zygo、キャノン製)を用いて測定した。
<評価方法>
(光学フィルムの面品質)
製造された光学フィルムのフィルム面を目視で観察して、支持体の金属ベルトに存在するピンホールおよび溶接線の転写キズがフィルム面に存在するか否かを判断し、以下の評価基準に基づいて、光学フィルムの面品質を評価した。
《評価基準》
○:フィルム面において、転写キズが全く観察されなかった。
×:フィルム面において、転写キズがかなり観察された。
(光学フィルムの面品質)
製造された光学フィルムのフィルム面を目視で観察して、支持体の金属ベルトに存在するピンホールおよび溶接線の転写キズがフィルム面に存在するか否かを判断し、以下の評価基準に基づいて、光学フィルムの面品質を評価した。
《評価基準》
○:フィルム面において、転写キズが全く観察されなかった。
×:フィルム面において、転写キズがかなり観察された。
(ロングラン適性(連続生産適性))
上層(支持体1〜8)および金属ベルト(支持体9)の表面を、ウエスで拭き清掃する前後で、ハンディタイプのLEDライト(トリトングリーン、NCC製)で照明して観察し、拭き清掃後のキズ(拭き取りキズ)の状態を調べた。そして、以下の評価基準に基づいて、ロングラン適性について評価した。
《評価基準》
○:支持体表面に拭き取りキズがほとんど観察されず、支持体の交換が不要である。
△:支持体表面に拭き取りキズが若干観察されたが、フィルムに転写しても品質にほとんど影響のない浅いキズであり、支持体の交換は不要である。
×:支持体表面に、フィルムに転写したときに品質劣化につながるほどの大きな拭き取りキズが観察され、支持体の交換が必要である。
上層(支持体1〜8)および金属ベルト(支持体9)の表面を、ウエスで拭き清掃する前後で、ハンディタイプのLEDライト(トリトングリーン、NCC製)で照明して観察し、拭き清掃後のキズ(拭き取りキズ)の状態を調べた。そして、以下の評価基準に基づいて、ロングラン適性について評価した。
《評価基準》
○:支持体表面に拭き取りキズがほとんど観察されず、支持体の交換が不要である。
△:支持体表面に拭き取りキズが若干観察されたが、フィルムに転写しても品質にほとんど影響のない浅いキズであり、支持体の交換は不要である。
×:支持体表面に、フィルムに転写したときに品質劣化につながるほどの大きな拭き取りキズが観察され、支持体の交換が必要である。
(カール)
製造された光学フィルムを平坦な面上に載置し、フィルムの幅手端部に金尺を当て、載置面からのフィルム幅手端部の浮き上がり量を金尺の目盛から読み取り、読み取った値をカール量とした。そして、以下の評価基準に基づいて、カールについて評価した。
《評価基準》
○:フィルム幅手端部にカールが発生しているが、その後のフィルムの搬送にほとんど影響しない僅かなカールであった。
△:フィルム幅手端部にカールが発生しているが、その後のフィルムの搬送に支障がない程度のカールであり、実用上問題はない。
×:フィルム幅手端部に、搬送停止につながるほどの大きなカールが発生していた。
製造された光学フィルムを平坦な面上に載置し、フィルムの幅手端部に金尺を当て、載置面からのフィルム幅手端部の浮き上がり量を金尺の目盛から読み取り、読み取った値をカール量とした。そして、以下の評価基準に基づいて、カールについて評価した。
《評価基準》
○:フィルム幅手端部にカールが発生しているが、その後のフィルムの搬送にほとんど影響しない僅かなカールであった。
△:フィルム幅手端部にカールが発生しているが、その後のフィルムの搬送に支障がない程度のカールであり、実用上問題はない。
×:フィルム幅手端部に、搬送停止につながるほどの大きなカールが発生していた。
表3に、各パラメータの測定結果および各支持体の評価の結果を示す。
表3より、支持体1〜7では、面品質、カール、ロングラン適性の評価が全て良好(○または△)である。これは、支持体1〜7では、金属ベルト上に、複数層のライニング層が位置していることから、光学フィルムの製膜時に、金属ベルトの表面に存在するピンホールおよび溶接線の形状のウェブへの転写が防止され、また、ライニング層の存在によって拭き取りキズが付きにくくなっているためと考えられる。さらに、最表層のライニング層(上層)の表面粗さRaが、3〜200nmの範囲内であるため、ウェブの剥離性が向上し、剥離のためのウェブの残留溶媒量の適切な管理(特に残留溶媒量を過度に低下させない調整)ができているためと考えられる。
特に、支持体2、4〜7では、最表層のライニング層(上層)の硬度がビッカース硬度で500以上であり、ライニング層がSUSの2倍以上に硬いため、拭き清掃による拭き取りキズが支持体表面(ライニング層表面)に付きにくくなり、この結果、支持体のロングラン適性がより向上していると考えられる。
また、支持体3〜6では、表面粗さRaが30〜100nmの範囲であり、支持体に対するウェブの剥離性が適度な範囲となるため(剥離が困難になりすぎず、容易になりすぎないため)、ウェブの残留溶媒量の適切な管理が確実に容易となり、この結果、フィルムの幅手端部のカールが良好に抑えられていると考えられる。
これに対して、支持体8では、金属ベルト上にライニング層が設けられているため、光学フィルムの面品質および支持体のロングラン適性は良好となっている。しかし、最表層のライニング層(上層)の表面粗さRaが200nmを超えており、支持体からのウェブの剥離が容易になりすぎるため、残留溶媒量の調整が却ってしにくくなり、この結果、フィルム端部にカールが生じていると考えられる。
また、支持体9では、面品質、ロングラン適性およびカールについての結果が全て不良(×)である。支持体9では、金属ベルト上にライニング層が設けられていないため、金属ベルトのピンホール等がウェブに転写されてしまい、また、拭き取りキズが金属ベルトの表面に直接付いてしまうことが考えられる。また、金属ベルトの表面粗さRaが1nmと小さく、ウェブが支持体に密着しやすいため、支持体上でウェブの残留溶媒量が過度に低下し、その結果、フィルムの幅手端部が乾燥しやすくなってカールが発生していると考えられる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で拡張または変更して実施することができる。
本発明は、例えば溶液流延製膜法による光学フィルムの製造装置に用いる支持体およびその支持体の製造と、その支持体を用いた光学フィルムの製造に利用可能である。
3 支持体
5 ウェブ(流延膜)
31 金属ベルト
32 ライニング層
32a ライニング層
32b ライニング層
32c ライニング層
F 光学フィルム
5 ウェブ(流延膜)
31 金属ベルト
32 ライニング層
32a ライニング層
32b ライニング層
32c ライニング層
F 光学フィルム
Claims (13)
- 光学フィルムを構成する樹脂および溶媒を含む流延ドープを支持しながら搬送する支持体の製造方法であって、
金属ベルト上にライニング層を複数層形成する工程を含み、
前記金属ベルトから最も離れた最表層のライニング層の表面粗さRaが、3〜200nmであることを特徴とする支持体の製造方法。 - 前記最表層のライニング層の硬度は、該最表層のライニング層よりも前記金属ベルト側に位置する少なくとも1層のライニング層の硬度よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の支持体の製造方法。
- 前記最表層のライニング層の硬度は、前記金属ベルトに最も近いライニング層の硬度よりも高いことを特徴とする請求項1または2に記載の支持体の製造方法。
- 前記最表層のライニング層の硬度は、ビッカース硬度で500以上であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の支持体の製造方法。
- 前記工程では、ハードクロムメッキ加工によって前記ライニング層を複数層形成することを特徴とする請求項4に記載の支持体の製造方法。
- 前記工程では、グラス加工によって前記ライニング層を複数層形成し、
前記最表層のライニング層の表面粗さRaが、30〜100nmであり、
前記最表層のライニング層の硬度が、ビッカース硬度で500以上700以下であり、
前記複数層のライニング層の熱伝導率が、0.8〜1W/m・Kであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の支持体の製造方法。 - 光学フィルムを構成する樹脂および溶媒を含む流延ドープを支持しながら搬送する支持体であって、
金属ベルトと、
前記金属ベルト上に位置する複数層のライニング層とを含み、
前記金属ベルトから最も離れた最表層のライニング層の表面粗さRaが、3〜200nmであることを特徴とする支持体。 - 前記最表層のライニング層の硬度は、該最表層のライニング層よりも前記金属ベルト側に位置する少なくとも1層のライニング層の硬度よりも高いことを特徴とする請求項7に記載の支持体。
- 前記最表層のライニング層の硬度は、前記金属ベルトに最も近いライニング層の硬度よりも高いことを特徴とする請求項7または8に記載の支持体。
- 前記最表層のライニング層の硬度は、ビッカース硬度で500以上であることを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載の支持体。
- 前記複数層のライニング層は、それぞれハードクロムメッキで構成されていることを特徴とする請求項10に記載の支持体。
- 前記複数層のライニング層は、それぞれガラス材料で構成されており、
前記最表層のライニング層の表面粗さRaが、30〜100nmであり、
前記最表層のライニング層の硬度が、ビッカース硬度で500以上700以下であり、
前記複数層のライニング層の熱伝導率が、0.8〜1W/m・Kであることを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載の支持体。 - 請求項7から12のいずれかに記載の支持体を用いて光学フィルムを製造する光学フィルムの製造方法であって、
前記光学フィルムを構成する樹脂および溶媒を含むドープを前記支持体上に流延して流延膜を形成する工程と、
前記流延膜を前記支持体から剥離する工程と、
剥離した前記流延膜を乾燥させて前記光学フィルムを取得する工程とを含むことを特徴とする光学フィルムの製造方法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018003375A JP2019123091A (ja) | 2018-01-12 | 2018-01-12 | 支持体、支持体の製造方法および光学フィルムの製造方法 |
KR1020180161651A KR20190086353A (ko) | 2018-01-12 | 2018-12-14 | 지지체, 지지체의 제조 방법 및 광학 필름의 제조 방법 |
CN201910014628.XA CN110027153A (zh) | 2018-01-12 | 2019-01-08 | 支承体、支承体的制造方法及光学膜的制造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018003375A JP2019123091A (ja) | 2018-01-12 | 2018-01-12 | 支持体、支持体の製造方法および光学フィルムの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019123091A true JP2019123091A (ja) | 2019-07-25 |
Family
ID=67235469
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018003375A Pending JP2019123091A (ja) | 2018-01-12 | 2018-01-12 | 支持体、支持体の製造方法および光学フィルムの製造方法 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019123091A (ja) |
KR (1) | KR20190086353A (ja) |
CN (1) | CN110027153A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110744764B (zh) * | 2019-10-15 | 2021-11-16 | 苏州工业职业技术学院 | 一种耐电晕聚酰亚胺薄膜制备方法、耐电晕聚酰亚胺薄膜及其制备系统 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20030185925A1 (en) * | 2002-03-29 | 2003-10-02 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | Cool-dissolving apparatus and heat-dissolving apparatus for producing polymer solution and products thereof |
US20080054514A1 (en) * | 2006-09-06 | 2008-03-06 | Fujifilm Corporation | Polymer film producing method and apparatus |
WO2013146459A1 (ja) * | 2012-03-30 | 2013-10-03 | 株式会社クラレ | ポリビニルアルコール系重合体フィルム |
JP2017213878A (ja) * | 2016-05-31 | 2017-12-07 | 日本合成化学工業株式会社 | ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法、ポリビニルアルコール系フィルム、および偏光膜 |
Family Cites Families (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0620931B2 (ja) | 1989-02-28 | 1994-03-23 | 川本工業株式会社 | 耐摩耗性の回動部材 |
JP4326860B2 (ja) | 2003-08-20 | 2009-09-09 | 株式会社神鋼環境ソリューション | グラスライニング反応槽 |
SE527179C2 (sv) * | 2003-12-05 | 2006-01-17 | Sandvik Intellectual Property | Tunnfilmssolcell eller tunnfilmsbatteri, innefattande en zirkoniumoxidbelagd bandprodukt av ferritiskt kromstål |
KR100730415B1 (ko) * | 2006-12-20 | 2007-06-19 | 제일모직주식회사 | 광학필름 제조장치 및 이를 이용한 광학필름 제조방법 |
JP2011183759A (ja) | 2010-03-11 | 2011-09-22 | Fujifilm Corp | セルロースアセテートフィルムとその製造方法、偏光板および液晶表示装置 |
KR20110136202A (ko) * | 2010-06-14 | 2011-12-21 | 주식회사 코텍 | 금속벨트 및 이의 제조방법 |
JP5960082B2 (ja) | 2013-03-15 | 2016-08-02 | 富士フイルム株式会社 | フィルムおよびフィルムの製造方法 |
JP6586787B2 (ja) * | 2015-06-18 | 2019-10-09 | コニカミノルタ株式会社 | 樹脂フィルムの製造方法 |
JP6898071B2 (ja) | 2015-10-15 | 2021-07-07 | 住友化学株式会社 | 光学フィルムの搬送方法及び偏光板の製造方法 |
-
2018
- 2018-01-12 JP JP2018003375A patent/JP2019123091A/ja active Pending
- 2018-12-14 KR KR1020180161651A patent/KR20190086353A/ko not_active Application Discontinuation
-
2019
- 2019-01-08 CN CN201910014628.XA patent/CN110027153A/zh active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20030185925A1 (en) * | 2002-03-29 | 2003-10-02 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | Cool-dissolving apparatus and heat-dissolving apparatus for producing polymer solution and products thereof |
US20080054514A1 (en) * | 2006-09-06 | 2008-03-06 | Fujifilm Corporation | Polymer film producing method and apparatus |
WO2013146459A1 (ja) * | 2012-03-30 | 2013-10-03 | 株式会社クラレ | ポリビニルアルコール系重合体フィルム |
JP2017213878A (ja) * | 2016-05-31 | 2017-12-07 | 日本合成化学工業株式会社 | ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法、ポリビニルアルコール系フィルム、および偏光膜 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
KR20190086353A (ko) | 2019-07-22 |
CN110027153A (zh) | 2019-07-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI666304B (zh) | 光學膜之製造方法 | |
KR102129628B1 (ko) | 널링 장치 및 방법 그리고 필름 롤 제조 방법 | |
TW201629541A (zh) | 相位差膜之製造方法及積層偏光板之製造方法 | |
KR20200110456A (ko) | 폴리비닐알코올계 중합체 필름 | |
US20150218035A1 (en) | Glass production method and glass production apparatus | |
TWI603830B (zh) | Optical film manufacturing method | |
JP2007152591A (ja) | 積層熱可塑性樹脂フィルムおよびフィルムロール | |
JP2011148202A (ja) | 偏光板離型用二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム | |
JP2019123091A (ja) | 支持体、支持体の製造方法および光学フィルムの製造方法 | |
TWI820032B (zh) | 薄膜 | |
EP0466921B2 (en) | Process for producing polyester film | |
WO2015174324A1 (ja) | ガラス搬送用搬送ロール及びそれを用いたガラス製造方法、並びにガラス製造装置 | |
JP2010254439A (ja) | フィルムロール | |
JP2012192546A (ja) | 樹脂フィルムロールおよびその製造方法 | |
WO2017029881A1 (ja) | ポリビニルアルコール系フィルム、およびそれを用いてなる偏光膜 | |
JP5621594B2 (ja) | 光学フィルムの製造方法、及び光学フィルム | |
TW201433594A (zh) | 延伸薄膜之製造方法 | |
JP6911336B2 (ja) | フィルムの製造方法 | |
JP2013237256A (ja) | 熱可塑性樹脂フィルム | |
JP2008080552A (ja) | 光学フィルムの製造装置 | |
WO2019123979A1 (ja) | 二軸配向積層フィルム | |
JP4821155B2 (ja) | 積層熱可塑性樹脂フィルムの製造方法 | |
JP6521713B2 (ja) | 光学フィルムの製造方法及びロール装置 | |
TW202415535A (zh) | 乾膜阻劑支持體用雙軸配向聚酯薄膜 | |
JP7338359B2 (ja) | 光学用ポリエステルフィルムロール |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200928 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20210715 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210727 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20220201 |