JP4763659B2 - 太陽電池パネルを設置した瓦葺き屋根における瓦補強構造 - Google Patents

太陽電池パネルを設置した瓦葺き屋根における瓦補強構造 Download PDF

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Description

本発明は、特に積雪地域において使用される太陽電池パネルを設置した瓦葺き屋根における瓦補強構造に関する。
従来、太陽電池パネルは、特許文献1に開示される様に、各パイプを格子状に組み付けた架台に取付けられ、該架台を屋根上に点在した架台支持具で支持している。
この架台支持具は、金属帯板を所定形状に屈曲形成して成る本体の基端部側を、屋根の流れ方向前後の屋根瓦間に挿入し、基端部を後方の屋根瓦の下部に固定し、先端部に架台の固定手段を設けた本体の先端側を前方の屋根瓦上に配置している。
そして、本体の先端側と屋根瓦との当接箇所には緩衝材を介装することにより、太陽電池パネルを取付けた架台の重量を分散・吸収し、架台支持具を設置している前方の屋根瓦の破損を防止している。
特開平11−124971号公報
しかしながら、上記の太陽電池パネルの設置構造体は、積雪地域での使用を想定していないため、例え屋根瓦と架台支持具間に緩衝材を介装していても、架台支持具を設置している屋根瓦は、その下部に空間を有しているので、太陽電池パネル上面に積雪した状態で架台支持具に、太陽電池パネルと架台以上の荷重が加わると、屋根瓦を充分に支えることができず、屋根瓦は破損し、雨漏りの発生や、太陽電池パネルを安定した状態で屋根上に設置できない危険を招来している。
そこで本発明では、架台支持具を設置した屋根瓦が大重量にも耐えられる様にした瓦補強構造を提供することを目的としている。
上記課題に鑑み、本発明は、裏面に所定数条のリブを有する平板状の屋根瓦であって、屋根の流れ方向前後の屋根瓦間に挿入され、且つ後方の屋根瓦の葺設面上に基端を固定し、太陽電池パネル取付架台の固定手段を先端上方に設けた架台支持具における先端側が上面後方に設置される前方の屋根瓦と、該前方の屋根瓦の葺設面との間において、屋根瓦の後端を載上支持する桟木の前端から屋根瓦前方の屋根瓦後端近傍へ至る長さで、屋根瓦の左右側に夫々設けた帯板状のアンダーラップ部とオーバラップ部の間の全域に及ぶ幅の範囲に対応する空隙には、リブ下端面と前記葺設面との間に、上面が屋根瓦の裏面形状に対応した平坦状に形成されると共に、屋根瓦を葺設した時の勾配に沿う様に傾斜して成る空隙形状に合致した柔軟で緩衝性を有する定型の第一補強材を介装し、リブにより前記屋根瓦裏面に形成される各凹溝に、所定肉厚及び所定幅を有すると共に、上面を接着面と成した帯板にして、且つ幅員調整のための裁断を可能と成した柔軟で緩衝性を有する定型の第二補強材を所定枚数用いて合致する様に充填したことを特徴とする。
更に、前方の屋根瓦の後端と、該後端を載上支持する桟木との間に有する間隙に柔軟で緩衝性を有する後端補強材を介装したことを特徴としている。
要するに請求項1に係る発明によれば、架台支持具における先端側が上面後方に設置される裏面にリブを有する平板状の屋根瓦と、その葺設面との間において、屋根瓦の後端を載上支持する桟木の前端から屋根瓦前方の屋根瓦後端近傍へ至る長さで、屋根瓦の左右側に夫々設けた帯板状のアンダーラップ部とオーバラップ部の間の全域に及ぶ幅の範囲に対応する空隙には、リブ下端面と前記葺設面との間には、上面が屋根瓦の裏面形状に対応した平坦状に形成されると共に、屋根瓦を葺設した時の勾配に沿う様に傾斜して成る空隙形状に合致した柔軟で緩衝性を有する定型の第一補強材を介装し、リブにより前記屋根瓦裏面に形成される各凹溝に、所定肉厚及び所定幅を有すると共に、上面を接着面と成した帯板にして、且つ幅員調整のための裁断を可能と成した柔軟で緩衝性を有する定型の第二補強材を所定枚数用いて合致する様に充填したので、リブの高さ及び形成本数等に応じて多種多様な凹溝を裏面に有する平板瓦に対して一形態の第二補強材を複数枚と、一形態の第一補強材を備えるだけで、かかる第一、第二補強材を平板瓦とその葺設面間の空隙形状に簡単に合致させることができ、よって架台支持具を介して屋根瓦が受承する荷重をその下部の補強材が分散・吸収し、前記屋根瓦上の架台支持具の設置箇所及びその周囲に前記荷重が集中するのを阻止できると共に、屋根瓦の裏面形状に対応した補強材を多数種用意する必要がなく便利である。
この様に、架台支持具を設置している屋根瓦は、その下部に空間ではなく、荷重を分散・吸収する補強材を配してその屋根瓦を安定的に支持しているので、太陽電池パネル上に大量の雪が積もって架台支持具に通常以上の荷重が加わっても前記屋根瓦が破損することはなく、豪雪地域での使用にも耐えられる太陽電池パネルの危険の無い安全な設置が可能となる。
請求項2に係る発明では、屋根瓦の後端と、該後端を載上支持する桟木との間に有する間隙に柔軟で緩衝性を有する後端補強材を介装したので、架台支持具と桟木との間に挟持状態にある屋根瓦の後端が架台支持具を介して屋根瓦が受承する荷重によって桟木に沿って前後に割裂することを防止できる等その実用的効果甚だ大である。
以下本発明の実施の形態としての実施例を図面に基づいて説明する。
図1は和瓦葺設屋根に設置する太陽電池パネルとその取付架台の分解斜視図、図2は太陽電池パネルと架台との取付け状態を示す一部破断斜視図、図3は和瓦葺設屋根における太陽電地パネルの設置状態を示す断面図である。
図に示す太陽電池パネル1は、方形板状の太陽電池本体2を方形枠状のフレーム3で囲繞して成り、該フレーム3の前端部4及び後端部5の夫々を屋根Rの軒側及び棟側に対応させて架台に設置される。
又、太陽電池パネル1のフレーム3の前端部4及び後端部5の下縁の夫々には、前方及び後方へ突出したL型フランジ6、7(以下、前フランジ6、後フランジ7と称する。)を設けている。
架台は、屋根R上に縦横に点在配置した架台支持具8に取付けられる複数本の縦杆材9から構成される。
架台支持具8は、金属帯板を所定形状に屈曲形成したものにして、その基端側が屋根Rの流れ方向Y前後の屋根瓦T、T1間に挿入され、且つ後方の屋根瓦T1の葺設面F上(図示例では、葺設面F上に固定した補助板S)に基端8aをビス止め固定し、先端側を鉤状に屈曲して設けた先端上方面を縦杆材9が載置される支持部8bと成すと共に、該支持部8b中央に設けた長孔に縦杆材9を固定する支持ボルト8cを下方より上方へ貫通突出して架台の固定手段10と成している。
又、架台支持具8の略中間部は、屋根瓦Tの後端に上方突設した水返しを跨ぐ様に山状に屈曲した段部8dを設けると共に、該段部8dの前傾面にはその幅方向に渡って防水性及び可撓性を有する合成樹脂製で略角柱状の水返し8eを突設し、先端側裏面には、緩衝性を有する接着層8fを設け、該接着層8fを介して先端側が屋根瓦T上面に接着された状態で設置される。
架台支持具8における先端側が上面後方に設置される前方の屋根瓦Tと、その葺設面Fとの間において、屋根瓦T上面における架台支持具8の設置箇所とその周辺を含む所定範囲に対応する空隙には、その空隙形状に合致した補強材11を圧縮装填している。
補強材11は、難然性のポリスチレンフォーム、ウレタンフォーム等の柔軟で緩衝性を有する素材にて形成されている。
又、架台支持具8は、和瓦(S字瓦を含む)では、その谷部の中心線上に架台支持具8の中心線が一致する様に設置されるので、かかる設置箇所を中心とした屋根瓦Tの下部に補強材11の設置範囲(上記所定範囲に相当)が適宜に設定される。
図4に示す補強材11の設置例では、補強材11は前後方向には屋根瓦Tの後端を載上支持する桟木Mの前端から屋根瓦T前方の屋根瓦T0後端近傍へ至る長さを有し、幅方向では屋根瓦Tの谷部全域に渡る長さを有し、かかる設置範囲において補強材11の上面11a は屋根瓦Tの裏面形状に対応した湾曲状に形成されると共に、屋根瓦T0、T、T1…を葺設した時の勾配に沿う様に傾斜させている(図5参照)。
尚、補強材11は、上記空隙形状の高さよりも若干高く設定しており、屋根瓦Tが受ける荷重によって、補強材11の上面11aが屋根瓦Tの裏面に形成される軽微な凹凸形状に合致する共に、補強材11全体が上記空隙形状に合致して圧縮変形した状態で屋根瓦Tが受ける荷重を分散・吸収する。
又、和瓦は細部において各種特異な形状を有するが、いずれのものも谷部の湾曲の曲率はほぼ同じであり、又S字瓦にあっても山部の曲率は和瓦のそれと大きく異なるが谷部の曲率は和瓦とほぼ同じであると共に、各種和瓦において例え谷部の曲率に若干の差を有していても補強材11は屋根瓦T下部で上記の如く変形し、その裏面形状に対応するので、補強材11は図5に示す定型のもの使用している。
又、補強材11は、上記の如く屋根瓦Tが受ける荷重を分散・吸収することで屋根瓦Tの破損を防止できれば、補強材11の設置範囲は、図4に示す設置例に限定されず、例えば設置範囲の前端を図4中一点鎖線で示す様に架台支持具8先端近傍として前後範囲を短く設定しても良いが、施工者が間違いなく屋根瓦T下部に補強材11を適正に設置できる様に図4の如く大きく設定するのが望ましい。
このため、補強材11は、その設置状態で棟側に配置される上面後部の片隅に、施工者が補強材11の前後を誤認しない様に目印11bを刻印している。
そして、屋根R上に設置する太陽電池パネル1の使用数に応じて屋根R上の縦横に適宜間隔を以て葺設された屋根瓦Tの夫々に上記の如く補強材11及び架台支持具8を取付け、屋根R上の縦横に架台支持具8の支持部8bを点在させる。
縦杆材9は、断面略C形のリップ溝形鋼から成り、そのリップ溝の開放側を底部12とし、太陽電池パネル1のパネル載置面13と成る上面の中心線上の適所には所定長さを有するスリット14を所定間隔を置いて複数設けている。
上記パネル載置面13においては、上記スリット14の他にその長手方向に所定間隔を置いて太陽電池パネル1の前フランジ6を掛止する左右一対の突片15と、該突片15間の略中央に設けたネジ穴16を設けている。
突片15は、縦杆材9の幅方向左右の夫々に所定間隔を置いて略台形状に切り起こし形成された板片であり、その後端は略鉤状に形成され、前フランジ6先端の起立片6bを掛止する様に成している。
そして、上記構成の縦杆材9を屋根Rの流れ方向Yに並ぶ支持部8bの各列郡上に配置する。
即ち、縦杆材9の底部(リップ)12を支持部8b上に載置すると共に、支持ボルト8cを下方よりスリット14へ挿通し、該スリット14に沿って縦杆材9をその長手方向(屋根Rの流れ方向Yに相当)へスライドして位置決めし、スリット14より上方突出した支持ボルト8cの突端に座金を挿通してナット17を締結する。
これにより、屋根R上に固定した架台支持具8を介して縦杆材9が屋根Rの桁行方向Xで平行に配置された架台が構成される。
尚、上記の様に縦杆材9をその長手方向にスライドすることにより、桁行方向Xで隣接する各縦杆材9の突片15同士が流れ方向Yで平行な任意の軸線上に位置する様に成している。
上記架台にあっては、左右の突片15間に配置され、前フランジ6及び後フランジ7の夫々を個別に、或いは、屋根Rの流れ方向Yで隣接する前後フランジ6、7を共に、縦杆材9に押圧固定する固定具18を設けている。
固定具18は、帯状金属板を逆凹型に屈曲形成した押圧体19と、該押圧体19を縦杆材9に対し押圧保持する様に縦杆材9に締結固定するボルト20とから成る。
押圧体19は、その上面中央にボルト20が上方から挿通される挿通穴19aを設け、該挿通穴19aに挿通されたボルト20をパネル載置面13のネジ穴16に螺着し、これにより押圧体19において上面の前後側縁に垂設した抑え片21の夫々が、前後フランジ6、7の平坦部6a、7aを押圧保持し、太陽電池パネル1が架台(縦杆材9)上に固定される。
尚、太陽電池パネル1及びその取付架台は、架台支持具8に固定されるものであれば、上記構成に何ら限定されない。
上記では、和瓦葺設屋根Rに太陽電池パネル1を設置するための架台(縦杆材9)及び架台支持具8と共に、該架台支持具8を設置する屋根瓦T下部に補強材11を配設した瓦補強構造を説明したが、次に平板状の屋根瓦(以下、平板瓦とも称する。)における瓦補強構造を詳述する。
この瓦補強構造にあっては、平板瓦はその形態が和瓦と大きく異なることと、和瓦の様に筋葺きでなく千鳥葺きのため、補強材11の設置範囲とその形状が変更されるが、基本的な構成は上記と同一のため、上記と同一又は相当部分には同じ符号を図中に付し、説明を省略する。
架台支持具8は、平板瓦では、左右側に夫々設けた帯板状のアンダーラップ部Taとオーバーラップ部Tbの間の平坦な上面に設置されるので、補強材11の設置範囲は、図6に示す様に幅方向ではアンダーラップ部Taとオーバーラップ部Tb間のほぼ全域に及ぶ長さを有し、前後方向には、上記と同様に屋根瓦Tの後端を載上支持する桟木Mの前端から屋根瓦T前方の屋根瓦T0後端近傍へ至る長さを有しており、かかる設置範囲において補強材11の上面11aは屋根瓦Tの裏面形状に対応した平坦状に形成されると共に、屋根瓦T0、T、T1…を葺設した時の勾配に沿う様に傾斜させている(図7参照)。
尚、補強材11は、上記と同様に図7に示した定型のものを使用し、その高さは、上記と同様に、空隙形状の高さよりも若干高く設定し、屋根瓦Tが受ける荷重によって、補強材11の上面11a が屋根瓦T裏面に形成される軽微な凹凸形状に合致する共に、補強材11全体が上記空隙形状に合致して圧縮変形した状態で屋根瓦Tが受ける荷重を分散・吸収する。
又、補強材11の設置範囲は、図6に示す設置例に限定されず、上記の如く屋根瓦Tが受ける荷重を分散・吸収することで屋根瓦Tの破損を防止できれば良いので、例えば設置範囲の前端を図6中一点鎖線で示す様に架台支持具8先端近傍として前後範囲を短く設定しても良いが、施工者が間違いなく屋根瓦T下部に補強材11を適正に設置できる様に図6の如く大きく設定するのが望ましい。
又、上記では裏面が平坦な平板瓦Tとその葺設面Fとの間に、その空隙形状に合致した補強材11を圧縮介装した瓦補強構造について述べたが、平板瓦では、裏面にその前方から後方へ渡って突出したリブTrを所定数条形成したものがあるので、この場合には、上記補強材11(裏面にリブTrを有する平板瓦に使用する場合に第一補強材11と称する。)と共に、第一補強材11と同一素材から成る定型の第二補強材22を使用する。
ここに、第一補強材11は、リブTr下端面と屋根瓦Tの葺設面Fとの間に、その空隙形状に合致して介装される。
又、第二補強材22は、所定肉厚及び所定幅を有すると共に、上面に接着層22aを配して接着面と成した定型の帯板に形成され、その材質特性により簡単に幅員調整のための裁断を可能としており、かかる定型の第二補強材22を所定枚数用いてリブTrにより屋根瓦Tの裏面に形成される各凹溝Tdに合致する様に充填する。
第一補強材11も定型であるが、裏面にリブTrが形成された平板瓦は、そのリブTrの形成本数と高さ及び隣接するリブTr同士間の間隔が異なるので、一形態の第二補強材22を所定枚数用いることにより、多種多様な平板瓦の裏面形状に対応可能と成している。
図8、9には、第二補強材22の凹溝Td内への充填例を示す。
図に示す平板瓦Tは、第二補強材22の肉厚の2倍弱の高さを有する3条のリブTrが形成され、該リブTrにより3本の凹溝Tdが平板瓦T裏面に構成されており、左右の凹溝Tdの幅は同一で、中央の凹溝Tdは左右の凹溝Tdより幅広にして第二補強材22の2倍の幅を有している。
従って、中央の凹溝Td内には2枚重ねの第二補強材22を並設し、左右の凹溝Td内には、左側に2枚重ねした未裁断の第二補強材22と右側に幅員調整のため裁断された2枚重ねの第二補強材22を並設して各凹溝Td内に複数枚の第二補強材22を充填している。
尚、第二補強材22は、凹溝Td内への接着状態でリブTrより高くなる枚数を重ね合わせるが、太陽電池パネル1を設置した状態において架台支持具8を介して屋根瓦Tが受ける荷重によりリブTr下端面と葺設面Fとの間に介装された第一補強材11と共に、屋根瓦T下部の空隙に合致する様に圧縮される。
上記の補強材11、22は、屋根瓦(和瓦、S字瓦、平板瓦)Tとその葺設面Fとの間において、その空隙形状に合致したものを示したが、屋根瓦Tにおいてはその後端を葺設面F上に設置した桟木Mに載上支持されるものであり、桟木Mと屋根瓦Tの間にも比較的狭小な間隙を有するので、該間隙に後端補強材23を介装するのが望ましい(図10参照)。
後端補強材23は、上記補強材11、22と同一材質にて帯板状に形成され、下面に桟木Mとの接着面(図示せず)を有している。
後端補強材23は、陶磁製の屋根瓦では高い強度を有するため、必ずしも使用する必要はないが、陶磁製瓦よりも一般に強度の低いセメント製瓦では、架台支持具8と桟木Mとの間に挟持状態にある屋根瓦Tの後端が、架台支持具8を介して屋根瓦Tが受承する荷重により、桟木Mに沿って前後に割裂する傾向にあるため、上記補強材11、22と共に必ず設置する必要があり、その設置例を図6において桟木M上に一点鎖線で示す。
次に本発明に係る瓦葺き屋根における瓦補強構造の作用について説明する。
上記の様に瓦葺き屋根R上に太陽電池パネル1が架台及び架台支持具8によって設置された状態では、補強材11、22は、架台支持具8を介して屋根瓦Tが受ける荷重により圧縮され、これにより屋根瓦Tと葺設面Fとの間に生ずる空隙に合致すると共に、屋根瓦Tが受ける荷重をその下部の補強材11、22が分散・吸収し、その荷重が屋根瓦T上における架台支持具8の設置箇所及びその周囲に集中するのを阻止している。
又、補強材11、22と共に後端補強材23を使用した場合では、後端補強材23が架台支持具8と桟木Mとの間の間隙に合致して桟木M上の屋根瓦T後端を緩衝するため、架台支持具8と桟木Mとの間に挟持状態にある屋根瓦Tの後端が架台支持具8を介して受承する荷重を補強材11、22と共に分散・吸収して桟木Mに沿って前後に割裂することを防止する。
この様に、架台支持具8を設置している屋根瓦Tは、その下部に空間ではなく、荷重を分散・吸収する補強材11、22、23を配して屋根瓦Tを安定的に支持しているので、太陽電池パネル1上に大量の雪が積もって架台支持具8に通常以上の荷重が加わっても屋根瓦Tが破損することはない。
又、補強材11、22、23は、屋根瓦T下部に配設されて外部に露出していないので、環境の影響を受けることが少ないため、これによる風化や劣化を生じ難く恒久的な使用が可能である。
和瓦葺設屋根に設置する太陽電池パネルとその取付架台の分解斜視図である。 太陽電池パネルと架台との取付け状態を示す一部破断斜視図である。 和瓦葺設屋根における太陽電地パネルの設置状態を示す断面図である。 補強材の設置例を示す平面図である。 補強材の斜視図である。 平板瓦における補強材の設置例を示す平面図である。 同上補強材の斜視図である。 第二補強材の設置例を示す平板瓦の裏面図である。 図8のA−A断面図である。 平板瓦葺設屋根における太陽電地パネルの設置状態を示す断面図である。
符号の説明
8 架台支持具
8a 基端
10 固定手段
11 (第一)補強材
22 第二補強材
23 後端補強材
F 葺設面
M 桟木
R 屋根
T、T1 屋根瓦
Td 凹溝
Tr リブ
Y 流れ方向

Claims (2)

  1. 裏面に所定数条のリブを有する平板状の屋根瓦であって、屋根の流れ方向前後の屋根瓦間に挿入され、且つ後方の屋根瓦の葺設面上に基端を固定し、太陽電池パネル取付架台の固定手段を先端上方に設けた架台支持具における先端側が上面後方に設置される前方の屋根瓦と、該前方の屋根瓦の葺設面との間において、屋根瓦の後端を載上支持する桟木の前端から屋根瓦前方の屋根瓦後端近傍へ至る長さで、屋根瓦の左右側に夫々設けた帯板状のアンダーラップ部とオーバラップ部の間の全域に及ぶ幅の範囲に対応する空隙には、リブ下端面と前記葺設面との間に、上面が屋根瓦の裏面形状に対応した平坦状に形成されると共に、屋根瓦を葺設した時の勾配に沿う様に傾斜して成る空隙形状に合致した柔軟で緩衝性を有する定型の第一補強材を介装し、リブにより前記屋根瓦裏面に形成される各凹溝に、所定肉厚及び所定幅を有すると共に、上面を接着面と成した帯板にして、且つ幅員調整のための裁断を可能と成した柔軟で緩衝性を有する定型の第二補強材を所定枚数用いて合致する様に充填したことを特徴とする太陽電池パネルを設置した瓦葺き屋根における瓦補強構造。
  2. 前方の屋根瓦の後端と、該後端を載上支持する桟木との間に有する間隙に柔軟で緩衝性を有する後端補強材を介装したことを特徴とする請求項1記載の太陽電池パネルを設置した瓦葺き屋根における瓦補強構造。
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