JP5943322B2 - 太陽電池モジュールの固定構造、および太陽光発電システム - Google Patents
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Description
そこで、本発明は、作業性に優れ、適切に太陽電池モジュールを屋根に固定することが可能な太陽電池モジュールの固定構造などを提供することを課題とする。
具体的な構成は、後記する発明の実施の形態にて詳細に説明する。
このうち、(1)中間の4つのモジュール固定金具上5uは、中間の横レール3に固定され、軒側に位置する太陽電池モジュールMの棟側の端部と棟側に位置する別の太陽電池モジュールMの軒側の端部の両方を押さえ付けて、これらを横レール3に固定している。(2)また、軒側の4つのモジュール固定金具上5uは、軒側の横レール3に固定され、軒側に位置して外観を良くするためなどの役割を有する横レール軒側化粧カバーCの端部と納期側に位置する太陽電池モジュールMの軒側の端部の両方を押さえ付けて、これら(符号Cと符号3)を横レール3に固定している。さらに、棟側の4つのモジュール固定金具上5uは、棟側の横レール3に固定され棟側の太陽電池モジュールMの軒側の端部を押さえ付けて、横レール3に固定している。
図2は、本発明の実施形態に係る太陽電池モジュールの固定構造における、縦レールと、横レール固定金具下の構成を示す斜視図である。
図2の左下側に示すように、縦レール2は、溝2dと内部空間2iとを有するCチャンネル形状の短尺の部材であり、縦レール固定ボルトB2により、屋根の勾配に沿って上り勾配となるように(逆にいえば下り勾配となるように)に屋根に固定される。ちなみに、図2の縦レール2は、スレート葺の屋根に適用されるものである。和瓦用には、長さがもっとある長尺の縦レールが使用される。
なお、横レール3が太陽電池モジュールMの1枚分の長さしかない場合は、短い横レール3同士を図示しない継手で連結して長くすると共に、連結部分の近傍の下に縦レール2を設置するものとする。この点は、例えば、図1の横側に、さらに太陽電池モジュールMを並べる場合も同様である。ただし、これらの点は発明の本質ではないので、適宜、支障がないように実施されるものとする。
なお、「金具」が金属製に限定されないのは自明である(以下同じ)。ちなみに、横レール固定金具下4dは、縦レール2を補強する役割を有するが、この目的をより確実に達成するため縦レール2よりも肉厚にされている。このようにすることで、縦レール2をより薄肉化することができる。
図3に示すように、横レール3は、起立部31、第1の下側支持部32、第1の溝部33、第2の下側支持部34、第2の溝部35、長孔36を有した長尺の部材である。図3と図4を併せて参照して説明すると、起立部31と第1の下側支持部32との間に第1の溝部3が位置している。起立部31の軒側には第2の下側支持部34が位置している。第1の下側支持部32と第2の下側支持部34は頂部が平らな面とされており、その面の上に、それぞれ、太陽電池モジュールの端部を下側から支持する役割を有する。なお、各下側支持部32、34の頂部の高さ(縦レール2の上面を基準とした高さ)は同じとされている。また、第2の下側支持部34の下方には、第2の溝35が形成されている。
なお、図7では突起Tは示しているがリブ5u5は省略している。ちなみに、リブ5u5は、前記したリブ4u2と同様、太陽電池モジュールMの装着作業に支障がない大きさとなっている。突起Tは、先端がとがっており、太陽電池モジュールMの端面Meに食い込んで、アースをする役割を有する。
これは、前記のとおり、第1の抑え部5u1の先端部が上方を向いていなことから、第1の抑え部5u1の先端部が第1の下側支持部32の上部に到達し又は覆いかぶさるような構成であると、太陽電池モジュールMの装着作業が困難になる。この解決策として第1の抑え部5u1の高さを高くすることも考えられるが、それでは、太陽電池モジュールMの上面Mtを確実に押さえ付けることができない。そこで、第1の抑え部5u1の長さを第1の溝の途中までで終わる寸法とし(換言すれば第1の溝部33の幅を広くし)、装着が容易であり、かつ、確実に固定できる構成とした。
以下、前記説明した各部材を用いて太陽電池モジュールMを設置する作業の一例を説明する(適宜図1〜図6を参照)。設置後の太陽電池モジュールは、太陽光発電システムに適用され、安定的に発電できる。
(s1)縦レール2の設置
(s2)軒側の横レール3の設置
(s3)中間の横レール3と棟側の横レール3の仮設置
(s4)軒側の太陽電池モジュールMの設置
(s5)中間の横レール3の固定
(s6)棟側の太陽電池モジュールMの設置
(s7)棟側の横レール3の固定(棟側の太陽電池モジュールMの固定)
図1の例では、屋根の6か所に、縦レール2を、縦レール固定ボルトB2を用いて固定する。設置場所は、軒側に縦レール2が平行になるように2つ、棟側も、その中間も同じである。縦レール2同士の幅は、横レール3が架設できる寸法とされる。
棟側に設置された2本の平行な縦レール2の上に、1本の横レール3を架設する。横レール3は軒に平行になるように、横レール固定金具上4uと同下4dにより固定される。固定の仕方については、まず、図2に示されるように行縦レール2の内部空間2iに横レール固定金具下4dの第1の部分4d1を嵌め込む。このとき、第1の部分4d1は、溝2sがあるので、縦レール2の上面に露出している。つぎに、図3に示すように、その上に横レール3を載置し、横レール固定金具上4uと横レール固定ボルトM4とで、横レール3を固定する。ちなみに、横レール固定ボルトB4を強く締め付けていない状態では、横レール3を、溝2sの範囲内で上下(軒側棟側)に移動させて、また、長孔36の範囲内で左右に移動させて、位置を調整することができる。
位置が決まれば、横レール固定ボルトB4を強く締めつけて軒側の縦レール2に軒側の横レール3を固定(架設)する。締め付けに際しては、横レール固定金具下4dの第1の部分4d1が縦レール2の内部空間2i内にあるので、横レール固定金具下4dが横レール固定ボルトB4と友廻りすることはない。
次に、中間の横レール3と棟側の横レール3を、棟側の横レール3を設置したときと同様に仮設置する。ちなみに、仮設置(仮置き)であるので、目測や感に頼って作業することができる。ここで、仮設置する中間の横レール3と固定済みの軒側の横レール3との間は、太陽電池モジュールMが収まる程度の間隔である。また、中間の横レール3と棟側の横レール3との間も、太陽電池モジュールMが収まる程度の間隔である。
なお、中間と棟側の横レール3の固定に用いる横レール固定ボルトB4は、仮設置であるので、軽く締める程度で、強く締めつけないでおくのがよい。つまり、手で横レール3の上下左右の位置の調整ができ、自重では横レール3が動かない程度にしておくのがよい。
続いて、軒側の太陽電池モジュールMを、固定済みの軒側の横レール3と仮設置の中間の横レール3の間に設置する。この作業においては、軒側の横レール3に、図5や図6に示すように、モジュール固定金具上5uを設置する。ちなみに、図5と図6は、中間の横レール3を示すものであり、軒側の横レール3の場合、軒側の太陽電池モジュールMは存在しない。
図1の例では、モジュール固定金具5uは1本の横レール3に対して4つ設置される。
なお、図7の各図では、第1の溝部33に存在しているモジュール固定金具固定ボルトBMの記載は省略している。また、図5や図6に示されるリブ5u5も省略している(一方、突起Tは省略していない)。
なお、特許文献1の場合、そのように下端Mmが落ち込む隙間(空間)は存在しない。この違いが、第1の抑え部5u1の先端側の形状の違いに現れている。
次に、仮設置状態にある中間の横レール3を固定する。前記s4が終わった状態では、前記のとおり、横レール3の第2の下側支持部34の上に太陽電池モジュールMの軒側の端部が載置されている。しかし、中間の横レール3は仮設置であるので、第2の下側支持部34の上に正しく載置されていない可能性がある。つまり、仮設置の中間の横レール3が斜めになっていたり、固定済みの軒側の横レール3との間の間隔が広すぎたり狭すぎたりする場合がある。このs5では、中間の横レール3を太陽電池モジュールMの棟側の端部に沿うように位置調整し、横レール固定ボルトB4を締め付けて中間の横レール3を固定する。
なお、前記のs3での中間の横レール3の仮設置は、図5の例のように、太陽電池モジュールMから離れていてもよいが、横レール3の第2の下側支持部34の上に概ね正しく太陽電池モジュールMの棟側の端部が載置されるようにしておくのがよい。
中間の横レール3の固定が終了すると、この横レール3にモジュール固定金具5uを設置する。この設置は、横モジュール固定金具上4uと干渉しない位置を選んで行う。この点は、軒側の横レール3に横モジュール固定金具上5uを設置したのと同じであるので、重複した説明を避けるが、中間の横レール3にモジュール固定金具上5uを設置すると、第2の抑え部5u2で、軒側の太陽電池モジュールMの棟側の上面が押さえ付けられて固定されることになる。
つまり、棟側に新たに設置しようとしている太陽電池モジュールMのために設置するモジュール固定金具5uが、軒側の太陽電池モジュールMを固定することになる。
棟側の横レール3の固定についても(併せて棟側の太陽電池モジュールMの固定)について、既に説明したのと同様であるので、説明を省略する。
以上説明した本実施形態では、特にモジュール固定金具上5uの第1の抑え部5u1の先端が上方を向いていないので、屋根への飛来物などが引っ掛かって抑え機能を損なってしまう可能性が低い。さらに、第1の抑え部5u1の先端まで抑えるのに貢献するので、例えば、風雨や雪による位置ずれや地震による位置ずれなどに対しても、抑え機能が失われる可能性が低くなる。
しかも、第1の抑え部5u1の先端が上方を向いていないのに、容易に隙間に太陽電池モジュールMを嵌め込むことができる。
また、この固定構図は、あらゆるサイズの太陽電池モジュールMに適用することができる。
また、これらの固定構造により固定された太陽光発電システムにより、安定的に発電できる。
前記した実施形態では、図7(a)に示すように、初期状態において太陽電池モジュールMを傾けて嵌め込むようにしたが、これに限定されるものではない。すなわち、初期状態において、第1の下側支持部32の上に太陽電池モジュールMの端部をほぼ水平にして載置し、その状態から太陽電池モジュールMを起立させてゆき、図7(b)のような状態へとして、その後、図7(c)の状態を経て、図7(d)の状態にするようにしてもよい。
3 横レール
31 起立部
32 第1の下側支持部
33 第1の溝部
34 第2の下側支持部
35 第2の溝部
4u 横レール固定金具上(横レール固定用の部材)
4u1 座部
4u2 リブ
4u3 孔
4d 横レール固定金具下(横レール固定用の部材)
4d1 第1の部分
4d2 第2の部分
4d3 孔
5u モジュール固定金具上(モジュール固定用の部材)
5u1 第1の抑え部
5u2 第2の抑え部
5u3 座部
5u4 孔
5u5 リブ
5d モジュール固定金具下(モジュール固定用の部材)
5d3 孔
B2 縦レール固定ボルト
B4 横レール固定ボルト
BM モジュール固定金具固定ボルト
M 太陽電池モジュール
Me 端面
Mm 下端
Mt 上面
Mb 下面
Claims (5)
- 屋根の上に直接又は間接的に配置される横レール同士の間に太陽電池モジュールを設置し、モジュール固定用の部材で固定するようにした太陽電池モジュールの固定構造であって、
前記横レールは、
前記太陽電池モジュールの端面に対向する起立面を有する起立部と、
前記太陽電池モジュールを下側から支持する第1の下側支持部と、
前記起立部と前記第1の下側支持部の間に位置する溝であって、前記太陽電池モジュールの端面の下端が前記第1の下側支持部に載置され、前記第1の下側支持部に対し斜めにした状態で、前記第1の下側支持部の上をスライドさせながら前記起立部の方へ前進させた場合に、前記太陽電池モジュールの前記端面の下端を落とし込ませる第1の溝部と、を有し、
前記モジュール固定用の部材は、
側面視して、前記起立部から離れる方向に前記第1の下側支持部の手前側まで延出し、その先端側で前記太陽電池モジュールを上側から抑える第1の抑え部を有し、
前記第1の抑え部は、側面視して先端が下りになる勾配になっており、
前記第1の下側支持部と前記第1の抑え部との間にできる装着用の隙間に前記太陽電池モジュールを挟み込んで固定するように構成したこと
を特徴とする太陽電池モジュールの固定構造。 - 前記第1の抑え部の先端と前記第1の下側支持部との間にできる装着用の前記隙間は、当該隙間を斜め上から見下ろしたときには、前記太陽電池モジュールの厚さよりも広く、かつ、当該隙間を水平に見たときには、前記太陽電池モジュールの厚さと略同じか若干狭いこと
を特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュールの固定構造。 - 前記モジュール固定用の部材は、前記横レールとは別体で構成され、
前記横レールへの取付部と、
前記第1の抑え部と、
前記太陽電池モジュールの端面に食い込む突起と、を有すること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の太陽電池モジュールの固定構造。 - 前記横レールは、
前記起立部を挟んで前記第1の溝部の反対側に、前記太陽電池モジュールの下面を下側から支持する第2の下側支持部を有し、
前記モジュール固定用の部材は、
前記起立部から離れる方向に延出してその先端側で前記太陽電池モジュールを上側から抑える第2の抑え部を有すること
を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの固定構造。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの固定構造により設置された前記太陽電池モジュールを備えることを特徴とする太陽光発電システム。
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