JP5893273B2 - 太陽電池パネルの下層構造、及び太陽電池パネルを含む外装構造 - Google Patents
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Description
一方、屋根面に支持架台などを固定して太陽電池パネルを組み付ける方法は、下地として強固な屋根構造が必要であり、しかも該屋根構造に固定金具を固定して太陽電池パネルを取り付けるため、雨水等の浸入を防止する雨仕舞い構造も必要となり、構造が複雑化してしまうという問題があった。
また、重合部に対して太陽電池パネル又は桟部材を固定するが、被重合部が段部に形成することで、該段部に保持部材の保持部を保持し、重合部を重合した状態でビス止め固定した場合にも、万が一ビス孔から雨水が侵入しても内部に浸水することがなく、十分な雨仕舞い性を有する。
さらに、敷設状態にて重合部を、下地面に対して略平行状で略同一レベルに構築したので、太陽電池パネル又は桟部材を整然と敷設することができる。
また、前述のように本発明の下層構造は十分な雨仕舞い性を有するので、太陽電池パネル自体には雨仕舞いを必要とせず、安価に提供することができる。しかも、太陽電池の裏面側に屋根材が存在することで、太陽電池パネルの裏面側に位置する配線ボックス等が雨水に曝され難くなり、太陽電池の不具合を減少させることができる。
さらに、連続材である保持部材を下地の水下側(軒先)や妻側(ケラバ)等の端縁から外側へ突出させて配設することができるので、太陽電池パネルの割付調整が容易となり、通常(従来)よりも太陽電池パネルの割付、敷設が容易で、より多数枚の太陽電池パネルを割付、敷設することができる。
また、下層構造を屋根面とすることで、太陽電池パネル自体に雨仕舞いを必要としないため、安価に提供することができる。
例えば後述する図示実施例のように略平坦状の面板部の長手方向に沿う一方の端縁に傾斜状の立上り部を介して重合部を設け、他方の端縁に略鉛直状の立上り部を介して被重合部を設けてもよく、この外装材は、横葺きにも縦葺きにも適用することができ、さらに搬送時や管理時に積み重ねて保管できるという利点をも備える。
なお、縦葺き用において、前記面板部は、雨水が表面を流れる部分(流水部分)であるため、その両端縁に設けた立上り部が、流水部分からの持出部分(=重合部を面板部より高いレベルに位置させる部分)を兼ね、前記重合部に太陽電池パネルを敷設した際にその裏面の配線ボックス等が雨水に曝され難くする役割を果たす。
前記重合部は、敷設時に上記被重合部の表面側に重合されるものであって、前述のように裏面側に折曲した係止部を備える構成であり、この係止部は、後述する保持部材の被係止部に係合するものであれば、特にその形状を限定するものではない。
なお、この重合部は、敷設状態にて下地面に対して略平行状とするためには、予め下地面に沿わせる部位を設け、該部位と略平行状に成形すればよい。例えば後述する図示実施例では、面板部を下地面に沿わせる構成としたので、この面板部に略平行状に重合部を成形すれば、敷設状態において下地面と略平行状に配置されるものとなる。
例えば後述する図示実施例のようにそれぞれ直交する上横片部、縦片部、下横片部からなる構成としてもよい。そのうち下横片部が固定部であり、上横片部の中程に保持部が、先端に被係止部が形成され、実質的(取付強度を保持する)な太陽電池パネルの取付部分である。また、縦片部は、下地(固定部)から太陽電池パネルの実質的な取付部分を離間させる持出部分の役割を果たす。
なお、前記保持部は、前記外装材の被重合部の段部を上方から保持するので、後述する図示実施例のように、外装材の被重合部と隣り合う外装材の重合部との間に保持部(上横片部)は挟着状に保持される。
また、保持部材は連続材であるため、その保持部も、該保持部に取り付ける外装材の重合部も、連続状であり、太陽電池パネルや桟部材を容易に取付位置を調整して施工することができ、固定強度も高いものである。
さらに、外装材の被重合部が段状に形成され、保持部材の保持部を凹状に形成することで、該段部に保持部材の保持部を保持し、更に重合部を重合した状態でビス止め固定した場合にも、万が一ビス孔から雨水が侵入しても内部に浸水することがない。
さらに、前述のように本発明の下層構造は、十分な雨仕舞い性を有するので、太陽電池パネル自体に雨仕舞いを必要としないため、安価に提供することができる。しかも、太陽電池の裏面側に屋根材が存在することで、太陽電池パネルの裏面側に位置する配線ボックス等が雨水に曝され難くなり、太陽電池の不具合を減少させることができる。
また、連続材である保持部材を下地の水下側(軒先)や妻側(ケラバ)等の端縁から外側へ突出させて配設することができるので、太陽電池パネルの割付調整が容易となり、通常(従来)よりも太陽電池パネルの割付、敷設が容易で、より多数枚の太陽電池パネルを割付、敷設することができる。
前記太陽電池は、特にその構成及び形状を限定するものではなく、多結晶,単結晶,アモルファス等のシリコン系、化合物系、有機系などどのような太陽電池を用いてもよい。
本発明における太陽電池パネルとは、モジュールを備えたパネル、ボード、シート等のその状態で直接もしくは固定部材等を介して間接的に取付(敷設)可能なのものを指す。
例えばモジュール周縁に枠体(フレーム)を配して矩形状としたものであっても、枠体にパネル同士の接続部分等を設けるものであってもよく、その構成は特に限定するものではない。また、太陽電池パネルの固定方法は、ビスや固定部材(押さえ部材)によって重合部に直接固定するものであっても、重合部に固定される桟部材等に固定するものであってもよい。さらに、太陽電池パネルの敷設状態(取付状態)は、平坦状に表れるものであっても、階段状に表れるものであってもよく、特に限定するものではない。
この本発明の外装構造は、前述の畜舎や倉庫などの小型建造物の他にも、通常の新築屋根や既設屋根にも適用でき、更には鉄骨やC形鋼などで躯体が組まれたものにはほとんど容易に躯体の母屋に直交する方向に保持部材を組み付けることで適用でき、太陽光発電の飛躍的な拡大に貢献できる。
なお、両実施例に共通する説明に際し、以下、太陽電池パネルを3、下地及び下地面を4と説明する。
図1に示す外装材1は、略平坦状の面板部11の長手方向に沿う一方の端縁(水下側)に傾斜状の立上り部12を介して重合部15を設け、他方の端縁(水上側)に略鉛直状の立上り部13を介して被重合部14を設けた構成である。
この外装材1を図2の縦葺き用として用いる場合には、図面右側の水上側、左側を水下側として敷設したが、下地4等に応じてどのように適宜に敷設すればよい。
前記重合部15は、敷設時に上記被重合部14の表面側に重合されるものであって、前述のように裏面側に折曲した係止部151を備える構成であり、この係止部は、後述する保持部材2の被係止部23に係合する部位である。
なお、この重合部15は、予め面板部11を下地面4に沿わせる構成としたので、この面板部11に略平行状に重合部15を成形することにより、敷設状態において下地面4と略平行状に配置される。
図1に示す保持部材2は、それぞれ直交する上横片部2a、縦片部2b、下横片部2cからなる構成とした。そのうち下横片部2cが固定部21であり、上横片部2aの中程に保持部22が、先端に被係止部23が形成され、取付強度を保持する太陽電池パネル3の取付部分である。また、縦片部2bは、下地4(固定部21)から太陽電池パネル3の実質的な取付部分を離間させる持出部分の役割を果たす。
なお、前述のように前記外装材1の重合部15は、敷設状態にて下地面4に対して略平行状となるためには、それを保持する保持部材2の保持部22(上横片部2a)も、下地面4に対して略平行状に取り付ける必要があり、そのためにこの上横片部2aを、下地4に固定する固定部21(下横片部2c)に対して略平行状に成形した。
また、保持部材2は連続材であるため、その保持部22も、該保持部22に取り付ける外装材1の重合部15も、連続状であり、太陽電池パネル3や桟部材5を容易に取付位置を調整して施工することができ、固定強度も高いものである。
さらに、外装材1の被重合部14に段部141を設け、保持部材2の保持部22を凹状に形成したので、該段部141に保持部材2の保持部22を保持でき、更に重合部15を重合した状態でビス止め(ビス3c)固定した場合に、万が一ビス孔から雨水が侵入しても面板部11上に導かれる(落下する)だけであり、外装材1の内部に浸水することがない。
次に、所定間隔にて下地4Aに固定された保持部材2に外装材1を敷設するが、水下側に位置する外装材1の立上り部13を、保持部材2の縦片部2bの水下側に沿うように配すると共に、外装材1の被重合部14を、保持部材2の上横片部2aの下面側に沿うように配設する。
そして、水上側に位置する外装材1の傾斜状の立上り部12を、保持部材2の縦片部2bの水上側に配すると共に、外装材1の重合部15を、保持部材2の上横片部2aの上面側を覆うように配し、その先端(被係止部23)に係止部151を係止させる(オーバーハング状に取り付ける)。
したがって、図1の第1実施例では、太陽電池パネル3Aの取付に際し、妻側(ケラバ)の端縁から外側へ突出させて配設することができ、太陽電池パネル3Aの桁行き方向における割付調整が容易となり、より多数枚の太陽電池パネル3Aを割付、敷設することができる。また、図2の第2実施例では、太陽電池パネル3Bの取付に際し、水下側(軒先)の端縁から外側へ突出させて配設することができ、太陽電池パネル3Aの流れ方向における割付調整が容易となり、より多数枚の太陽電池パネル3Bを割付、敷設することができる。
尤も本発明の基本概念は、予め太陽電池パネルの仕様を選択するものではなく、多くの建築物、建造物を容易に太陽電池パネルを敷設できる下層構造とすることが目的であって、既設屋根や新築屋根は当然のことながら、従来、当該太陽電池パネルを敷設する対象と認識されていなかった簡易構造物にも容易に太陽電池パネルを敷設することができる対象とできるものである。したがって、基になる建造物等の躯体組みにより、原則的には躯体(下地)4に直交する方向に保持部材2を取り付けて外装材1を敷設し、この外装材1の葺き方向に応じた太陽電池パネル3を選択すればよいが、後述する図4(d)の実施例のように桟部材5を介在させて太陽電池パネル3を間接的に取り付ける場合にはこの限りではない。
これに対し、図3(c)に示す下層構造に用いた外装材1'は、略平坦状の面板部11'を幅狭にすると共に、傾斜状の立上り部12'(幅c、開き角度d)の勾配を緩やかにした点で異なるが、略鉛直状の立上り部13や被重合部14、重合部15については前記外装材1と全く同様であり、図3(d)に示すように平積みが可能である点でも同様であり、搬送時に嵩張りを生ずることがなく、また大量生産(成形)して保管する際にも好適である。
この実施例では、前記下層構造(重合部15)の上に、排水部71を備える桟部材7を流れ方向に配設し、固定具7b,7bにて固定し、該桟部材7に太陽電池パネル3Dの流れ方向に沿う端縁を支持させた構成である。
そして、桁行き方向に隣接する太陽電池パネル3D,3D間には、押さえ部材6Fを取り付けた。
この構成の桟部材7では、左右の起立片72,72と隆状部73との間が、排水部71,71であり、雨水を流れ方向に流す役割を果たす。また、起立片72,72のフランジ状の上端には、桁行き方向に配設されたジョイント部材を兼ねる流水部材8,8が固定具8b,8bにて固定され、これらの流水部材8,8の流水空間から導かれた雨水も、排水部71に集められて水下側へ排水される。
前記パネル本体30の成形部302は、面板部301から裏面側へ略垂直状に折り下げた折り下げ部分と、該折り下げ部分を内側(面板部301側)へ延在させた略水平状の内向き片である係止部分とを有する、断面略コ字状に成形されている。
前記取付部材9は、前記パネル本体30の成形部302を支持する略直角状(L字状)の支持部91と、前記パネル本体30の係止部分を係合させる外側に向く係合溝状の係合部92と、該係合部92の外側へ延在させた下地4への固定部93と、を有する構成であり、断面略2字状のピース材として成形されている。
そして、図示実施例の取付部材9の支持部91は、図示するように略水平状からやや上方へ向くように傾いているため、該支持部91に前記パネル本体30の成形部302を支持させると、パネル本体30の面板部301が強制的に上方への凸状に湾曲され、断面性能を向上することができる。
14 被重合部
141 段部
15 重合部
151 係止部
2 保持部材
21 固定部
22 保持部
23 被係止部
3A,3B,3A',3D,3E 太陽電池パネル
4A,4B 下地(躯体)
Claims (3)
- 下地上に連続材である保持部材を固定し、該保持部材に外装材を取り付け、該外装材を介して太陽電池パネルを敷設する太陽電池パネルの下層構造であって、
前記外装材は、少なくとも長手方向に沿って被重合部と、該被重合部に重合する重合部とを有し、前記被重合部は段部を備え、前記重合部は裏面側に折曲した係止部を備え、
前記保持部材は、少なくとも下地への固定部と、前記外装材の段部を上方から保持する保持部と、前記係止部と係合する被係止部とを有し、
敷設状態にて、被重合部に重合させた重合部は、下地面に対して略平行状であって、隣接する重合部が同一レベルに構築されることを特徴とする太陽電池パネルの下層構造。 - 下地面の面積より広く外装材を敷設したことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池パネルの下層構造。
- 請求項1又は2に記載の下層構造により敷設された外装材の複数の重合部に跨るように桟部材を固定して該桟部材を介して太陽電池パネルを固定するか、複数の重合部に跨るように太陽電池パネルを固定してなることを特徴とする太陽電池パネルを含む外装構造。
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