JP2006183294A - 横葺屋根のケラバ納め構造 - Google Patents

横葺屋根のケラバ納め構造 Download PDF

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元旦 舩木
Kazuyuki Nishizawa
和幸 西澤
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Abstract

【課題】 樋状部上に横葺外装材端部の先端部が位置することを目視可能にし、部材点数、形状がシンプルで材料の使用量が抑えられた横葺屋根のケラバ納め構造を提供する。
【解決手段】 横葺外装材を敷設した屋根の桁行き方向端部のケラバ納め構造において、横葺外装材4の桁行き方向の端部4a裏面に位置して下地1に固定される固定部3aと、固定部3aから下地1側端の下方へ垂下する延出部3cとを有する水切り部材3と、端部4a表面を覆う第1化粧部5aと、端部4a側方を覆う第2化粧部5bとを有する化粧部材5からなり、延出部3cの被係止部3fと化粧部材5の係止部5cを係止させることで水切り部材3と化粧部材5を一体化すると共に、固定部3a上の端部4a表面を第1化粧部5aで覆設し且つ延出部3cと第2化粧部5bとで樋状部6を形成し、この樋状部6上に端部4aの先端部4bが位置している。
【選択図】 図1

Description

本発明は横葺屋根のケラバ納め構造に関する。
特許文献1には、略コ字状の係止下地B内に屋根材Eの端部を挿入している構造の新生瓦屋根のケラバ部改修構造が記載されている。
特許文献2には、係止体B内に開口から屋根材Dの端部を挿入している構造の段葺屋根のけらば部構造が記載されている。
このような特許文献1および特許文献2の構造のものでは、ケラバの施工時に屋根材の端部が係止下地B内あるいは係止体B内に挿入されることで隠れて目視できないため、端部の位置が不揃いになり、万が一、端部が突出片4、立上り部2より内側に位置するようなことになると、屋根材端部から浸入した雨水が樋状部に排出されずに屋根材裏面に回り込み漏水を起こす恐れがある。
また、両文献における納め部材は形状が複雑で成形コストがかかるものである。
一方、金属屋根材は、一定幅の板材を裁断、加工して成形するものであるが、その多くは、裁断による「端材」が発生する。この端材は殆ど使用されることなく廃棄されているのが現状である。
例えば、板幅が910mmあるいは1000mm等の平板(コイル)から成形する横葺外装材の展開幅にカットしているため、その結果として、端材が生じる。
また、ケラバ納め部材等を、平板(コイル)を裁断して成形することも行なわれているが、横葺外装材と納め部材(化粧部材)の色が微妙に相違する恐れがある。理由は、この種の平板は、同一ロッドであれば同色であるが、ロッドが相違すると若干の色の相違が生じ、同じ黒であっても色の相違が見られることがある。
特開平8−21035 特開平6−73857
解決しようとする課題は、第1には、前記の問題点である「納め部材内に挿入されることによって横葺外装材の端部が見えない」という構造上の問題点が解消され、樋状部上に横葺外装材端部の先端部が位置することを目視確認可能にし、納め部材点数および形状がシンプルで、材料の使用量が抑えられている横葺屋根のケラバ納め構造を、第2には、さらに、横葺外装材と化粧部材の色むらを無くして美麗に仕上げられる横葺屋根のケラバ納め構造を提供することにある。
本発明は前記した課題を達成するため、以下の構成にしたことを特徴とする。
1.横葺外装材を敷設した屋根の桁行き方向端部のケラバ納め構造において、横葺外装材の桁行き方向の端部裏面に位置して下地に固定される固定部と、当該固定部から下地側端の下方へ垂下する延出部とを有する水切り部材と、横葺外装材の端部表面を覆う第1化粧部と、横葺外装材の端部側方を覆う第2化粧部とを有する化粧部材からなり、前記延出部の被係止部と化粧部材の係止部を係止させることで水切り部材と化粧部材を一体化すると共に、固定部上の横葺外装材の端部表面を第1化粧部で覆設し且つ前記延出部と第2化粧部とで樋状部を形成し、この樋状部上に横葺外装材の端部の先端部が位置することを特徴とする。
2.前記した1において、水切り部材および化粧部材は、横葺外装材の成形時に生じる端材を用いたことを特徴とする。
本発明における下地は、屋根が新設である場合には野地板等になり、改修される屋根である場合は既設屋根や既設ケラバ等になる。
横葺外装材は、カラー鋼板等を含む公知の各種の金属製平板(コイル)から成形されることになる。水切り部材および化粧部材は、構築される横葺屋根における横葺外装材の成形時に生じる同一ロッドの端材を用いて成形されるのが望ましいが、別のロッドの端材であってもよい。
樋状部は、延出部および/または第2化粧部を曲げ加工して成形されるものであればよく、その形や大きさは自由である。
水切り部材の被係止部と化粧部材の係止部との係止関係は、水切り部材と化粧部材が一体化されるものであればよく制限はない。また、かかる係止関係によって、水切り部材と化粧部材の一体化および樋状部の形成の双方が確保される限りにおいて変更は自由であり制限がない。
A.請求項1により、従来の問題点である「納め部材内に挿入されることによって横葺外装材の端部が見えない」という構造上の問題点が解消され、横葺屋根材端部が樋部上にあることを目視確認して、その上で化粧部材を横葺屋根材端部に覆い被せられるから、横葺外装材裏面側への漏水がなく、そして、水切り部材と化粧部材の2部材からなる納め部材形状がシンプルで、材料の使用量が抑えられたケラバ納め構造である。
B.請求項2により、さらに、水切り部材および化粧部材を横葺屋根材の端材で仕上げてあるから、横葺外装材と化粧部材の色むらの違いが無く美麗に仕上げられる。
図1および図2には本発明の横葺屋根のケラバ納め構造における実施の1形態として、新設の横葺屋根のケラバ納め構造を例示しており、下地1は垂木1a上の野地板1bおよび垂木1a側面の破風板1cに亘ってアスファルトルーフィング2を敷設して形成してある。この下地1における桁行き方向の下地端部1dには水切り部材3を同端部に沿い配設してある。
水切り部材3は、構築される横葺屋根における横葺屋根板4の成形時に生じる同一ロッドの端材で成形してある。そして水切り部材3は、内側端に水返し部3bを表面側に折り返して形成している固定部3aと、当該固定部3aから下地側端1eの下方へ折り曲げられて垂下する延出部3cとを有し、延出部3cには、破風板1c外側面に添接する当接部3dと、当接部3d下端から外側へ折り曲げられて水平状に延びる水平部3eと、水平部3e先端から下方へ折り曲げられて垂下する被係止部3fを形成してある。
この水切り部材3は、当接部3dが破風板1c外側面に添接するようにして、固定部3aを下地端部1dに配設してあり、固定部3aを含む下地1上には横葺屋根板4を敷設し、水平部3e上に横葺屋根板4の桁行き方向の端部4aにおける先端部4bが位置していることを目視して確認し得るようにしてある。
横葺屋根板4は、桁行き方向の端部4aの先端部4bを斜め下向きに折り下げることで同端部における水切りがされ易くしてあり、この横葺屋根板4の端部4a上には化粧部材5を同端部に沿い覆設してある。
化粧部材5は、水切り部材3と同様に、構築される横葺屋根における横葺屋根板4の成形時に生じる同一ロッドの端材で成形してある。かかる化粧部材5は、横葺屋根板4の端部4a表面を覆い可能な第1化粧部5aと、第1化粧部5aから折り下げられて、端部4a側方を覆い可能な第2化粧部5bと、第2化粧部5b下端に内側へ折り返されて、水切り部材3の被係止部3fと係止可能な係止部5cを形成してある。
この化粧部材5は、係止部5cを水切り部材3の被係止部3fに係止させることで、水切り部材3と化粧部材5を一体化し、且つ、当接部3dと水平部3eと第2化粧部5bとにより囲まれた空間からなる樋状部6を形成してあると共に、固定部3aおよび樋状部6上の横葺屋根板4の端部4a表面を第1化粧部5aで覆設し、端部4a側方を第2化粧部5bで覆設してある。
そして、第1化粧部5a上からビス等の固定具7を横葺屋根板4の端部4aおよび固定部3aに貫通させて破風板1cに止着することにより、水切り部材3と化粧部材5を下地1側に固定してある。
第1化粧部5aの左右幅は横葺屋根板4の端部4a表面を覆い可能な幅比に形成してあり、当接部3dおよび第2化粧部5bの上下高さは樋状部6の深さに応じて形成し、水平部3eの左右幅は樋状部6の上方に横葺屋根板4の先端部4bが位置し得る幅比に形成してある。
図3および図4には本発明の横葺屋根のケラバ納め構造における実施の他の1形態として、改修された横葺屋根のケラバ納め構造を例示している。
改修前の既設の横葺屋根は、垂木11a上の野地板11bと垂木11a側面の破風板11c上の当て木11fに亘ってアスファルトルーフィング12を敷設し、この下地11における桁行き方向の下地端部11dにケラバ部材13を同端部に沿い配設してビス等の固定具15で止着固定し、ケラバ部材13の固定部13aを含めて下地11上に横葺屋根板14を敷設して葺いてある。
かかる既設の横葺屋根におけるケラバ部材13を下地1とし、この下地1に水切り部材3を配設してある。
水切り部材3は、新設の横葺屋根板24の成形時に生じる同一ロッドの端材で成形してある。そして水切り部材3は、内側端に水返し部3bを表面側に折り返して形成している固定部3aと、当該固定部3aから下地側端1eの下方へ折り曲げられて垂下する延出部3cとを有し、延出部3cには、ケラバ部材13外側面に添接する当接部3dと、当接部3d下端から外側へ折り曲げられて水平状に延びる水平部3eと、水平部3e先端から下方へ折り曲げられて垂下する被係止部3fを形成してある。
この水切り部材3は、当接部3dがケラバ部材13外側面に添接するようにして、固定部3aを下地1のケラバ部材13上面に配設してあり、固定部3aを含めて既設の横葺屋根板14上には新設の横葺屋根板24を敷設し、水平部3e上に横葺屋根板24の端部24aの先端部24bが位置していることを目視して確認し得るようにしてある。
新設の横葺屋根板24は、桁行き方向の端部24a上に化粧部材5を同端部に沿い覆設してある。
化粧部材5は、水切り部材3と同様に、新設の横葺屋根板24の成形時に生じる同一ロッドの端材で成形してある。かかる化粧部材5は、横葺屋根板24の端部24a表面を覆い可能な第1化粧部5aと、第1化粧部5aから折り下げられて、横葺屋根板24の端部24a側方を覆い可能な第2化粧部5bと、第2化粧部5b下端に内側へ折り返されて、水切り部材3の被係止部3fと係止可能な係止部5cを形成してある。
この化粧部材5は、係止部5cを水切り部材3の被係止部3fに係止させることで、水切り部材3と化粧部材5を一体化し、且つ、当接部3dと水平部3eと第2化粧部5bとにより囲まれた空間からなる樋状部6を形成してあると共に、固定部3aおよび樋状部6上の横葺屋根板の端部24a表面を第1化粧部5aで覆設し、横葺屋根板の端部24a側方を第2化粧部5bで覆設してある。
そして、第1化粧部5a上からビス等の固定具7を、横葺屋根板24の端部24aおよび固定部3aならびにケラバ部材13に貫通させて当て木11fに止着することにより、水切り部材3と化粧部材5を下地1側に固定し、改修された横葺屋根のケラバ構造としてある。
第1化粧部5aの左右幅は横葺屋根板の端部24a表面を覆い可能な幅比に形成してあり、当接部3dおよび第2化粧部5bの上下高さは樋状部6の深さに応じて形成し、水平部3eの左右幅は樋状部6の上方に横葺屋根板の端部24aの先端部24bが位置し得る幅比に形成してある。
本発明の横葺屋根のケラバ納め構造における実施の1形態を例示している縦断正面図。 (A)は化粧部材の正面図。(B)は水切り部材の正面図。 本発明の横葺屋根のケラバ納め構造における実施の他の1形態として、改修前の横葺屋根のケラバ納め構造を例示している縦断正面図。 本発明の横葺屋根のケラバ納め構造における実施の他の1形態として、改修された横葺屋根のケラバ納め構造を例示している縦断正面図。
符号の説明
1 下地
1a,11a 垂木
1b,11b 野地板
1c,11c 破風板
1d,11d 下地端部
1e 下地側端
2,12 アスファルトルーフィング
3 水切り部材
3a 固定部
3b 水返し部
3c 延出部
3d 当接部
3e 水平部
3f 被係止部
4,14,24 横葺屋根板(横葺外装材)
4a,24a 端部
4b,24b 先端部
5 化粧部材
5a 第1化粧部
5b 第2化粧部
5c 係止部
6 樋状部
7,15 固定具
11f 当て木
13 ケラバ部材
13a 固定部

Claims (2)

  1. 横葺外装材を敷設した屋根の桁行き方向端部のケラバ納め構造において、
    横葺外装材の桁行き方向の端部裏面に位置して下地に固定される固定部と、当該固定部から下地側端の下方へ垂下する延出部とを有する水切り部材と、
    横葺外装材の端部表面を覆う第1化粧部と、横葺屋根板の端部側方を覆う第2化粧部とを有する化粧部材からなり、
    前記延出部の被係止部と化粧部材の係止部を係止させることで水切り部材と化粧部材を一体化すると共に、固定部上の横葺屋根板の端部表面を第1化粧部で覆設し且つ前記延出部と第2化粧部とで樋状部を形成し、
    この樋状部上に横葺屋根板の端部の先端部が位置することを特徴とする横葺屋根のケラバ納め構造。
  2. 水切り部材および化粧部材は、横葺屋根板の成形時に生じる端材を用いたことを特徴とする請求項1記載の横葺屋根のケラバ納め構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013002071A (ja) * 2011-06-14 2013-01-07 Gantan Beauty Ind Co Ltd 太陽電池パネルの下層構造、及び太陽電池パネルを含む外装構造
JP2020133351A (ja) * 2019-02-25 2020-08-31 旭化成ホームズ株式会社 屋根構造

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