JPS6123140Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、瓦用固定金具に関し、平板部１の前
端部に上方に向けて瓦２の前端を支持するための
折り曲げ可能な係止爪部３を設け、平板部１に平
板部１の係止爪部３を設けた前端以外の縁である
左右縁乃至後縁に開口する切り溝４を設け、切り
溝４の溝巾を釘５の胴部６よりも大きく且つ釘頭
７の径より小さい幅とし、切り溝４の溝奥を該溝
奥に釘が位置した際に釘５に対して平板部１が前
方に移動するのを阻止するように係止爪部３の折
り曲げ方向と略直交する横向きの溝となつた釘止
め部８として成る瓦用固定金具に係るものであ
る。

従来の瓦用固定金具９は第１図に示すように平
板部１の前端部に瓦２の前端を支持するための係
止爪部３を設け、平板部１に釘孔１０を設けたも
のであり、下段の瓦の表面上部に瓦用固定金具９
を載置して釘孔１０より釘５を挿入撃打して屋根
下地材に打込み、係止爪部３に上段の瓦の下端を
係止していた。ところがこの従来例では瓦が破損
して交換する場合、釘５を切りとらねば瓦用固定
金具９を取りはずすことができず、手間がかかつ
ていた。

本考案は上記の従来の欠点に鑑みて考案したも
のであつて、その目的とするところは破損した瓦
の交換時に容易に取りはずすことができ、且つ再
使用もできる瓦用固定金具を提供するにある。

本考案を以下実施例により詳述する。平板部１
の前端部に上方に向けて折り曲げ可能な係止爪部
３を設けると共に平板部１に平板部１の係止爪部
３を設けた前端以外の縁である左右縁乃至後縁に
開口する切り溝４を設けて瓦用固定金具９が形成
してある。ここで切り溝４の溝巾は釘５の胴部６
よりも大きく且つ釘頭７の径よりも小さい幅とな
つており、更に切り溝４の溝奥は該溝奥に釘５が
位置した際に釘５に対して平板部１が前方に移動
するのを阻止するように係止爪部３の折り曲げ方
向と略直交する横向きの溝となつた釘止め部８と
なつている。また平板部１の両側には補強リブ１
１が設けてある。しかして下段の波型の瓦２表面
上部の山部に瓦用固定金具９を載置し、切り溝４
の溝奥の釘止め部８部分に上方より釘５を挿入し
て野地板のような屋根下地材１２に釘打ちし、次
に上段の瓦２の下端を係止爪部３に当てた状態で
係止爪部３を折り曲げて係止爪部３に上段の瓦２
の下端を係止する。このようにして次々と波型の
瓦２を葺いていくものである。ところで今瓦２が
破損して、この部分を交換するには係止爪部３を
開き、破損した瓦２を破つて取りはずすことで釘
５に対して瓦用固定金具９が移動できる状態とな
るので、瓦用固定金具９を切り溝４に沿つて釘５
からはずして取りはずすことができるものであ
り、瓦用固定金具９を取りはずした後、新しい瓦
２に釘頭５より大径の釘孔を設け、この釘孔を残
置した釘５に挿入し、釘孔と釘５との間にコーキ
ングを充填し、その後取りはずした瓦用固定金具
９を切り溝４を利用して釘５の釘頭５下に差し込
み、係止爪部３を折曲して上段の瓦２を係止する
のである。なお瓦２の表面上の山部の瓦用固定金
具９を載置して釘打ちする部分に第７図のように
金具位置決め凹み１３を設け、更に金具位置決め
凹み１３の中央部に環状の水返し１４を設け、水
返し１４に囲まれた部分に釘挿入孔１５を設けて
おくと、水返し１４によつて釘挿入孔１５への雨
水の浸入が防止される。１６は防水用ワツシヤで
ある。

本考案にあつては、叙述のように平板部の前端
部に上方に向けて瓦の前端を支持するための折り
曲げ可能な係止爪部を設け、平板部に平板部の係
止爪部を設けた前端以外の縁である左右縁乃至後
縁に開口する切り溝を設け、切り溝の溝巾を釘の
胴部よりも大きく且つ釘頭の径より小さい幅とし
てあるので、瓦が破損してこれを交換する場合、
釘を切り取らなくても切り溝をガイドとして瓦用
固定金具を釘から簡単にはずすことができると共
に再び再使用が可能であり、また切り溝の溝奥を
釘に対して平板部が前方に移動するのを阻止する
ように係止爪部の折り曲げ方向と略直交する横向
きの溝となつた釘止め部となつているので、瓦交
換時に瓦用固定金具を取りはずせるように切り溝
を設けたといえども通常時は瓦用固定金具が下方
にずれず、上段の瓦を確実に支持しておくことが
できるものであり、またこの場合係止爪部は切り
溝と関係のない平板部の前端部に設けてあつてこ
れを施工時に折り曲げるので、瓦の施工、交換の
たびに係止爪部を折り曲げたり開いたりするのを
くりかえしても、切り溝に何等の影響も与えない
ものであつて、この結果、切り溝が広がつたりし
て釘の係止ができなくなつたり、狭くなりすぎて
釘孔を切り溝開口よりガイドできなかつたりする
という恐れがないものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の斜視図、第２図ａ，ｂは本考
案の一実施例の斜視図及び上面図、第３図ａ，
ｂ，ｃは同上の他の実施例の斜視図、上面図及び
釘を挿入した場合の斜視図、第４図は同上に用い
る瓦の斜視図、第５図は同上の施工状態を示す断
面図、第６図は本考案の他の実施例の斜視図、第
７図ａ，ｂ，ｃ，ｄ，ｅは同上に用いる瓦の上面
図、前面図、一部拡大上面図、一部拡大横断面図
及び一部拡大縦断面図、第８図は同上の施工状態
の横断面図、第９図は同上の縦断面図であつて、
１は平板部、２は瓦、３は係止爪部、４は切り
溝、５は釘、６は胴部、７は釘頭、８は釘止め部
である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 平板部の前端部に上方に向けて瓦の前端を支持
   するための折り曲げ可能な係止爪部を設け、平板
   部に平板部の係止爪部を設けた前端以外の縁であ
   る左右縁乃至後縁に開口する切り溝を設け、切り
   溝の溝巾を釘の胴部よりも大きく且つ釘頭の径よ
   り小さい幅とし、切り溝の溝奥を該溝奥に釘が位
   置した際に釘に対して平板部が前方に移動するの
   を阻止するように係止爪部の折り曲げ方向と略直
   交する横向きの溝となつた釘止め部として成る瓦
   用固定金具。