JPS642018Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は隅瓦に関する。

従来、石綿セメント製等の瓦を葺上げる場合、
瓦の釘打ち位置に予め釘穴をあけておき、この釘
穴を挿通して下地材に釘で打ちつけて固定しなが
ら順次下方から上方に向けて葺上げていく方法が
通常採用されているが、この場合、釘穴以外の部
分には瓦が割れやすいので釘を打ちつけることが
できなくて、瓦の葺き調整が出来ず、又釘穴に釘
が合わなくて瓦が割れたり釘が曲つたりすること
があるという問題があつた。本考案は叙上の如き
従来の問題を解消することを目的としてなされた
ものであつて、その要旨は、略正方形の板状体の
一対角線に沿つて上方へ断面略半円状に突出する
棟部が設けられ、前記板状部の裏面であつて前記
棟部の裏面に形成される凹溝の両側に沿つて複数
の薄肉部が設けられてなる隅瓦に存する。

以下、本考案を実施例により図面を参照して説
明する。

１は寄棟造りの下隅部に用いられる石綿セメン
ト製の隅瓦であり、略正方形の板状部１１の一対
角線に沿つて上方へ断面略半円状に突出する棟部
１２が設けられ、棟部１２の一端部に長円形の盲
部１３が設けられ、盲部１３を挾む二辺に前垂部
１４，１４が設けられている。板状部１１の裏面
の棟部１２の裏面に形成された凹溝１２１の両側
に沿つて複数の薄肉部１５……が設けられてい
る。板状体１１の薄肉部１５……及び薄肉部１５
……の周辺の壁中には金網からなる補強材１６が
埋設されて強化されている。尚、補強材１６は必
ずしも壁中に埋設されている必要はなく、表面に
固着されていてもよい。

又板状体１１の薄肉部１５……及び薄肉部１５
……の周辺の壁部の少くとも一方が補強材により
強化されておればよい。補強材としては金網の他
布、ガラスローピング等が好適に用いられる。

次に、叙上の実施例の一使用態様を説明する。
寄棟造りの下隅部の野地板２に本考案の実施例の
隅瓦１を盲部１３をコーナー部に位置させ、前垂
部１４，１４で軒コーナー部を覆い、棟部１２を
降り棟に位置させ、板状部１１を当接させるよう
に載置し、板状体１１上から薄肉部１５……を通
して野地板２に釘３……を打ち込み、野地板２に
隅瓦１を固定する。隅瓦１の板状部１１上に石綿
セメント製の軒瓦４……の端を重ねて、軒瓦４の
釘穴、隅瓦１の薄肉部１５……を通して野地板２
に釘５……を打ち込み固定する。軒瓦４から上方
に石綿セメント製の本体瓦６……を金具７……を
用いて順次葺上げ、降り棟に石綿セメント製の降
り陳瓦８……を固定し、隅瓦１上の降り陳瓦８の
下端部に鬼瓦９を固定する如くして屋根瓦を野地
板２上に葺上げていく。

本考案隅瓦は、叙上の如き構成とされているの
で、他の瓦との葺き調整が必要な場合、釘打ち用
の複数の薄肉部のうちいずれかを選択して釘を打
ち込んで隅瓦を固定することができて、隅瓦の葺
上げ作業を容易且つ迅速に行うことができ板状部
の裏面であつて棟部の裏面に形成された凹溝の両
側に沿つて複数の薄肉部が形成されているので、
薄肉部の周辺が棟部により強化されていて、薄肉
部に釘を打ち込んだ際隅瓦が割れることがなく、
且つ確実に固定でき、尚、薄肉部及薄肉部周辺の
壁部の少くとも一方が補強材により強化されてい
る場合、釘を打ち込んだ際瓦が割れることなく、
且つ確実に固定できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案隅瓦の一例の裏返した状態を示
す斜視図、第２図は第１図の−線に沿う拡大
断面図、第３図及び第４図は第１図に示す本考案
隅瓦の使用態様を示す斜視図である。 符号の説明、１……隅瓦、１１……板状部、１
２……棟部、１３……盲部、１４……前垂部、１
５……薄肉部、１６……補強材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 略正方形の板状体の一対角線に沿つて上方へ断
   面略半円状に突出する棟部が設けられ、前記板状
   部の裏面であつて前記棟部の裏面に形成される凹
   溝の両側に沿つて複数の薄肉部が設けられてなる
   隅瓦。