JPS6326505Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、建物の屋根や床や壁等を形成する
際に用いるパネルの連設部構造に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

従来、屋根等に使用するパネルの連設部構造と
して、第５図に示すものがあつた。この構造は、
一方のパネル２１の側縁部材２２に上部隅角を切
り欠いて切欠き部２２ａを形成するとともに、こ
の側縁部材２２と隣接する他方のパネル２３の他
側の側縁部材２４に下部隅角を切り欠いて切欠き
部２４ａを形成することにより相じやくり接合を
可能にし、これら側縁部材２２，２４どうしを突
き合わせることにより一対のパネル２１，２３を
連設したものである。この場合、一方のパネル２
１は、その側縁部材２２の切欠き部２２ａの水平
面２２ｂに釘等の固着具２５を打ち込むことによ
り支持材２６に固定していた。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、この構造では、固着具２５を側縁部材
２２に打ち込む際に打ち込みの衝撃で一方のパネ
ル２１がずれて、正確な位置決めを行うのが難し
かつた。また、側縁部材２２の切欠き部２２ａの
水平面２２ｂは幅が狭く、この狭幅部に固着具２
５を打ち込むと、側縁部材２２にひびが入つたり
割れたりすることがあつた。さらに、切欠き部２
２ａの水平面２２ｂから固着具２５を打ち込む
と、支持材２６までの打ち込み長さが長くなり、
打ち込み作業に時間がかかつていた。そのため、
施工性が悪くなつていた。

したがつて、この考案の目的は、位置決めが正
確に行え、側縁部材の破損が防止でき、作業性に
優れたパネルの連設部構造を提供することであ
る。

〔課題を解決するための手段〕

この考案のパネルの連設部構造は、一方のパネ
ルの一側の側縁部材の外面側の上部隅角に切欠き
部を形成し、他方のパネルの他側の側縁部材の下
部隅角に切欠き部を形成し、これら側縁部材を突
き合わせることにより一対のパネルを連設したパ
ネルの連設部構造において、前記一方のパネルの
側縁部材に沿つて断面逆Ｌ形の固着具を前記パネ
ルを支持する支持材に打ち込み固定し、かつ固定
状態において前記一方のパネルの前記側縁部材の
切欠き部水平面に前記固着具の頭部を係合したこ
とを特徴とするものである。

〔作用〕

この考案の構成によると、一方のパネルの側縁
部材に沿つて逆Ｌ形の固着具を支持材に固定し、
かつ固定状態で一方のパネルの側縁部材の切欠き
部水平面に固着具の頭部を係合するようにしたの
で、固着具の打ち込み時に衝撃によつてパネルが
ずれることがなく、位置決めを正確に行うことが
できる。また、固着具を側縁部材の側面に沿つた
状態で直接支持材に打ち込むようにしたので、側
縁部材にひびが入つたり割れたりすることがな
い。同時に、固着具は側縁部材を貫通せずに支持
材に打ち込まれるので、固着具の打ち込み長さと
ともに打ち込み時間が短縮でき、施工性の向上を
図ることができる。

〔実施例〕

この考案の一実施例を第１図ないし第４図に基
づいて説明する。このパネルの連設部構造は、第
１図に示すように、一方のパネル１の側縁部材２
の外面側の上部隅角に切欠き部２ａを形成し、他
方のパネル３の側縁部材４の下部隅角に切欠き部
４ａを形成し、これら側縁部材２，４を突き合わ
せることにより一対のパネル１，３を連設したパ
ネルの連設部構造において、一方のパネル１の側
縁部材２に沿つて断面逆Ｌ形の固着具５を一方お
よび他方のパネル１，３を支持する支持材６に打
ち込んで固定し、固定した状態において、一方の
パネル１の側縁部材２の切欠き部２ａの水平面２
ｂに固着具５の頭部を係合したことを特徴とする
ものである。

この実施例は、第４図に示す２階建ての建物Ａ
に新たに平屋部分Ｂを増築する際に、その屋根材
として一方および他方のパネル１，３を使用した
ときの構造を示す。

一方のパネル１は、第２図に示すように、下面
材７の上面に断熱材８を設け、これらを挟んだ状
態で両側部にそれぞれ側縁部材２，４を設け、上
面を表面材９で覆つて形成してある。なお、他方
のパネル３も一方のパネル１と同様に形成してあ
る。また、第３図は一方および他方のパネル１，
３の斜視図である。

側縁部材２，４は、各々パネル１，３の一側お
よび他側に設けてある。一側に設けた側縁部材２
は、外面側の上部隅角を切り欠くことにより切欠
き部２ａが形成してある。他側の側縁部材４は、
外面側の下部隅角を切り欠くことにより切欠き部
４ａが形成してある。したがつて、側縁部材２，
４の外面側は相じやくり接合が可能である。一方
のパネル１および他方のパネル３を連設すると、
一方のパネル１の側縁部材２と他方のパネル３の
側縁部材４とが互いに噛み合つて連設される。

固着具５は、頭部を折り曲げることによりＬ形
に形成したもので、折れ釘等を用いてもよいし、
板状の部材で形成したものを用いてもよい。この
固着具５は、その垂下片が一方のパネル１の側縁
部材２に沿つた状態で支持材６に固定されてお
り、一方のパネル１の移動を阻止する。また、固
定された状態においては、固着具５の頭部が側縁
部材２の切欠き部２ａの水平面２ｂに係合して上
下方向に移動するのを防いでいる。

支持材６は、屋根の軸組の一部を形成する母屋
を指す。

一方および他方のパネル１，３の上面には、そ
れぞれ防水シート１０が被覆されている。この防
水シート１０は、一側縁が各々のパネル１，３の
一側端よりも延出した状態で設けてあり、パネル
１，３を連設したときに延出部が隣接する防水シ
ート１０の他側に重なり合うようにしてある。ま
た、各々パネル１，３の一側に設けた側縁部材２
の切欠き部２ａの垂直面には、水密材１１が固着
されており、雨水の浸入を防止している。

この実施例によるパネル１，３の施工手順を説
明する。従来の建物Ａの外壁１２の外面に棟１３
や母屋等の軸組部材を突設する。この軸組部材の
上面に妻側からパネル１，３を順次載置する。な
お、パネル１，３の軒先部分は、第４図に示すよ
うに、必要に応じて切断処理しておく。パネル
１，３は、一枚載置するごとに側縁部材２の切欠
き部２ａの水平面２ｂに固着具５の頭部を係合し
た状態で支持材６に固定する。また、切欠き部２
ａの垂直面には、一方のパネル１の長手方向に沿
つて水密材１１を固着する。一側が延出された防
水シート１０を各々パネル１，３の上面に順次被
覆する。このとき、パネル１，３の他側には防水
シート１０が二重に被覆される。また、この防水
シート１０の建物Ａの壁際においては、延出され
た部分を外壁１２に沿つて立上げて雨水の浸入を
防止できるようにしておく。以上でパネル１，３
の施工が完了する。

この実施例の構成によると、一方のパネル１を
支持材６に固定するための固着具５を、一方のパ
ネル１の側縁部材２に沿わせた状態で打ち込み、
打ち込んだ状態で固着具５の頭部が切欠き部２ａ
の水平面２ｂに係合するようにしたので、固着具
５の打ち込みの際にその衝撃によつて一方のパネ
ル１がずれることがなく、一方および他方のパネ
ル１，３の位置を正確に定めることができる。ま
た、側縁部材２の水平面２ｂには、固着具５の頭
部が係合するだけなので、側縁部材２にひびが入
つたり割れたりすることがない。しかも、側縁部
材２には固着具５を打ち込まないので、固着具５
の打ち込み長さが短くて済み、固定作業が短時間
で行える。したがつて、施工性の向上を図ること
ができる。

なお、前記実施例においては、一方および他方
のパネル１，３を屋根材として用いたが、屋根材
以外に床材や壁材として用いてもよい。

〔考案の効果〕

この考案のパネルの連設部構造によると、パネ
ルを固定するための逆Ｌ形の固着具を、パネルの
側縁部材に沿つた状態で支持材に固定し、固定し
た状態において固着具の頭部が側縁部材の切欠き
部の水平面に係合するようにしたので、一方のパ
ネルが固着具を打ち込む際の衝撃によつてずれる
ことがなく、パネルの正確な位置決めを行うこと
ができる。また、固着具を直接側縁部材に打ち込
まないので、側縁部材にひびが入つたり割れたり
することがない。さらに、固着具を支持材に打ち
込むだけでパネルの固定が行えるので、固着具の
打ち込み長さが短くなり、それだけ固定作業に要
する時間を短くすることができる。したがつて、
施工性を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の部分断面図、第
２図はそのパネルの断面図、第３図はそのパネル
の斜視図、第４図はこのパネルの施工例の部分平
面図、第５図は従来例の部分断面図である。 １……一方のパネル、２，４……側縁部材、２
ａ……切欠き部、２ｂ……水平面、３……他方の
パネル、５……固着具、６……支持材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 支持材上に載置された一対のパネルの一方のパ
   ネルの側縁部材に外面側の上部隅角を切り欠いて
   切欠き部を形成し、他方のパネルの他側の側縁部
   材に外面側の下部隅角を切り欠いて切欠き部を形
   成し、これら一方および他方のパネルの各々側縁
   部材を突き合わせることにより連設したパネルの
   連設部構造において、逆Ｌ形に形成された固着具
   を前記一方のパネルの前記側縁部材に沿わせて前
   記支持材に打ち込み固定し、かつ固定状態におい
   て前記固着具の頭部が前記一方のパネルの前記側
   縁部材の切欠き部水平面に係合したことを特徴と
   するパネルの連設部構造。