JPS6129880Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は屋根の軒先付近において、瓦上に設
置して積雪の滑り止めとする雪止め金具に係る。

従来この積雪の滑り止めとしては、瓦製造の際
その上面に円弧状の雪止めを一体に形成して焼上
げるか、または別の雪止め金具として第１図に示
すように、厚手（厚さ約3.2mm）のメツキした鉄
板により、直立した幅広の頭部１と、これに一端
部を固着してほぼ水平方向に延伸しかつその他端
部に釘孔３を設けて形成したものが多く使用され
ている。しかしながらこのような雪止め金具は、
この脚部２を瓦と瓦との間へ挿入した時、これが
厚手であるため上下の瓦の間の〓間が大きくな
り、大雨等の場合はこの〓間から雨水が逆流して
雨漏りの原因となつたり、また屋根の野地板の腐
蝕を早めたりするおそれがあり、さらにこの脚部
の先端を野地板に沿わせるために曲折しようとす
る時、厚手のため可成りの労力を要するなどの欠
点があつた。また経年のため上記脚部２の野地板
への止釘が腐蝕した時は他に係止手段がないた
め、ずり落ちるおそれもあつた。

そこで本考案は、上記脚部２の大部分を薄手
（厚さ１mm）のステンレス鋼板製として上下瓦の
〓間を極力少なくするとともに曲折を容易にし、
かつその途中に上部瓦の係止段部と下部瓦の水切
り部への係止凹部とを形成することにより、この
雪止め金具を強固に固定するように改良したもの
である。

次に本考案の一実施例を図面によつて説明す
る。

第２図において、直立した幅広の頭部１に、脚
部２の一端部を固着してほぼ水平状に延長し、他
端部に釘孔３を設けた雪止め金具において、該脚
部２を頭部１の裏面付近にて切断し、残部を胴部
としここから先端部に至る大部分を、薄手（約１
mm）のステンレス鋼板を素材とした脚部４とし
て、リベツト５にて該脚部（胴部）２に連結固定
するとともに、その途中に、上段の瓦Ａの先端部
を係止する係止段部６と、さらに下段の瓦Ｂの水
切り部B′に嵌合係止する係止凹部７とを形成す
る。なおこの図において、B″は瓦Ｂの後端にお
いて下方に向けて突設された桟止めであり、Ｃは
屋根下地の野地板、Ｄはこの野地板Ｃに釘止めし
て上記桟止めB″を係止する瓦桟である。

このように形成した本考案を屋根瓦上に装着す
るには、頭部１を下段の瓦Ｂ上に載置し、その脚
部４の係止凹部７をこの瓦Ｂの水切り部B′に嵌着
してこれに係止せしめ、さらに先端部を野地板Ｃ
に沿うように曲折して釘孔３を通して釘８によつ
て固定し、次いで上段の瓦Ａをその寸法に応じて
先端部が係止段部６に係止可能に載置するもので
ある。

以上説明したように本考案によれば、旧脚部の
大部分を薄手のステンレス鋼板製としたので、こ
の脚部を上下の瓦の間へ装設した時、この瓦の〓
間は極めて小さいので、大雨の際でもこの〓間か
ら雨水の逆流が少なくなり水切り部と併せて雨漏
り等のおそれもなく、また上記水切り部へ係止す
る係止凹部を形成したので脚部先端の野地板への
止釘が腐蝕折損することがあつてもこの金具が外
れて脱落するおそれがないのでこの止釘は１本で
充分であり、かつ上段の瓦はこの脚部の係止段部
に係止されるのでずり落ちることなく、さらに脚
部が薄手であるため、その先端部を野地板へ沿わ
せる際の折り曲げが簡単にできるのでその取付作
業が容易となる等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の雪止め金具の斜視図、第２図は
本考案の雪止め金具を屋根瓦の間に装着した状態
を示す一部切断側面図である。 １……頭部、２……脚部（胴部）、３……釘
孔、４……脚部、５……リベツト、６……係止段
部、７……係止凹部、８……釘、Ａ……上段の
瓦、Ｂ……下段の瓦、B′……水切り部、B″……
桟止め、Ｃ……野地板、Ｄ……瓦桟。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 屋根瓦上に設置し、かつ直立した頭部に脚部の
   一端を固着しこれをほぼ水平状に延伸して形成し
   た雪止め金具において、該脚部の頭部裏面付近の
   一部を残してこれを胴部とし、これに胴部よりも
   薄手のステンレス鋼板製の別の脚部を連結固定す
   るとともに、このステンレス鋼板製の脚部の途中
   に、上段の瓦の先端を係止する係止段部と、下段
   の瓦の水切り部に嵌合する係止凹部とを形成した
   ことを特徴とする瓦の雪止め金具。