JP3927138B2 - 改修構造及び改修方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、裏面側が開口する複数の連続する溝部が一定間隔で配列する断熱層を形成することにより、有効幅が異なる瓦棒葺き等の既設屋根又は既設壁の葺き替えに適用できる改修構造及び改修方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、既設屋根の改修(葺き替え)を重ね葺きで行う場合、各種の提案がなされているが、既設屋根上に直接的に新設屋根を葺くものや断熱材を介して新設屋根を葺くものが提案されている(例えば特許文献1,2など)。
【0003】
【特許文献1】
特公平6−27419号公報(第3頁左欄第22〜47行,図1)
【特許文献2】
特開2001−288856公報(段落番号0031,図1)
【0004】
特許文献1にて提案される補修屋根は、既設の瓦棒葺き上に、直接的に新たな屋根(瓦棒)を敷設するものであり、屋根の例えば断熱性能等は、既存屋根が持つ性能に頼るものであって、機能向上等をはかれるものではなかった。また、既設の瓦棒部分を被覆するように新設屋根の瓦棒を施工するものであるため、それ以外の形式の屋根には適用できず、しかも瓦棒葺き屋根であっても異なる幅寸法の瓦棒葺き屋根には適用できないものであった。
それに対し、特許文献2にて提案される改修屋根は、既存屋根上に断熱層を介して新設屋根を敷設するものであり、新設屋根の敷設時に断熱性能を向上させているものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献2の改修屋根は、流動状のウレタン樹脂3を既設屋根上に塗布して接着剤とし、所定幅の断熱材4を配して固定し、さらに隣接する断熱材4,4間(はぜ部上)に目地材として流動状のウレタン樹脂を充填するものである。このような構成では、以下のような問題点があった。
まず、軒棟方向に連続するはぜ部などの突出部が存在する既設屋根に対し、目地間隔に突出部を位置させようとする構成であるため、有効幅の幅寸法が異なる既設屋根に適応させるには、異なる幅寸法の断熱材を準備したり、或いは比較的幅狭の断熱材を準備して目地間隔に充填するウレタン樹脂量を増減させて対応させる必要があり、極めて資材管理が面倒であった。
また、ウレタン樹脂を接着剤及び目地材として用いる構成であるため、ポリウレタンフォーム以外の断熱材を用いる場合には異なる2種の断熱材を敷き詰めた構成となり、接着不良や劣化変形などが生ずる虞があった。しかも使用するウレタン樹脂は、ポットライフ(ゲルタイム)が存在する硬化型の流動状樹脂であって、発熱も生ずるため、取扱いが面倒であり、例えばポットライフの経過したウレタン樹脂は再利用不能であるため高価な樹脂が無駄になるものであった。
そこで、本発明は、有効幅が異なる瓦棒葺き等の既設屋根又は既設壁の葺き替えに適用でき、前述の数々の問題点を生ずることのない改修構造を提案することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記に鑑み提案されたもので、既設の屋根面又は壁面に突出部が形成される既設屋根又は既設壁の外側に断熱材を介して屋根又は壁を新設する改修構造であって、前記断熱材は、裏面側に、裏面側が開口する複数の連続する溝部が既設屋根又は既設壁の代表的な2種の有効幅の最大公約数の間隔で配列する断熱層を形成するものであって、突出部が溝部内に位置するように断熱層を配設し、該断熱層の表面に外装材を敷設して屋根又は壁を新設することを特徴とする改修構造に関するものである。
【0007】
さらに、本発明は、既設の屋根面又は壁面に突出部が形成される既設屋根又は既設壁の外側に断熱材を介して屋根又は壁を新設する改修方法であって、前記断熱材は、裏面側に、裏面側が開口する複数の連続する溝部が既設屋根又は既設壁の代表的な2種の有効幅の最大公約数の間隔で配列する断熱層を形成するものであって、突出部に取付部材を固定した後、該取付部材が溝部内に位置するように断熱層を配設し、該断熱層の表面から前記取付部材へ保持部材や支持部材を固定する固定具を打ち込んで固定し、この保持部材や支持部材に外装材を取り付けて屋根又は壁を新設することを特徴とする改修方法をも提案する。
【0008】
本発明における既設屋根又は既設壁は、表面に突出部が形成されるものが対象であり、特に限定するものではないが、瓦葺き、縦平葺き等と称される公知の縦葺き屋根を指す。
また、新設される屋根又は壁は、縦葺きでも横葺きでも良く、特に限定するものではない。例えば表面側に桟部が表出するものでも、表面がフラット状(略平坦状)に構築されるものであっても良く、瓦棒葺き、折版、横葺き等の公知の屋根を適宜に選択して用いることができ、特に限定するものではない。
【0009】
【発明の実施の形態】
まず、本発明を図1に示す実施例にて説明する。
【0010】
図1に示す実施例における既設屋根2は、図1(a)の有効幅は400mm、図1(b)の有効幅は350mmである縦平葺きであって、既設屋根材21の平坦状の面板部211,211’の一方の側縁を略直角状に立ち上げて略L字状の吊子22の縦片に沿わせ、他方の側縁も略直角状に立ち上げて吊子22の縦片に沿わせると共に一方側へオーバーハングし、この状態で折返し状に折曲して突出部25とした構成である。吊子22は、既設屋根材21の裏面側に配設される下地材23に固定しても良いし、さらにそれを受支する躯体24に固定するようにしても良い。
【0011】
図1に示す改修構造は、有効幅が異なる2種の代表的な既設縦平葺きを改修するものであって、これらの代表的な有効幅400mm、350mmの最大公約数は50mmであるから、使用する断熱材1Aとしては、裏面側に、裏面側が開口する複数の連続する溝部11を50mmの間隔で設ける。そして、この断熱材1Aを隙間無く突き合わせて敷設することにより、溝部11が一定間隔で配列する断熱層10を形成することができる。この溝部11のうち何れかが、既設屋根2の突出部25を配置可能な納め空間となり、この溝部11は、既設屋根2の突出部25を収納可能な形状、大きさであれば、図示するような角溝状でも良いし、或いは丸溝状でも良い。
【0012】
この断熱材1は、面支持機能及び断熱性を有する材料により成形され、結露水等を吸水したり水分により変質しないものを選択することが好ましい。このような素材としては、特に独立気泡を有する比較的硬質の発泡ポリスチレン、発泡ポリウレタン等の非透水性の樹脂材料などの成型品でも良いし、樹脂と木毛或いは木片セメント板等の複合板であっても良い。特に非透水性樹脂の成型品は、前記特性を全て備えると共に軽量であるため施工性に優れたものとなる。
また、図示しないが、断熱材1の表面側に、結露水や侵入水等を排出するための排水溝を左右方向、流れ方向、斜め方向など適宜に設けても良く、例えば流れ方向に排水溝を設けると共に、それに水を導くように斜め方向にも溝を設けるようにしても良い。
尚、図面上には符号1は付記していないが、本発明における断熱材を総称的に指す説明にて用いる。取付部材3についても同様である。
【0013】
図示実施例では、既設屋根2の突出部25を前記断熱材1Aの溝部11内に位置させるに先立って、断面が略ハット状の取付部材3Aを突出部25に跨るように固定した。
この取付部材3Aは、図示するように躯体24に直接的に固定(固定具31)しても良いし、既設屋根2の下地材23に破損等の損傷が無く躯体24に強固に取り付けられていれば、この下地材23に固定しても良い。その際、固定具31の固定には止水目的の構成を付加することが望ましい。或いは後述する図4,図5の各実施例のように突出部25自体に取付部材3C,3Dを固定するようにしても良い。前者は既設屋根2の突出部25が十分な荷重耐性を有していない場合に有効であり、該突出部25へ正荷重がかかることを防止して潰れや沈み込みを防止することができ、後者は既設屋根2の突出部25が十分な荷重耐性を有している場合に有効であり、既設屋根2に固定具などによる孔を形成しないので、二重の雨仕舞い性が得られるものとなる。そして、この取付部材3Aは、新設屋根を構築するための保持部材5などを取り付ける受け台(受け部32)として用いることができる。
【0014】
前述のように新設される屋根又は壁は、特に限定するものではなく、縦葺き、横葺き、折板等の公知の外装材であれば良く、太陽光を利用した太陽電池一体屋根材(パネル)であっても良い。
また、新設屋根に使用される保持部材5は、垂木、吊子、タイトフレームなどと称される公知の保持部材を用いることができ、複数部材の組合せ品も含まれ、長尺材でもピース材でも良い。その取付手段も、ビス、ボルト・ナットなど公知の取付手段を用いて行えば良い。その取付箇所も、既設屋根2の突出部25や突出部25を跨いで固定された取付部材3に固定されるものでも良いし、それ以外の箇所に固定するものでも良い。
【0015】
この新設屋根を構成する新設外装材4としては、素材(材質)を特に限定するものではないが、代表的には概ね0.4乃至1.6mm程度の表面化粧鋼板、ラミネート鋼板、メッキ鋼板、ステンレス鋼板、アルミ合金板、チタン合金板、銅板等の公知の金属素材をロール成形その他の手段で所定の形状に成形する。尚、硬質樹脂板や炭素繊維積層板等によっても同様の形状に成形することができ、全てをそれらで施工することもできるし、前記金属素材のものと組み合わせて施工することもできる。さらに、新設外装材4の裏面には、結露防止、防音、防火対策上の理由により、必要に応じてポリエチレンフォーム、グラスウールシート等の裏貼り材を添装しても良い。
一方、保持部材5の素材(材質)構成としては、主にアルミの押出し材が使用されるが、保持強度を保てばその他の公知の材料、例えば前記新設外装材4の大きさ、所要強度により通常0.6乃至3.2mm程度のステンレス鋼板やメッキ鋼板等をプレス加工する等して成型しても良い。
【0016】
図示実施例では、略平坦状の面板部41の両側縁に略左右対称な側縁成形部42を有する縦葺屋根板である新設外装材4を敷設してなり、新設外装材4の側縁成形部42は、面板部41側の高さの途中のみに、保持部材5の被嵌合部51に保持される嵌合部421を備え、該嵌合部421の外方に、隣り合う縦葺屋根板と互いに重合する断面逆V字状の重合部422を備え、敷設状態において上側に位置させた重合部422(上側重合部422A)の端部が下側に位置させた重合部422(下側重合部422B)に弾性的に当接する縦葺屋根構造を採用した。尚、重合部422の折り下げ片は、下端内側にあざ折りが形成され、上側重合部422Aと下側重合部422Bとの重合隙間の頂部には止水弾性体43が配されている。
一方、図示実施例に用いられた保持部材5は、略左右対称の通し部材であって、下面が断熱層10上に接する断面略矩形状の下枠部とその上の連結首部とその上の断面略三角形状の上枠部とからなる。上枠部の側端が前記新設外装材4の嵌合部421と弾性嵌合する被嵌合部51であり、適宜間隔で連結首部を切断して下枠部の上面から断熱層を介して取付部材3Aへ固着具53を打ち込んで固定するようにした。さらに、上枠部の略傘状の上面は重合部422を裏面側から受支する受支部54である。
【0017】
前記断熱材1A及び取付部材3A、新設外装材4、保持部材5を用いて新設屋根を施工する手順を以下に説明する。
まず、既設屋根2の突出部25に跨るように前記構成の取付部材3Aを固定する。
その後、該取付部材3Aが溝部11内に位置するように断熱材1Aを配設し、各断熱材1Aを隙間無く突き合わせて敷設することにより、断熱層10を敷設する。
次に、形成された断熱層10の表面から固着具53を取付部材3Aの受け部52へ固着して保持部材5を取り付ける。
そして、この保持部材5に新設外装材4を取り付けて屋根を新設する。尚、新設外装材4を敷設するに際し、屋根面の傾斜や風向き等の諸条件に応じて水上側に敷設する新設外装材4の重合部422(上側重合部422A)を、水下側に敷設する新設外装材4の重合部422(下側重合部422B)の上に重合させる。
【0018】
こうして施工された本発明の改修構造は、既設屋根2の上に欠損部分がない断熱層10を形成するものであって、断熱層10の裏面側に一定間隔で裏面側が開口する溝部11が形成されているため、有効幅の幅寸法が異なる既設屋根に容易に適応することができる。
また、形成される断熱層11は、基本的に表面側に凹部が形成されないので、外装材1の裏面を支持する面強度が高く、しかも略均一な正荷重耐性を有するものであり、作業者が外装材1の表面を踏みつけて凹み変形が生ずるなどといった事故を生ずることがない。
【0019】
尚、図示実施例は、取付部材3Aを躯体24が存在する部分の表面に固定し、該取付部材3Aに保持部材5を取り付けるようにした。
【0020】
また、図示実施例の新設屋根では、上側重合部422Aの端部が下側重合部422Bに弾性的に当接して隙間を生じないので、風雨によるまくれ上がりや、塵・埃等の堆積を防ぐことができる。そのため、風雨に対して信頼性の高いものとなる。
さらに、新設外装材4は、屋根面の傾斜や風向き等の諸条件に応じて上側重合部422A及び下側重合部422Bを設定するが、略左右対称な側縁成形部42,42の面板部41側のみに嵌合部421を設けているので、左右どちら側からでも施工することができ、施工作業を容易に行えて工期の短縮およびコストの削減を図ることができる。さらに、物品として製造成形性の点でも優れている。
【0021】
図2に示す実施例の改修構造は、既設屋根2や取付部材3A、並びに新設屋根については前記図1の実施例と全く同様であり、図面に同一符号を付して説明を省略する。
この例は、断熱材1Bについても基本的な構造は前記図1における断熱材1Aと同様であるが、側縁を突き合わせるものでなく段状に成形して重合するものである。即ちこの例にて用いた断熱材1Bは、一方(図面では右方)の側縁の表面側を矩形状に切り欠いて被重合部12とし、他方(図面では左方)の側縁の裏面側を矩形状に切り欠いて重合部13としたが、敷設状態において、裏面側に、裏面側が開口する溝部11が50mmの一定間隔で配列する断熱層10を形成する点でも共通する。
したがって、この図2の実施例においても、前記図1の実施例と全く同様の効果を奏することができる。また、ミリ単位の施工誤差などについては重合部分にて解消できる。
尚、この図2の実施例も、取付部材3Aを躯体24が存在する部分の表面に固定し、該取付部材3Aに保持部材5を取り付けるようにした。
【0022】
図3に示す実施例の改修構造は、断熱材1Cに設けた溝部11の大きさ(幅)及び取付部材3Bが異なる以外は、前記図2の実施例と同様であり、図面に同一記号を付して説明を省略する。
この例で用いられる取付部材3Bは、前記図1や図2における取付部材3Aに比べて幅広であり、それに応じて断熱材1Cの溝部11は、広幅に形成されている。このように断熱材1の溝部11は、既設屋根2の突出部25や取り付ける取付部材3の形や大きさに応じて適宜に選定すれば良い。
また、取付部材3Bは、受け部32の左右側縁にそれぞれ脚片を設けた断面逆U字状の枠体に、下端に係止部331を有する挟着脚片33が一体的に設けられた構成である。そして、この取付部材3Bは、既設屋根2の突出部25を枠体の一方の側面と挟着脚片33で挟み込み、係止部331を突出部25の基端に係止させるように取り付けるものであり、取付部材3Bを固定するための固着具31は、既設屋根2の突出部25を貫くように躯体24に取り付けられている。
尚、この図の実施例も、取付部材3Bを躯体24が存在する部分の表面に固定し、該取付部材3Bに保持部材5を取り付けるようにした。
【0023】
図4に示す実施例の改修構造は、取付部材3Cが既設屋根2の突出部25に取り付けられている(固着具31を用いない)以外は、前記図3の実施例と同様であり、図面に同一符号を付して説明を省略する。
この例で用いられる取付部材3Cは、その拡大分解図である図4(c)に示すように、受け部32を備える部材34と突出部25を挟んで対向状に配される部材35とをボルト36,ナット37で一体化する構成である。そして、ボルト36,ナット37で締め付けると、部材34の下端に設けられた係止部341が突出部25の基端に係止すると共に、部材35の高さの中程に設けられた凸部351が突出部25の側部に食い込み、強固に固定される。
このような取付部材3Cは、前述のように既設屋根2の突出部25が十分な荷重耐性を有している場合に有効であり、既設屋根2に固定具31などによる孔を形成しないので、既設屋根2自体が有する雨仕舞性を活用することができ、新設屋根と併せて二重の雨仕舞い性が得られるものとなる。
【0024】
図5に示す実施例の改修構造では、取付部材3Dの構成が異なる以外は、前記図4の実施例と同様であり、図面に同一符号を付して説明を省略する。
この例で用いられる取付部材3Dは、その拡大図である図5(c)に示すように、受け部32を備える断面略筺状の本体38をボルト36,ナット37で挟み込む構成である。そして、ボルト36,ナット37で締め付けると、本体38の一方の側面が突出部25の側面に沿い、下辺の先端に設けられた係止部381が突出部25の基端に係止した状態で強固に固定される。
【0025】
以上本発明を図面の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない限りどのようにでも実施することができる。図示実施例では既設屋根上に新設屋根を構築する例を示したが、既設壁の外側に新設壁を構築する場合も全く同様であり、鉛直面状又は傾斜面状の外壁や内壁に適宜に用いることができ、例えば様々な形状にデザインされた建築物或いは構造物の壁面改修にも好適に利用することができる。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、突出部が形成される既設屋根又は既設壁を対象とし、既設屋根の上に欠損部分がない断熱層を形成するものであって、優れた断熱性能を有するものであり、断熱層の裏面側に一定間隔で裏面側が開口する溝部が形成されているため、有効幅の幅寸法が異なる既設屋根に容易に適応することができる。
また、形成される断熱層は、基本的に表面側に凹部が形成されないので、外装材の裏面を支持する面強度が高く、しかも略均一な正荷重耐性を有するものであり、例えば作業者が外装材の表面を踏みつけて凹み変形が生ずるなどといった事故を生ずることがない。
【0027】
特に突出部に跨るように取付部材を固定し、該取付部材に断熱層の表面から保持部材や支持部材を固定する固定具を打ち込んで固定し、この保持部材や支持部材に外装材を取り付けて屋根又は壁を新設する場合、既設屋根の突出部が十分な荷重耐性を有している場合に有効であり、既設屋根に固定具などによる孔を形成しないので、二重の雨仕舞い性が得られるものとなる。
【0028】
さらに、本発明の改修方法は、断熱材の敷設に際し、既設屋根又は既設壁の突出部或いは取付部材が溝部に嵌合するように断熱材を敷設すれば良く、特殊な工程を経ることがないので、極めて施工性が良いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の改修構造の一例を示す断面図、(b)有効幅が異なる既設屋根に対応させた改修構造を示す断面図、(c)既設屋根及び新設屋根の接続部分を示す拡大断面図である。
【図2】(a)本発明の他の改修構造の一例を示す断面図、(b)有効幅が異なる既設屋根に対応させた改修構造を示す断面図である。
【図3】(a)本発明の他の改修構造の一例を示す断面図、(b)既設屋根及び新設屋根の接続部分を示す拡大断面図、(c)用いた取付部材の拡大断面図である。
【図4】(a)本発明の他の改修構造の一例を示す断面図、(b)既設屋根及び新設屋根の接続部分を示す拡大断面図、(c)用いた取付部材を分解した拡大断面図、(d)用いた取付部材の拡大断面図である。
【図5】(a)本発明の他の改修構造の一例を示す断面図、(b)既設屋根及び新設屋根の接続部分を示す拡大断面図、(c)用いた取付部材の拡大断面図である。
【符号の説明】
1,1A〜1C 断熱材
10 断熱層
11 溝部
2 既設屋根
24 躯体
25 突出部
3,3A〜3D 取付部材
4 外装材
Claims (5)
- 既設の屋根面又は壁面に突出部が形成される既設屋根又は既設壁の外側に断熱材を介して屋根又は壁を新設する改修構造であって、
前記断熱材は、裏面側に、裏面側が開口する複数の連続する溝部が既設屋根又は既設壁の代表的な2種の有効幅の最大公約数の間隔で配列する断熱層を形成するものであって、
突出部が溝部内に位置するように断熱層を配設し、該断熱層の表面に外装材を敷設して屋根又は壁を新設することを特徴とする改修構造。 - 突出部に跨るように取付部材を固定し、該取付部材に断熱層の表面から保持部材や支持部材を固定する固定具を打ち込んで固定し、この保持部材や支持部材に外装材を取り付けて屋根又は壁を新設することを特徴とする請求項1に記載の改修構造。
- 断熱材は少なくとも一方の対向する側縁に重合部を設けたことを特徴する請求項1又は2に記載の改修構造。
- 断熱材は、少なくとも表面側が非透水性であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の改修構造。
- 既設の屋根面又は壁面に突出部が形成される既設屋根又は既設壁の外側に断熱材を介して屋根又は壁を新設する改修方法であって、
前記断熱材は、裏面側に、裏面側が開口する複数の連続する溝部が既設屋根又は既設壁の代表的な2種の有効幅の最大公約数の間隔で配列する断熱層を形成するものであって、
突出部に跨るように取付部材を固定した後、該取付部材が溝部内に位置するように断熱層を配設し、該断熱層の表面から前記取付部材へ保持部材や支持部材を固定する固定具を打ち込んで固定し、この保持部材や支持部材に外装材を取り付けて屋根又は壁を新設することを特徴とする改修方法。
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