JP2004084380A - 改修用断熱材、改修構造、及び改修方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の改修用断熱材1は、屋根面に突出部25が形成される既設屋根2を改修する際に用いる断熱材であって、裏面側に前記突出部25を配置可能な納め空間部11を形成し、左右側縁の一方に被重合部12を設けると共に他方に前記被重合部12に重合可能な重合部13を設けた構成である。本発明の改修構造は、屋根面に突出部25が形成される既設屋根2上に断熱材1’又は前記改修用断熱材1を介して屋根を新設する改修構造であって、前記断熱材1’は、側縁の一方に被重合部12、他方に前記被重合部12に重合可能な重合部13を形成し、前記既設屋根2の突出部25が前記断熱材1’又は改修用断熱材1で構成される断熱層内に位置するように断熱層を敷設すると共に該断熱層上に新設屋根を構築する。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、既設屋根又は既設壁の外側に欠損部分がない断熱層を形成し、優れた断熱性能を有する改修構造を構築できる改修用断熱材、改修構造、及び改修方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
既設屋根を葺き替える場合、既設屋根を構成する屋根材などを剥がさずに新設屋根を重ねる方法が多く採られている。
例えば特開2002−121864公報には、縦桟状の凸部が所定間隔で形成される既存屋根を対象とし、縦桟状の凸部間に形成される凹部に、凸部の高さと略同一の厚みを有する断熱材を敷設し、その上に新たに屋根を構築するものが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記従来の構造では、既設屋根の凸部(及びその上)に断熱材が介在しない構成であって、凸部が断熱層としての欠損部分となり、十分な断熱性能が得られなかった。
また、既存の縦葺き屋根(瓦棒等)は、上記先行技術における凹部の幅(縦桟の配設間隔)が概ね350〜450mmに成形されていることが多く、この種の既存屋根に対応するには、異なる幅の断熱材を準備しておかなければならず、製造コスト、部材管理、在庫管理等の面でも問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記に鑑み提案されたもので、屋根面又は壁面に突出部が形成される既設屋根又は既設壁を改修する際に用いる断熱材であって、裏面側に前記突出部を配置可能な納め空間部を形成し、左右側縁の一方に被重合部を設けると共に他方に前記被重合部に重合可能な重合部を設けたことを特徴とする改修用断熱材に関するものである。
【0005】
また、本発明は、屋根面又は壁面に突出部が形成される既設屋根又は既設壁の外側に断熱材又は前記改修用断熱材を介して屋根又は壁を新設する改修構造であって、前記断熱材は、側縁の一方に被重合部、他方に前記被重合部に重合可能な重合部を形成し、前記既設屋根又は既設壁の突出部が前記断熱材又は改修用断熱材で構成される断熱層内に位置するように断熱層を敷設すると共に該断熱層の外側に新設屋根又は新設壁を構築することを特徴とする改修構造、及び改修方法をも提案する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の改修用断熱材(以下、単に断熱材という)1は、裏面側に既設屋根2の突出部25を配置可能な納め空間部11を形成し、左右側縁の一方に被重合部12を設けると共に他方に前記被重合部12に重合可能な重合部13を設けた構成であり、納め空間部11は、既設屋根2の突出部25を収納可能な形状であればよく、角溝状でも丸溝状でも良い。
この断熱材1は、面支持機能及び断熱性を有する材料により成形され、結露水等を吸水したり水分により変質しないものを選択することが好ましい。このような素材としては、特に独立気泡を有する比較的硬質の発泡ポリスチレン、発泡ポリウレタン等の非透水性の樹脂材料などの成型品でも良いし、樹脂と木毛或いは木片セメント板等の複合板であっても良い。特に非透水性樹脂の成型品は、前記特性を全て備えると共に軽量であるため施工性に優れたものとなる。
また、断熱材1の左右側縁には、前述のように被重合部12及び重合部13を設けるが、流れ方向の側縁にも同様な構成を有する被重合部及び重合部を設けるようにしても良い。
さらに、断熱材1の表面側には、結露水や侵入水等を排出するための溝部を左右方向、流れ方向、斜め方向など適宜に設けても良く、例えば流れ方向に溝部を設けると共に、それに水を導くように斜め方向にも溝部を設けるようにしても良い。
【0007】
図1に示す実施例では、断熱材1は独立気泡を有する硬質の発泡ポリスチレンにて成形される成形体であり、左右方向の長さ(幅寸法)の略中央の裏面側に角溝状の納め空間部11が形成されている。また、一方(図面では左側)の側縁には、厚み方向の上半を切り欠いた被重合部12が、他方(図面では右側)の側縁には、厚み方向の下半を切り欠いた重合部13が形成されている。さらに、被重合部12及び重合部13の先端には凸部121,131が形成され、被重合部12と重合部13とを重合させた状態で、隙間状の空間部14が形成される構成である。
【0008】
本発明の断熱材1を敷設する対象である既設屋根2は、屋根面に突出部25が形成される構成であって、主に瓦棒(真木あり、真木なし)をいうが、縦平葺き等であっても良く、平坦状部と接続部から構成される縦葺き形式のものであれば良い。
【0009】
図2,3は、前記構成の断熱材1を用いた改修構造(第1の実施例)であり、この例における既設屋根2は、瓦棒であって、梁や母屋、胴縁等の躯体からなる下地部分21の上面に断面U字状の垂木22を固定すると共に、外装材23の平坦状部231の側縁を略垂直に立ち上げた接続部232,232を沿わせて配設し、蓋状のカバー材24を被せた状態で、垂木22の上縁と外装材23の接続部232とカバー材24の側縁とを垂木22から見て外側へ一体にかしめた構造である。したがって、この既設屋根2の突出部25は、垂木22、外装材23の接続部231、及びカバー材24にて形成される。
【0010】
そして、前記既設屋根2の突出部25に納め空間部11に配置させるように断熱材1を配設しても良いが、図示実施例では、突出部25に跨るように断面略ハット型のピース材である補強金具3Aを取り付けた(固着具31)後、断熱材1を配設した。
この補強金具3Aは、既設屋根2の突出部25が十分な荷重耐性を有していない場合に有効であり、該突出部25へ正荷重がかかることを防止して潰れや沈み込みを防止すると共に、後述する新設屋根を構築するための保持部材5などを取り付ける受け台として用いることもできる。
尚、後述する図6に示すように突出部25の上面に位置する補強金具3Bを用いても同様の効果が得られる。
【0011】
本発明の改修構造に適用される新設屋根は、既設屋根2と同様に表面側に桟部が表出するものでも、表面がフラット状(略平坦状)に構築されるものであっても良く、瓦棒葺き、折版、横葺き等の公知の屋根を適宜に選択して用いることができ、特に限定するものではない。したがって、新設屋根に使用される外装材4(以下、既設屋根2に使用される外装材23と区別するため新設外装材という)は、縦葺き、横葺き、折板等の公知の外装材であれば良く、太陽光を利用した太陽電池一体屋根材(パネル)であっても良い。また、新設屋根に使用される保持部材5は、垂木、吊子、タイトフレームなどと称される公知の保持部材を用いることができ、複数部材の組合せ品も含まれ、長尺材でもピース材でも良い。その取付手段も、ビス、ボルト・ナットなど公知の取付手段を用いて行えば良い。その取付箇所も、既設屋根2の突出部25や突出部25を跨いで固定された受台金具3に固定されるものでも良いし、それ以外の箇所に固定するものでも良い。
【0012】
この新設屋根を構成する新設外装材4としては、素材(材質)を特に限定するものではないが、代表的には概ね0.4乃至1.6mm程度の表面化粧鋼板、ラミネート鋼板、メッキ鋼板、ステンレス鋼板、アルミ合金板、チタン合金板、銅板等の公知の金属素材をロール成形その他の手段で所定の形状に成形する。尚、硬質樹脂板や炭素繊維積層板等によっても同様の形状に成形することができ、全てをそれらで施工することもできるし、前記金属素材のものと組み合わせて施工することもできる。さらに、新設外装材4の裏面には、結露防止、防音、防火対策上の理由により、必要に応じてポリエチレンフォーム、グラスウールシート等の裏貼り材を添装しても良い。一方、保持部材5の素材(材質)構成としては、主にアルミの押出し材が使用されるが、保持強度を保てばその他の公知の材料、例えば前記新設外装材4の大きさ、所要強度により通常0.6乃至3.2mm程度のステンレス鋼板やメッキ鋼板等をプレス加工する等して成型しても良い。
【0013】
図示実施例では、面板部41の両側縁に略左右対称な側縁成形部42を有する縦葺屋根板である新設外装材4を敷設してなり、新設外装材4の側縁成形部42は、面板部41側の高さの途中のみに、保持部材5の被嵌合部52に保持される嵌合部421を備え、該嵌合部421の外方に、隣り合う縦葺屋根板と互いに重合する重合部422を備え、敷設状態において上側に位置させた重合部422(上側重合部422A)の端部が下側に位置させた重合部422(下側重合部422B)に弾性的に当接する縦葺屋根構造を採用した。
【0014】
図示実施例に用いられた新設外装材4では、面板部41は略平坦状であり、その両側縁に略左右対称に形成された側縁成形部42は、面板部41の側縁を外方へ略傾斜状に立ち上げ、その上端を外方へ傾斜状に折り下げられた形状である。面板部41側の立ち上がり片の高さの途中には、断面略く字状に面板部41側へ窪んだ形状の嵌合部421が形成され、この嵌合部421より上方の折り上げ片とその上端から折り下げられた折り下げ片とで断面逆V字状の重合部422が形成されている。折り下げ片は、下端内側にあざ折りが形成されている。その施工(接続)状態においては隣り合う側面成形部42,42で桟状の山部が形成される構成である。
【0015】
図示実施例に用いられた保持部材5は、略左右対称の通し部材であって、下面が断熱層上に接する断面略矩形状の下枠部とその上の連結首部とその上の断面略三角形状の上枠部とからなる。上枠部の側端が前記新設外装材4の嵌合部421と弾性嵌合する被嵌合部51であり、前記補強金具3Aへの固定部52は、下枠部の左右底面に位置する水平片としたが、適宜間隔で連結首部を切断して下枠部の上面から断熱層を介して補強金具3Aへ固着具53を打ち込むようにしても良い。さらに、上枠部の略傘状の上面は重合部422を裏面側から受支する受支部54である。
【0016】
前記新設外装材4及び保持部材5を用いて新設屋根を施工するには、一般の嵌合式の屋根板と同様に施工するものであり、前記保持部材2を断熱層上に沿わせ、受け部材2へ固着具53を打ち込んで取り付け、これに前記新設外装材4を弾性嵌合により施工するものである。
但し、新設外装材4を敷設するに際し、屋根面の傾斜や風向き等の諸条件に応じて(より)水上側に敷設する新設外装材4の重合部422(上側重合部422A)を、(より)水下側に敷設する新設外装材4の重合部422(下側重合部422B)の上に重合させる。
【0017】
この図示実施例の新設屋根では、上側重合部422Aの端部が下側重合部422Bに弾性的に当接して隙間を生じないので、風雨によるまくれ上がりや、塵・埃等の堆積を防ぐことができる。そのため、風雨に対して信頼性の高いものとなる。
また、新設外装材4は、屋根面の傾斜や風向き等の諸条件に応じて上側重合部422A及び下側重合部422Bを設定するが、略左右対称な側縁成形部42,42の面板部41側のみに嵌合部421を設けているので、左右どちら側からでも施工することができ、施工作業を容易に行えて工期の短縮およびコストの削減を図ることができる。さらに、物品として製造成形性の点でも優れている。
【0018】
さらに、新設屋根の上に空間部9を介して太陽エネルギー集積装置8を取り付けるようにしても良い。この場合の新設屋根としては、主に縦葺き屋根とする。
【0019】
図示実施例では、新設屋根の桟状の山部に1つおきに架台受金具6Aが取り付けられ、取り付けられた複数の架台受金具6Aに跨って左右方向に架台6Bを固定し、該架台6B上に太陽エネルギー集積装置8を取り付けた構造が採用されている。
架台受金具6Aは、対向する左右一対のピース材61,61と、それぞれの上端に溶接等により固定された断面U字状のピース材62と、左右のピース材61,61を連結するための連結具(ボルト・ナット)63からなる。左右のピース材61,61は、桟状の山部の形状に沿うように成形され、左右から挟み込むように山部にビス611で固定され、断面U字状のピース材62は、その内部に断面逆U字状の架台6Bを受けてビス621にて固定している。太陽エネルギー集積装置8については、架台6Bに固定されるものであれば公知のどのような装置等を採用しても良く、光エネルギーを電力へ変換して集積する太陽電池(結晶タイプ、非結晶タイプ、アモルファス)と外装材を一体化したものでも、太陽電池をフレーム等で枠組みしたパネルでも良いし、或いは輻射熱などの熱エネルギーを空気や水等を媒体として集熱する装置であっても良い。
【0020】
このような構成を有する本発明の改修構造は、既設屋根2の突出部25を配置可能な納め空間部11を有すると共に左右の側縁12,13が重合する断熱材1を用いることにより、既設屋根2の上に欠損部分がない断熱層が形成されるので、優れた断熱性能を確保することができるものである。
【0021】
特に図示実施例では、被重合部12の先端に凸部121を設けて被重合部12と重合部13とを重合させた状態で、隙間状の空間部14が形成される構成を採用したので、新設外装材4の裏面に雨水が回った場合に断熱材1の裏面へ浸水させることなく水下側へ導くことができる。
尚、被重合部12の厚みを肉薄部分を基準に考えると、先端は肉厚の凸部とみなせるが、先端の肉厚部分を基準に考えると、肉薄部分は凹部と見なすことができ、上述の雨水はこの凹部より流下させることができると表現できる。
【0022】
また、新設屋根の上に太陽エネルギー集積装置8を取り付けるようにしたので、既設屋根2の老朽化に伴う改修に加えて付加機能化が果たされる。
また、新設屋根としての縦葺き屋根の接続部から架台受金具6Aなどにより架台6Bを持ち出すことで太陽エネルギー集積装置8と新設屋根間に空間部9を形成するようにしたため、さらに優れた断熱構造となり、またこの空間部9によって太陽電池等の温度上昇による発電効果の低下を防ぐことができる。
【0023】
図4に示す第2の実施例の改修構造では、既設屋根2や補強金具3Aについては前記第1の実施例と同様であり、図面に同一符号を付して説明を省略する。
この例は、断熱材1についても基本的な構造は前記第1の実施例と同様であるが、重合代の調整を示すものである。
【0024】
前述のように縦葺き屋根(瓦棒等)である既設屋根2は、突出部25の配設間隔が所定の範囲(概ね350〜450mm)に成形されていることが多く、この種の既設屋根2に対応するには、異なる幅の断熱材を準備しておく必要があった。同図(a)では、隣接する断熱材1,1を隙間なく密接させて配設した状態であって、突出部25の配設間隔をAとする。同図(b)では、凸部121,131が密接するように配設した状態であって、突出部25,25の配設間隔をBとする。形成された空間には、不定形状のバックアップ材15などを充填すれば良い。即ちこの場合、凸部121,131で位置規制並びに重合部13の折れ防止が図れ、異なる幅の断熱材を準備しなくても、突出部25,25の配設間隔がA〜Bの範囲の既設屋根2に、重合代を適宜調整することにより、対応できるものである。したがって、製造コスト、部材管理、在庫管理等の面で有利である。
尚、このような凸部121、131或いは凹部は複数設けても良く、複数設けない場合は先端付近に設けることが好ましい。
施工に際しては、納め空間部11が既設屋根2の突出部25に被さるように断熱材1をスライドさせながら配設すれば良く、突出部25が断熱材1を敷設する際の位置規制部となり、極めて容易に断熱材1の敷設位置を特定することができる。
【0025】
尚、図示実施例の新設屋根は、公知の縦葺屋根構造であるから簡単に説明すると、上枠部の形状が異なる以外は前記第1の実施例における保持部材5とほぼ同様の下側保持部材5Aを固定し(固着具53)、該下部保持部材5Aに、上端及び中程の2箇所に被係合部を備える立上り部43を弾性係合させ、さらに上側保持部材5Bを弾性嵌合させて新設外装材4を保持させ、隣接する立上り部43,43及び保持部材5(5A,5B)を覆うように新設カバー材4Aを弾性嵌合させて構築したものである。
【0026】
図5に示す第3の実施例の改修構造では、既設屋根2については前記第1の実施例と同様であり、図面に同一符号を付して説明を省略する。
この例は、前記第1及び第2の実施例における断熱材1のように裏面側に納め空間部11は形成されないが、断熱層内に既設屋根1の突出部25を位置させた点では共通し、断熱材1’、1’を左右に敷設した状態で断熱層内の重合部分(重合部13の裏面側空間)に突出部25が位置するように配設したものである。また、断熱材1’の表面側には、新設屋根を構築する保持部材5を収納可能な凹溝状の保持部材用納め部16が形成されている。
【0027】
この実施例では、前記図4の第2の実施例と同様に、突出部25,25の配設間隔がC〜Dの範囲の既設屋根2に、重合代を適宜調整することにより、対応することができる。
施工に際しては、重合部13の端部が既設屋根2の突出部25に係止するように断熱材1’をスライドさせながら配設すれば良く、突出部25が断熱材1’を敷設する際の位置規制部となり、極めて容易に断熱材1’の敷設位置を特定することができる。
【0028】
また、図示実施例の新設屋根は、公知の縦平葺き屋根構造であるから簡単に説明すると、断熱材1’の表面に形成された凹溝状の保持部材用納め部16内に樋材5Cを配し、該樋材5Cを上方から押さえるように断面略W字状の保持部材5Dを固定し(固着具53)、該保持部材5Dに被係合部を備える略V字状の折り下げ部44を弾性係合させて縦平葺き屋根板である新設外装材4を保持させ、平坦状の外装面となるように新設カバー材4Bを弾性嵌合させて構築したものである。
【0029】
このように断熱材1’の表面側に保持部材用納め部16を形成し、新設屋根をフラット状とした場合、重合部13の裏面側空間に位置させる突出部25と必然的に配置箇所が位相し、新設屋根の保持箇所(保持部材用納め部16)は既設屋根2の保持箇所(突出部25)とは鉛直線状に配置しない位置関係が得られる。尚、裏面側に納め空間部11を設ける断熱材1を用いる場合も、裏面側の納め空間部11と表面側の保持部材用納め部16とは鉛直線状に設けることはあり得ない(仮に設けると断熱材1の当該箇所の厚みが極薄になる。)ので、新設屋根の保持箇所は既設屋根2の保持箇所とは鉛直線状に配置しない位置関係となる。そのため、既設屋根2の突出部25に正荷重等が作用しないので、前記補強金具3Aなどを用いなくても良く、突出部25が十分な荷重耐性を有していない場合に有効である。
【0030】
図6(a)は、前記した突出部25に跨る断面略ハット型の補強金具3Aと同様に、既設屋根2の突出部25が十分な荷重耐性を有していない場合に有効な補強金具3Bである。この補強金具3Bは、下地部分21へ打ち込む固着具32と支持板33と上方へ起立して下部保持部材5Aが取り付けられるボルト34とが一体化された構成である。
この補強金具3Bを用いることにより、図6(b)に示すように、既設屋根2の突出部25の高さに応じて支持板33の位置を調整でき、該支持板33が突出部25へ正荷重がかかることを防止して潰れや沈み込みを防止できると共に、新設屋根を構築するための下部保持部材5Aを取り付けることもできる。
【0031】
以上本発明を図面の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない限りどのようにでも実施することができる。図示実施例では既設屋根上に新設屋根を構築する例を示したが、既設壁の外側に新設壁を構築する場合も全く同様であり、鉛直面状又は傾斜面状の外壁や内壁に適宜に用いることができ、例えば様々な形状にデザインされた建築物或いは構造物の壁面改修にも好適に利用することができる。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の改修用断熱材は、既設屋根又は既設壁の突出部を配置可能な納め空間部を有すると共に左右の側縁が重合する構成であるため、既設屋根又は既設壁の外側に欠損部分がない断熱層が形成され、優れた断熱性能を有する改修構造を構築できるものである。
また、断熱材同士が重合接続されるので、重合代が可変となり、異なる幅の既設屋根又は既設壁に対応することができ、製造コスト、部材管理、在庫管理等の面で有利である。
【0033】
特に断熱材の被重合部に流れ方向に沿う凸部或いは凹部を設けた場合、新設外装材の裏面に雨水が回ることがあっても断熱材の裏面へ浸水させることなく水下側へ導くことができる。
また、断熱材の表面側に保持部材用納め部を設けた場合、新設屋根又は新設壁の保持箇所を既設屋根又は既設壁の保持箇所とは鉛直線状に配置しない位置関係とすることができ、既設屋根又は既設壁の突出部に正荷重等が作用しないので、突出部が十分な荷重耐性を有していない場合に有効である。
【0034】
さらに、本発明の改修構造及び改修方法は、前述の改修用断熱材の納め空間部或いは断熱材の重合部の裏面側空間に既設屋根又は既設壁の突出部を配置させる構成であって、既設屋根又は既設壁の上に欠損部分がない断熱層が形成され、この断熱層を介して新設屋根が施工されているため、優れた断熱性能を有し、新設屋根又は新設壁に作用する外気温の影響を断熱層が遮断するため、室内は快適な環境に維持される。
【0035】
また、新設屋根又は新設壁上に空間部を介して太陽エネルギー集積装置を取り付けると、既設屋根又は既設壁の老朽化に伴う改修に加えて付加機能化が果たされるものとなる。しかもこの空間部は、太陽エネルギー集積装置と新設屋根又は新設壁間を熱的に隔てる断熱空間として作用するため、太陽電池等の温度上昇による発電効果の低下を防ぐことができる。
【0036】
さらに、本発明の改修方法は、少なくとも断熱材の敷設に際し、既設屋根又は既設壁の突出部が納め空間部に嵌合するように或いは重合部に係止するように断熱材をスライドさせながら突出部が位置規制部となり、容易に敷設位置を特定でき、極めて施工性が良いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の改修用断熱材の一実施例を示す断面図、(b)その接続状態の一例を示す断面図である。
【図2】(a)図1の改修用断熱材を用いた本発明の改修構造の第1の実施例を示す側断面図、(b)拡大正面図である。
【図3】図2の改修構造の要部を示す拡大正面図である。
【図4】(a)本発明の改修構造の第2の実施例を示し、適用範囲における最も狭い突出部の配設間隔に相当する状態を示す正面図、(b)適用範囲における最も広い突出部の配設間隔に相当する状態を示す正面図である。
【図5】(a)本発明の改修構造の第3の実施例を示し、適用範囲における最も狭い突出部の配設間隔に相当する状態を示す正面図、(b)適用範囲における最も広い突出部の配設間隔に相当する状態を示す正面図である。
【図6】(a)既設屋根の突出部を補強する補強金具の一例を示す平面図、(b)該補強金具を用いた既設屋根の改造構造を示す正面図である。
【符号の説明】
1 改修用断熱材
1’ 断熱材
11 納め空間部
12 被重合部
13 重合部
1’ 断熱材
2 既設屋根
25 突出部
4 外装材
5 保持部材
8 太陽エネルギー集積装置
Claims (6)
- 屋根面又は壁面に突出部が形成される既設屋根又は既設壁を改修する際に用いる断熱材であって、
裏面側に前記突出部を配置可能な納め空間部を形成し、左右側縁の一方に被重合部を設けると共に他方に前記被重合部に重合可能な重合部を設けたことを特徴とする改修用断熱材。 - 少なくとも被重合部に流れ方向に沿う凸部或いは凹部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の改修用断熱材。
- 表面側に保持部材用納め部を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の改修用断熱材。
- 屋根面又は壁面に突出部が形成される既設屋根又は既設壁の外側に断熱材又は請求項1〜3の何れか一項に記載の改修用断熱材を介して屋根又は壁を新設する改修構造であって、
前記断熱材は、側縁の一方に被重合部、他方に前記被重合部に重合可能な重合部を形成し、
前記既設屋根又は既設壁の突出部が前記断熱材又は改修用断熱材で構成される断熱層内に位置するように断熱層を敷設すると共に該断熱層の外側に新設屋根又は新設壁を構築することを特徴とする改修構造。 - 新設屋根又は新設壁の外側に空間を介して太陽エネルギー集積装置を取り付けたことを特徴とする請求項4に記載の改修構造。
- 屋根面又は壁面に突出部が形成される既設屋根又は既設壁の外側に断熱材又は請求項1〜3の何れか一項に記載の改修用断熱材を介して屋根又は壁を新設する改修方法であって、
前記断熱材は、側縁の一方に被重合部、他方に前記被重合部に重合可能な重合部を形成し、
前記既設屋根又は既設壁の突出部が前記断熱材又は改修用断熱材で構成される断熱層内に位置するように断熱層を敷設すると共に該断熱層の外側に新設屋根又は新設壁を構築することを特徴とする改修方法。
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JP2002248997A JP2004084380A (ja) | 2002-08-28 | 2002-08-28 | 改修用断熱材、改修構造、及び改修方法 |
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2002
- 2002-08-28 JP JP2002248997A patent/JP2004084380A/ja active Pending
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