JP3308890B2 - 縦葺き外装構造及び縦葺き外装構造を用いた集熱方法 - Google Patents

縦葺き外装構造及び縦葺き外装構造を用いた集熱方法

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JP3308890B2
JP3308890B2 JP4499998A JP4499998A JP3308890B2 JP 3308890 B2 JP3308890 B2 JP 3308890B2 JP 4499998 A JP4499998 A JP 4499998A JP 4499998 A JP4499998 A JP 4499998A JP 3308890 B2 JP3308890 B2 JP 3308890B2
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和幸 西澤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外装面に採光構造
若しくは集熱構造を効率よく取り付けることができる縦
葺き外装構造及び縦葺き外装構造を用いた集熱方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、縦葺き屋根で採光を行う場合、屋
根面の一部に開口部を設け、その開口部に上方へ凸状に
形成される採光装置を配する構成がとられていた。例え
ば図17に示すように、縦葺き外装材6’と桟状のカバ
ー材8’とからなる屋根構造(便宜的に第1従来例とい
う)において、採光装置(ガラス)aは左右に隣接する
屋根板の面板部に跨る構成のものが知られていた。ま
た、特開昭63−261047号公報(便宜的に第2従
来例という)には、谷部と山部の連続する折板に対し、
採光装置(天窓)が複数の谷部に跨る構成が示されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記第
1従来例では、採光装置aの上側枠体が雨水の流れに直
交し、雨水等を堰き止めるため、雨仕舞い上の問題があ
った。特に積雪が多い地域では雨水の流ればかりでなく
雪落ちも妨げられるため、雨仕舞いの問題に加えて積雪
による積載荷重の問題、採光部の閉塞の問題もあった。
また、採光装置の左右両側は、屋根板の面板部に位置す
るため、該面板部に開口部を形成すると共にその開口側
縁を立ち上げる等して雨仕舞いを行う必要があった。さ
らに、屋根の意匠は、面板部と桟部が交互に表れる瓦棒
タイプであるが、採光装置がその全体的な意匠を損なう
ことになり、建築物の意匠上好ましくなかった。前記第
2従来例では、本来は谷部を雨水等が流下するのである
が、採光装置の上縁が雨水の流れに直交して雨水等を堰
き止めるため、前記第1従来例と同様に雨仕舞い等の問
題があった。また、この場合、防水シート、水切り板、
開口枠、窓覆体など多種の部材を組み合わせた複雑な構
造であるため、コストが上昇すると共に、施工に熟練し
た技術が必要となり、熟練者の確保という人的な問題も
あった。さらに、その屋根の意匠は、連続波状の折板屋
根であるが、前記第1従来例と同様に採光装置がその全
体的な意匠を損なうものであった。
【0004】また、縦葺き屋根で太陽熱集熱を行う場
合、前記採光を行う屋根と同様に屋根上に架台を設けて
その上に温水、温風の集熱装置を設けたり、屋根面を断
熱層、集熱空間、透光材で構成し、その集熱空間内に集
熱板や通水管を配することが行われていた。しかし、前
者は、集熱装置自体が屋根上に設置されるために雨仕舞
いの問題や構造が複雑となる問題、意匠上の問題を生ず
ることとなり、後者は、装置自体が大がかりなものとな
る上に、集熱専用の部材を用いなければならないため、
施工の煩雑さを招き、部材管理の手間等で高価なものと
なっていた。
【0005】そこで本発明は、1部材で外装材の機能、
施工性を備えると共に、採光、集熱の何れか一方、また
は両方を同時に行うことも可能な外装材、並びに屋根面
に採光構造や集熱構造を縦葺き屋根に取り付けた構造に
おいて、雨水の流れや雪落ちを妨げることがなく、簡易
な構造で雨仕舞い処理を行うことができ、屋根の意匠性
にも優れた外装構造を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記に鑑み提
案されたもので、流れ方向に沿って配設する複数の保持
部材と、左右方向に隣接する前記保持部材間に配設する
外装材とからなる縦葺き外装構造にあって、前記外装材
は、平面部の側縁に平面部より下方に位置する成形部を
備えると共に、平面部裏面に長手方向に沿って連通する
複数の中空部を備えた透光体からなり、外装材の成形部
の裏面側には流れ方向に沿う流水空間が設けられて
り、前記中空部を空気や水を媒体とする集熱部とした
とを特徴とする縦葺き外装構造に関するものである。
【0007】また、本発明は、前記中空部を水や空気、
その他のガスを媒体とする集熱空間として利用すること
を特徴とする縦葺き外装構造を用いた集熱方法をも提案
するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の縦葺き外装材1は、図1
(a)〜(c)に示すように平面部12の側縁に平面部
12より下方に位置する成形部11を備え、平面部12
の裏面には長手方向に沿って連通する複数の中空部13
を備えた透光体からなる構成である。また、本発明の縦
葺き外装構造は、図2に示すように流れ方向に沿って複
数の保持部材4を配設し、左右方向に隣接する前記保持
部材4,4間に前記構成の外装材1を配置した構成であ
って、外装材1の左右側縁裏面には、流れ方向に沿う流
水空間Aを設けたものである。
【0009】前記外装材1は、適宜構成の成形部11を
形成するため、成形可能な透光性を有する透光体からな
り、太陽光の全部若しくは一部を透過するものであれば
良く、一般的には透明であるが、乳白色等の非透明であ
っても良い。勿論、経年の使用に際して透光性が損なわ
れないもの、変形を生じないもの、強度及び耐候性に富
むものが望ましいことは説明するまでもないが、弾性嵌
合式の接続を可能とする適宜な弾性を有するアクリルや
ポリカーボネート等の樹脂成形体を用いることが望まし
い。また、この外装材1は、保持部材4に弾性的に嵌合
するものであっても複数部材で挟着するものであっても
ビス等の固定具によって直接固定するものでもよく、公
知の固定(取付)手段であれば特に限定するものではな
い。さらに、中空部13の形状は、図1(a)及び図2
の外装材1では断面長方形状であるが、特に限定するも
のではなく、例えば図1(b)のように断面円形状の中
空部13aと断面略長方形状の中空部13bが交互に形
成される構成でも良いし、図1(c)のように断面三角
形状の中空部13cと断面逆三角形状の中空部13dが
交互に形成される構成でも良い。成形部11について
は、前記のように平面部12より下方に位置する以外は
何等限定するものではなく、その形状等についてもどの
ように形成しても良い。
【0010】図1(a)〜(c)に示す各外装材1の成
形部11は、平面部12の側縁から下り段状に折下げら
れた折下り部111、該折下り部111の下端から傾斜
状に立ち上がる立上り部112、該立上り部112の途
中に形成される係合部113から構成されている。図2
の外装構造に用いられる外装材1は、図1(a)に示す
外装材1と全く同一の構成であり、この外装材1の側縁
裏面側には後述する樋部材5が配設され、この樋部材5
の内部空間が流水空間Aである。
【0011】前記保持部材4は、所要強度等により、通
常0.6乃至3.2mm程度のステンレス鋼板やメッキ
鋼板等をプレス加工等して成型したり、アルミの押し出
し成型により作製され、樹脂成形材でも良く、短尺材
(ピース材)でも長尺材(通し材)でも、或いは複数部
材から構成されるものでも良い。この保持部材4は、前
記外装材1を保持して下地(躯体となる縦母屋、横母屋
等)に固定できる構成であれば、特にその具体的構成
(形状)を限定するものではなく、保持する外装材1の
成形部11等の構成に応じてどのように設計、実施して
も良い。また、後述する樋部材5を兼ねる構成のものと
しても良く、その場合、別途に樋部材5を必要とせず、
保持部材4に流水空間Aが形成されることになる。
【0012】図示実施例の保持部材4は、左右に配設さ
れる外装材1,1を保持する構成であり、左右対称に成
形された断面略H字状の短尺材である。そして、左右の
縦片を隔てる横片の中央に、ボルト等の固定具42の挿
入孔を有する固定部41が設けられ、その裏面側には左
右一対の短片状規制部が設けられている。また、固定部
41の左右の起立片の先端には、外側下方へ向く被係合
部43が設けられている。起立片と縦片との間は、前記
外装材1の成形部11を挿入する挿入空間44である。
また、縦片の上端には外方へ緩く湾曲した受部45が形
成されている。
【0013】次に、前記外装材1や保持部材4と共に図
1,2の外装構造に用いられる部材を説明する。
【0014】前記外装材1の左右側縁の裏面側には、断
面略W字状の樋部材5が配設されている。この樋部材5
は、アルミ、ステンレス合金、鋼板等公知の金属素材或
いは樹脂成形材よりなる長尺材であり、外装材1の左右
側縁裏面に流水空間Aを形成するためのものであり、複
数部材から構成されるものでも良い。図示実施例の樋部
材5は、底面部51のほぼ中央に、高さレベルが高い中
央部52を形成し、両側壁53,53の上端は内側へ略
水平状に折曲されている。中央部52の横幅は、前記保
持部材4の短片状規制部の幅とほぼ同一とした。
【0015】前記保持部材4上には、カバー材8が配設
されている。このカバー材8は、概ね0.4乃至1.6
mm程度の表面化粧鋼板、ラミネート鋼板、メッキ鋼
板、ステンレス鋼板、アルミ合金板、チタン合金板、銅
板等の公知の金属素材をロール成形その他の手段で所定
の形状に成形したものでも良いし、或いは樹脂成形材で
も良く、特に素材を限定するものではなく、その形状に
ついても例えば屋根の外観が略平坦状となるカバーでも
良いし、屋根外観に縦桟が表れる桟カバー状のものでも
良い。図示実施例のカバー材8は、金属素材の成形品で
あって、外装面と面一状の被覆部81を有し、被覆部8
1の両側縁を裏面側に折返し、さらに下方へ折下げた垂
下部82の下端に内側上方へ向かう係止部83を設けた
構成とした。この係止部83は、図示実施例では外装材
1の成形部11の被係合部113の裏面に弾性的に係止
する。また、被覆部81の裏面には、結露防止、防音、
防火対策上の理由により、必要に応じてポリエチレンフ
ォーム、グラスウールシート等の裏貼り材(図示せず)
を添装してもよい。尚、屋根の外観が略平坦状となるカ
バーとは、図示実施例のように外装面と被覆部81とを
面一状にする場合、外装面より被覆部81を僅かに低い
位置とする場合、或いは僅かに高い位置にする場合を含
むものである。
【0016】前記保持部材4を固定する下地は、梁や母
屋、胴縁等の鉄骨躯体9が一般的であるが、これに限定
されるものではない。例えば木毛セメント板、木片セメ
ント板、軽量気泡コンクリート板等の下地材を前記鉄骨
躯体上に敷設する構成でも良いし、コンクリート造の躯
体上に鉄骨や木材の小屋組をする構成もあるし、下地調
整されたコンクリート面に直接保持部材4を取り付けて
も良い。したがって、本発明における施工対象となる下
地は、釘、ビス、アンカー、溶接、接着剤等の固着手段
によって前記保持部材4が取付可能な全ての建築躯体を
いい、前記躯体上に断熱その他の必要に応じて敷設する
木毛セメント板等のボード類を含むものである。
【0017】以下に、図2の外装構造の施工手順を説明
する。まず、流れ方向に直交状に配された横母屋である
鉄骨躯体9上の所定割付位置に樋部材5及び保持部材4
を配し、固定具42にて一連に鉄骨躯体9上に固定す
る。次に、外装材1を、隣接する保持部材4,4間に配
設し、成形部11を挿入空間44に挿入し、係合部11
3を被係合部43に弾性的に係合させる。そして、配設
した外装材1の成形部11を覆うようにカバー材8を配
し、被覆部81の両側縁を成形部11の基端(段差)部
分を介して保持部材4の受部45に支持させると共に、
係止部83を係合部113の裏面(保持部材4の被係合
部43)に弾性的に係止させる。このように図2の外装
構造は、弾性嵌合式の外装構造と同様に施工することが
できる。
【0018】このように施工される図2の外装構造にお
いて、外装材1は、中空部13を備える透光体であるか
ら、中空部13を採光空間として利用しても良いし、水
や空気、その他のガス(熱交換用)を媒体とする集熱空
間として利用しても良い。また、外装材の全ての中空部
を集熱空間としても、任意の中空部を集熱空間として
も、屋根全体の任意の中空部を集熱空間としても良い。
例えば1つの外装材の中空部を交互に水を媒体とする集
熱空間、空気を媒体とする集熱空間としても良いし、1
つの外装材の全ての中空部を水を媒体とする集熱空間と
し、別の1つの外装材の全ての中空部を空気を媒体とす
る集熱空間とし、これらの外装材を左右方向に隣接させ
た屋根としても良い。このように1つの外装材で、採光
用外装材、水を媒体とする外装材、空気を媒体とする外
装材、その他のガスを媒体とする熱交換用外装材の異な
る4種類の態様で使用することもできるし、1つの外装
材で4つを兼用することも可能である。したがって、従
来のように、採光用、空気集熱用、温水用と異なった部
材を用意する必要がないため、部材管理が容易でコスト
を低減することができる。
【0019】尚、採光用外装材として用いる場合には、
中空部13の表面側(平面部12)ばかりでなく、中空
部13の側面及び底面も透光することになるが、中空部
13を集熱空間として用いる場合には、集熱効率を向上
させるため、中空部13の側面及び底面は非透光として
も良い。具体的には、中空部13の裏面(外装材の内面
側)に反射フィルム等を貼設したり、同効果を備えた塗
料を裏面や側面に塗布しても良い。また、放熱を防ぐた
め、図4に示すように中空部13裏面に断熱層15を設
けても良い。或いは外装材1の敷設に際してその裏面側
にバックアップ材を敷き込むようにして、放熱を防ぐば
かりでなく、外装材1の裏面を支持させて荷重に対する
耐久性を向上するようにしても良い。このバックアップ
材としては、ポリウレタン、ポリスチレン、フェノール
等の高い断熱性を備えた発泡樹脂素材が用いられるが、
防火性を考慮して木毛セメント板等を用いることもでき
る。
【0020】さらに、中空部13を水や空気、その他の
ガスを媒体とする集熱空間として利用する場合には、中
空部13そのものを流路として用いるようにしても良い
し、中空部13内に管(例えば図3では通水管14)等
の別部材を配設するようにしても良い。この通水管14
等は、金属製、樹脂製等の公知の材料からなるものであ
れば良く、材質、形状、色等については特に限定するも
のではない。例えば集熱効率を向上させるために管外壁
にフィンを形成したものであっても黒色等に着色したも
のであっても良い。
【0021】また、図示実施例の外装材1は、弾性嵌合
式の外装材と全く同様に容易に敷設作業をすることがで
き、特別な雨仕舞い等を考慮することなく熟練者の確保
という人的問題を解消することができる。
【0022】しかも、本発明の外装構造は、従来の採光
構造のように外装材1に開口部を設けないので、雨水の
流れや雪落ちを妨げる凸部が形成されることがなく、雨
仕舞い性能に優れている。
【0023】また、外装材1の左右側縁裏面に形成した
流水空間Aにて確実に雨仕舞い処理を行うことができ、
しかも意匠性にも優れ、図示実施例のように外観が略平
坦状となる屋根に適用することもできる。
【0024】さらに、外装材1の平面部12の裏面は保
持部材4によって支持されているので、外装材1にかか
る正荷重を保持部材4で受支することができ、破損等を
防止することができる。
【0025】特に図示実施例では、保持部材4を左右対
称の形状とすることができ、生産性が向上すると共に、
施工時の保持部材4の取付方向ミスがなくなり作業性が
向上する。
【0026】さらに、図示実施例における樋部材5は、
底面部51に対して高い中央部52を形成し、該中央部
52を固定部としたので、この固定部が樋部材5を流下
する雨水等の浸入部分とならず、雨仕舞い性能がよい。
【0027】また、カバー材8の内部空間Bは、電気配
線や各種配管等の配設空間として利用することができ
る。
【0028】図3,4に示す各外装構造は、下地が流れ
方向に平行状に配された縦母屋である鉄骨躯体9からな
る以外は前記図2と全く同様であるから図面に同一符号
を付して説明を省略する。但し、図3では各中空部13
に通水管14が配設され、中空部13を水を媒体とする
集熱空間として用いている。通水管14を流れる水は、
太陽光によって直接暖められ、且つ通水管14の周囲を
流れる温風によっても暖められる。また、各中空部13
は通水管14よりも十分に大きく形成されているので、
この通水管14の存在により透光性が損なわれるもので
はない。したがって、この外装材1の中空部13は集熱
空間と採光空間とを兼ねる例である。図4では左方に配
される外装材1は採光用外装材であるが、右方に配され
る外装材1は、通水管14が配設された水を媒体とする
集熱空間と空気を媒体とする集熱空間が交互に形成され
るようにした構成であり、裏面には断熱層15が貼設さ
れている。したがって、この図4の外装構造は、1種の
外装材1のみを用いているにもかかわらず、採光空間、
水を媒体とする集熱空間、空気を媒体とする集熱空間が
形成されたものとなる。
【0029】図5に示す外装構造は、カバー材8が前記
外装材1と同様に、成形可能な透光性を有する透光体
(樹脂成形体)からなる以外は、前記図2と全く同様で
あるから図面に同一符号を付して説明を省略する。この
外装構造では、外装材1とカバー材8とを同一素材で成
形したので、カバー材8の内部空間Bは前記のように電
気配線や各種配管等の配設空間として利用することもで
きるし、集熱空間(図示実施例では空気を媒体とする集
熱空間)としても利用することができる。
【0030】図6に示す外装構造は、図5の外装構造に
おけるカバー材8と外装材1とが一体状となった構成で
あり、それ以外は前記図5と全く同様であるから図面に
同一符号を付して説明を省略する。尚、カバー材8の被
着部81に相当する水平片を16とし、垂下部82を1
7、係止部83を18とした。このように外装材1は左
右対称形状であっても、非対称形状であっても良い。
【0031】図7に示す外装構造は、外装材1の中空部
13の高さ(厚み)が前記各実施例の外装材1の約2倍
で、裏面が鉄骨躯体9に支持されている。そのため、保
持部材4の縦片が短くなり、樋部材5の底面部51が幅
狭になった以外は前記図5と全く同様であるから図面に
同一符号を付して説明を省略する。尚、カバー材8の内
部空間Bに配管84を配設した状態を示した。この外装
構造に用いられた外装材1は、中空部13の下面が成形
部11の最下端より下方に位置しているので、搬送時な
どに外装材1と積み重ねたときにも上下の外装材1の成
形部11が干渉し合わないため、積み重ねによる成形部
11の破損・変形を防ぐことができる。例えば、成形部
11の最下端が中空部13の下面より下方に位置してい
ると、地面等に載置する際にも中空部13の下面より先
に成形部11の最下端が地面に当接してしまうので、弾
性が十分でなければ破断したりする。また、この外装構
造では、前記各実施例と同様に外装材1の平面部12の
裏面が保持部材4に支持され、さらに中空部13の下面
も鉄骨躯体9に支持されているので、外装材1にかかる
正荷重を保持部材4ばかりでなく鉄骨躯体9でも受支す
ることができ、破損等を防止することができる。
【0032】図8に示す外装構造は、保持部材4が前記
各実施例のように樋部材5の内部に配設されるのではな
く、樋部材5に跨るように配設される構成であって、固
定部41は樋部材5の外側に設けられる。上記以外の構
成は前記図7と同様であるから図面に同一符号を付して
説明を省略する。この外装構造における樋部材5は、底
面部51に中央部52を形成する必要がないので、形状
が簡易となる。さらに、同様の理由により、この樋部材
5もカバー材8も横幅を幅狭とすることができるので、
生産性が向上する。
【0033】図9,10に示す各外装構造は、屋根外観
に縦桟が表れる桟カバー状のカバー材8を用い、その内
部空間Bに、通水管86、通水部88を配設した構成で
あって、図9では保持部材4の起立片に長尺な受材85
を支持させ、その上に通水管86を配設した。図10で
は隔壁87を設けて長手方向に沿って連通する閉塞状の
通水部88を形成した。上記以外の構成は前記図5と同
様であるから図面に同一符号を付して説明を省略する。
このようにカバー材8の内部空間Bを中空部13と同様
に水を媒体とする集熱空間として利用することができ
る。その際、前記中空部13と同様に、集熱効率を向上
したり、放熱を防ぐようにすることが望ましい。例えば
この場合、放熱を防ぐため、図9の受材85を断熱材で
構成した。また、図10の隔壁87に反射フィルム等を
貼設したり、同効果を備えた塗料を通水部88の裏面や
側面に塗布しても良い。カバー材8の内部空間Bを上述
のように水を媒体とする集熱空間として利用する場合、
万が一通水管86や通水部88から漏水することがあっ
てもその下方に位置する流水空間Aによって円滑に排水
することができ、室内側に漏水することがない。
【0034】図11に示す外装構造は、保持部材4が樋
機能を有する、即ち樋部材を兼ねる構成であって、その
排水空間が流水空間Aとなる。この外装構造における保
持部材4は、底面部46のほぼ中央に、高さレベルが高
い固定部41が形成され、両側壁47,47の上端は内
側へ略水平状に折曲され、さらに下方へ傾斜状に折曲さ
れている。この側壁47上端の水平片及び傾斜片が外装
材1の平面部12の側縁裏面を支持する受部45であ
り、傾斜片の下端及びその内側が外装材1の成形部11
の係合部113と弾性的に係合する被係合部43であ
る。また、外装材1の成形部11は、傾斜状に折下げら
れた折下り部111と、該折下げ部111の下端に形成
された係合部113とから構成されている。さらに、カ
バー材8は、垂下部82及び係止部83が外装材1の成
形部11とほぼ同一の形状を有し、その施工状態におい
ては図示するように密接状に組み付けられる。この外装
構造では、部材数が少なく、各部材の形状も比較的簡易
であるため、生産性が高く、部材管理の点でも優れてい
る。
【0035】図12〜15に示す各外装構造のように、
カバー材8は、外装材1に取り付けても良いし、外装材
1を介さずに保持部材4に取り付けるようにしても良
い。また、図13〜15に示す各外装構造のように、保
持部材4は、複数部材からなるものでも良い。
【0036】図12では、前記各実施例と同様に、外装
材1の保持部分(係合部113の裏面)に係止部83が
係止するが、さらに中央に形成された第二係止部89が
保持部材4のカバー材保持部48に保持される構成であ
る。尚、このカバー材8には閉塞状の空間部が形成され
ているが、該空間は通水部88としても良い。
【0037】図13では、保持部材4が、固定部41、
受部45を有する断面略M字状の下部材4aと、被係合
部43を有する断面逆U字状の中部材4bと、カバー材
保持部48を有する断面U字状の上部材4cとからな
り、下部材4aに対して中部材4b及び上部材4cはボ
ルトナットにより一体に取り付けられ、外装材1はこれ
ら複数部材で挟着して取り付けられている。この外装構
造の施工に際しては、下部材4aから立設するボルト
(溶着されていても良い)の左右に外装材1,1を配設
し、中部材4bの被係合部43と外装材1の係合部11
3とが係合するように中部材4b及び上部材4cをナッ
トによって止める。その後、カバー材8を上部材4cの
カバー材保持部48に取り付ければよい。したがって、
ボルトナットの位置関係は、図示実施例と逆であっても
良い。
【0038】図14では、保持部材4が、前記図12の
保持部材4と同一構成を有する下部材4dと、空間部が
形成されない以外は前記図12のカバー材8と同一構成
を有する上部材4eとからなり、上部材4eに形成され
たカバー材保持部48にカバー材8を取り付ければよ
い。したがって、外装材1の成形部11は下部材4dと
上部材4eとの間に挟着状に保持される。尚、この場
合、上部材4eをカバー材8と見なすこともでき、即
ち、カバー材8も複数部材からなるものでも良い。
【0039】図15では、保持部材4の受部45が外装
材1の裏面(中空部13の下面)を支持する以外は、前
記図13とほぼ同一構成を有する。このように外装材1
の裏面を保持部材4に支持させると、前記鉄骨躯体9に
支持させる場合と同様に荷重による破損等を防止するこ
とができる。
【0040】尚、外装材1は流れ方向に長尺材を単独で
設けても良いし、複数の定尺材を適宜に接続するように
しても良い。複数の定尺材を流れ方向に接続する場合、
例えば図16に示すような接続部材7を用いて行った
り、接続部分裏面側に排水部材(=横方向の樋部材)を
配して側縁部(先端)が流水空間A内に位置するように
配設しても良い。また、接着剤やシール材を用いて接続
しても良い。勿論、この場合は接続部材7等との併用で
も良い。
【0041】図16の接続部材7は、前後にそれぞれ9
つの突起部分71を有し、各突起部分71は中空状で、
それぞれ端縁に向かって小さくなるように形成され、前
後の突起部分71,71は連通している。したがって、
この接続部材7は前後に連通する9つの隔室が外装材の
幅方向に連続する構成である。各隔室の中央部分には、
各隔室を連結する当接部72が形成されている。施工に
際しては、外装材の各中空部の内部にこの接続部材7の
一方側の各突起部分71を嵌入し、中空部の端縁を当接
部72に圧着する。同様に他方側の各突起部分71を接
続する外装材の各中空部の内部に嵌入すれば外装材を流
れ方向に接続することができる。
【0042】接続部材は、前記構成のものに限定するも
のではなくどのように形成しても良い。例えば前記図示
実施例のように複数の隔室が外装材の幅方向に連続する
構成でも良いし、単一の隔室で構成される複数の接続部
材を中空部個々に独立して嵌入するようにしても良い。
また、接続部材は当該部分の採光性能又は集熱性能を妨
げないように外装材と同様の素材(樹脂)から構成して
も良いし、金属等の樹脂以外の素材を用いても良く、そ
の場合、表面を樹脂コーティングしても良い。さらに、
接続部材は前記図示実施例のように外装材の中空部が連
続状となるように接続部材自体を中空状に形成しても良
いし、接続部材を中実状として外装材の中空部が不連続
となるものでもよく、或いは中空状と中実状を組み合わ
せたものであっても良い。また、外装材同士は突き合わ
せ状に接触していても、前記図示実施例の接続部材7を
用いる場合のように対向状に非接触であっても良い。そ
の接続状態(接続角度)は、略平坦状が望ましいが、特
に限定するものではない。尚、外装材同士を突き合わせ
状に接触する場合、予め部分的に中空部の端縁を切り欠
いておくようにしても良い。
【0043】以上本発明を図面の実施の形態に基づいて
説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるもの
ではなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない限
りどのようにでも実施することができる。例えば保持部
材と外装材の取付け方法も、実施例に限定するものでは
なく公知のどのような手段を用いても良い。外装材の成
形部に取付フレームを固定して保持部材に取付フレーム
を保持させるようにしても良い。
【0044】
【発明の効果】以上要するに本発明の縦葺き外装材及び
外装構造は、外装材を中空部を備える透光体で構成した
ので、1つの外装材で、採光用外装材、水を媒体とする
外装材、空気を媒体とする外装材、その他のガスを媒体
とする熱交換用外装材の異なる4種類の態様で使用する
ことができ、また1つの外装材で4つを兼用することも
できる。そのため、従来のように、採光用、空気集熱
用、温水用と異なった部材を用意する必要がなく、部材
管理が容易でコストを低減することができる。また、外
装材の左右側縁裏面に流れ方向に沿う流水空間を設けた
ので、接続部等から浸入しようとする雨水を室内側に浸
水させることなく流水空間によって確実に軒側へ流下で
き、従来のように雨仕舞いのための立ち上げ部や開口部
等の特別な加工を施す必要がないため、通常の外装材と
同様に施工することができ、熟練技術者の確保という人
的問題を解消し、その結果、コストの低減を行うことが
できる。そして、外装材だけで構成される建築物の意匠
と変わることがない意匠を得て屋根の採光や太陽熱集熱
を行うことができる。さらに、従来のように流れ方向に
凸部が形成されないため、屋根面に雨水や積雪等の溜ま
りとなる箇所がなく、雨仕舞い性能に優れたものとな
る。
【0045】中空部を空気を媒体とする集熱空間とする
と、採光を行いながら中空部で温風を得ることができる
外装構造を提供することができる。
【0046】中空部を水を媒体とする集熱空間とする
と、採光を行いながら中空部で温水を得ることができる
外装構造を提供することができる。
【0047】保持部材上に外装材の側部間を覆うカバー
部材を配し、カバー部材の内部空間を水を媒体とする集
熱部(通水部)とすると、通水部の下方に流水空間が存
在する構成となるため、万が一通水部から漏水しても流
水空間によって円滑に排水することができ、室内側に漏
水することがない。また、通水部をカバー部分に設ける
ことにより、外装材に透明材を用いた場合であっても室
内側及び室外側から管等を目視できないので、意匠的に
優れたものとなる。
【0048】外装材の裏面が保持部材や躯体に支持され
ていると、外装材にかかる荷重を保持部材、母屋材等で
負担することができるので、荷重による破損等を防止す
ることができる。
【0049】中空部の下面が成形部の下面と同一若しく
は下面より下方に位置する外装材は、外装材を積み重ね
たときに上下の外装材の成形部が干渉し合わないため、
積み重ねによる成形部の破損や変形を防止することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の縦葺き外装材の実施例を示すものであ
り、中空部の形状バリエーションの一例を示す断面図で
ある。
【図2】本発明の縦葺き外装構造の一実施例を示す断面
図である。
【図3】本発明の縦葺き外装構造の他の一実施例を示す
断面図である。
【図4】本発明の縦葺き外装構造の他の一実施例を示す
断面図である。
【図5】本発明の縦葺き外装構造の他の一実施例を示す
断面図である。
【図6】本発明の縦葺き外装構造の他の一実施例を示す
断面図である。
【図7】本発明の縦葺き外装構造の他の一実施例を示す
断面図である。
【図8】本発明の縦葺き外装構造の他の一実施例を示す
断面図である。
【図9】本発明の縦葺き外装構造の他の一実施例を示す
断面図である。
【図10】本発明の縦葺き外装構造の他の一実施例を示
す断面図である。
【図11】本発明の縦葺き外装構造の他の一実施例を示
す断面図である。
【図12】本発明の縦葺き外装構造の他の一実施例を示
す断面図である。
【図13】本発明の縦葺き外装構造の他の一実施例を示
す断面図である。
【図14】本発明の縦葺き外装構造の他の一実施例を示
す断面図である。
【図15】本発明の縦葺き外装構造の他の一実施例を示
す断面図である。
【図16】接続部材の一例を示す斜視図である。
【図17】従来の採光構造を有する外装面を示す平面図
である。
【符号の説明】
1 外装材 11 成形部 12 平面部 13 中空部 14 通水管 15 断熱層 4 保持部材 5 樋部材 8 カバー材 86 通水管 88 通水部 9 鉄骨躯体 A 流水空間 B (カバー材の)内部空間
フロントページの続き (72)発明者 西澤 和幸 神奈川県藤沢市湘南台1丁目1番地21 元旦ビューティ工業株式会社内 (72)発明者 坂本 憲一 神奈川県藤沢市湘南台1丁目1番地21 元旦ビューティ工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−28222(JP,A) 特公 平6−63316(JP,B2)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流れ方向に沿って配設する複数の保持部
    材と、左右方向に隣接する前記保持部材間に配設する外
    装材とからなる縦葺き外装構造にあって、 前記外装材は、平面部の側縁に平面部より下方に位置す
    る成形部を備えると共に、平面部裏面に長手方向に沿っ
    て連通する複数の中空部を備えた透光体からなり、外装
    材の成形部の裏面側には流れ方向に沿う流水空間が設け
    られており、前記中空部を空気を媒体とする集熱部とし
    たことを特徴とする縦葺き外装構造。
  2. 【請求項2】 流れ方向に沿って配設する複数の保持部
    材と、左右方向に隣接する前記保持部材間に配設する外
    装材とからなる縦葺き外装構造にあって、 前記外装材は、平面部の側縁に平面部より下方に位置す
    る成形部を備えると共に、平面部裏面に長手方向に沿っ
    て連通する複数の中空部を備えた透光体からなり、外装
    材の成形部の裏面側には流れ方向に沿う流水空間が設け
    られており、前記中空部を水を媒体とする集熱部とした
    ことを特徴とする縦葺き外装構造。
  3. 【請求項3】 流れ方向に沿って配設する複数の保持部
    材と、左右方向に隣接する前記保持部材間に配設する外
    装材とからなる縦葺き外装構造にあって、 前記外装材は、平面部の側縁に平面部より下方に位置す
    る成形部を備えると共に、平面部裏面に長手方向に沿っ
    て連通する複数の中空部を備えた透光体からなり、外装
    材の成形部の裏面側には流れ方向に沿う流水空間が設け
    られており、前記中空部を空気を媒体とする集熱部及び
    水を媒体とする集熱部としたことを特徴とする縦葺き外
    装構造。
  4. 【請求項4】 保持部材上に外装材の側部間を覆うカバ
    ー部材を配し、カバー部材の内部空間を水を媒体とする
    集熱部としたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか
    一項に記載の縦葺き外装構造。
  5. 【請求項5】 外装材は、裏面が保持部材によって支持
    されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一
    項に記載の縦葺き外装構造。
  6. 【請求項6】 外装材は、裏面が躯体に支持されている
    ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の
    縦葺き外装構造。
  7. 【請求項7】 外装材は、中空部の下面が成形部の下面
    と同一若しくは下面より下方に位置することを特徴とす
    る請求項1乃至6の何れか一項に記載の縦葺き外装構
    造。
  8. 【請求項8】 流れ方向に沿って配設する複数の保持部
    材と、左右方向に隣接する前記保持部材間に配設する外
    装材とからなる縦葺き外装構造を用いた集熱方法にあっ
    て、 前記外装材は、平面部の側縁に平面部より下方に位置す
    る成形部を備えると共に、平面部裏面に長手方向に沿っ
    て連通する複数の中空部を備えた透光体からなり、外装
    材の成形部の裏面側には流れ方向に沿う流水空間が設け
    られ、前記中空部を水や空気、その他のガスを媒体とす
    る集熱空間として利用することを特徴とする縦葺き外装
    構造を用いた集熱方法。
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