JP3499774B2 - 折板屋根の複層採光屋根部材 - Google Patents

折板屋根の複層採光屋根部材

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    • EFIXED CONSTRUCTIONS
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  • Civil Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Roof Covering Using Slabs Or Stiff Sheets (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、金属折板等を用
いて構成する建築物の屋根の採光部分に使用される折板
屋根の複層採光屋根部材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、工場や倉庫、学校の体育館や公共
の体育施設等の建築物の屋根として、金属折板を用いて
構成する折板屋根が多く採用されている。
【0003】この種の屋根において、自然光を取り入れ
るためには、例えば建築物の一部を示す斜視図である図
11、および図11のE−E線切断端面図である図12
に示すように、建築物(H)の屋根部材として葺設施工
された金属折板(2)の所定部分を、透光性合成樹脂製
の折板(33)に置き換え、採光屋根部材として透光部
(L)に葺設するのが一般的である。
【0004】この場合の折板(33)は、例えばポリカ
ーボネート樹脂板からなる、通常1.0mm〜5.0m
m程度の厚さの平板を、金属折板(2)と略同形状の波
状に折り曲げ加工した、単一層の折板からなるものが採
用され、金属折板(2)を取り除いて形成された透光部
(L)の全域を完全に覆い隠すように、隣接する金属折
板(2)に連接させて葺設施工される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の単一
層の折板(33)は、外気の温度が低い場合には、それ
自体の温度が施設内の温度よりも低下し、内側表面にこ
れと接する施設内空気の相対湿度の低下に伴う結露が生
じ、さらに結露は水滴となって落下するという問題があ
る。特に、食品貯蔵倉庫等では、このようにして落下す
る結露水によって食品が水浸しとなり、変質したりある
いは腐食するという問題が併発する。
【0006】このような問題に対し、空気調節が十分で
ない比較的簡易な施設では、屋根裏に水滴避けの防水幕
を張る等の手段により結露水の落下を避けているが、こ
のような手段では、せっかく採光部(L)から入射する
自然光が前記防水幕によって遮られ、透光性の前記折板
(33)の採光効果を減殺するという欠点がある。
【0007】一般に、各種施設の建築物における屋根や
窓等の、採光部あるいは開口部に用いられるガラスやプ
ラスチック等の採光部材は、内側の結露を防止する目的
で、これを二層構造として層間に適宜間隔を設け、かつ
周辺を密封構造とした密封式断熱層を形成することによ
り結露を防止するという手段が広く利用されている。し
かし、このような手段によれば結露防止に多大の効果が
得られ、強度的にも強固な採光部材が得られるものの、
採光部材とその周囲を密封支持する各種構造部材が複雑
かつ高価なものとなり、折板屋根等の採光用部材に適用
するにはあまりにも設備費が高くつく。
【0008】この発明は、上記のような点に鑑み、公知
の技術である二層構造による断熱作用の原理を、折板屋
根構造の採光部に部分的に採用することによって、折板
屋根の構造形態を崩すことなくこれを維持しながら、結
露水の落下を防止することができ、機械的強度が高くか
つ透光性に優れ、構造が簡単で安価な折板屋根の採光屋
根部材を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明は、平坦な山部と谷部とが傾斜部を挟ん
交互配置に並設された波形状の2枚の透光性の折板
が、相互間に所定間隔をおいて上下に配置され、かつ上
記2枚の折板の山部間に角棒状で透光性の山部間隔保持
部材が上記山部の長さ方向の略全長に亘って配置され、
この山部間隔保持部材を介して上記両折板が結合一体化
され、かつ該山部間隔保持部材の配置部位を除く部位に
おいて上記両折板間に外部に連通する中空部が形成され
ると共に、上側折板の両側部に、山部から連続する垂下
縁部が延設されてなることを特徴とする折板屋根の複層
採光屋根部材を要旨とする。
【0010】この発明の好ましい実施態様は、請求項2
に記載のとおり、上下折板の長さ方向両端部における該
上下折板の少なくとも前記傾斜部間に、端部間隔保持部
材が介在配置され、該端部間隔保持部材を介して上下両
折板が結合一体化されてなる折板屋根の複層採光屋根部
材である。
【0011】また、この発明の好ましい別の実施態様
は、請求項3に記載のとおり、上下両折板と、山部間隔
保持部材および/または端部間隔保持部材とが、透光性
の結合部材を用いて結合一体化されてなる折板屋根の複
層採光屋根部材である。
【0012】さらに、この発明の好ましいまた別の実施
態様は、請求項4に記載のとおり、前記2枚の上下折板
が、その山部に沿う長さ方向の両端部の位置をずらした
状態に配置され、両端部にそれぞれ対応長さの上側折板
突出部と下側折板突出部とが形成されてなる折板屋根の
複層採光屋根部材である。
【0013】 この発明において、折板とは、平坦な山
部と谷部とが傾斜部を挟んで交互配置に並設された波
状に折り曲げ加工された、いわゆる重ね型の鋼板製折板
屋根を構成する金属折板と同種形状の透光性を有する折
板を意味するものとする。
【0014】この発明に用いられる折板には、熱可塑性
合成樹脂板が素材として用いられ、透光性を有し、折り
曲げ加工性に優れ、屋外における耐久性の高いものであ
ればいかなる素材も適用可能である。好適な素材として
は、例えばポリカーボネート樹脂板、アクリル樹脂板、
ポリ塩化ビニル樹脂板等が挙げられる。
【0015】この場合、素材となる熱可塑性合成樹脂板
は、少なくとも太陽光に直接曝露される上側の折板に対
しては、紫外線吸収剤等が混入され、または表面に紫外
線吸収性能を有するアクリル樹脂系、フッ素樹脂系等の
耐光性ないし耐候性の高いフィルムが保護層として積層
形成されるなど、耐光処理ないし耐候処理が施された熱
可塑性合成樹脂板が好適に適用される。この場合、下側
の折板に対しても、上側の折板と同様の熱可塑性合成樹
脂板が当然に適用可能であるが、コスト低減を図る点か
ら、必ずしもこれらの処理が施されたものでなくてもよ
い。
【0016】前記素材の厚さは、通常、1.0〜5.0
mm程度の範囲のものが好適に用いられ、一般公知の折
り曲げ加工法により、設置の対象となる屋根に葺設施工
された金属折板と同種形状に折り曲げ成形されたもので
あり、さらにその大きさは、所期する採光部の形状に対
応して設定される。
【0017】この発明において、上下の折板を結合一体
化し中空部を形成する際に、各山部間に介在させる山部
間隔保持部材、さらに傾斜部間に介在させる端部間隔保
持部材は、折板と同材質の素材からなるもの、または異
材質の素材からなるもののいずれであってもよいが、折
板と同等以上の剛性を有するものが適当であり、かつ透
明硬質の素材であることが望ましい。
【0018】この場合、前記山部間隔保持部材には、中
実体または中空体のいずれかが適用され、さらに中空体
は、断面略ロ字状の中空体のほか、上下壁部とこれに橋
渡しされた複数の縦リブを有する断面セル状の中空体も
適用され得る。また、前記端部間隔保持部材には、傾斜
部間に介在させるものとしては上下折板の山部から谷部
に至る傾斜部間の空間形状に見合う帯状細片が適用され
る。
【0019】さらに、この発明においては、前記端部間
隔保持部材を谷部間に介在させ得るが、この場合の当該
保持部材には、上下折板の山部間に介在させる前記山部
間隔保持部材と同一の断面形状からなる短尺の角状細片
であって、しかも谷部を流下する結露水が通るに十分な
流水孔を有する端部間隔保持部材が好適である。
【0020】また、上下の折板と、山部間隔保持部材な
いしは端部間隔保持部材との結合手段は、これらのいず
れもが同材質かまたは互いに相溶性のある異材質からな
る場合は、溶剤接着または溶液接着による結合手段を採
用できる。しかし、一般にこれらの接着法による結合手
段では、接着対象部位およびその近傍が白濁したり汚染
され易く、また透光性が阻害される等、外観品質が損な
われる傾向があるので、とくに山部間隔保持部材につい
ては、上記の接合手段よりも、例えばネジを介して結合
するか、または両面粘着テープを介して結合するのが望
ましい。さらに前記ネジの場合は例えば透明のナイロン
製ネジが、また前記両面粘着テープの場合は透光性の両
面粘着テープがより望ましい。
【0021】一方、この発明の複層採光屋根部材が葺設
施工の対象となる折板屋根の金属折板は、圧延鋼材、亜
鉛鉄板、溶融アルミニウムめっき鋼板、冷間圧延ステン
レス鋼板等の鋼板類単独または鋼板類と裏打ち材とから
構成された折板からなり、通常、厚さ0.5mm以上の
鋼板をプレス加工法により折り曲げ加工されたものであ
る。
【0022】さらに、この発明の当該複層採光屋根部材
の葺設施工には、金属折板を建築物の梁に取り付ける際
に通常使用される、固定ボルトおよび固定ナットが付属
された一般公知の連続波形のタイトフレームが適用可能
である。しかし、この種タイトフレームの場合、当該複
層採光屋根部材の厚さが、通常、金属折板の厚さよりも
厚いため、葺設施工の際の当該複層採光屋根部材の上面
位置が、隣接の金属設板の上面位置よりも高い位置とな
るから、タイトフレームは、当該複層採光屋根部材の取
り付け高さに対して調整可能なものであるのが望まし
い。
【0023】この発明による折板屋根の複層採光屋根部
材は、上記のように、2枚の透光性の折板が、相互間に
所定間隔をおいて上下に配置され、各折板の山部間に配
置された山部間隔保持部材を介して結合一体化されてお
り、該山部間隔保持部材の配置部位を除く部位において
両折板間に外部に連通する中空部が形成された複層構造
となされている。従って、この複層採光屋根部材を折板
屋根の採光部に葺設するときは、前記中空部を空気が流
通することとなり、外気温度が低く上側の折板裏面で結
露発生があるときでも、流通する空気の断熱作用によっ
て下側の折板裏面では結露発生が抑制され、当該複層採
光屋根部材の裏面から結露水が落下することはない。
【0024】また、上側の折板裏側に発生した結露は、
結露水となって下側の折板表面に落下し、下側の折板の
谷部を流下して、当該複層採光屋根部材の水下側から排
出されることとなるので、施設内に漏水することはな
い。
【0025】さらに、当該複層採光屋根部材の両側に
は、その上側折板の山部から連続する垂下縁部が延設さ
れているから、当該複層採光屋根部材の両側に隣接して
葺設施工された金属折板の山部を前記垂下縁部が覆う状
態で重ねられ、両者の連接部分から漏水することはな
い。
【0026】さらにまた、この発明の折板屋根の複層採
光屋根部材は、当該各複層採光屋根部材を、隣接する各
端部において互いに上下配置させて、水下から水上に向
かい順次重ね合わせ状態に連接することにより、周囲の
金属折板部分より嵩高にはなるものの、金属折板とほぼ
同様の葺設施工をすることができる。
【0027】さらにまた、この発明の折板屋根の複層採
光屋根部材は、請求項4に記載した態様によれば、当該
各複層採光屋根部材を、隣接する各端部において上下各
折板同士を互いに上下配置させ順次嵌合状態に連接でき
るので、連接部分の嵩高がより小さくなり、金属折板と
略同様の葺設施工が可能になる。
【0028】上記のように、この発明による折板屋根の
複層採光屋根部材は、上側折板の裏面で結露し、下側折
板上に落下した結露水が、下側折板の谷部に集まり水下
へ向かって流れ、複層採光屋根部材毎に外部へ排出さ
れ、また前記請求項4の態様のものでは連接された各複
層採光屋根部材の谷部を順次通過して外部に排出される
から、施設内に落下することはない。
【0029】さらに加えて、この発明による折板屋根の
複層採光屋根部材は、各山部間に略全長に亘って配置さ
れた透光性の角棒状の山部間隔保持部材を介して結合一
体化されているから、全体が剛性等の機械的強度に優
れ、しかも透光性に優れた複層採光屋根部材となり、さ
らに前記山部間隔保持部材の端部において、上下折板の
少なくとも傾斜部間に端部間隔保持部材を介して結合一
体化されているから、端部における機械的強度がより補
強された、より剛性の高い複層採光屋根部材となし得
る。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、この発明による折板屋根の
複層採光屋根部材の実施形態を、実施例と実施例を示す
図面に従って説明する。
【0031】図1は、この発明の折板屋根の複層採光屋
根部材が設置される折板屋根の構造を概念的に示す斜視
図である。(1)は複数の金属折板(2)が梁(B)上
に平行に配置された、透光部(L)を有する折板屋根で
ある。この発明の複層採光用屋根部材(3)は、前記透
光部(L)の部分に適用され、折板屋根の傾斜方向に水
下から水上へ順次連接され、その両側おいて前記金属折
板(2)に重ね合わされることにより葺設施工される。
なお、(b)は梁(B)に固着され、金属折板(2)と
当該複層採光用屋根部材(3)を梁(B)に葺設施工す
るためのタイトフレームである。
【0032】 図2は、この発明による折板屋根の複層
採光用屋根部材の、基本の態様を示す部分切欠斜視図で
ある。複層採光用屋根部材(3A)は、透明ポリカーボ
ネート板を折り曲げ加工して得られた、波形状の2枚の
透光性の折板(4)(5)が、相互間に所定間隔をおい
て上下に配置され、上記各折板(4)(5)の山部(4
a)(5a)間に角棒状で透光性の山部間隔保持部材
(6)が上記山部(4a)(5a)の長さ方向の略全長
に亘って配置され、前記山部間隔保持部材(6)を介し
て結合一体化され、前記山部間隔保持部材(6)の配置
部位を除く部位において上記両折板(4)(5)間に外
部に連通する中空部(S)が形成される。また、前記上
側折板(4)の両側部に、山部(4a)(4a)から連
続する垂下縁部(4d)(4d)が延設されている。
【0033】また、前記複層採光用屋根部材(3A)に
おいては、図2に示すように、前記上下折板(4)
(5)の長さ方向両端部における前記傾斜部(4b)
(5b)間に、端部間隔保持部材(7)が介在配置さ
れ、該端部間隔保持部材(7)を介して上下両折板
(4)(5)が前記傾斜部(4b)(5b)の両端部に
おいて結合一体化されている。
【0034】上記のように構成された複層採光用屋根部
材(3A)にあっては、前記中空部(S)は、少なくと
も各谷部(4c)(5c)間の両端で外部と連通状態と
されており、空気の自由な出入りが可能である。また、
前記垂下縁部(4d)は、当該複層採光用屋根部材(3
A)と連接される両側の金属折板(2)の山部分を覆い
隠し、雨水の浸入を防止する役目を果たす。
【0035】この場合の垂下縁部(4d)の延設長さ
は、複層採光用屋根部材(3)の厚さと、その葺設施工
時の重なり厚さによって予め設定されるが、雨水の進入
防止を確実にするために、少なくとも当該複層採光用屋
根部材(3)の山部(4a)の頂部上面から谷部(5
c)の底部裏面までの距離の3分の1以上であることが
望ましく、またその中程を山部(4a)の長さ方向に沿
って内側へ鈍角に折り曲げて折り目(v)を付け、その
端縁が隣接する金属折板(2)の傾斜面に密接する形状
とすることが望ましい。
【0036】図3は、図2の要部を示す断面図であり、
図3(イ)はA−A線断面図、図3(ロ)はB−B線断
面図である。図3(イ)および図3(ロ)において、前
記山部間隔保持部材(6)は、山部(4a)および山部
(5a)の間に配置され、その上下面を透光性の両面粘
着テープ(8)(8)を介して、山部(4a)および山
部(5a)と結合され、さらに端部間隔保持部材(7)
は、前記上下折板(4)(5)の両端部の傾斜部(4
b)(5b)間に配置され、同様に粘着テープ(8)
(8)を介して傾斜部(4b)および傾斜部(5b)と
結合される。
【0037】上記基本の態様による当該複層採光用屋根
部材(3A)は、図3(イ)に示すように、各谷部(4
c)(5c)の間に、流水溝(9)が形成され、該流水
溝(9)は後述の結露水の排出の役目を果たす。また、
図3(ロ)に示すように、山部間隔保持部材(6)およ
び端部間隔保持部材(7)を、各折板(4)(5)の両
端部からやや内方に配置して、流水溝(9)を除く両端
部分に空隙部(10)を形成することとすれば、該空隙
部(10)を水密状にする必要がある場合に、該空隙部
(10)にコーキング剤を充填する(図示省略)ことも
可能となる。
【0038】上記のように、当該複層採光用屋根部材
(3A)は、単に前記中空部(S)が形成されるのみな
らず、上下折板(4)(5)が、山部間隔保持部材
(6)、さらに少なくとも傾斜部(4b)(5b)に端
部間隔保持部材(7)を介して結合一体化されているか
ら、全体の剛性等の機械的強度が高められ、さらに両端
部の機械的強度も補強されるので、外部応力による撓み
等の発生が少なくなる。
【0039】図4は、この発明による折板屋根の複層採
光用屋根部材の、好ましい態様を示す部分切欠斜視図で
ある。複層採光用屋根部材(3B)は、2枚の上下折板
(4)(5)が、その山部(4a)(5a)に沿う長さ
方向の両端部の位置をずらした状態に配置されており、
両端部にそれぞれ対応長さの上側折板突出部(4′)と
下側折板突出部(5′)とが形成され、一端部では上側
折板(4)が下側折板(5)の端部より突出し、他端部
では下側折板(5)の端部が上側折板(4)の端部より
突出した状態で、結合一体化されているほかは、前記基
本の態様の複層採光用屋根部材(3A)と全く同様に構
成されている。
【0040】図5は、図4のD−D線断面図である。図
5において、複層採光用屋根部材(3B)の上下折板
(4)(5)は、図中互いに左右方向にずらして接合一
体化されており、そのずれ代(t)は、葺設施工の際に
連接される水下側の複層採光用屋根部材(3B)の上側
折板(4)端部に水上側の該屋根部材(3B)の上側折
板突出部(4′)が重ねられ、また下側折板(5)の下
側折板突出部(5′)に下側折板(5)が重ねられた状
態において、雨水が進入しない寸法に設定される。前記
ずれ代(t)の値は、複層採光用屋根部材(3B)の形
状や大きさに応じ概ね50〜100mm程度の範囲が適
当である。
【0041】上記のように、当該複層採光用屋根部材
(3B)は、上下折板(4)(5)にそれぞれ上側折板
突出部(4′)と下側折板突出部(5′)が形成されて
いるほかは、前記複層採光用屋根部材(3A)と全く同
様に構成されているから、全体の剛性等の機械的強度が
高められ、さらに両端部の機械的強度も補強されて、外
部応力による撓み等の発生が少なくなる点では同じであ
るが、各複層採光用屋根部材(3B)同士の連接が、嵌
合状態になされているので、連接部分の嵩高が小さく、
葺折施工が容易であり、仕上がりの外観品質もより良好
となる。
【0042】ここで、山部間隔保持部材(6)について
述べると、図2〜図5に示す山部間隔保持部材(6)
は、外形が断面方形の角棒状からなり、いずれも図6
(イ)に示すように中実体の素材からなるものである
が、この発明においては、中実体の素材に限定されず、
図6(ロ)に示す断面ロ字状の中空体(6a)や、また
図6(ハ)に示す複数の縦リブを有する断面セル状の中
空体(6b)も使用可能である。とくに、中空体(6
a)および(6b)は、軽量であり、素材コストも低く
なるので経済的である。
【0043】また、前記山部間隔保持部材(6)は、い
ずれも外形は前述の通り、断面方形の角棒状とし、その
断面寸法については、図6(イ)で代表して示すよう
に、幅(w)は折板(4)の山部(4a)の裏面側の幅
と同等もしくはやや小さく設定し、また高さ(h)は複
層採光用屋根部材(3A)ないし(3B)の形状、大き
さおよび折板(4)および(5)の厚さに応じて適宜設
定する。なお、高さ(h)は、中空部(S)の断熱効
果、透光部(L)の嵩高、外観品質、機械的強度(剛性
等)および葺設施工の容易さ等を考慮し、通常、6〜1
2mmの範囲内で設定する。高さ(h)が6mmより低
いと、中空部(S)内の空気の断熱効果による結露防止
の作用を十分に発揮し得ず、また12mmを超えると、
複層採光用屋根部材(3)自体の厚さが増加し、金属折
板に比べて嵩高となり、金属折板屋根の採光部としての
葺設施工が困難となる。従って、好ましくは7〜10m
m程度とする。
【0044】ついで、上下折板(4)(5)と山部間隔
保持部材(6)との結合手段については、各部材が同材
質かまたは互いに相溶性を有する材質のものでは、溶剤
接着または溶液接着による結合手段が採用し得るが、好
ましくは図7(イ)に示すように、山部間隔保持部材
(6)を、上下の折板(4)(5)の山部(4a)(5
a)間に、これに沿ってほぼ全長に亘り配置し、両面粘
着テープ(8)(8)を介して接合一体化するか、また
は図7(ロ)に示すように、折板(4)(5)とネジ
(18)を、折板(4)の山部(4a)の結合穴(4
e)に貫通させ、前記山部間隔保持部材(6)に穿孔し
た有底のネジ穴(6c)に固定することにより、折板
(4)を山部間隔保持部材(6)に結合し、さらに一定
間隔をおいて折板(5)についても同様の操作をおこな
い、この上下からのネジ(18)による固定操作を山部
(4a)(5a)の長さ方向に交互に繰り返し接合一体
化する。
【0045】この場合、図7(イ)の両面粘着テープ
(8)による接合手段では、接合操作が容易であるとと
もに、両山部と山部間隔保持部材(6)との対応部分全
面で接合されるので接合強度が均一となる反面、山部
(4a)(5a)の透光性を損なう傾向があり、また図
7(ロ)の透明結合ネジ(18)による接合手段では、
接合部分の接合力が高くなる反面、素材が中空体である
前記山部間隔保持部材(6a)または(6b)を用いる
場合では、結合力が不足するおそれがある。したがっ
て、この発明においては、複層採光屋根部材(3)の所
期の規模に応じて、いずれの手段を採用するかを決定す
る。一般的には、山部間隔保持部材に中空体を用い、図
7(イ)に示す両面粘着テープ(8)による接合手段を
採用するのがより望ましい。
【0046】つぎに、この発明による折板屋根の複層採
光屋根部材を、屋根材として実際に葺設施工する状態を
説明する。なお、前記複層採光用屋根部材(3A)およ
び(3B)とでは、施工形態が若干異なるので、前記複
層採光用屋根部材(3A)の葺設施工は図8(イ)に基
づいて、また前記複層採光用屋根部材(3B)の葺設施
工は図8(ロ)に基づいて説明する。
【0047】まず、複層採光用屋根部材(3A)は、図
8(イ)において、水下から水上に向けて複層採光用屋
根部材(3A)を各両端部で連接する際に、連接部分
(P1)では、水下側の該屋根部材(3A)上端を下に
し、水上側の該屋根部材(3A)の下端を上にして重ね
合わせ状態で連接し、梁(B)へ固着されたタイトフレ
ーム(b)に、固定設置する。このとき、連接部分(P
1)は、複層採光用屋根部材(3A)の厚さの少なくと
も2倍の嵩高となり、連接部分(P1)に近い水上側で
は、複層採光用屋根部材(3A)の下面と前記タイトフ
レーム(b)の頂部との間に、ある一定の間隙(r)を
生じるから、このような位置でタイトフレーム(b)へ
の取り付けを行うときは高さ調整が必要であり、後述の
高さ調整手段を採用する。
【0048】また、複層採光用屋根部材(3B)は、図
8(ロ)において、水下から水上に向けて複層採光用屋
根部材(3B)を各両端部で連接する際に、連接部分
(P2)で、図5に示すように、水下側の該屋根部材
(3B)上端の折板(4)(5)を下にし、水上側の該
屋根部材(3B)下端の折板(4)(5)を上にして、
両上下折板(4)(4)および(5)(5)同士を重ね
合わせ、嵌合状で連接し、梁(B)に固着されたタイト
フレーム(b)に、固定設置する。このとき、連接部分
(P2)は、複層採光用屋根部材(3B)の厚さに上下
折板(4)(5)の各厚さを加えた嵩高となるが、複層
採光用屋根部材(3A)の場合に比べると、連接部分
(P2)に近い水上側で、複層採光用屋根部材(3B)
の下面と前記タイトフレーム(b)の頂部との間には該
屋根部材(3B)のような隙間を生じることはなく、折
板(5)の厚さに等しい間隙(s)を生じるだけで嵩高
とはならず、前記タイトフレーム(b)への取り付けの
高さ調整は軽微となり、また外観的にも連接部分(P
2)の嵩張りは目立たず、透光部(L)の仕上がりの外
観品質が高められる。
【0049】ここで、複層採光用屋根部材(3A)を例
にして、タイトフレーム(b)への取り付けの際の高さ
調整手段について述べると、図9に示すように、梁
(B)に固着されたタイトフレーム(b)に、通常の金
属折板取り付け用の固定ボルトより長めの固定ボルト
(b1)を固定ナット(b2)でタイトフレーム(b)
にまず固定し、さらに固定ナット(b2)の上方に高さ
調整ナット(b3)を填め入れておく。ついで、該屋根
部材(3A)の山部に設けた前記固定ボルト(b1)に
対応する取り付け穴(3a)に、前記固定ボルト(b
1)を挿通し、ついで該屋根部材(3A)の高さを前記
高さ調整ナット(b3)を回転し上下移動して調整した
のち、さらに締め付け用ナット(b4)を填め入れて、
該屋根部材(3A)を締め付け、その取り付けを完了す
る。この場合、前記高さ調整ナット(b3)に替えて、
予め高さ調整された間隔部材(図示省略)を填め入れて
もよい。なお、該屋根部材(3A)と各ナット(b3)
および(b4)との間には、通常、ワッシャー(b
5)、パッキン(b6)填め入れ、また必要に応じキャ
ップ材(b7)を用いるものとする。
【0050】また、複層採光用屋根部材(3B)の場合
は、前記高さ調整ナット(b3)および締め付け用ナッ
ト(b4)を省略し、固定ボルト(b1)および固定ナ
ット(b2)のみを用い、通常の金属折板と同様にその
取り付けをおこなうことが可能である。なお、ワッシャ
ー(b5)、パッキン(b6)、また必要に応じキャッ
プ材(b7)を用いることは、前記複層採光用屋根部材
(3A)の場合と同様である。
【0051】この発明においては、前記タイトフレーム
(b)は、建築物の屋根部分に所定間隔を置いて設けら
れた梁(B)に予め固着されたものが利用されるのであ
るから、新規に透光部(L)を有する折板屋根を葺設施
工する場合はもちろん、既設の金属折板屋根を透光部
(L)を有するものに改造する場合でも、この発明の複
層採光用屋根部材を適用すれば、金属折板を取り除くだ
けで、容易に透光部(L)を設置することができる。
【0052】この発明の複層採光用屋根部材は、折板屋
根構造の施設に葺設施工した場合、施設の外気温度が低
く施設の内部温度と湿度が高い条件下で、従来の単層の
採光用屋根部材のようには、下面に結露を生じたり、結
露水が落下することはない。すなわち、図10に示すよ
うに、施設内空気が複層採光用屋根部材(3)の中空部
(S)を流通すると、上側の折板(4)の裏側に結露が
発生し、結露水(m)となって傾斜部(4b)の裏面
を、さらに折板(5)の表面に落下しその傾斜部(5
b)を点線矢印方向に流下する。このとき、下側の折板
(5)は、中空部を流通する空気層の断熱作用により外
気温の伝達が抑制されるうえ、施設の内部温度によって
それ自体の温度が相対的に高く保たれる結果、下側の折
板(5)下面に接触する空気の相対湿度は高く保持さ
れ、前記折板(5)下面では結露の発生が抑制される。
そして、中空部の結露水(m)は、主として折板(5)
の谷部(5c)、すなわち流水溝(9)を実線矢印方向
に流下し、複層採光用屋根部材(3)の水下へ流出す
る。
【0053】前記複層採光用屋根部材(3)から流出す
る結露水(m)は、図2に示す複層採光用屋根部材
(3)では、図8(イ)のように水下に連接される複層
採光用屋根部材(3A)の上面または金属折板(2)の
上面に排出され、また図4に示す複層採光用屋根部材
(3B)では、図8(ロ)のように水下に連接される複
層採光用屋根部材(3B)の中空部へ流入し流下して最
下部の複層採光用屋根部材(3B)から流出されるか、
または水下に連接される金属折板(2)の上面に排出さ
れる。従って、結露水(m)は施設内に落下しない。
【0054】実施例1 対象とする折板屋根の採光屋根部材として、図2に示す
採光屋根部材(3A)の構造を採用した。
【0055】2枚の透光性の折板として、上側折板には
厚さ2.0m、下側折板には1.5mmのポリカーボネ
ート樹脂板を用い、山部の幅32mm、谷部の幅32m
m、波高さ88.0mm、山部の間隔または谷部の間隔
200mm、長さ2000mm、山数が4山、上側折板
については両側の垂下縁部の長さ40mmの折板を、折
り曲げ成形法により成形した。なお、上側折板の上面
は、ポリカーボネート樹脂板の耐候性処理を施した面を
充当した。
【0056】また、山部間隔保持部材として、ポリカー
ボネート樹脂からなる、幅30mm、高さ10mmの中
空方形状で、肉厚2mm、長さ1980mmの長尺の中
空体を用意し、また端部間隔保持部材としては、ポリカ
ーボネート樹脂からなる、幅20mm、厚さ5.2m
m、側面菱形で長辺長さ106mmの細片を用意した。
【0057】ついで、前記で得られた2枚の透光性の上
下折板を、図2に示すように、前記上下折板の各山部間
に前記山部間隔保持部材を幅30mmの透光性の両面粘
着テープを介して、また各傾斜部間に幅20mmの透光
性の両面粘着テープを介して互いに結合し一体化した。
【0058】上記で得られた複層採光屋根部材につき、
その両端部において、図3(ロ)に示す空間部(10)
に、流水溝(9)を除き、シリコン系のコーキング剤を
充填した。
【0059】上記で得られた3枚の複層採光屋根部材
を、金属折板の屋根材に設けられた開口幅約600m
m、開口長さ約5600mmの透光部に、図8(イ)に
示すように水下から水上に向かって、各複層採光用屋根
部材をその端部において、水上側を下に水下側を上にし
て重ね合わせ状態に順次連接し、梁に固着したタイトフ
レームに、固定ボルト、固定ナット、および調整ナッ
ト、締め付け用ナットで取り付け、両側部では垂下縁部
を隣接する金属折板の山部に覆い被せ、複層採光用屋根
部材の葺設施工を実行した。
【0060】この実施例1では、複層採光用屋根部材の
製作が容易であり、かつ特別高価な部材を必要としなか
った。また、葺設施工をしたところ、タイトフレームへ
の固定設置が容易であるとともに、透光性が十分に保た
れ、仕上がりの外観品質が優れたものであった。さら
に、葺設施工の実用環境の下で結露試験をしたところ、
下側の波状折板の下面、すなわち施設内側の面には結露
は生じなかった。
【0061】なお、上記で得られた複層採光用屋根部材
を試料とし、別に用意した厚さ3.5mmの同材質、同
形状の単層の波状折板を比較試料として、正荷重の変形
テストをしたところ、この発明の試料は比較試料より変
形量が小さく、剛性の高いものであった。
【0062】実施例2 対象とする折板屋根の採光屋根部材として、図4に示す
採光屋根部材(3B)の構造を採用した。
【0063】まず、折板として、実施例1で用いたと全
く同様の2枚の透光性の折板を用意した。また、山部間
隔保持部材として、長さが1860mmであるほかは実
施例1で用いたと全く同様の山部間隔保持部材を用意し
た。
【0064】ついで、前記で得られた2枚の透光性の折
板を、図4および図5に示されたように、上下折板を、
ずれ代(t)を70mmに設定して、端部間隔保持部材
は用いなこととしたほかは実施例1と全く同様にして、
互いに接合し一体化した。
【0065】上記で得られた3枚の複層採光屋根部材
を、実施例1と同様、開口幅約600mm、開口長さ約
5600mmの透光部に、図8(ロ)に示すように水下
から水上に向かって、各複層採光用屋根部材をその端部
において、水上側を下に水下側を上にして嵌合状態に順
次連接し、梁に固着したタイトフレームに、固定ボルト
および固定ナットにより、通常の金属折板と同様にして
取り付け、両側部では垂下縁部を隣接する金属折板の山
部に覆い被せ、複層採光用屋根部材の葺設施工を実行し
た。
【0066】この実施例2では、傾斜部に端部間隔保持
部材を介在させないので、複層採光用屋根部材の製作
が、実施例1よりもさらに容易であり、また実施例1と
同様特別高価な部材を必要としなかった。また、葺設施
工をしたところ、傾斜部の端部間隔保持部材がないので
その束縛を受けず、上下の折板の重ね合わせの調整が行
い易く、複層採光用屋根部材相互の連接作業が容易であ
った。さらに、タイトフレームへの固定設置も容易であ
るとともに、透光性が十分に保たれ、仕上がりの外観品
質が優れたものであった。さらにまた、葺設施工の実用
環境の下で結露試験をしたところ、下側の波状折板の下
面、すなわち施設内側の面には結露は生じなかった。
【0067】なお、上記で得られた実施例2の複層採光
用屋根部材と実施例1の複層採光用屋根部材とを、正荷
重の変形テストにより比較したところ、実施例2の方が
やや変形が大きかったが、実用に支障のない範囲の変形
であった。
【0068】
【発明の効果】以上のように、この発明の折板屋根の複
層採光屋根部材は、平坦な山部と谷部とが傾斜部を挟ん
交互配置に並設された波形状の2枚の透光性の折板
が、相互間に所定間隔をおいて上下に配置され、かつ上
記2枚の折板の山部間に角棒状で透光性の山部間隔保持
部材が上記山部の長さ方向の略全長に亘って配置され、
この山部間隔保持部材を介して上記両折板が結合一体化
され、かつ該山部間隔保持部材の配置部位を除く部位に
おいて上記両折板間に外部に連通する中空部が形成され
ると共に、上側折板の両側部に、山部から連続する垂下
縁部が延設されているから、前記中空部を空気が流通可
能となり、流通する空気層の断熱作用により、当該複層
採光屋根部材の裏面において結露の発生が抑制されて結
露水が落下するのを防止し、かつ垂下縁と両側に隣接す
る金属折板との間から雨水の浸入するのを防止するとい
う効果がある。従って、食品貯蔵倉庫等の貯蔵物を水濡
れから十分に保護することができ、しかも屋根裏に水滴
避けの防水幕を張る必要もないので透光部の採光効果を
減殺することがない。
【0069】また、2枚の透光性の折板が、各山部間に
略全長に亘って配置された角棒状の山部間隔保持部材を
介して結合一体化されているから、間隔部材が補強の役
目をし、複層採光屋根部材全体の機械的強度、とくに剛
性が高められ、屋根材としての外部荷重に対する抵抗性
を増して安全性が高く、しかも透光性が十分に保持され
た折板屋根の複層採光屋根部材とすることができるとい
う効果がある。
【0070】さらに、この発明においては、前記山部間
隔保持部材に加え、請求項2に記載のように、上下折板
の長さ方向両端部における該上下折板の少なくとも前記
傾斜部間に介在配置された端部間隔保持部材を介して上
下両折板が結合一体化されているから、中空構造として
の複層採光屋根部材の機械的強度、とくにその端部の補
強がなされ、全体の剛性をより高め得るという効果があ
る。
【0071】さらにまた、この発明の折板屋根の複層採
光屋根部材は、請求項3に記載のように、上下両折板
と、山部間隔保持部材および/または端部間隔保持部材
とが、透光性の結合部材を用いて結合一体化されている
から、上下の折板を容易に結合一体化することができ、
当該複層採光屋根部材の周囲を密封支持するための格別
の部材を一切必要とせず、製作が簡単であり、製作コス
トが低廉であるという利点がある。
【0072】さらにまた、この発明の折板屋根の複層採
光屋根部材は、これを請求項4に記載のように、2枚の
上下折板が、その山部に沿う長さ方向の両端部の位置を
ずらした状態に配置され、両端部にそれぞれ対応長さの
上側折板突出部と下側折板突出部とが形成されているか
ら、各複層採光屋根部材を各端部において、嵌合状態に
連接することができ、葺設施工の際に単層の波状折板を
施工するのと同様に、容易に連接作業が行えると共に、
複層構造でありながら、連接部の嵩高を小さいからタイ
トフレームへの固定設置が容易であり、かつ葺設施工後
の外観品質がより高められるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の折板屋根の複層採光屋根部材が設
置される折板屋根の構造を概念的に示す斜視図である。
【図2】 この発明による折板屋根の複層採光用屋根部
材の、基本態様を示す部分切欠斜視図である。
【図3】 図2の要部を示す断面図であり、図3(イ)
はA−A線断面図、図3(ロ)はB−B線断面図であ
る。
【図4】 この発明による折板屋根の複層採光用屋根部
材の、変形態様を示す部分切欠斜視図である。
【図5】 図4のD−D線断面図である。
【図6】 山部間隔保持部材の断面図を示す図面であ
り、図6(イ)〜(ハ)はその各変形例を示す。
【図7】 上下折板と山部間隔保持部材との結合手段を
説明するための断面図であり、図7(イ)および(ロ)
は各別の結合手段を示す。
【図8】 この発明の複層採光用屋根部材を葺設施工す
る状態を説明するための図1のC−C線断面図であり、
図8(イ)は基本態様の複層採光用屋根部材について示
し、図8(ロ)は、変形態様の複層採光用屋根部材につ
いて示す。
【図9】 この発明の複層採光用屋根部材を葺設施工す
るときの、取り付け手段を説明するための部分縦断面図
である。
【図10】 この発明の複層採光用屋根部材における、
結露水の流れを説明する部分断面斜視図である。
【図11】 採光用の透光部を有する従来の建築物の一
部を示す斜視図である。
【図12】 図11のE−E線断面図である。
【符号の説明】
1…折板屋根 2…金属折板 3、3A、3B、…複層採光用屋根部材 4…波状折板(上側波状折板) 4′…上側折板突出部 4a…山部 4b…傾斜部 4c…谷部 4d…垂下縁部 5…波状折板(下側波状折板) 5′…下側折板突出部 5a…山部 5b…傾斜部 5c…谷部 6…山部間隔保持部材 7…端部間隔保持部材 8…両面粘着テープ 9…流水溝 10…空隙部 18…透明結合ネジ B…梁 L…透光部 S…中空部 b…タイトフレーム t…ずれ代 v…折り目
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04D 13/03 E04D 3/00 E04D 3/32

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平坦な山部と谷部とが傾斜部を挟んで
    配置に並設された波形状の2枚の透光性の折板が、相
    互間に所定間隔をおいて上下に配置され、かつ上記2枚
    の折板の山部間に角棒状で透光性の山部間隔保持部材が
    上記山部の長さ方向の略全長に亘って配置され、この山
    部間隔保持部材を介して上記両折板が結合一体化され、
    かつ該山部間隔保持部材の配置部位を除く部位において
    上記両折板間に外部に連通する中空部が形成されると共
    に、上側折板の両側部に、山部から連続する垂下縁部が
    延設され また前記上下折板の長さ方向両端部における該上下折板
    の少なくとも前記傾斜部間に、端部間隔保持部材が介在
    配置され、該端部間隔保持部材を介して上下両折板が結
    合一体化され てなることを特徴とする折板屋根の複層採
    光屋根部材。
  2. 【請求項2】 上下両折板と、山部間隔保持部材および
    /または端部間隔保持部材とが、透光性の結合部材を用
    いて結合一体化されてなる請求項1に記載の折板屋根の
    複層採光屋根部材。
  3. 【請求項3】 前記2枚の上下折板が、その山部に沿う
    長さ方向の両端部の位置をずらした状態に配置され、両
    端部にそれぞれ対応長さの上側折板突出部と下側折板突
    出部とが形成されてなる請求項1または請求項のいず
    れか1に記載の折板屋根の複層採光屋根部材。
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