JP4761922B2 - マスカラ付与方法及びマスカラ付与具 - Google Patents
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Description
このように、従来は、カールアップ作業の後、別途マスカラ剤の付与を行っており、しかも、液状ないしクリーム状のマスカラ剤をブラシ等でまつ毛に付与する塗布作業を何回も行う必要があるため、作業が煩雑である。
本実施形態のマスカラ付与具1は、図1(a)、図1(b)及び図2に示すように、把持本体部2と、該把持本体部2の先端部21に設けられたまつ毛処理部3とを有する。まつ毛処理部3は、マスカラ剤M〔図5(a)及び図5(b)参照〕を載置して加熱するマスカラ加熱部4と、まつ毛を整形するまつ毛整形部5とを備えている。
マスカラ加熱部4には、図2〜図4に示すように、加熱部基台41と、加熱線42と、加熱部基台41に加熱線42を固定するための加熱線固定部43とが設けられている。
加熱部基台41は、把持本体部2の先端部21と連設する部位で、マスカラ付与具1の長手方向に延びるように形成されている。
加熱線42は、加熱部基台41の上面にU字状に配設されている。詳細には、加熱線42は、把持本体部2側からマスカラ付与具1の先端側に向けて延び、該先端側で180°屈曲し、マスカラ付与具1の先端側から把持本体部2側に向けて延びている。そして、加熱線42は、把持本体部2の内部において、前記電池と導通し、電流が供給されるようになっている。
載置片46の集合体の上面により、マスカラ剤が載置される部位(マスカラ載置面)が形成されている。また、各載置片46は、まつ毛を梳く機能も有している。
載置片46の幅(前記マスカラ載置面の幅)P1(図4参照)は、好ましくは5〜10mmとする。載置片46の厚さP2(図4参照)は、好ましくは0.5〜1mmとする。載置片46の個数は、好ましくは5〜20個、より好ましくは7〜15個とする。
載置片46の間隔P3(図4参照)は、その上にマスカラ剤を載置したとき及びマスカラ剤をまつ毛に付与する操作の際にマスカラ剤が載置片46間に落下せず、且つ載置片46及び尖鋭部51でまつ毛を梳くことができる範囲で設定されており、好ましくは0.5〜2mmとする。前記マスカラ載置面の長さP4〔図1(b)参照〕は、好ましくは20〜40mmとする。
先ず、シート状マスカラ剤について説明する。シート状マスカラ剤は、マスカラ剤をシート状に成形したもので、大別して、ベースフィルムにマスカラ剤層等を積層してなるもの(ベースフィルム有シート状マスカラ剤)と、ベースフィルムを用いずマスカラ剤自体をシート状に成形したもの(ベースフィルム無シート状マスカラ剤)とがある。
前記実施形態のマスカラ付与具1には、ベースフィルム無シート状マスカラ剤が好ましく用いられる。溶融したマスカラ剤をまつ毛に付着させながら、載置片46及び尖鋭部51でまつ毛を梳くことができるためである。
マスカラ剤を形成する材料としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリアミド、アクリル樹脂、石油樹脂、テルペン系樹脂等の樹脂材料;パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、石油ワックス、エステルワックス、カルナウバワックス、モンタンワックス、蜜ロウ等のワックス成分;無機顔料、有機顔料、染料等の着色剤が挙げられる。本発明のマスカラ剤は、好適な熱溶融性又は熱軟化性を示すために、融点が50〜80℃のワックス成分を含有することが好ましい。ここに、融点はJIS K−2235に準拠して測定されるものである。
本実施形態のマスカラ剤は、膜厚70μmであって、エチレン−酢酸ビニル共重合体、パラフィンワックス、カルナウバワックス及び黒酸化鉄からなる。
マスカラ剤は、まつ毛表面に付着した被覆膜として、好ましくは膜厚10〜200μm、更に好ましくは膜厚20〜100μmとなるように、まつ毛に熱融着される。
シリコーン処理されたPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に、80℃以上で熱溶融させたマスカラ剤を塗工(例えば、厚さ50〜200μm)する。塗工したマスカラ剤を、冷却後、該PETフィルムから剥がして、この剥がしたマスカラ剤を適当な大きさと形状(例えば、幅5〜10mm、長さ20〜40mmの短冊状)に切断して、シート状のマスカラ剤とすることができる。
熱溶融前のマスカラ剤層cの膜厚は、好ましくは20〜300μm、更に好ましくは50〜200μmとする。
ペースト状マスカラ剤を形成する材料としては、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、エステルワックス、カルナウバワックス、モンタンワックス等のワックス成分;前記と同じ樹脂材料;無機顔料、有機顔料、染料等の着色剤;及び溶媒としてのワセリン、ラノリン等が挙げられる。上記ワックス成分としては、融点が50℃〜80℃のものが好ましい。
ペースト状マスカラ剤の好ましい組成は、熱により軟化してまつ毛に好適に付着する上で、上記ワックス成分100重量部に対して、上記樹脂材料1重量部〜20重量部、上記着色剤1重量部〜20重量部である。ワセリン、ラノリン等の溶媒に分散させる上記成分の含有量は、全組成中に1〜50質量%であることが好ましい。マスカラ剤の粘度は、マスカラ加熱部に載置し易く且つ載置後にマスカラ加熱部から流れ落ちない粘度が好ましく、好適には5〜30Pa・sとする。
ワセリン、ラノリン等の溶媒にワックス成分、樹脂材料、着色剤等の原料を加熱下に溶融、分散させ、冷却してペースト状のマスカラ剤とすることができる。
本実施態様のマスカラ付与方法は、前記実施形態のマスカラ付与具1及び前記ベースフィルム無シート状マスカラ剤Mを用いたマスカラ付与方法であって、図5(a)及び図5(b)に示すように、シート状のマスカラ剤である前記マスカラ剤Mを、該マスカラ付与具1のマスカラ加熱部4に載置して加熱し、熱により溶融又は軟化した該マスカラ剤Mをマスカラ付与具1のまつ毛整形部5でまつ毛に付着させる方法である。
マスカラ剤Mが適度に溶融又は軟化したら、マスカラ加熱部4及びまつ毛整形部5をまつ毛に近づける。マスカラ剤Mの好ましい溶融又は軟化の程度は、マスカラ剤の物性、加熱線42の温度、まつ毛の本数等によって異なる。
このように、本実施形態のマスカラ剤M及びマスカラ付与具1を用いた本実施態様のマスカラ付与方法によれば、まつ毛のカールアップ及びまつ毛へのマスカラの付与を、簡易な器具で同時に且つ簡便に行うことができる。そして、まつ毛に付与されたマスカラ剤が滲み難く、ダマになり難く、カールアップ効果が長続きする。
マスカラ剤として、形状記憶ポリマーを含有しているものを用いると、まつ毛のカールアップ形状が特に維持され易い。
また、ベースフィルム有シート状マスカラ剤を、そのマスカラ剤側の面が前記マスカラ加熱部に対向するようにマスカラ加熱部に載置し、マスカラ剤が溶融した上でベースフィルムを除去し、マスカラ加熱部に残ったマスカラ剤をまつ毛に付着させることも可能である。
本実施形態のマスカラ付与具1は、図7及び図8に示すように、把持本体部2とまつ毛処理部3とマスカラ供給部6とからなる。また、まつ毛処理部3は、マスカラ加熱部4とまつ毛整形部5とからなる。
把持本体部2の先端部21は、片側(図7における右上側)のみが先端側に延出している。この延出した先端部21に隣接して、まつ毛処理部3が設けられる。まつ毛処理部3におけるマスカラ加熱部4は、マスカラ剤M2を載置して加熱するものである。マスカラ加熱部4は、板状で、把持本体部2の先端上面から延出するように設けられている。マスカラ加熱部4は、前記電池から電流が供給され、マスカラ剤を溶融又は軟化するのに適した温度に加熱されるようになっている。
支持梁51は、櫛歯52の長さと略同じ間隔をあけて平行に一対設けられている。櫛歯52は、支持梁51の長手方向と直交方向に延びており、一対の支持梁51間に掛け渡されている。まつ毛整形部5には、例えば、10〜20本の櫛歯52が支持梁51の長手方向に所定間隔をあけて設けられている。固定部53は、一方の支持梁51から下方に延出しており、支持梁51の長手方向に亘っている。まつ毛整形部5は、固定部53に設けられた固定孔を利用して、マスカラ供給部6に固定されている。
カートリッジ61は、フィルム供給リール62、フィルム回収リール63、リール連動ベルト64等を内蔵しており、把持本体部2の先端部21に着脱自在になっている。
マスカラ加熱部は、マスカラ剤を載置して加熱できるものであれば、マスカラ剤を載置する部位の構造及びマスカラ剤を加熱する部位の構造は、種々の構造を採用することができる。また、マスカラ加熱部を加熱するためのエネルギー源は電池の形態に限られることはない。まつ毛整形部は、まつ毛を整形することができれば、まつ毛を梳かす構造に制限されず、例えばまつ毛を挟持押圧して整形する構造を採用することができる。
2 把持本体部
3 まつ毛処理部
4 マスカラ加熱部
5 まつ毛整形部
6 マスカラ供給部
M,M2 シート状マスカラ剤
S スイッチ
Claims (6)
- マスカラ加熱部とまつ毛整形部とを備えるまつ毛処理部を有するマスカラ付与具を用いたマスカラ付与方法であって、
前記マスカラ加熱部は、加熱線と、該加熱線の上方に配置されるマスカラ載置部材とを含んで構成されており、該マスカラ載置部材は、厚さ方向が前記マスカラ加熱部の長手方向に配置されると共に、厚さ方向に離間した状態で設けられていてまつ毛を梳く機能も有する、前記まつ毛整形部を兼ねる複数個の載置片からなり、
前記載置片の集合体の上面によるマスカラ載置面にベースフィルム無シート状マスカラ剤又はペースト状マスカラ剤を載置して、これらを加熱して溶融又は軟化させると共に、前記まつ毛処理部にまつ毛に近づけて、溶融又は軟化させたマスカラ剤をまつ毛に付着させた後に、前記載置片によってまつ毛を梳くマスカラ付与方法。 - 前記載置片の厚さ方向に離間した間隔は、0.5〜2mmである請求項1記載のマスカラ付与方法。
- 前記載置片の両端部に、まつ毛を梳く機能を備える尖鋭部が斜め上方に突出して設けられており、該尖鋭部によって、溶融又は軟化させたマスカラ剤をまつ毛に付着させる前にまつ毛を梳く請求項1又は2記載のマスカラ付与方法。
- マスカラ加熱部とまつ毛整形部とを備えるまつ毛処理部を有するマスカラ付与具を用いたマスカラ付与方法であって、
前記マスカラ加熱部は、ベースフィルム有シート状マスカラ剤を載置して加熱することでマスカラ剤を溶融又は軟化させるようになっており、
前記まつ毛整形部は、一対の支持梁と、該一対の支持梁に掛け渡されて支持梁の長手方向に間隔をあけて設けらた複数の櫛歯とからなるハシゴ形状を有しており、
前記まつ毛整形部の櫛歯と前記マスカラ加熱部との間に未使用の前記ベースフィルム有シート状マスカラ剤が配されている状態で、前記マスカラ加熱部の上の前記ベースフィルム有シート状マスカラ剤を加熱してマスカラ剤を溶融又は軟化させると共に、前記まつ毛処理部にまつ毛に近づけて、前記まつ毛整形部の櫛歯によってまつ毛を梳かした後に、溶融又は軟化させたマスカラ剤をまつ毛に付着させるマスカラ付与方法。 - 長尺状の前記ベースフィルム有シート状マスカラ剤が、マスカラ供給部によって前記マスカラ加熱部の上に連続的に供給されるようになっており、前記ベースフィルム有シート状マスカラ剤の位置をずらせて、未使用のマスカラ剤層を前記マスカラ加熱部の上に配することができるようになっている請求項4記載のマスカラ付与方法。
- 請求項5に記載のマスカラ付与方法に用いるマスカラ付与具であって、
把持本体部と、まつ毛処理部と、マスカラ供給部とからなり、
前記まつ毛処理部は、マスカラ加熱部とまつ毛整形部とを備えており、
前記マスカラ加熱部は、ベースフィルム有シート状マスカラ剤に載置して加熱することでマスカラ剤を溶融又は軟化させるようになっており、
前記まつ毛整形部は、一対の支持梁と、該一対の支持梁に掛け渡されて支持梁の長手方向に間隔をあけて設けらた複数の櫛歯とからなるハシゴ形状を有していると共に、前記櫛歯が前記マスカラ加熱部の上方に配置されるようになっており、
前記マスカラ供給部は、長尺状の前記ベースフィルム有シート状マスカラ剤を、前記マスカラ加熱部の上に連続的に供給するようになっているマスカラ付与具。
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