JP4293972B2 - マスカラ付与装置 - Google Patents

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本発明は、まつ毛にマスカラ剤を付与するマスカラ付与装置に関する。
従来、まつ毛を形よく美麗に見せるためのマスカラ製品としては、液状ないしクリーム状のマスカラ剤をブラシ等でまつ毛に付与するものが主流であり、マスカラ剤のまつ毛への付与は、挟み込み式のカーラー(ビューラー)でまつ毛を挟んで物理的にカールアップ(くせ付け)するか又は電熱式のカーラーでまつ毛を熱整形してカールアップした後、マスカラ剤をまつ毛にブラシで塗布することにより行なわれている。前記挟み込み式のカーラーは、例えば、特開平9−173130号公報に開示されており、また、前記電熱式のカーラーは、例えば、特開2002−28020号公報、特開平10−192037号公報に開示されている。更に、まつ毛を複数の毛束に分けてくせ付けを行うために、挟持部に櫛状の突出部を形成したまつ毛成形具が、特開2003−144222号公報に開示されている。
特開平9−173130号公報 特開2002−28020号公報 特開平10−192037号公報 特開2003−144222号公報
しかし、挟み込み式のカーラーにより、まつ毛を物理的にカールアップしようとしても、特に寝起きや雨の日等の湿度の高い状態では、なかなかカールアップせず、また、施術を重ねることによりまつ毛が傷付いたり、切れたり、抜けたりする問題もあった。また、電熱式のカーラーでは、カールアップ自体は比較的容易に行うことができるものの、その後に、マスカラ剤をまつ毛にブラシで塗布する必要があり、施術が煩雑である点は改善されていない。
このように、従来は、カールアップ作業の後、別途マスカラ剤の付与を行っており、しかも何回も塗布作業を行う必要があるため、作業が煩雑である。また、マスカラ剤の塗布後に更にカーラーでまつ毛の形を整えることがあるが、その場合、まつ毛上に形成された被膜を傷付けることになり、まつ毛に塗布されたマスカラ剤が経時的に涙等で流れ易くなる。更に、ブラシ等を用いてマスカラ剤を塗布するため、均一な塗布が難しく、ダマになり易い。また、ボリュームアップ効果を狙って、何度も重ね塗りが行われるが、反面、マスカラ剤の自重によりカールダウンを起こし易く、その結果、マスカラ塗布後のカールアップ効果も長続きしない。
従って、本発明の目的は、まつ毛の整形とまつ毛へのマスカラ剤の付与とを一動作で簡便に行うことができ、まつ毛に付与されたマスカラ剤が滲み難く、ダマになり難く、しかもカールアップ効果が長続きするマスカラ付与装置を提供することにある。
本発明は、まつ毛にマスカラ剤を熱転写又は熱融着により付着させるマスカラ付着手段と、該マスカラ付着手段にマスカラ剤を供給するマスカラ供給手段と、マスカラ剤を付着させる前のまつ毛を梳かす梳毛手段とを具備するマスカラ付与装置であって、前記梳毛手段は、複数本の櫛歯を有する櫛歯部材を備えており、該櫛歯をまつ毛の間に差し込んだ後、該櫛歯部材をまつ毛の根元側から先端側に向けて移動して、まつ毛を梳かすようになっているマスカラ付与装置を提供することにより、上記目的を達成したものである。
本発明のマスカラ付与装置によれば、まつ毛の整形とまつ毛へのマスカラの付与とを一動作で簡便に行うことができ、まつ毛に付与されたマスカラ剤が滲み難く、ダマになり難く、カールアップ効果が長続きする。
以下、本発明のマスカラ付与装置を、その好ましい一実施形態について図面を参照しながら説明する。
本実施形態のマスカラ付与装置1は、図1〜図7に示すように、まつ毛Cにマスカラ剤Mを熱転写又は熱融着により付着させるマスカラ付着手段3と、該マスカラ付着手段3にマスカラ剤Mを供給するマスカラ供給手段と、マスカラ剤Mを付着させる前のまつ毛Cを梳かす梳毛手段4とを具備するマスカラ付与装置であって、前記梳毛手段4は、複数本の櫛歯72を有する櫛歯部材7を備えており、該櫛歯72をまつ毛Cの間に差し込んだ後、該櫛歯部材7をまつ毛Cの根元側から先端側に向けて移動して、まつ毛Cを梳かすようになっているものである。また、前記マスカラ付着手段3は、まつ毛Cを挟んで所定形状にカールアップするカールアップ手段2を兼ねていてもよい。
本実施形態のマスカラ付与装置1について詳述すると、本実施形態のマスカラ付与装置1においては、前記カールアップ手段2、前記マスカラ付着手段3及び前記梳毛手段4は、装置本体11及びまつ毛処理部12に設けられている。
装置本体11は、図1及び図2に示すように、縦長の略直方体形状を有しており、使用時において使用者が把持する部位である。装置本体11の内部には摺動空間部14が形成されており、摺動空間部14には摺動本体41が上下方向に摺動可能に設けられている。摺動本体41の前面には、摺動本体41の上下動の際に用いるツマミ部41Aが形成されている。装置本体11の前面11Aには、ツマミ部41Aの上下動の範囲に対応する形状のツマミ開口部11Bが設けられている。ツマミ部41Aは、装置本体11の前面11A側に露出し、上下動可能となっている。装置本体11の下半分には、加熱ヘッド5の加熱面51(後述)の加熱用の電源として、乾電池(図示せず)が設けられている。また、加熱面51の加熱温度をまつ毛のカールアップ及びマスカラ組成物の熱転写に適した温度に調節する温度調節機能(図示せず)及び加熱面51の加熱時間を調節するタイマー回路(図示せず)を備えている。
装置本体11の両側面11Cには、図1(b)に示すように、上下方向に延びる縦レール溝44が設けられている。また、摺動本体41の両側面には、図1に示すように、幅方向外方に突設する縦滑合ピン41Bが設けられている。そして、縦レール溝44に縦滑合ピン41Bが挿入され、縦滑合ピン41Bが縦レール溝44に滑合自在に組み合わされている。そのため、摺動本体41は、縦滑合ピン41Bが縦レール溝44を滑合する範囲内で、上下方向に摺動するようになっている。縦滑合ピン41Bは、装置本体11の両側面11Cから更に幅方向外方に延出している。
まつ毛処理部12は、図1及び図2に示すように、装置本体11の上部に一体的に設けられている部位で、まつ毛Cにマスカラ剤Mを付与する部位である。本実施形態におけるまつ毛処理部12は、図1(c)に示すように、平面視で前面12Aから背面に向けて幅が拡がる形状を有しており、側面視で前面12Aから背面に向けて上がる傾斜形状を有している。従って、まつ毛処理部12の前面12Aは、装置本体11の前面11Aと面一の平面であり、まつ毛処理部12の上面12Bは、前面12Aから背面に向けて上がる傾斜面であり、まつ毛処理部12の両側面12Cは、前面12Aから背面に向けて拡がり且つ上がる平面となっている。
図1及び図2に示すように、まつ毛処理部12の内部には処理空間部15が形成されており、前面12Aには処理開口部13が形成されている。処理開口部13は、使用時に、マスカラ剤Mを付与しようとするまつ毛Cをまつ毛処理部12の処理空間部15に挿入するためのものである。
まつ毛処理部12の両側面12Cの下方には、梳毛手段4の構成部位として、前面12Aから背面に向けて延びる一対のレール溝43が設けられている。即ち、レール溝43は、マスカラ付着手段3の幅方向に離間してまつ毛の根元側から先端側に向けて延びる一対のレール溝である。レール溝43は、側面視において、まつ毛処理部12の両側面12Cの上下方向の傾斜形状並びに加熱ヘッド5の加熱面51及びヘッド受け部6の当接面61(後述)の表面の傾斜形状に合わせて、前面12Aから背面に向けて上向きに傾斜している。
まつ毛処理部12には、梳毛手段4の構成部材として、図1〜図5に示すように、複数本の櫛歯72を有する櫛歯部材7が設けられている。櫛歯部材7は、一対のレール溝43を跨いで設けられる支持部材71と、該支持部材71から上方に向けて突設する櫛歯72とからなる。
支持部材71は、図4に示すように、細長状の板材からなり、図5(a)に示すように、幅方向内方に向けて押圧力が付与されると、上下方向に容易に湾曲し、図5(b)及び(c)に示すように、幅方向内方への押圧力が除去されると幅方向外方に向かう弾性反発力により正面視で直線状になり得るものである。
支持部材71の上面には、図4及び図5に示すように、複数本の櫛歯72が支持部材71の幅方向に所定間隔を置いて直線状に突設している。本実施形態における櫛歯72は、略円錐形状である。
更に、支持部材71の両端部には、図3〜図5に示すように、側面視の高さがレール溝43の高さよりも高くなされた端部ストッパー73がそれぞれ設けられている。端部ストッパー73は、図4(a)に示すように、平面視で前面から背面に向けて拡がるように設けられている。
端部ストッパー73の幅方向外方には、図4に示すように、それぞれ幅方向外方に突設する滑合ピン74が設けられている。本実施形態における滑合ピン74は、長さの長い長滑合ピン74Aと長さの短い短滑合ピン74Bとからなる。短滑合ピン74Bが支持部材71の前面側に位置し、長滑合ピン74Aが支持部材71の背面側に位置している。
まつ毛処理部12の一対のレール溝43の間隔は、まつ毛処理部12の前面12A側において、櫛歯部材7の一対の端部ストッパー73の間隔よりも狭くなっており、まつ毛処理部12の背面側において、一対の端部ストッパー73の間隔と略同じになっている。また、まつ毛処理部12の両側面12Cのレール溝43近傍の内面(処理空間部15側の面)は、まつ毛処理部12の前面12A側において、図3(a)に示すように、幅方向内方に向けて傾いており、まつ毛処理部12の背面側において、図3(c)に示すように、傾いていない(上下方向に向いている)。そして、レール溝43に滑合ピン74が挿入され、滑合ピン74がレール溝43に滑合自在に組み合わされている。
そのため、櫛歯部材7は、滑合ピン74がレール溝43を滑合する範囲内で、レール溝43に沿って移動するようになっている。そして、支持部材71は、図3及び図5に示すように、まつ毛処理部12の前面12A側(まつ毛の根元側)に位置するときには正面視で上向きに凹に湾曲しており、且つまつ毛処理部12の背面側(まつ毛の先端側)に位置するときには正面視で直線状になる。
櫛歯部材7をまつ毛処理部12のレール溝43に組み合わせた状態において、図3に示すように、長滑合ピン74Aは、更にまつ毛処理部12の両側面12Cから幅方向外方に延出している。
図1に示すように、まつ毛処理部12の両側面12Cのレール溝43から延出している櫛歯部材7の長滑合ピン74Aと、装置本体11の両側面11Cの縦レール溝44から延出している摺動本体41の縦滑合ピン41Bとは、リンク棒42を介して連結されている。図3に示すように、リンク棒42の上端部に形成された上係合孔42Aに長滑合ピン74Aが係合されており、図1に示すように、リンク棒42の下端部に形成された下係合孔42Bに縦滑合ピン41Bが係合されている。
そのため、摺動本体41を上方に向けて摺動させると、縦滑合ピン41Bを介してリンク棒42の下端部が上方に押され、リンク棒42の上端部がまつ毛処理部12のレール溝43に沿って背面上方に向けて押され、長滑合ピン74Aを介して櫛歯部材7もレール溝43に沿って背面上方に向けて押されるようになっている。即ち、櫛歯部材7の移動は、リンク棒42が櫛歯部材7をまつ毛の根元側から先端側に向けて押すことによって行われるようになっている。
また、櫛歯部材7の支持部材71は、図3及び図5に示すように、まつ毛の根元側から先端側に向けて移動すると、正面視で上向きに凹に湾曲した形状から直線状の形状になり、梳毛手段4は、櫛歯部材7の移動に従動して、複数本の櫛歯72の間隔が拡げられるようになっている。
尚、本発明において、「まつ毛の根元側から先端側に向けて」とは、「マスカラ付与作業時におけるまつ毛の根元側から先端側に向かう方向に」又は「マスカラ付与装置の前面から背面に向けて」を意味する。また、マスカラ付与装置及びその構成要素における「前面」及び「背面」とは、それぞれ、マスカラ付与作業時における使用者の顔(まつ毛)に対する面及びその反対面を意味する。
また、本発明において、「複数本の櫛歯の間隔が拡げられる」とは、櫛歯全体の間隔が拡げられる場合のみならず、図5に示すように、櫛歯の先端部の間隔が拡げられる場合も含まれる。
また、本実施形態のマスカラ付与装置1におけるマスカラ付着手段3(カールアップ手段2を兼ねる)は、加熱面51を有する加熱ヘッド5と、加熱ヘッド5の加熱面51に対応する形状の当接面61を有するヘッド受け部6とを備えている。具体的には、図1及び図2に示すように、摺動本体41の上端部に、加熱面51を上方に位置させて加熱ヘッド5が一体的に設けられており、まつ毛処理部12の上面12Bの内面に、当接面61を下方に位置させてヘッド受け部6が設けられている。
加熱ヘッド5は、その全体又は一部が金属等の電気抵抗物からなり、発熱可能となっている。そして、摺動本体41の上端部に設けられているため、摺動本体41が上下方向に摺動すると、それに従って上下方向に移動し、加熱ヘッド5の加熱面51とヘッド受け部6の当接面61との間でまつ毛を挟むことができるようになっている。このように、加熱ヘッド5及びヘッド受け部6の少なくとも一方が可動とされ、加熱ヘッド5の加熱面51とヘッド受け部6の当接面61とが密着離反自在に構成されている。
摺動本体41が最下方に位置するときには、図2(a)に示すように、加熱ヘッド5は、ヘッド受け部6から離反して、まつ毛処理部12の処理開口部13の下縁より下方に位置しており、摺動本体41が最上方に位置するときには、図2(c)に示すように、加熱ヘッド5の加熱面51がヘッド受け部6の当接面61に密着するようになっている。
このように、加熱ヘッド5とヘッド受け部6との間には適当な間隔が設けられており、マスカラ剤Mを配置し、まつ毛Cを挟むことができるようになっている。
ここで、加熱ヘッド5の加熱面51とヘッド受け部6の当接面61とが密着することには、加熱面51と当接面61とが直接密着する場合の他、図7に示すように、加熱面51と当接面61とがマスカラ剤M及びまつ毛Cを介在させて間接的に密着する場合も含まれる。
加熱ヘッド5の幅L1〔図6(a)参照〕は、1回の施術で片方のまつ毛の整形及びマスカラ付与を完了させることを重視するならば、まつ毛の生え際の幅と同等ないしはより広く、例えば30mm〜40mmとする。
加熱ヘッド5の奥行き幅L4〔図8参照〕は、まつ毛の長さよりも長く設計することが好ましく、例えば10mm〜15mmとする。
加熱ヘッド5の加熱面51は、図8に示すように、側面視で前面から背面に向けて上がる傾斜形状を有している。加熱ヘッド5の加熱面51の傾斜角度θは、所望のカールアップ形状に応じて適宜設定されるが、例えば10度〜20度とする。
ヘッド受け部6は、合成樹脂等からなり、ヘッド受け部6の当接面61は、加熱ヘッド5の加熱面51に対応する形状及び大きさを有している。前述した加熱部5についての好ましい形状及び大きさの範囲は、ヘッド受け部6にも適用される。
前記マスカラ供給手段は、マスカラ付着手段3にマスカラ剤を供給する手段であり、該マスカラ供給手段としては、例えば、マスカラ剤を手で摘んでマスカラ付着手段3に供給する形態、マスカラ剤をマスカラ付着手段3に供給する機構を有する形態が挙げられる。
マスカラ剤Mとしては、適度な曲げ弾性率があって取扱いが容易であり使用後の処分も容易な点等から、フィルム状マスカラ剤が好ましく用いられる。フィルム状マスカラ剤とは、マスカラ組成物がフィルム材の表面に塗工されてなるものである。
マスカラ剤を手で摘んでマスカラ付着手段3に供給する形態としては、例えば、1枚のフィルム状マスカラ剤Mを、1回のマスカラ付与操作ごとに、マスカラ付着手段3に供給(装填)する形態が挙げられる。また、マスカラ剤をマスカラ付着手段3に供給する機構を有する形態としては、例えば、多数枚のフィルム状マスカラ剤が収納された専用容器からフィルム状マスカラ剤を1枚ずつ繰り出して、マスカラ付着手段に装填する形態が挙げられる。
本実施形態のマスカラ付与装置1においては、図7(a)に示すように、フィルム状マスカラ剤Mを、加熱ヘッド5とヘッド受け部6との間における加熱ヘッド5の加熱面51側に、マスカラ剤Mの塗工面をヘッド受け部6の当接面61に向けた状態で配し、まつ毛Cを、フィルム状マスカラ剤Mの塗工面とヘッド受け部6の当接面61との間に位置するように挿入する。そして、図7(b)に示すように、まつ毛Cを、フィルム状マスカラ剤Mと共に、加熱ヘッド5の加熱面51とヘッド受け部6の当接面61との間で挟み付けて、加熱ヘッド5の加熱面51を加熱することにより、まつ毛Cを加熱ヘッド5の加熱面51とヘッド受け部6の当接面61との間で所定形状にカールアップすると共に、フィルム状マスカラ剤Mのマスカラ組成物をまつ毛Cに熱転写するようになされている。
装置本体11には、スイッチ(図示せず)が設けられており、該スイッチは、摺動本体41の上下動に連動して上下動するようになっている。そして、摺動本体41を加熱ヘッド5の加熱面51とヘッド受け部6の当接面61とが密着する迄上げると、加熱ヘッド5の加熱がオンとなり、加熱ヘッド5の加熱面51とヘッド受け部6の当接面61とを離反させると、加熱がオフとなるようになっている。そのため、本実施形態のマスカラ付与装置1においては、加熱ヘッド5は、まつ毛Cを、マスカラ剤Mと共に、加熱ヘッド5の加熱面51とヘッド受け部6の当接面61との間で挟み付けた状態下〔図7(b)参照〕に、加熱がオンとなり、加熱ヘッド5とヘッド受け部6とを離反させた状態下〔図7(a)参照〕に、加熱がオフとなるようになっている。また、加熱がオンになると、加熱面51は、前記温度調節機能により、まつ毛のカールアップ及びマスカラ組成物の熱転写に適した温度に調節されるようになっており、また、加熱時間が過多になると、前記タイマー回路により、加熱面51の加熱が停止するようになっている。
以上の説明の通り、本実施形態のマスカラ付与装置においては、図1及び図2に示すように、梳毛手段4は、加熱ヘッド5と一体的に連結されて上下方向に摺動可能な摺動本体41と、該摺動本体41と櫛歯部材7とを連結するリンク棒42とを備えている。また、加熱ヘッド5の加熱面51とヘッド受け部6の当接面61との移動は、摺動本体41の上方向への摺動により行われるようになっている。更に、櫛歯部材7の移動は、加熱ヘッド5の加熱面51とヘッド受け部6の当接面61とが密着する方向への移動に従動して行われるようになっている。
そして、本実施形態のマスカラ付与装置1においては、図2及び図6に示すように、梳毛手段4は、櫛歯部材7の櫛歯72をまつ毛Cの間に差し込んだ後、該櫛歯部材7をまつ毛Cの根元側から先端側に向けて移動して、まつ毛Cを梳かすようになっている。また、図6に示すように、梳毛手段4は、櫛歯部材7の移動に従動して、複数本の櫛歯72の間隔が拡げられるようになっている。更に、図2及び図7に示すように、梳毛手段4によりまつ毛Cが梳かされた後に、マスカラ付着手段3によりまつ毛Cにマスカラ剤が付着するようになっている。
本実施形態におけるフィルム状マスカラ剤Mの構成について詳述する。フィルム状マスカラ剤Mは、図9に示すように、下層から、ベースフィルムb、アンダー層c及びマスカラ剤層dの順に積層された3層積層体であり、ベースフィルムb側に熱が加わると、主にアンダー層c中で溶融剥離が起こり、マスカラ剤層dがアンダー層cの一部と共に、まつ毛に転写されるようになっている。
フィルム状マスカラ剤Mは、手で摘む等して、マスカラ付着手段3の加熱ヘッド5に供給されるため、適度な曲げ弾性率を有していることが好ましい。フィルム状マスカラ剤Mの曲げ弾性率は、好ましくは100MPa〜5000MPa、更に好ましくは1000MPa〜3000MPaとする。かかる曲げ弾性率は、ASTM(米国材料試験協会規格)測定法 D790にて規定される。
ベースフィルムbは、フィルム状マスカラ剤Mの基材であり、熱に強く転写層の特性を引き出す物性を有するものが用いられる。ベースフィルムbの素材としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリロニトリル、ポリエチレン等の合成高分子フィルム、コンデンサー紙等が挙げられる。ベースフィルムbの膜厚は、好ましくは10μm〜200μm、更に好ましくは20μm〜100μmとする。本実施形態におけるベースフィルムbは、25μm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)からなる。
アンダー層cは、図9に示すように、ベースフィルムbとマスカラ剤層dとの介在層であり、造膜性があり、熱溶融時の凝集力が小さいものが用いられる。
アンダー層cは、その一部(例えば50重量%〜95重量%)が溶融剥離してマスカラ剤層dと共に、好ましくは膜厚1μm〜30μm、更に好ましくは膜厚1μm〜10μmでマスカラ剤を被覆するように、まつ毛に熱転写される。そのためには、転写前のアンダー層cの膜厚を、好ましくは1μm〜50μm、更に好ましくは1μm〜20μmとする。アンダー層cの形成剤としては、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、エステルワックス、カルナウバワックス、モンタンワックス等のワックス成分、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール等の樹脂材料等が挙げられる。
アンダー層cのより好ましい組成は、その一部をマスカラ剤層dと共にまつ毛に転写する上で、上記ワックス成分100重量部に対して、上記樹脂材料0重量部〜20重量部である。
本実施形態におけるアンダー層cは、10μmの厚みであって、低分子ポリエチレンワックス及びエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる。
マスカラ剤層dは、図9に示すように、アンダー層cの上層として形成され、まつ毛に熱転写される層であり、造膜性、着色性、熱応答性のほか、耐水性、付着性、カール保持性及び安全性に優れたものが用いられる。
マスカラ剤層dを構成するマスカラ組成物は、まつ毛表面に付着した被覆膜として、好ましくは膜厚10μm〜200μm、更に好ましくは膜厚20μm〜100μmとなるように、まつ毛に熱転写される。そのためには、熱転写前のマスカラ剤層dの膜厚を、好ましくは20μm〜300μm、更に好ましくは50μm〜200μmとする。
マスカラ剤層dの形成剤としては、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリアミド、アクリル樹脂、石油樹脂等の樹脂材料、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、エステルワックス、カルナウバワックス、ラノリンワックス、モンタンワックス等のワックス成分、無機顔料、有機顔料、染料等の着色剤が挙げられる。
マスカラ剤層dのより好ましい組成は、前記実施形態のマスカラ付与装置1を用いて前記フィルム状マスカラ剤Mのマスカラ剤層dをまつ毛に転写する上で、上記樹脂材料100重量部に対して、上記ワックス成分0重量部〜10重量部、及び上記着色剤1重量部〜20重量部である。
本実施形態におけるマスカラ剤層dは、70μmの厚みであって、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ウレタン変性ラノリンワックス及び黒酸化鉄からなる。
フィルム状マスカラ剤におけるマスカラ組成物は、形状記憶ポリマーを含有していてもよい。形状記憶ポリマーとしては、ポリウレタン系(三菱重工社製ダイアリイ)、ポリイソプレン系、スチレンブタジエン系、ポリエチレン系のもの等が挙げられる。本実施形態においては、ポリウレタン系形状記憶ポリマー(ポリシス社製)を含有している。
また、耐熱性を上げるためにベースフィルムの下層、即ちマスカラ剤を塗布した面と反対の面に耐熱層を設けてもよい。耐熱層としては、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等が用いられ、具体的にはシリコーン変性ブチラール樹脂が例示される。
また、マスカラ剤としては、まつ毛に熱融着させるようにしたマスカラ剤を用いることもできる。このようなマスカラ剤としては、例えば、ベースフィルム上にマスカラ剤層が積層された2層積層体が挙げられる。このマスカラ剤は、ベースフィルムの下面に熱が加わると、マスカラ剤層がベースフィルム上で溶融又は軟化し、まつ毛に熱融着されるようになっている。
フィルム状マスカラ剤Mは、加熱ヘッド5の加熱面51の表面形状又はヘッド受け部6の当接面61の表面形状に倣った表面形状を有していることが好ましい。
次に、本実施形態のマスカラ付与装置1の好ましい一使用態様について、図1〜図7を参照して説明する。
先ず、図1〜図3に示すように、ツマミ部41Aを利用して摺動本体41を下方に摺動させる。これにより、摺動本体41に連結されたリンク棒42も下方に移動し、リンク棒42の上係合孔42Aに連結された長滑合ピン74Aを介して、櫛歯部材7がレール溝43に沿ってまつ毛の先端側から根元側に向けて移動する。
ここで、櫛歯部材7は、正面視で支持部材71が上向きに凹に湾曲した状態で、加熱面51の上方に配置される。そして、フィルム状マスカラ剤M(図2においては図示省略)を手で摘み、加熱ヘッド5の加熱面51に載置する。
次に、マスカラ付与装置1の装置本体11を把持し、図2(a)及び図6(a)に示すように、まつ毛Cをまつ毛処理部12の処理開口部13を介して、櫛歯部材7とヘッド受け部6の当接面61との間に配置し、櫛歯72をまつ毛Cの間に差し込む。この状態で、図2(a)及び(b)に示すように、ツマミ部41Aを利用して摺動本体41を上方に摺動させる。これにより、摺動本体41に連結されたリンク棒42も上方に移動し、リンク棒42の上係合孔42Aに連結された長滑合ピン74Aを介して、櫛歯部材7がレール溝43に沿ってまつ毛の根元側から先端側に向けて移動する。その結果、図2(b)及び図6(b)に示すように、櫛歯部材7の櫛歯72によりまつ毛Cが梳かされる。このように、梳毛手段4は、櫛歯72をまつ毛Cの間に差し込んだ後、櫛歯部材7をまつ毛Cの根元側から先端側に向けて移動して、まつ毛Cを梳かすことができる。しかも、梳毛手段4は、櫛歯部材7の移動に従動して、複数本の櫛歯72の間隔を拡げることにより、まつ毛Cの間隔を根元側から先端側に向けて拡げることができる。
更に摺動本体41を上方に摺動させると、図2(b)及び(c)に示すように、櫛歯部材7もまつ毛の先端側に向けて更に移動し、摺動本体41の上方、即ち加熱ヘッド5の加熱面51とヘッド受け部6の当接面61との間の領域から背面側に待避する。それと共に、図2(c)に示すように、まつ毛Cを、フィルム状マスカラ剤Mと共に、加熱ヘッド5の加熱面51とヘッド受け部6の当接面61との間で挟み付ける。
このように、まつ毛Cは、櫛歯部材7により梳かれた後、加熱ヘッド5の加熱面51とヘッド受け部6の当接面61との間で所定形状にカールアップされる。同時に、前記スイッチ(図示せず)も上方に移動し、加熱ヘッド5の加熱がオンとなり、加熱面51が加熱される。その結果、まつ毛Cのカールアップ形状が固定されると共に、フィルム状マスカラ剤Mのマスカラ剤層dがまつ毛Cに熱転写される。従って、梳毛手段4によりまつ毛Cが梳かされた後に、マスカラ付着手段3によりまつ毛Cにマスカラ剤Mのマスカラ組成物が付着する。
以上の説明の通り、本実施形態のマスカラ付与装置1によれば、複数本の櫛歯72を有する櫛歯部材7を備え、櫛歯72をまつ毛Cの間に差し込んだ後、櫛歯部材7をまつ毛Cの根元側から先端側に向けて移動してまつ毛Cを梳かすようになっている梳毛手段4を具備しているため、まつ毛Cは、梳かされた状態で、加熱ヘッド5の加熱面51とヘッド受け部6の当接面61との間で所定形状にカールアップされると共に、フィルム状マスカラ剤Mのマスカラ組成物がまつ毛Cに熱転写される。
ここで、梳毛手段4によりまつ毛が梳かされた後にマスカラ付着手段3によりまつ毛にマスカラ剤が付着するため、まつ毛が重なった状態でマスカラ剤が付着することがなく、マスカラ剤がまつ毛Cに均一に付着する。また、櫛歯部材7の移動に従動して櫛歯72の間隔が拡げられるようになっているため、まつ毛は、根元側から先端側に向けて拡がる形状に梳かされる。しかも、櫛歯72が支持部材71から上方に突設している櫛歯部材7を用いているため、まつ毛を梳かした後にまつ毛の先端が上向きになりやすい。
また、本実施形態のマスカラ付与装置1においては、加熱ヘッド5と一体的に連結されて上下方向に摺動可能な摺動本体41と摺動本体41と櫛歯部材7とを連結するリンク棒42とを備え、加熱ヘッド5の加熱面51及びヘッド受け部6の当接面61の移動は摺動本体41の上方向への摺動により行われ、櫛歯部材7の移動はリンク棒42が櫛歯部材7をまつ毛の根元側から先端側に向けて押すことによって行われるようになっているため、摺動本体41を上方向へ摺動すると、櫛歯部材7の移動と加熱ヘッド5の加熱面51及びヘッド受け部6の当接面61の移動とが連動し、容易且つ確実に、まつ毛を梳かした後に、まつ毛をカールアップすると共にまつ毛にマスカラ剤を付着させることができる。
このように、本実施形態のマスカラ付与装置1によれば、まつ毛の整形とまつ毛へのマスカラ剤の付与とをまつ毛を梳かした状態で一動作で簡便に行うことができる。しかも、まつ毛に付与されたマスカラ剤が滲み難く、ダマになり難く、カールアップ効果が長続きする。
また、本実施形態のマスカラ付与装置1によれば、1枚ずつ使い切りのフィルム状マスカラ剤を用いているため、長尺状のフィルム状マスカラ剤が用いられるマスカラ付与装置に比して、長尺状のフィルム状マスカラ剤を装填するための機構が不要となり、装置の構成が簡易である。
マスカラ剤として、形状記憶ポリマーを含有しているものを用いると、まつ毛のカールアップ形状が特に維持され易い。また、摺動本体41を上げれば、加熱ヘッド5の加熱がオンとなり、操作が簡便である。
次に、本発明のマスカラ付与装置における種々の別の実施形態について、図面を参照しながら説明する。別の実施形態の説明においては、主として前記実施形態とは異なる点について説明し、特に説明しない点については、前記実施形態に関する説明が適宜適用される。
前記実施形態における櫛歯部材7の支持部材71は、平面視で湾曲していない形状(直線的形状)を有しているが、櫛歯部材7の支持部材71は、図10に示すように、平面視でまつ毛の根元側から先端側に向けて凹んだ湾曲形状を有していてもよい。このような湾曲形状を有する櫛歯部材7によれば、まつ毛の根元近傍からまつ毛を梳かすことができる。
櫛歯部材7の支持部材71は、図11に示すように、幅方向中央部71Aの厚みを薄くして、正面視で上下方向に湾曲し易くすることもできる。
前記実施形態における櫛歯72は円錐形状を有しているが、櫛歯72の形状は、まつ毛を梳かすことができれば、円錐形状に制限されない。櫛歯72の形状は、例えば、図12に示すように、根元が楕円形状で、高さ方向に根元から中央部までが略同じ太さで該中央部から先端までは徐々に細くなった形状とすることができる。
前記実施形態における櫛歯部材7は、板状の支持部材71の上面に、支持部材71から突設する櫛歯72が設けられた構造を有しているが、別の構造としては、例えば、図13(a)に示すように、管洗浄用ブラシ状の櫛歯部材7が挙げられる。具体的には、線材からなる櫛歯76を複数本離間して並置し、複数本の櫛歯76を複数本の線材で捩って支持部材75を形成し、管洗浄用ブラシ状にしたものである。
図13(a)に示す櫛歯部材7においては、複数本の櫛歯76は、支持部材75の周方向に分散して配置されている。支持部材75の両端部には、前記実施形態における支持部材71と同様に、端部ストッパー73及び滑合ピン74が設けられている。支持部材75の素材としては金属線材が好ましく、櫛歯76の素材としては合成樹脂線材又は金属線材が好ましい。
図13(a)に示す管洗浄用ブラシ状の櫛歯部材7は、図13(b)に示すように、正面視で上下方向に湾曲させることできる。このような構造の櫛歯部材7も、前記実施形態における櫛歯部材7と同様に用いられる。
また、図13(a)に示す櫛歯部材7は、複数本の櫛歯76が支持部材75の周方向に分散して配置されているため、以下の構造に変更することができる。具体的には、図13(c)に示すように、端部ストッパー73に代えてピニオン77を設け、且つレール溝43の下面にラック43Aを設けた構造である。
このような構造の櫛歯部材によれば、ピニオン77をラック43Aに噛み合わせながら回転移動することにより、櫛歯部材7を回転させながらレール溝43に沿って移動させることができる。
前記実施形態における梳毛手段4においては、櫛歯部材7の支持部材71は、まつ毛Cの根元側に位置するときには正面視で上向きに凹に湾曲しており、且つまつ毛Cの先端側に位置するときには正面視で直線状になっているが、櫛歯部材7の支持部材71の湾曲形状は、櫛歯部材7の移動に従動して複数本の櫛歯72の間隔が拡げられるようになっていれば、前記実施形態における形状に制限されない。
櫛歯部材7の支持部材71は、図14(a)に示すように、まつ毛Cの根元側に位置するときには正面視で直線状になっており、且つ図14(b)に示すように、まつ毛Cの先端側に位置するときには正面視で上向きに凸に湾曲している構造とすることもできる。このような構造を採用する場合には、一対のレール溝43は、まつ毛の根元側から先端側に向けて徐々に狭まるように設けることになる。
櫛歯部材7においては、櫛歯72は、図15及び図16に示すように、支持部材71から下方に向けて突設させることもできる。その場合には、櫛歯部材7の支持部材71は、図15(a)に示すように、まつ毛Cの根元側に位置するときには正面視で直線状になっており、且つ図15(b)に示すように、まつ毛Cの先端側に位置するときには正面視で下向きに凸に湾曲している構造とすることができる。このような構造を採用する場合には、一対のレール溝43は、まつ毛の根元側から先端側に向けて徐々に狭まるように設けることになる。
また、櫛歯部材7の支持部材71は、図16(a)に示すように、まつ毛Cの根元側に位置するときには正面視で下向きに凹に湾曲しており、且つ図16(b)に示すように、まつ毛Cの先端側に位置するときには正面視で直線状になっている構造とすることもできる。このような構造を採用する場合には、一対のレール溝43は、まつ毛の根元側から先端側に向けて徐々に拡がるように設けることになる。
加熱ヘッド5の加熱面51及びヘッド受け部6の当接面61の表面形状等を変更することもできる。
まつ毛の生え際の形状は、平面視でまつ毛の根元側から先端側に向けて凸の湾曲形状となっており、また、正面視で上方に向けて凸の湾曲形状になっている。従って、加熱ヘッド5の加熱面51及びヘッド受け部6の当接面61の表面形状を、前述のまつ毛の生え際の形状に倣うように形成することが好ましい。
具体的には、加熱ヘッド5の前面形状は、図17及び図18(b)に示すように、平面視でまつ毛の根元側から先端側に向けて凹んだ湾曲形状とすることができる。加熱ヘッド5の前面の平面方向の凹みの大きさL2は、一般的なまつ毛の生え際の形状(平面視で緩やかに湾曲した形状)に合わせて、例えば1mm〜10mmとする。
尚、このような前面形状を有する加熱ヘッド5を採用する場合には、まつ毛処理部12の前面12Aも、平面視で背面に向けて凹んだ形状となっていることが好ましい。
加熱ヘッド5の前面形状は、図17及び図18(a)に示すように、正面視で幅方向中央部が上方に向けて凸の湾曲形状とすることができる。加熱ヘッド5の前面の上下方向の凸の大きさL3は、一般的なまつ毛の生え際の形状に合わせて、例えば1mm〜5mmとする。
また、加熱ヘッド5の加熱面51の両端部には、図17及び図18に示すように、係合溝52を設けることもできる。係合溝52は、フィルム状マスカラ剤Mを加熱ヘッド5の加熱面51に載置する際に、フィルム状マスカラ剤Mの両端部M2が挿入されて、両者を係合するものである。この際、フィルム状マスカラ剤Mの両端部M2の背面側M3が係合溝52の背面係止部52Aに引っ掛かるようになっている。
また、加熱ヘッド5全体が回動して加熱面51の装置本体11に対する傾斜角度を変更できるようにして、使用者の好みに合わせてカールアップ角度を変更できるようにすることもできる。
ヘッド受け部6も、前述した加熱部5についての好ましい形状及び大きさの範囲を採用することが好ましい。
図17及び図18に示すように、加熱ヘッド5及びヘッド受け部6が、それらの前面が平面視で背面に向けて凹んだ湾曲形状を有しており、加熱面51及び当接面61が側面視で前面から背面に向けて上がる傾斜形状を有しており、それらの前面が上方に向けて凸の湾曲形状を有していると、一般的なまつ毛の生え際の形状に対応して一回の施術で、まつ毛を、根元から先端に向けて上がった好ましいカールアップ形状にカールアップすることができる。
加熱ヘッド5の加熱面51及びヘッド受け部6の当接面61の前面が平面視でまつ毛の根元側から先端側に向けて凹んだ湾曲形状を有している場合には、図10に示すような、平面視でまつ毛の根元側から先端側に向けて凹んだ湾曲形状を有する支持部材71を備えた櫛歯部材7が好ましく適用される。
このような形状を有する加熱ヘッド5及びヘッド受け部6並びに櫛歯部材7が採用されている場合には、図19(a)に示すように、一対のレール溝43がまつ毛Cの根元側から先端側に向けて徐々に拡がるように設けられている場合においても、図19(b)に示すように、一対のレール溝43がまつ毛Cの根元側から先端側に向けて徐々に狭まるように設けられている場合においても、まつ毛を根元近傍から梳かすことができ、まつ毛に根元近傍からマスカラ剤を付着させることができる。
加熱ヘッド5の加熱面51及びヘッド受け部6の当接面61の表面形状が、前述したような三次曲面を有している場合には、フィルム状マスカラ剤Mは、図17に示すように、平面視で加熱ヘッド5の加熱面51の平面視形状と略同じ形状を有しているものが好ましく用いられる。更に、フィルム状マスカラ剤Mにその表面形状が加熱ヘッド5の加熱面51又はヘッド受け部6の当接面61の表面形状に倣った形状に変形し易くするための切り込みM1が形成されていると好ましい。
また、フィルム状マスカラ剤Mの両端部M2が加熱ヘッド5の係合溝52の形状に対応した形状となっており、フィルム状マスカラ剤Mの両端部M2を加熱ヘッド5の係合溝52に前面側から挿入するとフィルム状マスカラ剤Mの両端部M2の背面側M3が加熱ヘッド5の係合溝52の背面係止部52Aに当接して引っ掛かるようになっていると好ましい。
本発明のマスカラ付与装置は、前記実施形態及びその使用態様に制限されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜変更が可能である。
前記実施形態のマスカラ付与装置においては、カールアップ手段、マスカラ付着手段及び梳毛手段が装置本体及びまつ毛処理部に設けられているが、本発明のマスカラ付与装置は、カールアップ手段、マスカラ付着手段及び梳毛手段が装置本体及びまつ毛処理部に設けられた形態に制限されない。マスカラ付着手段は、必ずしも、カールアップ手段を兼ねていなくてもよい。マスカラ付着手段は、加熱ヘッド及びヘッド受け部からなるものに制限されない。加熱ヘッド及びヘッド受け部の位置も制限されない。加熱ヘッドとヘッド受け部とが密着離反自在な構成としては、種々の構成を採用することができる。
櫛歯部材の移動を加熱ヘッド及びヘッド受け部の移動に従動させる構成及び櫛歯部材における櫛歯の間隔を拡げる構造としては、種々の構成を採用することができる。
前記実施形態においては、加熱ヘッドとヘッド受け部とを密着させると、加熱ヘッドの加熱がオンになる構成であるが、両者を密着させる前に予め加熱ヘッドを加熱可能な構成を採用してもよい。このような構成からなるマスカラ付着手段(兼カールアップ手段)によれば、加熱ヘッドとヘッド受け部との間でまつ毛を挟み込む前から加熱ヘッドを加熱しておき、その状態下に、加熱ヘッドとヘッド受け部との間でまつ毛を挟み込むことができる。
図1は、本発明の一実施形態のマスカラ付与装置を示す図で、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は平面図である。 図2は、図1(a)に示すII−II断面図で、(a)〜(c)は櫛歯部材の移動を順次示す図である。 図3(a)〜(c)は、それぞれ図2(a)〜(c)に示すIIIa−IIIa断面、IIIb−IIIb断面、IIIc−IIIc断面の模式的断面図である。 図4は、図1に示すマスカラ付与装置における櫛歯部材を示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は部分拡大平面図、(d)は中央縦断面図である。 図5は、図1に示すマスカラ付与装置における櫛歯部材を示す正面斜視図で、(a)〜(c)は櫛歯部材の形状変化を順次示す図である〔それぞれ図2(a)〜(c)に対応する〕。 図6(a)及び(b)は、櫛歯部材の移動に伴う櫛歯の間隔の変化を示す模式的正面図である。 図7は、図1に示すマスカラ付与装置の一使用態様における加熱ヘッドとヘッド受け部との位置関係を示す模式的断面図で、(a)は加熱ヘッドとヘッド受け部とが離反した状態を示す図、(b)は加熱ヘッドとヘッド受け部とが密着した状態を示す図である。 図8は、図1に示すマスカラ付与装置における加熱ヘッドの模式的側面図である。 図9は、フィルム状マスカラ剤の積層構造を示す模式的断面図である。 図10は、支持部材の形状の異なる櫛歯部材を示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は斜視図である。 図11は、支持部材の形状の異なる櫛歯部材を示す正面図である。 図12は、櫛歯の形状が異なる櫛歯部材を示す図で、(a)は部分拡大平面図、(b)は中央縦断面図である。 図13は、異なる構造の櫛歯部材を示す図で、(a)は正面図、(b)は上下方向に湾曲させた状態を示す正面図、(c)はレール溝のラックと支持部材のピニオンとの噛み合わせを示す模式的側面図である。 図14(a)及び(b)は、櫛歯部材の移動に伴う櫛歯の間隔の変化を示す模式的正面図である。 図15(a)及び(b)は、櫛歯部材の移動に伴う櫛歯の間隔の変化を示す模式的正面図である。 図16(a)及び(b)は、櫛歯部材の移動に伴う櫛歯の間隔の変化を示す模式的正面図である。 図17は、異なる形状の加熱ヘッドを示す斜視図である。 図18は、図17に示す加熱ヘッドを示す図で、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は(b)に示すC−C断面図である。 図19(a)及び(b)は、それぞれ、平面視でまつ毛の根元側から先端側に向けて凹んだ形状を有する加熱ヘッド及び櫛歯部材を採用した形態における櫛歯部材の移動を示す模式的平面図である。
符号の説明
1 マスカラ付与装置
11 装置本体
12 まつ毛処理部
13 処理開口部
14 摺動空間部
15 処理空間部
2 カールアップ手段
3 マスカラ付着手段
4 梳毛手段
41 摺動本体
41A ツマミ部
41B 縦滑合ピン
42 リンク棒
42A 上係合孔
42B 下係合孔
43 レール溝
44 縦レール溝
5 加熱ヘッド
51 加熱面
6 ヘッド受け部
61 当接面
7 櫛歯部材
71 支持部材
72 櫛歯
73 端部ストッパー
74 滑合ピン
74A 長滑合ピン
74B 短滑合ピン
C まつ毛
M フィルム状マスカラ剤

Claims (6)

  1. まつ毛にマスカラ剤を熱転写又は熱融着により付着させるマスカラ付着手段と、該マスカラ付着手段にマスカラ剤を供給するマスカラ供給手段と、マスカラ剤を付着させる前のまつ毛を梳かす梳毛手段とを具備するマスカラ付与装置であって、
    前記梳毛手段は、複数本の櫛歯を有する櫛歯部材を備えており、該櫛歯をまつ毛の間に差し込んだ後、該櫛歯部材をまつ毛の根元側から先端側に向けて移動して、まつ毛を梳かすようになっているマスカラ付与装置。
  2. 前記梳毛手段によりまつ毛が梳かされた後に、前記マスカラ付着手段によりまつ毛にマスカラ剤が付着するようになっている請求項1記載のマスカラ付与装置。
  3. 前記梳毛手段の前記櫛歯部材は、湾曲変形可能な支持部材と該支持部材から突設する複数本の前記櫛歯とからなり、前記櫛歯部材の移動に従動して前記支持部材が変形することにより、複数本の前記櫛歯の間隔が拡げられるようになっている請求項1又は2に記載のマスカラ付与装置。
  4. 前記マスカラ付着手段は、加熱面を有する加熱ヘッドと、該加熱ヘッドの該加熱面に対応する形状の当接面を有するヘッド受け部とを備え、該加熱ヘッドの該加熱面と該ヘッド受け部の該当接面とが密着離反自在に移動するように構成されており、
    前記梳毛手段における前記櫛歯部材の移動は、前記加熱ヘッドの前記加熱面と前記ヘッド受け部の前記当接面とが密着する方向への移動に従動して行われるようになっている請求項1〜3の何れかに記載のマスカラ付与装置。
  5. 前記梳毛手段は、前記加熱ヘッドと一体的に連結されて上下方向に摺動可能な摺動本体と、該摺動本体と前記櫛歯部材とを連結するリンク棒とを備えており、
    前記加熱ヘッドの前記加熱面と前記ヘッド受け部の前記当接面とが密着する方向への移動は、前記摺動本体の上方向への摺動により行われ、前記櫛歯部材の移動は、前記リンク棒が該櫛歯部材をまつ毛の根元側から先端側に向けて押すことによって行われるようになっている請求項4記載のマスカラ付与装置。
  6. 前記梳毛手段は、前記マスカラ付着手段の幅方向に離間してまつ毛の根元側から先端側に向けて延びる一対のレール溝を備えており、前記櫛歯部材は、一対の該レール溝を跨いで設けられる支持部材と、該支持部材から上方に向けて突設する前記櫛歯とからなり、
    前記支持部材は、まつ毛の根元側に位置するときには正面視で上向きに凹に湾曲しており、且つまつ毛の先端側に位置するときには正面視で直線状になっている請求項1〜5の何れかに記載のマスカラ付与装置。
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