JP4761014B2 - 口腔用組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れたう蝕予防効果を与える口腔用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
う蝕は歯垢中のストレプトコッカス・ミュータンス(streptococcus mutans)菌に代表される細菌により産生される酸により、エナメル質灰分が溶出することにより生じる。酸産生に伴いpHの低下が起こるが、一般にpHが5.5以下になると脱灰、すなわちう蝕形成が進行すると言われている。そこで、う蝕予防を目的とした、pH低下抑制方法が検討されてきている。具体的には、pH低下に繋がる酸の産生抑制、産生した酸の中和、除去等の技術で、イチョウなどの抽出物(特開昭56−083416号)、アルギニン含有オリゴマペプチド(特開昭53−26331号)、キチン・キトサン(特公平3−15604号)、ヒスチジンと炭酸カルシウム(特開平8−301742号)などが提案されているが、pH低下抑制効果の優れた物質は見つかっていない。
【0003】
また、酸産生の主要因であるショ糖をキシリトールやパラチノースなどの非発酵性の糖に代替した食品などが開発されているが、発酵性の糖を非発酵性の糖に完全に置き換えることは現実的には不可能である。なお、非発酵性の糖であるキシリトールには、無益回路とよばれる細菌代謝経路により酸産生抑制効果があることが報告されているが、ショ糖の存在下では、その効果は見られない(Goran Frostell,Swed.Dent.J.,8:137−146(1984))。そこで、より効果の高いpH低下抑制技術の開発が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、塩基性ペプチドとしてリジンのホモポリマーとフッ素化合物、さらにはキシリトール及びソルビトールから選ばれる糖アルコールを組み合わせることにより、極めて優れたpH低下抑制効果が得られることを知見し、本発明をなすに至った。
【0005】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0006】
本発明の口腔用組成物は、塩基性ペプチド、フッ素化合物、及び糖アルコールを含有してなるものである。
【0007】
ここで、塩基性ペプチドとは、等電点が生理的条件よりアルカリ側にあるペプチドである。好ましくは、リジンのホモポリマーである。また、その重合度は、5〜100で、好ましくは5〜60個のアミノ酸からなるものである。代表的なものとしては、ポリリジン(K)n(nは重合度)が挙げられる。
【0008】
なお、本明細書で用いるペプチドの構成アミノ酸およびその保護基等についての略号はペプチドの分野で通常用いられるものである。例えば、Gはグリシン、Hはヒスチジン、Kはリジン、Rはアルギニン、Eはグルタミン酸、Dはアスパラギン酸、Pはプロリン、Qはグルタミン、Aはアラニン、Fはフェニルアラニン、Sはセリン、Yはチロシンを表す。
【0009】
本発明の口腔用組成物においては、これらペプチドは単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができ、組成物中の該ペプチド配合量は0.0001〜5%(質量百分率、以下同じ)、特に0.001〜1.0%が好ましい。
【0010】
本発明に用いるフッ素化合物は、無機化合物、有機化合物のいずれであってもよい。具体的には、例えば、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化スズ、フッ化ケイ素酸ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化アルミニウム、フッ化銀、フッ化水素酸ヘキシルアミン、フッ化水素酸デカノールアミン、フッ化水素酸オクタデセニルアミン等が挙げられる。このうち安全性、溶解性、風味等の点からモノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化ナトリウムが特に好ましい。口腔用組成物中のフッ素イオン供給化合物の配合量は、フッ素換算で0.002〜1%であることが好ましく、0.01〜0.2%であることがより好ましい。
【0011】
本発明に用いる糖アルコールは、キシリトール、ソルビトール、パラチノース、マルチトール、エリスリトールから選ばれる1種ないしは2種以上を組み合わせて用いることができるが、キシリトール、ソルビトールが用いられる。組成物中の配合量は0.01〜30%が好ましく、より好ましくは0.1〜25%である。
【0012】
本発明の口腔用組成物は、練歯磨、潤製歯磨、液体歯磨等の歯磨剤、洗口液、口中清涼剤、うがい用錠剤、義歯用洗浄剤、チューインガム等の形態とすることができ、それぞれの組成物は、特徴に応じその他の成分を本発明の効果を損ねない範囲で使用し、通常の方法で調製することができる。
【0013】
歯磨類の場合は、例えば研磨剤、粘稠剤、粘結剤、界面活性剤、甘味剤、防腐剤などの各種有効成分、色素、香料等を配合でき、これら成分と水とを混合して製造することができる。ここで、研磨剤としては、シリカゲル、沈降シリカ、アルミノシリケート、ジルコノシリケート等のシリカ系研磨剤、第2リン酸カルシウム2水和物及び無水和物、ピロリン酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、炭酸マグネシウム、第3リン酸マグネシウム、ゼオライト、ケイ酸ジルコニウム、第3リン酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、第4リン酸カルシウム、第8リン酸カルシウム、合成樹脂系研磨剤等が挙げられる。
【0014】
これら研磨剤の配合量は、組成物全体の2〜60%、特に8〜45%とすることが好ましい。
【0015】
粘稠剤としては、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等、粘結剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、カラギーナン、カーボポール、グアガム、モンモリロナイト、ゼラチン等、界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、非イオン性界面活性剤等を配合し得、具体的にはラウリル硫酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、N−アシルサルコシネート、N−アシルグルタメート、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、N−アシルタウレート、ショ糖脂肪酸エステル、アルキロールアマイド、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、プルロニック等、甘味剤としては、サッカリンナトリウム、ステビオサイド、ステビアエキス、パラメトキシシンナミックアルデヒド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、ペリラルチン等、防腐剤としては、パラ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム等、各種有効成分としては、デキストラナーゼ、ムタナーゼ、アミラーゼ、塩化リゾチーム、正リン酸のカリウム塩、ナトリウム塩等の水溶性リン酸化合物、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、ヒノキチオール、アスコルビン酸、グリチルリチン酸及びその塩類、塩化ナトリウム、トラネキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸、酢酸dl−トコフェロール、α−ビサボロール、イソプロピルメチルフェノール、クロロヘキシジン塩類、塩化セチルピリジニウム、アズレン、グリチルレチン酸、銅クロロフィリンナトリウム、グルコン酸銅等の銅化合物、乳酸アルミニウム、塩化ストロンチウム、硝酸カリウム、ベルベリン、ヒドロキサム酸及びその誘導体、トリポリリン酸ナトリウム、ゼオライト、メトキシエチレン、無水マレイン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、エピジヒドロコレステリン、塩化ベンゼトニウム、ジヒドロコレステロール、トリクロロカルバニリド、クエン酸亜鉛、トウキ軟エキス、オウバクエキス、チョウジ、ローズマリー、オウゴン、ベニバナ等の抽出物、香料としては、l−メントール、カルボン、アネトール、リモネン等のテルペン類又はその誘導体等、着色剤としては、青色1号、黄色4号、二酸化チタン等が例示される。なお、これら成分の配合量は、通常量とすることができる。
【0016】
なお、本発明の口腔用組成物は、pH6.0〜9.0、特に6.0〜7.0に調整することが好ましい。
【0017】
【発明の効果】
本発明の口腔用組成物は、口腔内細菌による酸産生によるpH低下を効果的に阻止し得るもので、う蝕の予防に有効に利用することが出来る。
【0018】
【実施例】
以下、実験例及び実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。なお、各例において%はいずれも質量百分率である。
【0019】
[実験例]
う蝕原因菌であるミュータンス菌によるpH低下抑制の評価を以下の方法で行った。
【0020】
ブレイン・ハート・インフュージョン培地で培養したミュータンス菌Strptococcus mutans 10449をPBSで3回洗浄(3000rpm、10min)したのち、PBSに懸濁した。濁度(550nm)を0.2、初期pHを7.0に調整した菌懸濁液1mlに、表1に示す組成の歯磨剤3倍希釈液の遠心上清(10000rpm、20min)1mlを添加した。最終濃度1%となるようにショ糖溶液を添加し、1時間後のpHを測定した。結果を表2に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】
以上の結果より、塩基性ペプチド、フッ素化合物、糖アルコールを組み合わせることにより、統計的有意にpH低下抑制効果が向上し、う蝕予防に有効であることが確認された。
【0028】
[実施例4] 口腔用パスタ
成 分 配合量(%)
白色ワセリン 10
ステアリンアルコール 8
プロピレングリコール 5.6
ラウリル硫酸ナトリウム 0.6
パラオキシ安息香酸エチル 0.01
モノフルオロリン酸ナトリウム 0.5
(K)11 0.1
キシリトール 3
カルボキシメチルセルロース 16
蒸留水 バランス
合 計 100
Claims (6)
- 塩基性ペプチドとしてリジンのホモポリマーと、フッ素化合物と、キシリトール及びソルビトールから選ばれる糖アルコールとを配合してなることを特徴とする口腔用組成物。
- フッ素化合物が、モノフルオロリン酸ナトリウム又はフッ化ナトリウムである請求項1記載の口腔用組成物。
- リジンのホモポリマーの重合度が5〜60である請求項1又は2記載の口腔用組成物。
- 糖アルコールの配合量が0.1〜30質量%である請求項1、2又は3記載の口腔用組成物。
- 塩基性ペプチドの配合量が0.0001〜5質量%である請求項1乃至4のいずれか1項記載の口腔用組成物。
- フッ素化合物の配合量がフッ素換算で0.002〜1質量%である請求項1乃至5のいずれか1項記載の口腔用組成物。
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