JP4759854B2

JP4759854B2 - Ｉｃタグの金属物への装着方法及びｉｃタグ内蔵マーカー

Info

Publication number: JP4759854B2
Application number: JP2001184969A
Authority: JP
Inventors: 理吉田
Original assignee: Teraoka Seiko Co Ltd
Current assignee: Teraoka Seiko Co Ltd
Priority date: 2001-06-19
Filing date: 2001-06-19
Publication date: 2011-08-31
Anticipated expiration: 2021-06-19
Also published as: JP2003006599A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明はＲＦＩＤ（Radio Frequency Identification ）技術に関し、特に金属物にＲＦＩＤ機能を備えるＩＣタグを埋設装着して識別可能とする技術に関する。
【０００２】
【従来の技術】
土地の境界を示すための杭や、地中に埋設してあるガス管，信号ケーブル，上下水道管等の存在を地表において表示するためのマーカーでは、識別情報を記憶し、読取装置とは非接触で通信できるＩＣタグを備えたものが存在する。
このＩＣタグは、読取装置から無線によって電力の供給を受け、その電力で記憶されている識別情報を読取装置に送信し、様々な情報の確認が簡単に行えるようになっている。
【０００３】
しかし、これらのマーカーは衝撃等に対する耐久性が必要とされるために金属材で構成され、その金属の中にＩＣタグを納めて、その上から埋設物等の名称等が表記された非金属製のプレートにより蓋をする構造となっている。
その為、ＩＣタグの無線周波数は比較的金属の影響を受けにくい、約１００kHzから２００kHzの低周波数が利用されており、これによりＩＣタグ内のアンテナ部は薄膜で形成することができず、高価になるという欠点を有していた。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、アンテナ部を薄膜で形成することができ、又、価格も前記した低周波数利用のＩＣタグの数分の一の価格となる無線周波数、約１３MHz利用のＩＣタグを利用することが考えられるが、前記周波数は金属の影響を受けやすく、衝撃等に対する耐久性を考慮して金属材で構成されたマーカーに埋設装着した場合は、全く通信ができず、読取装置で記憶情報を読み取ることが出来ないという問題があった。
【０００５】
本発明は、上記した従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、金属の影響を受けやすい周波数対応のＩＣタグを、金属物に装着しても、十分に通信が出来る装着方法を提供することにある。
又、他の目的は、薄膜によるアンテナ部を備えたＩＣタグ内蔵の金属製マーカーを提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明が講じた技術的手段は、読取装置と非接触で通信できるアンテナを備えた薄いフィルム状のＩＣタグを、金属製構造物に装着する方法であって、金属製構造物にＩＣタグを収納可能な凹部を設け、且つその凹部の底面より上側の周壁に、該凹部内と外側面を連通する切欠きを設け、前記ＩＣタグは、少なくとも前記切欠きの底よりも高く位置させて、且つ、前記凹部の底部から離して収容装着し、前記凹部の開口部及び前記切欠きを非金属製材で閉鎖することを特徴とする。尚、ＩＣタグの周波数は、１３．５６MHzに限定されず、目的の効果が発揮されるものであればよい。
【０００７】
上記金属製構造物に形成する凹部と外周面とを連通する切欠きは、少なくとも該凹部の底面から上方の周壁の一部を上端まで完全に切除するものとし、具体的には周壁に凹部の内外を連通する溝を1本又は複数本切欠き形成する形態、或いは凹部の中心を構造物の中心に対して偏位させて形成することで、周壁の一部が切欠された凹部と切欠きが一体の形態等が挙げられる。即ち、切欠きの大きさは、必要とする感度と、マーカーの強度に合わせて決定する。
【０００８】
又、凹部と構造物の外周面とを連通する切欠きは、非金属材、例えば合成樹脂材で埋め、プレートを固着することで凹部は密封されるようにする。その切欠きを埋める充填材はそれ自体独立した形態でも良いが、凹部の開口部を閉鎖するプレートに前記切欠き部分を埋める充填材を一体に形成する形態としてもよい。
また、凹部の開口部を閉鎖するプレートは、凹部周囲の周壁上面に接着固定する載置タイプ、或いは凹部内に嵌める嵌合タイプ、載置タイプと嵌合タイプのミックスタイプ等、何れでもよいものである。
凹部内に収容するＩＣタグは、四角形の薄いフィルム状をなし、中央にＩＣチップが配置され、外側周辺にアンテナが薄膜で形成されたものである。
【０００９】
又、ＩＣタグを内蔵した金属製マーカーは、読取装置と非接触で通信できるアンテナを備えた薄いフィルム状のＩＣタグと、前記ＩＣタグを収納できる凹部とその凹部の底面より上側の周壁に、該凹部内と外側面を連通する切欠きを形成した金属製のマーカー本体とを備え、前記ＩＣタグを、前記切欠きの底よりも高く位置させて、且つ、前記凹部の底部から離して装着し、前記凹部の開口部及び前記切欠きを非金属製材で閉鎖した構成とする。
上記マーカーは、凹部が形成される頭部の下側に爪部（脚部）が形成されたものに限定されず、対象物等に貼り付けて固定するものであってもよい。
【００１０】
上記手段によれば、ＩＣタグが収容装着される金属構造物に、ＩＣタグの位置よりも深い凹部と構造物の外周面に到達する切欠きが設けてあるため、電波或いは磁界の通り道が確保される。それにより、金属の影響を受けやすい周波数対応のＩＣタグが金属材に装着されても、読取装置と確実に交信できる。
【００１１】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例を図面に基づき説明する。
図１は、土地境界や土木工事等の目印として使用されるマーカー（鋲）にＩＣタグを装着する状態を示し、図中、１は金属製のマーカー本体、２はＩＣタグ、３は非金属材からなるプレート、４は非金属製の充填材である。
【００１２】
マーカー本体１は、ステンレスや鉄等の金属材で、ＩＣタグ２を装着する頭部１ａの下面に爪部１ｂが一体に形成された断面略Ｔ字形に形成され、頭部１ａにはＩＣタグ２を浮かして収容し得る深さの凹部５が形成され、且つその凹部５の周囲の周壁には、凹部５内から外周面に到達する切欠き（溝）６が切欠形成されている。このマーカー本体１の大きさは、頭部１ａの外径が２４ｍｍ、頭部１ａの厚さが６ｍｍ、爪部１ｂの長さが７０ｍｍである。
爪部１ｂは地中に埋め込まれてマーカーを固定するもので、その外周面には打ち込みをスムーズにする溝７が形成されている。
【００１３】
上記凹部５に収容するＩＣタグ２は、四角形の薄いフィルム状をなし、中央にＩＣチップ２ａが配置され、外側周辺にはアンテナ２ｂが薄膜で形成されている。そして、このＩＣタグ２は前記凹部５の底部より浮かして収容するため、該ＩＣタグ２は非金属製のプレート３の裏面に貼り付け固定し、プレート３自身は凹部５内に嵌合して固定する。これにより、ＩＣタグ２は、凹部５の底面から数ｍｍ浮いた状態で支持される。
【００１４】
プレート３は、合成樹脂材等の非金属材で前記頭部１ａの外径と略同径の円板状に形成され、そのプレート３裏面の凹部５に対応する位置にＩＣタグ２を貼り付け固定する。そして、このプレート３の表面には埋設物等の内容を表示する名称８等が表記されている。尚、このプレート３は、図示するように凹部５の周壁５’の上面に載置固定する形態に限定されるものではなく、凹部５の内側に嵌合する内嵌めキャップ状、或いは周壁５’を被う外嵌めキャップ状等でもよいものである。
【００１５】
上記切欠き６は、前記した凹部６の底面と同一面で周壁５’を所定の幅（例えば、２ｍｍ）切欠き、凹部５の内部と周壁５’の外側が連通するように形成されている。
そして、この切欠き６は合成樹脂材等の非金属材からなる充填材４で埋められ、前記したプレート３の固着で凹部５が密封されるようにしてある。尚、この充填材４は、プレート３と一体に構成してもよい。
【００１６】
図４は、凹部５の周壁５’に形成する切欠き６を、周方向に間隔を置いて多数形成した形態で、多数の切欠き部分は前記実施の形態と同様、充填材４で埋められる。
【００１７】
図５は、マーカー本体の他の例を示し、マーカー本体９の頭部９ａの形状が平面略製四角形で、しかもその頭部９ａの面積が装着するＩＣタグ２より非常に大きい場合は、ＩＣタグ２を収容する凹部１０は頭部９ａの中心位置に形成することなく、外周面に近い位置に配置形成する。何故ならば、ＩＣタグ２から頭部９ａの外周面までの距離は、短い方が切欠き１１を通る距離も短くなり、金属の影響を少なくできる。
【００１８】
図６は、切欠き６の変形例を示し、平面円形の頭部１２に対して形成する平面円形の凹部１３を、凹部１３の中心Ｏを頭部１２の中心Ｏ’より右方向に距離Ｌだけ偏位して形成することで、凹部１３の形成で外周面に到達する切欠き１４を同時に形成することが出来る。そして、凹部１３を形成する中心の偏位量を調節することで、切欠き１４の幅を広狭調節することが出来る。
【００１９】
上記構成のＩＣタグ内蔵の金属製マーカーからＩＣタグに記憶されている情報を読み取るには、操作者が携帯する読取装置１５をマーカー１の上面に接近（約５ｍｍ）、或いは当接させることで、マーカー１に装着されているＩＣタグ２からマーカーを構成する金属の影響を受けることなく、情報を読み取ることが出来る。
これは、図２に示すように、読取装置１５、ＩＣタグ２のアンテナ、切欠き６、そして読取装置１５に戻る磁界が確保されるからである。
【００２０】
次ぎに、上記構成のマーカーの実験結果について説明する。
［実験使用セット］
実験に使用するＩＣタグと読取装置は、周波数が１３．５６MHzのＩＣタグ単体（周辺に金属材がない状態）を水平に設置し、そのＩＣタグの中心を通る鉛直線上に沿って読取装置を該ＩＣタグ表面から５０ｍｍ離しても通信が可能なセットを使用する。
［実験１］
図１に示したと同様の構成で、周壁に切欠きが形成されていない金属製マーカーに、周波数が１３．５６MHzのＩＣタグを前記した状態で装着する。そうしたマーカーの上面に読取装置を接触するまで近づけても、通信は出来ず、読取は出来なかった。
［実験２］
上記ＩＣタグを図１に示した切欠きを有する金属製マーカーに装着し、実験１と同様に読取装置を近づけたところ、マーカー上面から読取装置までの距離が５ｍｍ離れても、通信が可能で、情報を読み取ることが出来た。
尚、前記したＩＣタグ２の支持は、プレート３の裏面に貼り付けることに限らず、凹部５の底に、厚さ数ｍｍで非金属からなるスペーサを介して固着するようにしてもよい。
または、切欠きがＩＣタグのアンテナ部の下まで伸びていれば、凹部の底に位置させてもよい。
要は、図２に示すような磁界の通路が確保できる形であればよい。
【００２１】
【発明の効果】
本発明のＩＣタグの金属物への装着方法は請求項１記載の構成により、金属の影響を受けやすい無線周波数であっても、ＩＣタグと読取装置との通信が可能となり、安価なＩＣタグを金属物に利用可能とすることができる。
又、請求項２記載の構成により、金属の影響を受けやすい無線周波数対応のＩＣタグを金属製のマーカーに装着しても通信可能となり、ＩＣタグ内蔵のマーカーを安価に製作することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係るＩＣタグ内蔵マーカーの実施の形態の一例を示す分解斜視図である。
【図２】使用状態を示す一部切欠側面図である。
【図３】同一部切欠平面図である。
【図４】切欠きの他の例を示し、（ａ）は正面図、（ｂ）は横断面図である。
【図５】マーカーの変形例を示す斜視図である。
【図６】切欠きの変形例を示し、（ａ）は横断面図、（ｂ）は縦断面図である。

Claims

読取装置と非接触で通信できるアンテナを備えた薄いフィルム状のＩＣタグを、金属製構造物に装着する方法であって、金属製構造物にＩＣタグを収納可能な凹部を設け、且つその凹部の底面より上側の周壁に、該凹部内と外側面を連通する切欠きを設け、前記ＩＣタグは、少なくとも前記切欠きの底よりも高く位置させて、且つ、前記凹部の底部から離して収容装着し、前記凹部の開口部及び前記切欠きを非金属製材で閉鎖することを特徴とするＩＣタグの金属物への装着方法。
読取装置と非接触で通信できるアンテナを備えた薄いフィルム状のＩＣタグと、前記ＩＣタグを収納できる凹部とその凹部の底面より上側の周壁に、該凹部内と外側面を連通する切欠きを形成した金属製のマーカー本体とを備え、前記ＩＣタグを、前記切欠きの底よりも高く位置させて、且つ、前記凹部の底部から離して装着し、前記凹部の開口部及び前記切欠きを非金属製材で閉鎖したことを特徴とするＩＣタグ内蔵マーカー。