JP3803777B2 - 記憶媒体ユニット及び記憶媒体ユニットを装着する標識 - Google Patents

記憶媒体ユニット及び記憶媒体ユニットを装着する標識 Download PDF

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Description

本発明は、地面に埋設させて用いる記憶媒体ユニット及び記憶媒体ユニットを装着する標識に関する。
地面に埋設させて用いる土地境界標や測量標識等の標識として、石材、コンクリート、プラスチック等の構造体からなる標識が存在する。例えば、土地境界標の場合、土地境界標を地面に埋設し、その一部を地表面から目視できる状態にしておくことによって、土地の境界を確認する際に、その確認作業を容易に行うことができる。
ところで、土地境界標等の標識のうちで、会社や個人等が独自に設置することができる標識が存在するので、比較的狭い範囲内に複数の標識が設置される場合がある。また、標識として使用される構造体の地上部分の外観は比較的類似しているものが多い。このように、比較的狭い範囲内に外観が類似する標識が複数設置された場合、目的とする標識を探す作業が煩雑であるという問題がある。
また、標識が地面に設置された場合、次に使用されるまでの間、その標識が長期間放置されることが多い。このように、標識が長期間放置された場合、放置されている間に、標識の周囲に雑草が生えたり、標識自体が土砂等に埋もれたりして、目的とする標識の存在位置がわからなくなる場合がある。この場合も、上記と同様に、目的とする標識を探す作業が煩雑であるという問題が生じる。
上記問題を解決する技術として、特許文献1〜3には、外部からの無線通信によって各種情報の書込み/読取りが可能な記憶媒体を内蔵する標識が開示されている。このように、記憶媒体を標識に内蔵し、当該記憶媒体に所定情報を格納させておくことによって、埋設されている標識自体に関する属性情報等をRFリード/ライタを使用して容易に正確に取得することができ、目的とする標識を比較的容易に探すことができる。
特開平7−134032号公報 特開2001−195022号公報 特開2004−251859号公報
引用文献1〜3に開示されている標識に内蔵される記憶媒体として非接触ICカードが使用されるが、非接触ICカードは金属との相性が悪いという性質がある。このため、金属面のような導体上に直に非接触ICカードが設置された場合には、当該非接触ICカードとRFリード/ライタとの間で通信不能となる。また、非接触ICカードが導体上に直に設置されていない場合であっても、非接触ICカードと導体との距離が所定の範囲内になるように非接触ICカードが導体上に設置された場合には、上記と同様に、当該非接触ICカードとRFリード/ライタとの間で通信不能となる場合がある。
例えば、石材やコンクリート等の素材で成型されている標識の場合、これらの標識自体は絶縁体であるので、当該標識に内蔵された非接触ICカードが通信不能となることはない。しかし、標識は屋外に設置されるものであり、雨が降った場合には、石材やコンクリート等の素材が雨水を吸収する場合がある。標識の素材が雨水を吸収すると、標識自体が導体となり、非接触ICカードとRFリード/ライタとの間での通信不能となる場合がある。そうすると、例えば、雨の降った翌日に、標識に内蔵の非接触ICカードに格納されている情報を読み出そうとする場合には、非接触ICカードとRFリード/ライタとの間での通信不能となる場合がある。このため、当該非接触ICカードの情報を読み出すことができず、目的とする作業を行うことができないという問題が生じる。また、湿気の多い場所に設置される標識についても同様の問題が発生する。
上記問題の発生を防止するために、石材やコンクリート等の素材で非接触ICカードを内蔵する標識を製造する場合には、乾燥した状態と水を吸収した状態とを考慮して製造する必要がある。このため、当該標識の製造過程が複雑になるという問題がある。
本発明は、上記で示した問題に鑑みてなされたものであり、地面に埋設して設置されている標識に装着された非接触通信が可能な記憶媒体と情報読書装置との間で各種情報を送受信する場合に、記憶媒体と情報読書装置との間で通信不能となることを阻止することができる記憶媒体ユニット及び記憶媒体ユニットを装着する標識を提供することを目的とする。
また、本発明は、非接触通信が可能な記憶媒体を装着する標識を製造する場合に、当該標識の製造が容易である記憶媒体ユニット及び記憶媒体ユニットを装着する標識を提供することを目的とする。
本発明は、非接触通信が可能な記憶媒体と、当該記憶媒体を内包する非導電性の断熱材と、前記断熱材を被包する非導電性の耐衝撃性部材とからなる記憶媒体ユニットであって、前記記憶媒体ユニットの表面通信領域と遮蔽領域とから形成され、前記通信領域は、前記記憶媒体に読み書き可能な情報読書装置と前記記憶媒体との間で行う通信の際の通信路となる領域とされ、前記通信領域と前記記憶媒体との間隔は、前記情報読書装置と前記記憶媒体との間で各種情報の通信が可能な範囲になるように設定され、前記遮蔽領域と前記記憶媒体との間隔は、前記記憶媒体が、前記記憶媒体ユニット外側の導体から発生する電磁界の影響域外となることを保証する間隔に設定され、前記通信領域と前記遮蔽領域とを視覚的に区別できるようにしてなることを特徴とする記憶媒体ユニットである。
また、本発明は、前記情報読書装置の使用電磁波との関係で、前記通信領域と前記記憶媒体との間隔は、前記情報読書装置と前記記憶媒体との間で各種情報の通信が可能な範囲になるように設定され、前記遮蔽領域と前記記憶媒体との間隔は、前記記憶媒体が、前記記憶媒体ユニット外側の導体から発生する電磁界の影響域外となることを保証する間隔に設定されてなることを特徴とする記憶媒体ユニットである。
本発明は、非接触通信が可能な記憶媒体と、当該記憶媒体を内包する非導電性の断熱材と、前記断熱材を被包する非導電性の耐衝撃性部材とからなる記憶媒体ユニットであって、前記記憶媒体ユニットの表面通信領域と遮蔽領域とから形成され、前記通信領域は、前記記憶媒体に読み書き可能な情報読書装置と前記記憶媒体との間で行う通信の際の通信路となる領域とされ、前記通信領域と前記記憶媒体との間隔は、前記情報読書装置と前記記憶媒体との間で各種情報の通信が可能な範囲になるように設定され、前記遮蔽領域と前記記憶媒体との間隔は、前記記憶媒体ユニット外側の導体の影響で、前記情報読書装置からの電磁波による前記記憶媒体の起電力発生の阻害とはならない間隔に設定され、前記通信領域と前記遮蔽領域とを視覚的に区別できるようにしてなることを特徴とする記憶媒体ユニットである。
また、本発明は、前記情報読書装置の使用電磁波との関係で、前記通信領域と前記記憶媒体との間隔は、前記情報読書装置と前記記憶媒体との間で各種情報の通信が可能な範囲になるように設定され、前記遮蔽領域と前記記憶媒体との間隔は、前記記憶媒体ユニット外側の導体の影響で、前記情報読書装置からの電磁波による前記記憶媒体の起電力発生の阻害とはならない間隔に設定されてなることを特徴とする記憶媒体ユニットである。
本発明は、前記記憶媒体ユニットは、円柱形状であり、前記円柱形状の一の端面が前記通信領域とされ、前記円柱形状の他の端面と側面とが前記遮蔽領域とされてなることを特徴とする記憶媒体ユニットである。
また、本発明は、前記断熱材は、前記記憶媒体を密閉して内包する非導電性の断熱材であり、前記耐衝撃性部材は、前記断熱材を密閉して被包する非導電性の耐衝撃性部材であることを特徴とする記憶媒体ユニットである。
また、本発明は、前記記憶媒体ユニットは、地面に埋設して用いられることを特徴とする記憶媒体ユニットである。
なお、前記断熱材は、エラストマーと、発泡ウレタンと、発泡ポリスチレンと、炭化発泡コルクと、フェノールフォームと、高発泡ポリエチレンと、硬質ウレタンフォームと、発泡ゴム断熱材とのうちのいずれか1種、または、これら2種以上の組み合わせからなることを特徴とする。
また、前記耐衝撃性部材は、ポリカーボネイトと、ポリプロピレンと、アイオノマー樹脂と、ポリエチレンとのうちのいずれか1種、または、これら2種以上の組み合わせからなることを特徴とする。
さらに、本発明は、上記記憶媒体ユニットを装着することを特徴とする標識である。
本発明によれば、地面に埋設して設置されている標識に装着された非接触通信が可能な記憶媒体と情報読書装置との間で各種情報を送受信する場合に、記憶媒体と情報読書装置との間で通信不能となることを阻止することができるという効果を奏する。
本発明によれば、非接触通信が可能な記憶媒体を装着する標識を製造する場合に、当該標識の製造が容易であるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態である記憶媒体ユニット及び記憶媒体ユニットを装着する標識について、図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1(1)は、本発明の第1の実施の形態であるICタグユニット100の外観を示す斜視図であり、図1(2)は、ICタグユニット100の横断面を示す断面図である。
ICタグユニット100は、地面に埋設されて用いるICタグユニットであって、円柱形状のICタグ101と、円柱形状の発泡ウレタン102と、円柱形状のポリカーボネイト103とから構成されるものである。
図2は、ICタグ101の内部構成を示すブロック図である。
ICタグ101は、ICチップとアンテナとを内蔵したICタグであって、非接触通信が可能な記憶手段の一例である。ICタグ101には各種情報(タグ情報)が格納され、ICタグ101に格納されているタグ情報を電波を利用してRFリード/ライタ200が読み書きすることができる。つまり、RFリード/ライタ200がICタグ101に接触しなくてもタグ情報を読み書きすることができ、さらに複数のICタグから同時にタグ情報を読み取ることができる。なお、各種情報を所定の情報読書装置で読み書きすることができる非接触通信が可能な他の記憶手段をICタグの代わりに使用するようにしてもよい。例えば、非接触通信が可能な記憶手段として、ICチップとアンテナとを内蔵した無線タグ、無線ICタグ、RFID(Radio Frequency Identification)タグ等の電子タグがある。なお、図1に示すICタグ101は、円柱形状であるが、直方体等の円柱形状以外の非接触通信が可能な他の記憶手段を使用するようにしてもよい。
ICタグ101は、主制御部101aと、EEPROM101bと、信号変換部101cと、変調部101dと、復調部101eと、送信アンテナ101fと、受信アンテナ101gとを有する。
主制御部101aは、ICタグ101全体を制御する主制御部である。
EEPROM101bは、各種タグ情報を蓄積するEEPROM等の電源バックアップ不要な記憶部である。信号変換部101cは、RFリード/ライタ200への送信情報をパラレル信号からシリアル信号に変換し、RFリード/ライタ200からの受信信号をシリアル信号からパラレル信号に変換する信号変換部である。
変調部101dは、RFリード/ライタ200への送信信号を伝送用の信号に変調する変調部である。復調部101eは、RFリード/ライタ200からの受信信号を復調する復調部である。
RFリード/ライタ200は、ICタグ101との間で各種情報を送受信する情報読書装置である。RFリード/ライタ200とICタグ101との間で各種情報を送受信する場合には、RFリード/ライタ200が電磁波を発生し、この電磁波によってICタグ101内で起電力を発生させることによって、ICタグ101を動作させる。なお、パソコン等の情報処理装置210と接続され、情報処理装置210からの制御に基づいて動作するRFリード/ライタを使用するようにしてもよい。
発泡ウレタン102は、ICタグ101を内包し密閉する絶縁性断熱材であって、熱容量が1cm当り0.3051J/Kであって、熱伝導率が0.037W/mKの物質である。なお、発泡ウレタン102の代わりに、エラストマー、発泡ポリスチレン、炭化発泡コルク、フェノールフォーム、高発泡ポリエチレン(ポリエチレンフォーム)、硬質ウレタンフォーム、発泡ゴム断熱材等の断熱性部材を使用するようにしてもよい。また、これらの1種の樹脂を使用するようにしてもよく、2種以上の樹脂を組み合わせるようにしてもよい。
ポリカーボネイト103は、ICタグ101を内包する発泡ウレタン102を被包し密封する耐熱性と共に耐衝撃性を有する絶縁性部材であって、熱容量が1cm当り0.14064J/Kであって、熱伝導率が19.3×10W/mKの物質である。なお、ポリカーボネイト103の代わりに、ポリプロピレン、アイオノマー樹脂(ハイミラン(登録商標))、ポリエチレン等の耐熱性と共に耐衝撃性を有する絶縁性部材を使用するようにしてもよい。また、これらの1種の樹脂を使用するようにしてもよく、2種以上の樹脂を組み合わせるようにしてもよい。
ポリカーボネイトは、強化ガラスの150倍以上の強度を有し、光線透過率が高く、経年変化が極めて少なく、最高水準の電気絶縁性があるという特性を有する。また、ポリカーボネイトは、対燃焼率が高いので、防火地域又は準防火地域における屋根や不燃性の物品を保管する倉庫等に使用されている。さらに、ポリカーボネイトは、耐熱性・耐寒性に優れているので、−40℃〜+120℃の広い範囲で使用が可能である。
ICタグユニット100において、円柱形状の一の端面を通信面100aとし、他の端面を設置面100bとする。通信面100aは、ICタグ101とRFリード/ライタ200との間で通信を実行する際に通信路として使用する通信領域である。設置面100bは、標識に装着する際に標識本体と接する設置面であって遮蔽領域である。通信面100aとICタグ101との距離d1は、ICタグ101とRFリード/ライタ200との間で各種情報の送受信が可能な距離の範囲内になるようにする。
ところで、金属等の導体に電磁波を与えると、導体の表面に渦電流(渦巻状の電流)が生じ、この渦電流によって、与えた電磁波が打ち消される。このため、金属等の導体上にICタグを直に設置した場合には、RFリード/ライタからの電磁波によって発生するICタグの起電力が低下しICタグを動作させることができない。また、金属等の導体とICタグとの距離が所定の範囲内になるようにICタグを設置した場合も、上記と同様にICタグを動作することができない。
このため、設置面101bとICタグ101との距離d2は、設置面101bに金属等の導体が接している場合において、当該導体の影響で、RFリード/ライタ200からの電磁波によるICタグ101の起電力発生の阻害とはならない距離に設定する。また、円柱形状の側面100cとICタグ101との距離d3については、距離d2と同様に、側面100cに金属等の導体が接している場合において、当該導体の影響で、RFリード/ライタ200からの電磁波によるICタグ101の起電力発生の阻害とはならない距離に設定する。つまり、距離d2、d3は、金属等の導体から発生する電磁界の影響域外となることを保証する間隔であって、金属等の導体の影響でICタグ101とRFリード/ライタ200とが通信不能とはならない距離に設定する。なお、通信面100aとICタグ101との距離d1についても、金属等の導体の影響でICタグ101とRFリード/ライタ200とが通信不能とはならない距離に設定することが好ましい。
図3は、ICタグユニット100を装着した、地面に埋設して用いられる標識の例を示す図である。
図3(1)は、金属柱・スカートタイプの標識300を示す図であり、標識300は、ICタグユニット100と金属柱本体301とスカート302とから構成される。図3(1)に示すように、スカート302には、ICタグユニット100を装着するための凹部303が設けられている。ICタグユニット100と凹部303とが嵌合するように、凹部303は、ICタグユニット100の形状に合わせた形状とする。
図3(2)は、コンクリート柱タイプの標識310を示す図であり、標識310は、ICタグユニット100とコンクリート柱311とから構成される。図3(2)に示すように、ICタグユニット100と凹部312とが嵌合するように、コンクリート柱311には、ICタグユニット100を装着するための凹部312が設けられ、凹部312は、ICタグユニット100の形状に合わせた形状とする。
次に、金属柱・スカートタイプの標識300と、コンクリート柱タイプの標識310と、ICタグユニット100本体とを地面に設置する動作について説明する。
図4は、ICタグユニット100を装着した標識と、ICタグユニット100本体とが地面に埋設されている場合の例を示す図である。
金属柱・スカートタイプの標識300を地面に設置する場合、ハンマを使用して金属柱本体301を地面に打ち込み、金属柱本体301を地面に埋設する。続いて、スカート302を金属柱本体301に装着する。続いて、スカート302の凹部303にICタグユニット100を装着し、RFリード/ライタ200を使用してICタグ101に所定情報を書き込む。
コンクリート柱タイプの標識310を地面に設置する場合、ハンマでコンクリート柱本体311を打ち込み、コンクリート柱本体301を地面に埋設する。続いて、凹部312にICタグユニット100を装着し、RFリード/ライタ200を使用してICタグ101に所定情報を書き込む。標識の凹部にICタグユニット100を装着する場合には、取り外しができるように装着してもよく、取り外しができないように装着してもよい。
ICタグユニット100本体を地面に設置する場合、地面にICタグユニット100本体を埋設する穴を掘り、その穴にICタグユニット100本体を埋設する。続いて、RFリード/ライタ200を使用してICタグ101に所定情報を書き込む。
なお、標識300、標識310、ICタグユニット100本体を地面に埋設する場合には、通信面100aが地表面よりも上に位置するように埋設することが好ましい。
図4に示すように、ICタグユニット100が装着された標識300や標識310が地面に埋設されている場合、またはICタグユニット100本体が地面に埋設されている場合において、ICタグ101とRFリード/ライタ200との間で各種情報の通信を実行することができる。
第1の実施の形態によれば、地面に埋設して設置されている標識に装着されたICタグ101と、RFリード/ライタ200との間で各種情報を送受信する場合に、標識自体と接する設置面101bとICタグ101との距離d2と、円柱形状の側面100cとICタグ101との距離d3とが、金属等の導体の影響でICタグ101とRFリード/ライタ200とが通信不能とはならない距離に常に保持されるので、標識の素材に係わらず、ICタグ101とRFリード/ライタ200との間で通信不能となることを阻止することができる。また、ICタグユニット100本体を地面に直接埋設する場合についても、同様に、ICタグ101とRFリード/ライタ200との間で通信不能となることを阻止することができる。
また、石材やコンクリート等の素材でICタグ101を装着する標識を製造する場合であっても、乾燥した状態と水を吸収した状態とを考慮して標識を製造する必要がないので、当該標識の製造が容易である。
さらに、第1の実施の形態によれば、耐熱性・耐寒性に優れた発泡ウレタン102と、ポリカーボネイト103とによって、ICタグ101が内包され密閉されているので、風雨による水や砂の浸入を阻止し、暑さ寒さに耐えることができると共に、ICタグ101の故障を防止し、ICタグ101とRFリード/ライタ200との間で通信不能となることを阻止することができる。また、堅牢性を有するポリカーボネイト103によって、ICタグ101とこれを内包する発泡ウレタン102とが被包され密封されているので、地震や車の移動等に起因する強い振動や、強い衝撃からICタグ101を守ることができると共に、ICタグ101の故障を防止し、ICタグ101とRFリード/ライタ200との間で通信不能となることを阻止することができる。つまり、標識本体の製造を容易にすることができると共に、信頼性の高い標識を提供することができる。
なお、ICタグユニット100において、通信領域と遮蔽領域とを視覚的に容易に区別することができるように、通信領域と遮蔽領域とのそれぞれの表面に異なる色彩を付したり、異なる形状を形成するようにしてもよい。例えば、通信面100aの表面には白を着色し、設置面100bと側面100cとの表面には黒を着色する。または、通信面100aの表面を平面形状とし、設置面100bと側面100cとの表面には凹凸を形成する。このように、通信領域と遮蔽領域とを視覚的に容易に区別することができるようにすることによって、標識本体の製造をする場合や、ICタグユニット100を地面に設置する場合等において、製造や設置作業をさらに容易にすることができる。
[第2の実施の形態]
図5(1)は、本発明の第2の実施の形態であるICタグユニット500の外観を示す斜視図であり、図5(2)は、ICタグユニット500の横断面を示す断面図である。
ICタグユニット500は、第1の実施の形態であるICタグユニット100において、発泡ウレタン102の代わりにエラストマー502を使用し、ポリカーボネイト103の代わりにアイオノマー樹脂(ハイミラン(登録商標))503を使用するICタグユニットであり、エラストマー502及びアイオノマー樹脂503以外の構成は、ICタグユニット100の構成と同様である。
エラストマーは、プラスチックのように加工でき、ゴムのように柔らかい弾性の顕著な高分子物質であり、耐候性、耐油性、耐磨耗性に優れているという特徴を有する。
アイオノマー樹脂は、非常に強靭で、適度の弾力性と柔軟性とを有し、耐候性、耐油性、耐磨耗性に優れている樹脂である。特に、耐寒性が大変優れているという特徴を有する。
上記各実施の形態では、円柱形状のICタグユニットを示したが、球形状にするようにしてもよく、その他の形状にするようにしてもよい。
本発明を、非接触通信が可能な記憶媒体と、当該記憶媒体を内包する非導電性の断熱材と、前記断熱材を被包する非導電性の耐衝撃性部材とからなる他の記憶媒体ユニットに利用することができる。
本発明の第1の実施の形態であるICタグユニット100の外観を示す斜視図と、ICタグユニット100の横断面を示す断面図である。 ICタグ101の内部構成を示すブロック図である。 ICタグユニット100を装着した、地面に埋設して用いられる標識の例を示す図である。 ICタグユニット100を装着した標識と、ICタグユニット100本体とが地面に埋設されている場合の例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態であるICタグユニット500の外観を示す斜視図と、ICタグユニット500の横断面を示す断面図である。
符号の説明
100……ICタグユニット、
101……ICタグ、
102……発泡ウレタン、
103……ポリカーボネイト、
500……ICタグユニット、
501……ICタグ、
502……エラストマー、
503……アイオノマー樹脂。

Claims (10)

  1. 非接触通信が可能な記憶媒体と、当該記憶媒体を内包する非導電性の断熱材と、前記断熱材を被包する非導電性の耐衝撃性部材とからなる記憶媒体ユニットであって、
    前記記憶媒体ユニットの表面通信領域と遮蔽領域とから形成され、
    前記通信領域は、前記記憶媒体に読み書き可能な情報読書装置と前記記憶媒体との間で行う通信の際の通信路となる領域とされ、
    前記通信領域と前記記憶媒体との間隔は、前記情報読書装置と前記記憶媒体との間で各種情報の通信が可能な範囲になるように設定され、
    前記遮蔽領域と前記記憶媒体との間隔は、前記記憶媒体が、前記記憶媒体ユニット外側の導体から発生する電磁界の影響域外となることを保証する間隔に設定され
    前記通信領域と前記遮蔽領域とを視覚的に区別できるようにしてなることを特徴とする記憶媒体ユニット。
  2. 前記情報読書装置の使用電磁波との関係で、
    前記通信領域と前記記憶媒体との間隔は、前記情報読書装置と前記記憶媒体との間で各種情報の通信が可能な範囲になるように設定され、
    前記遮蔽領域と前記記憶媒体との間隔は、前記記憶媒体が、前記記憶媒体ユニット外側の導体から発生する電磁界の影響域外となることを保証する間隔に設定されてなることを特徴とする請求項1に記載の記憶媒体ユニット。
  3. 非接触通信が可能な記憶媒体と、当該記憶媒体を内包する非導電性の断熱材と、前記断熱材を被包する非導電性の耐衝撃性部材とからなる記憶媒体ユニットであって、
    前記記憶媒体ユニットの表面通信領域と遮蔽領域とから形成され、
    前記通信領域は、前記記憶媒体に読み書き可能な情報読書装置と前記記憶媒体との間で行う通信の際の通信路となる領域とされ、
    前記通信領域と前記記憶媒体との間隔は、前記情報読書装置と前記記憶媒体との間で各種情報の通信が可能な範囲になるように設定され、
    前記遮蔽領域と前記記憶媒体との間隔は、前記記憶媒体ユニット外側の導体の影響で、前記情報読書装置からの電磁波による前記記憶媒体の起電力発生の阻害とはならない間隔に設定され
    前記通信領域と前記遮蔽領域とを視覚的に区別できるようにしてなることを特徴とする記憶媒体ユニット。
  4. 前記情報読書装置の使用電磁波との関係で、
    前記通信領域と前記記憶媒体との間隔は、前記情報読書装置と前記記憶媒体との間で各種情報の通信が可能な範囲になるように設定され、
    前記遮蔽領域と前記記憶媒体との間隔は、前記記憶媒体ユニット外側の導体の影響で、前記情報読書装置からの電磁波による前記記憶媒体の起電力発生の阻害とはならない間隔に設定されてなることを特徴とする請求項3に記載の記憶媒体ユニット。
  5. 前記記憶媒体ユニットは、円柱形状であり、
    前記円柱形状の一の端面が前記通信領域とされ、
    前記円柱形状の他の端面と側面とが前記遮蔽領域とされてなることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の記憶媒体ユニット。
  6. 前記断熱材は、前記記憶媒体を密閉して内包する非導電性の断熱材であり、
    前記耐衝撃性部材は、前記断熱材を密閉して被包する非導電性の耐衝撃性部材であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の記憶媒体ユニット。
  7. 前記記憶媒体ユニットは、地面に埋設して用いられることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の記憶媒体ユニット。
  8. 前記断熱材は、エラストマーと、発泡ウレタンと、発泡ポリスチレンと、炭化発泡コルクと、フェノールフォームと、高発泡ポリエチレンと、硬質ウレタンフォームと、発泡ゴム断熱材とのうちのいずれか1種、または、これら2種以上の組み合わせからなることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の記憶媒体ユニット。
  9. 前記耐衝撃性部材は、ポリカーボネイトと、ポリプロピレンと、アイオノマー樹脂と、ポリエチレンとのうちのいずれか1種、または、これら2種以上の組み合わせからなることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の記憶媒体ユニット。
  10. 請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の記憶媒体ユニットを装着することを特徴とする標識。
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