JP4752336B2 - 熱安定性改良プロトン伝導膜および該伝導膜形成用組成物 - Google Patents
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Description
号公報(特許文献3)にて、スルホン酸基を有する特定のポリアリーレンを提案している。
(1)本発明に係るプロトン伝導膜形成用組成物は、スルホン酸基を有するポリアリーレンと含窒素複素環式芳香族化合物を含むことを特徴とする。
(2)スルホン酸基を有するポリアリーレンが、下記一般式(A)で表される構造単位、および下記一般式(B)で表される構造単位を含む(1)のプロトン伝導膜形成用組成物。
−(lは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Zは直接結合または、−(CH2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(
CH3)2−、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Ar
は−SO3Hまたは−O(CH2)pSO3Hまたは−O(CF2)pSO3Hで表される置換基を
有する芳香族基を示す。pは1〜12の整数を示し、mは0〜10の整数を示し、nは0〜10の整数を示し、kは1〜4の整数を示す。)
−、−COO−、−(CF2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−、−(CH2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(CR’2)2−(R’は炭化水素基、環状炭化水素
基)、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Bは独立に
酸素原子または硫黄原子であり、R1〜R16は、互いに同一でも異なっていてもよく、水
素原子、フッ素原子、アルキル基、一部またはすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基、ニトリル基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示す。s、tは0〜4の整数を示し、rは0または1以上の整数を示す。)
(3)上記含窒素複素環式芳香族化合物が、上記ポリアリーレン100重量部に対して、0.01〜20重量部の割合で含有されることを特徴とする(1)または(2)に記載のプロトン伝導膜形成用組成物。
(4)上記含窒素複素環式芳香族化合物が、ピロール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、イミダゾール、ピラゾール、1,3,5−トリアジン、ピリミジン、ピリタジン、ピラジン、インドール、キノリン、イソキノリン、ブリン、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、テトラゾール、テトラジン、トリアゾール、カルバゾール、アクリジン、キノキサリン、キナゾリンおよびこれらの誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする(1)〜(3)のプロトン伝導膜形成用組成物。
(5)(1)〜(4)に記載のプロトン伝導膜形成用組成物からなることを特徴とするプロトン伝導膜。
すなわち、本発明に係るプロトン伝導膜は、スルホン酸基を有するポリアリーレンと、含窒素複素環式芳香族化合物との組成物からなる。
(スルホン化ポリアリーレン)
まず本発明に使用されるスルホン酸基を有するポリアリーレンについて具体的に説明する。本発明に使用されるスルホン酸基を有するポリアリーレンは、下記一般式(A)で表されるスルホン酸基を有する構造単位(スルホン酸ユニット)と、下記一般式(B)で表されるスルホン酸基を有さない構造単位(疎水性ユニット)とを含むことが特徴であり、下記一般式(C)で表される重合体である。
<スルホン酸ユニット>
−、−(CF2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。このうち、−CO−、−SO2−が好ましい。
換基(pは1〜12の整数を示す)を有する芳香族基を示す。
芳香族基として具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基などが挙げられる。これらの基のうち、フェニル基、ナフチル基が好ましい。−SO3
Hまたは−O(CH2)pSO3Hまたは−O(CF2)pSO3Hで表される置換基(pは1〜1
2の整数を示す)は、少なくとも1個置換されていることが必要であり、ナフチル基であ
る場合には2個以上置換していることが好ましい。
m、nの値とY、Z、Arの構造についての好ましい組み合わせとして、
(1)m=0、n=0であり、Yは−CO−であり、Arが置換基として−SO3Hを有す
るフェニル基である構造、
(2)m=1、n=0であり、Yは−CO−であり、Zは−O−であり、Arが置換基として−SO3Hを有するフェニル基である構造、
(3)m=1、n=1、k=1であり、Yは−CO−であり、Zは−O−であり、Arが置換基として−SO3Hを有するフェニル基である構造、
(4)m=1、n=0であり、Yは−CO−であり、Arが置換基として2個の−SO3H
を有するナフチル基である構造、
(5)m=1、n=0であり、Yは−CO−であり、Zは−O−であり、Arが置換基として−O(CH2)4SO3Hを有するフェニル基である構造
などを挙げることができる。
<疎水性ユニット>
−、−CONH−、−COO−、−(CF2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−、−(CH2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(CR’2)2−(R’は炭化水素基
または環状炭化水素基)、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造
を示す。ここで、−C(CR’2)2−で表される構造のうち、R’が環状炭化水素基であるものの具体的な例として、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基などが挙げられる。
Bは独立に酸素原子または硫黄原子であり、酸素原子が好ましい。
基、一部またはすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基、ニトリル基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示す。
s、tの値と、A、B、C、R1〜R16の構造についての好ましい組み合わせとしては
、(1)s=1、t=1であり、Aが−C(CF3)2−または、−C(CR’2)2−(R’は炭
化水素基または環状炭化水素基)であり、Bが酸素原子であり、Cが−CO−または、−
SO2−であり、R1〜R16が水素原子またはフッ素原子である構造、(2)s=1、t=0であり、Bが酸素原子であり、Cが−CO−または、−SO2−であり、R1〜R16が水素原子またはフッ素原子である構造、(3)s=0、t=1であり、Aが−C(CF3)2−また
は、−C(CR’2)2−(R’は炭化水素基または環状炭化水素基)であり、Bが酸素原子であり、R1〜R16が水素原子またはフッ素原子またはニトリル基である構造が挙げられる
。
<ポリマー構造>
〜R16は、それぞれ上記一般式(A)および(B)中のA、B、C、Y、Z、Ar、k、m、n、r、s、tおよびR1〜R16と同義である。x、yはx+y=100モル%とした場
合のモル比を示す。
<ポリマーの製造方法>
スルホン酸基を有するポリアリーレンの製造には、例えば下記に示すA法、B法、C法の3通りの方法を用いることができる。
r=0の場合、例えば4,4'−ジクロロベンゾフェノン、4,4'−ジクロロベンズアニリド、2,2−ビス(4−クロロフェニル)ジフルオロメタン、2,2−ビス(4−クロロフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4−クロロ安息香酸−4
−クロロフェニルエステル、ビス(4−クロロフェニル)スルホキシド、ビス(4−クロロ
フェニル)スルホン、2,6−ジクロロベンゾニトリルが挙げられる。これらの化合物に
おいて塩素原子が臭素原子またはヨウ素原子に置き換わった化合物などが挙げられる。
r≧2の場合、例えば特開2004−137444号公報、特開2004−244517、特開2004−346164号公報、特願2003−348523号、特願2003−348524号、特願2004−211739号、特願2004−211740号に記載の化合物を挙げることができる。
を含む)、ならびに(2)還元剤を必須成分とし、さらに、重合速度を上げるために、「塩
」を添加してもよい。
基を有するポリアリーレンに変換して得ることができる。この方法としては、下記の3通りの方法がある。
(B法)前駆体のポリアリーレンを、特開2001−342241号公報に記載の方法でスルホン化する方法。
一般式(C)のスルホン酸基を有するポリアリーレンのイオン交換容量は通常0.3〜5meq/g、好ましくは0.5〜3meq/g、さらに好ましくは0.8〜2.8meq/gである。この範囲内にあればプロトン伝導性が高く、耐水性に優れている。なお、イオン交換容量が少ないと、プロトン伝導度が低く発電性能が低くなることがあり、イオン交換容量が多いと、プロトン伝導性は高いものの、耐水性が大幅に低下してしまうことがある。
<含窒素複素環芳式香族化合物>
本発明で用いられる含窒素複素環式芳香族化合物は、環式構造をもつ有機化合物であり、環を構成する元素中において、炭素原子に加え、必ず窒素原子を一つ以上含む芳香族性をもつ化合物である。また、炭素原子、窒素原子に加え、硫黄原子、酸素原子、燐原子、ヒ素原子など他の元素を環内に含んでも構わない。
含有する。含窒素複素環芳香族化合物の含有割合が0.1重量部未満では、耐熱性向上の効果がないことがあり、20重量部を超えると、可塑化効果による膜の機械的耐熱性を低下や、プロトン伝導膜中のスルホン酸濃度の低下によるプロトン伝導性の低下が発生することがある。
<プロトン伝導膜形成用組成物>
本発明に係るプロトン伝導膜形成用組成物は、前記したスルホン化ポリアリーレンと含窒素複素環芳香族化合物とを含む。その量比は上記したとおりである。また、必要に応じて、スルホン化ポリアリーレンおよび含窒素複素環芳香族化合物は、後述する溶媒に、溶解・分散していてもよく、この場合溶媒の使用量は後述する。また、さらに必要に応じて、その他の成分を含んでいてもよい。
<プロトン伝導膜製造法>
本発明に係るプロトン伝導膜は、上記スルホン化ポリアリーレンと上記含窒素複素環芳香族化合物とを前記した量比で含むプロトン伝導膜形成用組成物から構成される。
(i)上記スルホン化ポリアリーレン、含窒素複素環芳香族化合物のいずれもが溶解する有
機溶媒に、上記スルホン化ポリアリーレン、含窒素複素環芳香族化合物を溶解し、この溶液を基体上にキャストした後、溶媒を乾燥して除去することにより製膜するキャスト法。(ii)上記スルホン化ポリアリーレンをキャスト法により製膜した後、このスルホン化ポリアリーレン膜を含窒素複素環芳香族化合物の溶液に浸漬し、スルホン化ポリアリーレン膜の内部に含窒素複素環芳香族化合物を含浸させる方法。
(iii)上記スルホン化ポリアリーレンをキャスト法により製膜した後、含窒素複素環芳香
族化合物溶液を、例えばスプレー塗布することにより、スルホン化ポリアリーレン膜の表面に含窒素複素環芳香族化合物をコートする方法などが挙げられる。
合、含窒素複素環芳香族化合物の溶液には、スルホン化ポリアリーレンの膜が溶解しないことが必要である。上記方法(iii)の場合、含窒素複素環芳香族化合物の溶媒には上記方
法(ii)のような制約はなく、膜の表面近傍のみに含窒素複素環芳香族化合物を分布させるものである。
からなる基体が用いられる。
製膜する際の溶液のポリマー濃度は、通常5〜40重量%、好ましくは7〜25重量%である。ポリマー濃度が5重量%未満では、厚膜化し難く、また、ピンホールが生成しやすい傾向にある。一方、ポリマー濃度が40重量%を超えると、溶液粘度が高すぎてフィルム化し難く、また、表面平滑性に欠けることがある。
〜50,000mPa・sである。溶液粘度が2,000mPa・s未満では、成膜中の溶液の滞留性が悪く、基体から流れてしまうことがある。一方、溶液粘度が100,000
mPa・sを超えると、粘度が高過ぎるため、ダイからの押し出しができず、流延法によるフィルム化が困難となることがある。
ことができる。また、浸漬に使用する水を交換したり、オーバーフローさせたりして、常に水中の有機溶媒濃度を一定濃度以下に維持しておくことも、得られるプロトン伝導膜の残存溶媒量を低減することに有効である。さらに、プロトン伝導膜中に残存する有機溶媒量の面内分布を小さく抑えるためには、水中の有機溶媒濃度を撹拌等によって均質化させることが効果的である。
本発明の方法により得られるプロトン伝導膜は、その乾燥膜厚が、通常10〜100μm、好ましくは20〜80μmであり、この厚さは基材(枠型)の厚さを調整することによって制御が可能である。
[実施例]
以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<膜の調製>
得られたスルホン化ポリアリーレンの15重量%溶液(溶媒はメタノール/NMP=5
0/50(容量比)の混合溶媒)からキャスト膜を調製した。これを大量の蒸留水に一晩浸
漬し、膜中の残存NMPを希釈により取り除いた後、乾燥し、膜を得た(膜厚40μm)。
比)で溶解させ、ワニスを調製した。これを上記と同様にキャスト法により、キャスト膜
を調製し、大量の蒸留水への浸漬により、膜中の残存NMPを希釈により除去し、目的の膜を得た(膜厚40μm)。
<スルホン酸当量>
得られたスルホン酸基を有する重合体の水洗水が中性になるまで洗浄し、フリーに残存している酸を除いて充分に水洗し、乾燥後、所定量を秤量し、THF/水の混合溶剤に溶解したフェノールフタレインを指示薬とし、NaOHの標準液を用いて滴定を行い、中和点から、スルホン酸当量を求めた。
<分子量の測定>
スルホン酸基を有しないポリアリーレン重量平均分子量は、溶剤としてテトラヒドロフラン(THF)を用い、GPCによって、ポリスチレン換算の分子量を求めた。
<プロトン伝導度の測定>
交流抵抗は、5mm幅の短冊状膜試料の表面に、白金線(φ=0.5mm)を押し当て、恒温恒湿装置中に試料を保持し、白金線間の交流インピーダンス測定から求めた。すなわち、85℃、相対湿度90%の環境下で交流10kHzにおけるインピーダンスを測定した。抵抗測定装置として、(株)NF回路設計ブロック製のケミカルインピーダンス測定システムを用い、恒温恒湿装置には、(株)ヤマト科学製のJW241を使用した。白金線は、5mm間隔に5本押し当てて、線間距離を5〜20mmに変化させ、交流抵抗を測定した。線間距離と抵抗の勾配から、膜の比抵抗を算出し、比抵抗の逆数から交流インピーダンスを算出し、このインピーダンスから、プロトン伝導率を算出した。
<耐熱性の評価>
膜厚約40μmの各フィルムを、160℃オーブン中に24時間入れた。耐熱試験前後のサンプルを、上記のNMP系のGPC溶離液99.8重量部に対し、0.2重量部のプロ
トン伝導膜を浸漬、溶解後、不溶分を除去し、GPC測定を行った。耐熱試験前後のGPCの溶出面積の比から不溶分含量を求めた。
<合成例1>
2,5−ジクロロ−4’−フェノキシベンゾフェノン185.3g(540mmol)、
4,4′−ジクロロベンゾフェノン15.1g(60mmol)、ヨウ化ナトリウム11.7g(78mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド11.8g(18mmol)、トリフェニルホスフィン63.0g(240mmol)、亜鉛94.1g(1.44
mol)を冷却管、三方コックを取り付けた三口フラスコに入れ、70℃のオイルバスに
つけ、窒素置換後、窒素雰囲気下にN−メチル−2−ピロリドン1000mlを加え、反応を開始した。
有するポリアリーレンを、ポリマーAとする。
攪拌機、温度計、Dean-stark管、窒素導入管、冷却管をとりつけた1Lの三口フラスコに、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン29.8g(104mmol)、2,2-ビス(4
−ヒドロキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン37.4g(111mmo
l)、炭酸カリウム20.0g(145mmol)をはかりとった。窒素置換後、スルホラ
ン168mL、トルエン84mLを加えて攪拌した。オイルバスで反応液を150℃で加熱還流させた。反応によって生成する水はDean-stark管にトラップした。3時間後、水の生成がほとんど認められなくなったところで、トルエンをDean-stark管から系外に除去した。徐々に反応温度を200℃に上げ、5時間攪拌を続けた後、4,4’−ジクロロベンゾフェノン7.5g(30mmol)を加え、さらに8時間反応させた。
攪拌機、温度計、窒素導入管をとりつけた1Lの三口フラスコに、3−(2,5−ジク
ロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル141.5g(337mmol)、前記(1)で得られた疎水性ユニットB48.5g(4.6mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド6.71g(10.3mmol)、ヨウ化ナトリウム1.54g(10.3mmol)、トリフェニルホスフィン35.9g(137mmol)、亜鉛53.
7g(821mmol)をはかりとり、乾燥窒素置換した。ここにN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)430mLを加え、反応温度を80℃に保持しながら3時間攪拌を続けた後、DMAc730mLを加えて希釈し、不溶物を濾過した。
推定される。このポリマーのイオン交換容量は2.3meq/gであった。
(1)疎水性ユニットCの合成
撹拌機、温度計、冷却管、Dean-Stark管、窒素導入の三方コックを取り付けた1Lの三つ口のフラスコに、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロ
パン67.3g(0.20モル)、4,4'−ジクロロベンゾフェノン(4,4'−DCBP)60.3g(0.24モル)、炭酸カリウム71.9g(0.52モル)、N,N−ジメチルア
セトアミド(DMAc)300mL、トルエン150mLをとり、オイルバス中、窒素雰囲気下で加熱し撹拌下130℃で反応させた。
0.040モル)を加え、さらに5時間反応した。
乾燥したN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)100mLを、下記構造式(C-2)で表される化合物モノマーC 27.18g(38.5ミリモル)と、前記(1)で合成した疎水
性ユニットC 16.58g(1.48ミリモル)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケ
ルジクロリド0.79g(1.2ミリモル)、トリフェニルホスフィン4.20g(16.
0ミリモル)、ヨウ化ナトリウム0.18g(1.20ミリモル)、亜鉛6.28g(96.1ミリモル)の混合物中に窒素下で加えた。
拌し、セライトを濾過助剤に用い、濾過した。
.116モル)を加え、内温110℃で7時間、窒素雰囲気下で反応させた。反応後、室
温まで冷却し、アセトン4Lに注ぎ、凝固した。凝固物を濾集、風乾後、ミキサーで粉砕し、1N塩酸1500mLで攪拌しながら洗浄を行った。濾過後、生成物は洗浄液のpHが5以上となるまで、イオン交換水で洗浄し80℃で一晩乾燥し、目的のスルホン化ポリマー23.0gを得た。このスルホン化ポリマーの分子量は、Mn=65500、Mw=197000であった。
このポリマーのイオン交換容量は2.0meq/gであった。得られたスルホン酸基を有するポリマーCは、下記構造式C−3で表される。
合成例1で得られたスルホン化ポリアリーレンA(ポリマーA)を、メタノール/NMP=50/50の混合溶媒に15重量%になるよう溶解した。この溶液中に、スルホン化ポリアリーレンA100重量部に対して、イミダゾールを3重量部添加し、ワニスを調製した。このワニスからキャスト法により、膜厚40μmプロトン伝導膜を作製した。得られた膜を用いて、プロトン伝導性評価、耐熱性評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例2]
合成例2で得られたスルホン化ポリアリーレンB(ポリマーB)を、メタノール/NMP=50/50の混合溶媒に15重量%になるよう溶解した。この溶液中に、スルホン化ポリアリーレンB100重量部に対して、チアゾールを3重量部添加し、ワニスを調製した。このワニスからキャスト法により、膜厚40μmプロトン伝導膜を作製した。得られた膜を用いて、プロトン伝導性評価、耐熱性評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例3]
合成例3で得られたスルホン化ポリアリーレンC(ポリマーC)を、メタノール/NMP=50/50の混合溶媒に15重量%になるよう溶解した。この溶液中に、スルホン化ポリアリーレンC100重量部に対して、ベンゾオキサゾール2重量部添加し、ワニスを調製した。このワニスからキャスト法により、膜厚40μmプロトン伝導膜を作製した。得られた膜を用いて、プロトン伝導性評価、耐熱性評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例1]
合成例1で得られたスルホン化ポリアリーレンAを、メタノール/NMP=50/50の混合溶媒に15重量%になるよう溶解し、ワニスを調製した。このワニスからキャスト法により、膜厚40μmプロトン伝導膜を作製した。得られた膜を用いて、プロトン伝導性評価、耐熱性評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例2]
合成例2で得られたスルホン化ポリアリーレンBを、メタノール/NMP=50/50の混合溶媒に15重量%になるよう溶解し、ワニスを調製した。このワニスからキャスト法により、膜厚40μmプロトン伝導膜を作製した。得られた膜を用いて、プロトン伝導性評価、耐熱性評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例3]
合成例3で得られたスルホン化ポリアリーレンCを、メタノール/NMP=50/50の混合溶媒に15重量%になるよう溶解し、ワニスを調製した。このワニスからキャスト法により、膜厚40μmプロトン伝導膜を作製した。得られた膜を用いて、プロトン伝導性評価、耐熱性評価を行った。結果を表1に示す。
Claims (4)
- スルホン酸基を有するポリアリーレンと、ピロール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、イミダゾール、ピラゾール、1,3,5−トリアジン、ピリミジン、ピリタジン、ピラジン、インドール、ブリン、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、テトラゾール、テトラジン、トリアゾール、カルバゾール、アクリジン、キノキサリン、キナゾリンおよびこれらの誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の含窒素複素環式芳香族化合物を含むことを特徴とするプロトン伝導膜形成用組成物。
- スルホン酸基を有するポリアリーレンが、下記一般式(A)で表される構造単位、および下記一般式(B)で表される構造単位を含むことを特徴とする請求項1に記載のプロトン伝導膜形成用組成物。
- 上記含窒素複素環式芳香族化合物が、上記ポリアリーレン100重量部に対して、0.01〜20重量部の割合で含有されることを特徴とする請求項1または2に記載のプロトン伝導膜形成用組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のプロトン伝導膜形成用組成物からなることを特徴とするプロトン伝導膜。
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