JP2011089036A - 新規な芳香族化合物および側鎖にスルホン酸基を含む芳香環を有するポリアリーレン系共重合体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記一般式(1)で示されるプロトン伝導性基を有する構造単位と、下記一般式(2)で示される窒素を含む複素環構造を有する構造単位とを主鎖に含有してなることを特徴とするポリアリーレン系共重合体。
【化1】
【化2】
式中(2)において、Ar31は、窒素を含む複素環を示す。
【選択図】なし
Description
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
[2]前記ポリアリーレン系共重合体が、下記一般式(III)で表される芳香族構造を有する構造単位を含むことを特徴とする[1]に記載のポリアリーレン系共重合体。
又は、下記式で表される構造からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を含むことを特徴とする[1]に記載のポリアリーレン系共重合体。
[4][1]から[3]のいずれかに記載のポリアリーレン系共重合体からなる高分子電解質。
[5]イオン交換容量が、0.5〜3.5meq/gであることを特徴とする[1]から[3]のいずれかに記載のポリアリーレン系共重合体からなる高分子電解質。
本発明のポリアリーレン系共重合体は、スルホン酸基を有する構造単位と含窒素複素環構造を有する構造単位とを有する。
さらに、本発明のポリアリーレン系共重合体は、芳香族構造を有する構造単位を有することが好ましい。
このような構造を有するポリアリーレン系共重合体は、主鎖に含窒素複素環を含む。該含窒素複素環基は、プロトン伝導性を損なわず、これらの効果を発現できる適度な強さの塩基性基である。かかる複素環の窒素原子は、塩基性を有するため、スルホン酸基との間でイオン的な相互作用を形成する。これによって、スルホン酸基の安定性を高め、高温条件下でのスルホン酸基の脱離が抑制される。また、同様に高温条件下でスルホン酸基に由来するポリマー分子間の架橋反応をも抑制することができる。また、主鎖に窒素を含む複素環が導入されているので、イオン伝導性基を有する構造単位とともに有するとプロトン伝導度を低下させることなく、熱水中での膨潤を抑制し、耐熱性を向上させることができ、架橋耐性に優れたものとなる。
このため、かかるポリアリーレン系共重合体を含む電極電解質は、広範囲な温度、湿度、特に高温下でも発電可能になり、発電出力を向上することができる。また、高温下で使用しても、スルホン酸基等のイオン伝導性基が高い安定性を有することから、電池寿命を大幅に向上させた燃料電池を得ることができる。
ここで、架橋耐性とは、側鎖末端のスルホン基が劣化し、側鎖が架橋することに耐え得る性質のことをいう。
プロトン伝導性基を有する構造単位は下記式(1)で表される。プロトン伝導性基を有する構造単位としては、スルホン酸基を有する構造単位が好ましい。
Yは、−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−,−COO−、−(CF2)u−(uは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−、または直接結合を示す。
Zは、−O−、−S−、直接結合、−CO−、−SO2−、−SO−、−(CH2)l−(lは1〜10の整数である)、または−C(CH3)2−を示す。
R11は、直接結合、−O(CH2)p−、−O(CF2)p−、−(CH2)p−または−(CF2)p−を示す(pは、1〜12の整数を示す)。
R12、R13は、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属原子または脂肪族炭化水素基、脂環基、酸素を含む複素環基を示す。ただし、上記式中に含まれる全てのR12およびR13のうち少なくとも1個は水素原子である。
x1は、0〜4の整数。x2は、1〜5の整数。aは、0〜1の整数。bは、0〜3の整数を示す。
前記式(1)で表されるプロトン伝導性基を有する構造単位としては、下記式(1’'')で表される構造単位が好ましい。
ここで、上記mとしては、0または1が好ましく、nとしては、0または1が好ましく、kとしては、1であることが好ましい。
スルホン酸基を有する構造単位の具体的構造としては、下記を挙げることができる。
窒素を含む複素環構造を有する構造単位は下記一般式(2)で表される。
下記式で表される構造からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を含む。
さらに、本発明で使用されるポリアリーレン系共重合体は、芳香族構造を有する構造単位を有していてもよい。
かかる重合体が、このような芳香族構造を有する構造単位を含有していると、本発明で使用されるポリアリーレン系共重合体の疎水性が著しく向上する。このため、従来と同様のプロトン伝導性を具備しながら、熱水中での膨潤を抑制し、耐熱性を付与することができるため好ましい。
芳香族構造を有する構造単位は、下記式(3)で表される。
ただし、Ar21、Ar22、Ar23、Ar24は、その水素原子の一部またはすべてが、フッ素原子、ニトロ基、ニトリル基、または、水素原子の一部またはすべてがハロゲン化置換されていてもよいアルキル基、アリル基若しくはアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子または基で置換されていてもよい。
A、Dは、それぞれ独立に、直接結合または、−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)l−(lは1〜10の整数である)、−(CH2)l−(lは1〜10の整数である)、−CR’2−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基およびハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基、−O−またはS−を示し、
Bは酸素原子または硫黄原子であり
s、tは、それぞれ独立に、0〜4の整数を示し、rは、0または1以上の整数を示す。
構造単位の端部における単線のうち、一方に置換基が表示されていないものは隣り合う構造単位との接続を意味する。
ここで、s、tは、それぞれ独立に、0〜2の整数であることが好ましい。
本発明のポリアリーレン系共重合体は、下記一般式(4)で表される。
なお、本発明における主鎖とは、繰り返し単位が重合によって接続される長鎖部分であり、側鎖とは主鎖から分岐して構成される部分である。
ポリアリーレン系共重合体のイオン交換容量は0.5〜3.5meq/g、好ましくは0.5〜3.0meq/g、さらに好ましくは0.8〜2.8meq/gであることが望ましい。イオン交換容量が、0.5meq/g以上であれば、プロトン伝導度が高く、かつ発電性能の高い高分子電解質を得ることができるため好ましい。一方、3.5meq/g以下であれば、充分に高い耐水性を具備できるため好ましい。
本発明のポリアリーレン系共重合体は、例えば下記に示すA1法、B1法、C1法の3通りの方法を用いて製造することができる。
スルホン酸基を有する構造単位は、原料として例えば、下記式(1')で表されるスルホン酸エステル類を重合使用することにより製造することができる。
Xは、塩素、臭素、ヨウ素、メタンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、トルエンスルホニル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を示す。
x1は、0〜4の整数。x2は、1〜5の整数。yは、0〜1の整数。zは、0〜3の整数を示す。
上記式(1’)で表されるモノマーは、好ましくは下記式(1”)で表される構造を有する。
Yは−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Zは直接結合または、−(CH2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(CH3)2−、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Arは−SO3Hまたは−O(CH2)pSO3Hまたは−O(CF2)pSO3Hで表される置換基を有する芳香族基を示す。pは1〜12の整数を示し、mは0〜10の整数を示し、nは0〜10の整数を示し、kは1〜4の整数を示す。]
上記式中のスルホン酸は、スルホン酸エステルとなっていてもよい。エステルは、アルキルエステル、アリールエステル、シクロアルキル(これらはフッ素置換されていても良い)などが挙げられる。
(1)m=1、n=0であり、Y=−CO−、Z=−O−である構造、
(2)m=1、n=1、k=1であり、Y=−CO−、Z=−O−である構造、
(3)m=0、n=1、k=1であり、Y=−CO−、Z=−O−である構造、
(4)m=0、n=1、k=1であり、Y=−CO−、Zが直接結合である構造、
(5)m=0、n=0、であり、Y=−CO−である構造、
(6)m=0、n=0、であり、Yが直接結合である構造、
などを挙げることが出来る。
含窒素複素環構造を有する構造単位を有するポリアリーレン系共重合体を製造するために、例えば、下記一般式(2’)で表される化合物を調製して、これを用いることができる。
芳香族構造を有する構造単位は、例えば、下記一般式(3’)で表されるオリゴマーを調製して、これを重合することにより得られる。
Bは独立に酸素原子または硫黄原子であり、s、tは、0〜4の整数を示し、rは、0または1以上の整数を示す。)
A、Dは独立に直接結合または、−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)l−(lは1〜10の整数である)、−(CH2)l−(lは1〜10の整数である)、−CR’2−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基およびハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、
Bは独立に酸素原子または硫黄原子であり、
R1〜R16は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、一部またはすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基、ニトリル基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示す。
s、tは0〜4の整数を示し、rは0または1以上の整数を示す。]
上記式(3”)で表されるオリゴマーの具体的な例としては、下記が挙げられる。
目的のポリアリーレン系共重合体を得るためは、まず、上記一般式(1)または(1''')で表される構造単位となりうる一般式(1’)または(1")で表されるモノマーと、上記一般式(2)で表される構造単位となりうる一般式(2’)で表されるモノマーと、必要により、上記一般式(3)で表される構造単位となりうるモノマー、またはオリゴマー、すなわち一般式(3’)または(3")とを共重合させ、前駆体のポリアリーレンを得る。この共重合は、触媒の存在下に行われるが、この際使用される触媒は、遷移金属化合物を含む触媒系であり、この触媒系としては、(1)遷移金属塩および配位子となる化合物(以下、「配位子成分」という。)、または配位子が配位された遷移金属錯体(銅塩を含む)、ならびに(2)還元剤を必須成分とし、さらに、重合速度を上げるために、遷移金属塩以外の塩を添加してもよい。
具体的には、
(1)少量の塩酸を含む過剰量の水またはアルコールに、上記ポリアリーレンを投入し、5分間以上撹拌する方法
(2)トリフルオロ酢酸中で上記ポリアリーレンを80〜120℃程度の温度で5〜10時間程度反応させる方法
などを挙げることができる。
発煙硫酸、クロルスルホン酸、硫酸、亜硫酸水素ナトリウムなどの公知のスルホン化剤を用いて、公知の条件でスルホン化することができる〔PolymerPreprints,Japan,Vol.42,No.3,p.730(1993);PolymerPreprints,Japan,Vol.42,No.3,p.736(1994);PolymerPreprints,Japan,Vol.42,No.7,p.2490〜2492(1993)〕。すなわち、このスルホン化の反応条件としては、スルホン酸基、スルホン酸エステル基を有しない前駆体のポリアリーレンを、無溶剤下、あるいは溶剤存在下で、上記スルホン化剤と反応させる。溶剤としては、例えばn−ヘキサンなどの炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶剤、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドのような非プロトン系極性溶剤のほか、テトラクロロエタン、ジクロロエタン、クロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素などが挙げられる。反応温度は特に制限はないが、通常、−50〜200℃、好ましくは−10〜100℃である。また、反応時間は、通常、0.5〜1,000時間、好ましくは1〜200時間である。
本発明のスルホン酸含有ポリアリーレン系共重合体は、上記共重合体からなり、一次電池用電解質、二次電池用電解質、燃料電池用高分子固体電解質、表示素子、各種センサー、信号伝達媒体、固体コンデンサー、イオン交換膜などに用いる場合には、膜状態、溶液状態、粉体状態で用いることが考えられるが、このうち膜状態、溶液状態が好ましい(以下、膜状態のことを高分子電解質膜と呼ぶ)。
本発明の方法により得られる高分子電解質膜は、その乾燥膜厚が、通常10〜100μm、好ましくは20〜80μmである。
[実施例]
各実施例・比較例で得られた共重合体をN−メチルピロリドン/メタノール溶液に溶解させた後、アプリケーターを用いてPET基板上にキャスティングし、オーブンを用いて60℃×30分、80℃×40分、120℃×60分乾燥させた。乾燥した膜を脱イオン水に浸漬した。浸漬後、50℃で45分乾燥させることにより評価用の膜を得た。
各実施例・比較例で得られた共重合体をN−メチルピロリドン緩衝溶液(以下、NMP緩衝溶液という。)に溶解し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)を求めた。NMP緩衝溶液は、NMP(3L)/リン酸(3.3mL)/臭化リチウム(7.83g)の比率で調整した。
得られたスルホン化ポリマーの水洗水が中性になるまで蒸留水で洗浄して、フリーの残存している酸を除去した後、乾燥させた。この後、所定量を秤量し、THF/水の混合溶剤に溶解させ、フェノールフタレインを指示薬として、NaOHの標準液にて滴定し、中和点から、スルホン酸基の当量(イオン交換容量)(meq/g)を求めた。
フィルムを2.0cm×3.0cmにカットし秤量して、試験用のテストピースとした。24℃、相対湿度(RH)50%条件下にて状態調整した後、このフィルムを、ポリカーボネート製の250ml瓶に入れ、そこに約100mlの蒸留水を加え、プレッシャークッカー試験機(HIRAYAMA MFS CORP製、 PC−242HS)を用いて、120℃で24時間加温した。試験終了後、各フィルムを熱水中から取り出し、軽く表面の水をキムワイプで拭き取り、含水時の重量を秤量し、含水率を求めた。また、そのフィルムの寸法を測定し、膨潤率を求めた。さらに、この膜を24℃、RH50%条件下で状態調整し、水を留去して、熱水試験後の重量を秤量し、重量残存率を求めた。
交流抵抗は、5mm幅の短冊状の試料膜の表面に、白金線(f=0.5mm)を押し当て、恒温恒湿装置中に試料を保持し、白金線間の交流インピーダンス測定から求めた。すなわち、85℃、相対湿度90%の環境下で交流10kHzにおけるインピーダンスを測定した。抵抗測定装置として、(株)NF回路設計ブロック製のケミカルインピーダンス測定システムを用い、恒温恒湿装置は、(株)ヤマト科学製のJW241を使用した。白金線は、5mm間隔に5本押し当てて、線間距離を5〜20mmに変化させ、交流抵抗を測定した。線間距離と抵抗の勾配から、膜の比抵抗を算出し、比抵抗の逆数からプロトン伝導度を算出した。
比抵抗R(Ω・cm)=0.5(cm)×膜厚(cm)×抵抗線間勾配(Ω/cm)
2cm×3cmにカットしたフィルムを、ベンコットに挟み、カラス製の試料管に入れ、コンパクト精密恒温槽(AWC−2)で、空気条件下で160℃×24時間加熱した。加熱したフィルムを、NMP緩衝溶媒に0.2wt%の濃度で溶解させ、GPC(NMP緩衝溶媒)(東ソー(株)HCL−8220製)で分子量およびエリア面積(A24)を求めた。加熱前のフィルムも同条件で測定を行い分子量およびエリア面積(A0)を求め、分子量の変化、および下記式にて不溶分率を求めた。不溶率が大きくなると、フィルムの架橋耐性が劣ることになる。
不溶率(%)=(A24−A0)/(A0)
NMP緩衝溶液は、NMP(3L)/リン酸(3.3mL)/臭化リチウム(7.83g)の比率で調整した。
含窒素複素環として、2,5−ジクロロピリジン(東京化成製)、2,5−ジブロモピリミジン(非特許文献1)、5,5’−ジブロモ−2,2’−ビピリジン(非特許文献2)、5,8−ジブロモキノリン(非特許文献3)、2,6−ジクロロキノリン(非特許文献4)、2,6−ジクロロ−1,5−ナフチリジン、2,2’−ジクロロー6,6’−ビキノリン(非特許文献5)、5,8−キノキサリン、2,6−キノキサリン(非特許文献6)を例として用いた。
非特許文献2 Chem.Lett.,223(1990).
非特許文献3 Macromolecules, 24、5883−5885(1991).
非特許文献4 Macromolecules, 27、756−761(1994).
非特許文献5 Macromolecules, 28、4260−4267(1995).
非特許文献6 J.Am.Chem.Soc., 118、3930−3937(1996).
攪拌機、冷却管を備えた3Lの三口フラスコに、クロロスルホン酸(233.0g、2mol)を加え、続いて2,5−ジクロロベンゾフェノン(100.4g、400mmol)を加え、100℃のオイルバスで8時間反応させた。所定時間後、反応液を砕氷(1000g)にゆっくりと注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥後、酢酸エチルを留去し、淡黄色の粗結晶(3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸クロリド)を得た。粗結晶は精製することなく、そのまま次工程に用いた。
攪拌機、温度計、Dean−stark管、窒素導入管、冷却管をとりつけた1Lの三口フラスコに、2,6−ジクロロベンゾニトリル154.8g(0.9mol)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン269.0g(0.8mol)、炭酸カリウム143.7g(1.04mol)をはかりとった。窒素置換後、スルホラン1020mL、トルエン510mLを加えて攪拌した。オイルバスで反応液を150℃で加熱還流させた。反応によって生成する水はDean−stark管にトラップした。3時間後、水の生成がほとんど認められなくなったところで、トルエンをDean−stark管から系外に除去した。徐々に反応温度を200℃に上げ、3時間攪拌を続けた後、2,6−ジクロロベンゾニトリル51.6g(0.3mol)を加え、さらに5時間反応させた。
上記(30−1)で表される化合物19.06g(47.5mmol)と、2,5−ジクロロピリジン0.25g(1.7mmol)と、上記(30−2)で表される化合物6.40g(0.8mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド1.31g(2.0mmol)、トリフェニルホスフィン3.93g(15mmol)、ヨウ化ナトリウム0.22g(1.5mmol)、亜鉛7.84g(120mmol)の混合物中に乾燥したジメチルアセトアミド(DMAc)85mLを窒素下で加えた。
濾液に臭化リチウム13.27g(153mmol)を加え、内温120℃で7時間、窒素雰囲気下で反応させた。反応後、室温まで冷却し、水1.5Lに注ぎ、凝固した。凝固物をアセトンに浸漬し、濾過し洗浄した。洗浄物を1N硫酸370gで攪拌しながら洗浄を行った。濾過後、生成物は洗浄液のpHが5以上となるまで、イオン交換水で洗浄した。得られたポリマーの分子量をGPCで測定した結果、イオン交換容量を表1に示す。得られたポリマーは、下記一般式(30−3)であった。
表1に示すような含窒素複素環を用いて、仕込比を表1に示すような割合で用いた以外は、実施例1と同様にしてポリマーを得た。得られたポリマーの分子量をGPCで測定した結果、イオン交換容量を表1に示す。
<ポリマーの合成>
上記(30−1)で表される化合物19.66g(49.0mmol)と、上記(30−2)で表される化合物8.20g(1.0mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド1.31g(2.0mmol)、トリフェニルホスフィン3.93g(15mmol)、ヨウ化ナトリウム0.22g(1.5mmol)、亜鉛7.84g(120mmol)の混合物中に乾燥したDMAc92mLを窒素下で加えた。
濾液に臭化リチウム12.77g(147mmol)を加え、内温120℃で7時間、窒素雰囲気下で反応させた。反応後、室温まで冷却し、水1.5Lに注ぎ、凝固した。凝固物をアセトンに浸漬し、濾過し洗浄した。洗浄物を1N硫酸370gで攪拌しながら洗浄を行った。濾過後、生成物は洗浄液のpHが5以上となるまで、イオン交換水で洗浄した。得られたポリマーの分子量をGPCで測定した結果、イオン交換容量を表1に示す。得られたポリマーは、下記一般式(30−4)であった。
上記(30−1)で表される化合物19.26g(48.0mmol)と、(30−5)で表される化合物0.35g(1.1mol)、上記(30−2)で表される化合物7.38g(0.9mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド1.31g(2.0mmol)、トリフェニルホスフィン3.93g(15mmol)、ヨウ化ナトリウム0.22g(1.5mmol)、亜鉛7.84g(120mmol)の混合物中に乾燥したDMAc89mLを窒素下で加えた。
濾液に臭化リチウム13.08g(150.6mmol)を加え、内温120℃で7時間、窒素雰囲気下で反応させた。反応後、室温まで冷却し、水1.5Lに注ぎ、凝固した。凝固物をアセトンに浸漬し、濾過し洗浄した。洗浄物を1N硫酸370gで攪拌しながら洗浄を行った。濾過後、生成物は洗浄液のpHが5以上となるまで、イオン交換水で洗浄した。得られたポリマーの分子量をGPCで測定した結果、イオン交換容量を表1に示す。得られたポリマーは、下記一般式(30−6)であった。
Claims (5)
- 下記一般式(1)で示されるプロトン伝導性基を有する構造単位を含有し、かつ、下記一般式(2)で示される窒素を含む複素環構造を有する構造単位を主鎖に含有してなることを特徴とするポリアリーレン系共重合体。
- 前記ポリアリーレン系共重合体が、下記一般式(3)で表される芳香族構造を有する構造単位を含むことを特徴とする請求項1に記載のポリアリーレン系共重合体。
- 前記式(2)においてAr31が、ピロール、2H−ピロール、イミダゾール、ピラゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドール、3H−インドール、インドール、1H−インダゾール、プリン、4H−キノリジン、キノリン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、ペリミジン、フェナントロリン、フェナジン、フェノチアジン、フラザン、フェノキサジン、ピロリジン、ピロリン、イミダゾリン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ピラゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドリン、イソインドリン、キヌクリジン、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、1,3,5−トリアジン、ブリン、テトラゾール、テトラジン、トリアゾール、フェナルサジン、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾチアジアゾール
からなる群より選ばれる少なくとも1種に由来する構造か、
又は、下記式で表される構造からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を含むことを特徴とする請求項1に記載のポリアリーレン系共重合体。
- 請求項1から3のいずれかに記載のポリアリーレン系共重合体からなる高分子電解質。
- イオン交換容量が、0.5〜3.5meq/gであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のポリアリーレン系共重合体からなる高分子電解質。
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