JP4745697B2 - 複数の配線層を有する半導体回路の端子層設定方法、端子層設定プログラム、配線端子延長処理プログラム、および、その端子層を設定に用いられる端子延長用コンポーネント - Google Patents
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Description
図1は、本発明の一実施形態の端子層設定処理が適用される半導体回路が有する複数の配線層の構成を示す斜視図である。
図3は、本発明の一実施形態の端子層設定部の構成を示すブロック図である。端子層設定部は例えばソフトウェアとしてコンピュータにインストールされることで実現される。
図6に示されるように、端子延長用コンポーネント31は、ビア32と最小の突き出し長さを持つ配線33とから構成される。その最小の突き出し長さとは、配線33がそのビア32との接触を十分可能とした長さであり、例えば、それ以下の長さでは、十分な通電特性が得られないような長さである。
図7において、対象とするセルのゲート41に一番近いローカル層まで配線端子を延長する場合、例えば、ビア421とそのビア421に対する最小の突き出し長さを持つ配線431から構成される端子延長用コンポーネント441が、そのゲート41に追加される。
ビア422のビア径<ビア46のビア径<ビア51のビア径
配線432の突き出し長さ<配線47の突き出し長さ<配線52の突き出し長さ
本実施形態においては、図8に示すように、対象とするセルまたはマクロ56とその接続先のセルまたはマクロ57を接続する配線の抵抗値Rwと、その対象とするセルまたはマクロ56の駆動能力(ドライバ抵抗)Rdとを比較することで、この遅延時間を評価している。すなわち、対象とするセルまたはマクロのドライバ抵抗Rdが、対象とするセルまたはマクロとその接続先のセルまたはマクロを接続する配線の抵抗値Rwより小さい場合に、配線の長さが「長め」であり、遅延が発生していると判定し、対象とするセルまたはマクロのドライバ抵抗Rdが、対象とするセルまたはマクロとその接続先のセルまたはマクロを接続する配線の抵抗値Rwより大きい場合に、配線の長さが「短め」であると判定している。なお、遅延時間を評価する際に用いる配線負荷としては、配線抵抗Rwの他に、配線容量Cwがある。この配線容量Cwは、対象とするセルまたはマクロが複数の分岐先のセルまたはマクロに接続している場合に考慮される。また、ドライバ抵抗とは、トランジスタが配線を介して充放電したときに流れる電流を抵抗に換算した値であるとともに、トランジスタサイズに比例する値である。
図9において、まず、ステップS101で、基板上に搭載される複数のセルまたはマクロの配置情報などの各種情報が情報取得部11によってコンピュータの二次記憶から取得される。そして、続くステップS102で、取得した情報に含まれる、処理対象とするセルまたはマクロの駆動能力(ドライバ抵抗Rd)が抽出されるとともに、対象とするセルまたはマクロとその接続先のセルまたはマクロの位置情報から縦方向や横方向の距離が抽出される。対象とするセルまたはマクロと接続先のセルまたはマクロとの接続に用いられる配線の単位長さ当たりの抵抗値と抽出された距離とを乗算することで、対象とするセルまたはマクロと接続先のセルまたはマクロとを結ぶ配線の抵抗値Rwが算出される。
なお、図1に示すように、通常、幅、高さが小さく、したがって、断面積が小さい配線を持つ配線層が下層(基板に近い位置)に設けられ、配線層が上にいくにしたがい、その層に設けられる配線の断面積が大きくなる。このため、上記ステップS103での比較の結果、ドライバ抵抗RdがRwより大きかった場合、ステップS104に進み、抵抗の大きい(配線の断面積の小さい)下層の配線層が対象とするセルまたはマクロの延長先の配線層(端子層)に設定される。また、ドライバ抵抗RdがRwと等しかった場合、ステップS105に進み、抵抗が中間の値である(配線の断面積が中間の値である)中間の配線層(中間層)が対象とするセルまたはマクロの延長先の配線層(端子層)に設定される。また、ドライバ抵抗RdがRwより小さかった場合、ステップS106に進み、抵抗の小さい(配線の断面積の大きい)上層の配線層が対象とするセルまたはマクロの延長先の配線層(端子層)に設定される。
図11では、上層までのパスとして最短パスが指定されているので、配線層間は、ビアとそのビアに対する最小突き出し長さを有する配線とから構成される端子延長用コンポーネントを回路61や回路62に対して、それら回路61、回路62が搭載される基板面の法線方向に必要な数だけ追加することで、接続されている。すなわち、連続する端子延長用コンポーネント間は、最小の突き出し長さを有する配線を介することで、必要な通電特性を得ている。
このような場合、本実施形態においては、例えば、図12の下段の区間Xで、端子71の延長先として設定された上層の配線層の1つ下の配線層であるとともに、その設定された上層の配線層とは、配線の向きがその位置で直交しているような配線層において、端子層間が結線されるように処理される。
図13において、ロジック回路811、812、813、・・・、81Nが、基板上、横方向に配置され、それらロジック回路811、812、813、・・・、81Nの接続先がそれぞれ、ロジック回路821、822、823、・・・、82Nであった場合、それらロジック回路間において配線が密集しているエリアが存在する。
本発明の端子層設定処理などは当然一般的なコンピュータ114によって実現することが可能である。この場合、コンピュータ114の記憶装置112から本発明の処理のためのプログラムなどをコンピュータ114のメモリにロードして実行することも、可搬型記憶媒体113から本発明の処理のためのプログラムなどをコンピュータ114のメモリにロードして実行することも、また、プログラム提供者110の記憶装置111側からネットワークを介して本発明の処理のためのプログラムなどをコンピュータ114のメモリにロードして実行することも可能である。
前記半導体回路を構成するとともに、基板上に搭載される複数のセルまたはマクロに関する配置情報などの各種情報を前記コンピュータの記憶手段から取得し、
前記取得した情報に含まれる対象とするセルまたはマクロの駆動能力と、その対象とするセルまたはマクロと接続先のセルまたはマクロとを接続する配線の抵抗値とを比較し、
前記比較の結果に基づいて該対象とするセルまたはマクロの配線端子の延長先の配線層である端子層を設定する、ことを特徴とする端子層設定方法。
(付記2) 前記複数のセルまたはマクロの配線端子を延長先として設定された配線層まで最短のパスで延長する、ことを特徴とする付記1記載の端子層設定方法。
(付記3) ビアと該ビアとの接触を十分可能とした長さを有する配線とから構成される端子延長用コンポーネントを、その対象とするセルまたはマクロの搭載された面の法線方向に必要な数だけ追加することで、その対象とするセルまたはマクロの配線端子を延長先として設定された配線層まで延長する、ことを特徴とする付記2記載の端子層設定方法。
(付記4) 前記対象とするセルまたはマクロとその対象とするセルまたはマクロの接続先のセルまたはマクロとの間で配線の引き回しが必要である場合に、前記延長先として設定された配線層の近辺の配線層内で配線の引き回しを可能とするように端子層を該延長先として設定された配線層およびその近辺の配線層に設定することを特徴とする付記1記載の端子層設定方法。
(付記5) 前記比較において、取得された対象とするセルまたはマクロの駆動能力が、その対象とするセルまたはマクロと接続先のセルまたはマクロとの間の距離に基づく配線の抵抗より大きい場合に、単位長さ当たりの抵抗値が大きい配線を持つ配線層の間で該対象とするセルまたはマクロの配線端子の延長先の配線層を設定する、ことを特徴とする付記1記載の端子層設定方法。
(付記6) 前記比較において、取得された対象とするセルまたはマクロの駆動能力が、その対象とするセルまたはマクロと接続先のセルまたはマクロとの間の距離に基づく配線の抵抗より小さい場合に、単位長さ当たりの抵抗値が小さい配線を持つ配線層の間で該対象とするセルまたはマクロの配線端子の延長先の配線層を設定する、ことを特徴とする付記1記載の端子層設定方法。
(付記7) 対象とするセルまたはマクロが所定数以上の接続先のセルまたはマクロに接続されているかを判定し、
所定数以上であると判定された場合には、単位長さ当たりの配線容量が小さい配線を持つ配線層の間で該対象とするセルまたはマクロの配線端子の延長先の配線層を設定する、ことを特徴とする付記1記載の端子層設定方法。
(付記8) 取得した情報に基づいて、該セルまたはマクロと接続先のセルまたはマクロ間の配線が密集している前記基板上のエリアを特定し、
配線が密集していると判定されたエリア内に含まれるセルまたはマクロについて、そのセルまたはマクロの延長先の配線層を前記複数の配線層の間で分散して設定する、ことを特徴とする付記1記載の端子層設定方法。
(付記9) 複数の配線層を有する半導体回路の端子層をコンピュータが設定する方法において、
前記半導体回路を構成するとともに、基板上に搭載される複数のセルまたはマクロに関する配置情報などの各種情報を前記コンピュータの記憶手段から取得し、
取得した情報に基づいて所定のロジックを用いて前記複数のセルまたはマクロの配線端子の延長先の配線層である端子層を前記複数の配線層中にバランスよく配分するように設定するとともに、
前記複数のセルまたはマクロの配線端子を延長先として設定された配線層まで最短のパスで延長する、ことを特徴とする端子層設定方法。
(付記10) 複数の配線層を有する半導体回路の端子層をコンピュータに設定させるプログラムにおいて、
前記半導体回路を構成するとともに、基板上に搭載される複数のセルまたはマクロに関する配置情報などの各種情報を前記コンピュータの記憶手段から取得するステップと、
前記取得した情報に含まれる対象とするセルまたはマクロの駆動能力と、その対象とするセルまたはマクロと接続先のセルまたはマクロとを接続する配線の抵抗値とを比較するステップと、
前記比較の結果に基づいて該対象とするセルまたはマクロの配線端子の延長先の配線層である端子層を設定するステップと、を前記コンピュータに実行させることを特徴とする端子層設定プログラム。
(付記11) 前記複数のセルまたはマクロの配線端子を延長先として設定された配線層まで最短のパスで延長するように指定するステップ、をさらに備えることを特徴とする付記10記載の端子層設定プログラム。
(付記12) 複数の配線層を有する半導体回路を構成する、セルまたはマクロの配線端子の延長先の層である端子層の設定結果に基づいて、該配線端子の延長処理をコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
ビアと該ビアとの接触を十分可能とした長さを有する配線とから構成される端子延長用コンポーネントを、その対象とするセルまたはマクロの搭載された面の法線方向に必要な数だけ追加することで、その対象とするセルまたはマクロの配線端子を延長先として設定された配線層まで延長するステップ、を前記コンピュータに実行させることを特徴とする配線端子延長処理プログラム。
(付記13) 前記ビアのビア径と前記接触を十分可能とした長さとは、配線層の配線の寸法に応じて設定されることを特徴とする付記12記載の配線端子延長処理プログラム。
(付記14) 前記対象とするセルまたはマクロとその対象とするセルまたはマクロの接続先のセルまたはマクロとの間で配線の引き回しが必要である場合に、前記延長先として設定された配線層の近辺の配線層内で配線の引き回しを可能とするように端子層を該延長先として設定された配線層およびその近辺の配線層に設定するステップをさらに備えることを特徴とする付記10記載の端子層設定プログラム。
(付記15) 前記比較ステップにおいて、取得された対象とするセルまたはマクロの駆動能力が、その対象とするセルまたはマクロと接続先のセルまたはマクロとの間の距離に基づく配線の抵抗より大きい場合に、単位長さ当たりの抵抗値が大きい配線を持つ配線層の間で該対象とするセルまたはマクロの配線端子の延長先の配線層を設定する、ことを特徴とする付記10記載の端子層設定プログラム。
(付記16) 前記比較ステップにおいて、取得された対象とするセルまたはマクロの駆動能力が、その対象とするセルまたはマクロと接続先のセルまたはマクロとの間の距離に基づく配線の抵抗より小さい場合に、単位長さ当たりの抵抗値が小さい配線を持つ配線層の間で該対象とするセルまたはマクロの配線端子の延長先の配線層を設定する、ことを特徴とする付記10記載の端子層設定プログラム。
(付記17) 対象とするセルまたはマクロが所定数以上の接続先のセルまたはマクロに接続されているかを判定するステップと、
所定数以上であると判定された場合には、単位長さ当たりの配線容量が小さい配線を持つ配線層の間で該対象とするセルまたはマクロの配線端子の延長先の配線層を設定するステップと、をさらに備えることを特徴とする付記10記載の端子層設定プログラム。
(付記18) 取得した情報に基づいて、該セルまたはマクロと接続先のセルまたはマクロ間の配線が密集している前記基板上のエリアを特定するステップと、
配線が密集していると判定されたエリア内に含まれるセルまたはマクロについて、そのセルまたはマクロの延長先の配線層を前記複数の配線層の間で分散して設定するステップと、を備えることを特徴とする付記10記載の端子層設定プログラム。
(付記19) 複数の配線層を有する半導体回路の端子層をコンピュータに設定させるプログラムにおいて、
前記半導体回路を構成するとともに、基板上に搭載される複数のセルまたはマクロに関する配置情報などの各種情報を前記コンピュータの記憶手段から取得するステップと、
取得した情報に基づいて所定のロジックを用いて前記複数のセルまたはマクロの配線端子の延長先の配線層である端子層を前記複数の配線層中にバランスよく配分するように設定するとともに、前記複数のセルまたはマクロの配線端子を延長先として設定された配線層まで最短のパスで延長するステップと、を前記コンピュータに実行させることを特徴とする端子層設定プログラム。
(付記20) 複数の配線層を有する半導体回路を構成する、セルまたはマクロの配線端子の延長先の層である端子層を設定する際に用いられる端子延長用コンポーネントにおいて、
対象とするセルまたはマクロの配線端子を、そのセルまたはマクロの搭載された面の法線方向に延長するのに用いられるとともに、ビアと該ビアとの接触を十分可能とした長さを有する配線とを備えることを特徴とする端子延長用コンポーネント。
(付記21) 前記ビアのビア径と前記接触を十分可能とした長さとは、配線層の配線の寸法に応じて設定されることを特徴とする付記20記載の端子延長用コンポーネント。
3、4 セミ・グローバル層
5、6 グローバル層
10、15 端子層設定部
11 情報取得部
12 比較・決定部
13 最短パス指定部
20 配線端子延長処理部
21 延長処理部
31、35、44、48、53 端子延長用コンポーネント
32、36、42、46、51、63、64 ビア
33、37、43、47、52 最小突き出し長さを持つ配線
61、62、65、81、82 回路
71、72 配線端子
Claims (5)
- 複数の配線層を有する半導体回路の端子層をコンピュータが設定する方法において、
前記半導体回路を構成するとともに、基板上に搭載される複数のセルまたはマクロに関する配置情報などの各種情報を前記コンピュータの記憶手段から取得し、
前記取得した情報に含まれる対象とするセルまたはマクロの駆動能力と、その対象とするセルまたはマクロと接続先のセルまたはマクロとを接続する配線の抵抗値とを比較し、
前記比較の結果に基づいて該対象とするセルまたはマクロの配線端子の延長先の配線層である端子層を設定し、
ビアと、該ビアとの接触を十分可能とした長さであって配線の寸法が大きい配線層では長く配線の寸法が小さい配線層では短い突き出し長さを有する直線状の配線とから構成される、前記複数の配線層にそれぞれ対応する寸法の端子延長用コンポーネントを、その対象とするセルまたはマクロの搭載された面の法線方向に2個以上追加することで、その対象とするセルまたはマクロの配線端子を延長先として設定された配線層まで延長する、ことを特徴とする端子層設定方法。 - 前記比較の結果において、取得された対象とするセルまたはマクロの駆動能力が、その対象とするセルまたはマクロと接続先のセルまたはマクロとの間の距離に基づく配線の抵抗より小さい場合に、単位長さ当たりの抵抗値が小さい配線を持つ配線層の間で該対象とするセルまたはマクロの配線端子の延長先の配線層を設定し、該設定された配線層まで延長するのに必要な前記端子延長用コンポーネントの数を設定する、ことを特徴とする請求項1記載の端子層設定方法。
- 対象とするセルまたはマクロが所定数以上の接続先のセルまたはマクロに接続されているかを判定し、
所定数以上であると判定された場合には、単位長さ当たりの配線容量が小さい配線を持つ配線層の間で該対象とするセルまたはマクロの配線端子の延長先の配線層を設定し、該設定された配線層まで延長するのに必要な前記端子延長用コンポーネントの数を設定する、ことを特徴とする請求項1記載の端子層設定方法。 - 取得した情報に基づいて、該セルまたはマクロと接続先のセルまたはマクロ間の配線が密集している前記基板上のエリアを特定し、
配線が密集していると判定されたエリア内に含まれるセルまたはマクロについて、そのセルまたはマクロの延長先の配線層を前記複数の配線層の間で分散して設定し、該設定された複数の配線層まで延長するのに必要な前記端子延長用コンポーネントの数をそれぞれ設定する、ことを特徴とする請求項1記載の端子層設定方法。 - 複数の配線層を有する半導体回路の端子層をコンピュータに設定させるプログラムにおいて、
前記半導体回路を構成するとともに、基板上に搭載される複数のセルまたはマクロに関する配置情報などの各種情報を前記コンピュータの記憶手段から取得するステップと、
前記取得した情報に含まれる対象とするセルまたはマクロの駆動能力と、その対象とするセルまたはマクロと接続先のセルまたはマクロとを接続する配線の抵抗値とを比較するステップと、
前記比較の結果に基づいて該対象とするセルまたはマクロの配線端子の延長先の配線層である端子層を設定するステップと、
ビアと、該ビアとの接触を十分可能とした長さであって配線の寸法が大きい配線層では長く配線の寸法が小さい配線層では短い突き出し長さを有する直線状の配線とから構成される、前記複数の配線層にそれぞれ対応する寸法の端子延長用コンポーネントを、その対象とするセルまたはマクロの搭載された面の法線方向に2個以上追加することで、その対象とするセルまたはマクロの配線端子を延長先として設定された配線層まで延長するステップと、を前記コンピュータに実行させることを特徴とする端子層設定プログラム。
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