JP4739921B2 - 入浴リフト装置 - Google Patents

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Description

本発明は、入浴リフト装置に関し、特に、入浴者を洗い場から浴槽上に移動させ、さらに昇降させて浴槽内へ入浴させる入浴リフト装置に関する。
本出願人は、特許文献1、特許文献2、特許文献3又は特許文献4に開示されたような入浴介護補助装置を提案している。
特許文献1の図1及び図10に示された一実施例には、本体部分(補助力発生部分)がネジ機構を基本として構成され、補助力を伝達するアームがロッドを介して座席に連結され、この座席が昇降レールによって案内されることによって、座席の昇降に必要な鉛直方向の力を得るように構成された入浴介護補助装置が提案されている。
特許文献2の図1に示された一実施例には、本体部分(補助力発生部分)と座席がリンク機構を介して接続され、レバーの操作によって座席の昇降が可能な、座席片持ち吊上げ式のシンプルな構造の入浴介護補助装置が提案されている。
特許文献3の図1及び図4に示された一実施例には、本体部分(補助力発生部分)がネジ機構を基本として構成され、座席の昇降装置が倍ストロークを達成できるよう構成され、座席が吊下げられるワイヤが露出している入浴介護補助装置が提案されている。詳細には、操作により揺動するアームの先端に滑車を設け、この滑車に露出したワイヤを掛けて、この露出したワイヤに座席を直接吊上げることにより、座席の倍ストロークを達成している。
特許文献4の図1及び図3に示された一実施例には、座席を吊り下げるアームと、アームの吊下荷重に対応して該吊下荷重を相殺するような力を発生するばねと、吊下荷重とばねの力の差を制するようアームに作用し、操作によりアームを回動させ座席を昇降させるウォームアンドホイール機構とを有する入浴介護補助装置が提案されている。
特許文献5の図1に示された一実施例に係る入浴介護補助装置は、ばね機構(揚力部)及びウォームアンドホイール機構(減速機構)が作用するアームと、座席との間に接続される増ストローク機構を有する。ウォームアンドホイール機構のウォームに接続されたハンドルが操作されることによってアームを揺動させ、座席に着座した入浴者を上下させる。増ストローク機構において、上昇降台はアームにテンションロッドを介して吊下げられ、下昇降台は、上昇降台に対して、上昇降台上の滑子及びそれに縣回されたワイヤを介して懸架されている。上昇降台及び下昇降台には、昇降レール内部を走行する上ローラ及び下ローラがそれぞれ取り付けられている。
特開2001−161780号公報(図1及び図10) 特開2001−17507号公報(図1) 特開2002−301129号公報(図1及び図4) 特開2004−73633号公報(図1及び図3) 特開2005−118105号公報(図1)
例えば、上記特許文献5の入浴介護補助装置においては、昇降レールに案内される昇降台が、上昇降台と下昇降台に分離して構成されている。そのため、装置が大きくなるという問題がある。
本発明の目的は、入浴者が乗る昇降台のストロークを十分に確保しつつ、装置がコンパクト化された入浴リフト装置を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明は、第1の視点において、入浴者が着座する座席(8)と、上下方向に延在する昇降レール(4)と、前記昇降レールが取り付けられ水平方向に移動自在な移動台(1)と、前記昇降レール上で上下方向に昇降するよう設けられ、前記座席が取り付けられる一つの昇降台(7)と、水平方向に延在して、前記昇降レール及び前記昇降台と共に前記移動台の水平方向に沿った移動を案内する移動レール(9)と、少なくとも前記座席に着座した入浴者による吊下荷重が印加され前記移動台に対して揺動するアーム(2a)と、前記移動台上に設置され前記アームに印加される吊下荷重に対応して該吊下荷重を相殺するような力を発生する力発生機構(2)と、前記移動台と前記昇降台との間に前記アームを介して接続され、前記アームの鉛直方向に沿ったストロークに対して前記昇降台の同方向のストロークを増大する増ストローク機構(6)と、前記力発生機構と前記アームの間に接続され該力発生機構が発生する力を用いて該アームを揺動させて該アーム上の前記動滑車用プーリーを介して前記増ストローク機構を駆動する操作機構(3)と、を有し、前記増ストローク機構は、前記アーム上に設けられ揺動する該アームと共に移動する動滑車用プーリー(6a)と、前記移動台ないし前記昇降レール上に設けられた方向変換用プーリー(6b,6c,6d)と、一端が前記移動台に他端が前記昇降台に固定され、中間部が前記動滑車用プーリー及び方向変換用プーリーと前記方向変換用プーリーに懸回されるワイヤ、チェーン又はベルト(以下「ワイヤ等」という)(6e)と、を備え、前記移動台において、前記力発生機構の上部に前記操作機構に入力される操作力を減速するウォームアンドホイール機構(24,25)が配置され、前記ウォームアンドホイール機構の上部に前記操作機構と前記ウォームアンドホイール機構との間に接続されるベベルギア機構(11)が設置され、該移動台の側部に前記昇降レールが取り付けられ、該移動台乃至前記昇降レールの裏側と下側に複数の前記方向変換用プーリーが配置され、該移動台の下部に横行ローラ(9e)が取り付けられる、ことを特徴とする入浴リフト装置を提供する。
好ましくは、前記移動レールは、浴槽の縁部上に載置される載置部(9a)と、前記載置部に屈曲可能に接続され前記浴槽に沿って延伸可能な屈曲部(9b)と、前記屈曲部の先端に取り付けられ前記浴槽内に立設される脚部(9c)と、を備える。
好ましくは、前記昇降台は、昇降台イン(70)と昇降台アウト(71)から構成され、前記昇降台インに設置される上部昇降用ローラ(70a)は前記昇降レールに常時案内され、前記昇降台アウトに設置される下部ローラ(71a)は前記昇降レールから脱離可能に案内される。
なお、この手段に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではない。
本発明の入浴リフト装置は、移動台上に力発生機構(揚力・昇降部)を設置ないし組み付けること、昇降台を一体型にすること、及び、増ストローク機構を前記移動台と前記昇降台との間に配置すること、すなわち、増ストローク機構を装置外まわりに(好ましくは、浴槽と反対側である装置背面)に配置することにより、装置のコンパクト化を達成している。また、本発明の入浴リフト装置は、入浴者が乗る昇降台の増ストロークを達成するための機構を備えているため、介護者の労力を削減することができる。
本発明の好ましい実施の形態を説明する。
本発明の好ましい実施の形態に係る入浴リフト装置は、増ストローク機構を装置まわに配置することにより、移動台及び昇降台をコンパクトに構成することができる。
さらに、好ましくは、昇降台の昇降を円滑にするために昇降ローラを取り付ける。また、ワイヤ等が縣回されるプーリーとしては、滑車(例えば溝付き滑車)、コロのような摺動部材等或いはワイヤとしてチェーンを用いる場合にはスプロケットを用いることができ、ワイヤ等の円滑な繰り出し入れを可能とする種々の部材を用いることができる。
本発明の入浴リフト装置には、本出願人が上記特許文献1〜5に開示した車椅子ないし座席、車椅子と座席間の脱着機構、座席とアームとの脱着機構等を適用することができる。
本発明の好ましい実施の形態に係る入浴介護装置においては、昇降台を水平方向に平行移動又は回転移動することができる。これによって、着座した入浴者を洗い場と浴槽の間を水平方向に移動させることが容易となる。例えば、アームを平行移動させる場合には、浴室に移動レールを架設し、一方、アームを回転移動させる場合には、浴室にポールを架設し、このポールにアームが枢支されている部材を旋回可能に取り付ける。
本発明の好ましい実施の形態に係る入浴リフト装置は、前記増ストローク機構と組合わせられる力発生機構として、回動可能な軸(ホイールシャフト)と、前記軸に装着され、その一端に座席と該座席に着座した入浴者を吊り下げるアームと、前記軸に装着されたホイールと、前記ホイールと噛合し操作機構に接続されるウォームと、前記アームに印加される吊下荷重に対応して該吊下荷重を相殺するような力を発生するばねと、前記ばねに連結されたばね軸と、前記ばね軸と前記ホイールとの間に揺動可能に連結され前記ばね力を前記アームに伝達する揺動軸と、を備え、前記吊下荷重と前記ばね力の差を制するよう前記軸を介して前記アームに作用し、操作により前記軸を介して前記アームを揺動させ前記座席に着座した前記入浴者を上下させるウォームアンドホイール機構と、を有する。
この入浴リフト装置は、アームの吊下荷重を相殺するような力を発生するばねの作用と、前記ウォームアンドホイール機構が発揮する倍力作用により、小さな操作力で動作させることができる。したがって、本発明の好ましい実施の形態に係る入浴介護補助装置は、前記ウォームアンドホイール機構を手動操作することによって、作動する。なお、場合によっては、前記ウォームアンドホイール機構を手動以外の操作方法により駆動することができる。
前記ウォームアンドホイール機構を備えた入浴リフト装置の動作を説明する。この入浴介護補助装置においては、アームの一端に入浴者の体重等による吊下荷重が印加され、該アームの他端に前記吊下荷重に対抗するばね力が作用する。前記アームに作用する前記吊下荷重と前記ばね力の差は、前記ウォームアンドホイール機構によって補償されることにより、前記アームの揺動停止状態が維持される。入浴者を昇降させるときは、前記ウォームアンドホイール機構を介護者等が手動操作等することにより、アームが揺動され入浴者が昇降される。このとき、介護者が手動操作を停止すれば、前記ウォームアンドホイール機構が発揮するセルフロック機構によってアームの揺動は自動的に制止される。
この入浴リフト装置によれば、前記アーム、前記レバーそれぞれに作用する力の軸を回動する力は、揺動アームの角位置、ばね作用のアームの角位置、ばねの伸縮力によって色々に変化するが何れにしても相殺方向で差は小さくなり、手動でも比較的小さな力で容易に前記ウォームアンドホイール機構を操作することができる。
さらに、手動操作の利点を以下に例示する:
(1)微小の調整可能;
(2)前記ウォームアンドホイール機構の操作を止めれば直ちに止まる、すなわち、オーバーランがない;
(3)誤操作は直ちに判断できる;
(4)操作が低速でやさしくできる。
また、この入浴リフト装置によれば、入浴者等が浴槽内に浸漬されているとき、アームには浮力が働き、浴槽外では、アームに浮力は作用せず、アームを揺動させるために必要な力はアームの角度により変化する。他方、アームに作用するばね力は、ばねのリニアーな作用力の変化と、揺動軸の角度の両方に起因して変化する。このように、アームを制止させるために要する力は、浮力の有無及びアームの角度によって変化する。本発明の入浴介護装置によれば、揺動軸を介してアームに作用するばねの作用構造、及び前記ウォームアンドホイール機構によって、前記アームを制止させるために要する力の変化に応じた、力が発生される。
この入浴リフト装置は、構造が簡単で部品点数を少なくすることができ、故障しにくく、保守点検が容易であり、故障箇所が少なく、小さな操作力で操作することができる。また、この入浴介護補助装置によれば、入浴者の体重を支える機構の構造を単純化することが可能であり、入浴者が湯中に漬かることによる浮力が発生して、入浴者の体重等の負荷と、入浴者の体重を支える機構が発生する力との間に不均衡が生じた場合であっても、入浴者が上下動することが防止される。
本発明の入浴リフト装置において、座席及び入浴者を支持し昇降させる力を発生し、或いは操作力を倍力して前記座席及び入浴者を支持し昇降させる力を発生する機構(動力源)には、手動乃至電動、その他適切な方式(水力、油圧など)の機構を用いることができ、例えば、ばね機構、ウォームアンドホイール機構、ネジ機構(ボールネジ機構)及びモータ機構を種々に組合わせて用いることができる。力発生機構の組合わせ例を下記に例示する:
(1)ばね機構+ウォームアンドホイール機構;
(2)ばね機構+ウォームアンドホイール機構+モータ機構;
(3)ばね機構+ネジ機構+モータ機構;
(4)ばね機構+モータ機構;
(5)ウォームアンドホイール機構+モータ機構。
以上説明した本発明の好ましい実施の形態をさらに明確化するために、以下図面を参照して、本発明の一実施例を説明する。
図1は、本発明の一実施例に係る入浴リフト装置の正面図、図2は図1の側面図、図3は図1の上面図である。図4は、移動レールを説明するための側面図である。
図1〜図3を参照すると、本発明の一実施例に係る入浴リフト装置は、入浴者が着座する座席8と、座席8が取り付けられる一つの昇降台7と、昇降台7の昇降を案内する昇降レール4と、昇降レール4が取り付けられる移動台1と、移動台1の移動を案内する移動レール9と、少なくとも座席8に着座した入浴者による吊下荷重が印加され移動台1に対して揺動するアーム2aと、移動台1上に設置されアーム2aに印加される吊下荷重に対応して該吊下荷重を相殺するような力を発生する力発生機構2と、移動台1と昇降台7との間にアーム2aを介して接続され、アーム2aの鉛直方向に沿ったストロークに対して昇降台7の同方向のストロークを増大する増ストローク機構6と、力発生機構2に接続され力発生機構2が発生する力を用いて増ストローク機構6を駆動する操作機構3と、を有する。
増ストローク機構6は、アーム2a上に設けられ揺動するアーム2aと共に移動する第1のプーリー(動滑車用)6aと、移動台1上に設けられた第2のプーリー(方向変換用、アーム2a側取り込み用)6bと、移動台1上に設けられた第3のプーリー(方向変換用、上部送り用)6cと、昇降レール4ないしそれと一体の部材上(昇降台7側)に設けられた第4のプーリー(方向変換用)6dと、一端が移動台1、他端が昇降台7に固定され、中間部が第1のプーリー6aに懸回されると共に、第2〜第4のプーリー6b〜6dによって方向変換されるワイヤ6eと、を備える。ワイヤ6eの動きは、アーム2aと共に移動する第1のプーリー(動滑車用)6aから、次の方向変換用の第3のプーリー6cに入った時点で倍の動きとなる。なお、増ストローク機構6は、基本的に装置外まわり(浴槽と反対側である装置背面側)に配置されている。
特に、図4を参照すると、移動レール9は、浴槽の縁部上に載置される載置部9aと、載置部9aに屈曲可能に接続され浴槽に沿って延伸可能な屈曲部9bと、屈曲部9bの先端に取り付けられ浴槽内に立設される脚部9cと、を備えている。
移動レール9は、さらに、移動台1を昇降レール4及び昇降台7と共に洗い場から浴槽上へ移動(横行)させるため、洗い場から浴槽上に延伸する横行レール9dを備えている。
移動台1において、力発生機構2の上部に操作機構3に入力される操作力を減速するウォームアンドホイール機構(24,25)が配置され、ウォームアンドホイール機構(24,25)の上部に操作機構3とウォームアンドホイール機構(24,25)との間に接続されるベベルギヤ機構11が設置され、該移動台1の側部に昇降レール4が取り付けられ、該移動台1の裏側に第2及び第3のプーリー6b、6cが配置され、該移動台1の下部に第4のプーリー6dが取り付けられている。
昇降台7は、昇降台イン70と昇降台アウト71から構成されている。昇降台イン70に設置される上部ローラ70aは昇降レール4に常時案内され、昇降台アウト71に設置される下部ローラ71aは昇降レール4から脱離可能に案内される。
座席8は、一体化された昇降台イン70と昇降台アウト71にて位置を規制されることにより、左右前後の揺動が防止される。
この入浴リフト装置は、座席8を昇降台7に取り外し可能に係合する係合部80aと、係合部80aを昇降台7にロックする第1のロック機構93、第1のロック機構93をロックする第2のロック機構90と、を有する(図6(A)参照)。
さらに、各部の詳細を説明する。図5は、図1に示した力発生機構等を説明するための要部拡大正面図である。
図5を参照して、力発生機構2、アーム2a、操作機構3及びウォームアンドホイール機構(24,25)について説明する。
アーム2aには、座席8及び座席8に着座した入浴者による吊下荷重が印加される。力発生機構2は、アーム2aに印加される吊下荷重に対応して該吊下荷重を相殺するような力を発生するばね機構21を有する。
ばね機構(揚力部)21は、ウォームアンドホイール機構(減速機構)(24,25)に接続され、アーム2aはホイールシャフト25aに固定され、操作機構3はウォーム24に接続されている。
ウォームアンドホイール機構(24,25)は、前記吊下荷重と前記ばね力の差を制するようアーム2aに対して作用し、ウォームアンドホイール機構(24,25)のウォーム24が固定されたウォームシャフト24aに接続された操作機構3のハンドル30が操作されることによってアーム2aを揺動させ、座席8に着座した入浴者を上下させる。
[ばね機構21]
ばね機構21について詳細に説明する。図5を参照すると、ホイール25には、揺動軸22の一端が装着されている。揺動軸22の他端には、ピン21aを介してばね軸21bが揺動可能に連結されている。ピン21aにはローラ21cが装着されている。ばねケース23には、ローラ21cをばね21dの伸縮方向(ばね軸21bの軸方向)に沿って案内するローラガイド21eが形成されている。この機構によって、ばね21dの寄りがなくばねケース23への接触が発生しない。ばね軸21bには、ばね座21fがナット21gによって位置調整可能に支持されている。ばねケース23内には、ばね受け23aが形成されている。ばね座21f、ばね受け23aの間に、ばねケース23に内蔵されたばね21dが圧縮介装されている。
[ウォームアンドホイール機構(セルフロック機構、減速機構、倍力機構)(24,25)]
ウォームアンドホイール機構(24,25)について詳細に説明する。図5を参照すると、ホイールシャフト25aには、ホイール25が一体回転するよう固定されている。ホイール25にはウォーム24が噛合している。ウォーム24には、ベベルギヤ機構11を介して、操作ハンドル30が連結されている。
[操作機構3]
操作機構3は、ベベルギヤ機構11を介してウォームアンドホイール機構(24,25)のウォーム24を回転可能に接続されている。ベベルギヤ機構11をウォームアンドホイール機構(24,25)の上部に配置することにより、ハンドル30の操作の容易な高さが得られている。
[座席8と昇降台7との係合部、並びに第1及び第2のロック機構]
図6(A)及び(B)は、図1に示した座席と昇降台の結合関係を説明するための図であって、(A)は初期状態を示す正面図、(B)は座席ロック状態を示す正面図である。図7(A)は、図6(A)の上面図であり、図7(B)は、図7(A)の要部拡大図である。図8(A)は、図6(A)の要部上面模式図であり、図8(B)は、図6(A)の要部正面模式図であり、図8(C)は、図6(B)の要部上面模式図であり、図8(D)は、図6(B)の要部正面模式図である。図9は、図8(A)のIX矢視図である。
(係合部)
図6(A)及び図6(B)を参照すると、座席8の両側部にはハンガー80、80が形成され、ハンガー80、80の間にリフトバー(係合部)80aが左右方向に延在している。一方、昇降台7は、座席8のリフトバー80aを受けて支持するハンガーホルダー81と、ハンガーホルダー81に支持されたリフトバー80aをロックするロックプレート82と、ロックプレート82を初期位置とロック位置の間で上下させるロックバー83と、を有している。
(第1のロック機構:スライドパイプ84の上昇を制止する機構)
図6(A)〜図9を参照すると、第1のロック機構は、鉛直方向に延在するロックバー83と、鉛直方向に延在しロックバー83が挿入されているスライドパイプ84と、ロックバー83をスライドパイプ84にレバー取付リング85を挟んで共締めする段付ネジ86と、スライドパイプ84を上方に押し上げるないし付勢する圧縮ばね87と、ロックベース91に形成されスライドパイプ84が入る穴92aと、スライドパイプ84の外周面に形成され半径方向外方に突出するストッパー88と、ストッパー88を鉛直方向に案内する第1のガイドプレート(平行ガイドプレート)94と、スライドパイプ84の外周面に形成され周方向に延在し第1のガイドプレート94を通過したストッパー88の上面が当接してストッパー88を介してスライドパイプ84の上方への移動を制止する第2のガイドプレート95と、スライドパイプ84の外周面に形成され第1のガイドプレート94の一方と対向して鉛直方向に延在し且つ第1のガイドプレート94を通過したストッパー88の回転位置を規定する第3のガイドプレート96と、DLバー90と一体のロックレバー93と、を有する。
(第2のロック機構:スライドパイプ84の回転を制止する機構、ロック位置保持機構)
図6(A)〜図9を参照すると、第2のロック機構は、前記レバー取付リング85に固定されたDLホルダー89と、DLホルダー89に上下摺動可能に取り付けられたDLバー90と、DLバー90に取り付けられたボールノブ90aと、昇降台7に固定されたロックベース91と、ロックベース91に形成されDLバー90が入る穴92bと、を有する。DLバー90は、スライドパイプ84の回転に伴ってスライドパイプ84の周りを惑星運動し、スライドパイプ84に対して上下摺動自在である。
結局、ロックレバー93は、初期位置で圧縮バネ87によって上方に付勢されている。ロックレバー93は、この初期位置から押し下げられた後で所定方向に回転されるとスライドパイプ84に固定されているストッパー88が第2のガイドプレート95と係合する(第1のロック機構)。同時に、スライドパイプ84と平行に延在しているDLバー90が自重により穴92bに入ることにより(第2のロック機構)、ストッパー88及びスライドパイプ84の回転が阻止され、スライドパイプ84は初期状態から所定角度回転したロック状態を保つ。すなわち、座席8のリフトバー80aが昇降台7のロックプレート82に係合された状態は、第1及び第2のロック機構によるダブルロックによって確実に保持される。
図1〜図9を参照して、以上説明した本発明の一実施例に係る入浴リフト装置の操作方法及び動作を説明する。
まず、介護者は、車椅子等により運ばれてきた座席8を昇降台7に係合させる。すなわち、介護者は、座席8のリフトバー80aを昇降台7側のハンガーホルダー81に掛け、ロックレバー93を押し下げ約45度手前に回すとロックレバー93の上昇は止められる。ロックバー83と一体のロックプレート82によりリフトバー80aがハンガーホルダー81にロックされる。
ロックレバー93を押し下げ約45度手前に回した時、DLバー90が穴92bに挿入されることにより、ロックレバー93の回転は阻止される。
このロック状態を解除するには、介護者は、ボールノブ90aを持ち上げて、DLバー90を穴92bから抜いてロックレバー93を回転可能な状態とする。この状態から、介護者は、ロックレバー93を解除側に回転させると、ストッパー88と第2のガイドプレート95の係合が解除されてストッパー88が第1のガイドプレート94の間を通って上昇可能となることにより、ロックプレート82は圧縮ばね87により持ち上がる。
このようにして座席8が昇降台7に係合された後、介護者は座席8に入浴者を載せ、入浴者と共に移動体1を洗い場から浴槽上で移動させる。移動体1には横行レール9d上を移動する横行ローラ9eが取り付けられており、介護者は少ない力で入浴者を浴槽上へ移動することができる。
入浴者が浴槽上へ移動すると、介護者は、昇降台7を下降操作して入浴者を浴槽内に入れる。すなわち、介護者は、ハンドル30を昇降台7が下降する回転操作すると、ベベルギヤ機構11を介して、ウォーム24及びそれと噛合するホイール25が回転駆動される。ホイール25には、揺動軸22等を介してばね21dとばね力が印加されている。このばね力は、アーム2a及びホイールシャフト25aを介してホイール25に印加されている入浴者の体重等に抗して、ハンドル30の回転操作を軽くする方向に作用している。したがって、介護者は軽い力で、昇降台7を下降させ、入浴者を浴槽内に入れることができる。
また、増ストローク機構6の作用によって、アーム2aの揺動に伴い昇降台7が昇降するとき、動滑車の原理により、昇降台7は倍ストロークで昇降する。したがって、介護者は、少ない操作で入浴者を浴槽内に入れることができる。
昇降台7の昇降時は、座席8は昇降台イン70と昇降台アウト71にて位置を規制されていることにより、左右前後の揺動が防止されている。昇降台アウト71は、昇降台イン70に上部ローラ70aの取付ピンを介して結合されており、昇降台7が所定位置まで下降すると、上部ローラ70aは昇降レール4上に残り、昇降台アウト71側の下部ローラ71aは昇降レール4から外れて、傾斜している浴槽の内面と接触し、前記取付ピンを支点として前方に押し出され、座席8のストロークは安定的に維持される。このような構造によって、座席8の安定化と昇降レール4の短縮・小型化が達成されている。
本発明の入浴リフト装置は、特別の動力源を必要としないよう構成できるため、既設の浴室、例えば、一般家庭の浴室に好適に適用される。また、本発明の入浴リフト装置は、介護施設にも好適に適用される。
本発明の一実施例に係る入浴リフト装置の正面図である。 図1の側面図である。 図1の上面図である。 移動レールを説明するための正面図である。 図1に示した力発生機構等を説明するための要部拡大正面図である。 (A)及び(B)は、図1に示した座席と昇降台の結合関係を説明するための図であって、(A)は初期状態を示す正面図、(B)は座席ロック状態を示す正面図である。 (A)は、図6(A)の上面図であり、(B)は、(A)の要部拡大図である。 (A)は図6(A)の要部上面模式図であり、(B)は図6(A)の要部正面模式図であり、(C)は図6(B)の要部上面模式図であり、(D)は図6(B)の要部正面模式図である。 図8(A)のIX矢視図である。
符号の説明
1 移動台
2 力発生機構
2a アーム
3 操作機構
4 昇降レール
6 増ストローク機構
6a 第1のプーリー(動滑車用)
6b 第2のプーリー(方向変換用)
6c 第3のプーリー(方向変換用)
6d 第4のプーリー(方向変換用)
6e ワイヤ
7 昇降台
8 座席
9 移動レール
9a 載置部
9b 屈曲部
9c 脚部
9d 横行レール
9e 横行ローラ
11 ベベルギヤ機構
21 ばね機構
21a ピン
21b ばね軸
21c ローラ
21d ばね
21e ローラガイド
21f ばね座
21g ナット
22 揺動軸
23 ばねケース
23a ばね受け
(24,25) ウォームアンドホイール機構
24 ウォーム
24a ウォームシャフト
25 ホイール
25a ホイールシャフト(軸)
30 ハンドル
70 昇降台イン
70a 上部ローラ
71 昇降台アウト
71a 下部ローラ
80 ハンガー
80a リフトバー(係合部)
81 ハンガーホルダー
82 ロックプレート
83 ロックバー
84 スライドパイプ
85 レバー取付リング
86 段付ネジ
87 圧縮ばね
88 ストッパー
89 DLホルダー
90 DLバー(第2のロック機構)
90a ボールノブ
91 ロックベース
92a、92b 穴
93 ロックレバー(第1のロック機構)
94 第1のガイドプレート(平行ガイドプレート)
95 第2のガイドプレート
96 第3のガイドプレート

Claims (3)

  1. 入浴者が着座する座席と、
    上下方向に延在する昇降レールと、
    前記昇降レールが取り付けられ水平方向に移動自在な移動台と、
    前記昇降レール上で上下方向に昇降するよう設けられ、前記座席が取り付けられる一つの昇降台と、
    水平方向に延在して、前記昇降レール及び前記昇降台と共に前記移動台の水平方向に沿った移動を案内する移動レールと、
    少なくとも前記座席に着座した入浴者による吊下荷重が印加され前記移動台に対して揺動するアームと、
    前記移動台上に設置され前記アームに印加される吊下荷重に対応して該吊下荷重を相殺するような力を発生する力発生機構と、
    前記移動台と前記昇降台との間に前記アームを介して接続され、前記アームの鉛直方向に沿ったストロークに対して前記昇降台の同方向のストロークを増大する増ストローク機構と、
    前記力発生機構と前記アームの間に接続され該力発生機構が発生する力を用いて該アームを揺動させて該アーム上の前記動滑車用プーリーを介して前記増ストローク機構を駆動する操作機構と、を有し、
    前記増ストローク機構は、
    前記アーム上に設けられ揺動する該アームと共に移動する動滑車用プーリーと、
    前記移動台ないし前記昇降レール上に設けられた方向変換用プーリーと、
    一端が前記移動台に他端が前記昇降台に固定され、中間部が前記動滑車用プーリー及び方向変換用プーリーと前記方向変換用プーリーに懸回されるワイヤ、チェーン又はベルト(以下「ワイヤ等」という)と、
    を備え、
    前記移動台において、前記力発生機構の上部に前記操作機構に入力される操作力を減速するウォームアンドホイール機構が配置され、前記ウォームアンドホイール機構の上部に前記操作機構と前記ウォームアンドホイール機構との間に接続されるベベルギア機構が設置され、該移動台の側部に前記昇降レールが取り付けられ、該移動台乃至前記昇降レールの裏側と下側に複数の前記方向変換用プーリーが配置され、該移動台の下部に横行ローラが取り付けられる、ことを特徴とする入浴リフト装置。
  2. 前記移動レールは、浴槽の縁部上に載置される載置部と、前記載置部に屈曲可能に接続され前記浴槽に沿って延伸可能な屈曲部と、前記屈曲部の先端に取り付けられ前記浴槽内に立設される脚部と、を備えることを特徴とする請求項1記載の入浴リフト装置。
  3. 前記昇降台は、昇降台インと昇降台アウトから構成され、
    前記昇降台インに設置される上部昇降用ローラは前記昇降レールに常時案内され、
    前記昇降台アウトに設置される下部ローラは前記昇降レールから脱離可能に案内される、ことを特徴とする請求項1記載の入浴リフト装置。
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