JP2005211695A - 入浴介助装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
入浴介助装置において、揺れることなく安定して昇降し、昇降中に背中がすれる心配のない改良装置を提供することを課題とする。
【解決手段】
介助対象者を座らせる座面と、前記座面を昇降する昇降機構と、昇降機構を配設し浴槽のリムに載せることのできるケースとからなり、前記座面を浴槽内の湯面上方から湯中へ昇降させることで、介助対象者の入浴を促す入浴介助装置において、 前記ケースを支えるリムに連続する浴槽の壁面にころがり接触する回転体若しくはすべり接触する摺動体を、前記座面の背中側に設け、浴槽の壁面をガイド面にして前記座面を昇降させるように構成した。
【選択図】 図8

Description

本発明は、入浴介助装置に関するものである。
国民の長寿命化に伴って高齢者用介助設備の充実が社会的に要請され、その一環として入浴介助装置が実用化されるに至った。この入浴介助装置は、高齢者のみならず身体障害者にも有用であることは言うまでもない。
従来、介助対象者が座った状態で、座面を浴槽の湯面上方から湯中へ昇降させる装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2000-70322公報(図7) 特開2000-237272公報
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図17は従来の技術の基本構成を説明する図であり、(a)は入浴前若しくは入浴後、(b)は入浴中の状態を示す。
(a)に示すとおりに、浴槽101の縁にベース枠102及び脚部103、103(手前の脚部は不図示)を載置し、これらの脚部103、103に吊持部材を介して座面104を昇降可能に保持させ、ベース枠102に内蔵した巻き上げ機構により、座面104を昇降させることができるようにしたものである。
(b)は入浴中の状態を示し、105、105は吊持部材、106は背もたれ部であり、入浴中に入浴者107は、背中108を背もたれ部106に当てることができ、リラックスすることができる。
又、特許文献1の図8には、座部(7)(特許文献に添付の図面を引用した場合には符号に括弧を付す。以下同様。)と背もたれ部(60)との間にリンク部材(63)を渡し、このリンク部材(63)により座部(7)の揺れを防止する構造が示されている。
しかしながら、揺れの防止のためにリンク部材(63)のような複雑な機構を必要としているため、装置が複雑になり、又、背もたれ部(60)が常時湯中にあることからリンク部材(63)や背もたれ部(60)に汚れの付着や錆の発生等の恐れや、固着して動きが悪くなったり、動かなくなるといった恐れがある。
又、図17(a)から(b)に移動する際や、(b)から(a)に移動する際に、入浴者107の背中108が、背もたれ部106に接触して、擦れる虞がある。そのため、入浴者107は、座面104の昇降中は背中108を背もたれ部106から離す必要がある。入浴者107に身体の移動を強いるため、特許文献1の装置は、改良の余地があると言える。
更にまた、特許文献1では背もたれ部106が、常時湯中にあるため汚れが付きやすく、湯を落とさなければ清掃が困難であるため掃除も面倒であり、やはり改良の余地がある。
次に特許文献2について説明する。
特許文献2の図2において、(2)は浴槽、(7)は座部、(8)は、(9)は可撓部材、(14)は回転軸である。回転軸(14)を回すことで可撓部材(9)を介して座部(7)を昇降することができる。
この特許文献2では、背もたれが無いため、介助対象者のことを考えると、座部(8)に背もたれを付加することが望まれる。
図18は特許文献2の検討事項を説明する図であり、可撓部材151、151で吊持した座部152に背もたれ153を設け、この背もたれ153を座部152と共に、浴槽150内を昇降させる構造が考えられる。
可撓部材151、151は可撓性に富むため、座部152の横揺れが発生する虞がある。そのため、例えば背もたれ153の状態がケース154に干渉することや、背もたれ153が浴槽150の壁に接触することがある。干渉や接触が起こると、背もたれ153、座部152若しくは浴槽150に傷が発生することや、背もたれ153が破損するなどの不具合が発生する。加えて、干渉や接触により昇降機構に過大な負荷が作用し、好ましくない。
また、例えば下降の末期に浴槽150のアール部155に座部152の底が干渉することがあり、この干渉が発生すると座部152が傾斜したり、前後に揺れが発生するなど好ましくない。
座部152を前に寄せることで、干渉を回避することができる。しかし、座部152を前に出すと浴槽150が狭くなり、好ましくない。
本発明は、入浴介助装置において、簡単な構造で、座面の揺れを防止し、さらには昇降中に背中がすれる心配がなく且つ清掃が容易な改良装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するために、本発明にかかる入浴介助装置は、介助対象者を座らせる座面と、前記座面を昇降する昇降機構と、昇降機構を配設し浴槽のリムに載せることのできるケースとからなり、前記座面を浴槽内の湯面上方から湯中へ昇降させることで、介助対象者の入浴を促すことを特徴とする。
以下に本発明の好ましい態様につき説明する。
本発明の一形態においては、介助対象者を座らせる座面と、前記座面を昇降する昇降機構と、昇降機構を配設し浴槽のリムに載せることのできるケースとからなり、前記座面を浴槽内の湯面上方から湯中へ昇降させることで、介助対象者の入浴を促す入浴介助装置において、 前記ケースを支えるリムに連続する浴槽の壁面にころがり接触する回転体若しくはすべり接触する摺動体を、前記座面の背中側に設け、浴槽の壁面をガイド面にして前記座面を昇降させるように構成したことを特徴とする。
さらに好ましい形態としては、昇降機構は、座面を吊る吊持部材と、この吊持部材を巻き上げる巻き上げ機構とからなることを特徴とする。
さらに好ましい形態としては、吊持部材は、座面の左右を吊持して座面を昇降させることを特徴とする。
さらに好ましい形態としては、座面は、前記座面に付属する背もたれを有していることを特徴とする。
さらに好ましい形態としては、回転体若しくは摺動体を背もたれに設けて、浴槽の壁面をガイド面にして座面を昇降させるように構成したことを特徴とする。
さらに好ましい形態としては、浴槽内に且つ前記壁面に沿ってガイド部材を配置し、このガイド部材に前記回転体若しくは摺動体を接触させるようにしたことを特徴とする。
さらに好ましい形態としては、ガイド部材は浴槽への取付け時の深さを調整する調整手段を備えていることを特徴とする。
本発明の一形態においては、座面の背中側に回転体若しくは摺動体を設け、この回転体若しくは摺動体を浴槽の壁面に接触させながら、座面を昇降させる。
浴槽の壁面は一般に鉛直に対して傾斜しているので、座面に人が座った上体で座面が浴槽の壁面に接触すると、座面は常に、浴槽壁面の傾斜に応じた力で浴槽の壁面に押付けられ、座面の揺れを防止することが出来る。
本発明の一形態においては、浴槽の壁面が一般に鉛直面に対して傾斜していることに着目し、この様な壁面に回転体若しくは摺動体を接触させることで、座面の横揺れを防止することに成功したものである。
すなわち、壁面に回転体若しくは摺動体を接触させることで、横揺れを防止し、滑らかに座面を昇降させることができ、介助装置の使い勝手性がより高まる。
又、前記回転体若しくは摺動体を座面の背中側に設けているので、この回転体若しくは摺動体と浴槽の間に腕や指などを挟む心配も無い。
さらに、ケースを浴槽のリムに載せているので、ケースのリムへの設置位置を変える事で、浴槽の壁面への接触を自由に変えることが出来る。この為前述した浴槽壁面への押付け力を変えることで座面の揺れの防止効果を調整することも出来る。
又、この様に座面を安定して昇降させるにあたり、リンク機構などの複雑な機構を要しない。従って、浴槽水の汚れや湯垢などで固着して動かなくなることも無く、構造も簡単で、且つ信頼性の高い昇降機構を提供することが出来る。
さらに好ましい形態としては、前記昇降機構は、前記座面を吊る吊持部材と、この吊持部材を巻き上げる巻き上げ機構とからなることを特徴としている。
座面を吊る吊持部材は、一般に、ドラムに巻き取る都合で可撓性線条部材(ワイヤ、紐、ロープなど)を採用する。可撓性線条部材は巻き取りには好適であるが、反面、座面の横揺れには対処できない。
従って、前述した揺れ防止機構を用いるのが好適である。
又、一般に浴槽の壁面は、洋風浴槽と呼ばれるもののように、背中側が大きく傾斜するものや、和風浴槽と呼ばれるもののように、背中側がほとんど傾斜せずに鉛直状のものの様に様々な形状のものがあるが、本発明のように吊持部材で座面を吊持して、座面の背側を回転体若しくは摺動体で座面を接触させた状態で、座面を昇降させれば、吊持部材が斜め前方に傾斜して、すなわち座面を水平に保ったまま昇降させることができるので、さまざまな形状の浴槽に対して、装置の設置位置を大きく変えなくても対応することが出来、さらに装置を背面側に寄せて設置出来るので、浴槽を広く使うことが出来る。
さらに好ましい形態としては、前記吊持部材は、前記座面の左右を吊持して前記座面を昇降させることを特徴としている。従って、座面の左右の吊持と座面の後ろの回転体若しくは摺動体の接触による3方向の座面のガイドにより、確実に座面の揺れを防止することが出来る。
さらに好ましい形態としては、前記座面は、前記座面に付属する背もたれを有していることを特徴としている。従って、背もたれは、使用時にのみ湯中にあるため汚れにくい。また、万一汚れたとしても、上方待機中であれば、簡単に洗うことができる。又、背もたれが座面と一緒に昇降するため、入浴者の背中が浴槽の壁面に接触する心配はなく、背中が擦れる心配もない。
又、座面に座った状態で、背もたれに寄り掛かることが可能となり、昇降中の姿勢の安定性が保たれる。さらに、背もたれに寄り掛かると背側に設けた前記回転体若しくは摺動体への荷重が増加するので、座面の揺れが納まって安定する。
又、前記回転体若しくは摺動体を前記背もたれの背面側に設けることが出来るので、使用者が背もたれに寄り掛かった際に、前記回転体若しくは摺動体と浴槽の間に背中を挟まれるといった不具合も生じない。
さらに好ましい形態としては、前記回転体若しくは摺動体を前記背もたれに設けて、前記浴槽の壁面をガイド面にして前記座面を昇降させるように構成したことを特徴としている。従って、背もたれに寄り掛かった場合であっても、背もたれと浴槽の壁面が接触するのを防ぐことが出来、背もたれが浴槽の壁面に接触し、壁面に傷をつける心配がない。
また、座面の左右の吊持と座面の後ろの回転体若しくは摺動体の接触による3方向の座面のガイドにより、確実に座面の揺れを防止することが出来る。
さらに、背もたれに回転体若しくは摺動体を設けているので、背もたれを壁面に倣って傾斜する場合、浴槽の壁面の傾斜等に影響を受けずに自由に背もたれを傾斜させることができる。
さらに好ましい形態としては、浴槽内に且つ壁面に沿ってガイド部材を配置し、このガイド部材に回転体若しくは摺動体を接触させるようにした。
浴槽の壁面に繰り返し摺動体を接触させると、壁面に擦り傷が発生する可能性がある。
また、ガイド部材を別に設けたので、浴槽の壁面に傷が付く心配はない。
又、浴槽の壁面の傾斜が少なくても、前記ガイド部材によって強制的に浴槽の傾斜の度合いを調整することが出来る。例えば、ガイドを浴槽の壁面の傾斜よりも斜めに設置して、ガイドの傾斜を強くすれば、座面の安定性を高めたり、ガイドの傾斜分だけ座面に付属させる背もたれを、壁面に倣って傾斜させることができ、リクライニング性能を確保することができる。
ガイドの傾斜を緩やかにして設置した場合、装置を浴槽の背側の壁面側に設置することが出来、浴槽を広く使うことが出来る。
さらに好ましい形態としては、前記ガイド部材は浴槽への取付け時の深さを調整する調整手段を備えていることを特徴としている。従って、前記ガイド部材の取付け深さを調整することで、様々な深さの浴槽に本発明の入浴介助装置を用いることが出来る。又、前述した様に、浴槽の壁面に合せてガイド部材の取付け時の傾斜を換えるときにもガイド部材の深さを調整出来る。この場合、必ず浴槽の底にガイド部材を当てることが出来るので、ガイド部材を安定して取付けることが出来る。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
図1は本発明に係る入浴介助装置を備えた浴槽の断面図であり、入浴介助装置10は、介助対象者を座らせる座面11、この座面11の付属物であるアームレスト12及び背もたれ13と、座面11を支える座面支持部材14と、この座面支持部材14を吊るワイヤなどの吊持部材15、15と、吊持部材15、15を巻き上げる巻き上げ機構30と、この巻き上げ機構30を収納すると共に浴槽16のリム17に載せることのできるケース31とからなる。
なお、アームレスト12及び背もたれ13は、座面11から除いても本発明の目的は達成可能である。
また、巻き上げ機構30は、座面11を昇降させる昇降機構であれば構造、形式、種類は問わないが、その具体例の詳細構成は後述する。また、座面支持部材14の背面に設けた回転体53についても後述する。
図2は本発明に係る入浴介助装置を備えた浴槽の平面図であり、平面視コ字形状のケース31を、リム17に載せることで、入浴介助装置10を浴槽16に備えたことを示す。
図3は本発明に係る巻き上げ機構の構成図であり、巻き上げ機構30は、バッテリ32の給電により作動するモータ33と、このモータ33の回転速度を減速する減速機34と、この減速機34の出力軸に取付けたドラム35と、このドラム35に巻付けた吊持部材としてのワイヤ15・・・(・・・は複数を示す。以下同じ)と、これらのワイヤ15・・・を案内するガイド滑車36・・・と、ワイヤ15・・・の先に渡した左右のシャフト37、37と、これらのシャフト37、37が上限位置にあることを検出する上限位置検出センサ38、38と、ワイヤ15の途中、実施例ではドラム35の近傍に配置した吊持
部材緩み検出手段39と、これらを一括して収納するカバー31とからなる。
吊持部材緩み検出手段39の具体例は後述する。
モータ33を駆動源としてドラム35を巻き取り方向に回すことで、ワイヤ15・・・を巻き取り、シャフト37、37を上昇させることができる。モータ33を駆動源としてドラム35を巻き戻し方向に回すことで、ワイヤ15・・・を繰り出し、シャフト37、37を下降させることができる。図1に示すとおりに、この様なシャフト37、37に座面支持部材14を掛け渡すことで、座面11を実線位置から想像線位置へ下降させることができる。
図4は本発明に係る吊持部材緩み検出手段の原理的構成図であり、吊持部材緩み検出手段39は、例えばスイッチケース41にオンオフ接点を内蔵し、センサレバー42を延出し、このセンサレバー42を一方向へスプリング(スイッチケース41に内装)で付勢した機械式リミットスイッチである。ワイヤ15が緊張しているときには、スプリングの付勢力に抗して押し上げられる。この状態を正常とする。
図5は本発明に係る吊持部材緩み検出手段の作動図であり、ワイヤ15が緩んだ場合には、スプリングの付勢力によりセンサレバー42がワイヤ15側にスイングする。センサレバー42がスイングしたことにより、内蔵の接点が切り替わって、その電気的信号を発する。この電気信号をワイヤ15が緩んだことと認識させることで、ワイヤ15の緩みを検出することができる。
なお、吊持部材緩み検出手段39は、ロッドが出入りするプッシュロッド型リミットスイッチであったもよく、ワイヤ15の張力を監視できるセンサであれば種類は問わない。
図6は本発明に係る回転体の取付け状態を示す斜視図であり、座面11の付属物の一つである座面支持部材14の背面に左右一対のブラケット51、51を取付け、これらのブラケット51、51に水平軸52を渡し、この水平軸52に円筒状の回転体53を取付け、この回転体53を、ケース31に最も近い壁面18にころがり接触させたことを示す。
図7は図6の作用図であり、ワイヤ15・・・を繰り出すことで、座面11、アームレスト12及び背もたれ13が座面支持部材14とともに下がり、この下がる過程で回転体53が壁面18に接触し続ける。そのため、座面11の下降は滑らかに実施される。
加えて、背もたれ13が座面11と一緒に昇降するため、入浴者の背中が浴槽16の壁面18に接触する心配はない。
又、この様に座面を安定して昇降させるにあたり、リンク機構などの複雑な機構を要しないので、簡単に且つ信頼性の高い昇降機構を提供することが出来る。
なお、浴槽16は、壁面18を傾斜させ、リム17側が広口になるものが普通に採用される。そこで、壁面18に回転体53を接触させることで、座面11の横揺れを防止するこができる。
実施例では、回転体53は、座面支持部材14の背面に設けたが、座面11の背面に直接的に取付けることや、背もたれ13の下部に取付けることもできる。
また、回転体53は、壁面18にすべり接触させる摺動体であっても差し支えない。
そこで、本発明では、ケース31を支えるリム17に連続する浴槽の壁面18にころがり接触する回転体53若しくはすべり接触する摺動体を、座面11に又は座面11に付属する付属物(背もたれ13、座面支持部材14など座面11と共に上下する部材)に付設し、浴槽の壁面18をガイド面にして座面11及び背もたれ13を昇降させるように構成した。
ただし、浴槽の壁面18に繰り返し摺動体を接触させると、壁面18に擦り傷が発生する可能性がある。その対策を別実施例で説明する。
図8は図6の別実施例図であり、図6と共通部分は図6の符号を流用し、詳細な説明は省略する。
すなわち、この別実施例は、浴槽16内に且つ壁面18に沿ってガイド部材55を配置し、このガイド部材55に回転体53又は摺動体を接触させるようにしたことを特徴とする。例えば、ガイド部材55は、上部をケース31に止め、下部を吸盤56の付いたステー57で壁面18に止めてなる縦長のプレートである。
図9は図8の作用図であり、ワイヤ15・・・を繰り出すことで、座面11、アームレスト12及び背もたれ13が座面支持部材14とともに下がり、この下がる過程で回転体53がガイド部材55に接触し続ける。そのため、座面11の下降は滑らかに実施される。
加えて、背もたれ13が座面11と一緒に昇降するため、入浴者の背中が浴槽16の壁面18に接触する心配はない。
さらに、ガイド部材55の採用により、壁面18の傷付きを防止することができる。
次に本発明に係る別実施例を説明する。
図10は図6の別実施例図であり、入浴介助装置10は、座面11と、この座面11に付属した背もたれ13と、座面11を支える座面支持部材14と、前記背もたれ13を吊持するワイヤなどの吊持部材15と、この吊持部材15を案内するガイド滑車36と、このガイド滑車36で案内された吊持部材15を巻き上げるドラム35と、このドラム35を駆動するモータ33と、モータ33及びドラム35を収納するケース31とを基本構成とする装置であり、さらに座面支持部材14に、左側面ローラ61と、右側面ローラ62と、背面ローラ63とからなる回転体を備えた、且つ1本の吊持部材15により、座面1
1の左右ではなく背中側を吊持したことを特徴とする。
図11は図10の作用説明図である。
(a)において、ケース31の前部下部に上昇位置検出センサ38を備えておき、背面ローラ63が上昇位置検出センサ38に達したときに、この検知信号に基づいて上昇動作を停止させる。
(b)において、ケース31内に吊持部材緩み検出手段39を備えておき、座面支持部材14が浴槽16の底に到達すれば、吊持部材14が緩み、この緩みを吊持部材緩み検出手段39で検出し、下降動作を停止させる。
(a)から(b)へ、又は(b)から(a)へ移行する過程では、背面ローラ63などが浴槽16の壁面にころがり接触し、座面11の横揺れを防止する。従って、吊持部材14の本数や取付け位置は適宜変更可能であると言える。
この時、座面11は下降と共に、図11の左側すなわち前方に移動する。従って、図11(b)の座面11の位置から、真直ぐ垂直に上昇させた場合に比べ、図11の右側すなわち背面又は後方に、ケース31を設置することが出来る。このことは、座面11を浴槽16の壁面に接触させずに、ケース31をリム上の出来るだけ後方に設置出来ることを説明しており、浴槽16を出来るだけ広く使って入浴出来ることを示している。
図12は図6の更なる別実施例の要部を示す図であり、座面11に角度を調整することのできる角度調整機構64を介して背もたれ13を設けると共に、背もたれ13にも上位回転体65を付設し、座面支持部材14(若しくは座面11)に付設する回転体53と合わせて2個の回転体を備えることを特徴とする。
図13は図12の作用説明図であり、背もたれ13をリクライニング側(図右側)へ大きく倒した状態を示し、このときには壁面18から下位の回転体53は離れるが、上位回転体65はころがり接触を継続する。逆に、背もたれ13を立てた場合には、上位回転体65が壁面18から離れるが、下位の回転体53は壁面18にころがり接触する。
同様に、座面11が昇降中に傾いた場合は、下位の回転体53と上位回転体65との少なくとも一方を常に壁面18に当てることができる。
このように、下位の回転体53と上位回転体65を備えたことにより、座面11の傾きに対応させることができると共に、背もたれ13を浴槽の壁面18の傾斜角度によらずに任意のリクライニング角度に設定することができる。
図14は図8の別実施例図であり、平板状のガイド部材55を備えたことにより、背もたれ13を実線の位置から想像線の位置まで自由に角度変更可能であることを示す。
また、壁面18の傾斜角θ1が床に対して90°に近い浴槽16、すなわち傾斜が少ない浴槽16の場合に、θ1より小さな傾斜角θ2でガイド部材55を取付けることにより、背もたれ13のリクライニング性(背もたれ13を任意の角度に倒すことなど)を高めることができる。
又、傾斜角θ2を小さくすることで、座面11がガイド部材55に押付けられる力を大きくすることが出来るので、座面11の安定性を高めることが出来る。
又、ガイド部材55は浴槽の底側に浴槽の底と平行な部分を有しており、この部分にシリコンシートを取付けてあるので、浴槽に傷を付けずにガイド部材55の滑りを防止することが出来る。従って、ガイド部材を安定して固定することが出来る構成になっている。
図15は本発明に係る調整手段を有するガイド部材を備えた浴槽の要部断面図、図16は調整手段を有するガイド部材の分解図である。
図16に示すとおりに、例えばガイド部材55は、上部プレート66と、この上部プレート66に開けた縦長の長孔67と、下部プレート68と、この下部プレート68に開けた縦長の長孔69と、長孔67、69に連通する皿ボルト71と、この皿ボルト71にねじ込むナット72とからなる。
図15に示すとおりに、浴槽16の深さ(具体的にはリム17から底までの高さ)に応じて、長孔67、69、皿ボルト71及びナット72からなる深さ調整手段70を用いて、ガイド部材55の全長を伸縮させることができ、ガイド部材55を確実に浴槽16の底に当てることができ、ガイド部材55の安定性を高めることができ、好ましい。
尚、ガイド部材55は、板、パイプ、丸棒など座面11の昇降中のガイド作用を発揮する物であれば種類、材質は問わない。
本発明の入浴介助装置は、浴槽に常設若しくは後付けする介助装置に好適である。
本発明に係る入浴介助装置を備えた浴槽の断面図である。 本発明に係る入浴介助装置を備えた浴槽の平面図である。 本発明に係る巻き上げ機構の構成図である。 本発明に係る吊持部材緩み検出手段の原理的構成図である。 本発明に係る吊持部材緩み検出手段の作動図である。 本発明に係る回転体の取付け状態を示す斜視図である。 図6の作用図である。 図6の別実施例図である。 図8の作用図である。 図6の別実施例図である。 図10の作用説明図である。 図6の更なる別実施例の要部を示す図である。 図12の作用説明図である。 図8の別実施例図である。 本発明に係る調整手段を有するガイド部材を備えた浴槽の要部断面図である。 調整手段を有するガイド部材の分解図である。 従来の技術の基本構成を説明する図である。 特許文献2の検討事項を説明する図である。
符号の説明
10…入浴介助装置、
11…座面、
13…背もたれ、
14…座面の付属物としての座面支持部材、
15…吊持部材(ワイヤ)、
16…浴槽、
17…リム、
30…巻き上げ機構、
31…ケース、
53…回転体、
55…ガイド部材、
70…深さ調整手段。

Claims (1)

  1. 介助対象者を座らせる座面と、前記座面を昇降する昇降機構と、昇降機構を配設し浴槽のリムに載せることのできるケースとからなり、前記座面を浴槽内の湯面上方から湯中へ昇降させることで、介助対象者の入浴を促すことを特徴とする入浴介助装置。
JP2005124704A 2005-04-22 2005-04-22 入浴介助装置 Pending JP2005211695A (ja)

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