JP2005052323A - トイレ用台装置とトイレシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】 台を収納できることから、トイレ室内の広さを必要とせず、新設のトイレはもちろん既存のトイレに後から設置することができ、さまざまなタイプの間取りに対応でき、車椅子での出入りも困難を生ずることもなく、また、便座に着座時に支障とならないで、着座後は新聞や本を読む際のテーブルと小物を置く台として、要介護者のみでなく健常者にも使えるトイレ用台装置を提供する。
【解決手段】 トイレ空間内に設置される可動する台4であって、使用時は便座1aの前方上側に取付けられ、収納時は、便座1a周囲の壁、天井側に収納される。狭いトイレ空間に使用することができ、台4はテーブルとして使用でき、物置台、メモを書くための台、など多用途に使用でき、収納できることで、出入りの邪魔にならず、車椅子での出入りも容易にすることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、トイレ内に設置される介護などにも使用できるトイレ用台装置とトイレシステムに関する。
従来、介護用のトイレでは、用便の際の着座時や立ち上がり時に、便座の左または右の壁にそって水平または垂直に取り付けられた手摺が用いられていた(例えば特許文献1)。
また、台としては、トイレ内においては便座の左または右の壁に沿って固定取付けられた棚や、上方部に取り付けられた天井棚が用いられていた(例えば特許文献2)。
特開2000−197590 特開2001−212033
従来の壁に沿って取付けられた手摺では、起立の際に、手摺側に全体重がかかるので、体自体が壁側に傾き、介護を必要とする人には自分の腕の力だけでは体を支えるには問題があり、不安定な体勢が生じた。
また、介護する側においても、用便の際のズボンの上げ下げや、おしりを拭く際に体が壁に寄りかかり、不安定な状態となり、介護を必要とする人の体を支えながらの介護では、支えきれないという問題が生じた。
台については、便座に座る際に支障にならないよう、従来のトイレ内のカウンターでは壁に沿って設置されている場合が多くあり、メモを書く際には体をよじらねばならなかった。
そして、従来の棚は、トイレにおいて便座に座した状態で新聞や本を読む場合の台とはならず、使い勝手がよくなかった。さらに、台が側面や天井に設けられているため、便座に座した状態で、眼鏡や鏡などの小物を置くには不便であった。
本発明は上記従来の問題に鑑みて、トイレ室内の広さを必要とせず、既存のトイレに後から設置することができ、さまざまなタイプの間取りに対応でき、車椅子での出入りも困難を生ずることもなく、介護時においては要介護者の体が一方の壁に傾くことのない介護しやすい、トイレ内に設置する介護としても使えるトイレ用台装置を提供することを目的とする。
また、便座に着座時に支障とならないので、着座後は、新聞や本を読む際のテーブルと小物を置く台として要介護者のみでなく健常者にも使えるトイレ用台装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、トイレに設置されるトイレ用台装置において、便器前方の使用位置と収納位置とに可動な台と、この台をトイレに取付ける固定部とを備えるものである。
請求項2の発明は、前記便器は便座を備え、前記台は前記便座の前方上側の使用位置に可動なものである。
請求項3の発明は、前記使用位置は、使用者が便座上方で座した状態で手の届く範囲である。
請求項4の発明は、前記台を前記固定部に回動自在に設けたものである。
請求項5の発明は、前記台は板状体を備えるものである。
請求項6の発明は、固定部は、便器周囲の壁、天井、床面又は便器に設けられているものである。
請求項7の発明は、前記固定部が手摺である。
請求項8の発明は、前記台が固定部に沿ってスライド可能に設けられているものである。
請求項9の発明は、前記台が前記使用位置にあって前記固定部に片側支持で固定されるものである。
請求項10の発明は、前記台が前記使用位置にあって片側又は両側が支え部で支持されるものである。
請求項11の発明は、前記台は、介護用トイレのつかまり台である。
請求項12の発明は、請求項1〜11のいずれか1項に記載のトイレ用台装置と便器とを備えるトイレシステムである。
尚、固定部とは、トイレに固定されていて台の収納時、使用時に、台をトイレに固定しているものをいう。支え部とは、台の使用時にトイレに固定するもので固定部以外をいい、例えば、支え脚や支え台などである。
また、便座上方で座す状態とは、便座に直接座す他に車椅子で便座上方で座した状態をいう。
本発明によれば、台を収納できることから、トイレ室内の広さを必要とせず、新設のトイレはもちろん既存のトイレに後から設置することができ、さまざまなタイプの間取りに対応できる。
そして、台が便座着座後に前面に設置されるので、介護の際にも、要介護者の体が一方の壁に傾くことがなく、台に前倒しの姿勢で全体重をかけることができるので、介護がしやすい。また、台は収納できるので、車椅子の出入りにも困難を生じることもない。
請求項1の構成によれば、狭いトイレ空間に使用することができ、台は例えばテーブルとして使用でき、物置台、メモを書くための台、など多用途に使用でき、収納できることで、出入りの邪魔にならず、車椅子での出入りも容易にすることができる。
また、請求項2の構成によれば、便座を有する便器が椅子の役割をはたし、台をテーブルとして使うことができる。
また、請求項3の構成によれば、便座に座した状態で使用できる。
また、請求項4の構成によれば、固定部に対して台を回動することにより、台を使用位置と収納位置に移動することができる。
また、請求項5の構成によれば、板状体を備えることで、台を介護用のつかまり台、テーブル、物置台など、多用途に使用することができる。
また、請求項6の構成によれば、固定部取り付け位置を壁や天井、床面、便器、便座などにしたことで、トイレの形状に合わせて取付けでき、トイレ室内において邪魔とならず、スペースを広く使うことができる。
また、請求項7の構成によれば、手摺を固定部にしたことで、手摺と台が一体の構造となり、介護用としての機能を向上させることができ、手摺によっても台の積載荷重を支えることができる。
また、請求項8の構成によれば、固定部に対して台をスライドすることにより、台を使用位置と収納位置に移動することができる。
また、請求項9の構成によれば、片側に固定されるため他の側の自由度が増す。
また、請求項10の構成によれば、支え部で固定されるため構造上強固となる。
また、請求項11の発明によれば、台を介護用として使用する場合、台をつかまり台として使用することもでき、また要介護者が台に前倒しで体重をかけることで、中腰姿勢を取り易く、介護する側が容易に着衣の上げ下げやおしり拭きなどの介護を行うことができる。
また、請求項12の構成によれば、要介護者、健常者ともトイレ使用時の機能が増す。
以下、本発明における実施形態ついて、添付図面を参照しながら説明する。
本発明の第1実施例について、図1〜図3を参照しながら説明する。図1においては、手摺6aと回動部2aを一体構造としたトイレ用台装置の使用状態を示す。
図1に示すとおり、トイレ内には便器1が設けられ、この便器1の左右に位置するトイレ側壁Wsに、垂直方向に伸びる手摺6aと水平方向に伸びる手摺6bが設置されており、2本の垂直方向に伸びる手摺6a,6aの間に、台4の回動部2aを設け、この回動部2aは固定部たる手摺6aに回動可能な状態で取り付けられる。そして、この例では、台4は枠体4aと天板4bとを備える。前記トイレは、便器1に便座1aを備える洋式トイレであり、その便器1の後方にはトイレの後面壁Wbが設けられている。
便器1の便座1a着座時に、該便座1aの前面に設置される台4は、前記枠体4aに板状体たる天板4bが着脱自在に支持され、使用状況にあわせ、天板4bを取り外した状態で枠体4aのみを台として手摺の代りに使用することも可能である。
前記枠体4aは棒状のものを略U字形に形成し、両端に前記回動部2aを設けたものであるが、枠体4aの断面形状は丸棒に限らず、四角、楕円でもよく、あるいは、ゴム構造のものを空気で膨らませ、棒状としてもよい。また、天板4bを支える枠体4aの設置の仕方としては、棒状のものを枠状に形成したものに限らず、中心に一本または、複数本を並べてもよく、網目状にクロスして天板4bを支持してもよい。また、天板4bは木板、鋼板、アクリル板、透過性のある板等を使用してもよい。また、天板4bは網目状の板でもよく、ゴム構造のものを空気で膨らませた板でもよく、さらに、枠体そのものが板状体の構造で台を形成してもよい。
枠体4aと天板4bを備えた台4は、使用時には、図1に示すように、使用位置である便座1aの前方上側に位置固定され、不使用時には、回動部2aを中心に上方に回動して、図2に示すように、収納位置である側壁Wsに沿い、この位置で前記手摺6a,6a間に収納される。
台4は着座時においては、側壁Wsに沿った収納状態にあり、便器1の前方は開放され着座の邪魔にならず、便座着座後に台4を可倒すると着座前面に台4が設置される。尚、収納時の台4は手摺として使用できるものとしてもよい。
便器1の前方に設置された台4はテーブルとして使用でき、物置台、メモを書くための台、など多用途に使用でき、また要介護者が使う場合は、台4に前倒しの状態で全体重をかけることで、楽に中腰体勢が取れ、着衣の上げ下げし、用便後の拭き取りができる。
このように発明の台4はトイレの出入りの邪魔にならない。また、台4を介護用のつかまり台として使用したり、物置台として使用したりでき、例えば、トイレで本や新聞を読む際のテーブルとして使用することができる。さらに、頬杖をつく台4として使用したり、メモを取る台4として使用したりして、思索や創造の場として、トイレの時間を有効活用することができる。
このように本実施例では、請求項1に対応して、トイレに設定されるトイレ用台装置において、便器1前方の使用位置と収納位置とに可動な台4と、この台4をトイレに取付ける固定部たる手摺6a,6aとを備えるから、狭いトイレ空間に使用することができ、台4は例えばテーブルとして使用でき、物置台、メモを書くための台、など多用途に使用でき、収納できることで、出入りの邪魔にならず、健常者はもちろん車椅子での出入りも容易にすることができる。
また、このように本実施例では、請求項2に対応して、便器1は便座1aを備え、台4は便座1aの前方上側の使用位置に可動であるから、便座での着座時に支障とならず、着座後は、便器1が椅子の役割をはたし、台4をテーブルとして使うことができる。
また、このように本実施例では、請求項3に対応して、前記使用位置は、使用者が便座1a上方で座した状態で手の届く範囲であり、便座1a上方に座した状態で使用できる。
また、このように本実施例では、請求項4に対応して、台4を固定部たる手摺6a,6aに回動自在に設けたから、手摺6a,6aに対して台4を回動することにより、台4を使用位置と収納位置に移動することができる。
また、このように本実施例では、請求項5に対応して、板状体たる天板4bを備えるから、台4をテーブル、物置台、など、多用途に使用することができる。
また、このように本実施例では、請求項6に対応して、固定部たる手摺6a,6aは、便器1周囲の壁Wsに設けられているから、トイレの形状に合わせて取付けでき、トイレ室内において邪魔とならず、スペースを広く使うことができる。
また、このように本実施例では、請求項7に対応して、固定部が手摺6a,6aであるから、手摺6a,6aと台4が一体と構造となり、介護用としての機能を向上させることができ、手摺6a,6aによっても台4の積載荷重を支えることができる。
また、このように本実施例では、請求項9に対応して、台4が前記使用位置にあって固定部に片側支持で固定されるから、片側に固定されるため他の側の自由度が増す。
また、このように本実施例では、請求項11に対応して、台4は、介護用トイレのつかまり台であるから、台4を介護用として使用する場合、つかまり台として使用することもでき、また要介護者が台4に前倒しで体重をかけることで、中腰姿勢を取り易く、介護する側が容易に着衣の上げ下げやおしり拭きなどの介護を行うことができる。
また、このように本実施例では、請求項12に対応して、トイレ台装置と便器1とを備えるトイレシステムであるから、要介護者、健常者ともトイレ使用時の機能が増す。
図4及び図5は本発明の第2実施形態を示し、上記第1実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、同図に示すとおり、側壁Wsに設置された水平方向に伸びる手摺6bに、回動可能な状態で回動部2a,2aが取り付けられ、回動部2aには枠体4aと一体化された支持部3が固定される。尚、図中Wfは、トイレの前面壁である。また、この例の枠体4aは略長方形形状をなす。尚、支持部3は前記枠体4aと同一材質のものから形成される。
前記枠体4aの基端側に前記回動部2aを設け、該枠体4aの先端側に回動軸21を設けられ、この回動軸21に、支え部たる支え脚11の上端側が連結され、この支え脚11が前記枠体4aに回動可能に設けられている。尚、回動部2aと回動部21の回転中心は相互に平行をなす。
図4に示すように、使用位置において、台4の天板4bは便器1前方で水平に位置し、この台4の使用時においては、枠体4aに回転軸21を介して取付けられた支え脚11によって、台4の積載荷重を手摺6bと共に支え、側壁Wsが支え脚11の開脚を止めるストッパの働きをする。すなわち、支え脚11の下端が側壁Wsに係合して位置固定される。
収納時には、まず、回転軸21を中心として支え脚11が枠体4aの下面側に沿うように回動すると共に、台4と支え脚11とを回動部2aを中心として回動し、両者を側壁Wsに沿った状態で収納する。
このように使用位置から台4を壁Wsに沿う収納位置に収納する場合、回動部2aを中心に台4を上方に回動すると、台4が壁Wsに沿うと共に、支え脚11が回動部21を中心に回動して側壁Wsに沿った台4に沿って収納され、逆に収納位置から台4及び支え脚11を下方に回動し、支え脚11の下端が側壁Wsに係止して台4が使用位置で水平に保持される。
このように本実施例では、請求項1〜7,11及び12に対応して、上記第1実施例と同様な作用・効果を奏し、また、請求項10に対応して、台4が使用位置にあって片側が支え部たる支え脚11で支持されるから、支え脚11で固定されるため構造上強固となる。
また、この例では、台4の基端側を回動部2aにより固定部たる手摺6bに回動可能に連結し、台4の先端側に支え脚11を回動可能に連結し、この支え脚11のストッパたる側壁Wsを備えるから、使用状態で、台4の両側が支持されるため、台4が安定し、また、支え脚11が台4に回動可能に連結されているから、収納時には台4と支え脚11とが重なり合った折畳み状態でコンパクトに収納することができる。
図6及び図7は本発明の第3実施形態を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、同図に示すとおり、側壁Wsに垂直方向に伸びる手摺6aを設定し、この手摺6aに回動部2aにより前記支持部3を水平方向に回動可能に取り付けられ、前記支持部3には、回動部たるラジアル継手23により枠体4aが前記回動部2aの回転方向とほぼ直交方向に回動可能に設けられている。尚、この例では、支持部3は棒状をなす。また、前記回動部2aはスラスト方向の荷重も支持するものであり、また、ラジアル継手23は支持部3のスラスト方向の回転を許容する継手である。そして、この例では、台4は、枠体4aと天板4bと支持部3とを備え、この支持部3が枠体4aに一体に設けられている。
収納時には、まず、ラジアル継手23を介して取り付けられた台4を、支持部3の軸芯を中心に回動し、天板4bを鉛直方向に起きた向きまで回動し、回動部2aにより垂直方向の手摺6aを中心として回動し、台4が側壁Wsに沿った状態に収納される。
このように本実施例では、請求項1〜7,9,11及び12に対応して、上記各実施例と同様な作用・効果を奏し、また、この例では、台4が縦方向の固定部たる手摺6aを中心に水平回動すると共に、ラジアル継手23を中心に回動するため、台4を幅方向に回転して水平の使用位置からほぼ垂直に立てた収納向きとして側壁Wsに収納することができる。
図8及び図9は本発明の第4実施形態を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、同図に示すとおり、便器1の両サイドの側壁Ws,Wsに、台4を支える支え部たる支え台12,12が固定され、便器1の前方に位置する前面壁Wfには固定部2bが固定されており、この固定部2bに回動部2aを設けると共に、前記枠体4aに回動部4cを設け、それら回動部2a,4cとを前後方向の前記支持部3により連結し、これにより台4が前面壁Wfに回動部2aを中心に回動可能が取り付けられている。また、前記前面壁Wfには、枠体4aが着脱自在に係入するストッパ24が設けられている。
収納時には、まず、台4を持ち上げるようにして支え台12から外し、回動部2aを中心に前面壁Wfに向って回動し、前壁Wfに当接した状態で、枠体4aがストッパ24に段発的に係入して固定され、台4は収納位置である壁Wfに沿った状態で収納される。逆に、ストッパ24から枠体4aを外してやれば、下方に回動可能となり、枠体4aの両側を支え台12の上に載置し、台4を使用位置に位置固定できる。
このように本実施例では、請求項1〜6,11及び12に対応して、上記各実施例と同様な作用・効果を奏し、また、このように本実施例では、請求項10に対応して、台4が使用位置にあって両側が支え部たる支え台12,12で支持されるから、構造上強固となる。
また、この例では、便器1の前方左右に、支え部たる支え台12,12を設けたから、使用状態で、台4の両側が支持されるため、台4が安定し、また、収納時には台4及び支持部3が前面壁Wfに沿ってコンパクトに収納することができる。
図10及び図11は本発明の第5実施形態を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、同図に示すとおり、便器1前方の使用位置に設置される枠体4aと天板4bとを備えた台4があり、便器1の両サイドの側壁Ws,Wsには、台4を支える支え部たる支え台12,12が固定され、トイレの天井Tの左右方向一側には固定部2bが固定されており、この固定部2bに回動部2aにより支持部3の上端が回動自在に取り付けられ、この支持部3の下端は前記枠体4aに回動可能に連結されている。また、前面壁Wfには、前記枠体4aが係脱可能なフック型のストッパ24aが設けられている。
収納時には、まず、台4を支え台12から外し、回動部2aを中心に回動し、前面壁Wfに当接した状態で、ストッパ24aを枠体4aが乗り越えるようにしてストッパ24aに固定され、台4は収納位置である壁Wfに沿った状態で収納される。尚、支え台12には図示していながいが、水平方向に台4が滑らないように止め金が付いている構造とするとよい。
このように本実施例では、請求項1〜6及び10〜12に対応して、上記各実施例と同様な作用・効果を奏し、また、この例では、便器1の前方左右に、支え部たる支え台12,12を設けたから、使用状態で、台4の両側が支持されるため、台4が安定し、また、収納時には台4及び支持部3が前面壁Wfに沿ってコンパクトに収納することができ、さらに、固定部2bと台4とを1本の支持部3により連結したから、台装置を設けたトイレ内の空間を広く利用することができる。
図12及び図13は本発明の第6実施形態を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、同図に示すとおり、便器1前方の使用位置に設置される枠体4aと天板4bとを備えた台4があり、便器1の両サイドの側壁Ws,Wsには、台4を支える支え部たる支え台12,12が固定され、天井Tの左右方向一側には固定部2bが設けられている。前記枠体4aは、2本の棒状体を平行に並べてなり、この枠体4aに天板4bを固定して台4を構成している。この固定部2bには自在継手23aにより支持部3の上端が揺動可能に連結され、該支持部3の下端には自在継手23bにより台4の枠体4aが揺動可能に連結されている。尚、前記自在継手23a,23bにはボールジョイントなどが用いられる。
収納時には、まず、台4を支え台12から外し、自在継手23bによって台4を鉛直方向に起きた向きまでに回動し、支持部3は天井Tの固定部2bに取り付けられた自在継手23aを中心に揺動可能となり、台4を側壁Wsに当接して収納することができる。尚、収納状態で台4は図示しないストッパにより位置固定される。尚、支え台12には図示していながいが、水平方向に台4が滑らないように止め金が付いている構造とするとよい。
このように本実施例では、請求項1〜6及び10〜12に対応して、上記各実施例と同様な作用・効果を奏し、また、この例では、使用状態で、台4の両側が支持されるため、台4が安定し、また、収納時には台4が前面壁Wfに沿ってコンパクトに収納することができ、さらに、台4と支持部3を自在継手23bにより連結すると共に、支持部3と固定部2bとを自在継手23aにより連結したから、台4を移動する際の自由度が増し、トイレ内に図示しない洗面台などがある場合でも、使用位置と収納位置間における台4の移動を容易に行うことができる。
図14及び図15は本発明の第7実施形態を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、同図に示すとおり、便器1前方の使用位置に設置される枠体4aと天板4bとを備えた台4があり、便器1の両サイドの側壁Wsには垂直方向に伸びる手摺6a,6aがそれぞれ対をなして設けられ、一方の側壁Wsには水平方向に伸びる手摺6bが設け設けられている。
垂直方向の手摺6aにはスライド部2cが上下方向にスライド可能な状態で取り付けられており、前記枠体4aがスライド部2cに取付けられている。したがって、枠体4の四方に設けたスライド部2c,2c,2c,2cが手摺6a,6a,6a,6aに沿って昇降可能となる。一方の側壁Wsの天井T側と手摺6bの下部には滑車25がそれぞれ設けられ、これら滑車25,25に、紐などの索条体25aを架装すると共に、その索条体25aの両端を前記台4に連結し、昇降操作手段たる索条体25aを操作することにより、台4が手摺6aに沿って上下方向にスライドする。尚、本実施例では、手動で台4を昇降したが、一方の滑車25を動力源により駆動することにより、自動で台4を昇降するようにしてもよい。
収納時には、滑車25によって、台4は上にスライドし、側壁Ws上部に設置されているストッパ24に段発的に係入することによって固定され、収納位置である天井Tに沿った状態で収納される。尚、水平方向の手摺6bのない側では、使用位置で垂直手摺6aに止め用の部材を取付けて、台4が傾斜するのを防止する。また、ない側に水平方向の手摺を取付けて対応してもよい。
このように本実施例では、請求項1〜3,5〜7及び10から12に対応して、上記第各実施例と同様な作用・効果を奏する。
また、このように本実施例では、請求項8に対応して、台4が固定部たる手摺6aに沿ってスライド可能に設けられているから、この例では、台4を昇降して使用位置と収納位置に移動することができる。
図16〜図18は本発明の第8実施形態を示す、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、同図に示すとおり、便器1前方の使用位置に設置された枠体4aと天板4bとを備えた台4があり、便器1の一方の側壁Wsには水平方向に伸びる手摺6bがあり、この手摺6bは水平部61と円弧を描きながら便座前面下方の壁Wfまで延びる湾曲降下部62とを備える。尚、図では、手摺6bが便座1aの前方のみとなっているが便座1aの後方まで延ばしてもよい。
台4の枠体4aの基端側は回動部2aにより手摺6bに回動可能に取り付けられ、前記回動部2aが手摺6bの長さ方向にスライド可能に設けられており、台4が手摺6bに沿ってスライドする。また、前記枠体4aの下部から側壁Wsの手摺6b下に支持脚部27が突設され、この支持脚部27の先端にボール車輪26を取り付けられ、このボール車輪26が側壁Wsに当接して台4の反力を取って台4を水平に保つと共に、台4のスライド時には側壁Wsに転動する。
収納時には、まず、便器1前方に設置された台4を前方に押すと、手摺6bに沿って台4が前方に移動し、さらに、湾曲降下部62において、台4が前面壁Wfに沿う。この場合、回動部2aが手摺6bを軸としてスライドし、このとき枠体4aから延びるボール車輪26をつけた支持脚部27が側壁Wsに転動することによって、台4は傾くことなく、前面壁Wfへスライドすることができ、前面壁Wf手前にて手摺6bの円弧に沿って、台4は垂直方向に立ち上がった状態で収納位置たる前面壁Wfに沿って収納される。また、便器1前方の使用位置において、支持脚部27が台4を支持するから、安定した支持構造が得られる。
このように本実施例では請求項1〜9,11及び12に対応して、上記第1実施例と同様な作用・効果を奏し、また、請求項7に対応して、上記第7実施例と同様な作用・効果を奏し、また、この例では、台4の下部と側壁Wsとの間に支持脚部27を設けたから、スライドする片持ち構造の台4を安定して支持することができ、手摺6bを一方の側面Wsに設けるだけで済む。また、その支持脚部27に側壁Wsに転動する転動手段たるボール車輪26を設けたから、手摺6bに沿って台4を安定してスライドすることができる。
図19及び図20は本発明の第9実施形態を示す、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、同図に示すとおり、便器1の前面に設置された枠体4aと天板4bとを備えた台4がある。また、便器1の両サイドの床には、支え部たる門形の手摺6,6が設けられ、これら手摺6,6の水平部63,63により前記枠体4aの両端が載置状態で支持される。また、便器1の背部両サイドに回動部2a,2aを取り付け、これら回動部2a,2aに支持部3,3の基端が取り付けられ、これら支持部3,3の先端に前記台4が取り付けられ、この台4が前記回動部2a,2aを中心に回動する。尚、支持部3と枠体4aとは固着構造により連結してもよいし、回動構造により回動自在に連結してもよい。尚、手摺63,63には図示していないが、水平方向に台4が滑らないように止め金が付いている構造とするとよい。
収納時には、まず、台4を持ち上げると、台4が回動部2aを軸として支持部3とともに便器1後面壁Wbに向かって回動し、後面壁Wbに当接し、その状態で後面壁Wbに設けたストッパ(図示せず)によって固定される。
このように本実施例では、請求項1〜6及び10〜12に対応して、上記各実施例と同様な作用・効果を奏し、また、この例では、台4が後面壁Wbに沿って収納されるので、収納時には便器1の前方が大きく開放される。
尚、本発明は上記各実施例に限定されるものではなく、本発明の容易の範囲内において、種々の変形実施が可能である。例えば、図21に示すように、台4を構成する枠体4aの下部に、スライド式の引き出し32又は収納箱を取り付けてもよく、また、図22に示すように、台4の枠体4a又は天板4bに手摺31を取り付けるようにしてもよい。さらに、台4にはスライド式の引き出し板を取り付けることも可能である。また、台を天井からばねなどで吊下げた構造として、便座前方上側の使用位置と天井に沿う収納位置に台が可動な台装置としてもよく、あるいは、床にスクリューロッドを回動駆動可能に立設し、このスクリューロッドに螺合するナット体を台に設け、さらに、台の昇降を案内する案内ロッドを床に立設し、スクリューロッドの回転により台が便座前方上側の使用位置と天井に沿う収納位置に昇降する台装置としてもよい。また、台の形状は適宜選定可能である。また、回動部は蝶番により軸芯を中心に回動可能としてもよく、あるいはボール結合により他方向に揺動可能としてもよい。また、台を移動する移動手段は手動でもよく、又は電動などの手段でもよい。そして、上記各実施例で用いた構造を適宜組合わせてトイレ室内の状況に合わせて設置してもよい。
本発明の収納できる台は、トイレ内だけでなく、狭いスペースや既存スペースに後から設置することが可能であり、介護用としても、トイレ内に限定されることなく適用できる。
本発明の第1実施例を示す手摺と回動部を一体構造とした台装置の使用状態を示す斜視図である。 同上、収納位置の台装置の斜視図である。 同上、使用位置の台装置の斜視図であり、板状体を取り外した状態を示す。 本発明の第2実施例を示す台装置の平面図である。 同上、正面図である。 本発明の第3実施例を示す台装置の平面図である。 同上、側面図である。 本発明の第4実施例を示す台装置の平面図である。 同上、側面図である。 本発明の第5実施形態を示す台装置の正面図である。 同上、側面図である。 本発明の第6実施形態を示す台装置の正面図である。 同上、側面図である。 本発明の第7実施例を示す台装置の平面図である。 同上、側面図である。 同上、第8実施例を示す台装置の平面図である。 同上、台装置の側面図である。 同上、要部の正面図である。 本発明の第9実施形態を示す台装置の正面図である。 同上、側面図である。 台の変形例を示す台の正面図である。 台の他の変形例を示す台の平面図である。
符号の説明
1 便器
2a 回動部
2b 固定部
3 支持部
4 台
4a 枠体
4b 天板(板状体)
6 手摺
6a 手摺(固定部)
6b 手摺(固定部)
11 支え脚(支え部)
12 支え台(支え部)
Wf 前面壁
Ws 側壁
Wb 後面壁

Claims (12)

  1. トイレに設置されるトイレ用台装置において、便器前方の使用位置と収納位置とに可動な台と、この台をトイレに取付ける固定部とを備えることを特徴とするトイレ用台装置。
  2. 前記便器は便座を備え、前記台は前記便座の前方上側の使用位置に可動なことを特徴とする請求項1記載のトイレ用台装置。
  3. 前記使用位置は、使用者が便座上方で座した状態で手の届く範囲であることを特徴とする請求項1又は2記載のトイレ用台装置。
  4. 前記台を前記固定部に回動自在に設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のトイレ用台装置。
  5. 前記台は板状体を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のトイレ用台装置。
  6. 前記固定部は、便器周囲の壁、天井、床面又は便器に設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のトイレ用台装置。
  7. 前記固定部が手摺であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のトイレ用台装置。
  8. 前記台が固定部に沿ってスライド可能に設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のトイレ用台装置。
  9. 前記台が前記使用位置にあって前記固定部に片側支持で固定されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のトイレ用台装置。
  10. 前記台が前記使用位置にあって片側又は両側が支え部で支持されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のトイレ用台装置。
  11. 前記台は、介護用トイレのつかまり台であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のトイレ用台装置。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のトイレ用台装置と便器とを備えることを特徴とするトイレシステム。
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