JP2005065932A - 折畳みテーブル付き椅子 - Google Patents

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【課題】構造が簡素でスペースを取らず、簡便な操作で使用状態および折畳み状態にできる安価な折畳みテーブル付き椅子を提供する。
【解決手段】講堂やホールで使用される椅子として、後席者が使用するため背もたれの後ろに折畳み可能なテーブルを付設したものがある。
本発明は、背もたれの背面下部とテーブル1の前部裏面とを第1リンク3と第2リンク4でそれぞれ連結している。そして、第1リンク3と第2リンク4は同一垂直面でそれぞれ連結され、第1リンク3と第2リンク4の中央部は対向するように凹曲部3c,4cを形成し、テーブル1の収納時は第1リンク3が第2リンク4の凹曲部4cに係合し、テーブル1の使用時は第2リンク4が第1リンク3の凹曲部3cと係合するように配置している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、後席者が使用するため背もたれの後ろに折畳み可能なテーブルを付設した主として講堂やホールで使用される椅子に関するものである。
背もたれの後ろに背もたれと同傾斜で格納され使用時は手前側へ水平状態に展開させる折畳み可能なテーブルを付設した椅子は、例えば、新幹線や航空機の椅子が知られているが、テーブルの面積が小さく、安定性も悪いので筆記をするには適さない。
従来、テーブルの面積が大きく、安定性のあるテーブル付き椅子としては、テーブルを使用しないときにテーブルの前端側を下降させて格納するようにしたものがある(例えば、特許文献1および特許文献2)。
特許文献1の椅子は、図6に示すように、角筒状の脚21の背面に上下方向に長いガイド溝22を設け、格納時は、テーブル20の前端をガイド溝22の下端まで下降させてテーブル20の面をガイド溝22の面に対接させて止め金具23で固定している。そして、テーブル20を使用するときは、止め金具23を外し、テーブル20を前端がガイド溝22の上端に位置するまで引き上げて手前へ展開させ、テーブル20の後端部を後席の椅子のアームレスト24上に載架させて保持している。
また、特許文献2の椅子は、図を省略するが、椅子の背もたれから若干離してテーブルを収納するテーブル台枠を設け、テーブル台枠内に設けたスライドレールにテーブルを摺動可能に設けるとともに、テーブルの収納と展開の操作性をよくするため、回転式オイルダンパ、バランスバネ、テーブル跳ね上げバネを付設している。
実公昭59−34368号公報。 特開2001−245750号公報。
特許文献1の折畳みテーブル付き椅子は、簡便な構造で安価にできるが、テーブルを引き出して手前に倒す時やテーブルを格納する時に、うっかり手を放すと自由落下となり、大きな落下音が発生し、また、前席に振動を与える。また、格納時には、テーブルをガイド溝の延長方向に位置するまで上方へ回動させて一旦停止し、ガイド溝に係合させて下降させ、さらに、止め金で固定しなければならないので、緊急避難時などでは退席が遅れるという欠点もある。
これに対し、特許文献2の折畳みテーブル付き椅子は、テーブルの落下音や前席へ振動を及ぼすといったことがなく、テーブルをスムーズに使用状態および格納状態にできるが、構造が複雑でスペースを大きく取り、高価なものとなっている。
そこで、本発明は構造が簡素でスペースを取らず、しかも、折畳みおよび展開が簡便に行える安価な折畳みテーブル付き椅子を提供することを目的としている。
本発明の折畳みテーブル付き椅子は、上記の目的を達成するため次の手段を採った。すなわち、椅子の背もたれの背面に後席の人が使用するテーブルを折畳み格納可能に設けた折畳みテーブル付き椅子において、該背もたれの背面下部の左右にテーブルを支持する取付金具を固設するとともに、テーブルの前部左右の裏面に受け金具を固設し、該取付金具と受け金具を第1リンクと第2リンクでそれぞれ連結し、該第2リンクは取付金具との連結位置を第1リンクの取付金具との連結位置より下方とし、受け金具との連結位置を第1リンクの受け金具との連結位置より前方としたことを特徴としている。
このように構成されているので、テーブルを使用するときは、格納されているテーブルを手前側へ引き上げれば、連続的に展開して水平状態となり、格納するときはテーブルの後端を持って持ち上げてやれば、連続的に移動して背もたれと同傾斜になる。
この場合、引き上げたテーブルを水平状態にするとき、または、持ち上げたテーブルを格納状態にするときは、テーブルが降下状態となるが、第2リンクがテーブルの降下に対して対抗するように機能するので、手を放したとしても自由落下にはならず大きな落下音は発生しない。
テーブルは格納時と使用状態時において、固定する必要があり、背もたれ部または取付金具から別途係止手段を付設すればよいが、部品が多くなり複雑になる。
請求項2の発明はテーブルの収納時と使用状態時の固定を簡便に行うもので、第1リンクと第2リンクは同一垂直面に位置してそれぞれ取付金具と受け金具に連結され、第1リンクと第2リンクは互いに対向する側の中央部に凹曲部を備え、テーブルの格納時は第1リンクの受け金具側が第2リンクの凹曲部に係合し、テーブルを水平状態に展開した使用時は第2リンクの受け金具側が第1リンクの凹曲部に係合するようにしたことを特徴としている。
これによれば、別途係止手段を必要とせずにテーブルの格納時と使用状態時にテーブルを固定できる。
本発明の折畳みテーブル付き椅子は、上記のように、取付金具と受け金具を第1リンクと第2リンクでそれぞれ連結したので、簡素な構成で故障がし難く、スペースも小さく安価なものとすることができる。
また、使用状態および格納状態へは、テーブルが連続した軌跡で移動するので扱いが簡便である。さらに、使用状態および格納状態へ操作するとき、テーブルの後端を持ってほぼ中間位置まで、持ち上げてやれば、後はテーブルの自重で、自由落下を抑制しながら自動的に展開または格納されるので、緊急時には速やかに退席できる。
また、請求項2によれば、テーブルの格納時は第1リンクの受け金具側が第2リンクの凹曲部に係合し、テーブルの使用時は第2リンクの受け金具側が第1リンクの凹曲部と係合するので、別途係止手段を必要とせず、より簡素なものとすることができる。
本発明の折畳みテーブル付き椅子の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図2は折畳みテーブル付き椅子の全体の外観を示す斜視図であり、図1は要部の詳細を示す側面図、図3はテーブルの取付部の分解斜視図である。
テーブル付き椅子は、肘掛け12が一体に固設された脚13に、折畳み可能なシート11と若干後方へ傾斜した椅子背裏板10が支持され、椅子背裏板10の背面にテーブル1が折畳み可能に取り付けられている。
この椅子は横方向に3人が腰掛けられるように連接され、図2においては、左側と中央部はテーブル1を使用状態にしたときを示し、右側はテーブル1を格納した状態を示している。
テーブル1は、図1に示すように、裏面の前端両側に受け金具2が固設されており、椅子背裏板10の下部両側に固設された取付金具5に第1リンク3と第2リンク4によって連結されている。
第1リンク3の一端は取付金具5にピン3aで、他端は受け金具2にピン3bで連結され、また、第2リンク4の一端は取付金具5にピン4aで、他端は受け金具2にピン4bで連結されている。第1リンク3と第2リンク4の位置関係は、垂直方向が同一な面に位置し、ピン4aがピン3aより下方に位置し、ピン4bがピン4aよりテーブル1の前端側へ位置するように配置している。
また、第1リンク3と第2リンク4の互いに対向する側の中央部には凹曲部3c,4cが形成されており、反対側はそれぞれ凸曲面としている。なお、6は取付金具5を覆うカバーである。
次に、このように構成された折畳みテーブル付き椅子の作用について説明する。
折畳みテーブル付き椅子は、着席していないときは、シート11が背もたれ側へ折畳まれ、テーブル1も折畳まれた状態(図2の右端の状態)である。なお、この状態においては、前席と後席の間は人が通れる十分な間隔がある。
テーブル1が折畳まれた状態では、第1リンク3の他端側は第2リンク4の凹曲部4cに係合して保持されている。なお、テーブル1はこの位置では椅子背裏板10の傾斜とほぼ平行になり、テーブル1の自重と第1リンク3と第2リンク4との係合によって椅子背裏板10側へは倒れない。
着席者がテーブル1を使用するときは、図1の実線で示す折畳み状態から、テーブル1の後端を持って引き上げつつ手前へ回動させる。これにより、第1リンク3および第2リンク4はそれぞれピン3a,ピン4aを支点として回動し、テーブル1はその後端が軌跡Sを描いて水平状態へ展開される。
すなわち、テーブル1が引き上げられると、第1リンク3の他端側は第2リンク4の凹曲部4cから離れ、テーブル1の後端が中間位置S2まで移動すると図4に示すように第1リンク3と第2リンク4は上下に対向するように位置する。そして、この状態からは、第1リンク3は回動せず、第2リンク4の他端側が上方へ回動し、使用状態では図5に示すように、第2リンク4の他端側が第1リンク3の凹曲部3cに係合して保持される。
なお、軌跡Sは折畳み状態の位置S1から使用状態の位置S3まで連続しているので、途中で停止することなくスムーズに移動する。
テーブル1を引き上げるのは、折畳み状態の位置S1から中間位置S2までであり、中間位置S2から使用状態の位置S3まではテーブル1が自重で降下するのでテーブル1を支えていればよい。なお、このとき、テーブル1から手を放しても第2リンク4が上方側へ対抗するように回動するので、自由落下せず抑制されて降下する。
使用状態からテーブル1を折畳むときは、上記と逆の操作を行えばよい。すなわち、図5の状態からテーブル1の後端を持って、上方へ中間位置S2を超えるまで持ち上げてやれば、図4の状態からはテーブル1が自重で下降するので、テーブル1を支えていればよい。そして、このときも第1リンク3がテーブル1の下降に対抗するように回動するので、テーブル1から手を放しても自由落下にはならず抑制されて移動する。
このように作用するので、緊急避難などではテーブル1を中間位置S2を超えるまで、跳ね上げれば退席でき、また、テーブルはその後スムーズに折畳まれるので、隣の人の退席に邪魔にならない。
本発明の実施の形態を適用した折畳みテーブル付き椅子の構成を示す側面図である。 同折畳みテーブル付き椅子の全体を示す斜視図である。 同 テーブルの取り付けの分解斜視図である。 同 テーブルを使用状態または収納状態にするときの中間位置まで作動させたときの側面図である。 同 テーブルを使用状態に位置させたときの側面図である。 従来の教室用机の1例を示す斜視図である。
符号の説明
1…テーブル 2…受け金具
3…第1リンク 3a,3b…ピン
3c…凹曲部 4…第2リンク
4a,4b…ピン 4c…凹曲部
5…取付金具 6…カバー
10…椅子背裏板 11…シート
12…肘掛け 13…脚
20…テーブル 21…脚
22…ガイド溝 23…止め金具
24…アームレスト

Claims (2)

  1. 椅子の背もたれの背面に後席の人が使用するテーブルを折畳み格納可能に設けた折畳みテーブル付き椅子において、該背もたれの背面下部の左右にテーブルを支持する取付金具を固設するとともに、テーブルの前部左右の裏面に受け金具を固設し、該取付金具と受け金具を第1リンクと第2リンクでそれぞれ連結し、該第2リンクは取付金具との連結位置を第1リンクの取付金具との連結位置より下方とし、受け金具との連結位置を第1リンクの受け金具との連結位置より前方としたことを特徴とする折畳みテーブル付き椅子。
  2. 前記第1リンクと第2リンクは同一垂直面に位置してそれぞれ取付金具と受け金具に連結され、第1リンクと第2リンクは互いに対向する側の中央部に凹曲部を備え、テーブルの格納時は第1リンクの受け金具側が第2リンクの凹曲部に係合し、テーブルを水平状態に展開した使用時は第2リンクの受け金具側が第1リンクの凹曲部に係合するようにしたことを特徴とする請求項1記載の折畳みテーブル付き椅子。
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