JP2001061597A - スライドテーブル付き折り畳み椅子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】サイドテーブル付きの折り畳み椅子におけるテ
ーブルを前後スライド可能として使用者が自然に手を伸
ばした位置に移動できるようにした。 【解決手段】椅子幅方向の間隔を縮小させる構成の折り
畳み椅子（１）において、一対の側脇枠体（２）の一方
側に前後立設杆（２２）の間に架け渡した上下二段の管
状体からなるガイド部材（５１）と、該管状体（５１）
内を同軸上に摺動するスライド部材（５２）と、該スラ
イド部材に支持されたテーブル（５）と、からなり、該
テーブルは支持手段（６）で略水平に維持すると共に、
支持手段の支持解除によりテーブル面（５３）を側脇枠
体の枠面に沿うように折り畳み可能に構成する。また、
ガイドレールが形成された幅広板状のガイド部材（７）
とし、当該ガイドレールに係合しながらスライド部材
（８）が摺動する構成としてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、キャンプやレジャ
ー用に用いられる折り畳み携帯性を備えた折り畳み椅子
の技術分野に属し、特に、その側脇に一体的かつ前後移
動を可能とした補助テーブルを備えたスライドテーブル
付き折り畳み椅子に関する。

【０００２】

【従来の技術】キャンプ等用の折り畳み椅子としては、
従来から種々のものが提案されてきたが、最近の国内に
おけるいわゆるアウトドア指向の高まりを受け、使いや
すさを追求したもの等が数多く提案されてきている。こ
れら従来の折り畳み椅子は、折り畳みやすさ、収納性、
運搬性、又は座り心地の良さ等についての機能に関する
改善がそのほとんどであった。

【０００３】また、キャンプ等用の折り畳み椅子は、常
にテーブの傍らにおいて使用する訳ではなく、個々に独
立した状態で使用することも多いことから、椅子の側方
に水平展開するサイドテーブル付きの折り畳み椅子を用
いたりしていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
サイドテーブル付きの折り畳み椅子のテーブルは、椅子
の側脇部に固定されたものであるため、肘掛が邪魔して
使用者が自然に手を伸ばした位置からは使い難いという
課題があった。

【０００５】本願発明は、上記課題に鑑みてなされたも
ので、折り畳み可能として折り畳み椅子に一体的に取付
けると共に、展開時にはサイドテーブルを前後移動可能
とすることにより、折り畳み椅子としての収納性を損な
うことなく、使用時の利便性をより高めたスライドテー
ブル付き折り畳み椅子を提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本願発明のスライドテーブル付き折り畳み椅子は、
以下のように構成される。なお、本明細書において、符
号を付して説明することがあるが、これにより本発明を
限定するものではない。

【０００７】すなわち、本願にかかるスライドテーブル
付き折り畳み椅子は、杆状材を矩形枠体状に形成して立
設配置し、上位水平杆を肘掛（２１）、前後立設杆を脚
足（２２）とする側脇枠体（２）の左右一対を、椅子幅
方向に所定間隔をもって対面配置し、該一対の側脇枠体
（２）の間に可撓性シート材の張設により構成した座面
（３４）及び背当面（４１）を配置し、各連結部の回動
により上記一対の側脇枠体（２、２）の椅子幅方向の間
隔を縮小させる構成の折り畳み椅子（１）において、上
記左右一対の側脇枠体（２、２）の一方側に、又は両側
のそれぞれに、前後位置の脚足（２２、２２）の間の所
定高さで略水平に架け渡し、かつ所定間隔で上下に配置
した上下一対のガイド部材（５１ａ、５１ｂ）と、該一
対のガイド部材（５１ａ、５１ｂ）のそれぞれに取付け
られて水平前後方向へ摺動する上下一対のスライド部材
（５２ａ、５２ｂ）と、該一対のスライド部材（５２
ａ、５２ｂ）に支持されて水平前後方向へ移動する天板
（５３）と、該天板（５３）を略水平に維持すると共
に、支持解除により側脇枠体（２）の枠面に沿うように
折り畳み可能とする支持手段（６）と、から構成される
スライドテーブル（５）を備えたことを特徴とする。

【０００８】また上記において、上下一対のガイド部材
（５１ａ、５１ｂ）のそれぞれを管状体とすると共に、
該各管状体内の同軸上にそれぞれスライド部材（５２
ａ、５２ｂ）を挿入させた構成としたり、また、ガイド
部材（７）を上下端辺部にそれぞれガイドレール（７
１）を形成した幅広板状に構成すると共に、スライド部
材（８）を当該ガイドレール（７１）に係合支持されて
水平前後方向へ摺動する幅広板状に構成してもよい。

【０００９】

【作用】上記構成により、本願発明に係るスライドテー
ブル付き折り畳み椅子は、通常の方法で折り畳み椅子を
展開した後、折り畳んだテーブルを引き起こし支持手段
を機能させて略水平に保持する。そして、スライド部材
に支持されたテーブルを、ガイド部材に沿って適宜の位
置まで前方向へスライドさせることにより使用に供す
る。

【００１０】なお、テーブルの水平への保持は、テーブ
ルを折り畳んだ状態のまま前方にスライドさせてから引
き起こし、支持手段を機能させて水平に保持するように
してもよい。また、収納時にあたっては、上記の逆の手
順で行なわれる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下に、本願発明に係るスライド
テーブル付き折り畳み椅子の具体的な実施形態例につい
て、図面に基づき詳細に説明する。図１は本実施形態の
スライドテーブル付き折り畳み椅子の全体斜視図であ
り、図２は本実施形態のテーブルの要部説明図である。

【００１２】図示符号１は、本実施形態のスライドテー
ブル付き折り畳み椅子（以下、「椅子」と省略する。）
であり、椅子幅方向に所定間隔をもって対面させて立設
配置した２個の側脇枠体２、２を有する。該側脇枠体２
は、主に金属製又は樹脂製から成る管状又は棒状の杆状
材を矩形枠体状に成形したものであり、立設させた状態
で上位水平杆を肘掛２１、立設杆を脚足２２として構成
している。

【００１３】また、これらの対面させた２個の側脇枠体
２、２の間には、別枠体で略コ字状に形成した２個一対
の座面枠体３を正面視Ｘ視状に配置し、その上部はリン
ク材３１を介して、下端部はピン材３２を介して側脇枠
体２と回動自在に連結させている。そして、その上位横
杆３３の間には、例えば、帆布や樹脂布で形成される可
撓性シート材を張設して座面３４を形成している。さら
に、側脇枠体２の肘掛２１の後方脚足２２ｂ側には、上
方に延長させた背当取付杆４を形成しており、前記座面
３４と同様の可撓性シート材を張設して背当面４１を形
成している。

【００１４】かかる構成により、椅子１の各連結部を回
動させて側脇枠体２の間隔を縮小させる方向で折り畳ん
でコンパクト化させるものである。なお、本実施形態の
折り畳み椅子の部分は、従来から広く知られた構成のも
のであるため、その詳細な説明は省略する。また、この
構成に限定するものでもなく、少なくとも立設して前後
に略平行配置された脚足を有する折り畳み椅子であれば
よい。

【００１５】次に、本願発明の特徴となるスライドテー
ブル（以下、「テーブル」と省略。）について説明す
る。

【００１６】テーブル５は、一方側の側脇枠体２の一方
側に、又は両側のそれぞれに配設しており、その構成は
ガイド部材５１、スライド部材５２、および天板５３と
から成る。ガイド部材５１は、金属製、硬質樹脂、木材
等の硬質材で形成した管状の直棒状体からなり、前後に
立設配置した脚足２２間に掛け渡すようにして略水平位
に固定し、上下二段に所定の間隔をもって略平行に配置
した上位ガイド部材５１ａと下位ガイド部材５１ｂとか
らなる。上下の各ガイド部材５１の外周には、軸方向
（前後方向）摺動可能に嵌合させた上下位摺動コマ５１
ｃ、５１ｄをそれぞれに取り付けている。

【００１７】また、各ガイド部材５１には、それぞれ上
位スライド部材５２ａ、下位スライド部材５２ｂを嵌入
させて摺動可能に取り付けている。すなわち、該各スラ
イド部材５２ａ、５２ｂは、上記ガイド部材５１とほぼ
同様な材質でガイド部材５１の内径よりも若干小さな外
径を有する管状体に形成し、各々ガイド部材５１ａ、５
１ｂの内面側と摺動しながら所定長前方へ引き出し可能
にしている。そして、その前方側先端部には、それぞれ
取付片５２ｃ、５２ｄを配置固定している。

【００１８】次ぎに、天板５３は、外側角部を隅丸とし
た略四角形の平板状に形成し、その前後長は脚足２２間
の内寸法程度に設定している。天板５３は、図２に示す
ように、その椅子１近接側の端面５３ａにおいて、後方
側の端面５３ａを上位ガイド部材５１ａの上位摺動コマ
５１ｃと、前方側の端面５３ａを上位スライド部材５２
ａの上位取付片５２ｃと、それぞれピン連結（回動連
結）により取付けている。また、天板５３前後の端面５
３ａの略中央部においては、支持手段である支持部材６
を介して、後方側の端面５３ａを下位ガイド部材５１ｂ
の下位摺動コマ５１ｄと、前方側の端面５３ａを下位ス
ライド部材５２ｂの下位取付片５２ｄと、それぞれピン
連結により取付けている。

【００１９】この支持部材６の機構は、図３に示すよう
に、上片６１および下片６２からなる２枚の帯状硬質板
（金属板、樹脂板、等）の組み合わせからなり、互いの
一端付近を連結部６３でピン連結して直線状にし、両端
側をそれぞれ天板５３側と下位ガイド部材５１ｂ及びス
ライド部材５２側に架渡すようにしてピン連結により取
付けて、下片６２の連結部６３よりも上位側には、上片
６１と係合するストッパ６４を形成している。なお、こ
のストッパ６４は、連結部６３が下方移動する回転は許
容するが、上下片６１、６２を略直線状にした場合に
は、天板５３への荷重により連結部６３に生じるモーメ
ントに対抗する機構であればよく、この構成に限定する
ものではない。

【００２０】［本実施形態の作用］上述した構成の本実
施形態は、以下のように作用するものである。椅子１
は、椅子幅方向に広げることで使用可能な状態となり
（図４）、折り畳むことにより携帯運搬性、収納性が向
上するものであり、折り畳んだ状態では前記構成のテー
ブル５は肘掛枠体２の脚足２２の側方に垂下されるよう
にして収納される（図５）。

【００２１】そしてテーブル５を使用するには、上位摺
動コマ５１ｃと上位取付片５２ｃとの軸支部５４を回動
点として天板５３を上方へ引き起こし、さらに支持部材
６の下片６２のストッパ６４を上片６１に係合させて、
上片６１と下片６２が略一直線となるようにする（図
３）。この係合により、支持部材６の連結部６３が固定
されて天板５３が略水平に保たれ、天板５３上に重量物
を載置しても下方へ傾くことはない。また、天板５３を
把持して好みの位置まで前方へ引き出すことにより、ス
ライド部材５２がガイド部材５１に沿って移動し、天板
５３は略水平に保持される。（図１、２）。なお、天板
５３を収納するには、使用するときの逆の手順で行えば
よい。

【００２２】

【他の実施形態例】本願発明の目的を達成するため、上
記実施形態の他に次の構成としてもよい。すなわち、ガ
イド部材とスライド部材の構成は本実施形態に限定され
るものではない。例えば図６に示すように、上下端辺部
にそれぞれガイドレール７１を形成したガイド部材７を
矩形状で幅広板状に形成して適宜高さ位置の前後脚足２
２間に略水平に掛け渡して取付け、該ガイドレール７１
に係合支持されたスライド部材８を前方へ所定量の移動
可能に構成しても良い。この場合、天板５３の椅子側は
スライド部材８の上位側に設けた軸支部に回動自在にし
て軸支し、天板５３の端面５３ａとスライド部材８の下
位側とを上記実施例と同様に構成した支持部材６で連結
する。

【００２３】また本実施形態では、スライドテーブル５
を椅子の右側に取り付けているが、左側に、又は左右両
側に取り付けてもよい。さらに、支持部材６の配置は、
天板５３の端面５３ａの前後にそれぞれ配置している本
実施形態に限定されるものではなく、前後のうちの一方
にのみに支持手段を配置するようしてもよいし、また構
造は必要時に天板を略水平状態に維持できる折り畳み可
能な機構であれば既存の機構のものを適用してもよく、
さらに上記構成の支持部材６におけるストッパの構成
は、本実施形態に限らず上側へのみ中折れするようにし
てもよい。

【００２４】

【効果】本願にかかるスライドテーブル付き折り畳み椅
子１は、上記の構成により以下の効果を奏するものであ
る。すなわち、テーブルは、椅子の側枠部に固定されず
に、使用者（着座者）の好みにより前方の適宜の位置に
スライドさせて水平保持することができるため、テーブ
ルの利便性を高めることができる。

【００２５】また、収納時にはテーブルと折り畳み椅子
と干渉しないように収納されるため、テーブルを付加し
たにもかかわらず、折り畳み椅子のみの場合と同等の収
納性、及び携運搬帯性を維持することが可能となり、使
用者の利便性を向上させることができ、その効果は顕著
なものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本実施形態の椅子の使用状態を示す全体概略
斜視図である。

【図２】 本実施形態のテーブルの要部説明図である。

【図３】 本実施形態のテーブルの折り畳み機構を示す
要部説明図である。

【図４】 本実施形態の椅子の展開した状態を示す全体
概略斜視図である。

【図５】 本実施形態の椅子の折り畳んだ状態を示す全
体概略斜視図である。

【図６】 他の実施形態の椅子を示す全体概略斜視図で
ある。

【符号の説明】

１ 椅子 ２ 側脇枠体 ２１ 肘掛 ２２ 脚足 ２２ｂ 後方脚足 ３ 座面枠体 ３１ リンク材 ３２ ピン材 ３３ 上位横杆 ３４ 座面 ４ 背当取付杆 ４１ 背当面 ５ テーブル ５１ ガイド部材 ５１ａ 上位ガイド部材 ５１ｂ 下位ガイド部材 ５１ｃ 上位摺動コマ ５１ｄ 下位摺動コマ ５２ スライド部材 ５２ａ 上位スライド部材 ５２ｂ 下位スライド部材 ５２ｃ 上位取付片 ５２ｄ 下位取付片 ５３ 天板 ５３ａ 端面 ５４ 軸支部 ６ 支持部材 ６１ 上片 ６２ 下片 ６３ 連結部 ６４ ストッパ ７ 他の構成のガイド部材 ７１ ガイドレール ８ 他の構成のスライド部材

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 杆状材を矩形枠体状に形成して立設配置
   し、上位水平杆を肘掛（２１）、前後立設杆を脚足（２
   ２）とする側脇枠体（２）の左右一対を、椅子幅方向に
   所定間隔をもって対面配置し、該一対の側脇枠体（２）
   の間に可撓性シート材の張設により構成した座面（３
   ４）及び背当面（４１）を配置し、各連結部の回動によ
   り上記一対の側脇枠体（２、２）の椅子幅方向の間隔を
   縮小させる構成の折り畳み椅子（１）において、 上記左右一対の側脇枠体（２、２）の一方側に、又は両
   側のそれぞれに、前後位置の脚足（２２、２２）の間の
   所定高さで略水平に架け渡し、かつ所定間隔で上下に配
   置した上下一対のガイド部材（５１ａ、５１ｂ）と、 該一対のガイド部材（５１ａ、５１ｂ）のそれぞれに取
   付けられて水平前後方向へ摺動する上下一対のスライド
   部材（５２ａ、５２ｂ）と、 該上下一対のスライド部材（５２ａ、５２ｂ）に支持さ
   れて水平前後方向へ移動する天板（５３）と、 該天板（５３）を略水平に維持すると共に、支持解除に
   より側脇枠体（２）の枠面に沿うように折り畳み可能と
   する支持手段（６）と、から構成したスライドテーブル
   （５）を備えたことを特徴とするスライドテーブル付き
   折り畳み椅子。
2. 【請求項２】 上下一対のガイド部材（５１ａ、５１
   ｂ）のそれぞれを管状体とすると共に、該各管状体内の
   同軸上にそれぞれスライド部材（５２ａ、５２ｂ）を挿
   入させた構成としたことを特徴とする請求項１記載のス
   ライドテーブル付き折り畳み椅子。
3. 【請求項３】 杆状材を矩形枠体状に形成して立設配置
   し、上位水平杆を肘掛（２１）、前後立設杆を脚足（２
   ２）とする側脇枠体（２）の左右一対を、椅子幅方向に
   所定間隔をもって対面配置し、該一対の側脇枠体（２）
   の間に可撓性シート材の張設により構成した座面（３
   ４）及び背当面（４１）を配置し、各連結部の回動によ
   り上記一対の側脇枠体（２、２）の椅子幅方向の間隔を
   縮小させる構成の折り畳み椅子（１）において、 上記左右一対の側脇枠体（２、２）の一方側に、又は両
   側のそれぞれに、前後位置の脚足（２２、２２）の間の
   所定高さに架け渡し配置し、かつ上下端辺部にそれぞれ
   ガイドレール（７１）を形成した幅広板状のガイド部材
   （７）と、 該ガイド部材（７）のガイドレール（７１）に係合支持
   されて水平前後方向へ摺動する幅広板状のスライド部材
   （８）と、 該スライド部材（８）に支持されて水平前後方向へ移動
   する天板（５３）と、 該天板（５３）を略水平に維持すると共に、支持解除に
   より側脇枠体（２）の枠面に沿うように折り畳み可能と
   する支持手段（６）と、からなるスライドテーブル
   （５）を備えたことを特徴とするスライドテーブル付き
   折り畳み椅子。