JP2004008678A - 介護用スライドチェアシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】介護者および被介護者の負担を軽減し、簡便な介護用スライドチェアシステムを提供すること。
【解決手段】介護用スライドチェアシステム1は、スライドチェア2を、座部41と背部40から形成される腰掛体と、腰掛体を昇降させるリフトシリンダ14と、腰掛体背部裏面側に設けられたフレーム(10,11)と、フレーム10に突設されたL字軸20と、L字軸20の水平方向部分で軸通された受ローラ21と、L字軸20の鉛直下方部分で軸通された上ローラ22と、上ローラ22より下側の位置に設けフレーム10の姿勢を保持する下ローラ24と、を有する構成とし、手摺3を、その上部および壁側側部を障害物のない平滑な構成とし、かつ、被介護者とスライドチェア2の総重量を耐荷可能に壁に架設したことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】介護用スライドチェアシステム1は、スライドチェア2を、座部41と背部40から形成される腰掛体と、腰掛体を昇降させるリフトシリンダ14と、腰掛体背部裏面側に設けられたフレーム(10,11)と、フレーム10に突設されたL字軸20と、L字軸20の水平方向部分で軸通された受ローラ21と、L字軸20の鉛直下方部分で軸通された上ローラ22と、上ローラ22より下側の位置に設けフレーム10の姿勢を保持する下ローラ24と、を有する構成とし、手摺3を、その上部および壁側側部を障害物のない平滑な構成とし、かつ、被介護者とスライドチェア2の総重量を耐荷可能に壁に架設したことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被介護者を移動させる際に使用する介護用スライドチェアシステムに関し、特に、壁に設けられた汎用の手摺に引掛けて被介護者の横移動を可能にする介護用スライドチェアシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、病院や老人ホームなどの施設で被介護者を移動させる道具として車椅子が知られていた。車椅子を用いることにより、被介護者は介護者の力添えで施設内を(場合によっては施設外を)移動できていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の技術では以下の問題点があった。
すなわち、被介護者の移動の際に最も労力を要するのは、被介護者の上下移動である。より具体的な例として寝たきりの被介護者について説明する。寝たきりの被介護者であっても、入浴の際には移動が必ず必要であり、また、可能であれば排便時にも便所まで移動することが好ましい。従って、移動場所としては、ベッド、浴槽および便所が挙げられる。従来では、車椅子で被介護者を移動させる際には、まず、それぞれの場所に車椅子を横付けし、単数または複数の介護者で被介護者を車輪上部まで持ち上げ車椅子の座部に座らせる必要があった。そして、目的場所に車椅子を横付けし、単数または複数の介護者で被介護者を座部から車輪上部まで持ち上げて各目的場所に降ろす必要があった。
【0004】
このとき、特に、被介護者を浴槽に移動させる場合、もしくは浴槽から引き揚げる場合に、従来の車椅子では垂直方向の移動量が多く、介護者のみならず被介護者にも相当の負担が強いられていた。
【0005】
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、介護者および被介護者の負担を軽減し、簡便かつ移動の自由度の高い介護用スライドチェアシステムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の介護用スライドチェアシステムは、被介護者を移動させる際に手摺に引掛けて使用するスライドチェアと、壁に設けられた手摺であってスライドチェアを引掛けて使用する以外は歩行者が利用可能な前記手摺と、からなる介護用スライドチェアシステムであって、前記スライドチェアを、座部と背部から形成される腰掛体と、腰掛体背部裏面側に配され、当該腰掛体を昇降させるリフトシリンダと、リフトシリンダを担持し、腰掛体背部裏面側に設けられたフレームと、フレームに突設され、壁へ向けて水平方向に伸び中途で鉛直下方に曲げられた第1の軸体と、第1の軸体の水平方向部分で軸通され、手摺上部に当接させる受ローラと、第1の軸体の鉛直下方部分で軸通され、手摺側部に当接させる上ローラと、上ローラより下側の位置でフレームに突設され鉛直下方に伸びた第2の軸体に軸通され、壁に当接させることによりフレームの姿勢を保持する下ローラと、を有する構成とし、前記手摺を、当該手摺の上部および壁側側部を受ローラと上ローラの通過に際し障害物のない平滑な構成とし、かつ、被介護者とスライドチェアの総重量を耐荷可能に壁に架設した、ことを特徴とする。
【0007】
すなわち、請求項1にかかる発明は、スライドチェアを手摺に引掛け可能とし、手摺沿いにスライドチェアを水平移動させて目的の場所(ベッド横、便座上部、浴槽上部)に到達させ、リフトシリンダにより座部を搬送高さから、ベッド上面の高さ、便座の高さ、または、浴槽下面の高さまで昇降可能とする。なお、リフトシリンダを用いるので構造が簡単になりスライドチェアの重量を低減させることができる。このとき、リフトシリンダを腰掛体背部裏面側に配したので、フレームとともに、コンパクトなパッケージとすることが可能となる。同様に、第1の軸体をL字としたのでスライドチェアを引掛ける構造が簡素化でき、簡単な構造かつ軽量なスライドチェアを構築可能となる。これにより介護者および被介護者の負担を軽減し、簡便な介護用スライドチェアシステムを提供することが可能となる。なお、手摺は載荷重の設計のみを変更すればよく、汎用品を用いること、すなわち、通常歩行者が利用する汎用の手摺を用いることが可能である。ローラについては、左右一対の構成とすれば、簡単に姿勢を保持できることとなる。
【0008】
また、請求項2に記載の介護用スライドチェアシステムは、請求項1に記載のスライドチェアシステムにおいて、座部前方位置に設けられ、座部下方前側に延伸する平行リンクと、平行リンクを介し座部と略平行位置関係を保持する足台と、
足台に設けられ、腰掛体の降下に伴って床面に接触し足台の滑らかな前方移動を補助する補助ローラと、を設けたことを特徴とする。
【0009】
すなわち、請求項2にかかる発明は、座部を深く下降させ被介護者を腰掛体に腰掛けさせたまま入浴させる際に、足を自然に負担をかけることなく伸ばすことが可能となる。また、補助ローラを設けているので浴槽床面を傷つけることがない。また、足台が前方に出るように姿勢されているので、降下に伴って足が折れ曲がって巻き込まれるようなことがなく、安全性の高い構成となっている。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の介護用スライドチェアシステムにおいて、前記足台が座部下方前側に最も延伸した長さより長く構成した浴槽を設け、さらに、前記スライドチェアに、前記リフトシリンダの下降に伴う部位の下降を妨げない穴部の形成された底面板と、前記背部とフレームとの間に配された背面板とを少なくとも有し、スライドチェアの下方からもしくは背部方向からの水濡れを防止する防水カバーを設けたことを特徴とする。
【0011】
すなわち、請求項3にかかる発明は、入浴時に水はねが生じても、スライドチェア内部への水濡れを防止することが可能となる。なお、水に漬かる部分もしくは濡れる部分(シリンダの下降に伴う部分および腰掛体)を防水構造もしくは濡れてもよい素材で設計するのは言うまでも無い。また、スライドチェア背面にも板を設けて各ローラ部分のみが露出する構成としても良い。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1、2または3に記載のスライドチェアシステムにおいて、前記スライドチェアが、受ローラ、上ローラ、または、下ローラを回動させる回動手段と、前記回動手段を駆動する駆動電源と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
すなわち、請求項4にかかる発明は、スライドチェアを自走させることができ、歩行の困難な被介護者の自由な移動を可能とする。換言すれば、スライドチェアを移動用の乗り物とすることが可能となる。
【0014】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の介護用スライドチェアシステムの外観構成をその使用態様が理解できるように、壁の表示を透明として後方から示した斜視図である。また、図2は、本発明の介護用スライドチェアシステムを側面から示した説明図である。また、図3は、本発明の介護用スライドチェアシステムを用いて被介護者を入浴させる場合の使用状態の例を示した説明図である。
【0015】
図に示したように、介護用スライドチェアシステム1は、被介護者を移動させる際に使用するスライドチェア2と、壁に設けられた手摺3と、を有する。なお、符号4はスライドチェア2に搭載してあるバッテリ31を充電する際に使用する電極を、符号5は洋式便器を、符号6は浴槽をそれぞれ示している。
【0016】
スライドチェア2は、メインフレーム10と、リフトフレーム11と、スライドブロック12と、スライドレール13と、リフトシリンダ14と、ボディカバー15と、L字軸20と、受ローラ21と、上ローラ22と、下ローラ軸23と、下ローラ24と、走行モータ30と、バッテリ31と、ブラシ32と、制御装置33と、背もたれ40と、椅子面41と、肘掛42と、足台50と、車輪51と、サポートリンク52と、ストッパ53と、編生地60と、を有する。
【0017】
手摺3は、取付金具70と、手摺棒71と、を有する。なお、壁には、手摺3と電極4のほか、板レール7と、電極カバー8と、が設けられている。なお、図1では、スライドブロック12、スライドレール13、背もたれ40、左側の肘掛42、ボディカバー15、板レール7および電極カバー8などついては、説明の便宜のため省略してある。なお、図2では、説明の便宜のためリフトシリンダ14とリフトフレーム11を分離して描画しているが、実際は太い矢印が示した位置に連結された構成である。
【0018】
次に、各部を説明する。メインフレーム10は、スライドレール13とスライドブロック12を介してリフトフレーム11を上下方向にスライド可能に保持し、リフトフレーム11は、リフトシリンダ14の駆動に従ってスライドブロック12にガイドされメインフレーム10に対して上下方向にスライドされる。なお、メインフレーム10とリフトフレーム11が請求項にいうフレームに対応する。
【0019】
スライドブロック12とスライドレール13は、それぞれリフトフレーム11とメインフレーム10に固着されるとともに、それぞれのフレームの移動方向を規制する。リフトシリンダ14は一端がメインフレーム10に他端がスライドフレームに接続され、バッテリ31の駆動を受けてリフトフレーム11を昇降させる。ボディカバー15は、こられのフレームを覆い、走行モータ30やリフトシリンダ14などの電動駆動部に由来する巻き込み防止を図るほか、特に、入浴時の水しぶきによるサビなどの劣化原因を低減させるために設けている。このとき、ボディカバー15の底面板に、リフトシリンダ14の下降に伴う部位の下降を妨げない穴部などを適宜設けてもよい。
【0020】
ここで、メインフレーム10、リフトフレーム11およびリフトシリンダ14を、背もたれ40裏面側に背もたれ40の肩幅程度の幅で収まるようにそれぞれ略鉛直方向を向くように構成した。従って、スライドチェア2は場所をとらず、また、作業者は簡便にスライドチェア2を手摺3に引掛けることが可能となる。
【0021】
L字軸20は、メインフレーム10に壁側方向水平に突設され、中途で鉛直下方に折れ曲げた構造を持った軸である。受ローラ21はこの水平方向部分で軸支され、また、上ローラ22は鉛直方向部分で軸支されている。なお、言うまでも無いが、L字軸20は必ずしも全ての部位において同径の円柱構造をとる必要がなく、それぞれの部位でローラを円滑に回転させる構造を有すればよい。スライドチェア2は、受ローラ21と上ローラ22を一本のL字軸20で支える構造をとるので、構造が簡素化でき、簡単に手摺3に引掛け可能となる。さらに、構造が簡素化できると重量の面からも手摺3への引掛け作業が容易となるという相乗的な作用効果も得られる。
【0022】
受ローラ21は、手摺3上部に当接し、スライドチェア2を左右に円滑に移動させる。このとき、受ローラ21はクラッチ付きの走行モータ30により駆動される。なお、この走行モータ30は制御装置33により制御されるが、電源OFFのときはクラッチも切れる構造としているので、電源OFFのときは受ローラ21が自由に回転でき、人力で横移動させることができる構成としている。なお、図2に示したように、手摺3の上部形状に合わせて受ローラ21の形状を変更してもよい。
【0023】
上ローラ22は、L字軸20に従って受ローラ21より壁側に配され、リフトチェアが前方に抜けおちないように手摺3の壁側側面に当接するように設けられている。本実施例では受ローラ21を駆動する態様を説明しているが、上ローラ22もしくは下ローラ24を駆動する態様であってもよい。下ローラ軸23は、下ローラ24より下側の位置でメインフレーム10に突設された軸であって、鉛直下方に向けられている。これは、下ローラ24が壁にそって板レール7に当接しながら回転するために配向されたものである。なお、下ローラ軸23は、下ローラ24を軸通する部分だけ鉛直下方に向いていればよいので、必要に応じてL字軸20と同様にしてメインフレーム10から突設した構造であってもよい。
【0024】
また、下ローラ軸23の重要な機能としてスライドチェア2の姿勢維持がある。スライドチェア2は、受ローラ21および上ローラ22の構成上、手摺棒71を中心に回転するように力がかかる。従って、下ローラ24は、メインフレーム10から一定の位置かつ上ローラ22の下側で壁に当接するように設けてスライドチェア2の回転を防止するとともに、力を受けとめてスライドチェア2がぐらつかないように姿勢制御している。なお、姿勢の安定のため、本実施例のスライドチェア2は、左右両方向にL字軸20とした下ローラ軸23とを設けている。
【0025】
走行モータ30は、ベルトを介して受ローラ21を回転させる。この駆動電源は、12Vの鉛バッテリ31を直列接続した24V電源として構成する。なお、リフトシリンダ14もバッテリ31により駆動する。本願では駆動電源を内蔵したので、例えば、手摺3を、スライドチェア2専用に設け、かつ、ここから駆動電源を供給するような特注構造にする必要がなく、スライドチェア2を自走式の乗り物とすることが可能となっている。バッテリ31は、スライドチェア2の定位置に設けられた電極4により充電される。なお、充電に際しては、スライドチェア2が定位置に来たときに電極4に当接するブラシ32から電力供給されるものとする。また、制御装置33は、スライドチェア2の横移動や昇降を制御する。
【0026】
背もたれ40は、リフトフレーム11に近接した前方位置に椅子面41に接続して設けられている。背もたれ40の左右には、上方から略水平まで折れ倒し可能な肘掛42を設けている。肘掛42を可倒式にしたので、被介護者のスライドチェア2からの移動や引き出しが容易となる。椅子面41はリフトフレーム11に連結しているのでリフトフレーム11の昇降に従って背もたれ40とともに昇降する。なお、背もたれ40と椅子面41が請求項にいう背部と座部にそれぞれ対応する。
【0027】
足台50は平行リンクであるサポートリンク52を介してリフトフレーム11前端に接続されている。サポートリンク52を平行リンクとしたので椅子面41と足台50を平行にでき、特に入浴の際に介護者が被介護者の足元を洗う際に足台50が邪魔とならない。また、平行リンクであるので、足台50がぐらつくことがなく安定する。なお、サポートリンク52はストッパ53により前方に傾斜するように姿勢されているので、リフトフレーム11の下降に伴い足が床と椅子面41との間に挟まれてしまうことがなくスライドチェア2は高い安全性を確保している。
【0028】
足台50手前には車輪51が設けられており、リフトフレーム11の降下により車輪51が床面に着くと足台50を前方に滑らかに移動させる構成となっている。なお、背もたれ40、椅子面41、足台50、サポートリンク52は、適宜ステンレスパイプにより構築し、編生地60を架けることにより丈夫で軽量な構成とすることができる。このとき、リフトフレーム11下端、背もたれ40、椅子面41、サポートリンク52、足台50、車輪51などの水に濡れる部分は、錆びない素材もしくは防錆加工、撥水加工などしてある素材を採用し、編生地60についても水はけのよい素材を用いることが好ましい。また、椅子面41の編生地60については、便座様に穴あき構造とすることにより、スライドチェア2を便座上面に移動させるだけで排便が可能となる。
【0029】
手摺棒71および取付金具70は、被介護者とスライドチェア2の総重量を耐えうるものであればどのようなものでも採用できる。ただし、手摺棒71は上ローラ22および受ローラ21の通過に際し障害物のない平滑な構成とすることはいうまでもない。なお、本実施例では、主として屋内の使用を考えているが、手摺棒71および板レール7を連続させることにより、屋外移動も可能となる。
【0030】
また、各ローラが当接する構造とすれば、手摺棒71と板レール7に適宜曲率を持たせ、右折左折のような廊下などの曲がり角での移動が可能となる。すなわち、手摺棒71と板レール7とを、鉄道線路のように要所でポイント切換構造様に構築すれば、被介護者が自由に進みたい進路を選択することが可能となる。また、ドアのあるところでも、図4に示したように、手摺棒71を上部に開放可能にし、閉状態では力が分散するように斜めに切断した構成とすれば、スライドチェア2の通過時のみ、折れ曲げ部を倒して使用することができる。なお、板レール71は壁と同一面であり開閉の必要はないが、使用の態様によって適宜開閉可能な構成にしてもよい。
【0031】
次に、具体的に入浴時のスライドチェア2の使用について説明する。入浴に際しては、まず、スライドチェア2に被介護者を載せてスライドチェア2をスライドさせ、必要に応じて浴槽6付近でリフトアップし、浴槽6の側面を通過させた後、リフトダウンさせる。リフトフレーム11の降下に従って、車輪51が浴槽6床面に接触し、サポートリンク52に従って、足台50が前方に平行に伸びてゆく。このとき、足も自然に伸びてゆくので安全な入浴が可能となる。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、介護者および被介護者の負担を軽減し、簡便かつ移動の自由度の高い介護用スライドチェアシステムを提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の介護用スライドチェアシステムの外観構成をその使用態様が理解できるように、壁の表示を透明として後方から示した斜視図である。
【図2】本発明の介護用スライドチェアシステムを側面から示した説明図である。
【図3】本発明の介護用スライドチェアシステムを用いて被介護者を入浴させる場合の使用状態の例を示した説明図である。
【図4】開閉式の手摺の構成例を示した説明図である。
【符号の説明】
1 介護用スライドチェアシステム
2 スライドチェア
3 手摺
6 浴槽
7 板レール
10 メインフレーム
11 リフトフレーム
12 スライドブロック
13 スライドレール
14 リフトシリンダ
15 ボディカバー
20 L字軸
21 受ローラ
22 上ローラ
23 下ローラ軸
24 下ローラ
40 背部
41 椅子面
50 足台
52 サポートリンク
53 ストッパ
60 編生地
70 取付金具
71 手摺棒
【発明の属する技術分野】
本発明は、被介護者を移動させる際に使用する介護用スライドチェアシステムに関し、特に、壁に設けられた汎用の手摺に引掛けて被介護者の横移動を可能にする介護用スライドチェアシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、病院や老人ホームなどの施設で被介護者を移動させる道具として車椅子が知られていた。車椅子を用いることにより、被介護者は介護者の力添えで施設内を(場合によっては施設外を)移動できていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の技術では以下の問題点があった。
すなわち、被介護者の移動の際に最も労力を要するのは、被介護者の上下移動である。より具体的な例として寝たきりの被介護者について説明する。寝たきりの被介護者であっても、入浴の際には移動が必ず必要であり、また、可能であれば排便時にも便所まで移動することが好ましい。従って、移動場所としては、ベッド、浴槽および便所が挙げられる。従来では、車椅子で被介護者を移動させる際には、まず、それぞれの場所に車椅子を横付けし、単数または複数の介護者で被介護者を車輪上部まで持ち上げ車椅子の座部に座らせる必要があった。そして、目的場所に車椅子を横付けし、単数または複数の介護者で被介護者を座部から車輪上部まで持ち上げて各目的場所に降ろす必要があった。
【0004】
このとき、特に、被介護者を浴槽に移動させる場合、もしくは浴槽から引き揚げる場合に、従来の車椅子では垂直方向の移動量が多く、介護者のみならず被介護者にも相当の負担が強いられていた。
【0005】
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、介護者および被介護者の負担を軽減し、簡便かつ移動の自由度の高い介護用スライドチェアシステムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の介護用スライドチェアシステムは、被介護者を移動させる際に手摺に引掛けて使用するスライドチェアと、壁に設けられた手摺であってスライドチェアを引掛けて使用する以外は歩行者が利用可能な前記手摺と、からなる介護用スライドチェアシステムであって、前記スライドチェアを、座部と背部から形成される腰掛体と、腰掛体背部裏面側に配され、当該腰掛体を昇降させるリフトシリンダと、リフトシリンダを担持し、腰掛体背部裏面側に設けられたフレームと、フレームに突設され、壁へ向けて水平方向に伸び中途で鉛直下方に曲げられた第1の軸体と、第1の軸体の水平方向部分で軸通され、手摺上部に当接させる受ローラと、第1の軸体の鉛直下方部分で軸通され、手摺側部に当接させる上ローラと、上ローラより下側の位置でフレームに突設され鉛直下方に伸びた第2の軸体に軸通され、壁に当接させることによりフレームの姿勢を保持する下ローラと、を有する構成とし、前記手摺を、当該手摺の上部および壁側側部を受ローラと上ローラの通過に際し障害物のない平滑な構成とし、かつ、被介護者とスライドチェアの総重量を耐荷可能に壁に架設した、ことを特徴とする。
【0007】
すなわち、請求項1にかかる発明は、スライドチェアを手摺に引掛け可能とし、手摺沿いにスライドチェアを水平移動させて目的の場所(ベッド横、便座上部、浴槽上部)に到達させ、リフトシリンダにより座部を搬送高さから、ベッド上面の高さ、便座の高さ、または、浴槽下面の高さまで昇降可能とする。なお、リフトシリンダを用いるので構造が簡単になりスライドチェアの重量を低減させることができる。このとき、リフトシリンダを腰掛体背部裏面側に配したので、フレームとともに、コンパクトなパッケージとすることが可能となる。同様に、第1の軸体をL字としたのでスライドチェアを引掛ける構造が簡素化でき、簡単な構造かつ軽量なスライドチェアを構築可能となる。これにより介護者および被介護者の負担を軽減し、簡便な介護用スライドチェアシステムを提供することが可能となる。なお、手摺は載荷重の設計のみを変更すればよく、汎用品を用いること、すなわち、通常歩行者が利用する汎用の手摺を用いることが可能である。ローラについては、左右一対の構成とすれば、簡単に姿勢を保持できることとなる。
【0008】
また、請求項2に記載の介護用スライドチェアシステムは、請求項1に記載のスライドチェアシステムにおいて、座部前方位置に設けられ、座部下方前側に延伸する平行リンクと、平行リンクを介し座部と略平行位置関係を保持する足台と、
足台に設けられ、腰掛体の降下に伴って床面に接触し足台の滑らかな前方移動を補助する補助ローラと、を設けたことを特徴とする。
【0009】
すなわち、請求項2にかかる発明は、座部を深く下降させ被介護者を腰掛体に腰掛けさせたまま入浴させる際に、足を自然に負担をかけることなく伸ばすことが可能となる。また、補助ローラを設けているので浴槽床面を傷つけることがない。また、足台が前方に出るように姿勢されているので、降下に伴って足が折れ曲がって巻き込まれるようなことがなく、安全性の高い構成となっている。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の介護用スライドチェアシステムにおいて、前記足台が座部下方前側に最も延伸した長さより長く構成した浴槽を設け、さらに、前記スライドチェアに、前記リフトシリンダの下降に伴う部位の下降を妨げない穴部の形成された底面板と、前記背部とフレームとの間に配された背面板とを少なくとも有し、スライドチェアの下方からもしくは背部方向からの水濡れを防止する防水カバーを設けたことを特徴とする。
【0011】
すなわち、請求項3にかかる発明は、入浴時に水はねが生じても、スライドチェア内部への水濡れを防止することが可能となる。なお、水に漬かる部分もしくは濡れる部分(シリンダの下降に伴う部分および腰掛体)を防水構造もしくは濡れてもよい素材で設計するのは言うまでも無い。また、スライドチェア背面にも板を設けて各ローラ部分のみが露出する構成としても良い。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1、2または3に記載のスライドチェアシステムにおいて、前記スライドチェアが、受ローラ、上ローラ、または、下ローラを回動させる回動手段と、前記回動手段を駆動する駆動電源と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
すなわち、請求項4にかかる発明は、スライドチェアを自走させることができ、歩行の困難な被介護者の自由な移動を可能とする。換言すれば、スライドチェアを移動用の乗り物とすることが可能となる。
【0014】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の介護用スライドチェアシステムの外観構成をその使用態様が理解できるように、壁の表示を透明として後方から示した斜視図である。また、図2は、本発明の介護用スライドチェアシステムを側面から示した説明図である。また、図3は、本発明の介護用スライドチェアシステムを用いて被介護者を入浴させる場合の使用状態の例を示した説明図である。
【0015】
図に示したように、介護用スライドチェアシステム1は、被介護者を移動させる際に使用するスライドチェア2と、壁に設けられた手摺3と、を有する。なお、符号4はスライドチェア2に搭載してあるバッテリ31を充電する際に使用する電極を、符号5は洋式便器を、符号6は浴槽をそれぞれ示している。
【0016】
スライドチェア2は、メインフレーム10と、リフトフレーム11と、スライドブロック12と、スライドレール13と、リフトシリンダ14と、ボディカバー15と、L字軸20と、受ローラ21と、上ローラ22と、下ローラ軸23と、下ローラ24と、走行モータ30と、バッテリ31と、ブラシ32と、制御装置33と、背もたれ40と、椅子面41と、肘掛42と、足台50と、車輪51と、サポートリンク52と、ストッパ53と、編生地60と、を有する。
【0017】
手摺3は、取付金具70と、手摺棒71と、を有する。なお、壁には、手摺3と電極4のほか、板レール7と、電極カバー8と、が設けられている。なお、図1では、スライドブロック12、スライドレール13、背もたれ40、左側の肘掛42、ボディカバー15、板レール7および電極カバー8などついては、説明の便宜のため省略してある。なお、図2では、説明の便宜のためリフトシリンダ14とリフトフレーム11を分離して描画しているが、実際は太い矢印が示した位置に連結された構成である。
【0018】
次に、各部を説明する。メインフレーム10は、スライドレール13とスライドブロック12を介してリフトフレーム11を上下方向にスライド可能に保持し、リフトフレーム11は、リフトシリンダ14の駆動に従ってスライドブロック12にガイドされメインフレーム10に対して上下方向にスライドされる。なお、メインフレーム10とリフトフレーム11が請求項にいうフレームに対応する。
【0019】
スライドブロック12とスライドレール13は、それぞれリフトフレーム11とメインフレーム10に固着されるとともに、それぞれのフレームの移動方向を規制する。リフトシリンダ14は一端がメインフレーム10に他端がスライドフレームに接続され、バッテリ31の駆動を受けてリフトフレーム11を昇降させる。ボディカバー15は、こられのフレームを覆い、走行モータ30やリフトシリンダ14などの電動駆動部に由来する巻き込み防止を図るほか、特に、入浴時の水しぶきによるサビなどの劣化原因を低減させるために設けている。このとき、ボディカバー15の底面板に、リフトシリンダ14の下降に伴う部位の下降を妨げない穴部などを適宜設けてもよい。
【0020】
ここで、メインフレーム10、リフトフレーム11およびリフトシリンダ14を、背もたれ40裏面側に背もたれ40の肩幅程度の幅で収まるようにそれぞれ略鉛直方向を向くように構成した。従って、スライドチェア2は場所をとらず、また、作業者は簡便にスライドチェア2を手摺3に引掛けることが可能となる。
【0021】
L字軸20は、メインフレーム10に壁側方向水平に突設され、中途で鉛直下方に折れ曲げた構造を持った軸である。受ローラ21はこの水平方向部分で軸支され、また、上ローラ22は鉛直方向部分で軸支されている。なお、言うまでも無いが、L字軸20は必ずしも全ての部位において同径の円柱構造をとる必要がなく、それぞれの部位でローラを円滑に回転させる構造を有すればよい。スライドチェア2は、受ローラ21と上ローラ22を一本のL字軸20で支える構造をとるので、構造が簡素化でき、簡単に手摺3に引掛け可能となる。さらに、構造が簡素化できると重量の面からも手摺3への引掛け作業が容易となるという相乗的な作用効果も得られる。
【0022】
受ローラ21は、手摺3上部に当接し、スライドチェア2を左右に円滑に移動させる。このとき、受ローラ21はクラッチ付きの走行モータ30により駆動される。なお、この走行モータ30は制御装置33により制御されるが、電源OFFのときはクラッチも切れる構造としているので、電源OFFのときは受ローラ21が自由に回転でき、人力で横移動させることができる構成としている。なお、図2に示したように、手摺3の上部形状に合わせて受ローラ21の形状を変更してもよい。
【0023】
上ローラ22は、L字軸20に従って受ローラ21より壁側に配され、リフトチェアが前方に抜けおちないように手摺3の壁側側面に当接するように設けられている。本実施例では受ローラ21を駆動する態様を説明しているが、上ローラ22もしくは下ローラ24を駆動する態様であってもよい。下ローラ軸23は、下ローラ24より下側の位置でメインフレーム10に突設された軸であって、鉛直下方に向けられている。これは、下ローラ24が壁にそって板レール7に当接しながら回転するために配向されたものである。なお、下ローラ軸23は、下ローラ24を軸通する部分だけ鉛直下方に向いていればよいので、必要に応じてL字軸20と同様にしてメインフレーム10から突設した構造であってもよい。
【0024】
また、下ローラ軸23の重要な機能としてスライドチェア2の姿勢維持がある。スライドチェア2は、受ローラ21および上ローラ22の構成上、手摺棒71を中心に回転するように力がかかる。従って、下ローラ24は、メインフレーム10から一定の位置かつ上ローラ22の下側で壁に当接するように設けてスライドチェア2の回転を防止するとともに、力を受けとめてスライドチェア2がぐらつかないように姿勢制御している。なお、姿勢の安定のため、本実施例のスライドチェア2は、左右両方向にL字軸20とした下ローラ軸23とを設けている。
【0025】
走行モータ30は、ベルトを介して受ローラ21を回転させる。この駆動電源は、12Vの鉛バッテリ31を直列接続した24V電源として構成する。なお、リフトシリンダ14もバッテリ31により駆動する。本願では駆動電源を内蔵したので、例えば、手摺3を、スライドチェア2専用に設け、かつ、ここから駆動電源を供給するような特注構造にする必要がなく、スライドチェア2を自走式の乗り物とすることが可能となっている。バッテリ31は、スライドチェア2の定位置に設けられた電極4により充電される。なお、充電に際しては、スライドチェア2が定位置に来たときに電極4に当接するブラシ32から電力供給されるものとする。また、制御装置33は、スライドチェア2の横移動や昇降を制御する。
【0026】
背もたれ40は、リフトフレーム11に近接した前方位置に椅子面41に接続して設けられている。背もたれ40の左右には、上方から略水平まで折れ倒し可能な肘掛42を設けている。肘掛42を可倒式にしたので、被介護者のスライドチェア2からの移動や引き出しが容易となる。椅子面41はリフトフレーム11に連結しているのでリフトフレーム11の昇降に従って背もたれ40とともに昇降する。なお、背もたれ40と椅子面41が請求項にいう背部と座部にそれぞれ対応する。
【0027】
足台50は平行リンクであるサポートリンク52を介してリフトフレーム11前端に接続されている。サポートリンク52を平行リンクとしたので椅子面41と足台50を平行にでき、特に入浴の際に介護者が被介護者の足元を洗う際に足台50が邪魔とならない。また、平行リンクであるので、足台50がぐらつくことがなく安定する。なお、サポートリンク52はストッパ53により前方に傾斜するように姿勢されているので、リフトフレーム11の下降に伴い足が床と椅子面41との間に挟まれてしまうことがなくスライドチェア2は高い安全性を確保している。
【0028】
足台50手前には車輪51が設けられており、リフトフレーム11の降下により車輪51が床面に着くと足台50を前方に滑らかに移動させる構成となっている。なお、背もたれ40、椅子面41、足台50、サポートリンク52は、適宜ステンレスパイプにより構築し、編生地60を架けることにより丈夫で軽量な構成とすることができる。このとき、リフトフレーム11下端、背もたれ40、椅子面41、サポートリンク52、足台50、車輪51などの水に濡れる部分は、錆びない素材もしくは防錆加工、撥水加工などしてある素材を採用し、編生地60についても水はけのよい素材を用いることが好ましい。また、椅子面41の編生地60については、便座様に穴あき構造とすることにより、スライドチェア2を便座上面に移動させるだけで排便が可能となる。
【0029】
手摺棒71および取付金具70は、被介護者とスライドチェア2の総重量を耐えうるものであればどのようなものでも採用できる。ただし、手摺棒71は上ローラ22および受ローラ21の通過に際し障害物のない平滑な構成とすることはいうまでもない。なお、本実施例では、主として屋内の使用を考えているが、手摺棒71および板レール7を連続させることにより、屋外移動も可能となる。
【0030】
また、各ローラが当接する構造とすれば、手摺棒71と板レール7に適宜曲率を持たせ、右折左折のような廊下などの曲がり角での移動が可能となる。すなわち、手摺棒71と板レール7とを、鉄道線路のように要所でポイント切換構造様に構築すれば、被介護者が自由に進みたい進路を選択することが可能となる。また、ドアのあるところでも、図4に示したように、手摺棒71を上部に開放可能にし、閉状態では力が分散するように斜めに切断した構成とすれば、スライドチェア2の通過時のみ、折れ曲げ部を倒して使用することができる。なお、板レール71は壁と同一面であり開閉の必要はないが、使用の態様によって適宜開閉可能な構成にしてもよい。
【0031】
次に、具体的に入浴時のスライドチェア2の使用について説明する。入浴に際しては、まず、スライドチェア2に被介護者を載せてスライドチェア2をスライドさせ、必要に応じて浴槽6付近でリフトアップし、浴槽6の側面を通過させた後、リフトダウンさせる。リフトフレーム11の降下に従って、車輪51が浴槽6床面に接触し、サポートリンク52に従って、足台50が前方に平行に伸びてゆく。このとき、足も自然に伸びてゆくので安全な入浴が可能となる。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、介護者および被介護者の負担を軽減し、簡便かつ移動の自由度の高い介護用スライドチェアシステムを提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の介護用スライドチェアシステムの外観構成をその使用態様が理解できるように、壁の表示を透明として後方から示した斜視図である。
【図2】本発明の介護用スライドチェアシステムを側面から示した説明図である。
【図3】本発明の介護用スライドチェアシステムを用いて被介護者を入浴させる場合の使用状態の例を示した説明図である。
【図4】開閉式の手摺の構成例を示した説明図である。
【符号の説明】
1 介護用スライドチェアシステム
2 スライドチェア
3 手摺
6 浴槽
7 板レール
10 メインフレーム
11 リフトフレーム
12 スライドブロック
13 スライドレール
14 リフトシリンダ
15 ボディカバー
20 L字軸
21 受ローラ
22 上ローラ
23 下ローラ軸
24 下ローラ
40 背部
41 椅子面
50 足台
52 サポートリンク
53 ストッパ
60 編生地
70 取付金具
71 手摺棒
Claims (4)
- 被介護者を移動させる際に手摺に引掛けて使用するスライドチェアと、壁に設けられた手摺であってスライドチェアを引掛けて使用する以外は歩行者が利用可能な前記手摺と、からなる介護用スライドチェアシステムであって、
前記スライドチェアを、
座部と背部から形成される腰掛体と、
腰掛体背部裏面側に配され、当該腰掛体を昇降させるリフトシリンダと、
リフトシリンダを担持し、腰掛体背部裏面側に設けられたフレームと、
フレームに突設され、壁へ向けて水平方向に伸び中途で鉛直下方に曲げられた第1の軸体と、
第1の軸体の水平方向部分で軸通され、手摺上部に当接させる受ローラと、
第1の軸体の鉛直下方部分で軸通され、手摺側部に当接させる上ローラと、
上ローラより下側の位置でフレームに突設され鉛直下方に伸びた第2の軸体に軸通され、壁に当接させることによりフレームの姿勢を保持する下ローラと、
を有する構成とし、
前記手摺を、
当該手摺の上部および壁側側部を受ローラと上ローラの通過に際し障害物のない平滑な構成とし、かつ、被介護者とスライドチェアの総重量を耐荷可能に壁に架設した、
ことを特徴とする介護用スライドチェアシステム。 - 座部前方位置に設けられ、座部下方前側に延伸する平行リンクと、
平行リンクを介し座部と略平行位置関係を保持する足台と、
足台に設けられ、腰掛体の降下に伴って床面に接触し足台の滑らかな前方移動を補助する補助ローラと、
を設けたことを特徴とする請求項1に記載の介護用スライドチェアシステム。 - 前記足台が座部下方前側に最も延伸した長さより長く構成した浴槽を設け、さらに、
前記スライドチェアに、前記リフトシリンダの下降に伴う部位の下降を妨げない穴部の形成された底面板と、前記背部とフレームとの間に配された背面板とを少なくとも有し、スライドチェアの下方からもしくは背部方向からの水濡れを防止する防水カバーを設けたことを特徴とする請求項2に記載の介護用スライドチェアシステム。 - 前記スライドチェアは、受ローラ、上ローラ、または、下ローラを回動させる回動手段と、
前記回動手段を駆動する駆動電源と、
を備えたことを特徴とする請求項1、2または3に記載のスライドチェアシステム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002169874A JP2004008678A (ja) | 2002-06-11 | 2002-06-11 | 介護用スライドチェアシステム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002169874A JP2004008678A (ja) | 2002-06-11 | 2002-06-11 | 介護用スライドチェアシステム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004008678A true JP2004008678A (ja) | 2004-01-15 |
Family
ID=30436311
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002169874A Pending JP2004008678A (ja) | 2002-06-11 | 2002-06-11 | 介護用スライドチェアシステム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004008678A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009201554A (ja) * | 2008-02-26 | 2009-09-10 | Seiko Giken Kk | 入浴介護補助装置 |
US8507857B2 (en) | 2007-06-08 | 2013-08-13 | Advantest Corp. | Charged particle beam inspection apparatus and inspection method using charged particle beam |
JP2016047080A (ja) * | 2014-08-27 | 2016-04-07 | 株式会社ハイレックスコーポレーション | 入浴支援装置 |
JP2016047213A (ja) * | 2014-08-28 | 2016-04-07 | 株式会社ハイレックスコーポレーション | 下肢移動台 |
-
2002
- 2002-06-11 JP JP2002169874A patent/JP2004008678A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8507857B2 (en) | 2007-06-08 | 2013-08-13 | Advantest Corp. | Charged particle beam inspection apparatus and inspection method using charged particle beam |
JP2009201554A (ja) * | 2008-02-26 | 2009-09-10 | Seiko Giken Kk | 入浴介護補助装置 |
JP2016047080A (ja) * | 2014-08-27 | 2016-04-07 | 株式会社ハイレックスコーポレーション | 入浴支援装置 |
JP2016047213A (ja) * | 2014-08-28 | 2016-04-07 | 株式会社ハイレックスコーポレーション | 下肢移動台 |
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