JPH0630192Y2

JPH0630192Y2 - 車椅子入浴装置

Info

Publication number: JPH0630192Y2
Application number: JP1989077378U
Authority: JP
Inventors: 直樹赤松; 康幸高岩
Original assignee: オージー技研株式会社
Priority date: 1989-06-29
Filing date: 1989-06-29
Publication date: 1994-08-17
Anticipated expiration: 2004-06-29
Also published as: JPH0316932U

Description

【考案の詳細な説明】産業上の利用分野本考案は、老人及び身体に障害のある人が車椅子に乗っ
たまま入浴できる車椅子入浴装置に関する。

従来の技術従来の技術としては、特公昭５８−２３１０３号公報に
示される技術が存在する。この公報に示される技術は、
浴槽装置用床掘込み部分を昇降する浴槽を設け、車椅子
を載せる固定板を浴槽の上縁をまたいで支持されるよう
にしたものである。

また、従来技術として、実公昭６４−９０６号公報に示
される技術が存在する。この公報に示される技術は床置
き型の昇降する浴槽とこの浴槽を跨越する入浴用移動寝
台を組み合わせた入浴装置である。

考案が解決しようとする課題従来の技術として示した特公昭５８−２３１０３号公報
の車椅子用傾斜昇降浴槽は、浴槽を設ける為の浴槽設置
用床掘込み部分を床に設けなければならない。その為、
浴槽の設置場所の変更などは容易でなく、又、床の構造
も特別仕立てにする必要がありその設計と施工費用が嵩
み、装置の設置に掛る費用も嵩み、また浴槽を昇降させ
る機構そのものの費用も嵩むものである。

また、床面と浴槽の上に位置する固定板との間には段差
が生じやすく、床から固定板に移る際には、段差を越え
る為に余計な労力を要し、また振動による不快感を入浴
者に与え、さらに車椅子の車輪の脱輪等の危険性があ
る。

入浴者の残存能力を少しでも多く活かしながら快適に入
浴させるためには仰臥姿勢で入浴するより座位姿勢で入
浴する方が良好である。

床置き型の昇降浴槽とこの昇降浴槽を跨越する入浴用移
動寝台を組み合わせてなる入浴装置では、入浴者を仰臥
姿勢で入浴させるものであるから入浴者の残存能力を大
いに活かしながら入浴するということはできないもので
ある。

また、適宜側壁を扉としない床置き形の昇降浴槽と、入
浴者が座位姿勢で入浴する門形フレームを有する車椅子
を組み合わせて入浴を行おうとすれば、入浴時には昇降
浴槽の上に椅子部を位置させるのであるから、椅子部の
位置を昇降浴槽の縁の高さより高くしなければならず、
椅子部の位置が高ければ入浴者に不安感を与え、また車
椅子の移動には危険が伴うという難点がある。

課題を解決する為の手段本考案は、従来技術の課題を解決したもので、車椅子を
浴槽内に入れる際この車椅子を快適に安全に移動でき、
浴槽の設置場所の変更も容易にできる車椅子入浴装置を
提供することを目的とする。

即ち本考案は、正面壁に扉２をなした浴槽１と、門形フ
レーム１１の上辺横枠１２から椅子部１３を垂下取着
し、左側立枠１４と右側立枠１５には床面を走行する車
輪１６を夫々取着してなる車椅子１０との組み合わせで
なり、前記車椅子１０の左側立枠１４に取着される車輪
１６と右側立枠１５に取着される車輪１６との間隔は前
記浴槽１の横幅より広く、浴槽１内に椅子部１３が入っ
た時に左・右側立枠１４・１５と左右の車輪１６とは浴
槽１外に位置することを特徴とする車椅子入浴装置であ
る。

また、前記車椅子１０の左側立枠１４及び右側立枠１
５、又は椅子部１３には、浴槽１の側壁に接触し車椅子
１０を浴槽１に案内する円盤１８が取着されてなるもの
である。

作用浴槽１の扉２を開け、開口部から車椅子１０の椅子部１
３を浴槽１内に突入させ、車椅子１０の左側立枠１４、
右側立枠１５を浴槽１外に添わせて移動させる。椅子部
１３が浴槽１内に入ってしまうと扉２を閉じ適宜給湯し
て入浴を行う。

入浴者が浴槽１から出る時には、湯を浴槽１から排出し
た後扉２を開け、車椅子１０を浴槽１から引出し入浴を
終わる。

実施例添付の図面に基いて本考案の実施例を説明する。

浴槽１の正面壁には扉２になされ、この扉２はヒンジ部
３を中心に９０度回動し、９０度回動した扉２は浴槽１
の右側壁６に設けた扉収納部４に押し込み収納される。
扉２に密着する浴槽１のＵ字型の端部には止水部材５が
止着されている。

浴槽１の右側壁６は扉収納部４となっており、扉収納部
４は上レール７、下レール８と、上レール７と下レール
８の間に摺動自在に設置される摺動体９とからなり、摺
動体９に扉２の一方側を掛着させる部分にはヒンジ部３
が形成される。

前記扉２を扉収納部４へ収納すると、浴槽１の直前の空
間を扉２が遮蔽せず空間をそのまま存続させることがで
き、浴槽１の直前で車椅子１０を移動しやすく、椅子部
１３を浴槽１に差し込みやすい。

扉２が開扉された浴槽１の正面の開口部から車椅子１０
を押し入れる。車椅子１０は門形フレーム１１の上辺横
枠１２に入浴者を坐らせる椅子部１３の背凭れ部２８を
垂下取着し、背凭れ部２８の下端から前方の水平方向に
向けて座部２９を取着し座部２９の前端には足載せ部２
７が垂下取着され、左右側立枠１４、１５の下端の夫々
には、床面を走行する車輪１６を装着した左右足枠１
７、３０が取着されてなる。

椅子部１３と左右側立枠１４、１５の間には適宜な空間
が有り、椅子部１３を浴槽１内に押し込むと浴槽１の左
右側壁６，１９が前記の空間に臨む。

平行に設けられた足枠１７の夫々の先端には水平方向に
ガイド用の円盤１８が取着され、車椅子１０を浴槽１に
覆う如くに水平方向に移動し接近させていくと円盤１８
の円周が浴槽１の左右側壁６、１９に設けた左右案内軌
条２０、２１に接触しながら、車椅子１０を浴槽１に案
内し椅子部１３を浴槽１内に入れる。

前記扉２の他方側には受金具２２が取着され浴槽１の左
側壁１９には掛止金具２３が取着されており、椅子部１
３を浴槽１に入れた後、扉２を扉収納部４から引出し、
全て引出しした位置でヒンジ部３を中心に回動させて扉
２を閉じ、掛止金具２３を受金具２２に引っ掛けて止
め、扉２を浴槽１に水密に固定する。

浴槽１に椅子部１３を入れ入浴準備を完了した後、浴槽
１に湯を適宜給湯手段で注ぐ。入浴を終了する時には浴
槽１内の湯を適宜手段で排水し、しかる後に掛止金具２
３を外し、扉２を開け、車椅子１０を浴槽１から取り出
す。

尚、第一図中２４は扉２に設けた取手である。また、第
五図〜第七図に他の実施例を示している。

第五図は扉２の一方端と浴槽１とが掛止される部分をヒ
ンジ部３とし、ヒンジ部３には扉２が９０度開いた時に
扉２の動きを錠止するストッパー２６が設けられる。

第六図には足載せ部２７の裏面の前部両端にガイド用の
円盤１８を取着した車椅子１０を示している。椅子部１
３を浴槽１に入れる際、この円盤１８の円周は浴槽１の
内側に取着した左案内軌条２０及び右案内軌条２１に接
触しながら椅子部１３を浴槽１に案内する。

第七図は正面壁が前方へ倒れて開扉する扉２を有する浴
槽１を示している。

考案の効果本願考案は、浴槽の正面壁を扉になし、扉を開けた浴槽
に車椅子を進入し椅子部を浴槽内に入れ、しかる後に扉
を閉めて入浴をする装置である。この構成によれば、車
椅子は平坦な床面のみを走行して入浴を行うものである
から、介助者の労力は少なく、車椅子に与える振動は極
めて少ないゆえにこの振動が入浴者に与える不快感も小
さく押えることができるという効果がある。

また、浴槽の側壁に扉を収納する扉収納部を設けた場合
には、扉が側壁に添って確実に収納でき、浴槽の周囲の
スペースが有効に使え、収納した扉は案内軌条としても
利用できるという効果がある。

さらに、浴槽には床面を走行する車輪が入らないので、
温湯を車輪で汚すということはなく、温湯の清潔さを保
つことができるという効果がある。

また、浴槽の正面壁を扉になして、扉を開けておいて入
退浴動作を行うものであるから、車椅子の椅子部は低位
置に設けられており、入浴者に高さによる不安感を抱か
せることはない。また移動の際しては、簡易な門形フレ
ームで椅子部を低位に保持してなる車椅子であるから、
横転する危険性はなく安全に入浴操作が行えるという効
果を持つ。

入浴作業において、車椅子１０を浴槽１に覆う如くに水
平方向に移動し接近させていくと、円盤１８の円周が浴
槽１の左右側壁に接触しながら、車椅子１０を浴槽１の
奥行き方向に案内するので、車椅子１０を浴槽１に入れ
る作業が容易となるという効果がある。

また、浴槽は床面上に置くものであって、掘込むなどの
特別な床工事を要しない。従って、第一に浴槽の設置場
所を変更することが可能であるという利点があり、第二
に床工事等が不要であるから入浴装置の設置が極めて容
易でありかつ安価であるという利点があり、第三に入浴
装置を設置する際、入浴装置は床上に置くだけであるか
ら床の厚さは薄くても設置が可能であるという利点があ
る。

また、浴槽は単に床面上に置だけのものであるから、浴
槽を昇降させる昇降装置が不要であり、この昇降装置に
係る経費は不要となり且つそのメンテナンスも不要であ
るという利点がある。

【図面の簡単な説明】

添付の図面は本考案の実施例を示しており、第１図は浴
槽の斜視図、第２図は車椅子の斜視図、第３図，第４図
は浴槽の斜視図、第５図は他の実施例における浴槽の斜
視図、第６図は他の実施例における車椅子の斜視図、第
７図は他の実施例における浴槽の斜視図を示している。１…浴槽、２…扉、１０…車椅子、１１…門形フレー
ム、１２…上辺横枠、…１３…椅子部、１４…左側立
枠、１５…右側立枠、１６…車輪

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】正面壁に扉２をなした浴槽１と、門形フレ
ーム１１の上辺横枠１２から椅子部１３を垂下取着し、
左側立枠１４と右側立枠１５には床面を走行する車輪１
６を夫々取着してなる車椅子１０との組み合わせでな
り、前記車椅子１０の左側立枠１４に取着される車輪１
６と右側立枠１５に取着される車輪１６との間隔は前記
浴槽１の横幅より広く、浴槽１内に椅子部１３が入った
時に左・右側立枠１４・１５と左右の車輪１６とは浴槽
１外に位置することを特徴とする車椅子入浴装置。
【請求項２】正面壁に扉２をなした浴槽１と、門形フレ
ーム１１の上辺横枠１２から椅子部１３を垂下取着し、
左側立枠１４と右側立枠１５には床面を走行する車輪１
６を夫々取着してなる車椅子１０との組み合わせでな
り、前記車椅子１０の左側立枠１４及び右側立枠１５、
又は椅子部１３には、浴槽１の側壁に接触し車椅子１０
を浴槽１に案内する円盤１８が取着されてなる車椅子入
浴装置。