JP2001104402A

JP2001104402A - 介護用ベッド装置

Info

Publication number: JP2001104402A
Application number: JP28475899A
Authority: JP
Inventors: Mamoru Matsumuro; 衛松室
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1999-10-05
Filing date: 1999-10-05
Publication date: 2001-04-17

Abstract

(57)【要約】【課題】患者をベッドに乗せたまま浴槽又は便器を使
用できるようにして介護者の負担を軽減できる介護用ベ
ッド装置を提供する。【解決手段】ベッド本体がベルトコンベア１１によっ
て構成されるメインベッド１と、ベッド本体がローラコ
ンベア２１によって構成されるサブベッド２との組み合
わせからなる介護用ベッド装置である。サブベッド２
は、浴槽３の上方に配置されるとともに、巻上げ装置５
によって浴槽３から引き上げられた上昇位置と、浴槽３
内に下降される位置との間を昇降可能に構成される。ま
た、サブベッド２は、上昇位置では水平状態のベッド形
態に、下降位置では屈曲状態の座椅子形態に変換される
構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、寝たきり老人や重
度障害者（以下、患者という）の介護に好適な介護用ベ
ッド装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】患者の介護、例えば敷布団やシーツの交
換を楽に行うことができ、また患者を風呂場やトイレま
で運搬する上で好適な介護用ベッド装置としては、例え
ば特開平１０−１０８８７８号公報がある。上記公報記
載の介護用ベッド装置は、ベルトコンベアを有するベッ
ドと、昇降可能なベルトコンベア付きベッド兼車椅子と
の組み合わせから構成され、二つのベッド間で患者を寝
たきりのままで移送できるようにしたものである。ベッ
ド兼車椅子は、ベッドの形態（水平姿勢）でベッド間の
移送を行い、椅子の形態で風呂場やトイレへ搬送できる
ように構成されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記公報記載の介護用
ベッド装置によると、患者を二つのベッド間で移送す
る、つまり移し替えるときに、敷布団やシーツ等を交換
することが可能なこと、ベッド兼車椅子へ移送後、風呂
場又はトイレまで搬送することが可能なこと、等から介
護者の負担を軽減することができる。しかしながら、患
者を、例えば入浴あるいは排尿、排便させるときには、
車椅子から浴槽へあるいは便器へ移動する作業を必要と
するものであり、そのため介護者の負担を軽減するに
は、未だ十分とは言えない。

【０００４】本発明は、上述した従来の問題点に鑑みて
なされたものであり、その目的とするところは、患者を
ベッドに乗せたまま浴槽又は便器を使用できるようにし
て介護者の負担をより軽減できる介護用ベッド装置を提
供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を達成するた
め、本発明に係る介護用ベッド装置は、特許請求の範囲
各請求項に記載の通りの構成を備えた。従って、請求項
１に記載の発明によれば、メインベッドのコンベアとサ
ブベッドのコンベアとをそれぞれ回転することによっ
て、両ベッド間で患者を移送することができる。そし
て、患者をサブベッド側へ移送後、昇降手段を操作して
サブベッドを下降することによって、患者をサブベッド
毎浴槽内へ沈めて入浴（あるいはシャワー）することが
できる。このとき、サブベッドは患者の上体を引き起こ
すような座椅子の形態に変換されるため、患者が楽な姿
勢で入浴することができる。入浴後は、昇降手段を操作
してサブベッドを浴槽内から引き上げれば、該サブベッ
ドがベッドの形態に変換され、患者は元の姿勢に戻され
る。このように、請求項１の発明によれば、患者をサブ
ベッドに乗せたままで浴槽内に移動して入浴させること
ができるため、介護者の負担を大きく減ずることが可能
となる。

【０００６】また、請求項２に記載の発明によれば、患
者をメインベッドからサブベッドへ移送するとともに、
浴槽の底板に設けた蓋板を開いたのち、請求項１と同様
の手順で浴槽内にサブベッドと共に患者を下降し、排
尿、あるいは排便をさせることができる。すなわち、こ
の場合も患者をベッドに乗せたままで排尿、あるいは排
便させることができるため、介護者の負担を大きく減ず
ることが可能となる。

【０００７】また、請求項３の発明によれば、サブベッ
ドは、常に巻上げ装置の吊下索と浴槽の縁又は枠部材に
よって長手方向の３箇所を支持されて水平状態に保持さ
れている。かかる状態で巻上げ装置を下降側に操作する
と、サブベッドは自重で浴槽内に下降するが、そのとき
浴槽の縁又は枠部材にて支持されているサブベッドがそ
の支持部位を押された形となって略中間部から屈曲され
る。すなわち、サブベッドを下降する操作を行うだけで
座椅子の形態に変換することができる。

【０００８】また、請求項４に記載の発明によれば、サ
ブベッドを浴槽内に沈めて患者の身体を洗うときに、吊
下索をサブベッドから外すことができる。このため、介
護者は吊下索に邪魔されることなく患者を洗うことがで
きる。

【０００９】また、請求項５の発明によれば、患者をメ
インベッドからサブベッドへ移送するときに、患者が使
用していた敷布団等をベッド端から下方へ落として分離
することができる。一方、患者をサブベッドからメイン
ベッドへ移送するときは、ベルトコンベアの布団把持手
段によって敷布団等の端部を把持した状態でコンベアを
回転することにより、敷布団等をベルトコンベア上に敷
きながら、患者を敷布団上に移送することができる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図１は本実施の形態に係る介護用
ベッド装置の側面図であり、図２は同じく平面図であ
る。図１及び図２に示すように、介護用ベッド装置は、
通常の寝具として使用されるメインベッド１と、主とし
て患者を介護するときに用いられるサブベッド２との、
２台のベッドの組み合わせからなり、患者を両ベッド
１，２間で移送できるように構成されている。

【００１１】メインベッド１は、そのベッド本体がベル
トコンベア１１によって構成されている。ベルトコンベ
ア１１は、車輪１２ａ付きの少なくとも４本の支柱１２
を備えており、その支柱１２にて支持される左右一対の
フレーム１３間に配設される前後のプーリ１４及び該プ
ーリ１４に掛装されるベルト１５等によって構成され
る。なお、図示は省略するが、ベルトコンベア１１は一
方のプーリ１４（図示右側）に電動モータを仕組んだ電
動式とされ、スイッチ操作によって正・逆転及び停止が
可能とされる。

【００１２】また、ベルトコンベア１１のベルト１５
は、ウレタンパッドのようなクッション材を心材として
構成され、その上面には敷布団やシーツ（以下、敷布団
等という）６（図４又は図７参照）の端部を把持する敷
布団等把持手段としての、例えばマジックテープ（登録
商標）７（図７参照）によって把持可能とされる。従っ
て、図２の平面図には、ベルト１５の上面にマジックテ
ープ７の雄側又は雌側が設けられた状態が符号７ａにて
示されている。また、前後のプーリ１４間にはベルト１
５を支えるためのプレート（図示省略）が配設される。

【００１３】一方、サブベッド２は、そのベッド本体が
ローラコンベア２１によって構成されている。ローラコ
ンベア２１は、左右一対のフレーム２２と、そのフレー
ム２２間に配設されるるとともに相互に連動回転可能に
構成される多数のローラ２３とから構成されており、図
示は省略するが、モータによる電動式とされ、スイッチ
操作によって正・逆転及び停止が可能とされる。ローラ
コンベア２１の左右のフレーム２２は、図６に示すよう
に、長手方向の略中間部（患者の臀部と腰部との間に相
当する部位）において分割されるとともに、ヒンジピン
２２ａによって連結されている。すなわち、ローラコン
ベア２１は屈曲可能に構成されており、平面を構成する
ベッド形態と屈曲された座椅子形態とに変換可能とされ
ている。

【００１４】ローラコンベア２１のローラ２３は、ウレ
タンパッドのようなクッション材を内蔵させることによ
って、患者に負担を掛けることがないよう適度の柔軟性
を有する構成とされる。また、ローラコンベア２１は後
述する用便のための用便スペース２３ａを有する。この
用便スペース２３ａは、図２に示すように、ローラコン
ベア２１に患者の臀部から足元にかけて所定の幅でロー
ラ無しの領域を設けることによって形成されている。

【００１５】また、サブベッド２は浴槽３及び便器４を
備えている。浴槽３は車輪３１ａ付きの少なくとも４本
の支柱３１及びその支柱３１を相互に結合する枠部材３
２によって、その底面が床面から浮いた状態で支持され
ている。そして、浴槽３の下面には水洗便器４が固定さ
れている。なお、浴槽３及び便器４に対する給水（給
湯）や排水については、図示省略のフレキシブルパイプ
等を介して行われる。また、浴槽３の底板には、便器４
に対応する箇所に排便用としての開口部及びその開口部
を開閉するための脱着式あるいはスライド式の蓋板４ａ
が設置されている。

【００１６】また、サブベッド２を構成するローラコン
ベア２１は、浴槽３の上方に配置されている。図２に示
すように、ローラコンベア２１の横幅は、浴槽３内に納
まる幅に、また縦幅は浴槽３からはみ出る幅に設定され
ており、そして、昇降手段としての巻上げ装置５によっ
て昇降可能に吊下されている。巻上げ装置５は、図示は
省略するが、浴槽３の支柱３１から上方へ延長されたフ
レームに設置される。巻上げ装置５はローラコンベア２
１を吊るための４本のチェーンやワイヤロープ等の吊下
索５１、吊下索５１を巻き取るドラム５２、吊下索５１
の移動を案内するガイドローラ５３、駆動源としてのモ
ータ（図示省略）等によって構成され、スイッチ操作に
よってモータの正・逆転及び停止が可能とされる。

【００１７】そして、浴槽３の上方に配置されたローラ
コンベア２１の左右のフレーム２２は、一端（足側）と
屈曲部付近において巻上げ装置５の吊下索５１によって
吊下げ支持されるとともに、他端部（頭部側）が浴槽３
の支柱３１間に横架された枠部材３２（浴槽３の縁でも
可）に乗せられて支持されている。特に、フレーム２２
の屈曲部付近においては、図６の（Ａ），（Ｂ）に示す
ように、吊下索５１はヒンジピン２２ａに係合する略鍵
穴状の係合孔５４ａを備えた吊金具５４を介して吊下げ
られ、必要に応じてヒンジピン２２ａから取り外すこと
が可能となっている。

【００１８】上記のように構成された本実施の形態に係
る介護用ベッド装置によれば、メインベッド１とサブベ
ッド２との２台のベッド１，２を用いて患者を寝たまま
の姿勢で介護することができるものであり、以下、その
使用形態を説明する。メインベッド１のベルトコンベア
１１及びサブベッド２のローラコンベア２１をそれぞれ
正転又は逆転することによって、図３に示すように、寝
たきりの患者をメインベッド１からサブベッド２側へ又
はその逆に移送することができる。そして、患者がメイ
ンベッド１からサブベッド２へ乗り移るときに、図４に
示すように、敷布団等６を両メインベッド１の端から下
方へ落下させ、患者から分離することができる。なお、
このとき、敷布団等６はキャスター付き回収籠８に回収
することが好ましい。

【００１９】患者をサブベッド２上へ移送後、巻上げ装
置５を下降操作すれば、図５に示すように、足側及び屈
曲部付近を吊下索５１にて吊られるサブベッド２は、自
重で浴槽３内に下降し、浴槽３の底に着地する。このと
き、浴槽３の枠部材３２上に乗せられているサブベッド
２の頭部側が、該枠部材３２によって押された形とな
り、サブベッド２がヒンジピン２２ａを中心に屈曲す
る。すなわち、サブベッド２は頭部側が持上げられた形
に屈曲されて座椅子の形態となる。かくして、患者は座
椅子に座った姿勢で入浴（シャワー）あるいは用便を足
すことができる。なお、当然のことながら、入浴のとき
は便器４の蓋板４ａを閉じて使用し、用便のときは開い
て使用する。また、入浴時には、吊金具５４をヒンジピ
ン２２ａから外すことができる。すなわち、吊下索５１
をローラコンベア２１から外した状態でベッド側方から
患者の身体を洗うことができるため、介護者の邪魔にな
ることがない。

【００２０】入浴あるいは用便後は、巻上げ装置５を上
昇操作すれば、サブベッド２は浴槽３内から引き上げら
れ、平面姿勢に戻りベッドの形態となる。そして、入浴
の場合であれば、患者をメインベッド１側へ移送する際
に、メインベッド１のベルトコンベア１１にバスタオル
の端部をマジックテープ７によって固定しておくことに
より、ベルトコンベア１１の逆方向の回転によってバス
タオルをベルトコンベア１１上に引き込んで敷くことが
できる。従って、メインベッド１側において、寝たまま
の楽な姿勢の患者をバスタオルで拭いてやることができ
るため、患者及び介護者は共に負担が軽くて済む。

【００２１】拭き終われば、患者を再びメインベッド１
からサブベッド２側へ一旦戻したのち、上記バスタオル
の場合と同様に、メインベッド１のベルトコンベア１１
に清潔な敷布団等６の端部をマジックテープ７によって
固定し、ベルトコンベア１１の逆方向の回転によって敷
布団等６をベルトコンベア１１上に引き込んで敷きなが
ら患者をメインベッド１側へ移動して敷布団等６の上に
寝せることができる。このように、本実施の形態の介護
用ベッド装置によれば、患者をメインベッド１とサブベ
ッド２との間で移送することによって、バスタオルで患
者の身体を拭いたり、清潔な敷布団等６に交換したりす
る作業を負担なく行うことができる。図７に敷布団等６
の交換態様を斜視図で示している。

【００２２】なお、上記の敷布団等６の交換時におい
て、寝間着（浴衣）を同様の要領で着せ替えることも可
能である。つまり、メインベッド１側において、患者の
腕を寝間着の袖から抜いたのち、サブベッド２側へ移送
することによって寝間着を脱がせることができ、また敷
布団等６にマジックテープ等を利用して寝間着を貼り付
けておくことにより、患者をメインベッド１側へ移送す
るときに寝間着の上に患者を横たわらせることができ
る。従って、その後は寝間着を患者に楽に着せることが
できる。

【００２３】以上のように、本実施の形態に係る介護用
ベッド装置によれば、患者をベッド上に横たわった姿勢
のままで、入浴、用便、あるいは敷布団等の交換等を楽
に行うことができる。このため、介護者の負担（労力）
を大きく軽減することができる。そして、患者自身も肉
体的な苦痛を受けることなく、かつ回りに気を遣うこと
もなく、楽な気持ちで介護を受けることができる。

【００２４】なお、本発明は図示の実施の形態に限定さ
れるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で適宜
変更が可能である。例えば、浴槽３は一般家庭で使用さ
れている剛性のある材質から製作されるもののほか、例
えば防水性のシートを加工して形成することも可能であ
る。また、メインベッド１のベルトコンベア１１に敷布
団等６の端部を把持する手段としては、マジックテープ
７に代えて、例えば両面テープ、紙挟み、マジックファ
スナ等を利用することもできる。

【００２５】また、コンベア１１，２１及び巻上げ装置
５の駆動は電動式に限るものではなく、手動であっても
何ら差し支えない。また、コンベア１１，２１や巻上げ
装置５の停止動作については、リミットスイッチなどを
用いて自動停止できる構成を採用することが望ましく、
また停止位置には、オーバーラン防止用としてのストッ
パを設けて操作上の安全性を図ることが望ましい。

【００２６】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係る介護
用ベッド装置によれば、患者をベッド上に乗せたままで
の入浴あるいは用便を可能とするため、介護者の負担を
大幅に軽減することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施の形態に係る介護用ベッド装置を示す側
面図である。

【図２】同じく平面図である。

【図３】患者の移送態様を示す側面図である。

【図４】敷布団・シーツを患者から分離する態様及びメ
インベッドに敷く態様を示す側面図である。

【図５】患者の入浴あるいは用便の態様を示す側面図で
ある。

【図６】サブベッドの屈曲部構造及び吊下索の連結構造
を示す図面であり、（Ａ）は側面図、（Ｂ）は（Ａ）の
Ｘ−Ｘ線断面図である。

【図７】敷布団・シーツの交換態様を説明するための斜
視図である。

【符号の説明】

１…メインベッド２…サブベッド３…浴槽４…便器５…巻上げ装置６…敷布団等

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】それぞれベッド本体がコンベアによって
構成されるメインベッドとサブベッドとの組み合わせか
らなり、前記コンベアを回転することによって患者をメ
インベッドとサブベッドとの間で移送可能とした介護用
ベッド装置であって、前記サブベッドは、浴槽の上方に配置されるとともに昇
降手段によって浴槽から引き上げられる上昇位置と、浴
槽内に下降する下降位置との間で昇降可能とされてお
り、しかも上昇位置では水平なベッド形態に、下降位置
では略中間部から屈曲して座椅子形態に変換可能に構成
された介護用ベッド装置。
【請求項２】請求項１に記載の介護用ベッド装置であ
って、前記浴槽の下方には便器が備えられ、前記浴槽の
底板には便器のための開閉可能な蓋板が設けられた介護
用ベッド装置。
【請求項３】請求項１又は２に記載の介護用ベッド装
置であって、前記昇降手段は、巻上げ装置から構成され
ており、前記サブベッドは、長手方向の一端と屈曲部付
近が前記巻上げ装置の吊下索によって吊下げ支持され、
他端が前記浴槽の縁部又は浴槽を支持する枠部材によっ
て支持される構成とした介護用ベッド装置。
【請求項４】請求項３に記載の介護用ベッド装置であ
って、前記サブベッドの屈曲部付近を支持する吊下索
は、該サブベッドに対して着脱可能に構成された介護用
ベッド装置。
【請求項５】請求項１〜４のいずれかに記載の介護用
ベッド装置であって、前記メインベッドのコンベアはベ
ルトコンベアによって構成され、このベルトコンベア
は、患者の前記サブベッド上への移送時には、ベルトコ
ンベア上の敷布団等をベッド端から下方へ摺り落とすこ
とが可能で、患者のメインベッド上への移送時には、敷
布団等の端部を把持してベルトコンベア上へ引き込むた
めの布団把持手段を備えている介護用ベッド装置。