JP3115087U - 便器付き療養ベッド - Google Patents

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Abstract

【課題】人の手を煩わせることなく容易に取扱いができ、自らが楽に排泄を行うことができる便器付き療養ベッドを提供する。
【解決手段】平面視して略長方形状からなるベッド基台11に療養人が用いるための便器を備える便器付き療養ベッド10において、ベッド基台11の平面視する略中央部に両横方向に開閉自在の摺動扉13を有すると共に、摺動扉13が開放した時に摺動扉13の一部がベッド基台11の長手方向側の端部から突出し、しかも、摺動扉13の開口部14の下に着座式便器12を備えている。
【選択図】図1

Description

本考案は、病人や老人等の療養人が楽な姿勢で排泄行為を行うことができる便器付き療養ベッドに関する。
歩行が困難な病人や、足の不自由な老人の療養人は、排泄を行いたくなった時に、ベッドから降りて自由に移動できないので、大変な苦労が強いられることとなっている。また、自分一人で行動できないような療養人は、付添いや、看護士等にお願いしなければならないので、気持ちの上での負担が大きく排泄を我慢することとなり、身体自体を悪くする原因となっている。更に、付添いや、看護士等は、療養人を担ぎ上げて尻等に尿瓶や便器を宛がって排泄を行わせなければならないので、大変な重労働となっている上に、療養人にとって尿瓶や便器を尻等に宛がうのは、不自然な形になるので、順調な排泄を行うことができないという問題を抱えている。
そこで、最近では、療養人の療養ベッドには、ベッド基台の床や、マット等に孔を設けて、この孔と便器とを組み合わせたものが存在し、歩行が困難な病人や、足の不自由な老人は、臥した状態や、上半身を起こした状態で排泄を行うことができるようなものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、療養ベッドには、ベッド基台の床や、マット等を長さ方向に2つに分割できるようにしたり、あるいは、ベッド基台自体を長さ方向に2つに分割できるようにしたりして、2つの間に便器を設置させたようなものが提案されている(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。更に、便器を組み合わせた療養ベッドには、便器として、ポータブルの簡易式のものから本格的な水洗式のものまでが用いられているものが提案されている(例えば、特許文献4、特許文献5参照)。
実用新案登録第3082195号公報 特開平10−243969号公報 実用新案登録第3099386号公報 特開平10−118133号公報 実用新案登録第3034357号公報
しかしながら、前述したような従来の便器付き療養ベッドは、未だ解決すべき次のような問題がある。
(1)ベッド基台の床や、マット等に貫通孔程度の小さな孔を設けた所に、臥した状態や、上半身を起こした状態で排泄を行う便器付き療養ベッドの場合には、寝具等を退避させる場所もなく、排泄によって床や、マットや、寝具等を汚染することがあり、その都度頻繁に床や、マットや、寝具等の洗浄が必要となり、付添いや、看護士等の大きな負担となっている。
(2)ベッド基台の床や、マット等、あるいはベッド基台自体を長さ方向に2つに分割できるようにする便器付き療養ベッドの場合には、療養ベッド自体が大掛かりなものとなり、療養ベッドが高価なものとなっている。また、この療養ベッドは、ベッド基台の床や、マット等、あるいはベッド基台自体を2つに分割して、一方を引き伸ばすこととなるので、取扱いが容易でなく、広い病室が必要となり、設置場所の制約が発生している。
本考案は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、人の手を煩わせることなく容易に取扱いができ、自らが楽に排泄を行うことができる便器付き療養ベッドを提供することを目的とする。
前記目的に沿う本考案に係る便器付き療養ベッドは、平面視して略長方形状からなるベッド基台に療養人が用いるための便器を備える便器付き療養ベッドにおいて、ベッド基台の平面視する略中央部に両横方向に開閉自在の摺動扉を有すると共に、摺動扉が開放した時に摺動扉の一部がベッド基台の長手方向側の端部から突出し、しかも、摺動扉の開口部の下に着座式便器を備えている。
ここで、便器付き療養ベッドは、摺動扉を開放した時の停止する位置が2段階からなり、1段階目の時の停止位置で療養人が臥した状態で排泄可能であると共に、2段階目の時の停止位置で療養人が着座式便器に着座した状態で排泄可能であるのがよい。
また、便器付き療養ベッドは、着座式便器がベッド基台に固定式、又はベッド基台に取付け、取外し自在の移動式からなるのがよい。
請求項1又はこれに従属する請求項2又は3のいずれか1項記載の便器付き療養ベッドは、ベッド基台の平面視する略中央部に両横方向に開閉自在の摺動扉を有すると共に、摺動扉が開放した時に摺動扉の一部がベッド基台の長手方向側の端部から突出し、しかも、摺動扉の開口部の下に着座式便器を備えているので、便器を露出させる摺動扉がベッド基台の両横方向に開閉するだけで摺動扉にあわせた床や、マットを移動できると共に、ベッド基台の長手方向側の端部から突出し摺動扉の一部に寝具等を寄せることで寝具を下に落とすことを防止することができ、床や、マットや、寝具等の汚れを防止して排泄することができる。また、摺動扉の開口部から露出する着座式便器によって、療養人が臥した状態、又は着座式便器に着座した状態であっても、排泄による床や、マットや、寝具等に汚れ等を発生させることなく排泄することができる。更に、摺動扉がベッド基台の両横方向に開閉するだけであるので、便器付き療養ベッドを病室の広さを広くさせることなく病室に収納でき、しかも、取扱いが簡単で、比較的安価な便器付き療養ベッドとすることができる。
特に、請求項2記載の便器付き療養ベッドは、摺動扉を開放した時の停止する位置が2段階からなり、1段階目の時の停止位置で療養人が臥した状態で排泄可能であると共に、2段階目の時の停止位置で療養人が着座式便器に着座した状態で排泄可能であるので、1段階目の時には、療養人が臥した状態で排泄する時の身体を摺動扉の開口部から落下させることなく支えることができると共に、2段階目の時には、療養人が摺動扉の開口部の中に入って着座式便器に着座し、足を病室の床に付けて排泄することができる。
また、特に、請求項3記載の便器付き療養ベッドは、着座式便器がベッド基台に固定式、又はベッド基台に取付け、取外し自在の移動式からなるので、状況に応じて着座式便器を水洗型や、簡易型等とする選択の自由を得ることができる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本考案を具体化した実施するための最良の形態について説明し、本考案の理解に供する。
ここに、図1(A)、(B)はそれぞれ本考案の一実施の形態に係る便器付き療養ベッドの斜視説明図、図2(A)、(B)はそれぞれ同便器付き療養ベッドの平面説明図である。
図1(A)、(B)に示すように、本考案の一実施の形態に係る便器付き療養ベッド10は、金属製や、木製等からなる平面視して通常の人間が余裕をもって臥すことができる長さや、幅を備える略長方形状のベッド基台11を有している。このベッド基台11は、通常、上面が布張りや、レザー張り等で仕上げられている。また、このベッド基台11には、例えば、比較的元気な療養人の場合には、ベッド基台11の下側に療養人が直接着座したり、寝たきりのような療養人の場合にあっては、ベッド基台11上に臥した状態で使用することができる着座式便器12が備えられている。
この便器付き療養ベッド10は、療養人がベッド上に臥した状態の時や、ベッド上で上半身を起き上がらせた時に臀部辺りの部分となるところである、ベッド基台11の平面視して略中央部に、ベッド基台11の長手方向の略中心線で両横方向に2つの扉がそれぞれ分かれて開閉自在となる摺動扉13を有している。この摺動扉13は、ベッド基台11の長手方向の、例えば、ベッド基台11の横断方向に平行して施設される2本のレール上に摺動扉13の端部をブリッジ状に跨がせるようにして載置し、摺動扉13に取り付けられる回転体を回転させながら、あるいは摺動扉13自体を滑らせながら開閉できるようになっている。また、この便器付き療養ベッド10は、摺動扉13が両横方向に開閉自在となると共に、摺動扉13が開放した時には、摺動扉13の一部がベッド基台11の長手方向の端部から突出するようになっている。しかも、この便器付き療養ベッド10は、摺動扉13が開かれることでできる開口部14の下に着座式便器12を備えている。
この便器付き療養ベッド10は、摺動扉13の一部がベッド基台11の長手方向の端部から突出するようになっていることで、療養人が着座式便器12を使用しようとする時に、布団等を摺動扉13の突出部分に寄せることができ、布団等を便器付き療養ベッド10の上から落下させるのを防止することができる。また、この便器付き療養ベッド10の着座式便器12は、着座式便器12の着座面12aがベッド基台11の摺動扉13の下面との間に若干の隙間を設けるようにして備えられている。これにより、寝たままの状態でベッド上に臥した療養人の場合や、ベッド上に起き上がったものの着座式便器12の着座面12aに座ることができない療養人の場合には、この状態で排泄を行ったとしても、便器から遠くなるのを防止してベッド基台11や着座式便器12の汚染を防ぐことができ、比較的元気で着座面12aに着座することができる療養人の場合には、療養人に負担を掛けることなく僅かな移動で着座することができる。
この便器付き療養ベッド10に用いられる着座式便器12は、配管等を設置した水洗式、あるいはポータブル型の簡易式のものであってもよく、また、これらの着座式便器12は、温水等の洗浄水が出るようなものであってもよく、療養人が快適に排泄する上において方式を限定するものではない。また、ベッド基台11の摺動扉13は、手動で開閉が可能、あるいは療養人が容易に開閉ができるように自動で開閉が可能なものであってもよく、更には摺動扉13の開閉時や、排泄中に音楽等を流すことができるようにするものであってもよく、療養人が楽に操作でき、楽しく排泄する上において方式を限定するものではない。更に、便器付き療養ベッド10は、療養人の上半身を起こすことができるように、ベッド基台11のマット背部15が療養人の腰部分で手動式、又は自動式に屈曲させることができるリクライニング機構を備えたものや、療養人が楽に着座式便器12の着座面12aに着座できるように、ベッド基台11の上面から着座面12aまでを滑り降りることができるような傾斜部16を設けるものであってもよく、療養人を介助する上において方式を限定するものではない。
この便器付き療養ベッド10のそれぞれの摺動扉13は、開放した時の停止する位置がそれぞれが対向して2段階からなるのがよい。図2(A)に示すように、1段階目の時の停止位置における2つの摺動扉13の先端間の開口部14の開口幅17は、療養人がベッド基台11上に寝たままの臥した状態や、上半身を起こした状態で排泄が可能なように療養人の臀部を両側から支えて臀部が開口部14に落下しない程度であるのがよい。具体的には、この開口幅17は、例えば、着座式便器12の着座面12aの内周側程度の幅であるのが好ましい。また、図2(B)に示すように、2段階目の時の停止位置における2つの摺動扉13の先端間の開口部14の開口幅17aは、療養人がベッド基台11から開口部14内に降りて着座式便器12の着座面12aに直接臀部を接触させて着座した状態で排泄が可能なように療養人が開口部14内に入れる程度であるのがよい。具体的には、この開口幅17aは、例えば、療養人の横幅に加えて、着座式便器12の両横辺りに両足が置ける程度あればよいが、摺動扉13がベッド基台11から抜け落ちない程度までの広い幅があってもよい。
この便器付き療養ベッド10の着座式便器12は、ベッド基台11に固定された固定式、又はベッド基台11に取付け、取外しが自在の移動式からなるのがよい。着座式便器12が固定式からなる場合には、本格的に配管して水洗式や、排泄後に水洗浄が可能な洗浄機付水洗式等の便器を取付けることができる。また、着座式便器12が移動式からなる場合には、排泄後にベッド基台11の下部から取り出して容易に便器を洗浄してもらうことができる。
本考案の便器付き療養ベッドは、ベッド上で移動が困難な病人や、老人から、ベッド上で移動ができる病人や、老人等までの幅広い療養人が病状の程度に応じて排泄方法を選択でき、付添いや、看護士等の手助けを必要としないで、清潔に、周囲に気を使うことなく排泄を行うことができる便器付き療養ベッドとして利用できる。
(A)、(B)はそれぞれ本考案の一実施の形態に係る便器付き療養ベッドの斜視説明図である。 (A)、(B)はそれぞれ同便器付き療養ベッドの平面説明図である。
符号の説明
10:便器付き療養ベッド、11:ベッド基台、12:着座式便器、12a:着座面、13:摺動扉、14:開口部、15:マット背部、16:傾斜部、17、17a:開口幅

Claims (3)

  1. 平面視して略長方形状からなるベッド基台に療養人が用いるための便器を備える便器付き療養ベッドにおいて、
    前記ベッド基台の平面視する略中央部に両横方向に開閉自在の摺動扉を有すると共に、前記摺動扉が開放した時に該摺動扉の一部が前記ベッド基台の長手方向側の端部から突出し、しかも、前記摺動扉の開口部の下に着座式便器を備えていることを特徴とする便器付き療養ベッド。
  2. 請求項1記載の便器付き療養ベッドにおいて、前記摺動扉を開放した時の停止する位置が2段階からなり、1段階目の時の停止位置で前記療養人が臥した状態で排泄可能であると共に、2段階目の時の停止位置で前記療養人が前記着座式便器に着座した状態で排泄可能であることを特徴とする便器付き療養ベッド。
  3. 請求項1又は2記載の便器付き療養ベッドにおいて、前記着座式便器が前記ベッド基台に固定式、又は前記ベッド基台に取付け、取外し自在の移動式からなることを特徴とする便器付き療養ベッド。
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