JP4738859B2 - エポキシ系接着剤、金属張積層板、カバーレイ、およびフレキシブルプリント基板 - Google Patents

エポキシ系接着剤、金属張積層板、カバーレイ、およびフレキシブルプリント基板 Download PDF

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Description

本発明は、エポキシ系接着剤、金属張積層板、カバーレイ、およびフレキシブルプリント基板に関する。
近年、電子機器の小型化および高密度化に伴い、可撓性を有するフレキシブルプリント基板(FPC=Flexible Printed Circuit)が多用されている。通常、FPCは、ポリイミド等の絶縁性樹脂からなり可撓性を有する絶縁層が銅箔に積層されてなる銅張積層板(CCL=Copper−Clad Laminate)を材料として用い、銅張積層板の銅箔をエッチングして回路や配線を形成し、その上に、可撓性を有するカバーレイ(CL=Cover Lay)を接着して前記CCLの回路を覆うことにより製造されている。
従来、FPCに使用される接着剤としては、硬化後の接着剤層の柔軟性や、金属層(例えば銅箔)との密着性を向上するため、エポキシ樹脂と硬化剤とからなるエポキシ系接着剤にエラストマー(ゴム成分)を添加したものが用いられている。
エラストマーとしては、カルボキシ化NBR(なおNBRはニトリルブタジエンゴムを表す。)やアクリルゴム等が用いられている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開昭62−199627号公報 特開平07−235767号公報 特開2001−49082号公報
特許文献1に示すようにカルボキシ化NBRを添加した場合、カルボキシ化NBRのもつイオン性不純物の影響により、耐マイグレーション性の低下を引き起こしていた。ここで、マイグレーションとは、プリント基板に電圧を印加した状態において、配線を構成する金属(銅)が接着剤中をプラス側からマイナス側に移行し、樹木状析出物(デンドライト)として析出することにより、配線間の絶縁抵抗が著しく低下してしまう現象のことをいう。さらに、マイグレーションは高温、高湿下で促進されるので、使用環境の過酷化によっても、耐マイグレーション性は大きな問題となる。
そこで特許文献2では、高圧ラジカル重合により生成されたカルボキシ化エチレン−アクリルゴムを添加することで耐マイグレーション性の改善を図っている。しかし、カルボキシ化エチレン−アクリルゴムは粘度が低いため、加熱プレスにより接着および硬化を行う際に接着剤の接着剤フロー量が多い(接着剤フロー特性が悪い)という問題がある。
特許文献3では、エポキシ樹脂の耐熱性や屈曲性を向上させるため、エラストマーとしてフェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド−カルボキシ化ニトリルブタジエンゴム共重合体を添加している。しかし、本発明者の実験により、この共重合体を用いたエポキシ系接着剤には、微細な回路に対する埋め込み性の低下という問題が存在することが分かった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、耐マイグレーション性と、接着剤フロー特性と、微細な回路に対する埋め込み性とが優れたエポキシ系接着剤、金属張積層板、カバーレイ、およびフレキシブルプリント基板の提供を課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、エポキシ樹脂と硬化剤を含有するベース樹脂と、カルボキシ化エチレン−アクリルゴムと、フェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド−カルボキシ化ニトリルブタジエンゴム共重合体とからなり、カルボキシ化エチレン−アクリルゴムとフェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド−カルボキシ化ニトリルブタジエンゴム共重合体の配合比が85:15〜10:90(質量比)の範囲内にあり、かつ、カルボキシ化エチレン−アクリルゴムとフェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド−カルボキシ化ニトリルブタジエンゴム共重合体の添加量の合計が、前記ベース樹脂100質量部に対して10質量部であることを特徴とするエポキシ系接着剤を提供する。
本発明のエポキシ系接着剤は、カルボキシ化エチレン−アクリルゴムとフェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド−カルボキシ化ニトリルブタジエンゴム共重合体の配合比が、50:50(質量比)であることが好ましい。
また、本発明は、上述のエポキシ系接着剤からなる接着剤層を、ベースフィルムと金属箔との間に設けたことを特徴とする金属張積層板を提供する。
また、本発明は、上述のエポキシ系接着剤からなる接着剤層を、絶縁フィルムの片面に設けたことを特徴とするカバーレイを提供する。
また、本発明は、上述の金属張積層板の金属箔面に、上述のカバーレイを貼着してなることを特徴とするフレキシブルプリント基板を提供する。
本発明のエポキシ系接着剤は、エラストマーとして、カルボキシ化エチレン−アクリルゴムとフェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド−カルボキシ化ニトリルブタジエンゴム共重合体とが特定の配合比にて添加されているので、耐マイグレーション性と、接着剤フロー特性と、微細な回路に対する埋め込み性とがすべて優れるという格別の効果を奏する。本発明のエポキシ系接着剤を用いることにより、マイグレーションが発生せず、接着剤が微細な回路の隙間を満たし、接着剤のはみだしもない、優れたフレキシブルプリント基板を製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のエポキシ系接着剤は、エポキシ樹脂と硬化剤を含有するベース樹脂と、カルボキシ化エチレン−アクリルゴムと、フェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド−カルボキシ化ニトリルブタジエンゴム共重合体とからなり、カルボキシ化エチレン−アクリルゴムとフェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド−カルボキシ化ニトリルブタジエンゴム共重合体の配合比が85:15〜10:90の範囲内にあることを特徴とするものである。
エポキシ樹脂(A)としては、1分子中にエポキシ基を2個以上有するものであればよく、具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、アクリル酸変性エポキシ樹脂(エポキシアクリレート)、リン含有エポキシ樹脂、およびこれらのハロゲン化物(臭素化エポキシ樹脂など)や水素添加物などが挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、単独で用いてもよく、2以上を併用してもよい。臭素化エポキシ樹脂などは、接着剤に難燃性が要求される場合に、特に有効である。アクリル酸変性エポキシ樹脂(エポキシアクリレート)は、感光性を有するので、エポキシ系樹脂組成物に光硬化性を付与するために有効である。
硬化剤(B)としては、エポキシ樹脂(A)の硬化に用い得るものであれば、特に制限なく使用することが可能であるが、例えば、脂肪族アミン系硬化剤、脂環式アミン系硬化剤、芳香族アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、ジシアンジアミド、三フッ化ホウ素アミン錯塩、イミダゾール化合物等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2以上を併用してもよい。
硬化剤(B)の配合量はエポキシ樹脂(A)に応じて定めることができるが、例えばエポキシ樹脂100質量部に対して0.1〜50質量部とすることができる。
本発明のエポキシ系接着剤には、エラストマー(C)として、カルボキシ化エチレン−アクリルゴムと、フェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド−カルボキシ化ニトリルブタジエンゴム共重合体とが添加されている。
カルボキシ化エチレン−アクリルゴムとは、エチレンと、アクリル酸エステルと、カルボキシ基を有するモノマーとを共重合させた三元系共重合体である。
前記カルボキシ基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸などのα,β−不飽和モノカルボン酸;イタコン酸、フマル酸、マレイン酸などのα,β−不飽和多価カルボン酸;無水イタコン酸、無水マレイン酸などのα,β−不飽和多価カルボン酸無水物などが挙げられる。
フェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド−カルボキシ化ニトリルブタジエンゴム共重合体とは、フェノール性水酸基含有芳香族ポリアミドとカルボキシ化ニトリルブタジエンゴム共重合体とからなるブロック共重合体である。この共重合体の合成方法としては、例えば特開2001−49082号公報に記載のように、アミノアリール基を両末端基とするフェノール性水酸基含有芳香族ポリアミドオリゴマーを、カルボキシ基を両末端基とするポリブタジエン/アクリロニトリル共重合体と反応させ、前記アミノアリール基と前記カルボキシ基とを縮合させることにより得られる。
なお、前記フェノール性水酸基含有芳香族ポリアミドオリゴマーは、芳香族ジアミン成分と芳香族ジカルボン酸成分との縮重合によって合成することができる。前記オリゴマーにフェノール性水酸基を含有させるには、芳香族ジアミン成分および/または芳香族ジカルボン酸成分の少なくとも一部として、フェノール性水酸基を有する芳香族ジアミンまたは芳香族ジカルボン酸を混入させることにより製造することができる。また、前記オリゴマーの両末端基をアミノアリール基とするには、芳香族ジカルボン酸成分に対して芳香族ジアミン成分を過剰量として縮重合反応させることにより、容易に達成することができる。
本発明のエポキシ系接着剤において、カルボキシ化エチレン−アクリルゴムとフェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド−カルボキシ化ニトリルブタジエンゴム共重合体の配合比は、85:15〜10:90の範囲内にある。これにより、耐マイグレーション性と、接着剤フロー特性と、微細な回路に対する埋め込み性とがすべて優れたエポキシ系接着剤を得ることができる。
カルボキシ化エチレン−アクリルゴムとフェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド−カルボキシ化ニトリルブタジエンゴム共重合体の合計の添加量(すなわちエラストマー(C)の添加量)は、ベース樹脂100質量部に対して10〜100質量部であることが好ましい。これにより、耐マイグレーション性と、接着剤フロー特性と、微細な回路に対する埋め込み性とがすべて優れるとともに、接着力が高く、かつ柔軟性にも優れるエポキシ系接着剤を得ることができる。
本発明のエポキシ系接着剤の使用方法としては、エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、エラストマー(C)などの構成材料と、有機溶剤とを所定量配合し、ポットミル、ボールミル、ホモジナイザー、スーパーミルなどを用いて攪拌混合することにより接着剤溶液を調製することができる。
なお、本発明の接着剤組成物中には、必要に応じて、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、硬化促進剤、可塑剤、酸化防止剤、充填剤、難燃化剤、分散剤、粘度調節剤、レベリング剤等を適宜添加してもよい。
本発明のエポキシ系接着剤組成物は、前記接着剤溶液を対象物に塗布し、乾燥および硬化させることで、対象物の接着や封止などを行うために用いることができる。この接着剤組成物の乾燥および硬化に際しては、例えば20〜200℃程度の温度下で行うことができる。
前記接着剤溶液の調製に用いられる有機溶剤としては、例えば、メタノール、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、ジメチルホルムアミド、2−メトキシエタノールなどが挙げられる。接着剤溶液中の固形分濃度は、塗工むらの抑制と接着剤の溶解性とを考慮して、好ましくは5〜70質量%の範囲内であり、より好ましくは、10〜50質量%の範囲内である。
本発明のエポキシ系接着剤は、種々の用途に好適に用いることができるが、とりわけ、フレキシブルプリント基板(FPC)に用いられる各種材料に適用することによって優れた効果を発揮する。FPC用材料としては、銅箔張積層板(CCL)等の金属張積層板、カバーレイ(CL)等が例示できる。
本発明のカバーレイは、絶縁フィルム(フィルム基材)の片面に、本発明のエポキシ系接着剤からなる接着剤層が設けられてなるものであり、フレキシブルプリント基板において、CCLに形成した回路等の上に積層して該回路等を絶縁保護するために用いられる。
カバーレイ用の絶縁フィルムとしては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などからなる厚み10μm〜150μm程度のフィルムなどを用いることができる。カバーレイ側の接着剤層の厚み(乾燥後)は、例えば1μm〜100μm程度とすることができる。本発明のエポキシ系接着剤から接着剤層を形成する方法は、上述したように、塗布などの方法によることができる。
なお、本発明のカバーレイが適用されるCCLとしては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリイミド等からなるベースフィルムに銅箔(金属箔)を接着剤で接着してなる3層CCLや、銅箔(金属箔)の片面にポリイミドワニスを塗布して乾燥してなる2層CCL(接着剤層を有しないCCL)等を用いることができる。
本発明の金属張積層板は、本発明のエポキシ系接着剤からなる接着剤層が、銅箔等の金属箔とベースフィルムとの間に設けられてなるものである。
ベースフィルムとしては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などからなる厚み10μm〜150μm程度のフィルムなどを用いることができる。
金属張積層板の接着剤層の厚み(乾燥後)は、例えば1μm〜50μm程度とすることができる。銅箔等の金属箔としては、特に限定されるものではないが、電解銅箔、圧延銅箔などの厚み5μm〜100μm程度のものを用いることができる。
本発明の金属張積層板を用いてFPCを製造するときに使用されるカバーレイは特に限定されるものではないが、上述した本発明のカバーレイを用いることが好ましい。
本発明のフレキシブルプリント基板(FPC)は、本発明の金属張積層板と本発明のカバーレイとを積層一体化したものである。このFPCの製造は、金属張積層板の金属箔に対してエッチング等を施して配線を形成したのち、金属層側にカバーレイを貼着する方法などによって行うことができる。カバーレイの貼着は、カバーレイの接着剤層と金属張積層板の金属層側とが向かい合うように重ね合わせ、熱プレスなどにより一体化させる。熱プレス条件としては、例えば、加熱温度を140〜200℃程度、加熱時間を0.1〜3時間程度とすることができる。
本発明のカバーレイ、金属張積層板、およびフレキシブルプリント基板は、本発明のエポキシ系接着剤により接着剤層を形成したものであるので、プレス後の接着剤のはみだしやマイグレーション発生の問題がなく、微細な回路の間を接着剤が満たしている特性の優れたフレキシブルプリント基板が得られ、各種電子機器などの高機能化および長寿命化に貢献することができる。
(エポキシ系接着剤の調製)
表1〜表3に示す配合により、実施例(実施例1〜5及び実施例7〜9は参考例である。)および比較例に係るエポキシ系接着剤を調製した。なお各表において配合比は、ベース樹脂を100質量部とした質量部で表す。
各表において、ベース樹脂は、エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名:エピコート828EL)77質量%、硬化剤として4,4′−ジアミノジフェニルスルホン(試薬特級)23質量%からなるものを用いた。
エラストマーとしては、カルボキシ化NBR(日本ゼオン株式会社製、商品名:ニポール1072)、カルボキシ化エチレン−アクリルゴム(三井・デュポンポリケミカル株式会社製、商品名:ベイマックHVG)、フェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド−カルボキシ化ニトリルブタジエンゴム共重合体(日本化薬株式会社製、商品名:BPAM−01)を用いた。
Figure 0004738859
Figure 0004738859
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(絶縁抵抗およびデンドライト発生の評価方法)
各エポキシ系接着剤の混和物を乾燥後の膜厚が10μmとなるようにポリイミドフィルム(厚さ25μm、東レ・デュポン株式会社製、商品名:カプトン−100H)に塗布し、接着層面に厚さ18μmの圧延銅箔を貼着して片面板を作製する。この片面板の銅箔にL/S=100μm/100μmのくし型パターンを形成し、その上に各エポキシ系接着剤の混和物(ポリイミドフィルムと圧延銅箔との貼着に用いたものと同じもの)を乾燥後の膜厚が30μmとなるように塗布し、乾燥後170℃、4MPaで40分間プレスすることによって試験サンプルを作製する。
各試験サンプルに、85℃、85%RH(相対湿度)の雰囲気下で50Vの直流電圧(DC)を印加しながら250時間保持する。その後、絶縁抵抗を測定し、その測定結果を「絶縁抵抗」の評価結果とする。
また、顕微鏡で試験サンプル中のデンドライト発生の有無を確認し、その結果、デンドライト発生が認められたものは×、デンドライトが全く発生していないものは○と評価する。
(接着剤フロー距離の評価方法)
各エポキシ系接着剤の混和物を乾燥後の膜厚が30μmとなるようにポリイミドフィルム(厚さ25μm、東レ・デュポン株式会社製、商品名:カプトン−100H)に塗布し、乾燥後、直径5mmのパンチ穴を10箇所にあける。さらに接着層面に圧延銅箔(厚さ18μm)を貼り合わせ、170℃、4MPaで40分間プレスすることによって試験サンプルを作製する。
プレス後、試験サンプルのパンチ穴内部への最大浸出距離をそれぞれのパンチ穴ごとに10箇所すべて測定し、10箇所の平均距離を「接着剤フロー距離」の評価結果とする。
この試験では、上記接着剤フロー距離の評価結果が0.50mm未満の場合に接着剤フロー特性が優れているものと評価する。
(埋め込み性の評価方法)
各エポキシ系接着剤の混和物を乾燥後の膜厚が10μmとなるようにポリイミドフィルム(厚さ25μm、東レ・デュポン株式会社製、商品名:カプトン−100H)に塗布し、接着層面に厚さ30μmの圧延銅箔を貼着して片面板を作製する。この片面板の銅箔にL/S=50μm/50μmのくし型パターンを形成し、その上に各エポキシ系接着剤の混和物(ポリイミドフィルムと圧延銅箔との貼着に用いたものと同じもの)を乾燥後の膜厚が30μmとなるように塗布し、乾燥後170℃、4MPaで40分間プレスすることによって試験サンプルを作製する。
プレス後の試験サンプルを顕微鏡で観察し、くし型パターン間に気泡があるものは×、気泡がないものは○と評価する。
(接着性の評価方法)
上記エポキシ系接着剤の混和物を乾燥後の膜厚が30μmとなるようにポリイミドフィルム(厚さ25μm、東レ・デュポン株式会社製、商品名:カプトン−100H)に塗布し、乾燥後の接着剤層に35μm銅箔を貼り合わせ、170℃、4MPaで40分間プレスしたものを試験サンプルとする。
試験サンプルのポリイミド層を剥離強度試験機を用いて引っ張り、90°剥離強度(単位:N/cm)を測定し、その測定結果を「接着性」の評価結果とする。本評価方法による「接着性」は、12N/cm以上であることが好ましい。
(柔軟性の評価方法)
ポリイミドフィルム(厚さ25μm、東レ・デュポン株式会社製、商品名:カプトン−100H)を2枚用意し、各ポリイミドフィルムの片面に上記エポキシ系接着剤の混和物を乾燥後の膜厚が30μmとなるように塗布する。乾燥後、両ポリイミドフィルムの接着層面同士を貼り合わせ、170℃、4MPaで40分間プレスしたものを試験サンプルとする。
試験サンプルをそのまま180°折り曲げ一定の力で押圧した後に外観を観察し、割れや白化があるものは×、割れや白化がないものは○と評価する。
(評価結果)
実施例1〜9の結果から、カルボキシ化エチレン−アクリルゴムとフェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド−カルボキシ化ニトリルブタジエンゴム共重合体の配合比が85:15〜10:90の範囲内にある場合、接着剤フロー距離が0.5mm未満であり、さらに85℃、85%RH、250時間後の絶縁抵抗が10Ω以上であり、デンドライト発生がなく、しかも埋め込み性も良好であった。これにより、本発明のエポキシ系接着剤は、耐マイグレーション性と、接着剤フロー特性と、微細な回路に対する埋め込み性とがいずれも優れたエポキシ系接着剤であると評価することができる。
とりわけ、実施例1〜7に示すように、カルボキシ化エチレン−アクリルゴムとフェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド−カルボキシ化ニトリルブタジエンゴム共重合体の添加量の合計が、ベース樹脂100質量部に対して10〜100質量部である場合、90°剥離強度が12N/cm以上であり、しかも180°折り曲げた後に割れや白化がなかった。このことから、接着性および柔軟性も優れたものであることが分かる。
比較例1の結果から、カルボキシ化NBRを用いると、デンドライトが発生し、耐マイグレーション性に劣るものとなることが分かる。
比較例2,3の結果から、カルボキシ化エチレン−アクリルゴムとフェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド−カルボキシ化ニトリルブタジエンゴム共重合体の配合比が85:15よりもカルボキシ化エチレン−アクリルゴムが多くなると、接着剤フロー距離が0.50mm以上となり、接着剤フロー特性が悪くなることが分かる。
比較例4,5の結果から、カルボキシ化エチレン−アクリルゴムとフェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド−カルボキシ化ニトリルブタジエンゴム共重合体の配合比が10:90よりもフェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド−カルボキシ化ニトリルブタジエンゴム共重合体が多くなると、微細なくし型パターン間に気泡が残り、埋め込み性が低下することが分かる。
本発明のエポキシ系接着剤は、金属張積層板やカバーレイ等のフレキシブルプリント基板用の各種基板材料などに適用することができ、フレキシブルプリント基板は、各種電子機器の内部配線などとして利用できる。

Claims (5)

  1. エポキシ樹脂と硬化剤を含有するベース樹脂と、カルボキシ化エチレン−アクリルゴムと、フェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド−カルボキシ化ニトリルブタジエンゴム共重合体とからなり、
    カルボキシ化エチレン−アクリルゴムとフェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド−カルボキシ化ニトリルブタジエンゴム共重合体の配合比が85:15〜10:90(質量比)の範囲内にあり、かつ、
    カルボキシ化エチレン−アクリルゴムとフェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド−カルボキシ化ニトリルブタジエンゴム共重合体の添加量の合計が、前記ベース樹脂100質量部に対して10質量部であることを特徴とするエポキシ系接着剤。
  2. 前記カルボキシ化エチレン−アクリルゴムとフェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド−カルボキシ化ニトリルブタジエンゴム共重合体の配合比が、50:50(質量比)であることを特徴とする請求項1に記載のエポキシ系接着剤。
  3. 請求項1又は2に記載のエポキシ系接着剤からなる接着剤層を、ベースフィルムと金属箔との間に設けたことを特徴とする金属張積層板。
  4. 請求項1又は2に記載のエポキシ系接着剤からなる接着剤層を、絶縁フィルムの片面に設けたことを特徴とするカバーレイ。
  5. 請求項3に記載の金属張積層板の金属箔面に、請求項4に記載のカバーレイを貼着してなることを特徴とするフレキシブルプリント基板。
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