JP4736585B2 - 圧電磁器組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、圧電トランス、圧電発音体、圧電センサ、圧電アクチュエータ、圧電超音波モータなどに好適な圧電磁器組成物に関する。
近年、圧電磁器組成物からなる圧電素子を応用した装置に、積層型アクチュエータ等、圧電磁器層と内部電極層とを交互に積み重ねた積層型の素子を用いるものがある。このような圧電素子に適用され得る複合酸化物圧電磁器組成物としては、Pb、Zr、Tiを主成分とするものとして、Pb(Ni1/3Nb2/3)ZrO系(例えば、特許文1参照)、Pb(Mg1/3Nb2/3)(Ni1/3Nb2/3)TiZrO系(例えば、特許文2参照)等が知られており、これらは圧電歪特性等の圧電特性に優れているといわれている。
特開平5−24917号公報 特開平10−7461号公報
ところで、上述したような圧電磁器組成物を用いた積層型アクチュエータは小型であるとともに小さな電界で大きな変位が得られるという利点がある。しかしながら、このような積層型アクチュエータでは内部電極を形成したのち焼成するため、従来より知られている1200℃以上で焼成する圧電磁器では、高温に耐え得る白金(Pt)あるいはパラジウム(Pd)などの高価な貴金属を内部電極として用いなければならず、製造コストが高くなるという問題があった。
より安価な内部電極の材料としては銀・パラジウム(Ag−Pd合金)が知られている。しかし、パラジウムの含有量が30質量%を超えると、焼成中にパラジウムが還元反応を起こし、積層体素子中にクラックの発生や電極の剥離などの欠陥が生じやすくなるため、パラジウムの含有量は30質量%以下とすることが望ましい。パラジウムの含有量を30質量%以下とするには、銀―パラジウム系の状態図によると、焼成温度は1150℃以下、好ましくは1120℃以下とする必要がある。更に、製造コストを低減するにはパラジウムの含有量を低くする必要があり、それにはできるだけ焼成温度を低くする必要ある。例えば、パラジウムの含有量を20質量%以下とするには、焼成温度を1100℃以下、好ましくは1050℃以下に低下させることが望まれている。
そこで、従来より知られているこの種の圧電磁器では本焼成温度が1200℃前後と高いため、積層用に用いる場合には、本焼成温度を下げるために、仮焼成後に比表面積の大きな粉体にしたり、本焼成時に加圧しなければならないといった煩雑な作業を必要としていた。
また、本焼成温度を低くするために、ホウ素系ガラス成分を過剰に添加する方法や過剰な酸化鉛(PbO)を添加する方法も提案されているが、このような方法では圧電磁器の特性が劣化するといった問題があった。
また、一方で圧電アクチュエータの一つとしてバイモルフ型の圧電アクチュエータが知られている。この圧電アクチュエータは、例えば、2枚の圧電素子が金属板を介し対向して貼り合わされ、変位を大きくするために、どちらか一方の圧電素子には分極方向と逆方向の電界を印加するように駆動されている。
従って、大きな変位を得るために駆動電界を大きくすると素子の分極が劣化し、やがて所望の変位が得られなくなるという問題が生じ、耐逆電界性(抗電界特性)の向上が望まれていた。加えて、圧電素子として反り(変形)の少ないものが求められていた。
そこで、本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、積層型アクチュエータ素子などの積層型圧電素子に好適であり、その製作の際の焼結温度の低下が可能であると共に、耐逆電界性の向上及び反りの防止を図り、圧電磁器組成物として品質が十分に確保される圧電磁器組成物を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る圧電磁器組成物は、Pb、Zr、Ti及びCoを含むペロブスカイト構造の複合酸化物を含有する圧電磁器組成物であって、Wと、Ni、Cu及びFeからなる群より選ばれる少なくとも1種と、を含有することを特徴とする。
この圧電磁器組成物においては、Coを含有しているため、従前に比して低温で焼結させることができ、積層型アクチュエータの内部電極として銀・パラジウム合金を使用することが可能となり銀の含有比率を大きくすることができる。また、Ni、Cu、Feのうちの少なくとも1種を含んでいるため、耐逆電界性を向上させることができ、バイモルフ型圧電アクチュエータにおいて、駆動により圧電素子の変位が劣化する現象を防ぐことが可能となる。また、Wを含有しているため、圧電素子の焼成時に内部電極中のAg、Cuが略均一に圧電素子中に分散し、焼成ムラの発生を抑制することができ、圧電素子の反り・うねりを防止することが可能となる。また、Wを含有しているため、圧電素子の粒界付近でWが内部電極中のAg、Cuと結合することから、Ag、Cuが圧電素子の駆動中にマイグレーションを起すことによる圧電素子の絶縁破壊を防止することができる。なお、Ni、Cu、Feの添加量は主成分1モルの質量に対し、Ni、Cu、Feの酸化物に換算して0.4質量%以下(0は除く)含有することが好ましい。この範囲であれば良好な効果が得られるが、0.4質量%を超えると、圧電磁器特性が劣化する。また、Wの添加量は主成分1モルの質量に対し、WOに換算して0.05〜1質量%含有することが好ましい。この範囲であれば良好な効果が得られるが、0.05質量%未満では効果がなく、1質量%を超えると、圧電磁器の特性が劣化する。
また、複合酸化物は、Sb、Nb及びTaからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。これにより、圧電磁器の焼結密度を高めることができて焼結性を良好にし、圧電磁器の圧電特性を向上させることができる。
また、複合酸化物は、Sr及びBaからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。これにより、Pbの蒸発による基板のばらつきを抑え、圧電特性を改善させることが可能となる。
また、複合酸化物は、式:(PbMe1)[(Co1/3Me22/3TiZr]O(ただし、上記式中、Me1は、Sr及びBaからなる群より選ばれる少なくとも1種を表し、Me2は、Sb、Nb及びTaからなる群より選ばれる少なくとも1種を表し、a+b+c=1、0.98≦A+B≦1.01、0≦B≦0.12、0<a≦0.03、0.4≦b≦0.5、0.47≦c<0.6である)で表されることが好ましい。特に、aは上記範囲において、圧電特性及び耐逆電界性が良好になる。また、bとcは上記範囲において、モルフォトロピック相境界付近を実現し、圧電特性が最も高くなる。なお、化学量論組成より多少組成がずれていても問題ない。
本発明によれば、積層型アクチュエータ素子などの積層型圧電素子に好適であり、その製作の際の焼結温度の低下が可能であると共に、抗電界特性の向上及びそり変形の防止を図り、圧電磁器組成物として品質が十分に確保される圧電磁器組成物を提供することができる。
以下、本発明の圧電磁器組成物について、好適な実施形態を説明する。
好適な実施形態に係る圧電磁器組成物は、(PbMe1)[(Co1/3Me22/3TiZr]O(ただし、上記式中、Me1は、Sr及びBaからなる群より選ばれる少なくとも1種を表し、Me2は、Sb、Nb及びTaからなる群より選ばれる少なくとも1種を表し、a+b+c=1、0.98≦A+B≦1.01、0≦B≦0.12、0<a≦0.03、0.4≦b≦0.5、0.47≦c<0.6である)で表される、ペロブスカイト構造を有する複合酸化物を含有する圧電磁器組成物である。なお、上記化合物の添加量は、添加後においても圧電特性が生じるような量でなければならない。
W、Ni、Cu、Fe、Sb、Nb、Ta、Sr及びBaを化合物として添加する場合における当該化合物としては酸化物が好適であり、WO、NiO、CuO、Fe、Sb、Nb、Ta、等が例示可能である。
上述の圧電磁器組成物及びこれを用いた圧電素子は、図1のフロー図に示す手順によって製造可能である。
すなわち、PbO、TiO、ZrO、CoO、Sb、Nb、Ta、WO、Fe、NiO、CuO等の原料(出発原料)を所定の酸化物の組成になるように秤量配合する(ステップS1)、次いで、ボールミル等の中に上記原料を入れこれに純水を加え、更に粉砕のためにジルコニアボール等を粉砕メディアとして湿式にて粉砕混合を行い(ステップS2)、粉砕混合後乾燥させる(ステップS3)。次に、乾燥した材料を固相反応させるために粉体の状態で例えば700〜900℃で仮焼成する(ステップS4)。以上により圧電磁器組成物を得ることができる。
次いで、ステップS2と略同一の条件で湿式にて粉砕混合を行い(ステップS5)、ポリビニルアルコール等のバインダーを混合し(ステップS6)、造粒する(ステップS7)、更に加圧等を施して所望の形状に成形する(ステップS8)。
この後、数百度(例えば、300〜500℃)でバインダー除去を行い(ステップS9)、焼成(本焼成)を950〜1050℃の焼成温度で実施し(ステップS10)、圧電素子を得る。なお、ステップS10の後は、電極の焼き付けや分極工程を経て製品化が行われる。
図2は、このようにして得られる積層型圧電素子の断面図である。この積層型圧電素子は、本発明の圧電磁器組成物から形成される複数の圧電体層2と、それぞれの圧電体層2上に形成されている内部電極1a、1bと、圧電体層2の最外層上に積層されている保護層3a、3bと、圧電体層2の両側にそれぞれ設けられている外部電極(端子電極)4とを備えている。そして、隣り合う内部電極1a、1bは、それぞれ異なる外部電極4に接続されている。
かかる積層型圧電素子においては、上述した本発明の圧電磁器組成物を用いることができるため、低い焼成温度で製造でき、内部電極としてAgからなる内部電極を用いることが可能となり、パラジウムの含有量を減らし製造コストを削減することができる。また、抗電界特性が向上されているため、バイモルフ型圧電素子として圧電特性の劣化が少ない圧電磁器を提供することができる。また、圧電素子として反りの少ないものを提供することができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
図3は、実施例に係る単板及び積層型圧電素子の製造工程を示すフロー図である。先ず、出発原料として化学的に純粋なPbO、TiO、ZrO、CoO、Sb、Nb、Ta、WO、Fe、NiO、CuOを用い、所定の組成になるように秤量する。次いで、これらをボールミルにおいて湿式混合する。この湿式混合では、マイクロトラックによって原料混合材の粒度分布を測定し、平均粒子径が0.3〜0.5μmになるまで混合して混合粉を得る。
次に、この混合粉を乾燥させ空気中において900℃で約3時間仮焼成を行い、仮焼成粉が得られる。その後、ボールミルで湿式粉砕を行い乾燥して圧電材料(仮焼成粉;圧電磁器粉体)を得る。
次に、単板圧電素子での評価をするために、この圧電材料にポリビニルアルコール系バインダーを加え造粒し、約196MPaで一辺が約20mm、厚さ1.5mmの角板状に成形する。その成形体を、大気雰囲気中で脱バインダーした後、焼く1050℃で約3時間にわたり焼成して、単板圧電素子素体サンプルが得られる。
更に、得られた単板圧電素子素体についてアルキメデス法により磁器密度ρsを求め、高さ1mmに加工し、さらに銀焼付電極を形成して12mm×3mmに加工し図4に示す単板圧電素子を作製した。図4において、圧電体6の両面に銀焼付電極7が形成されている。
その単板圧電素子を120℃の絶縁油中で電圧2〜3kV/mm、30分の条件で分極処理を行ない、インピーダンスアナライザーにより静電容量C、共振周波数frおよび反共振周波数faを測定し、それらの結果から圧電歪定数d31を求めた。
また、圧電磁器の耐逆電界特性は、本評価素子を80℃の恒温中に置き、分極方向とは逆方向の電界をサンプル厚みあたり0.5kV/mmのDC電圧を連続100時間印加し、試験前後の圧電歪定数d31の変化量を調べて評価を行った。
上述の結果を表1にまとめた。表中には、検討した組成とその評価結果として、磁器密度ρs、圧電歪定数d31、耐逆電界評価の結果を示している。耐逆電界評価では、試験前後の圧電歪定数d31の変化率の絶対値が5%未満を◎(優良)、10%未満を○(良好)とし、それ以上の場合を×(不良)として評価している。また、*印を付した試料はこの本発明の範囲外の比較例である。また、表1には後述する実施例2に記載の積層型圧電素子における素子反りの評価もまとめた。
Figure 0004736585
試料1及び試料2は、PbとMe1の量A+Bによる特性の変化を比較するものである。PbとMe1の量A+Bが本発明の範囲にない場合には、良好な圧電特性が得られず、PbとMe1の量A+Bが0.98molより小さいと焼結不良を起こし、PbとMe1の量A+Bが1.01molより大きいと耐逆電界性(抗電界特性)が×(不良)となる。
試料3〜5は、副成分(Fe、NiO、CuO)の違いによる特性の変化を比較するものである。副成分が、Fe、NiO、CuOの何れであっても、圧電歪定数d31、耐逆電界性とも良好であった。副成分の含有量が0.4質量%よりも多いと耐逆電界性が不良になる。
試料7及び試料8は、副成分の置換量による耐逆電界性の改善効果を示している。試料7は比較例であり、副成分を含んでいないものである。この試料7では、耐逆電界性が不良であった。
試料9及び試料14は、副成分の置換量による圧電特性の変化を示している。試料9では、副成分Feが0.4質量%であり、圧電歪定数d31は200pC/Nである。
試料15及び試料16は、Co1/3Me22/3成分の含有の有無による違いを示している。試料15は比較例であり、Co1/3Me22/3成分を含んでいないものである。この試料15では、焼結不良を起こした。試料16では、低温焼結し、耐逆電界性も良好であった。
試料17では、Co1/3Me22/3成分が0.03molであり、良好な評価が得られた。Co1/3Me22/3成分が0.03molより多いと、圧電歪定数d31が劣化して、圧電素子への適用は困難となる。
試料18は比較例でありWOを含有しない場合である。試料18では素子反り評価が不良であった。また、WOが1質量%より多いと焼結不良となる。
次に、実施例2に係る積層型圧電素子の評価について説明する。圧電磁器粉体の作製(仮焼成後の粉砕)までは、実施例1に係る単板圧電素子と同じである。次いで、上記圧電磁器粉体に、アクリル樹脂系の有機バインダー、有機溶剤、有機可塑剤等を加え、ボールミルで20時間混合粉砕を行って圧電磁器ペースト(スラリー)を作製する。
この圧電磁器ペーストを用いてドクターブレード法によりPET(ポリエチレンテフタレート)製のキャリアフィルム上にグリーンシートを作製し、こうして作製したグリーンシート上に、銀:パラジウムが8:2で構成される導電ペーストを用い、スクリーン印刷にて電極パターンを所望の形状になるように印刷し、乾燥して、図2に示す内部電極1aを形成する。
次に、図2に示す内部電極1bを、前記と同様に形成し、以上を繰り返し積層体が得られる。内部電極1a,1bに挟まれる圧電層が10層になるようにする。なお、最外層となる保護層3a、3bは同じ組成のグリーンシートを複数枚重ねて形成する。
そして、この積層体を、加熱圧着した後、所定のチップ形状となるように切断して積層体グリーン(グリーンチップ)とした。この積層体グリーンを大気雰囲気中で脱バインダー(脱脂)後、密閉容器に詰め1050℃で2時間にわたり焼成し、積層型圧電素子素体とした。
その後、積層型圧電素子素体の両端面に図2に示す外部電極4を、金をスパッタリングすることにより形成し、積層型圧電素子とした。図2に示すように電極1a,1bは交互に外部電極4に接続されている。
なお、積層型圧電素子素体の外形は縦10mm×横30mmとして、圧電層1層あたりの厚みは、35μmとした。
このように作製した積層型圧電素子素体については、素子反り評価、耐湿負荷試験を実施し、積層型圧電素子素体の評価を行った。
素子反りの評価はレーザ式の3次元形状測定装置を用い、焼成後の積層型圧電素子素体をそのまま測定した。積層型圧電素子素体の外面の凹凸を測定し、最大高さと最小高さを求めその差を反りとした。この値が小さいほど積層型圧電素子の反りが小さいと評価し、最大高さと最小高さの差が50μm以下の場合に良好と判断した。
また、外部電極形成後の素子を用いて耐湿負荷試験を実施した。温度60℃、湿度90%RHの環境下に素子を置き、圧電層1層あたりの電界が1kV/mmになるようにDC電圧を印加した。この状態で、100時間経過後の素子の絶縁抵抗値を測定し、試験前後で比較した。
反りの評価では、WOを含有する実施例とWOを含有していない比較例とについて、評価を行った。その結果、実施例の反り量は、比較例の反り量の約1/6であった。比較例では、素子の焼成時に内部電極のAgが圧電磁器中に拡散する部分としない部分が発生して、Agの拡散状態に差が生じ素子の焼結状態が不均一になり、素子が変形したと考えられる。一方、実施例では、Agの拡散状態に差が生じず素子の焼結状態が均一になり、焼成後の素子の変形が少なくなると考えられる。
耐湿負荷試験を実施した結果、実施例では試験前後において絶縁抵抗値が殆ど変化していなかったが、比較例では試験前後において絶縁抵抗値が2桁以上低下しているものがあった。この理由としては、実施例では圧電素子のWが粒界中Agと結合した形で存在し、Agがマイグレーションを引き起こすことを防止しているためであると考えられる。
よって、本発明の圧電磁器組成物中にWOの添加効果を確認することができたと判断する。
なお、上記実施形態において、圧電素子の強度を向上させるために、圧電素子にSiを含有させても良い。Siの含有量は主成分1モルの質量あたり、SiOに換算して0.01〜0.1質量%程度が好ましい。SiOを添加することで、圧電素子の強度を5〜30%向上させることができる。
圧電磁器組成物及びこれを用いた圧電素子の製造工程を示すフロー図である。 実施形態に係る積層型圧電素子の断面図である。 実施例に係る単板圧電素子及び積層型圧電素子の製造工程を示すフロー図である。 実施例に係る単板圧電素子を示す斜視図である。
符号の説明
1a,1b…内部電極、2…圧電体層、3a,3b…保護層、4…外部電極、6…圧電体、7…銀焼付電極。

Claims (2)

  1. Pb、Zr、Ti及びCoを含むペロブスカイト構造の複合酸化物を含有する圧電磁器組成物であって、
    Wと、
    Ni、Cu及びFeからなる群より選ばれる少なくとも1種と、を含有し、
    前記複合酸化物は、下記式:
    (Pb Me1 )[(Co 1/3 Me2 2/3 Ti Zr ]O
    (ただし、上記式中、Me1は、Sr及びBaからなる群より選ばれる少なくとも1種を表し、Me2は、Sb、Nb及びTaからなる群より選ばれる少なくとも1種を表し、a+b+c=1、0.98≦A+B≦1.01、0≦B≦0.12、0<a≦0.03、0.4≦b≦0.5、0.47≦c<0.6である)
    で表されることを特徴とする圧電磁器組成物。
  2. 複数の圧電体層とそれぞれの前記圧電体層上に形成された内部電極とを備える積層型圧電素子であって、
    前記圧電体層は、Pb、Zr、Ti及びCoを含むペロブスカイト構造の複合酸化物を含有する圧電磁器組成物から形成され、
    前記圧電磁器組成物は、
    Wと、
    Ni、Cu及びFeからなる群より選ばれる少なくとも1種と、を含有し、
    前記複合酸化物は、下記式:
    (Pb Me1 )[(Co 1/3 Me2 2/3 Ti Zr ]O
    (ただし、上記式中、Me1は、Sr及びBaからなる群より選ばれる少なくとも1種を表し、Me2は、Sb、Nb及びTaからなる群より選ばれる少なくとも1種を表し、a+b+c=1、0.98≦A+B≦1.01、0≦B≦0.12、0<a≦0.03、0.4≦b≦0.5、0.47≦c<0.6である)
    で表されることを特徴とする積層型圧電素子
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