JP4735492B2 - 加熱加圧成形用プリプレグおよび積層板 - Google Patents

加熱加圧成形用プリプレグおよび積層板 Download PDF

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本発明は、熱伝導性の良い絶縁層を提供するためのプリプレグに関する。また、当該プリプレグを用いた積層板に関する。この絶縁層は、発熱部品を実装するプリント配線板の絶縁層として好適である。
電子機器に搭載する配線板は、電子機器の軽薄短小化に伴う微細配線・高密度実装の技術が求められる一方で、発熱に対応する高放熱の技術も求められている。特に、各種制御・操作に大電流を使用する自動車などにおける電子回路では、導電回路の抵抗に起因する発熱やパワー素子からの発熱が非常に多く、配線板の放熱特性は高レベルであることが必須となってきている。
そのような現状において、絶縁層の熱伝導性を向上させるために、熱硬化性樹脂に無機充填材を添加することは広く行われている。例えば、熱硬化性樹脂に鱗片状無機充填材と粒子状無機充填材との混合充填材を添加した熱伝導性樹脂シートが特許文献1に記載されている。この熱伝導性樹脂シートは、鱗片状無機充填材と粒子状無機充填材とを混合し、鱗片状無機充填材を厚さ方向に配向させることにより、樹脂シートの厚さ方向の熱伝導性を向上させるものである。
しかし、上記の熱硬化性樹脂組成物をプリプレグに適用する場合、ガラスクロス基材への含浸性が悪化することや、ガラスクロス基材の存在が厚さ方向の熱伝導率を悪化させることから、所望の熱伝導性が得られないという問題がある。
また、回路基板においては、無機充填材を含む熱伝導性樹脂シートと金属板(リードフレーム)とを積層一体化した回路基板(特許文献2)や、プリプレグに開口部を設け、前記開口部に無機充填材を含む熱伝導性樹脂シートを嵌め込むとともに、前記熱伝導性樹脂シート部にスルーホールを形成した回路基板(特許文献3)が提案されている。これらの回路基板は、絶縁層に無機充填材を添加しているものの、当該部分には十分な熱伝導性を期待できず、実際には金属板やスルーホールにより熱伝導性を確保して、放熱性を向上させるものである。
しかし、上記の回路基板は、回路基板製造時の加工工数が増加することや、無機充填材を高充填すると樹脂の流れ性が悪化することから、3層以上の多層板には適さないという問題がある。
特開2005−232313号公報 特開2001−77488号公報 特開2002−16324号公報
樹脂絶縁層の厚さ方向の熱伝導率を向上させる方法として、形状の異なる無機充填材を混合して、無機充填材を厚さ方向に配向させる方法がある。しかし、ガラスクロス基材のガラス繊維糸の縦糸と横糸で囲まれてできる空隙の大きさ(目空き量)が小さいために、ガラス繊維糸間に無機充填材が充填されない、あるいは、無機充填材が厚さ方向に配向されないなどの問題があり、この方法による放熱性の向上には限界があった。
本発明が解決しようとする課題は、大電流・発熱部品の搭載に対応し、放熱性が求められるプリント配線板に好適な絶縁層を製造するためのプリプレグを提供することであり、成形性・作業性を悪化させることなく、特に絶縁層厚さ方向の熱伝導率を向上した樹脂絶縁層を製造することである。熱伝導性の向上にはガラス繊維糸の縦糸と横糸で囲まれてできる空隙における無機充填材の配向が大きく寄与するため、無機充填材とガラスクロス基材の形態の組み合せを特定することにより、特性向上を達成することである。
上記課題を解決するために、本発明では、無機充填材を含む熱硬化性樹脂組成物をガラスクロス基材に保持させ半硬化状態としてなる加熱加圧成形用プリプレグを次のようにした点に特徴がある。すなわち、前記無機充填材が、
(1)充填材粒子の平面方向の平均粒径d1が、1μm≦d1≦20μmの範囲にある鱗片状充填材。
(2)平均粒径d2が、0.1μm≦d2≦30μmの範囲にある粒子状充填材。
のそれぞれの条件を満たす少なくとも二成分以上からなり、前記熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂固形分と無機充填材を合わせた体積中に、成分(1)が10〜60体積%、成分(2)が10〜60体積%の範囲で添加され、無機充填材の総含有量としては20〜80体積%となる熱硬化性樹脂組成物であり、かつ前記ガラスクロス基材は、目空き量が0.02mm〜0.2mmであることを特徴とする。
そして、熱硬化性樹脂組成物が、(式1)で示す分子構造のエポキシ樹脂モノマを配合したエポキシ樹脂組成物である(請求項)。
Figure 0004735492
ましくは、熱硬化性樹脂組成物が、(式2)で示す分子構造のエポキシ樹脂モノマを配合したエポキシ樹脂組成物である(請求項)。
Figure 0004735492
本発明に係る積層板は、上述のプリプレグの層を一部ないし全部として加熱加圧成形してなるものである(請求項)。
本発明に係るプリプレグは、無機充填材とガラスクロス基材の形態の組み合せを特定することにより、ガラスクロス基材のガラス繊維糸の縦糸と横糸で囲まれてできる空隙に無機充填材を充填することができ、このことが、絶縁層の厚さ方向の熱伝導性を大きくすることにつながる。また、前記空隙に充填された鱗片状の無機充填材をガラスクロス基材の厚さ方向に配向させることが可能となり、このことも、絶縁層の厚さ方向の熱伝導性を大きくすることに寄与している。粒子状の無機充填材が、平面方向に配向しようとする鱗片状充填材の流れを乱し、ガラスクロス基材の厚さ方向に配向する鱗片状の無機充填材を増やすのである。
上述のように、本発明によれば、無機充填材とガラスクロス基材の形態の組み合せを特定することで、より高い熱伝導性の絶縁層を製造することができ、当該絶縁層はプリント配線板に好適に用いることができる。
本発明を実施するに当り、プリプレグの製造は、一般的に行なわれている製造法を適用することができる。すなわち、無機充填材を含む熱硬化性樹脂組成物のワニスをガラスクロス基材に含浸し加熱乾燥して、半硬化状態とする。
本発明に使用する無機充填材は、少なくとも次の二成分以上を混合する。
(1)充填材粒子の平面方向の平均粒径d1が、1μm≦d1≦20μmの範囲にある鱗片状充填材。
(2)平均粒径d2が、0.1μm≦d2≦30μmの範囲にある粒子状充填材。
なお、前記d1およびd2は、公知のレーザー回折・散乱法による粒度測定装置(例えば、日機装株式会社製「マイクロトラックSPA−7997型」)を用いて測定したものである。ここで、レーザー回折・散乱法とは、充填材粒子にレーザー光を照射したとき、粒子径により散乱光の強度パターンが変化することを利用した測定法である。
無機充填材の平均粒径がそれぞれ上記の範囲より小さいと、無機充填材粒子の接触点が増えるため、すなわち樹脂の熱抵抗が増大するため、熱伝導率が向上しない。また、無機充填材の平均粒径がそれぞれ上記の範囲より大きいと、無機充填材がガラスクロス基材のガラス繊維糸の縦糸と横糸で囲まれた空隙に入らないため、熱伝導率が向上しない。また、無機充填材の平均粒径が大きくなると吸湿しやすくなるため絶縁性が低下する。
成分(1)の鱗片状充填材は、アスペクト比が高く絶縁層の平面方向に配向しやすいため、平面方向の熱伝導率は高くなるが、絶縁層の厚さ方向の熱伝導率は低くなる。そこで、第二成分である粒子状充填材を添加することで、鱗片状充填材が絶縁層の平面方向から絶縁層の厚さ方向へ配向するため、厚さ方向にも高い熱伝導率が得られる。また、成分(2)の粒子状充填材だけで高い熱伝導率を達成しようとすると、充填量を多くする必要があり、ワニスの粘度が上がりすぎてガラスクロス基材への含浸ができなくなる。すなわち、どちらか一方の無機充填材だけでは絶縁層の厚さ方向の十分な熱伝導率は得られない。
また、無機充填材は、熱硬化性樹脂固形分と無機充填材を合わせた体積中に、成分(1)が10〜60体積%、成分(2)が10〜60体積%、無機充填材の総含有量として20〜80体積%占めるように含有させる。成分(1)、(2)のいずれにおいても、添加量が10体積%より小さいと十分な熱伝導率が得られず、60体積%より大きいとワニスの粘度が上がりすぎるため、ガラスクロス基材に含浸できず、外観の均一なプリプレグを製造することができない。同様に、無機充填材の総含有量が20体積%より小さいと、十分な熱伝導率が得られず、80体積%より大きいと、ワニスの粘度が上がりすぎるため、ガラスクロス基材に含浸できず、外観の均一なプリプレグを製造することはできない。
上記の無機充填材と熱硬化性樹脂組成物を混練・混合してワニスを調製する際、熱硬化性樹脂組成物に無機充填材を添加していくと無機充填材のチキソ性および凝集性のため、ワニスの粘度が増大する。そのため、攪拌羽根を使用するタイプの攪拌機により混練・混合を行なう場合は、無機充填材を10体積%以上添加すると攪拌しにくくなり、ワニスも均一分散できなくなる。そこで、強力なせん断力を発生する分散機を選択することで、無機充填材の分散性がよくなりワニスの粘度も低下するため、80体積%までの無機充填材の添加が可能となる。強力なせん断力を発生する分散機は、例えば、ボールミル、ビーズミル、三本ロールミルやその原理を応用した分散機などが挙げられる。
無機充填材の成分(1)は、鱗片状である窒化ホウ素、雲母、または平板状のタルク、マイカ等であり、無機充填材の成分(2)は粒子状であるアルミナ、シリカ、酸化チタン等である。無機充填材の熱伝導率を30W/m・K以上にすることにより、絶縁層の熱伝導率がさらに向上するので好ましい。
本発明に使用するガラスクロス基材は、目空き量を0.02mm〜0.2mmとする。目空き量とは、ガラスクロス基材を上から見たときに現われる、ガラス繊維糸の縦糸と横糸で囲まれた空隙部分ひと升目の面積である。熱硬化性樹脂組成物のワニスは多量の無機充填材を含有し、無機充填材の形状も異なるためガラスクロス基材に含浸しにくい。上記の目空き量の範囲であれば、無機充填材がガラスクロス基材のガラス繊維糸の縦糸と横糸で囲まれてできる空隙に入り込んで熱伝導率が向上する。しかし、ガラスクロス基材の目空き量が0.02mmより小さいと、無機充填材がガラスクロス基材のガラス繊維糸の縦糸と横糸で囲まれてできる空隙に入らないため、熱伝導率は向上しない。また、ガラスクロス基材の目空き量が0.2mmより大きいと、ガラス繊維糸の縦糸と横糸で囲まれてできる空隙が大きすぎて無機充填材をガラスクロス基材に保持させることができず、外観の均一なプリプレグを製造することができない。
本発明に使用できるガラスクロス基材は、特に限定するものではないが、ガラスの種類は強度や電気特性が良好なEガラスが好ましい。また、ワニスの含浸には目空き量の大きいものが好ましいため、開繊処理されていないガラスクロス基材がよい。
プリプレグの層を加熱加圧成形して絶縁層とする際に、銅箔ないし銅板をプリプレグの層に重ねて成形し一体に接着することができる。無機充填材の総含有量を上述した80体積%以下にすれば、銅箔ないし銅板との接着性に特に問題となるところはない。当該プリプレグは、予め準備したプリント配線板同士を重ねて一体化し多層プリント配線板とするときの接着層として使用することもできる。
本発明に係るプリプレグによる絶縁層を備えたプリント配線板は、実装部品や制御回路から発生した熱が絶縁層を介して反対面に配置した銅箔ないし銅板に伝わり熱放散される。
本発明に使用する熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂モノマと硬化剤とから生成されたものを用いることができる。エポキシ樹脂モノマは、ビスフェノールA型エポキシ、ビスフェノールF型エポキシなど一般的なエポキシ樹脂モノマはいずれも使用できる。そして、(式1)で示される分子構造式のビフェニル骨格あるいはビフェニル誘導体の骨格をもち、1分子中に2個以上のエポキシ基をもつエポキシ樹脂モノマを配合する。これにより、放熱性向上することができる。
Figure 0004735492
ましくは、(式2)で示される分子構造式のものを選択する。ビフェニル基がより配列しやすいため、熱伝導率をより高くすることができる。また、ビフェニル骨格あるいはビフェニル誘導体の骨格は同一分子内に2つ以上あってもよい。
Figure 0004735492
エポキシ樹脂モノマに配合する硬化剤は、エポキシ樹脂モノマの硬化反応を進行させるために従来用いられている硬化剤を使用することができる。例えば、フェノール類又はその化合物、アミン化合物やその誘導体、酸無水物、イミダゾールやその誘導体などが挙げられる。また、硬化促進剤は、エポキシ樹脂モノマとフェノール類又はその化合物、アミン類またはその化合物との重縮合反応を進行させるために従来用いられている硬化促進剤を使用することができる。例えば、トリフェニルホスフィン、イミダゾールやその誘導体、三級アミン化合物やその誘導体などが挙げられる。
エポキシ樹脂モノマと硬化剤、無機充填材、硬化促進剤を配合したエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて難燃剤や希釈剤、可塑剤、カップリング剤等を含むことができる。また、このエポキシ樹脂組成物をガラスクロス基材に含浸し乾燥してプリプレグを製造する際、必要に応じて溶剤を使用することができる。これらの使用が、硬化物の熱伝導性に影響を与えることはない。
本発明に係るプリプレグを全層ないし一部の層として用い、これを加熱加圧成形した絶縁層を備えたプリント配線板は、厚さ方向の熱伝導率が向上するので、高温雰囲気下での使用が想定される自動車機器用のプリント配線板や、パソコン等の高密度実装プリント配線板に好適である。
以下、本発明に係る実施例を示し、本発明について詳細に説明する。尚、以下の実施例および比較例において、「部」とは「質量部」を意味する。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、本実施例に限定されるものではない。
実施例1
エポキシ樹脂モノマ成分としてビフェニル骨格をもつエポキシ樹脂モノマ(ジャパンエポキシレジン製「YL6121H」,エポキシ当量175)100部を用意し、これをメチルイソブチルケトン(和光純薬製)100部に100℃で溶解し、室温に戻した。尚、「YL6121H」は、既述の分子構造式(式1)において、R=−CH,n=0.1であるエポキシ樹脂モノマと分子構造式(式2)において、n=0.1であるエポキシ樹脂モノマを等モルで含有するエポキシ樹脂モノマである。
次に、硬化剤として1,5−ジアミノナフタレン(和光純薬製「1,5−DAN」,アミン当量40)25部を用意し、これをメチルイソブチルケトン(和光純薬製)100部に100℃で溶解し、室温に戻した。
上記のエポキシ樹脂モノマ溶液と硬化剤溶液を混合・撹拌して均一なワニスを作製し、この混合物(熱硬化性樹脂ワニス)に、無機充填材として窒化ホウ素(電気化学工業製「GP」,充填材粒子の平面方向の平均粒子径:5μm,熱伝導率60W/m・K,粒子形状:鱗片状)106部(熱硬化性樹脂固形分と無機充填材を合わせた体積中の23体積%に相当、以下体積%のみ表記する)、アルミナ(住友化学製「AA−3」,平均粒子径:2μm,熱伝導率30W/m・K,粒子形状:粒子状)186部(23体積%に相当)およびメチルイソブチルケトン(和光純薬製)を67部加えて混練し、エポキシ樹脂ワニスを調製した。
上記のエポキシ樹脂ワニスを、厚さ60μm(目空き量0.02mm)のガラスクロス基材に含浸し加熱乾燥して半硬化状態のプリプレグを得た。
作製したプリプレグ4枚とその両側に18μm銅箔(CF−T9C、福田金属製)を配置し、温度175℃、圧力4MPaの条件で90分間加熱加圧形成して一体化し、厚さ0.8mmの積層板を得た。
実施例1で得た積層板について厚さ方向の熱伝導率、素子発熱温度、耐湿絶縁性を測定した結果を、エポキシ樹脂組成物の配合組成と共に表1にまとめて示す。測定方法は、以下に示すとおりである。
なお、無機充填材の平均粒子径は、日機装株式会社製「マイクロトラックSPA−7997型」を用いて測定した。
ガラスクロス基材の目空き量:顕微鏡を用いてガラスクロス基材を上から観察し、ガラス繊維糸の縦糸と横糸で囲まれたひと升目の空隙部分の面積を測定した。
厚さ方向の熱伝導率:50mm×120mmの板状試料を切り出し、プローブ法に準拠して室温で測定した。
素子発熱温度:実使用に近い放熱性評価として、板状試料を放熱板へグリース接着させ、板状試料に実装したヒータチップに60Wの電力を入力した時のヒータチップ温度を測定した。実施例1を標準として、以下に説明する各例の板状試料を相対評価した。実施例1のヒータ温度に対して150%以上の温度になる場合を×、110以上150%未満の温度になる場合を△、90以上110%未満の温度になる場合を○、90%未満の温度になる場合を◎とした。
耐湿絶縁性:85℃−85%の恒温恒湿槽中に板状試料を入れて50Vの電圧をかけ、1000時間経過後の絶縁抵抗を測定した。そのとき1.0×1010Ω以上であれば○、1.0×1010Ω未満であれば×とした。
比較例1
実施例1において、「YL6121H」の代わりに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製「EP828」,エポキシ当量185)を用いる以外は実施例1と同様にしてプリプレグおよび積層板を得た。この積層板の厚さ方向の熱伝導率は、1.5W/m・Kであり、実施例1より大きく悪化した。
比較例2
実施例1において、熱硬化性樹脂固形分と無機充填材を合わせた体積中に占める窒化ホウ素とアルミナの割合を、それぞれ4体積%に変えたエポキシ樹脂ワニスを使用する以外は、実施例1と同様にしてプリプレグおよび積層板を得た。この積層板の厚さ方向の熱伝導率は、0.7W/m・Kであり、実施例1より大きく悪化した。
実施例2〜7
実施例1において、窒化ホウ素とアルミナの平均粒径および熱硬化性樹脂固形分と無機充填材を合わせた体積中に占める窒化ホウ素とアルミナの割合を、それぞれ表1に示すように変えたエポキシ樹脂ワニスを使用する以外は、実施例1と同様にしてプリプレグおよび積層板を得た。これらの積層板の厚さ方向の熱伝導率を測定した結果、無機充填材の総含有量が増加すると厚さ方向の熱伝導率も向上した。また、無機充填材の平均粒径が大きくなると厚さ方向の熱伝導率も向上した。
実施例8
実施例1において、アルミナの代わりに、粒子状無機充填材である水酸化アルミニウム(住友化学製「C−302A」,平均粒径2.0μm,熱伝導率3.0W/m・K,粒子形状:粒子状)114部(23体積%に相当)を使用する以外は、実施例1と同様にしてプリプレグおよび積層板を得た。この積層板の厚さ方向の熱伝導率は2.2W/m・Kであり、実施例1よりは若干低いものの、厚さ方向の熱伝導率の良好な積層板が得られた。
実施例9
実施例1において、アルミナの代わりに、粒子状無機充填材であるシリカ(平均粒径5μm,熱伝導率1.2W/m・K,粒子形状:粒子状)104部(23体積%に相当)を使用する以外は、実施例1と同様にしてプリプレグおよび積層板を得た。この積層板の厚さ方向の熱伝導率は2.0W/m・Kであり、実施例1より若干低いものの、厚さ方向の熱伝導率の良好な積層板が得られた。
比較例3、4
実施例1において、無機充填材として、平均粒径30μmの窒化ホウ素(比較例3)、または平均粒径40μmのアルミナ(比較例4)を使用する以外は、実施例1と同様にしてプリプレグおよび積層板を得た。この積層板の厚さ方向の熱伝導率はそれぞれ、7.7W/m・K、7.5W/m・Kであり、良好な値が得られたものの、耐湿絶縁性が悪化した。
比較例5、6
実施例1において、無機充填材として、平均粒径0.5μmの窒化ホウ素(比較例5)、または平均粒径0.05μmのアルミナ(比較例6)を使用する以外は、実施例1と同様にしてプリプレグおよび積層板を得た。窒化ホウ素の粒径を小さくしても、アルミナの粒径を小さくしても、厚さ方向の熱伝導率は大きく悪化した。
比較例7〜10
実施例1において、熱硬化性樹脂固形分と無機充填材を合わせた体積中に占める窒化ホウ素あるいはアルミナの割合を、それぞれ表2および表3に示すように変えたエポキシ樹脂ワニスを使用する以外は、実施例1と同様にしてプリプレグおよび積層板を得た。窒化ホウ素の量を65体積%(比較例7)にすると、ワニスの粘性が高くなりすぎて基材に均一に含浸できなかったため、積層板は得られなかった。また、5体積%(比較例8)にすると、厚さ方向の熱伝導率は大きく悪化した。アルミナでも同様の結果であった(比較例9,10)。
比較例11
実施例1において、熱硬化性樹脂固形分と無機充填材を合わせた体積中に占める無機充填材の割合を90体積%にする以外は、実施例1と同様にしてプリプレグおよび積層板を得た。無機充填材の割合を90体積%にすると、ワニスの粘性が高くなりすぎて基材に均一に含浸できなかったため、積層板は得られなかった。
比較例12、13
実施例1において、ガラスクロス基材の目空き量を表3に示すように変える以外は、実施例1と同様にしてプリプレグおよび積層板を得た。ガラスクロス基材の目空き量が小さい(比較例12)と、無機充填材がガラスクロス基材の中まで充填せず、熱伝導率が悪化した。また、目空き量が大きすぎる(比較例13)と、無機充填材をガラスクロス基材に保持させることができず均一に含浸できなかったため、積層板は得られなかった。
Figure 0004735492
Figure 0004735492
Figure 0004735492

Claims (3)

  1. 無機充填材を含む熱硬化性樹脂組成物をガラスクロス基材に保持させ半硬化状態としてなる加熱加圧成形用プリプレグであって、前記無機充填材が、
    (1)充填材粒子の平面方向の平均粒径d1が、1μm≦d1≦20μmの範囲にある鱗片状充填材。
    (2)平均粒径d2が、0.1μm≦d2≦30μmの範囲にある粒子状充填材。
    のそれぞれの条件を満たす少なくとも二成分以上からなり、
    熱硬化性樹脂組成物が、(式1)で示す分子構造のエポキシ樹脂モノマを配合したエポキシ樹脂組成物であり、
    Figure 0004735492
    前記熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂固形分と無機充填材を合わせた体積中に、成分(1)が10〜60体積%、成分(2)が10〜60体積%の範囲で添加され、無機充填材の総含有量としては20〜80体積%となる熱硬化性樹脂組成物であり、かつ前記ガラスクロス基材は、目空き量が0.02mm〜0.2mmであることを特徴とする加熱加圧成形用プリプレグ。
  2. 熱硬化性樹脂組成物が、(式2)で示す分子構造のエポキシ樹脂モノマを配合したエポキシ樹脂組成物であることを特徴とする請求項1記載のプリプレグ。
    Figure 0004735492
  3. 請求項1又は2に記載のプリプレグを加熱加圧成形してなる積層板。
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