JP4806279B2 - ガラスクロス含有絶縁基材 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラスクロス含有絶縁基材に関し、特に、車載用基板等の低多層、低密度の多層配線基板を作製するのに好適なガラスクロス含有絶縁基材に関する。
基地局、サーバ、ルータ等のインフラ系ネットワーク機器分野や、高密度実装のニーズが高まる半導体パッケージ等の分野においては、20層以上の高多層であり、一層が50μm程度という高密度である、全層IVH(Interstitial Via Hole)構造の基板が求められている。このような多層配線基板は、高多層であるが故に、多層配線基板としての剛性を確保することができる。
これに対して、車載用の基板は、6〜8層程度の低多層であり、一層が100μm程度という低密度の多層配線基板である。この場合、低密度であるので、基板を介してマイグレーションが発生する等の問題は生じない。しかし、低多層であるので、多層配線基板としての剛性を確保することが難しい。
また、車載用の基板は、エンジンルーム等の高温環境下において使用されるため、このような厳しい環境下においても、反り等の変形を生じないことが必要とされる。
多層配線基板の製造方法としては、特許文献1には、金属箔と、導体回路を有する内層パネルとの間に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の層を形成する工程、バイアホールを形成する位置部分を残して前記金属箔を除去する工程、前記金属箔は透過させず露出した前記樹脂組成物の層のみ電子線を照射させて硬化させる工程、バイアホールを形成する位置部分の前記金属箔を除去した後、露出した未硬化の樹脂組成物を溶解して前記樹脂組成物の層にバイアホールを設ける工程、前記樹脂組成物の層の表面を粗化する工程、めっきにより前記樹脂組成物の層の表面に金属を析出させる工程、不要な金属を除去して外層導体回路パターンを形成する工程からなることを特徴とする多層プリント配線板の製造方法が記載されている。
特許文献2には、耐熱性および接着性のみならず、放置安定性に優れたワニスが記載されている。また、特許文献3には、耐熱性および接着性のみならず保存安定性に優れ、塗布や含浸などの分野に容易に適用可能であり、かつその硬化物の可撓性に優れた樹脂組成物およびワニスが記載されている。また、特許文献4には、耐熱性プリプレグを用いた耐熱性積層板に有用なワニスが記載されている。
特開2002−94243号公報 特開平10−195377号公報 特開平11−80595号公報 特開平8−302273号公報
しかし、特許文献1においては、バイアホールを形成するにあたり、金属箔を電子線のレジストとして利用することにより、解像度の高い樹脂組成物の硬化物を形成して、これにより、小径穴のバイアホールを多量に形成することを可能とするものである。従って、特許文献1に記載の発明は、本発明のように、低多層、低密度の多層配線基板において剛性を確保する等の課題を解決することを目的とするものではない。
また、特許文献2〜4に記載のワニスは、積層板に使用することができると記載されているが、この積層板は、ワニスの耐熱性、接着性、保存安定性等を利用するものであって、本発明のように、低多層、低密度の多層配線基板において剛性を確保する等の課題を解決することを目的とするものではない。
そこで、本発明は、低多層、低密度の多層配線基板に、剛性を付与することができ、また、エンジンルーム等の厳しい環境下においても、反り等の変形を生じることがなく、層間接着性が良好な多層配線基板を製造することができる、ガラスクロス含有絶縁基材を提供することを課題とする。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
第1の本発明は、ガラスクロスにアルケニルフェノール化合物とマレイミド類の混合物が含浸固化された樹脂含浸ガラスクロス層(10)、および該樹脂含浸ガラスクロス層(10)の両側に積層された熱可塑性樹脂組成物からなる絶縁層(20)を有する、ガラスクロス含有絶縁基材(100)である。(図中のガラスクロス含有絶縁基材(100a、100b、100c)は、ガラスクロス含有絶縁基材(100)の一実施形態である。)
上記本発明のガラスクロス含有絶縁基材(100)において、熱可塑性樹脂組成物からなる絶縁層(20)の二層の合計厚みを1とした時に、樹脂含浸ガラスクロス層(10)の厚みは0.3以上5.0未満であることが好ましい。このような厚みとすることによって、本発明のガラスクロス含有絶縁基材(100)の線膨張係数を、銅箔の線膨張係数と近い値とすることができる。また、本発明のガラスクロス含有絶縁基材(100)の剛性を確保することができ、これにより、本発明のガラスクロス含有絶縁基材(100)を用いて作製した多層配線基板を高剛性なものとすることができる。
上記本発明のガラスクロス含有絶縁基材(100)において、混合物における、アルケニルフェノール化合物およびマレイミド類は、モル比で30/70以上70/30未満(「アルケニルフェノール化合物」/「マレイミド類」)で混合されていることが好ましい。このような混合割合とすることによって、アルケニルフェノール化合物およびマレイミド類が架橋することによって形成される樹脂含浸ガラスクロス層(10)が脆くなるのを防ぐことができ、また両側に積層された熱可塑性樹脂組成物からなる絶縁層(20)との接着性を良好に保つことができる。
上記本発明のガラスクロス含有絶縁基材(100)において、アルケニルフェノール化合物はジメタリルビスフェノールAであることが好ましく、マレイミド類はビス(4−マレイミドフェニル)メタンであることが好ましい。これらの混合物が含浸固化された樹脂含浸ガラスクロス層(10)とすることによって、本発明のガラスクロス含有絶縁基材(100)の層間接着性をより良好にすることができる。
前記熱可塑性樹脂組成物は、結晶融解ピーク温度260℃以上の結晶性熱可塑性樹脂、ガラス転移温度が260℃以上の非晶性熱可塑性樹脂、または、液晶転移温度が260℃以上の液晶ポリマーのいずれかからなる組成物であることが好ましい。このような熱可塑性樹脂組成物からなる絶縁層(20)とすることによって、樹脂含浸ガラスクロス層(10)との接着性を良好にすることができると共に、多層配線基板を作製する際に、他の基板(200)との接着性を良好にすることができる。
本発明のガラスクロス含有絶縁基材(100)は、樹脂含浸ガラスクロス層(10)を有することにより、本発明のガラスクロス含有絶縁基材(100)を用いて製造した、低多層、低密度の多層配線基板に、剛性を付与することができる。また、エンジンルーム等の厳しい環境下においても、反り等の変形を生じることがない多層配線基板とすることができる。
また、樹脂含浸ガラスクロス層(10)を有することにより、熱可塑性樹脂組成物からなる絶縁層(20)との接着性を良好にできる。そして、本発明のガラスクロス含有絶縁基材(100)を、他の配線基板(200)と積層する際の接着性を良好にすることができる。よって、本発明のガラスクロス含有絶縁基材(100)を用いることによって、高い層間接着性を有する多層配線基板を製造することができる。
以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1(a)に層構成の模式図を示したように、本発明のガラスクロス含有絶縁基材100aは、樹脂含浸ガラスクロス層10の両側に、熱可塑性樹脂組成物からなる絶縁層20が積層された構成を有している。
<ガラスクロス含有絶縁基材100の用途>
本発明のガラスクロス含有絶縁基材100は、図1(b)に示したように、ビアホールが形成され、このビアホールに導電性ペースト組成物30が充填され、所定の導体パターン40が形成されたガラスクロス含有絶縁基材100bとされる。
このガラスクロス含有絶縁基材100bは、他の配線基板と積層することにより、多層配線基板とされる。図2に他の配線基板と積層して多層配線基板とする様子を示した。図2(a)においては、1枚の本発明のガラスクロス含有絶縁基材100b、および、5枚の他の配線基板200、を重ねて多層配線基板とする様子を示した。本発明のガラスクロス含有絶縁基材100bは、BGA(ball grid array)面側の表層に位置するように積層され、BGA面側表層の剛性を確保している。これにより、多層配線基板に反り等の変形が生じることが防止され、この変形に起因する、実装IC等の電子部品との接続が欠落することが防止される。
このようにして低多層の多層配線基板を構成する一層に本発明のガラスクロス含有絶縁基材100bを用いることによって、多層配線基板に剛性を付与することができる。また、エンジンルーム等の厳しい環境下においても、反り等の変形を生じることがない多層配線基板とすることができる。
図2(b)は、本発明のガラスクロス含有絶縁基材100bを用いて、8層からなる低多層の多層配線基板を作製する様子を示した図である。この多層配線基板は、内部にIC、抵抗、コンデンサー等の電子部品300を内蔵するものである。よって、この電子部品300を装着する空間を内部に形成する必要がある。また、その空間の形状は、つぶれたり、曲がったり、しないように、一定の形状を保持する必要がある。図2(b)に示したように、本発明のガラスクロス含有絶縁基材100bに、装着する電子部品300に対応する空間を、凹部として形成し、この凹部を形成したガラスクロス含有絶縁基材100bを他の配線基板200と積層することによって、電子部品300に対応する形状を保持することができる、高剛性な多層配線基板を作製することができる。
<樹脂含浸ガラスクロス層10>
樹脂含浸ガラスクロス層10は、本発明のガラスクロス含有絶縁基材100の中間層であり、ガラスクロス含有絶縁基材100に剛性を付与し、エンジンルーム等の厳しい環境下において、反り等の変形を防ぐ役割を有する層である。樹脂含浸ガラスクロス層10は、ガラスクロスにアルケニルフェノール化合物とマレイミド類の混合物を含浸し、これを乾燥することによって、溶剤を揮発させて、上記混合物をガラスクロス上で固化することにより、作製することができる。樹脂含浸ガラスクロス層10は、後に説明する熱可塑性樹脂組成物からなる絶縁層20と積層することにより、本発明のガラスクロス含有絶縁基材100となる。そして、本発明のガラスクロス含有絶縁基材100と、他の配線基板200とが、加熱、加圧下において積層されて、多層配線基板が作製される。樹脂含浸ガラスクロス層10のアルケニルフェノール化合物およびマレイミド類は、この多層配線基板を作製する際の、加熱、加圧条件において、以下において説明するように重合、架橋反応する。そして、これにより、樹脂含浸ガラスクロス層10と熱可塑性樹脂組成物からなる絶縁層20との接着性が発現される。なお、樹脂含浸ガラスクロス層10と熱可塑性樹脂組成物からなる絶縁層20とを積層する段階において、樹脂含浸ガラスクロス層10のアルケニルフェノール化合物およびマレイミド類の一部が、重合、架橋反応する場合もありうる。
(アルケニルフェノール化合物)
アルケニルフェノール化合物としては、分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するアルケニルフェノール化合物、つまり、芳香環の水素原子の一部がアルケニル基に置換されたフェノール系化合物を挙げることができる。また、具体的には、このようなアルケニルフェノール化合物としては、ビスフェノールAまたはフェノール性水酸基含有ビフェニル骨格にアルケニル基が結合した化合物を挙げることができる。さらに具体的には、3,3´−ビス(2−プロペニル)−4,4´−ビフェニルジオール、3,3´−ビス(2−プロペニル)−2,2´−ビフェニルジオール、3,3´−ビス(2−メチル−2−プロペニル)−4,4´−ビフェニルジオール、3,3´−ビス(2−メチル−2−プロペニル)−2,2´−ビフェニルジオール等のジアルケニルビフェニルジオール化合物;2,2−ビス[4−ヒドロキシ−3−(2−プロペニル)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−ヒドロキシ−3−(2−メチル−2−プロペニル)フェニル]プロパン(以下、「ジメタリルビスフェノールA」という。)等のジアルケニルビスフェノール化合物を挙げることができる。この中でも、原料コストが低く、安定供給が可能であるという点から、アルケニルフェノール化合物としては、ジメタリルビスフェノールAを使用することが好ましい。ジメタリルビスフェノールAの構造式を式1に示す。
Figure 0004806279
(マレイミド類)
マレイミド類としては、分子中に少なくとも2個のマレイミド基を有するマレイミド化合物を挙げることができ、具体的には、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン等のビスマレイミド、トリス(4−マレイミドフェニル)メタン等のトリスマレイミド、ビス(3,4−ジマレイミドフェニル)メタン等のテトラキスマレイミドおよびポリ(4−マレイミドスチレン)等のポリマレイミド等を挙げることができる。この中でも、マレイミド類としては、原料コストが安く、安定供給可能であるという点から、ビス(4−マレイミドフェニル)メタンを使用することが好ましい。ビス(4−マレイミドフェニル)メタンの構造式を式2に示した。
Figure 0004806279
樹脂含浸ガラスクロス層10は、ガラスクロス上のアルケニルフェノール化合物およびマレイミド類の混合物は、室温で固化しており、40℃以上100℃未満に融点を有していることが好ましい。これにより、アルケニルフェノール化合物とマレイミド類の混合物をガラスクロス上において固化させて、樹脂含浸ガラスクロス層10を形成することができる。また、樹脂含浸ガラスクロス層10の形成を容易にするため、アルケニルフェノール化合物およびマレイミド類は、高分子量のものを使用することが好ましい。
アルケニルフェノール化合物およびマレイミド類の混合比は、モル比で、「30/70」以上「70/30」未満であることが好ましい(「アルケニルフェノール化合物」/「マレイミド類」)。この範囲を超えて、バインダー成分中のどちらかの成分が多すぎると、生成する樹脂含浸ガラスクロス層10が脆くなり、熱可塑性樹脂組成物からなる絶縁基材20との接着力が低下してしまう。
樹脂含浸ガラスクロス層10における、アルケニルフェノール化合物およびマレイミド類は、主として、ガラスクロス含有絶縁基材100とした後における、他の配線基板200との積層の段階における、加熱、加圧によって、重合、架橋する。この重合、架橋反応について、以下説明する。アルケニルフェノール化合物におけるアルケニル基は、マレイミド化合物のエチレン性不飽和基と交互共重合および/または付加反応し、またフェノール性水酸基もマレイミド基のエチレン性不飽和基と付加反応する。以下、バインダー成分として例示した、ジメタリルビスフェノールAおよびビス(4−マレイミドフェニル)メタンの硬化機構について、具体的に説明する。まず、120〜180℃に加熱した段階で、以下の式3で示される線状の重合体が得られる。
Figure 0004806279
さらに、200℃以上に加熱すると、例えば、以下の式4で示される三次元状に架橋した重合体が得られる。これら付加反応および架橋反応によって得られた樹脂含浸ガラスクロス層10は、300℃以上のガラス転移温度を有している。これにより、非鉛半田耐熱性という効果が発揮される。
Figure 0004806279
上記の、アルケニルフェノール化合物およびマレイミド類の重合、架橋反応によって、樹脂含浸ガラスクロス層10および熱可塑性樹脂組成物からなる絶縁層20の間の接着性が発現されるのであるが、この接着性が発明される具体的な作用については、後で説明する。
(ガラスクロス)
ガラスクロスとは、ガラス繊維を縦横に編んで、平織等の布状にしたものである。本発明に用いるガラスクロスとしては、特に限定されず、FRPにおいて使用される通常のガラスクロスを使用することができる。本発明の樹脂含浸ガラスクロス層10は、ガラスクロスを含有することにより、ガラスクロス含有絶縁基材100、および、それを積層して作製した多層配線基板に剛性を付与することができると共に、ガラスクロス含有絶縁基材100の面方向の線膨張係数を抑えることができる。
樹脂含浸ガラスクロス層10中のガラスクロスの割合は、20〜80質量%であることが好ましく、30〜70質量%であることがさらに好ましい。ガラスクロスの割合が少なすぎると、樹脂含浸ガラスクロス層10の剛性が小さくなり、これにより本発明のガラスクロス含有絶縁基材100の剛性も小さくなってしまい、多層配線基板に剛性を付与する効果が小さくなってしまう。これに対して、ガラスクロスの割合が大きすぎると、剛性を付与する効果が飽和してしまうと共に、樹脂含浸ガラスクロス層10の表面を平滑にするのが難しくなる。
<熱可塑性樹脂組成物からなる絶縁層20>
熱可塑性樹脂組成物からなる絶縁層20は、他の配線基板200と積層する際において、他の配線基板200と熱融着する役割を有する。熱可塑性樹脂組成物からなる絶縁基材20を構成する、熱可塑性樹脂組成物としては、結晶融解ピーク温度260℃以上の結晶性熱可塑性樹脂、ガラス転移温度が260℃以上の非晶性熱可塑性樹脂、または、液晶転移温度が260℃以上の液晶ポリマーからなる組成物を挙げることができる。
結晶融解ピーク温度が260℃以上の結晶性熱可塑性樹脂としては、ポリアリールケトン樹脂および非晶性ポリエーテルイミド樹脂の混合組成物を用いることが好ましい。ガラス転移温度が260℃以上の非晶性熱可塑性樹脂としては、熱可塑性ポリイミドを用いることが好ましい。液晶転移温度が260℃以上の液晶ポリマーとしては、全芳香族ポリエステル樹脂(LCPI型、II型)を用いることが好ましい。
上記した材料の中でも、熱可塑性樹脂組成物は、多層配線基板とする際の、他の配線基板200との熱融着性の観点から、結晶融解ピーク温度が260℃以上の結晶性熱可塑性樹脂からなる組成物であることが好ましい。
以下、上記の熱可塑性樹脂組成物からなる絶縁層20の好ましい形態の一つである、結晶融解ピーク温度が260℃以上の結晶性熱可塑性樹脂からなる組成物により構成されている絶縁層20について説明する。結晶融解ピーク温度が260℃以上の結晶性熱可塑性樹脂からなる組成物としては、ポリアリールケトン樹脂および非晶性ポリエーテルイミド樹脂の混合組成物が好ましく用いられるが、これらの樹脂は相溶系であり、これらの混合組成物は一つの結晶融解ピーク温度を有し、その結晶融解ピーク温度は260℃以上となっている。熱可塑性樹脂からなる絶縁層20を構成する材料として、ポリアリールケトン樹脂および非晶性ポリエーテルイミド樹脂の混合組成物を用いた場合は、樹脂含浸ガラスクロス層10との接着性をより良好にすることができる。また、多層配線基板とする際において、他の配線基板200との接着性をより良好にすることができる。
このポリアリールケトン樹脂は、その構造単位に芳香核結合、エーテル結合およびケトン結合を含む熱可塑性樹脂であり、その代表例としては、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン等があり、なかでも、ポリエーテルエーテルケトンが好ましい。なお、ポリエーテルエーテルケトンは、「PEEK151G」、「PEEK381G」、「PEEK450G」(いずれもVICTREX社の商品名)等として市販されている。
また、非晶性ポリエーテルイミド樹脂は、その構造単位に芳香核結合、エーテル結合およびイミド結合を含む非晶性熱可塑性樹脂であり、特に制限されるものではない。なお、ポリエーテルイミドは、「Ultem CRS5001」、「Ultem 1000」(いずれもゼネラルエレクトリック社の商品名)等として市販されている。
ポリアリールケトン樹脂および非晶性ポリエーテルイミド樹脂の混合割合としては、積層する樹脂含有ガラスクロス層10との密着性を考慮した場合、ポリアリールケトン樹脂を30質量%以上かつ70質量%以下含有し、残部を非晶性ポリエーテルイミド樹脂および不可避不純物とした混合組成物を用いることが好ましい。ここで、ポリアリールケトン樹脂の含有率を30質量%以上かつ70質量%以下と限定した理由は、ポリアリールケトン樹脂の含有率が高すぎると、熱可塑性樹脂組成物の結晶性が高いため、積層時に樹脂含有ガラスクロス層10や、導体パターンを形成する銅箔とのなじみが取れず積層信頼性が低下すると共に、多層化する際の他の配線基板200との層間の積層性が低下するからであり、また、ポリアリールケトン樹脂の含有率が低すぎると、熱可塑性樹脂組成物全体としての耐熱性が低くなり、他の配線基板200と積層した後の多層配線基板としてのリフロー耐熱性が低下するからである。
この熱可塑性樹脂組成物は無機充填材を含有していてもよい。無機充填材としては、特に制限はなく、公知のいかなるものも使用できる。例えば、タルク、マイカ、雲母、ガラスフレーク、窒化ホウ素(BN)、板状炭カル、板状水酸化アルミニウム、板状シリカ、板状チタン酸カリウム等が挙げられる。これらは1種類を単独で添加してもよく、2種類以上を組み合わせて添加してもよい。特に、平均粒径が15μm以下、アスペクト比(粒径/厚み)が30以上の鱗片状の無機充填材が、平面方向と厚み方向の線膨張係数比を低く抑えることができ、熱衝撃サイクル試験時の基板内のクラック発生を抑制することができるので、好ましい。
この無機充填材の添加量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して20質量部以上かつ50質量部以下が好ましい。無機充填材の添加量が多すぎると、無機充填材の分散不良の問題が発生し、線膨張係数がばらつき易くなったり、強度低下を招き易くなったりするからである。また、無機充填材の添加量が少なすぎると、線膨張係数を低下させて寸法安定性を向上させる効果が小さく、リフロー工程において他の配線基板200や導体パターン部40との線膨張係数差に起因する内部応力が発生し、基板にそりやねじれが発生するからである。
また、熱可塑性樹脂組成物は、その性質を損なわない程度に、他の樹脂や無機充填材以外の各種添加剤、例えば、安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、核剤、着色剤、滑剤、難燃剤等を適宜含有していてもよい。これら無機充填材を含めた各種添加剤を添加する方法としては、公知の方法、例えば下記に挙げる方法(a)、(b)を用いることができる。
(a)各種添加剤を、ポリアリールケトン樹脂および/または非晶性ポリエーテルイミド樹脂の基材(ベース樹脂)に高濃度(代表的な含有量としては10〜60質量%程度)に混合したマスターバッチを別途作製しておき、これを使用する樹脂に濃度を調整して混合し、ニーダーや押出機等を用いて機械的にブレンドする方法。(b)使用する樹脂に直接各種添加剤をニーダーや押出機等を用いて機械的にブレンドする方法。これらの方法の中では、(a)の方法が分散性や作業性の点から好ましい。さらに、熱可塑性樹脂組成物からなる絶縁層20の表面には積層性を向上させる目的でコロナ処理等を適宜施しても構わない。
樹脂含浸ガラスクロス層10の構成材料の好ましい形態である、ジメタリルビスフェノールAおよびマレイミド類の混合物が硬化する際の、弾性率の変化の様子を図3に示した。「単量体混合物」で示したグラフは、ジメタリルビスフェノールAおよびマレイミド類の混合物の弾性率が、温度により変化する様子を示している。また、「架橋後」で示したグラフは、ジメタリルビスフェノールAおよびマレイミド類が架橋した状態における弾性率が、温度により変化する様子を示している。
また、熱可塑性樹脂組成物からなる絶縁層20を構成する材料の好ましい形態である、ポリアリールケトン樹脂および非晶性ポリエーテルイミド樹脂の混合組成物が硬化する際の、弾性率が変化する様子を図4に示した。なお、後で説明するが、ポリアリールケトン樹脂および非晶性ポリエーテルイミド樹脂の混合組成物からなる絶縁基材20は、急冷製膜により非晶性フィルム化されていることが好ましい。「積層前」で示したグラフが、他の配線基板200との積層前の状態を示したものであり、非晶性フィルム化された状態における絶縁層20の弾性率が温度により変化する様子を示したものである。また、「積層後」のグラフが、他の配線基板200との積層後の状態を示したものであり、積層時の加熱により非晶から結晶へ移行した後の、絶縁層20の弾性率が温度により変化する状態を示したものである。
本発明のガラスクロス含有絶縁基材100において、熱可塑性樹脂組成物からなる絶縁層20として、ポリアリールケトン樹脂および非晶性ポリエーテルイミド樹脂の混合組成物からなるものを用いた場合は、非晶性フィルム化されている絶縁層20が加熱により軟化して、そして、樹脂含浸ガラスクロス層10が軟化した後に、絶縁層20が非晶から結晶へ変化して硬化する。よって、絶縁層20および樹脂含浸ガラスクロス層10が共に軟化する温度範囲が存在する。これにより、両者がなじみ(分子間力が働き)、そしてなじんだ後に硬化するため、絶縁層20および樹脂含浸ガラスクロス層10との間で接着性が発現する。
本発明のガラスクロス含有絶縁基材100における、各層の厚み比は、熱可塑性樹脂組成物からなる絶縁層20の二層の合計厚みを1とした時に、樹脂含浸ガラスクロス層の厚みが0.3以上5.0未満であることが好ましく、0.5以上3.0未満であることがより好ましい。各層の厚みをこのような範囲とすることによって、本発明のガラスクロス含有絶縁基材100の線膨張係数を低下させて、寸法安定性を向上させることができる。これにより、リフロー工程において他の配線基板200や導体パターン40との線膨張係数差に起因する内部応力が発生し、基板にそりやねじれが発生するのを防ぐことができる。また、本発明のガラスクロス含有絶縁基材100の剛性を確保することができ、これにより、本発明のガラスクロス含有絶縁基材100を用いて作製した多層配線基板を高剛性なものとすることができる。
本発明のガラスクロス含有絶縁基材100の総厚みは、30〜500μmであることが好ましく、50〜300μmであることがより好ましく、100〜200μmであることが更に好ましい。総厚みが、かかる範囲であれば、ガラスクロス含有絶縁基材100の剛性を確保することができ、本発明のガラスクロス含有絶縁基材100を用いて作製した多層配線基板を高剛性なものとすることができる。
<ガラスクロス含有絶縁基材100の製造方法>
以下、本発明のガラスクロス含有絶縁基材100の製造方法について説明する。図5に本発明のガラスクロス含有絶縁基材100の製造方法の概要を示した。まず、アルケニルフェノール化合物およびマレイミド類が溶剤に溶解したワニス14に、ガラスクロス12を浸漬させる。ここで、ワニス14に使用する溶剤としては、アルケニルフェノール化合物およびマレイミド類を溶解することができるものであれば特に限定されないが、γブチロラクトン等を使用することができる。ワニスが染み込んだガラスクロスを取り出し、乾燥して溶剤を揮発させて、ワニスを固化し、樹脂含浸ガラスクロス層10を形成する。
熱可塑性樹脂組成物からなる絶縁層20は、公知の方法、例えばTダイを用いる押出キャスト法、あるいはカレンダー法等により作製することができる。特に限定されるものではないが、シートの製膜性や安定生産性等の点から、Tダイを用いる押出キャスト法が好ましい。また、熱可塑性樹脂組成物からなる絶縁層20上に導体パターン40を形成する場合は、絶縁層20を押し出す際において、銅箔50を貼り付ける。図5においては、樹脂含浸ガラスクロス層10の下部に貼り付ける一方の絶縁層20に銅箔50が貼り付けてある。
Tダイを用いる押出キャスト法での成形温度は、用いる樹脂の流動特性や製膜性等によって適宜調整されるが、概ね、260℃以上の結晶融解ピーク温度を有する、ポリアリールケトン樹脂および非晶性ポリエーテルイミド樹脂の混合組成物の場合、360〜400℃である。また、押出キャスト製膜時に急冷製膜することにより非晶性フィルム化することが好ましい。これにより、170〜230℃付近に弾性率が低下する領域を発現するので、この温度領域での熱成形、熱融着が可能となる。詳細には、170℃付近で弾性率が低下し始め、200℃付近において熱成形、熱融着が可能となる。なお、図4に示したグラフは、昇温速度を3℃/分として弾性率を測定したものであるが、昇温速度を10℃/分とすると、非晶から結晶への転移が遅れて、230℃付近において弾性率がもっとも低くなる。
その後、熱可塑性樹脂組成物からなる絶縁層20を、樹脂含浸ガラスクロス層10の両側に加圧下において、熱ラミネートする。これにより、樹脂含浸ガラスクロス層10の両側に、熱可塑性樹脂組成物からなる絶縁層20が積層されたガラスクロス含有絶縁基材100が形成される。この時の熱ラミネートおよびプレスの条件としては、例えば、150℃、5MPa、30分とすることができるが、樹脂含浸ガラスクロス層10および熱可塑性樹脂組成物からなる絶縁層20を接着することができ、かつ、樹脂含浸ガラスクロス層10におけるアルケニルフェノール化合物およびマレイミド類を重合、架橋させない条件であれば、特に限定されない。図示したガラスクロス含有絶縁基材100cにおいては、一方の面に銅箔50が形成されている。ガラスクロス含有絶縁基材100の両側に導体パターン40を形成する場合は、両側に銅箔50を形成することになる。
上記のようにして作製した本発明のガラスクロス含有絶縁基材100cは、所定の位置にレーザーまたは機械ドリル等を用いて、熱可塑性樹脂組成物20および樹脂含浸ガラスクロス層10を貫くビアホールが形成され、そして、このビアホールにスクリーン印刷等の通常の印刷手法によって導電性ペースト組成物が充填され、さらに、銅箔50を通常の手法によりパターニングして導体パターン40として、ガラスクロス含有絶縁基材100bとすることができる。
<多層配線基板の製造方法>
本発明のガラスクロス含有絶縁基材100bは、他の配線基板200と積層して熱融着させて、多層配線基板とすることができる。本発明のガラスクロス含有絶縁基材100bを用いることによって、低多層、低密度の多層配線基板であっても、これに剛性を付与することができる。また、エンジンルーム等の厳しい環境下においても、反り等の変形を生じることがない、多層配線基板とすることができる。
積層条件としては、温度:200℃以上320℃以下、圧力:3MPa以上10MPa以下、プレス時間:10分以上40分以下とすることが好ましい。このような条件で、積層することによって、樹脂含浸ガラスクロス層10におけるアルケニルフェノール化合物およびマレイミド類が、上記で示したように、重合、架橋して、熱可塑性樹脂組成物からなる絶縁層20との接着性を発現すると共に、非鉛半田耐熱性を発現する。また、熱可塑性樹脂組成物からなる絶縁層20が、ポリアリールケトン樹脂および非晶性ポリエーテルイミド樹脂の混合組成物からなる場合は、非晶性フィルム化されている絶縁層20が、積層時の加熱により、結晶に変化する。これにより、絶縁層20は、非鉛半田耐熱性を発現する。
(他の配線基板)
本発明のガラスクロス含有絶縁基材100と積層する他の配線基板200としては、上記した絶縁層20を形成しているものと同様の熱可塑性樹脂組成物からなる基板に、銅箔を貼り付け、ビアホールを形成し、このビアホールに導電性ペーストを充填し、そして、銅箔をパターニングして、導体パターンを形成したものを使用することができる。
本発明に用いる他の配線基板200としては、ガラスクロス含有絶縁基材100を構成する熱可塑性樹脂組成物と同様の熱可塑性樹脂組成物からなることが、層間接着性の点から好ましい。
<実施例1>
(樹脂含浸ガラスクロス層10の作製)
ジメタリルビスフェノールA50質量%およびビス(4−マレイミドフェニル)メタン50質量%の割合で混合した重合性単量体の混合物80質量部を、γブチロラクトン20質量部に溶解しワニス状にしたものに、ガラスクロス(旭シュエーベル製、厚さ100μm)を含浸させた。その後、ワニスが含浸したガラスクロスを取り出し、100℃45分間乾燥して、溶剤を揮発させて、ワニスを固化し、樹脂含浸ガラスクロス層10を作製した。
(絶縁層20の作製)
ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK450G、Tm=335℃)40質量%と、非晶性ポリエーテルイミド樹脂(Ultem 1000)60質量%とからなる樹脂混合物100質量部に対して、平均粒径5μm、平均アスペクト比50の合成マイカ39質量部を混合して得られた熱可塑性樹脂組成物を設定温度380℃で溶融混練し、押出成形により絶縁層20となる50μm厚の非晶性フィルムを作製した。この非晶性フィルムを、示差走査熱量計を用いて10℃/分で昇温させながら測定した時の結晶融解ピーク温度(Tm)は、335℃であった。また、導体パターンを形成する側の絶縁層20として、上記熱可塑性樹脂組成物を押し出すと同時に、銅箔(厚さ:12μ、表面粗化)をラミネートすることにより、銅張非晶性フィルムを作製した。
(ガラスクロス含有絶縁基材100cの作製)
上記樹脂含浸ガラスクロス層10の両側に、真空プレス器を用いて、150℃、5MPa、30分の条件により、上記絶縁層20(一方は銅箔をラミネートした銅張非晶性フィルム)を積層して、ガラスクロス含有絶縁基材100cを作製した。
(ガラスクロス含有絶縁基材100bの作製)
上記で作製したガラスクロス含有絶縁基材100cの所望の位置に、レーザーを使用して直径100μmのビアホールを形成した。そして、導電性ペースト組成物を、このビアホールにスクリーン印刷により充填した。充填後125℃、45分間加熱し、溶剤を揮発させて導電性ペーストを乾燥固化した。その後、フォトリソグラフ法により、銅箔に導体パターンを形成した。
導電ペースト組成物としては、Sn−Ag−Cu合金粒子(平均粒径5.55μm、融点220℃、Sn:Ag:Cu(質量比)=96.5:3:0.5)76質量%およびCu粒子(平均粒径5μm)24質量%の割合で混合した導電粉末97質量部に対して、ジメタリルビスフェノールA50質量%およびビス(4−マレイミドフェニル)メタン50質量%の割合で混合した重合性単量体の混合物3質量部、ならびに溶剤としてγブチロラクトン7.2質量部、を添加して、3本ロールで混練して調整した導電性ペースト組成物を用いた。
(他の配線基板200の作製)
上記絶縁層20を作製したのと同様に、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK450G、Tm=335℃)40質量%と、非晶性ポリエーテルイミド樹脂(Ultem 1000)60質量%とからなる樹脂混合物100質量部に対して、平均粒径5μm、平均アスペクト比50の合成マイカを39質量部混合して得られた熱可塑性樹脂組成物を溶融混練し、50μm厚みのフィルムを押し出すと同時に、片側から銅箔をラミネーションした。そして、所望の位置に、レーザーを使用して直径100μmのビアホールを形成した。そして、導電性ペースト組成物を、このビアホールにスクリーン印刷により充填した。充填後125℃、45分間加熱し、溶剤を揮発させて導電性ペーストを乾燥固化した。その後、フォトリソグラフ法により、銅箔に導体パターンを形成し、他の配線基板200とした。導電性ペースト組成物としては、上記のガラスクロス含有絶縁基材100bに使用したものと同様のものを使用した。
(多層配線基板の作製)
上記で得られたガラスクロス含有絶縁基材100bを1枚、および、他の配線基板200を5枚用意して、ガラスクロス含有絶縁基材100bの上に、順次、5枚の他の配線基板200をビア部の位置が合うように積み重ね、温度230℃、5MPa、30分間、真空プレスすることにより積層して、6層の多層配線基板を作製した。
<実施例2>
真空プレスの代わりに、160℃に加熱された金属ロールを用いて、加圧下で熱ラミネートして、ガラスクロス含有絶縁基材100cを作製した以外は、実施例1と同様の方法にてガラスクロス含有絶縁基材100c、そして、多層配線基板を作製した。
<実施例3>
絶縁層20の厚みを100μmとした以外は、実施例1と同様にして、多層配線基板を作製した。
<実施例4>
ガラスクロスの厚みを200μmとした以外は、実施例1と同様にして、多層配線基板を作製した。
<実施例5>
ジメタリルビスフェノールA60質量%およびビス(4−マレイミドフェニル)メタン40質量%の割合で混合した以外は、実施例1と同様にして、多層配線基板を作製した。
<実施例6>
ジメタリルビスフェノールA40質量%およびビス(4−マレイミドフェニル)メタン60質量%の割合で混合した以外は、実施例1と同様にして、多層配線基板を作製した。
<実施例7>
絶縁層20を液晶ポリマーを用いて、以下の方法で作製した以外は、実施例1と同様にして、多層配線基板を作製した。
(絶縁層20の作製)
絶縁層20として、液晶ポリマーI型を設定温度420℃で押出し、50μmの厚さのフィルムを作製した。また、導体パターンを形成する側の絶縁層20として、液晶ポリマーI型を設定温度420℃で押出すと同時に、銅箔(厚さ:12μ、表面粗化)をラミネートすることにより、銅張フィルムを作製した。
<比較例1>
実施例1において、多層配線基板を作製する際に、ガラスクロス含有絶縁基材100bを使用せず、5枚の他の配線基板200のみを積層した。積層条件は、実施例1と同様である。
比較
樹脂含浸ガラスクロス層10の作製において、厚さ22μmのガラスクロス(旭シュエーベル社製)を使用した以外は、実施例1と同様にして、多層配線基板を作製した。
<参考例2>
樹脂含浸ガラスクロス層10の作製において、重合性単量体として、ジメタリルビスフェノールA20質量%およびビス(4−マレイミドフェニル)メタン80質量%の割合で混合したものを使用した以外は、実施例1と同様にして、多層配線基板を作製した。
<評価方法>
上記で作製した多層配線基板に対して、以下の評価を行った。それぞれの評価結果を表1に示す。
(線膨張係数:α1(TD))
熱応力歪み測定装置(セイコーインスツルメント社製:TMA/SS6100)により線膨張係数を求めた。線膨張係数の測定は、ガラスクロス含有絶縁基材100aの短冊状の試験片(長さ10mm、断面積1mm)を作製し、引張荷重0.1gで固定し、室温から5℃/分の割合で昇温させ、熱膨張量の温度依存性を求めることにより行った。また、銅箔の線膨張係数は、約17×10−6−1である。ガラスクロス含有絶縁基材100aおよび銅箔の線膨張係数が近いほど、線膨張係数差に起因する基板の反りを防ぐことができる。
(吸湿耐熱性)
得られた多層配線基板を、125℃で4時間乾燥した。そして、30℃、湿度85%の恒温恒湿槽に96時間おいて、その後、ピーク温度250℃のリフロー炉で加熱する処理を二度繰り返した。得られた多層配線基板を以下の基準により評価した。
○:基板間の積層界面や、樹脂含浸ガラスクロス層と絶縁層との界面に剥がれがない。
×:基板間の積層界面や、樹脂含浸ガラスクロス層と絶縁層との界面に剥がれが生じる。
(多層基板の反りの評価)
上記の吸湿耐熱性試験後の多層基板に反りが発生するかどうかを目視で判断した。
(熱衝撃試験)
得られた多層配線基板にて対して、恒温恒湿槽において、熱衝撃試験として−25℃において9分、125℃において9分というサイクルを1000回繰り返した。熱衝撃試験前および試験後の多層配線基板の抵抗を測定して、抵抗変化率を求めた。なお、抵抗変化率は、「|試験前抵抗値−試験後抵抗値|/試験前抵抗値」×100(%)で表される値である。そして、以下の基準により評価した。
○:抵抗変化率が、常温時および恒温時(25℃)ともに、20%未満である。
×:抵抗変化率が、常温時あるいは恒温時(25℃)のいずれかにおいて、20%以上である。
<評価結果>
Figure 0004806279
本発明のガラスクロス含有絶縁基材を用いて作製した多層配線基板は全ての評価項目において良好な結果を示した(実施例1〜7)。これに対し、比較例1では、ガラスクロスを含有しない低多層の配線基板であるので、吸湿耐熱性試験後の多層基板に反りが発生した。
比較では、絶縁層に対するガラスクロスの割合が小さく、吸湿耐熱生試験後の多層基板に反りが発生した。参考例2では、ガラスクロスに含浸するマレイミド類の混合比が多いため、固化した樹脂が脆くなり、吸湿耐熱性試験後、界面剥離が発生した。また、界面剥離が生じたことにより、基板に反りが発生した。
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読みとれる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うガラスクロス含有絶縁材およびこれを用いてなる多層配線基板もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
図1(a)は、本発明のガラスクロス含有絶縁基材100aの層構成を示す模式図である。図1(b)は、導電性ペーストを充填したビアホール30および導体パターン40を備えた本発明のガラスクロス含有絶縁基材100bの形態を示した模式図である。 図2(a)は、本発明のガラスクロス含有絶縁基材100bを、他の配線基板200と積層する様子を示した模式図である。図2(b)は、電子部品300を内蔵するための空間を有する多層配線基板を作製する様子を示した模式図である。 樹脂含浸ガラスクロス層10を構成するジメタリルビスフェノールAおよびビス(4−マレイミドフェニル)メタンの単量体混合物、および、これらが重合架橋したものの弾性率が、温度により変化する様子を示した図である。 熱可塑性樹脂組成物からなる絶縁層20を構成する、ポリアリールケトン樹脂および非晶性ポリエーテルイミド樹脂の混合組成物の非晶状態(積層前)および結晶状態(積層後)における弾性率が温度により変化する様子を示した図である。 ガラスクロス含有絶縁基材100cの製造方法の概要を示した説明図である。
符号の説明
10 樹脂含浸ガラスクロス層
12 ガラスクロス
14 ワニス
20 熱可塑性樹脂組成物からなる絶縁層
30 導電性ペースト組成物
40 導体パターン
100a、100b、100c ガラスクロス含有絶縁基材
200 他の配線基板
300 電子部品

Claims (5)

  1. ガラスクロスにアルケニルフェノール化合物とマレイミド類の混合物が含浸固化された樹脂含浸ガラスクロス層、および該樹脂含浸ガラスクロス層の両側に積層された熱可塑性樹脂組成物からなる絶縁層を有し、
    前記熱可塑性樹脂組成物からなる絶縁層の二層の合計厚みを1とした時に、前記樹脂含浸ガラスクロス層の厚みが0.3以上5.0未満である、ガラスクロス含有絶縁基材。
  2. 前記混合物における、前記アルケニルフェノール化合物および前記マレイミド類が、モル比で30/70以上70/30未満で混合されている、請求項に記載のガラスクロス含有絶縁基材。
  3. 前記アルケニルフェノール化合物がジメタリルビスフェノールAで、前記マレイミド類がビス(4−マレイミドフェニル)メタンである、請求項1または2に記載のガラスクロス含有絶縁基材。
  4. 前記熱可塑性樹脂組成物が、結晶融解ピーク温度260℃以上の結晶性熱可塑性樹脂、ガラス転移温度が260℃以上の非晶性熱可塑性樹脂、または、液晶転移温度が260℃以上の液晶ポリマーのいずれかからなる組成物である、請求項1〜のいずれかに記載のガラスクロス含有絶縁基材。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載のガラスクロス含有絶縁基材を用いてなる多層配線基板。
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