JP4934334B2 - 両面銅張板 - Google Patents

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Description

本発明は、両面銅張板に関し、特に、他の配線基板と熱融着積層することによって、多層配線基板とすることができる両面銅張板に関する。
基地局、サーバ、ルータ等のインフラ系ネットワーク機器分野、および、高密度実装のニーズが高まる半導体パッケージ等の分野においては、高密度、高多層な、全層IVH(Interstitial Via Hole)構造の基板が求められている。このような市場要求に対して、非特許文献1には、以下に示す3つの基板が記載されている。
(1)高多層プリント配線板
複数の多層(6層〜8層)プリント配線板のビア間の接続と層間の接着を直接ALIVH(Any Layer IVH)技術の導電性ペーストを充填したプリプレグで接続させたプリント配線板である。この方式を採用することにより、今まで困難だった高多層プリント配線板のビアを小径化することが容易となる。さらに、多層プリント配線板のビア穴埋め・銅めっきを施すことにより、高多層(20層〜40層)プリント配線板のスタックビアが容易に実現できる。なお、「スタックビア」とは、三層以上の層間が垂直に形成されたビアのことをいう。
(2)全層フィルドビア高多層プリント配線板
全層フィルドビア構造をもつ複数の多層(6層〜8層)プリント配線板である。前述と同様な方法で、12層を越える全層の層間で自由に接続のできる全層フィルドビア構造の高多層プリント配線板が可能となる。なお、「フィルドビア」とは、導電体で埋められたビアをいう。
(3)一括積層ビルドアップ配線板
フィルドビア構造の複数の両面プリント配線板を必要数準備し、ALIVH技術の導電性ペーストを充填したプリプレグを交互に組み合わせ積層プレスすることにより全層フィルドビア構造の一括積層ビルドアップ配線板が実現できる。一括積層することにより製造工程を削減することができ、納期を短縮することができる。
また、特許文献1には、金属箔と、導体回路を有する内層パネルとの間に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の層を形成する工程、バイアホールを形成する位置部分を残して前記金属箔を除去する工程、前記金属箔は透過させず露出した前記樹脂組成物の層のみ電子線を照射させて硬化させる工程、バイアホールを形成する位置部分の前記金属箔を除去した後、露出した未硬化の樹脂組成物を溶解して前記樹脂組成物の層にバイアホールを設ける工程、前記樹脂組成物の層の表面を粗化する工程、めっきにより前記樹脂組成物の層の表面に金属を析出させる工程、不要な金属を除去して外層導体回路パターンを形成する工程からなることを特徴とする多層プリント配線板の製造方法が記載されている。この製造方法は、バイアホールを形成するにあたり、金属箔を電子線のレジストとして利用することにより、解像度の高い樹脂組成物の硬化物を形成して、これにより、小径穴のバイアホールを多量に形成することを可能とするものである。
特許文献2には、耐熱性および接着性のみならず、放置安定性に優れたワニスが記載されている。また、特許文献3には、耐熱性および接着性のみならず保存安定性に優れ、塗布や含浸などの分野に容易に適用可能であり、かつその硬化物の可撓性に優れた樹脂組成物およびワニスが記載されている。また、特許文献4には、耐熱性プリプレグを用いた耐熱性積層板に有用なワニスが記載されている。また、それぞれの特許文献2〜4には、樹脂層の片面に銅箔を貼り付けた樹脂付き銅箔が記載されている。
浦西泰弘、「全層IVH構造「ALIVH」」、エレクトロニクス実装技術、株式会社 技術調査会、2005年3月号、Vol.21 No.3 特開2002−94243号公報 特開平10−195377号公報 特開平11−80595号公報 特開平8−302273号公報
多層配線基板を構成している単層の配線基板としては、絶縁基材の片面に導体パターンを形成した片面基板、および、絶縁基材の両面に導体パターンを形成した両面基板がある。 片面基板の作製に際しては、まず、絶縁基材の片面に銅箔を貼り付けた、片面銅張板を作製する。この際、銅箔と絶縁基材との間の線膨張係数の差から、片面銅張板はそってしまうが、この段階で片面銅張板をしごいて平坦にすることによって、銅箔と絶縁基材との間に生じた内部応力を解消することができる。よって、所定の工程を経て、片側に導体パターンを有する片面基板を良好に作製することができる。
これに対して、両面基板の作成に際しては、まず、絶縁基材の両面に銅箔を貼り付けた、両面銅張板を作製する。この際、銅箔と絶縁基材との間の線膨張係数の差による内部応力が生じるが、絶縁基材と、その両側の銅箔との間、つまり、絶縁基材の上下両面において、内部応力が生じているため、両面銅張板の内部においてこの応力がつりあっており、両面銅張板に反りは生じない。よって、上記した片面銅張板の場合のように、反りをしごいて平坦にすることによって、内部応力を解消することができない。そのため、後工程において、銅箔をパターニングして、導体パターンを形成した段階で、基板に反りが生じてしまっていた。このように、両面基板の作製においては、特有の問題が存在していた。
特許文献1においては、内層パネルを挟んで、その両側に樹脂層を介して金属箔が積層された多層プリント配線板が記載されているが、内層パネルを有しているため、基板の反りという問題を考慮する必要がなく、上記の問題を解決するものではなかった。
また、特許文献2〜4に記載の樹脂付き銅箔を用いて、両面銅張板を作製したとしても、樹脂層の線膨張係数が大きいため、反りが生じない配線基板を作製することができなかった。
また、他の課題として、集積回路(IC)を搭載する高密度多層配線基板は、長期間、安定して使用するために、吸湿耐熱性等の層間接着信頼性が良好であることが要求される。また、ビアの小径化およびビア間(ビアピッチ)の距離の短縮が要求されると共に、これらとトレードオフの関係にある層間接続性信頼性を確保する必要がある。部品実装では、今後、0.5mmピッチ、さらには0.4mm、0.3mm、0.15mmピッチの部品をプリント基板上へ実装することが求められている。
しかし、非特許文献1に記載されている、導電性ペーストを充填したプリプレグからなる、熱融着性絶縁シートの場合は、エポキシプリプレグを使用しており、積層時に導電性ペーストと汎用基板の導体パターン部周囲にエポキシ樹脂がフローして硬化し層間接続信頼性が損なわれたり、ビアピッチの距離の短縮が制約を受けたり、するという問題があった。また、エポキシ樹脂自体の比誘電率、誘電正接が高く高周波用途における伝送特性が十分に確保できない等の不具合が存在していた。
また、特許文献2〜4に記載の樹脂付き銅箔および積層板は、ワニスの特性である、耐熱性、接着性等を有するものであるが、層間接続信頼性については考慮されていなく、これらによって、層間接続信頼性を有する樹脂付き銅箔を作製することはできなかった。
そこで、本発明は、銅箔をパターニングして導体パターンを形成した後においても、配線基板に反りが生じず、また、極めて高い層間接着信頼性と層間接続信頼性を有し、高密度で高多層な多層配線基板を作製することができる、両面銅張板を提供することを課題とする。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、これにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
第1の本発明は、絶縁基材(20)の両面に銅箔(30)を積層してなる両面銅張板であって、絶縁基材(20)が、熱可塑性樹脂組成物からなる第1絶縁基材(22)、および、アルケニルフェノール化合物およびマレイミド類の混合物からなる第2絶縁基材(24)の少なくとも二層の基材から構成されている、両面銅張板(100)である。
第1の本発明において、絶縁基材(20)は、第1絶縁基材(22)、その上に積層された第2絶縁基材(24)、さらにその上に積層された第1絶縁基材(22)の3層構造とすることができる。このように、第2絶縁基材(24)を第1絶縁基材(22)により挟む構造とすることによって、線膨張係数のバランスをとることができる。これにより、エッチング後に生じるおそれのある多層配線基板の反りを、より効果的に防止することができる。多層配線基板とする際において、第2絶縁基材(24)がフローして、層間接続信頼性を損なうおそれがなくなる。
第1の本発明において、第1絶縁基材(22)は無機充填材を含有していることが好ましく、また、その含有量は、第1絶縁基材(22)全体を100質量%として、20〜50質量%とすることが好ましい。無機充填材を含有させることにより、第1絶縁基材(22)の線膨張係数を銅箔30の線膨張係数に近づけることができ、銅箔と絶縁基材との間の内部応力の発生をある程度抑制することができる。また、無機充填材の含有量が多すぎると、無機充填材の分散不良の問題が発生し、線膨張係数がばらつき易くなったり、強度低下を招き易くなったりする。また、無機充填材の含有量が少なすぎると、線膨張係数を低下させて寸法安定性を向上させる効果が小さく、リフロー工程において導電パターン(32)との線膨張係数差に起因する内部応力が発生し、基板にそりやねじれが発生する。
また、第1絶縁基材(22)に含有させる無機充填材は、平均粒径が15μm以下、アスペクト比が30以上の鱗片状の無機充填材が好ましい。この鱗片状の無機充填材を第1絶縁基材(22)中において、平面配向充填することによって、低充填量で、第1絶縁基材(22)の平面方向の線膨張係数を銅箔(30)並みに低減させることができる。
第1の本発明において、アルケニルフェノール化合物と前記マレイミド類の混合割合は、モル比で30/70以上70/30未満(「アルケニルフェノール化合物」/「マレイミド類」)であることが好ましい。これにより、本発明の両面銅張板(100)を使用して多層配線基板(300)を作製した場合において、アルケニルフェノール化合物およびマレイミド類が架橋することによって形成される層が脆くなるのを防ぎ、高い層間接着信頼性を発揮することができる。
第1の本発明において、第2絶縁基材(24)の厚みは、絶縁基材(20)全体の厚みの1/10未満であることが好ましい。これにより、多層配線基板の作製時に、アルケニルフェノール化合物およびマレイミド類の混合物が他の配線基板(200)のビアホール中に流れ込んだり、また、他の配線基板(200)において、ビアホール中の導電性ペーストがビアの外に排出してしまい、ビア部に十分な圧力がかからずに、ビア中または上下基板の導電パターン部との金属拡散接合が形成されなかったり、という多層配線基板(300)の層間接続信頼性を阻害する事態、を防ぐことができる。
第1の本発明において、アルケニルフェノール化合物はジメタリルビスフェノールAであることが好ましく、マレイミド類はビスマレイミドであることが好ましい。これらの混合物からなる第2の絶縁基材(24)とすることによって、多層配線基板(300)とした際の層間接着信頼性をより良好なものとすることができる。
第1の本発明において、熱可塑性樹脂組成物は、結晶融解温度260℃以上の結晶性熱可塑性樹脂、ガラス転移温度が260℃以上の非晶性熱可塑性樹脂、または、液晶転移温度が260℃以上の液晶ポリマーのいずれかであることが好ましい。第1絶縁基材(22)をこれらの樹脂組成物により形成することによって、本発明の両面銅張板(100)を用いて、他の配線基板(200)とを逐次積層あるいは一括積層により、熱圧着することにより、多層配線基板(300)とすることができる。また、導電性ペースト組成物(70)を充填したビアを有する他の配線基板(200)と積層した場合においては、導電性ペースト組成物(70)と導体パターン部を形成する金属との間において金属拡散接合が生じさせることができる。これにより、極めて高い接続信頼性を有すると共に、吸湿耐熱性、接続信頼性、および、導体接着強度に優れた多層配線基板(300)を作製することができる。
本発明の両面銅張板(100A,100B)は、片面銅張板を使用して作製される。そして、片面銅張板の時点で、銅箔(30)と絶縁基材(20)との間の内部応力を解消することができる。よって、平坦な片面銅張板を使用して本発明の両面銅張板(100A、100B)を作製していることから、銅箔(30)をパターニングして導体パターン(32)を形成した後においても、配線基板(100C)に反り等の変形が生じない。
また、本発明の両面銅張板(100A、100B)を用いることによって、極めて高い層間接着信頼性と層間接続信頼性を有し、高密度で高多層な多層配線基板を、作製することができる。また、特定の導電性ペースト組成物(70)を充填したビアを有する配線基板(200)と積層させることにより、金属拡散接合を生じさせ、多層配線基板(300)におけるビアホールの抵抗値を非常に小さくすることができ、吸湿耐熱性、接続信頼性、および導体接着強度に優れた多層配線基板(300)を作製することができる。
図1(a)および(b)に示すように、本発明の両面銅張板100は、絶縁基材20の両面に銅箔30を積層した構成を有している。絶縁基材20は、熱可塑性樹脂組成物からなる第1絶縁基材22、および、アルケニルフェノール化合物およびマレイミド類の混合物からなる第2絶縁基材24の少なくとも二つの基材から構成されている。絶縁基材20の一実施形態として、図1(a)においては、第1絶縁基材22の上に、第2絶縁基材24を積層し、さらに、その上に、第1絶縁基材22を積層した三層構造の絶縁基材20Aが示されている。また、図1(b)においては、第1絶縁基材22の上に、第2絶縁基材24を積層した二層構造の絶縁基材20Bが示されている。
<両面銅張板100の製造方法>
図1(c)〜(g)に本発明の両面銅張板100A、100Bの製造工程の概要を示した。まず、図1(c)に示すように、第1絶縁基材22および銅箔30からなる片面銅張板を作製する。この際、第1絶縁基材22と銅箔30との間の線膨張係数の差から、片面銅張板に反りが生じるが、片面銅張板をしごいて平坦にすることによって、銅箔30と絶縁基材22との間に生じた内部応力を解消することができる。
その後の工程は、絶縁基材20の構成により異なる。まず、両面銅張板100Aの製造工程について説明する。両面銅張板100Aの製造においては、二枚の片面銅張板を使用する。まず、図1(d)に示すように、これら片面銅張板の一枚における、第1絶縁基材22上に第2絶縁基材24を形成する。第2絶縁基材24の形成方法としては、特に限定されないが、第1絶縁基材22上に、アルケニルフェノール化合物およびマレイミド類の混合物を含有する溶液を、直接塗布して乾燥固化させることにより形成する方法を挙げることができる。溶液の塗布方法としては、特に限定されず、バーコーター等を採用することができる。また、上記溶液における溶剤としては、アルケニルフェノール化合物およびマレイミド類を溶解することができるものであれば特に限定されないが、γブチロラクトン、メチルエチルケトン等を使用することが好ましい。
また、第2絶縁基材24の他の形成方法としては、まず、PETフィルム等の剥離性のあるフィルムにアルケニルフェノール化合物およびマレイミド類の混合物を含有する溶液を塗布して乾燥固化して、剥離性のあるフィルム上に第2絶縁基材24を形成し、そして、この第2絶縁基材24を第1絶縁基材22上に重ねて、加熱して熱転写し、最後に剥離性フィルムを剥離して、第2絶縁基材24を形成する方法を挙げることができる。
その後、上記において形成した第2絶縁基材24側が、もう一方の片面銅張板における第1絶縁基材22側に接触するように積層する。積層は熱圧着により行うことができる。積層の条件としては、温度:160〜200℃、圧力:3〜8MPa、時間:10〜60分とすることが好ましい。
このようにして製造される両面銅張板100Aは、第2絶縁基材24が第1絶縁基材22に挟まれた構造を有しているので、以下において示すように、他の配線基板200との積層時において、第2絶縁基材24を構成しているアルケニルフェノール化合物およびマレイミド類の混合物がフローして、ビアホールに流れ込むことによって、接続信頼性が阻害される事態が生じる恐れがない点で好ましい。また、第2絶縁基材24を第1絶縁基材22により挟む構造とすることによって、線膨張係数のバランスをとることができる。これにより、エッチング後に生じるおそれのある多層配線基板の反りを、より効果的に防止することができる。
次に、両面銅張板100Bの製造方法を説明する。まず、両面銅張板100Bを製造する場合、一枚の片面銅張板を使用する。まず、図1(f)に示すように、この一枚の片面銅張板の第1絶縁基材22上に第2絶縁基材24を形成する。第2絶縁基材24は、上記と同様の方法により形成することができる。その後、形成した第2絶縁基材24上に銅箔30を貼り付ける。銅箔30の貼り付けは、熱融着により行うことができ、熱融着条件としては、上記と同様の条件を採用することができる。
このようにして製造される両面銅張板100Bは、上記の両面銅張板100Aに比べて、絶縁基材20の厚さが薄い。よって、両面銅張板100Bを使用して製造される多層配線基板300をより高密度化することができるという利点がある。
熱可塑性樹脂を基材とする両面銅張板においては、たとえ熱可塑性樹脂中に多量の無機充填材を添加したとしても、熱可塑性樹脂からなる基材と銅箔との線膨張係数を一致させることが難しいという問題があった。よって、従来における樹脂基材の両側に銅箔を貼り付けて製造した両面銅張板においては、どうしても銅箔と樹脂基材との間における内部応力が残存してしまい、導体パターンを形成した後に、基板に反りが生じるという問題が生じていた。本発明の両面銅張板は、上記の製造方法により両面銅張板を作製して、この問題を解決したものである。
<両面銅張板100の用途>
本発明の両面銅張板100は、多層配線基板300を作製するために使用される。図2(a)〜(d)に両面銅張板100Aを、配線基板100Cとする工程を示した。まず、図2(b)に示すように、銅箔30および絶縁基材20Aを貫くビアホールが形成される。ビアホールは、レーザーによって形成することができる。ここで、両面銅張板100においては、銅箔30を貫くビアホールを形成する必要があるため、銅箔30としては、レーザーにより穿孔加工可能であるLD銅箔が使用される。
そして、銅箔30上にレジストを塗布して、レジストパターンを形成し、これをマスクとして銅箔30をエッチングするという通常の方法により、図2(c)に示すように導体パターン32が形成される。その後、ビアホールの内壁に銅メッキが施されスルーホールが形成される。メッキ方法は、特に限定されず、例えば、ビアホールの内壁以外の部分にメッキが形成されないようにマスクした後に、電解メッキする等の方法を採用することができる。そして、スルーホールにエポキシ樹脂等60を充填して、多層配線基板300の作製に供される配線基板100Cが作製される。
このようにして作製された配線基板100Cは、図3(a)〜(d)に示すように、他の配線基板200Aと逐次積層することによって、多層配線基板300とすることができる。この逐次積層による方法は、多品種少量生産向きの方法であると言える。具体的に説明すると、絶縁基材26の片面に銅箔36を形成し、ビアホール中に導電性ペースト組成物70を充填した他の配線基板200Aを準備する。この配線基板200Aについては、後に詳細に説明する。そして、この配線基板200Aの絶縁基材26側を、両面銅張板100C側に向けて、熱圧着により積層する(図3(b))。積層の条件としては、温度:190〜220℃、圧力:3〜8MPa、時間:10〜60分とすることが好ましい。
これにより作製した積層基板の表面の銅箔36を、通常の方法により、エッチングによりパターニングして、導体パターンを形成する(図3(c))。そして、図3(d)に示すように、さらに他の配線基板200Aを熱圧着により積層して、配線基板100Cの上下両面にそれぞれ二つの他の配線基板200Aを積層した、多層配線基板300を作製することができる(図3(f))。なお、多層配線基板300を形成する際の最終段階の熱圧着の条件としては、温度:220〜270℃、圧力3〜8MPa、時間:10〜60分として、これまでの積層条件よりも高温条件とすることが好ましい。このような条件で積層することによって、特定の絶縁基材26と、特定の導電性ペースト組成物70との相互作用によって、導電性ペースト組成物および導体パターンとの間において金属拡散接合を生じさせることができる。なお、金属拡散接合が生じる作用等の詳細については後に説明する。
また、両面基板100Cは、図3(e)〜(f)に示すように、他の配線基板200Bと一括積層することにより、多層配線基板300とすることができる。この一括積層による方法は、少品種多量生産向きの方法であると言える。一括積層の場合は、片面に銅箔36を形成した他の配線基板200Aの銅箔36をエッチング等の処理により導体パターンとした配線基板200Bが使用される。図1(e)に示した形態においては、両面銅張板100Cを中心として、上下に二枚ずつの他の配線基板200Bが、絶縁基材26側を両面銅張板100C側に向けて、積層されている。積層条件としては、他の配線基板200Bにおいて金属拡散接合を生じさせる条件である、温度:220〜270℃、圧力3〜8MPa、時間:10〜60分とすることが好ましい。
<熱可塑性樹脂組成物からなる第1絶縁基材22>
第1絶縁基材22を構成する熱可塑性樹脂組成物は、結晶融解温度が260℃以上の結晶性熱可塑性樹脂、ガラス転移温度が260℃以上の非晶性熱可塑性樹脂、液晶転移温度が260℃以上の液晶ポリマーのいずれかであることが好ましい。
結晶融解ピーク温度が260℃以上の結晶性熱可塑性樹脂としては、ポリアリールケトン樹脂および非晶性ポリエーテルイミド樹脂の混合組成物を用いることが好ましい。ガラス転移温度が260℃以上の非晶性熱可塑性樹脂としては、熱可塑性ポリイミドを用いることが好ましい。液晶転移温度が260℃以上の液晶ポリマーとしては、全芳香族ポリエステル樹脂(LCPI型、II型)を用いることが好ましい。
第1絶縁基材22を構成する熱可塑性樹脂組成物として、上記に挙げたものを使用することによって、他の配線基板200との積層において、良好に熱圧着により積層することができる。
また、上記した材料の中でも、熱可塑性樹脂組成物としては、結晶融解ピーク温度が260℃以上の結晶性熱可塑性樹脂からなる組成物を使用することが好ましい。この場合、以下において説明する他の配線基板200の絶縁基材26を、同様の結晶融解ピーク温度が260℃以上の結晶性熱可塑性樹脂により構成することによって、配線基板100Cおよび他の配線基板200との熱圧着による積層性がより良好になる。さらに、他の配線基板200の導電性ペースト組成物70において、金属拡散接合を生じさせることができる。
以下、上記の第1絶縁基材22として好ましい形態の一つである、結晶融解ピーク温度が260℃以上の結晶性熱可塑性樹脂からなる組成物により構成されている絶縁基材22について説明する。結晶融解ピーク温度が260℃以上の結晶性熱可塑性樹脂からなる組成物としては、ポリアリールケトン樹脂および非晶性ポリエーテルイミド樹脂の混合組成物が好ましく用いられるが、これらの樹脂は相溶系であり、これらの混合組成物は一つの結晶融解ピーク温度を有し、その結晶融解ピーク温度は260℃以上となっている。
第1絶縁基材22および他の配線基板200における絶縁基材26を構成する材料として、ポリアリールケトン樹脂および非晶性ポリエーテルイミド樹脂の混合組成物を用いた場合は、上記したビアホール中の導電ペースト組成物70に上下からかかる圧力、に加えて、他の配線基板200における絶縁基材26の弾性率が変化することによる左右からの締め付ける圧力がかかる。そのため、金属拡散接合を生じさせる効果がより大きいと考えられる。なお、絶縁基材26の弾性率が温度により変化する様子については、後に説明する。
このポリアリールケトン樹脂は、その構造単位に芳香核結合、エーテル結合およびケトン結合を含む熱可塑性樹脂であり、その代表例としては、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン等があり、なかでも、ポリエーテルエーテルケトンが好ましい。なお、ポリエーテルエーテルケトンは、「PEEK151G」、「PEEK381G」、「PEEK450G」(いずれもVICTREX社の商品名)等として市販されている。
また、非晶性ポリエーテルイミド樹脂は、その構造単位に芳香核結合、エーテル結合およびイミド結合を含む非晶性熱可塑性樹脂であり、特に制限されるものではない。なお、ポリエーテルイミドは、「Ultem CRS5001」、「Ultem 1000」(いずれもゼネラルエレクトリック社の商品名)等として市販されている。
ポリアリールケトン樹脂および非晶性ポリエーテルイミド樹脂の混合割合としては、積層する第2絶縁基材24との密着性を考慮した場合、ポリアリールケトン樹脂を30質量%以上かつ70質量%以下含有し、残部を非晶性ポリエーテルイミド樹脂および不可避不純物とした混合組成物を用いることが好ましい。ここで、ポリアリールケトン樹脂の含有率を30質量%以上かつ70質量%以下と限定した理由は、ポリアリールケトン樹脂の含有率が高すぎると、熱可塑性樹脂組成物の結晶性が高いため、積層時に第2絶縁基材24とのなじみが取れず積層信頼性が低下するからであり、また、ポリアリールケトン樹脂の含有率が低すぎると、熱可塑性樹脂組成物全体としての耐熱性が低くなり、他の配線基板200と積層した後の多層配線基板300としてのリフロー耐熱性が低下するからである。
第1の絶縁基材22は、無機充填材を含有していることが好ましい。無機充填材としては、特に制限はなく、公知のいかなるものも使用できる。例えば、タルク、マイカ、雲母、ガラスフレーク、窒化ホウ素(BN)、板状炭カル、板状水酸化アルミニウム、板状シリカ、板状チタン酸カリウム等が挙げられる。これらは1種類を単独で添加してもよく、2種類以上を組み合わせて添加してもよい。特に、平均粒径が15μm以下、アスペクト比(粒径/厚み)が30以上の鱗片状の無機充填材が、平面方向と厚み方向の線膨張係数比を低く抑えることができ、熱衝撃サイクル試験時の基板内のクラック発生を抑制することができるので、好ましい。
第1絶縁基材22における無機充填材の含有量は、第1絶縁基材22全体を100質量%として、20〜50質量%であることが好ましい。無機充填材の含有量が多すぎると、無機充填材の分散不良の問題が発生し、線膨張係数がばらつき易くなったり、強度低下を招き易くなったりするからである。また、無機充填材の含有量が少なすぎると、線膨張係数を低下させて寸法安定性を向上させる効果が小さく、リフロー工程において導電パターン32との線膨張係数差に起因する内部応力が発生し、基板にそりやねじれが発生するからである。
また、熱可塑性樹脂組成物は、その性質を損なわない程度に、他の樹脂や無機充填材以外の各種添加剤、例えば、安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、核剤、着色剤、滑剤、難燃剤等を適宜含有していてもよい。これら無機充填材を含めた各種添加剤を添加する方法としては、公知の方法、例えば下記に挙げる方法(a)、(b)を用いることができる。
(a)各種添加剤を、ポリアリールケトン樹脂および/または非晶性ポリエーテルイミド樹脂の基材(ベース樹脂)に高濃度(代表的な含有量としては10〜60質量%程度)に混合したマスターバッチを別途作製しておき、これを使用する樹脂に濃度を調整して混合し、ニーダーや押出機等を用いて機械的にブレンドする方法。(b)使用する樹脂に直接各種添加剤をニーダーや押出機等を用いて機械的にブレンドする方法。これらの方法の中では、(a)の方法が分散性や作業性の点から好ましい。さらに、第1絶縁基材22の表面には積層性を向上させる目的でコロナ処理等を適宜施しても構わない。
<第2の絶縁基材24>
第2の絶縁基材24は、アルケニルフェノール化合物およびマレイミド類の混合物からなる層である。アルケニルフェノール化合物としては、分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するアルケニルフェノール化合物、つまり、芳香環の水素原子の一部がアルケニル基に置換されたフェノール系化合物を挙げることができる。また、具体的には、このようなアルケニルフェノール化合物としては、ビスフェノールAまたはフェノール性水酸基含有ビフェニル骨格にアルケニル基が結合した化合物を挙げることができる。さらに具体的には、3,3´−ビス(2−プロペニル)−4,4´−ビフェニルジオール、3,3´−ビス(2−プロペニル)−2,2´−ビフェニルジオール、3,3´−ビス(2−メチル−2−プロペニル)−4,4´−ビフェニルジオール、3,3´−ビス(2−メチル−2−プロペニル)−2,2´−ビフェニルジオール等のジアルケニルビフェニルジオール化合物;2,2−ビス[4−ヒドロキシ−3−(2−プロペニル)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−ヒドロキシ−3−(2−メチル−2−プロペニル)フェニル]プロパン(以下、「ジメタリルビスフェノールA」という。)等のジアルケニルビスフェノール化合物を挙げることができる。この中でも、原料コストが安く、安定供給が可能であるという点から、アルケニルフェノール化合物としては、ジメタリルビスフェノールAを使用することが好ましい。ジメタリルビスフェノールAの構造式を式1に示す。
Figure 0004934334
マレイミド類としては、分子中に少なくとも2個のマレイミド基を有するマレイミド化合物を挙げることができ、具体的には、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン等のビスマレイミド、トリス(4−マレイミドフェニル)メタン等のトリスマレイミド、ビス(3,4−ジマレイミドフェニル)メタン等のテトラキスマレイミドおよびポリ(4−マレイミドスチレン)等のポリマレイミド等を挙げることができる。この中でも、マレイミド類としては、原料コストが安く、安定供給可能であるという点から、ビス(4−マレイミドフェニル)メタンを使用することが好ましい。ビス(4−マレイミドフェニル)メタンの構造式を式2に示した。
Figure 0004934334
第2絶縁基材24は、室温で固化しており、40℃以上100℃未満に融点を有していることが好ましい。これにより、第2絶縁基材24を固化させて、第1絶縁基材22上に固定することができる。また、第1絶縁基材22上に溶液を塗布した際の造膜性を向上させる観点から、アルケニルフェノール化合物およびマレイミド類は、高分子量のものを使用することが好ましい。
第2絶縁基材24における、アルケニルフェノール化合物およびマレイミド類の混合比は、モル比で、「30/70」以上「70/30」未満であることが好ましい(「アルケニルフェノール化合物」/「マレイミド類」)。この範囲を超えて、どちらかの成分が多すぎると、硬化した後の第2絶縁基材24が脆くなり、層間接着信頼性が劣ってしまう。
第2絶縁基材24における硬化反応について、以下説明する。アルケニルフェノール化合物におけるアルケニル基は、マレイミド化合物のエチレン性不飽和基と交互共重合および/または付加反応し、またフェノール性水酸基もマレイミド基のエチレン性不飽和基と付加反応する。以下、バインダー成分として例示した、ジメタリルビスフェノールAおよびビス(4−マレイミドフェニル)メタンの硬化機構について、具体的に説明する。まず、120〜180℃に加熱した段階で、以下の式3で示される線状の重合体が得られる。
Figure 0004934334
さらに、200℃以上に加熱すると、例えば、以下の式4で示される三次元状に架橋した重合体が得られる。これら付加反応および架橋反応によって得られた第2絶縁基材24は、300℃以上のガラス転移温度を有している。これにより、非鉛半田耐熱性という効果が発揮される。
Figure 0004934334
第1絶縁基材22および第2絶縁基材24を熱圧着により積層する場合、および、両面銅張板100Bを使用した場合において、第2絶縁基材24と他の配線基板の絶縁基材26とを熱圧着により積層する場合、第1絶縁基材22、および、絶縁基材26として、ポリアリールケトン樹脂および非晶性ポリエーテルイミド樹脂の混合組成物からなるものを用いた場合は、第1絶縁基材22、あるいは、絶縁基材26が加熱により軟化して、そして、第2絶縁基材24が軟化した後に、第1絶縁基材22(あるいは絶縁基材26)が硬化する。よって、第1絶縁基材22(あるいは絶縁基材26)および第2絶縁基材24が共に軟化する温度範囲が存在する。これにより、両者がなじみ(分子間力が働き)、第1絶縁基材22(あるいは絶縁基材26)および第2絶縁基材24との間で接着性が発現する。なお、第1絶縁基材22(あるいは絶縁基材26)が、加熱により軟化および硬化する作用については、後に説明する。
また、両面銅張板100Bにおいて、第2絶縁基材24上に銅箔30を積層する場合は、第2絶縁基材24が軟化して、銅箔30の表面における微小な凹凸に、第2絶縁基材24が入り込むことによって生じるアンカー効果や、水素結合等によって、接着性が発現する。
本発明の両面銅張板100において、第2絶縁基材24の厚みは、絶縁基材20全体の厚みを基準として、1/10未満であることが好ましい。第2絶縁基材24が厚過ぎると、両面銅張板100の作製時の熱圧着の際に、アルケニルフェノール化合物およびマレイミドの混合物が流出してしまうおそれがある。また、両面銅張板100Bにおいては、他の配線基板200との積層時において、アルケニルフェノール化合物およびマレイミドの混合物が流出して、他の配線基板200のビアホールに流れ込む等により、多層配線基板300の層間接続信頼性を損なうおそれがある。
また、第1絶縁基材22の厚みは、好ましくは25〜100μmであり、より好ましくは50〜75μmであり、両面銅張板100を用いて作製される多層配線基板300の種類により適宜決定される。また、第2絶縁基材24の厚みは、第1絶縁基材22の厚みの1/10未満の厚みであって、層間接着信頼性の点からできるだけ厚い方が好ましい。
<銅箔30>
銅箔30としては、レーザーによって穿孔可能なLD銅箔(ジャパンエナジー社製)を使用することができる。厚さは特に限定されないが、高密度配線形成の点から、9〜18μmであることが好ましい。
<他の配線基板200>
多層配線基板300を作製する際に、本発明の両面銅張板100と積層する他の配線基板200について、以下説明する。他の配線基板200は、熱可塑性樹脂からなる絶縁基材26の片面に銅箔36が形成されており、絶縁基材26にはビアホールが形成され、このビアホールには導電性ペースト組成物70が充填されている。
(絶縁基材26)
絶縁基材26を構成する熱可塑性樹脂組成物としては、上記した第1の絶縁基材22を構成する熱可塑性樹脂組成物と同様のものを使用することができる。
(銅箔36)
銅箔36としては、電界銅箔や圧延銅箔を用いることができる。厚さは特に限定されないが、高密度配線形成の点から、9〜18μmであることが好ましい。
(導電性ペースト組成物70)
導電性ペースト組成物70は、導電粉末、および、バインダー成分を含むものである。
導電粉末は、第1の合金粒子と第2の金属粒子とから構成される。第1の合金粒子は、180℃以上260℃未満の融点を有する非鉛半田粒子である。このような非鉛半田粒子としては、例えば、Sn−Cu、Sn−Sb、Sn−Ag−Cu、Sn−Ag−Cu−Bi、Sn−Ag−In、Sn−Ag−In−Bi、Sn−Zn、Sn−Zn−Bi、および、Sn−Ag−Biを挙げることができる。これらの非鉛半田粒子は、錫を金属拡散させるという効果において信頼をおけるものである。また、第1の合金粒子としては、これらの非鉛半田粒子の二種以上の混合物を使用することもできる。
第2の金属粒子は、Au、Ag、Cuからなる群から選ばれる少なくとも一種以上の金属粒子である。第2の金属粒子は、電気抵抗値が低い金属から形成されている粒子であり、ビアホールの電気伝導性を担うものである。また、第2の金属粒子は、第1の合金粒子に比べて融点が高く、加熱時における導電性ペースト組成物70の粘度を保持する役割を有する。
導電粉末における、第1の合金粒子および第2の金属粒子の混合割合は、質量比で、「76/24」以上「90/10」未満である(「第1の合金粒子」/「第2の金属粒子」)。この範囲を超えて、第1の合金粒子の量が多すぎると、基板を加熱積層する際に、導電性ペースト組成物70の粘度の低下が大きく、導電性ペースト組成物70がビアホールから流出してしまうおそれがある。
第1の合金粒子および第2の金属粒子の平均粒子径は、10μm以下であることが好ましい。第1の合金粒子をこのような粒径とすることによって、導電性ペースト組成物70をビアホールに充填しやすくなり、また、金属拡散が生じやすくなる。また、第2の金属粒子をこのような粒径とすることによって、基板200を加熱積層する際における導電性ペースト組成物70の粘度を調整する効果が良好となる。
第1の合金粒子と第2の金属粒子の平均粒径差は、2μm以下であることが好ましい。このように粒径をなるべくそろえることによって、金属拡散接合を生じやすくすることができる。
本発明において使用するバインダー成分は、加熱により硬化する重合性単量体の混合物である。このようなバインダー成分としては、アルケニルフェノール化合物およびマレイミド類の混合物を挙げることができる。なお、アルケニルフェノール化合物および/またはマレイミド類が、高分子化合物であっても、これらを加熱することにより、架橋反応して硬化するものであれば、本発明の重合性単量体に含まれるものとする。
アルケニルフェノール化合物、マレイミド類としては、第2絶縁基材24において記載したものと同様のものを使用することができる。
このバインダー成分において、アルケニルフェノール化合物およびマレイミド類の混合比は、モル比で、「30/70」以上「70/30」未満であることが好ましい(「アルケニルフェノール化合物」/「マレイミド類」)。この範囲を超えて、バインダー成分中のどちらかの成分が多すぎると、生成する樹脂が脆くなり、導電性ペースト組成物70と導体パターン部との接着力が低下してしまう。
バインダー成分の硬化反応についても、上記した第2絶縁基材における場合と同様である。本発明においては、このようなバインダー成分の三次元架橋による硬化が、半田成分が第2の金属粒子および/または導体パターン部を形成する金属へ金属拡散することを促進し、これにより高度な金属拡散接合が形成されると考えられている。つまり、バインダー成分が硬化する時に、ビアホール内の第1の合金粒子および第2の金属粒子に圧力がかかり、これにより、半田成分が、金属粒子および導体パターン部を形成する金属へ金属拡散することが促進されると考えられている。バインダー成分の弾性率が、温度によって変化する様子を図4に示す。単量体混合物の弾性率は、温度の上昇により小さくなっていく。しかし、120〜180℃において式3で示した線状の重合体が形成されることによって、弾性率が急に大きくなる(図4における、「単量体混合物」のグラフから、「架橋後」のグラフとなる。)。その後、線状の重合体は、200℃以上において、式4で示される三次元状に架橋した重合体に変化していくと考えられている。架橋後のグラフは、温度の上昇と共に小さくなる傾向はある。しかし、高温領域においても溶融することなく、一定の弾性率を保っている。
このように、180〜260℃において非鉛半田粒子が融解した時に、バインダー成分は硬化反応することにより、一定の弾性率を保持する。このように、融解した非鉛半田粒子に対して、バインダーが硬化することによる圧力がかかり、これにより、導電性ペースト組成物70において、金属拡散接合が生じると考えられる。そして、このような導電性ペースト組成物70を用いた多層配線基板300は、そのビアホールの抵抗値が非常に低いものとなり、吸湿耐熱性、接続信頼性、および、導体接着強度に優れたものになると考えられる。
このような観点から、半田粒子が溶解した段階で、バインダー成分が硬化する必要があり、非鉛半田粒子の融点が、バインダー成分の硬化温度範囲に含まれている必要がある。これに対して、バインダー成分の硬化温度範囲に比べて、非鉛半田粒子の融点が高すぎる場合は、バインダー成分が硬化する段階において、非鉛半田粒子は未だ融解していないため、金属拡散が促進されるという効果を享受することができない。また、バインダー成分の硬化温度範囲に比べて、非鉛半田粒子の融点が低すぎる場合は、溶解した半田成分がビアホールからはみ出してしまうおそれがある。
上記したように、導電性ペースト組成物70は、導電粉末およびバインダー成分を含有するものであるが、この導電粉末およびバインダー成分の混合比は、質量比で、「90/10」以上「98/2」未満である(「導電粉末」/「バインダー成分」)。この範囲を超えて、導電粉末の量が少なすぎるとビアホールに充填した導電性ペーストの電気抵抗値が増加してしまう。また、この範囲を超えて、導電粉末の量が多すぎると、導電性ペースト組成物70をビアホールに印刷充填する作業性が悪化し、また、導電性ペースト組成物70と導体パターン部との接着強度が低下してしまう。
(樹脂組成物からなる絶縁基材26の弾性率の温度に対する挙動)
ここで、熱可塑性樹脂組成物からなる絶縁基材26の温度に対する弾性率の挙動について説明する。熱可塑性樹脂組成物として、結晶融解ピーク温度が260℃以上の結晶性熱可塑性樹脂からなる組成物を用いた場合であって、この結晶性熱可塑性樹脂として、ポリエーテルエーテルケトンおよび非晶性ポリエーテルイミド樹脂の混合組成物を用いた場合における、絶縁基材26の弾性率の温度に対する挙動を図5に示した。
「積層前」と表示されているのが、多層配線基板として積層する前における、絶縁基材26の弾性率の温度に対する挙動を示したグラフである。また、「積層後」と表示されているのが、所定の条件において加熱・加圧することによって多層配線基板とした後における、絶縁基材26の弾性率の温度に対する挙動を示したグラフである。積層前の状態では、上記したように、絶縁基材26は急冷製膜することにより非晶性フィルム化されている。よって、200℃付近という比較的低温領域において弾性率が十分に低下する。これにより、積層前の絶縁基材26は、比較的低温において熱成形、熱融着することができる。
非晶性フィルム化されている絶縁基材26は、多層配線基板300を製造する際における所定の条件下での加熱・加圧成形によって、結晶性へと変化する。これに伴って絶縁基材26の弾性率は大きく変化して、図5における積層後のグラフで示されるような挙動を示すようになる。これにより、以下に説明するように金属拡散接合を促進するという効果を発揮して、多層配線基板300を、そのビアホールの抵抗値を非常に小さくすることができると共に、吸湿耐熱性、接続信頼性、および導体接着力に優れたものとすることができると考えられている。
次に、どのように金属拡散接合が促進されるかについて説明する。ここで、導電性ペースト組成物70中の非鉛半田粒子と熱可塑性樹脂組成物からなる絶縁基材26との関係が重要であり、非鉛半田粒子の融点における、樹脂組成物の貯蔵弾性率が、10MPa以上5GPa未満であることが好ましい。なお、絶縁基材26を形成する熱可塑性樹脂組成物として、上記した好ましい形態である、ポリエーテルエーテルケトンおよび非晶性ポリエーテルイミドの混合組成物を使用した場合は、図5に示すように、180℃以上260℃未満という非鉛半田粒子の融点における、熱可塑性樹脂組成物の貯蔵弾性率は、10MPa以上5GPa未満となっている。なお、熱可塑性樹脂組成物の貯蔵弾性率は、粘弾性評価装置を用い、測定周波数1Hzで昇温速度3℃/分で測定した値である。
上記のように非鉛半田粒子の融点において、熱可塑性樹脂組成物が10MPa以上5GPa未満の貯蔵弾性率を有するものとすることは、非鉛半田粒子の融点において、熱可塑性樹脂組成物にある程度の柔軟性を持たせると共に、溶融せずにある程度の弾性率を保持させていることを意味している。
このように、非鉛半田粒子の融点において、熱可塑性樹脂組成物にある程度の柔軟性を持たせることによって、導電性ペースト組成物70と熱可塑性樹脂組成物とが相互になじむことができ、導電性ペースト組成物70と熱可塑性樹脂組成物からなる絶縁基材26との接着性が向上する。また、非鉛半田粒子の融点において、熱可塑性樹脂組成物が溶融せずに、ある程度の弾性率を保持することによって、他の配線基板200を熱融着により積層する際に、導電性ペースト組成物70をビアホールの側面である熱可塑性樹脂組成物により締め付けることができ、導電性ペースト組成物70に圧力をかけることができる。これにより、非鉛半田粒子中の錫成分が第2の金属粒子および/または導体パターン部を形成する金属中に金属拡散し、金属拡散接合を形成させることができると考えられている。
以上説明したように、多層配線基板300の層間接続信頼性および層間接着信頼性を良好にするために、他の配線基板200において、特定の導電性ペースト70を使用すると共に、絶縁基材26として、上記した特定の熱可塑性樹脂組成物からなる絶縁基材26を使用する必要がある。また、多層配線基板300に両面配線基板を組み込む場合においては、層間接着信頼性を向上させるために、両面配線基板の絶縁基材を、同様の特定の熱可塑性樹脂組成物により構成する必要がある。しかし、両面銅張板において熱可塑性樹脂組成物からなる絶縁基材を使用した場合は、基板が反ってしまうという問題があった。本発明は、この問題を解決し、層間接着信頼性および層間接続信頼性に優れた多層配線基板300を製造することができる、両面銅張板を提供するものである。
(他の配線基板200の製造方法)
他の配線基板200の製造方法について説明する。まず、銅箔36上に絶縁基材26が形成される。形成方法は特に限定されないが、例えば、Tダイを用いて銅箔36上に、絶縁基材26を構成する樹脂組成物を押出ラミネートすることにより形成する方法が、安定生産性等の点から好ましい。
押出ラミネートにおける成形温度は、用いる樹脂の流動特性や製膜性等によって適宜調整されるが、概ね、260℃以上の結晶融解ピーク温度を有する、ポリアリールケトン樹脂および非晶性ポリエーテルイミド樹脂の混合組成物の場合、360〜400℃である。また、押出キャスト製膜時に急冷製膜することにより非晶性フィルム化することが必要である。これにより、170〜230℃付近に弾性率が低下する領域を発現するので、この温度領域での熱成形、熱融着が可能となる。詳細には、170℃付近で弾性率が低下し始め、200℃付近において熱成形、熱融着が可能となる。また、図5に示したグラフは、昇温速度を3℃/分として弾性率を測定したものであるが、昇温速度を10℃/分とすると、非晶から結晶への転移が遅れて、230℃付近において弾性率がもっとも低くなる。
次いで、銅箔36上にレジストを塗布して、レジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクとして、銅箔36をエッチングする通常の方法によって、導体パターンを形成する。そして、所定位置に、レーザー若しくは機械ドリル等を用いて、絶縁基材26を貫くビアホールを形成し、このビアホールに、スクリーン印刷等の通常の印刷手法によって導電性ペースト組成物70を充填して、他の配線基板200が製造される。なお、導体パターンは、ビアホールを形成して導電性ペースト70を充填した後に形成してもよく、これらの工程の順序は特に限定されない。
<実施例1>
(両面銅張板100Aの作製)
ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK450G、Tm=335℃)40質量%と、非晶性ポリエーテルイミド樹脂(Ultem 1000)60質量%とからなる樹脂混合物100質量部に対して、平均粒径5μm、平均アスペクト比50の合成マイカを39質量部混合して得られた熱可塑性樹脂組成物を溶融混練し、この混合物を、銅箔(厚さ:12μm、LD銅箔(ジャパンエナジー社製))上にTダイを用いて、設定温度380℃にて押出ラミネートし、急冷製膜することにより、銅箔30上に厚さ50μmの第1絶縁基材22を形成したもの(図1(c)の片面銅張板22、30に対応する。)を二つ作製した。なお、片面銅張板22、30は、作製後、平坦な形状に加工され、銅箔30と第1絶縁基材22との間の線膨張係数差に起因する内部応力が解消される。
次いで、ジメタリルビスフェノールA50質量%およびビス(4−マレイミドフェニル)メタン50質量%の割合で混合した重合性単量体の混合物80質量部、γブチロラクトン20質量部を混合した溶液を、上記で作製した一方の片面銅張板22、30における絶縁基材22の表面にバーコーターを用いて塗布し、100℃45分間乾燥して、厚さ10μmの第2絶縁基材24を第1絶縁基材22の表面に形成した(図1(d)の片面銅張板24、22、30に対応する。)。
そして、第2絶縁基材24が、第1絶縁基材22と重なるようにして、上記で作製した片面銅張板22、30と片面銅張板24、22、30とを、190℃、5Pa、30分間の条件で熱圧着積層した。
(配線基板100Cの作製)
上記で作製した両面銅張板100Aの所望の位置に、レーザーを使用して銅箔30、第1絶縁基材22、および第2絶縁基材24を貫通する直径100μmのビアホール50を形成した。次いで、フォトリソグラフ法によって、銅箔30に導体パターンを形成した。なお、形成したビアおよび配線パターンは、100μmビア、150μmピッチの高密度パターンである(以下における、ビア、導体パターンも同様の高密度パターンである。)。そして、ビアホール50の内側以外の部分にマスクを施して、ビアホール50の内側に電解メッキにより銅メッキを施した。そして、スルーホール50にエポキシ樹脂を充填して、配線基板100Cを作製した。
(他の配線基板200Aの作製)
他の配線基板200Aとしては、厚さ12μmの銅箔上にエポキシ樹脂組成物を塗布して、50μmのBステージのエポキシプリプレグ層を形成した。そして、レーザーを使用してエポキシプリプレグ層を貫通する直径100μmのビアホールを形成した。そして、導電性ペースト組成物を、このビアホールにスクリーン印刷により充填した。充填後、125℃、45分間加熱し、溶剤を揮発させて導電性ペーストを乾燥固化して、他の配線基板200Aを作製した。なお、導電性ペースト組成物としては、以下の方法により調整したものを用いた。
(導電性ペースト組成物の調製)
Sn−Ag−Cu合金粒子(平均粒径5.55μm、融点220℃、Sn:Ag:Cu(質量比)=96.5:3:0.5)76質量%およびCu粒子(平均粒径5μm)24質量%の割合で混合した導電粉末97質量部に対して、ジメタリルビスフェノールA50質量%およびビス(4−マレイミドフェニル)メタン50質量%の割合で混合した重合性単量体の混合物3質量部、ならびに溶剤としてγブチロラクトン7.2質量部、を添加して、3本ロールで混練して導電性ペースト組成物を調製した。
(多層配線基板の作製)
上記で作製した配線基板100Cを一枚、他の配線基板200Aを二枚用意した。図3(a)に示したように、積層した際に銅箔が表面および裏面となるようにして、配線基板100Cの上下に他の配線基板200Aを重ねて、200℃、5MPa、30分の条件で熱圧着積層した。形成した図3(b)に示す多層配線基板に対して、フォトリソグラフ法により、上下の銅箔に導体パターンを形成した。そして、図3(d)に示すように、積層した際に銅箔が表面および裏面となるようにして、この導体パターンを形成した多層配線基板の上下に他の配線基板200Aを重ねて、230℃、5MPa、30分間の条件で熱圧着積層して、図3(f)に示すような多層配線基板を作製した。
<実施例2>
第2絶縁基材24の厚みを5μmとした以外は、実施例1と同様にして、片面銅張板24、22、30を一つ作製した。そして、図1(f)に示すように、この片面同張板の第2絶縁基材24上に銅箔30を、190℃、5Pa、30分間の条件で熱圧着積層し両面銅張板100Bを作製した。そして、実施例1と同様にしてビアホール、導体パターンを形成し、スルーホール内にメッキを施し、エポキシ樹脂を充填して、配線基板を作製した。そして、実施例1と同様にして、他の配線基板200Aと逐次積層して、多層配線基板を作製した。
<実施例3>
実施例1と同様にして配線基板100Cを作製した。また、実施例1において両面銅張板100Aの作製に使用した片面銅張板22、30に対して、レーザーを使用して第1絶縁基材22を貫通する直径100μmのビアホールを形成し、導電性ペースト組成物をこのビアホールにスクリーン印刷により充填して、125℃、45分間加熱し、溶剤を揮発させて導電性ペースト組成物を乾燥固化し、フォトリソグラフ法により銅箔に導体パターンを形成して、他の配線基板200Bを作製した。導電性ペースト組成物としては、実施例1と同様のものを用いた。
上記で作製した配線基板100Cを一枚、他の配線基板200Bを四枚用意した。図3(e)に示すように、積層した際に導体パターンが表面および裏面となるようにして、配線基板100Cの上下に他の配線基板200Aを二枚ずつ重ねて、230℃、5MPa、30分間の条件で熱圧着して一括積層した。
<比較例1>
ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK450G、Tm=335℃)40質量%と、非晶性ポリエーテルイミド樹脂(Ultem 1000)60質量%とからなる樹脂混合物100質量部に対して、平均粒径5μm、平均アスペクト比50の合成マイカを39質量部混合して得られた熱可塑性樹脂組成物を溶融混練し、この混合物を、Tダイを用いて、設定温度380℃にて押出してフィルムとしながら、このフィルムの両側に銅箔(厚さ:12μm、LD銅箔(ジャパンエナジー社製))を投入して、キャストロール部にてフィルムと銅箔とをラミネートして両面銅張板(銅箔:12μm、樹脂層:50μm)を作成した。
その後は、実施例1と同様にして、配線基板200Aを作製し、他の配線基板200Aを逐次積層して、多層配線基板を作製した。
<比較例2>
ガラスクロスに熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂を含浸させて、厚さ100μmの半硬化状態(Bステージ)のプレプリグを用意した。このプレプリグの両面に銅箔(厚さ:12μm、LD銅箔(ジャパンエナジー社製))を熱プレスにより貼り付けて、両面銅張板を作製した。
その後は、実施例1と同様にして、配線基板を作製し、他の配線基板200Aを逐次積層して、多層配線基板を作製した。
<参考例1>
実施例2において、第2絶縁基材を構成する重合性単量体を、ジメタリルビスフェノールA20質量%およびビス(4−マレイミドフェニル)メタン80質量%の割合にて混合したものを使用した以外は、実施例2と同様にして、両面銅張板、配線基板を作製し、他の配線基板200Aと逐次積層して、多層配線基板を作製した。
<参考例2>
実施例2において、第2絶縁基材を構成する重合性単量体を、ジメタリルビスフェノールA80質量%およびビス(4−マレイミドフェニル)メタン20質量%の割合にて混合したものを使用した以外は、実施例2と同様にして、両面銅張板、配線基板を作製し、他の配線基板200Aと逐次積層して、多層配線基板を作製した。
<参考例3>
実施例1において、第2絶縁基材の厚さを15μmとして両面銅張板を作製した以外は、実施例1と同様にして、配線基板を作製し、他の配線基板200Aと逐次積層して、多層配線基板を作製した。
<参考例4>
実施例2において、第2絶縁基材の厚さを10μmとして両面銅張板を作製した以外は、実施例2と同様にして、配線基板を作製し、他の配線基板200Aと逐次積層して、多層配線基板を作製した。
<評価方法>
作製した多層配線基板に対して、以下の評価を行った。得られた評価を表1にまとめた。
(両面銅張板の反りの評価)
形成した両面銅張板の一方の面の銅箔を、エッチングによりすべて除去した。その際において、両面銅張板に反りが生じるか否かを以下の基準により評価した。
○:反りが10mm未満であった。
×:反りが10mm以上であった。
(導体接着強度(パットプル強度))
多層配線基板上に表出した導体パターン部に針金を半田付けし、この針金を上に引き上げ、導体パターン部を剥がした時の強度を測定した。
○:強度が1N/mm以上であった。
×:強度が1N/mm未満であった。
(吸湿耐熱性)
得られた多層配線基板を、125℃で4時間乾燥する。そして、30℃、湿度85%の恒温恒湿槽に96時間おいて、その後、ピーク温度250℃のリフロー炉で加熱する処理を二度繰り返した。得られた多層配線基板を以下の基準により評価した。
○:基板間の積層界面に剥がれがなく、ビアホール中に膨れが生じていない。
×:基板間の積層界面に剥がれ生じ、および/または、ビアホール中に膨れが生じた。
(熱衝撃試験)
恒温恒湿槽中で、熱衝撃試験として、−25℃において9分、125℃において9分というサイクルを1000回繰り返した。熱衝撃試験前および試験後の多層配線基板の抵抗を測定して、抵抗変化率を求めた。なお、抵抗変化率は、「|試験前抵抗値−試験後抵抗値|/試験前抵抗値」×100(%)で表される値である。層間接続信頼性は、以下の基準により評価した。
○:抵抗変化率が、常温時および恒温時(25℃)ともに、20%未満である。
×:抵抗変化率が、常温時あるいは恒温時(25℃)のいずれかにおいて、20%以上である。
<評価結果>
Figure 0004934334
本発明の両面銅張板を用いて作製した多層配線基板(実施例1〜実施例3)は、いずれの評価項目においても良好な結果を示した。これに対して、比較例1においては、両面銅張板の内部応力が解消されていないので、反りの評価が劣っていた。
また、比較例2においては、両面銅張板の絶縁基材として、ガラスエポキシを使用していることから、他の配線基板200Aとの層間接着性が不良となり、吸湿耐熱性、熱衝撃試験において劣った結果を示した。
また、参考例1および参考例2においては、第2絶縁基材を構成する重合性単量体の混合割合が本発明の好ましい範囲から外れており、パットプル強度において劣った結果を示した。
また、参考例3および参考例4においては、第2絶縁基材の絶縁基材全体に対する厚み比が、本発明の好ましい範囲から外れていることから、熱衝撃試験において劣った結果を示した。参考例3においては、第2の絶縁基材が熱硬化する前に若干のフロー性を有するため、第2の絶縁基材の厚みが厚いと、ビアの導電性ペーストが金属拡散する前に、樹脂分がビアに流入し、ビアの金属拡散を阻害するためであると考えられる。また、参考例4においては、第2絶縁基材の厚みが厚いので、熱圧着時に、両面銅張版の厚さが変わり、ビア部の導電性ペースト組成物と銅箔との金属拡散接合が阻害されるためだと考えられる。
また、参考例4においては、両面銅張板の反りの評価が劣っていた。これは、線膨張係数が大きい第2の絶縁基材の相対量が増えたためである。
本発明の両面銅張板100の構成例((a)および(b))、および、本発明の両面銅張板100の製造方法((c)〜(g))を示した図である。 本発明の両面銅張板100を使用して、配線基板100Cを製造する工程を示した図である。 配線基板100Cを使用して、逐次積層((a)〜(d))、あるいは、一括積層((e)〜(f))により、多層配線基板300を製造する工程を示した図である。 第2絶縁基材24および導電性ペースト組成物70のバインダー成分を構成する重合性単量体の混合物の弾性率が、温度により変化する様子を示した図である。 第1絶縁基材22および絶縁基材26を構成する特定の熱可塑性樹脂組成物の弾性率が、温度により変化する様子を示した図である。
符号の説明
20、20A、20B 絶縁基材
22 第1絶縁基材
24 第2絶縁基材
30 銅箔
32 導体パターン
50 ビアホール
100、100A、100B 両面銅張板
100C 配線基板
200、200A、200B 他の配線基板
36 銅箔
26 絶縁基材
70 導電性ペースト組成物
300 多層配線基板

Claims (7)

  1. 絶縁基材の両面に銅箔を積層してなる両面銅張板であって、
    前記絶縁基材が、熱可塑性樹脂組成物からなる第1絶縁基材、その上に積層されたアルケニルフェノール化合物およびマレイミド類の混合物からなる第2絶縁基材、さらにその上に積層された第1絶縁基材の3層構造であり、
    前記第2絶縁基材の厚みが、前記絶縁基材全体の厚みの1/10未満である、両面銅張板。
  2. 前記第1絶縁基材が無機充填材を含有しており、その含有量が、第1絶縁基材全体を100質量%として、20〜50質量%である、請求項1に記載の両面銅張板。
  3. 前記無機充填材が、平均粒径が15μm以下、アスペクト比が30以上の鱗片状の無機充填材である、請求項2に記載の両面銅張板。
  4. 前記アルケニルフェノール化合物がジメタリルビスフェノールAで、前記マレイミド類がビスマレイミドである、請求項1〜のいずれかに記載の両面銅張板。
  5. 前記熱可塑性樹脂組成物が、結晶融解温度260℃以上の結晶性熱可塑性樹脂、ガラス転移温度が260℃以上の非晶性熱可塑性樹脂、または、液晶転移温度が260℃以上の液晶ポリマーのいずれかである、請求項1〜のいずれかに記載の両面銅張板。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の両面銅張板に導体パターンを形成し、スルーホールを形成する工程、
    熱圧着により、他の配線基板と逐次積層あるいは一括積層する工程、
    を有する多層配線基板の製造方法。
  7. 導体パターンおよびスルーホールが形成された請求項1〜のいずれかに記載の両面銅張板、および、他の配線基板を有し、該両面銅張板と他の配線基板とが逐次積層あるいは一括積層されている多層配線基板。
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