JP2005353784A - 多層配線基板用導電性ペースト組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】多層配線基板において、内層、外層配線部やビアホール部に導電性ペーストを用いた場合にも、印刷加工性や染み出し性に優れ、電気的信頼性や吸湿リフロー耐熱性を確保しうる加熱硬化型の導電性ペースト組成物を提供する。
【解決手段】多層配線基板の内層配線導体、外層配線導体及びビアホール導体から選ばれる少なくとも一つに用いる導電性ペースト組成物であって、導電性粉末、熱硬化性樹脂からなるバインダー樹脂及び該バインダー樹脂100質量部に対し0.5〜10質量部の重量平均分子量3×103〜3×105の熱可塑性樹脂を含有する多層配線基板用導電性ペースト組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、多層配線基板に用いる加熱硬化型の導電性ペースト組成物に関し、特に結晶性の熱可塑性樹脂を絶縁基材に用いた多層配線基板の内層部、外層部、ビアホール部の導体配線に用いることができる導電性ペースト組成物に関する。
近年の電子機器の高性能化、小型化、要求製品の多様化に伴い、搭載されるプリント配線基板には高密度な多層配線板や部品実装技術、さらには製造技術の簡略化による低コスト化が望まれ、プリント配線基板を構成する絶縁基材にも、環境に優しい熱可塑性材料や、軽量で脆くない材料、低誘電率材料などが求められている。また、高密度化や製造技術の簡略化の観点から、多層配線板用の各層間の接続材料として導電性ペーストを用い、更に、基板最上層に貫通穴を設けないことで実装性に優れたインナビアホール接続方式を用いる多層基板が知られている。
この接続方式を用いた例として、例えば特許文献1には、アラミド不織布に熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂を含浸させたシート基板材を用い、このシート基板材に貫通穴を形成した後、これに金属粒子とエポキシ等のバインダー樹脂と溶剤からなる導電性ペーストを充填後、乾燥固化し、さらにこの両面に銅箔を熱プレスし、次いで、この両面銅張板をエッチングして、両面回路基板を形成し、この両面回路基板の両側に、前記シート基板材を配置し、さらにそれらの外側に銅箔を配置して、熱プレスすることにより、4層のインナビアホール(IVH)構造を持つ多層配線基板が形成されることが記載されている。
また、製造技術の簡略化(一括積層工法)、層間接続信頼性向上、環境対応、高周波対応を目指したものとして、例えば特許文献2には、ポリエーテルエーテルケトンとポリエーテルイミドからなる熱可塑性樹脂混合物を絶縁基材とし、ビアホール部に金属粒子のみからなるバインダー樹脂レス導電性ペーストを用いた全層インナビアホール多層配線基板が開示され、これにより従来のバインダー樹脂を含有した導電性ペーストにおける、高温環境下でのバインダー樹脂の熱膨張による金属粒子同士の接触抵抗値や導体パターンと金属粒子との接触抵抗値の上昇に伴う層間接続抵抗値の増大に起因する層間接続信頼性の低下を改善しうるとしている。
また、さらなる製造技術の簡略化(全ての配線形成を乾式化)を目指したものとして、例えば特許文献3には、ポリエーテルエーテルケトンとポリエーテルイミドからなる熱可塑性樹脂混合物を絶縁基材にもつ高密度多層配線基板において、内層配線を導電性ペーストに置き換えたものが提案されており、該構成において、バインダー樹脂として特定のエポキシ系組成物を用いることにより、高湿下で吸水させた後半田加工相当の温度にさらした際の寸法や導電性の安定性、すなわち吸湿リフロー耐熱性が改善されたことが示されている。
特開平7―176846号公報 特開2003―110243号公報 特開2002―28236号公報
しかしながら、特許文献2に開示された多層配線板においては、ビアホール壁面とビアホール配線を形成する樹脂レス導電性ペーストの硬化接着に関与する官能基組成が絶縁基材組成と相互作用をとることが困難なためか、吸湿リフロー耐熱性試験において、ビアホール壁面(ポリエーテルエーテルケトンとポリエーテルイミドからなる熱可塑性樹脂混合物)とビアホール配線界面部に水が溜まり、ビアホール部を起点とした膨れが発生しやすいという問題がある。
また、特許文献3に開示された多層配線基板においては、特定のエポキシ樹脂の選定により吸湿リフロー耐熱性の改良はなされたものの、次のような問題が生じていた。すなわち、この発明は、多層化する際の加熱硬化時に、十分な硬化により接合固着する前に導電性ペースト中のバインダー樹脂成分が溶融流動して所定の印刷部から多層化界面等に流れ出す現象(以下、「染み出し」という)については全く考慮されていなかったため、流れ出したバインダー樹脂が、接合される一方の基材のビアホール部と、他方の基材のビアホール部ないしは配線との間に入り込み電気的な接続を妨げる絶縁化の問題が生じること、及びビアホール部への導電性ペーストの印刷時にバインダー樹脂が存在していた位置に空隙が発生したり、ビアホール部壁面と導電性ペーストの接着性が確保できない等の現象を経て、結果的に吸湿リフロー耐熱性が不十分となり、また、膨れ発生の問題が生じることがあった。
本発明の第1の目的は、内層配線を導電性ペーストで形成した場合、多層化の際に、バインダー樹脂の染み出しを防止し、接合される一方の配線基材のビアホール部と他方の配線基材のビアホール部ないしは配線との間に生じる絶縁化を防止する導電性ペースト組成物を提供することにある。
本発明の第2の目的は、ビアホール部への導電性ペーストの印刷時にバインダー樹脂が存在していた部位に空隙が発生したり、ビアホール壁面と導電性ペーストの接着性が確保できない等の現象に起因して吸湿リフロー耐熱性が不十分になる点、及び膨れの発生を改善する導電性ペースト組成物を提供することにある。
更に、本発明の第3の目的は、絶縁基材に設けられたビアホール部や配線部への印刷性に優れた導電性ペースト組成物を提供することにある。
本発明者等は鋭意検討を重ねた結果、以下のような導電性ペースト組成物を提供することにより上記課題を解決することができることを見出した。
すなわち、本発明の導電性ペースト組成物は、
(1)多層配線基板の内層配線導体、外層配線導体及びビアホール導体から選ばれる少なくとも一つに用いる導電性ペースト組成物であって、導電性粉末、熱硬化性樹脂からなるバインダー樹脂及び該バインダー樹脂100質量部に対し0.5〜10質量部の重量平均分子量3×103〜3×105の熱可塑性樹脂を含有する多層配線基板用導電性ペースト組成物、
(2)熱可塑性樹脂がフェノキシ樹脂を含む上記(1)記載の導電性ペースト組成物、
(3)導電性粉末が、金、銀、銅、パラジウム、白金、ニッケル、錫及びカーボンから選ばれる少なくとも一種を含む上記(1)又は(2)に記載の導電性ペースト組成物、
(4)バインダー樹脂と導電性粉末との含有割合が、質量比で15/85〜5/95である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の導電性ペースト組成物、及び
(5)結晶融解ピーク温度が260℃以上である結晶性ポリアリールケトン樹脂と非晶性ポリエーテルイミド樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂組成物を溶融した後急冷して得られる非晶性フィルムからなる絶縁基材の表面及びビアホール部に、導電性ペーストを印刷及び/又は充填して内層及び外層配線導体並びにビアホール導体を形成した配線基板用素板の少なくとも2枚を、上記熱可塑性樹脂組成物のガラス転移温度以上かつ結晶融解開始温度未満の温度で熱融着により積層してなる多層配線基板に用いる上記(1)〜(4)のいずれかに記載の導電性ペースト組成物、
に関するものである。
本発明により、多層配線基板において、内層、外層配線部やビアホール部に導電性ペーストを用いた場合にも、印刷加工性や染み出し性に優れ、電気的信頼性や吸湿リフロー耐熱性を確保しうる加熱硬化型の導電性ペースト組成物を提供することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の多層配線基板用導電性ペースト組成物は、導電性粉末、熱硬化性樹脂からなるバインダー樹脂及び該バインダー樹脂100質量部に対し0.5〜10質量部の重量平均分子量3×103〜3×105の熱可塑性樹脂を含有するものである。
導電性粉末としては、例えば金、銀、銅、パラジウム、白金、ニッケル、錫、カーボンなどを用いることができ、これらを単独もしくは2種以上組み合わせた混合タイプ、導電性粉末表面を別の金属でコートしたタイプ(例:銀コート銅など)、導電性粉末を2種以上組み合わせて合金化した合金タイプ(例:銀−銅、銀−パラジウム、銀−錫など)がある。
その粒径については、導電性ペースト組成物が充填されるビアホールや配線溝のサイズ、あるいはそれらに対する印刷充填性の観点から決定することができるが、本発明の効果の点から、平均粒径として0.1〜20μm、更に0.1〜10μmが好適である。また、本発明においては、導電性を改良するため、さらに、0.001〜0.1μmの範囲内の小さい粒径を有する上記導電性粉末を相補的に添加することもできる。
さらに、本発明においては、上記導電性粉末の形状については、特に制限はなく、例えば、球状粉末、不定形状粉末、フレーク状粉末、放射樹状粉末等を単独でもしくは適宜組み合わせて使用出来るが、表層部、内層部、ビアホール部の全ての部分において、低い配線抵抗値を確保する観点から球状粉末とフレーク状粉末を併用して用いることが好ましい。
バインダー樹脂としては、特に制限はないが、熱硬化性樹脂からなるものが用いられ、例えば、エポキシ系、アクリル系、ポリウレタン系、フェノール系、ポリアミド系、ポリアミドイミド系、ポリイミド系などの各樹脂が使用できる。本発明においては、硬化反応温度領域を制御でき、更に絶縁基材との接着性、耐熱性の面で好適であることから、エポキシ系樹脂又はポリイミド系樹脂が好ましく用いられる。
使用しうるエポキシ樹脂としては特に制限はないが、エポキシ基を2個以上、更に3個以上有する多官能の耐熱性エポキシ樹脂を少なくとも1種類以上含むことが耐熱性の面で好ましく、例えば、ポリフェノール型エポキシ樹脂(ビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタンなど)や、ナフタレン骨格エポキシ樹脂、ポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂(N,N,N', N'−テトラグリシジル−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、N,N−ジグリシジルアミノ−1、3−グリシジルフェニルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、(2官能)N,N−ジグリシジルアミノベンゼン、(2官能)o−(N,N−ジグリシジルアミノ)トルエンなど)が挙げられ、これらを単独でまたは組み合わせて用いることができる。
また、ポリイミド系樹脂としては、特に制限はないが、例えば、アルケニルフェノールマレイミド共重合樹脂、アルケニルイソシアヌレート−マレイミド共重合樹脂、アルケニルアリール−マレイミド共重合樹脂、アルケニルシクロアルキル−マレイミド共重合樹脂、アルケニルナジイミド重合樹脂、マレイミド−アルケニルナジイミド共重合樹脂等が挙げられ、これらは単独でまたは組み合わせて用いることができる。
上記バインダー樹脂には、必要に応じて硬化剤を用いることができる。硬化剤としては、上記バインダー樹脂を硬化しうるものであればいずれも使用可能であるが、例えば、バインダー樹脂100質量部に対し、フェノール樹脂を10〜300質量部、好ましくは100〜200質量部、及び/又はイミダゾール類を0.1〜1.0質量部、好ましくは0.1〜0.8質量部含むものが好ましく用いられる。
上記フェノール樹脂としては、例えばノボラック型アルキルフェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂、ナフトール導入ノボラック型フェノール樹脂、ノボラック型スチレン化フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂などのノボラック型フェノール樹脂が挙げられ、イミダゾール類としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾールなどが挙げられる。
本発明の導電性ペースト組成物における上記バインダー樹脂と導電性粉末の含有割合については、導電性と印刷充填あるいは印刷加工性などとの兼ね合いから質量比で15/85〜5/95、更に13/87〜7/93であることが好適である。上記範囲内であれば、本発明の効果が十分に得られ好ましい。
本発明の導電性ペースト組成物は、上記バインダー樹脂100質量部に対し0.5〜10質量部の割合で重量平均分子量3×103〜3×105の熱可塑性樹脂を含有する。
使用しうる熱可塑性樹脂としては特に制限はないが、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂及びポリイミド樹脂から選ばれるものを少なくとも1種含む樹脂を用いることができ、これらの樹脂は、バインダー樹脂や基板との濡れ性・相溶性などを損なわずに好適に染み出しを抑制できることから好ましい。上記の点から、本発明においては、熱可塑性樹脂として、フェノキシ樹脂を少なくとも1種含むものが本発明の効果の点から特に好ましい。フェノキシ樹脂としては、ビスフェノールA型やビスフェノールF型、それらの混合物等が特に好適に使用できる。
上記フェノキシ樹脂は、熱可塑性樹脂中に、好ましくは60〜100質量%、更に好ましくは70〜100質量%含有される。
上記熱可塑性樹脂は、バインダー樹脂に100質量部に対し0.5〜10質量部の割合で含有されるが、上記熱可塑性樹脂の含有量が0.5質量%以上であれば染み出しの発生がなく、また10質量%以下であれば、塗布性あるいは印刷加工性や吸湿リフロー耐熱性に優れ好ましい。この点から、上記熱可塑性樹脂の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対し1〜9質量部、更に3〜8質量部であることが好ましい。
また、上記熱可塑性樹脂の重量平均分子量は3×103〜3×105である。上記分子量が3×103以上であれば染み出しの発生もなく、吸湿リフロー耐熱性に優れ、3×105以下であると塗布性あるいは印刷加工性に優れ好ましい。この点から、上記熱可塑性樹脂の重量平均分子量は、5×103〜2×105であることが好ましい。詳細は不明ながら、上記熱可塑性樹脂は導電性ペースト中のバインダー樹脂の粘度を上げる働きにより染み出しを抑制し、また、過度の分子量・添加量にならないよう制御することにより印刷性や耐熱性等他の品質を損なわずに作用するものと推察される。なお、上記重量平均分子量はGPC法による標準分子量ポリスチレン換算で得られるものを採用した。
本発明の導電性ペースト組成物は、上記成分以外に、必要に応じ、バインダー樹脂用あるいは熱可塑性樹脂用の溶剤、可塑剤、レベリング剤、キレート剤、架橋剤、カップリング剤、酸化防止剤、着色剤などを含有することができる。特に、溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノnブチルエーテルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、ターピネオール、γ−ブチロラクトンなどを使用でき、その含有量は、本発明の効果の点から導電性ペースト組成物に対し10質量%以下、好ましくは8質量%以下であることが好ましい。特に、溶剤を添加する場合は、導電性ペースト組成物を印刷充填した後、バインダー樹脂の硬化を抑えた条件で溶剤を乾燥除去した後に積層加工すればよく、印刷充填性の向上やバインダー樹脂の応用範囲を広げられるなどの点で有利である。
本発明の導電性ペースト組成物は、絶縁基材に印刷充填して塗膜を形成することで、多層配線板用の素板(配線基材)とすることができる。塗膜の加工については特に制限はなく、スクリーン印刷、ディスペンス印刷、インクジェット印刷などの公知の方法をいずれも使用できる。また、印刷性を向上させるためには導電性ペースト及び/または絶縁基材を導電性ペーストの硬化が進行しない範囲の条件で予熱して導電性ペーストの粘度を低下させて行うと効率よく印刷でき好ましい。また、上述のように導電性ペーストが溶剤を含む場合には、印刷後、導電性ペーストの硬化が進行しない範囲で加熱及び/又は減圧乾燥して含有溶剤を除去することが好ましい。
本発明の導電性ペースト組成物は、多層配線基板の内層部、外層部及びビアホール部のいずれの導体配線にも用いることができるものであり、全ての導体配線に用いることが好ましい。本発明の導電性ペースト組成物を適用する多層配線基板としては、結晶融解ピーク温度が260℃以上である結晶性ポリアリールケトン樹脂と非晶性ポリエーテルイミド樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂組成物を溶融した後急冷して得られる非晶性フィルムからなる絶縁基材の表面及びビアホール部に、導電性ペーストを印刷及び/又は充填して内層及び外層配線導体並びにビアホール導体を形成した配線基板の少なくとも2枚を、上記熱可塑性樹脂組成物のガラス転移温度以上かつ結晶融解温度未満の温度で熱融着により積層するとともに導電性ペースト組成物を硬化させて得られるものが好ましく挙げられる。
以下に、本発明の上記導電性ペースト組成物を用いる多層配線基板について、添付図面に従って説明する。ここで、図1は、本発明の導電性ペースト組成物を用いて作製した、(a)多層配線基板用素板の一例、及び(b)多層配線基板の一例を示すものであり、絶縁基材の表面に形成された溝状凹部に本発明の導電性ペースト組成物からなる導体配線を設けた例である。
図1によれば、本発明の導電性ペースト組成物を、絶縁基材101の表面に設けた溝部およびビアホール部に印刷充填し多層配線基板用素板100を得る。得られた多層基板用素板100は、ビアホール部103の位置合わせをして、図1の(a)に示すように真空加熱プレス機内で両側にプレス板を配置して多層に重ねられた後、加熱加圧して多層基板用素板100及び導電性ペースト組成物を軟化させ対抗する面同士の濡れ性を促進させる。さらに加熱を進めて導電性ペースト組成物を硬化させ、内層配線導体の固定、ビアホール配線導体の結合と固定、多層基板用素板100の一体接着化を同時併行することで多層配線基板200を得る。加熱は、多層基板用素板100を構成する絶縁基材101のガラス転移温度以上で行われ、これにより濡れ性及び/又は導電性ペースト組成物の硬化を進めるが、特に、結晶性熱可塑性樹脂組成物を溶融混練した後急冷製膜して得られる非晶性フィルムからなる絶縁基材の場合は、ガラス転移温度以上かつ結晶化開始温度未満の温度で濡れを進め、続く結晶化開始温度以上かつ結晶融解開始温度未満の加熱で結晶化を促進し基材の耐熱性を付与することが出来る。
上記絶縁基材101としては、ガラスエポキシ、エポキシ含浸アラミド不織布、熱可塑性ポリイミド樹脂、液晶ポリマー、ポリアリールケトン樹脂とポリエーテルイミドの混合樹脂組成物などからなるものが広く知られているが、結晶融解ピーク温度が260℃以上である結晶性ポリアリールケトン樹脂と非晶性ポリエーテルイミド樹脂の混合樹脂組成物を溶融混練した後急冷製膜して得られる非晶性フィルムからなる絶縁基材が、耐熱性や耐熱性と加工性とのバランスの面で有効である。
このような混合樹脂組成物としては、結晶性ポリアリールケトン樹脂70〜25質量%と非晶性ポリエーテルイミド樹脂30〜75質量%とからなるものが好ましい。結晶性ポリアリールケトン樹脂が70質量%を越えたり、非晶性ポリエーテルイミド樹脂が30質量%未満では、組成物全体としての結晶性が高く、結晶化処理を行うと球晶などの結晶構造が成長、発達するために機械的強度が低下しやすくなったり、また、結晶化に伴う体積収縮(寸法変化)が大きくなり回路基板としての信頼性が低下する場合がある。また、結晶性ポリアリールケトン樹脂が25質量%未満であったり、非晶性ポリエーテルイミド樹脂が75質量%を越えると組成物全体としての結晶性自体が低く、また結晶化速度も遅くなり、結晶融解ピーク温度が260℃以上であっても半田耐熱性が低下する場合がある。
このような非晶性フィルムからなる絶縁基材は、ガラス転移温度を2成分の配合組成を適宜に選択することにより、190℃程度に高く設計することができ、また、溶剤や低分子量成分を含んだ導電性ペーストを印刷充填して配線形成した後に、比較的高い温度(例えば150℃)でこれらの成分を揮発させ乾燥固化させる事ができるため、一括多層化の際にこれらの成分が基板の内部に留まって、多層配線板の層間接着性等を阻害することを防止することが出来る。
また、上記非晶性フィルムからなる絶縁基材の場合は、2成分の配合組成を適宜に選択することにより、ガラス転移温度から結晶化ピーク温度(240℃程度)にかけて大きな弾性率の低下領域が発現するため、この領域で安定的に一括多層化が可能となり、図1(b)に示されるように、多層配線基板用の素板100を複数枚重ねて、例えば240℃程度で一括多層プレスを行なうと、260℃以上の半田耐熱性が発現する多層配線基板200を製造することができる。
また、この絶縁基材101の弾性率低下温度領域近傍に、バインダー樹脂の硬化ピーク温度領域を重ねることにより、素板の段階での溶剤乾燥時には導電性ペースト組成物は溶剤揮発により乾燥固化するだけで硬化せず、一括積層時に絶縁基材と導電性ペースト樹脂との分子レベルでの相互作用が起こり接着性が確保され、絶縁基材は結晶化し、導電性ペースト組成物は硬化する。そして、例えば樹脂混合物の260℃の半田温度における弾性率が向上して、多層配線基板として吸湿耐熱性などの高い信頼性を確保することができるようになる。
前述のように、多層配線基板を形成する絶縁基材としては、結晶融解ピーク温度が260℃以上である結晶性ポリアリールケトン樹脂と非晶性ポリエーテルイミド樹脂からなる混合樹脂組成物が好適である。このような組成物からなる絶縁基材の弾性率の低下領域は、大きな樹脂流動を伴わないため、ガラスエポキシ、エポキシ含浸アラミド不織布、熱可塑性ポリイミド樹脂、液晶ポリマーに比較して、多層積層時の絶縁基材起因のペースト配線流動が起こりにくい。
本発明においては、上記非晶性フィルムからなる絶縁基材は、フィルム状、薄板状またはシート状で提供される。成形方法としては、公知の方法がいずれも適用でき、例えばTダイを用いる押出キャスト法、あるいはカレンダー法等を採用することができる。このように、絶縁基材の成形方法は特に限定されるものではないが、本発明においては、シートの製膜性や安定生産性等の面から、Tダイを用いる押出キャスト法を好ましく使用することができる。Tダイを用いる押出キャスト法での成形温度は、組成物の流動特性や製膜性等によって適宜決定されるが、概ね結晶性ポリアリールケトン樹脂の結晶融解ピーク温度(260℃)以上、430℃以下が好ましい。
上記絶縁基材を構成する結晶性熱可塑性樹脂組成物に用いられる結晶性ポリアリールケトン樹脂は、その構造単位に芳香核結合、エーテル結合およびケトン結合を含む熱可塑性樹脂であり、その代表例としては、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン等が挙げられる。このようなポリエーテルエーテルケトンは、「PEEK151G」、「PEEK381G」、「PEEK450G」(いずれもVICTREX社の商品名)等として市販されている。
また、非晶性ポリエーテルイミド樹脂は、その構造単位に芳香核結合、エーテル結合およびイミド結合を含む非晶性熱可塑性樹脂であり、特に制限されるものではない。このようなポリエーテルイミドは、「Ultem CRS5001」、「Ultem 1000」(いずれもゼネラルエレクトリック社の商品名)等として市販されている。
上記の結晶性熱可塑性樹脂組成物としては、結晶性熱可塑性樹脂100質量部に、合成マイカ、天然マイカ、シリカ、アルミナなどの無機充填材を20質量部以上かつ50質量部以下で混合してなる組成物が好ましく用いられる。
以下に、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。
実施例1
導電性ペースト組成物の調製
ビスフェノールA型2官能エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製エピコート1004)60質量部、フェノールノボラック型多官能エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製エピコート152)40質量部、イミダゾール系触媒(ジャパンエポキシレジン製エピキュアEMI24)1質量部からなるバインダー樹脂100質量部に対して、熱可塑性樹脂として重量平均分子量50,000のビスフェノールA型フェノキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製エピコート1256)5質量部、導電性粉末として平均粒径1μmの球状銀10質量%と平均粒径5μmのフレーク状銀90質量%からなる混合銀粉末900質量部を配合し、溶剤としてγ−ブチロラクトン50質量部を加え3本ロールで混練し導電性ペーストを調製した。
多層配線基板用素板の作製
絶縁基材として厚さ0.2mmのエポキシ含浸アラミド不織布プリプレグ(新神戸電機製EA−541)の同サイズのものを3枚(A〜C)用意し、各々ビアホール導体、内層配線導体を導電性ペーストを用いて作製するための穴、溝を炭酸ガスレーザーアブレーション加工により次の仕様で設けた。
A:任意に配線長10mm、配線幅/配線間隔=200/100μmの配線溝(溝深さ40μm)を20本と、各配線溝の片側の末端に直径100μmで絶縁基材を貫通するビアホール20箇所を加工した。
B:Aと面内同配置で同仕様の配線溝と、Aで設けたビアホールと反対側の配線溝末端に直径100μmのビアホール20箇所を加工した。
C:Aと面内同配置で同仕様のビアホールを加工した。
各基材の溝加工面と反対面にマスキングフィルムとして厚さ0.1mmのテトラフルオロエチレン離型フィルムを押しつけて仮密着状態で貼り、上記調製した導電ペーストを基板溝加工面上の端部に所定量載せ、常態にて厚さ0.5mmSUS製スキージを基板に対して直角に立て5kgf(49.0N)の一定の押し付け力により1m/分の速度で端部から反対側端部に移動させることにより印刷して導電ペーストを配線溝、ビアホール部に充填した。この際、目視上支障なくきれいに充填できたことを確認した。その後、この絶縁基材を真空乾燥機中、120℃で20分減圧乾燥し溶剤を揮発させて、手で触れてもタック性を感じない程度に乾燥固化させた。このプロセスにより、所定位置に導電回路及び層間導通部が形成された絶縁基材A〜Cのそれぞれに対応する多層配線板用素板A〜Cを得た。
多層配線基板の作製
次に、各多層配線板用素板から、上記マスキングフィルムを剥がし各印刷面の向きを同方向に合わせて素板Aの印刷面の上に、順次、素板B、素板Cとサイズに合わせて重ね、プレス装置により温度180℃、圧力4.9MPaで60分間熱プレスして、素板同志の接着積層、導電性ペーストの硬化・結合を行い、3層の多層配線基板を得た。この多層配線基板の素板A側の表面にあるビアホールは設計上、平面上の同位置で素板Cの表面にあるビアホールと導通するよう導電性ペーストが充填されているが、目視上それに相当した多層配線基板となっていた。
得られた多層配線基板を用いて、下記の品質確認試験を行なった。結果を表1に示す。
<印刷加工性>
導電性ペーストを基板溝加工面上の端部に所定量載せ、常態にて厚さ0.5mmSUS製スキージを基板に対して直角に立て5kgf(49.0N)の一定の押し付け力により1m/分の速度で端部から反対側端部に移動させることにより印刷して配線溝、ビアホールに充填する加工を行い、その充填具合を目視で評価し以下の基準で判定した。
○:全ての配線溝、ビアホールに過不足なくきれいに充填されていた
△:充填面積の90%以上の配線溝、ビアホールに過不足なく充填されていた
×:充填面積の90%未満しか配線溝、ビアホールに過不足なく充填されなかった
<染み出し性>
多層配線基板の素板A側の表面及び素板C側の表面にあるビアホール計20個について、ビアホール充填導電性ペーストから分離してビアホール位置からはみ出したバインダー樹脂成分がビアホールから外れて基板表面を覆って単独で硬化して皮膜を作っている面積を各々測定し、これを合計して、該面積が染み出しの程度と相関する量とみなし、以下の基準で判定した。
○:ビアホール計20個総面積の50%未満
△:ビアホール計20個総面積の50%以上200%未満
×:ビアホール計20個総面積の200%以上
<導電性>
多層配線基板の素板A側の表面及び素板C表面にあるビアホールの導電性ペーストにより接続されている計10組についてテスターにより電気抵抗を測定し、体積抵抗に換算して以下の基準で判定した。
○:体積抵抗平均値が3×10-5Ωcm未満
△:体積抵抗平均値が3×10-5Ωcm以上1×10-4Ωcm未満
×:体積抵抗平均値が1×10-4Ωcm以上
<吸湿リフロー耐熱性>
多層配線基板を121℃(0.2MPa相当)の水充填加圧釜プレッシャークッカー試験器に10時間入れて吸水させて、10分かけ試験器内を常圧に戻して開封した。吸水した多層配線基板を、すぐに予め260℃に予熱した半田槽に10秒間浸漬し、速やかに取り出して放冷した後、膨れなどの寸法変化を目視観察により評価し以下の基準で判定した。
○:膨れなどの寸法変化等の変形は全く見られなかった
△:導電性ペースト充填部に相当する箇所で膨れが3ヶ所未満で見られた以外は、寸法変化等の変形は見られなかった
×:導電ペースト充填部に相当する箇所で膨れが3ヶ所以上で見られた
実施例2
ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK450G、Tm=335℃)40質量%と、非晶性ポリエーテルイミド樹脂(Ultem 1000)60質量%とからなる熱可塑性樹脂組成物100質量部に対して、平均粒径5μm、平均アスペクト比50の合成マイカを30質量部混合して得られた組成物を溶融混練し、急冷製膜して100μm厚の非晶性フィルムからなる絶縁基材を得た。
上記絶縁基材を用いて、導電性ペースト中の熱可塑性樹脂として、重量平均分子量50,000のビスフェノールF型フェノキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製 エピコート−フェノキシタイプ)1質量部を用い、熱プレスを温度200℃、圧力2.0MPaで20分間行った以外は実施例1と同様にして、導電性ペースト、多層配線基板用素板を調製し、基材同志の接着・積層、導電性ペーストの硬化・結合を行い、引き続いて温度260℃、圧力2.0MPaで20分間基板の結晶化を行って3層の多層配線基板を得た。得られた多層配線基板について、実施例1と同様にして、印刷加工性、染み出し性、導電性、吸湿リフロー耐熱性を評価した。結果を表1に示す。
実施例3
導電性ペースト中の熱可塑性樹脂として、重量平均分子量50,000のビスフェノールF型フェノキシ樹脂を8質量部用いた以外は実施例2と同様にして絶縁基材、導電性ペースト、多層配線基板用素板を調製し、更に3層の多層配線基板を得た。得られた多層配線基板について、実施例2と同様にして、印刷加工性、染み出し性、導電性、吸湿リフロー耐熱性を評価した。結果を表1に示す。
実施例4
導電性ペースト中の熱可塑性樹脂として、重量平均分子量3,500のビスフェノールA型フェノキシ樹脂(実施例1と同様のもの)5質量部を用いた以外は実施例2と同様にして絶縁基材、導電性ペースト、多層配線基板用素板を調製し、更に3層の多層配線基板を得た。得られた多層配線基板について、実施例2と同様にして、印刷加工性、染み出し性、導電性、吸湿リフロー耐熱性を評価した。結果を表1に示す。
実施例5
導電性ペースト中の熱可塑性樹脂として、重量平均分子量200,000のビスフェノールA型フェノキシ樹脂(実施例1と同様のもの)5質量部を用いた以外は実施例2と同様にして絶縁基材、導電性ペースト、多層配線基板用素板を調製し、更に3層の多層配線基板を得た。得られた多層配線基板について、実施例2と同様にして、印刷加工性、染み出し性、導電性、吸湿リフロー耐熱性を評価した。結果を表1に示す。
実施例6
導電性ペースト中のバインダー樹脂として、マレイミド型ポリイミド樹脂(東亞合成製 MMR)を100質量部、熱可塑性樹脂として重量平均分子量50,000のビスフェノールA型フェノキシ樹脂(実施例1と同様のもの)を5質量部用いた以外は実施例2と同様にして絶縁基材、導電性ペースト、多層配線基板用素板を調製し、更に3層の多層配線基板を得た。得られた多層配線基板について、実施例2と同様にして、印刷加工性、染み出し性、導電性、吸湿リフロー耐熱性を評価した。結果を表1に示す。
実施例7
導電性ペースト中の熱可塑性樹脂として、重量平均分子量8,000の共重合ポリアミド樹脂(東洋紡製バイロマックス)を5質量部、溶剤としてN−メチル−2−ピロリドンを50質量部用いた以外は実施例2と同様にして絶縁基材、導電性ペースト、多層配線基板用素板を調製し、更に3層の多層配線基板を得た。得られた多層配線基板について、実施例2と同様にして、印刷加工性、染み出し性、導電性、吸湿リフロー耐熱性を評価した。結果を表1に示す。
比較例1
導電性ペースト中に熱可塑性樹脂を添加しなかった以外は実施例2と同様にして絶縁基材、導電性ペースト、多層配線基板用素板を調製し、更に3層の多層配線基板を得た。得られた多層配線基板について、実施例2と同様にして、印刷加工性、染み出し性、導電性、吸湿リフロー耐熱性を評価した。結果を表1に示す。
比較例2
導電ペースト中の熱可塑性樹脂として、重量平均分子量50,000のビスフェノールA型フェノキシ樹脂(実施例1と同様のもの)を0.2質量部用いた以外は実施例2と同様にして絶縁基材、導電性ペースト、多層配線基板用素板を調製し、更に3層の多層配線基板を得た。得られた多層配線基板について、実施例2と同様にして、印刷加工性、染み出し性、導電性、吸湿リフロー耐熱性を評価した。結果を表1に示す。
比較例3
導電ペースト中の熱可塑性樹脂として、重量平均分子量50,000のビスフェノールA型フェノキシ樹脂(実施例1と同様のもの)を15質量部用いた以外は実施例2と同様にして絶縁基材、導電性ペースト、多層配線基板用素板を調製し、更に3層の多層配線基板を得た。得られた多層配線基板について、実施例2と同様にして、印刷加工性、染み出し性、導電性、吸湿リフロー耐熱性を評価した。結果を表1に示す。
比較例4
導電ペースト中の熱可塑性樹脂として、重量平均分子量2,000のビスフェノールA型フェノキシ樹脂(実施例1と同様のもの)を5質量部用いた以外は実施例2と同様にして絶縁基材、導電性ペースト、多層配線基板用素板を調製し、更に3層の多層配線基板を得た。得られた多層配線基板について、実施例2と同様にして、印刷加工性、染み出し性、導電性、吸湿リフロー耐熱性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2005353784
本発明の導電性ペースト組成物は多層配線基板の導体配線に用いられ、特に結晶性の熱可塑性樹脂を絶縁基材に用いた多層配線基板の内層部、外層部およびビアホール部の全ての導体配線に用いることができる。
本発明の導電性ペースト組成物を用いて作製した、(a)多層配線基板用素板の一例、及び(b)多層配線基板の一例を示すものであり、絶縁基材の表面上に本発明の導電性ペースト組成物からなる導体配線を凸状に設けた例である。
符号の説明
100: 多層配線基板用素板
101: 絶縁基材
102; 配線回路形成用凸部
103: ビアホール
200: 多層配線基板

Claims (5)

  1. 多層配線基板の内層配線導体、外層配線導体及びビアホール導体から選ばれる少なくとも一つに用いる導電性ペースト組成物であって、導電性粉末、熱硬化性樹脂からなるバインダー樹脂及び該バインダー樹脂100質量部に対し0.5〜10質量部の重量平均分子量3×103〜3×105の熱可塑性樹脂を含有する多層配線基板用導電性ペースト組成物。
  2. 熱可塑性樹脂がフェノキシ樹脂を含む請求項1記載の導電性ペースト組成物。
  3. 導電性粉末が、金、銀、銅、パラジウム、白金、ニッケル、錫及びカーボンから選ばれる少なくとも一種を含む請求項1又は2に記載の導電性ペースト組成物。
  4. バインダー樹脂と導電性粉末との含有割合が、質量比で15/85〜5/95である請求項1〜3のいずれかに記載の導電性ペースト組成物。
  5. 結晶融解ピーク温度が260℃以上である結晶性ポリアリールケトン樹脂と非晶性ポリエーテルイミド樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂組成物を溶融した後急冷して得られる非晶性フィルムからなる絶縁基材の表面及びビアホール部に、導電性ペーストを印刷及び/又は充填して内層及び外層配線導体並びにビアホール導体を形成した配線基板用素板の少なくとも2枚を、上記熱可塑性樹脂組成物のガラス転移温度以上かつ結晶融解開始温度未満の温度で熱融着により積層してなる多層配線基板に用いる請求項1〜4のいずれかに記載の導電性ペースト組成物。


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