JP4725822B2 - 光学的位置ずれ検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハのフォトリソグラフィ製造工程等において、半導体ウエハ等の被検基板上に形成される測定マーク(重ね合わせマーク)における第1のマーク(例えば、下地マーク)に対する第2のマーク(例えば、レジストマーク)の位置ずれ(重ね合わせ位置ずれ)を光学的に検出するために用いられる光学的位置ずれ検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体チップの製造工程の一つであるフォトリソグラフィ製造工程においては、ウエハ上に何段階かに分けられてレジストパターンが形成される。すなわち、各段階毎に、既に形成されているパターン(これを下地パターンと称する)の上に所定のレジストパターンを重ね合わせて形成するのであるが、この各段階毎に下地パターンに対するレジストパターンの重ね合わせ位置ずれを測定検出することが要求される。このような重ね合わせ位置ずれの検出のための装置は従来から知られている(例えば、特開2000−77295号公報参照)。この重ね合わせ位置ずれ測定は、レジストパターン形成時に基板上に形成した下地マークの上にレジストマークを形成して測定マークを形成しておき、光学的位置ずれ検出装置(重ね合わせ位置ずれ検出装置)を用いて、測定マークに照明光を照射するとともにその反射光から測定マークの像をCCDカメラ等で撮像し、撮像した像を画像処理して下地マークに対するレジストマークの重ね合わせ位置ずれ量を測定するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このように光学的に重ね合わせ位置ずれ測定を行う場合、測定光学系(すなわち、測定マークに照明光を照射する照明光学系および測定マークからの反射光を集光結像させる集光光学系)に光学的な収差が発生することが避けられず、このような収差、特に光軸に対して非回転対称な収差が測定視野領域内に存在すると、重ね合わせ位置ずれ測定値の測定誤差TIS(Tool Induced Shift)が生ずる。このような測定誤差TISの発生要因となる非回転対称収差量は測定視野領域に依存して変化するため、非回転収差量が最小となるような測定視野領域を設定することが要求される。
【0004】
測定視野領域については、測定誤差の観点からみて、測定マークの種類(例えば、測定マークにおけるレジストマークの高さ、下地の高さもしくは深さ、反射率、大きさ等)に応じてそれぞれ最適な視野領域が相違する。このため、たとえ同一の測定光学系であっても、多種の測定マークのそれぞれについて最適となる視野領域の調整を行う必要があり、視野領域の調整が難しく、且つ時間のかかる作業となるという問題があった。
【0005】
本発明はこのような問題に鑑みたもので、どのような測定マークに対しても最適となる共通の視野領域を探し出して設定することができ、測定マークの種類毎に視野領域の調整を行う必要がなくなるような構成の光学的位置ずれ検出装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的達成のため、本発明に係る光学的位置ずれ検出装置は、第1のマーク(例えば、下地マーク)の上に第2のマーク(例えば、レジストマーク)が形成されてなる測定マークを照明する照明光学系と、測定マークからの反射光を集光して測定マークの像を結像させる結像光学系と、結像光学系により結像された測定マークの像を撮影する撮像装置と、撮像装置により得られた画像信号を処理して第1のマークに対する第2のマークの重ね合わせ位置ずれを測定する画像処理装置と、撮像装置により測定マークの像を撮像するための視野領域を調整する視野領域調整機構とを有して構成され、視野領域調整機構は、照明光学系に設けられた視野絞りと、視野絞りの位置を調整する視野絞り位置調整機構と、撮像装置の位置を調整する撮像位置調整機構とからなり、視野絞りと撮像装置における撮像面とが光学的に共役な位置に配設されており、視野絞り位置調整機構による視野絞りの位置調整に応じて撮像位置調整機構による撮像装置の位置調整を行うように構成されており、視野領域調整機構は、撮像装置の視野領域内にL/Sマークの像を結像させたときにおける前記L/Sマークの像の非対称性のフォーカス特性曲線が、視野中心に対して対称となる特性を有するように視野領域を調整する。
【0007】
さらに好ましくは、L/Sマークが、所定線幅および高さを有し、等ピッチで平行に延びる複数の線状マークからなり、撮像装置により撮像されたL/Sマークの像を画像処理装置により処理して画像信号強度を求め、複数の線状マークの幅方向左右の段差位置における信号強度差ΔIを求めるとともに全ての線状マークについて求めた信号強度差ΔIを平均してL/Sマークの像の非対象性を示すQ値(Q=Σ(ΔI/I)/n :但しnは線状マークの数)を求め、次に、視野領域調整機構によりL/Sマークを光軸方向に移動させてこの光軸方向位置の変化に対応するQ値を求めてQ値のフォーカス特性を求めるQZ調整を行う。
【0008】
上記光学的位置ずれ検出装置において、好ましくは、視野領域調整機構によるL/Sマークの像の非対称性のフォーカス特性曲線に基づく視野領域の調整が、L/Sマーク全体について、L/Sマークの光軸方向位置の変化に対応するQ値の変化が小さくなるようにQZ調整を行い、L/Sマークを構成する複数の線状マークを、左領域内に位置する左領域線状マークと、中央領域内に位置する中央領域線状マークと、右領域内に位置する右領域線状マークとに分け、各領域毎にL/Sマークの光軸方向位置の変化に対応するQ値の変化を示すQZ曲線を求める作動を、視野絞り位置調整機構により視野絞りの位置を調整しながら行い、左、中央および右領域それぞれのQZ曲線が視野中心に対して左右対称となるような視野領域を探し出すことにより行われる。
【0009】
上記光学的位置ずれ検出装置において、好ましくは、視野領域調整機構によりL/Sマークの像の非対称性のフォーカス特性曲線に基づいて視野領域を調整する際に、照明光学系に設けられる照明開口絞りの光軸に直角な方向の位置調整を行って照明テレセン調整を行い、結像光学系に設けられる結像開口絞りの光軸に直角な方向の位置調整を行って結像光束のケラレ調整を行い、結像光学系を構成する少なくとも一部のレンズを光軸に対して垂直に移動させて偏心コマ収差の補正を行うように構成される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。図1に本発明に係る光学的位置ずれ測定装置の一例を示している。なお、説明の容易化のため、図1において紙面に垂直な方向をX軸方向、左右に延びる方向をY方向、上下に延びる方向をZ方向とする。
【0011】
その測定装置は、ウエハ51の上に形成された測定マーク52におけるレジストマークの重ね合わせ位置ずれを測定するものであり、測定に際してウエハ51は、回転および水平移動(X−Y方向移動)可能で、且つ上下移動(Z方向移動)可能に構成されたステージ50の上に載置される。測定マーク52は、ウエハ51の下地パターンの上に所定のレジストパターンをフォトリソグラフィー工程により形成させるときに、例えば図2に示すように、ウエハ51の端部に形成された矩形状の下地マーク53の上に矩形状のレジストマーク54を形成して作られており、本発明に係る光学的位置ずれ測定装置により、下地マーク53に対するレジストマーク54の重ね合わせ位置ずれを測定する。
【0012】
この光学的位置ずれ測定装置は、測定マーク52に照明光を照射するための照明光学系10と、測定マークからの反射光を集光して測定マークの像を結像させる結像光学系20と、このように結像された測定マークの像を撮影する撮像装置30と、撮像装置により得られた画像信号を処理する画像処理装置35とを備える。
【0013】
まず、照明光学系10は、照明光源11、照明開口絞り12およびコンデンサーレンズ13を備え、照明光源11から射出される照明光束は照明開口絞り12により特定の光束系に絞られてコンデンサーレンズ13に入力されて集光される。コンデンサーレンズ13によって集光された照明光は視野絞り14を均一に照明する。視野絞り14は、図1においてハッチングを施して示すように、矩形状の絞り開口S1を有する。視野絞り14は視野絞り位置調整機構40によりX−Z方向に移動自在(すなわち、紙面に垂直な上下に延びる面内で移動自在)に支持されている。
【0014】
視野絞り14の視野開口S1を透過して射出される照明光は照明リレーレンズ15に入射し、この照明リレーレンズ15によってコリメートされて平行光束となった状態でハーフプリズム16に入射する。ハーフプリズム16において反射された照明光は下方に出射され、第1対物レンズ17によって集光されてウエハ51上の測定マーク52を垂直に照射する。ここで、視野絞り14と測定マーク52とは照明光学系10において共役な位置に配設されており、ウエハ51の測定マーク52に対して、視野開口S1の形状に対応する矩形状の領域が照明光により照射される。
【0015】
このようにして測定マーク52を含むウエハ51の表面に照明光が照射されて出てくる反射光が、結像光学系20を介して撮像装置30に導かれる。具体的には、この反射光は第1対物レンズ17によってコリメートされて平行光束となり、ハーフプリズム16を通過して、ハーフプリズム16の上方に配設された第2対物レンズ21によって一次結像面28に測定マーク52の像を形成する。さらに、第1結像リレーレンズ22を透過し、結像開口絞り23により特定の光束径に絞られ、第2結像リレーレンズ24によって二次結像面29に測定マーク52の像を形成する。
【0016】
この二次結像面29と撮像面31とが一致するようにCCDカメラ(撮像装置)30が配設されており、測定マーク52の像がCCDカメラ30により撮像される。そして、CCDカメラ30により得られた画像信号が画像処理装置35に送られて後述するように信号処理される。この構成から分かるように、測定マーク52と撮像面31とは共役な位置関係にある。なお、CCDカメラ30は撮像位置調整機構45により、X−Y方向に移動自在(すなわち、紙面に垂直な左右に延びる面内で移動自在)に支持されている。
【0017】
測定マーク52は、図2に示すように、ウエハ51の表面に形成された矩形状の凹部からなる下地マーク53と、フォトリソグラフィー製造工程においてレジストパターンの形成と同時に下地マーク53の上に形成されるレジストマーク54とから構成される。フォトリソグラフィー製造工程において、レジストマーク54は下地マーク53の中央に位置して形成されるように設定されており、下地マーク53に対するレジストマーク54の位置ずれ量が下地パターンに対するレジストパターンの重ね合わせ位置ずれ量に対応する。このため、図2に示すように、下地マーク53の中心線C1とレジストマーク54の中心線C2との間隔Rを重ね合わせ位置ずれ量として上記の構成の光学的位置ずれ検出装置により測定される。なお、図2に示す重ね合わせ位置ずれ量RはY軸方向(横方向)の位置ずれ量であるが、これと直角方向すなわちX軸方向(縦方向)の位置ずれ量も同様に測定される。
【0018】
このようにして測定マーク52における重ね合わせ位置ずれ量Rの測定を行うときに、測定光学系(すなわち、照明光学系10および結像光学系20)に収差、特に、非回転対称な収差が存在すると、この重ね合わせ位置ずれ量Rの測定値に測定誤差TISが含まれるという問題がある。この測定誤差TISについて、簡単に説明する。この測定は、図3(A)および(B)に示すように、測定マーク52を0度と180度との二方向について行う。すなわち、まず、図3(A)に示すように、仮想的に示した位置マーク53aが左に位置する状態で下地マーク53に対するレジストマーク54の重ね合わせ位置ずれ量R0を測定し、次に図3(B)に示すように、測定マーク52を180度回転させて、仮想位置マーク53aが右に位置する状態で重ね合わせ位置ずれ量R180を測定し、次式(1)により測定誤差TISを計算する。
【0019】
【数1】
TIS = ( R0 + R180 )/2 ・・・(1)
【0020】
式(1)から分かるように、下地マーク53に対してレジストマーク54の重ね合わせ位置ずれがあっても、式(1)により演算される測定誤差TISは理論的には零になるべきものである。しかしながら、測定光学系に光学的な収差、特に非回転対称な収差があるばあい、測定マーク52を上記のように180度回転させても、この収差は回転される訳ではないため、式(1)の計算結果から収差の影響のみに対応する値が測定誤差TISとして求められる。
【0021】
このような光学的収差により発生する測定誤差TISを含んだままで、上述した光学的位置ずれ測定装置により重ね合わせ位置ずれ量Rを測定したのでは、正確な重ね合わせ位置ずれ量Rを測定することができない。このため、本発明に係る光学的位置ずれ測定装置においては、上記測定誤差TISの影響をできる限り抑えるような視野領域調整を行うようにしており、これについて以下に説明する。
【0022】
視野領域の調整は、図4に示すような形状のL/Sマーク60を有したウエハを、図1に示す装置におけるウエハ51に代えてステージ50の上に載置し、照明光学系11によりL/Sマーク60を照明してCCDカメラ30により撮像されたL/Sマーク像を画像処理することにより行われる。このL/Sマーク60は、図4(A)および(B)に示すように、線幅3μm、段差0.085μm(照射光λの1/8相当)で、ピッチ6μmの平行に延びる複数の線状マーク61〜67からなるマークである。
【0023】
CCDカメラ30により撮像されたL/Sマーク像を画像処理装置35により処理して画像信号強度を求めると、そのプロファイルは図4(C)に示すようになる。ここで、各線状マーク61〜67の段差位置において信号強度が低下するが、各線状マーク毎における左右両側の段差位置での信号強度差ΔIを求め、これを全線状マーク61〜67について平均することにより、L/Sマーク像の非対象性を示すQ値(Q=1/7×Σ(ΔI/I))を求める。次に、ステージ50を上下方向(Z方向)に移動させてL/Sマーク60をZ方向に移動させ、各高さ位置(Z方向位置)毎にQ値を求めてQ値のフォーカス特性を求めると、例えば図5に示すようなQZ曲線が得られる。
【0024】
図5には、二種類のQZ曲線、すなわち、QZ曲線(1)およびQZ曲線(2)を示しており、QZ曲線(1)の場合には非回転対称な収差が大きく、QZ曲線(2)の場合には非回転対称な収差が小さい。このため、QZ曲線(2)となるような調整を行えば良いと考えられる。
【0025】
このような調整(これをQZ調整と称する)について以下に簡単に説明する。上記QZ曲線の形状は、照明テレセン(照明光の傾斜)、結像光束のケラレ、偏心コマ収差等により定まる。よって、QZ調整では、照明開口絞り12のX軸方向およびZ軸方向の位置調整を行って照明テレセン(照明光の傾斜)調整を行い、結像開口絞り23のX軸方向およびY軸方向の位置調整を行って結像光束のケラレ調整を行う。さらに、これらレンズ21,22のレンズ系全体または一部のレンズを光軸に対して垂直に偏心駆動することにより偏心コマ収差の補正を行う。
【0026】
本発明では視野領域調整を以下のようにして行う。まず、図4に示すL/Sマーク全体について、図5に示すQZ曲線(1)の状態からQZ曲線(2)の状態となるように、上述したQZ調整法に基づく調整を行う。次に、図4に示すL/Sマーク60を構成する線状マーク61〜67を、左領域L内に位置する左領域線状マーク61〜63と、中央領域C内に位置する中央領域線状マーク63〜65と、右領域R内に位置する右領域線状マーク65〜67とに分ける。そして、各領域毎における線状マークの信号強度差ΔIの平均によりQ値を求め、各領域毎に、図6に示すようにQZ曲線を求める。なお、図6には、このようにして求めた各領域毎のQZ曲線の一例を示しており、この場合には、左領域Lにおいて非回転対称な収差が大きく、中央領域Cおよび右領域Rにおいて非回転対称な収差が小さい。
【0027】
図6に示すような特性を有する視野領域を用いて測定マーク52の像をCCDカメラ30により撮像して、下地マーク53に対するレジストマーク54の重ね合わせ位置ずれ量Rを測定する場合、式(1)により演算される測定誤差TISが発生するのは避けられず、正確な重ね合わせ位置ずれ量Rを求めることが難しい。
【0028】
このため、次に、視野絞り位置調整機構40により視野絞り14の位置を調整し、測定光学系における視野領域を変更する。なお、この視野絞り14の位置調整に対応して、視野絞り14と光学的に共役な位置にあるL/Sマーク60の位置およびCCDカメラ30の位置を、それぞれステージ50および撮像位置調整機構45により調整する。そして、このように視野領域調整を行った状態で、再度前述のQZ調整を行った上で、上記と同様にして、左、中央および右領域L,C,R毎にQZ曲線を求める。
【0029】
このようにして視野領域を変更しながら求めた左、中央および右領域L,C,R毎のQZ曲線が、図7に示すように、視野中心に対して左右対称となるような視野領域を探し出す。そして、この視野領域を用いて測定マーク52の重ね合わせ位置ずれを測定する。L/Sマーク像のQZ曲線(非回転対称性を示すフォーカス特性曲線)が図7に示すような特性となる視野領域の場合には、例えば、L/Sマーク60を180度回転させても、左右領域におけるQZ曲線が対象であるため、光学的にほぼ同一の特性となる。
【0030】
このため、この視野領域において、測定マーク52の像をCCDカメラ30により撮像して、下地マーク53に対するレジストマーク54の重ね合わせ位置ずれ量Rを測定すれば、式(1)による演算において、重ね合わせ位置ずれ量R0に含まれる非回転対称な収差に基づく誤差と、重ね合わせ位置ずれ量R180に含まれる非回転対称な収差に基づく誤差とが相殺され、測定誤差TISは非常に小さくなり、正確な重ね合わせ位置ずれ量Rを求めることができる。このように、式(1)による演算において、重ね合わせ位置ずれ量R0に含まれる非回転対称な収差に基づく誤差と、重ね合わせ位置ずれ量R180に含まれる非回転対称な収差に基づく誤差とが相殺されるような視野領域を設定するものであるため、測定マークの種類に拘わらず常に正確な重ね合わせ位置ずれ量測定が可能である。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、測定マークにおける第1のマーク(下地マーク)と第2のマーク(レジストマーク)との重ね合わせ位置ずれを光学的に検出する場合、視野領域調整機構を用いて、撮像装置による測定マークの撮像が行われる視野領域を、測定光学系が有する全視野領域内において、測定誤差TISが測定マークの種類に拘わらず常に最小とすることができる領域に予め設定することができる。このように予め最適視野領域を設定しておけば、測定マークの種類に拘わらずこのように設定した視野領域を用いて重ね合わせ位置ずれ測定が可能であり、効率の良い調整ができる。
【0032】
このため、視野領域調整機構は、撮像装置の視野領域内にL/Sマーク像を結像させたときにおけるL/Sマーク像の非対称性のフォーカス特性曲線に基づいて視野領域を調整するのが好ましい。さらに、視野領域調整機構は、撮像装置の視野領域内にL/Sマーク像を結像させたときにおけるL/Sマーク像の非対称性のフォーカス特性曲線が、視野中心に対して対称となる特性を有するように視野領域を調整するのが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光学的位置ずれ検出装置の構成を示す概略図である。
【図2】上記光学的位置ずれ検出に用いられる測定マークを示す平面図および断面図である。
【図3】上記測定マークを0度および180度回転した位置で示す平面図である。
【図4】視野領域調整のために用いられるL/Sマークを示す平面図および断面図と、L/Sマーク像の画像信号強度プロファイルを示すグラフである。
【図5】L/Sマーク像全体についてのQZ曲線を示すグラフである。
【図6】L/Sマーク像について左、中央および右領域毎でのQZ曲線を示すグラフである。
【図7】L/Sマーク像について左、中央および右領域毎でのQZ曲線を示すグラフである。
【符号の説明】
10 照明光学系
14 視野絞り
20 結像光学系
30 CCDカメラ
35 画像処理装置
40 視野絞り位置調整機構
45 撮像位置調整機構
50 ステージ
51 ウエハ
52 位置マーク
53 下地マーク(第1のマーク)
54 レジストマーク(第2のマーク)
60 L/Sマーク
Claims (4)
- 第1のマークの上に第2のマークが形成されてなる測定マークにおける前記第1のマークと前記第2のマークとの重ね合わせ位置ずれを光学的に検出する装置であって、
前記測定マークを照明する照明光学系と、
前記測定マークからの反射光を集光して前記測定マークの像を結像させる結像光学系と、
前記結像光学系により結像された前記測定マークの像を撮影する撮像装置と、
前記撮像装置により得られた画像信号を処理して前記第1のマークと前記第2のマークとの重ね合わせ位置ずれを測定する画像処理装置と、
前記撮像装置により前記測定マークの像を撮像するための視野領域を調整する視野領域調整機構とを有して構成され、
前記視野領域調整機構は、前記照明光学系に設けられた視野絞りと、前記視野絞りの位置を調整する視野絞り位置調整機構と、前記撮像装置の位置を調整する撮像位置調整機構とからなり、
前記視野絞りと前記撮像装置における撮像面とが光学的に共役な位置に配設されており、前記視野絞り位置調整機構による前記視野絞りの位置調整に応じて前記撮像位置調整機構による前記撮像装置の位置調整を行うように構成されており、
前記視野領域調整機構は、前記撮像装置の視野領域内にL/Sマークの像を結像させたときにおける前記L/Sマークの像の非対称性のフォーカス特性曲線が、視野中心に対して対称となる特性を有するように視野領域を調整することを特徴とする光学的位置ずれ検出装置。 - 前記L/Sマークが、所定線幅および高さを有し、等ピッチで平行に延びる複数の線状マークからなり、
前記撮像装置により撮像された前記L/Sマークの像を前記画像処理装置により処理して画像信号強度を求め、前記複数の線状マークの幅方向左右の段差位置における信号強度差ΔIを求めるとともに全ての前記線状マークについて求めた信号強度差ΔIを平均して前記L/Sマークの像の非対象性を示すQ値(Q=Σ(ΔI/I)/n :但しnは線状マークの数)を求め、次に、前記視野領域調整機構により前記L/Sマークを光軸方向に移動させてこの光軸方向位置の変化に対応するQ値を求めてQ値のフォーカス特性を求めるQZ調整を行うことを特徴とする請求項1に記載の光学的位置ずれ検出装置。 - 前記視野領域調整機構による前記L/Sマークの像の非対称性のフォーカス特性曲線に基づく視野領域の調整が、
前記L/Sマーク全体について、前記L/Sマークの光軸方向位置の変化に対応するQ値の変化が小さくなるように前記QZ調整を行い、
前記L/Sマークを構成する前記複数の線状マークを、左領域内に位置する左領域線状マークと、中央領域内に位置する中央領域線状マークと、右領域内に位置する右領域線状マークとに分け、各領域毎に前記L/Sマークの光軸方向位置の変化に対応するQ値の変化を示すQZ曲線を求める作動を、前記視野絞り位置調整機構により前記視野絞りの位置を調整しながら行い、前記左、中央および右領域それぞれのQZ曲線が視野中心に対して左右対称となるような視野領域を探し出すことにより行われる構成であることを特徴とする請求項2に記載の光学的位置ずれ検出装置。 - 前記視野領域調整機構により前記L/Sマークの像の非対称性のフォーカス特性曲線に基づいて視野領域を調整する際に、前記照明光学系に設けられる照明開口絞りの光軸に直角な方向の位置調整を行って照明テレセン調整を行い、前記結像光学系に設けられる結像開口絞りの光軸に直角な方向の位置調整を行って結像光束のケラレ調整を行い、前記結像光学系を構成する少なくとも一部のレンズを光軸に対して垂直に移動させて偏心コマ収差の補正を行うように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学的位置ずれ検出装置。
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