JPH0992591A - 位置合わせ方法 - Google Patents

位置合わせ方法

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JPH0992591A
JPH0992591A JP7243133A JP24313395A JPH0992591A JP H0992591 A JPH0992591 A JP H0992591A JP 7243133 A JP7243133 A JP 7243133A JP 24313395 A JP24313395 A JP 24313395A JP H0992591 A JPH0992591 A JP H0992591A
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JP
Japan
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alignment
wafer
measurement
shot
fia
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Withdrawn
Application number
JP7243133A
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English (en)
Inventor
Shoji Kawakubo
昌治 川久保
Hiromitsu Iwata
浩満 岩田
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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Publication of JPH0992591A publication Critical patent/JPH0992591A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 FIA方式(撮像方式)のようなアライメン
トセンサを使用して位置合わせを行う場合に、スループ
ットを大きく低下させることなく、位置合わせ精度を向
上する。 【解決手段】 1ロット内の複数のウエハに対してFI
A系、及びLIA系を用いてEGA方式のアライメント
を行い、オフセットについて両方式で求めたパラメータ
の差Siの平均値Sm、及び標準偏差Svを求め(ステ
ップ104〜106)、オフセットについてはLIAパ
ラメータ、それ以外のパラメータについてはFIAパラ
メータを使用して位置合わせを行う(ステップ107,
108)。標準偏差Svが許容値SL以下になってから
は、FIA系のみを用いてEGA方式のアライメントを
行い、オフセットについてはFIAパラメータを記憶し
てある平均値Smで補正する(ステップ114,11
5)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体素
子、撮像素子(CCD等)、液晶表示素子、又は薄膜磁
気ヘッド等を製造するためのリソグラフィ工程で使用さ
れる露光装置において、マスクパターンと感光基板上の
各ショット領域とを位置合わせ(アライメント)するた
めの位置合わせ方法に関し、特に統計的手法を用いて予
測した配列座標に基づいて各ショット領域の位置決めを
行う場合に適用して卓効ある位置合わせ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に半導体素子は、ウエハ上に例えば
数層〜十数層の回路パターンを重ね合わせて形成される
ので、ステッパー等の投影露光装置で2層目以降の回路
パターンをウエハ上に投影露光する際には、ウエハ上で
既に回路パターンが形成された各ショット領域とこれか
ら露光するマスクとしてのレチクルのパターン像との位
置合わせ、即ちウエハとレチクルとの位置合わせ(アラ
イメント)を高精度に行う必要がある。斯かる位置合わ
せを行うためのアライメント装置は、ウエハ上の各ショ
ット領域に付設されたアライメントマーク(ウエハマー
ク)の位置を検出して光電信号を生成するアライメント
センサと、その光電信号を処理してそのウエハマークの
本来の位置からのずれ量を求める信号処理系と、求めた
ずれ量に応じてウエハ、又はレチクルの位置を補正する
位置決め機構と、から構成されている。
【0003】そのアライメントセンサの方式には、大別
して、レチクル上のアライメントマーク(レチクルマー
ク)と、ウエハマークとを投影光学系を介して同時に観
察(検出)するTTR(スルー・ザ・レチクル)方式
と、レチクルマークは検出せずに投影光学系を介してウ
エハマークだけを検出するTTL(スルー・ザ・レン
ズ)方式と、投影光学系から離れた検出系を介してウエ
ハマークだけを検出するオフ・アクシス方式とがある。
【0004】これらの内で、TTR方式、又はTTL方
式に関しては、投影光学系を介してウエハマークを検出
すると共に、投影光学系は露光光に対して最も色収差が
良くなるように設計されているため、望ましい光はレー
ザビーム(単色光)、又は露光光と同じ程度の波長域の
準単色光(例えば水銀ランプのg線、i線等の輝線スペ
クトル)である。従って、TTR方式、又はTTL方式
のアライメントセンサとしては、ドット列パターン状の
ウエハマークとスリット状に集光されるレーザビームと
を相対走査し、所定方向に発生する回折光を検出するこ
とによりそのウエハマークの位置を検出するレーザ・ス
テップ・アライメント(以下、「LSA」と言う)方
式、又は回折格子状のウエハマークに対して複数方向か
らレーザビームを照射し、そのウエハマークから同一方
向に射出される複数の回折光の干渉光の位相よりそのウ
エハマークの位置を検出する2光束干渉方式(以下、
「LIA(Laser Interferometric Alignment )方式」
と言う)のように、検出光としてレーザビームを使用す
るものが主に使用されている。LSA方式、及びLIA
方式のアライメントセンサは、例えば特開平2−272
305号公報に開示されている。
【0005】一方、オフ・アクシス方式では、投影光学
系による制限が無いため、ウエハマークの照明光はどの
ようなものであってもよいため、上述のLSA方式、又
はLIA方式のアライメントセンサも使用できる。更
に、オフ・アクシス方式としては、ハロゲンランプ等か
らの所定の帯域幅(例えば幅200nm程度)の照明光
(ブロードバンド光)でウエハマークを照明し、このウ
エハマークの像を撮像して得られる撮像信号を画像処理
してウエハマークの位置を求める画像処理方式(以下、
「FIA(Field Image Alignment)方式」と呼ぶ)のア
ライメントセンサも使用されている。
【0006】また、それらのアライメント装置を用いて
ウエハの各ショット領域のアライメントを行う方法とし
て、エンハンスト・グローバル・アライメント(以下、
「EGA」と言う)方式のアライメント方法が提案され
ている(例えば特開昭61−44429号公報参照)。
このEGA方式では、ウエハ上の多数のショット領域中
から選択されたショット領域(サンプルショット)に付
設されたウエハマークの位置を検出し、この検出結果を
統計処理することにより、ウエハ上の各ショット領域の
座標位置が算出され、この算出された座標位置に基づい
て各ショット領域の位置決めが行われる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の如き従来のアラ
イメントセンサの内で、FIA方式のアライメントセン
サは、広帯域の照明光を使用するため、ウエハ上に塗布
されたフォトレジスト層での薄膜干渉の影響を受けにく
いと共に、ウエハマークの非対称性の影響を受けにくい
という利点がある。そのため、特にウエハマークの非対
称性が大きい場合や、薄膜干渉の影響を避けたい場合等
には、ウエハマークの位置計測をFIA方式のアライメ
ントセンサで行うことが望ましい。
【0008】しかしながら、FIA方式のアライメント
センサでは、広帯域の照明光を使用するため、光学系の
製造誤差等に起因して僅かに残留してしまう収差(色収
差等)によって、プロセスウエハの種類によってはウエ
ハマークの位置の検出結果に若干のオフセット(プロセ
スオフセット)が重畳される可能性があるという不都合
がある。
【0009】また、上述のEGA方式でアライメントを
行う際にも、特にウエハマークの非対称性が大きい場合
や、薄膜干渉の影響を避けたい場合等には、アライメン
トセンサとしてはFIA方式を使用することが望まし
い。しかしながら、この場合にもプロセスウエハの種類
によっては検出結果にプロセスオフセットが重畳される
可能性がある。更に、EGA方式は位置決め精度とスル
ープット(単位時間当りのウエハの処理枚数)との両方
を高める方式であるため、そのプロセスオフセットの影
響を除くためにスループットが大きく低下するのは望ま
しくない。
【0010】本発明は斯かる点に鑑み、例えばFIA方
式(撮像方式)のようなアライメントセンサを使用して
位置合わせを行う場合に、スループットを大きく低下さ
せることなく、位置合わせ精度を向上できる位置合わせ
方法を提供することを目的とする。更に本発明は、例え
ばFIA方式のようなアライメントセンサを使用してE
GA方式でアライメントを行う際に、スループットを大
きく低下させることなく、位置合わせ精度を向上できる
位置合わせ方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による第1の位置
合わせ方法は、N枚(Nは3以上の整数)の基板に対し
て、順次それら基板上の複数のショット領域から選択さ
れた計測ショットの計測された配列座標に基づいて、そ
れら複数のショット領域のそれぞれを所定の基準位置に
位置決めする位置合わせ方法において、それらN枚の基
板の最初の基板より順次2つのアライメントセンサ(1
0,36)を用いてそれら計測ショットの座標位置を計
測し(ステップ104,105)、それぞれのアライメ
ントセンサ(10,36)による計測値の差のばらつき
(Sv)を求め(ステップ106)、J枚目(Jは1以
上で(N−1)以下の整数)までの基板についての2つ
のアライメントセンサ(10,36)の計測値の差のば
らつき(標準偏差Sv、レンジ等)が所定の許容値(S
L)以下になったときに、(J+1)枚目以降の基板に
ついては2つのアライメントセンサ(10,36)の内
の一方(36)の計測値、及びそれまでに求められた2
つのアライメントセンサ(10,36)の計測値の差に
基づいてそれら複数のショット領域の位置決めを行う
(ステップ115)ものである。
【0012】斯かる本発明によれば、ダイ・バイ・ダイ
方式、又はEGA方式等で位置合わせを行う際に、処理
対象とするN枚の基板の先頭からJ枚の基板について
は、例えば撮像方式(FIA方式)の第1のアライメン
トセンサ(36)と、例えばLIA方式の第2のアライ
メントセンサ(10)とで計測を行って、例えばオフセ
ットについては、その第2のアライメントセンサ(1
0)の計測値を用いるため、そのオフセットの計測結果
の差Si、この差Siの平均値Sm、及びその差Siの
例えば標準偏差Svを求めて記憶する。
【0013】この際に、予めそのN枚の基板を処理する
ためのプロセスに応じて2種類のアライメントセンサ
(10,36)で計測を行う最低の基板の枚数Kと、そ
の差Siの標準偏差Svの許容値SLとを入力してお
く。アライメント誤差の許容値は各プロセス毎に異なる
ので、その差Siのばらつきの許容値SLも異なり、許
容値SLの希望値はプロセス毎に決定される。そして、
K枚の基板の計測終了後、その差Siの標準偏差Svに
ついて、Sv≦SLであれば、(K+1)枚目以降の基
板の位置合わせ行うときは、第1のアライメントセンサ
(36)のみを使って計測を行い、オフセットのみは記
憶した平均値Smで補正する。一方、Sv>SLであれ
ば、(K+1)枚目以降のウエハについても、Sv≦S
Lを満たすまでは2種類のアライメントセンサ(10,
36)を用いてアライメントを行う。これによって、ス
ループットをあまり低下させることなく位置合わせ精度
を高くできる。
【0014】本発明による第2の位置合わせ方法は、N
枚(Nは3以上の整数)の基板のそれぞれに対して、そ
れら基板上に2次元的に配列された複数のショット領域
の内、予め選択された少なくとも3つの計測ショット
(S1 〜S8)のそれら基板の移動位置を規定する静止座
標系(X,Y)上における座標位置を計測し、この計測
結果を統計演算することによってそれら複数のショット
領域のそれぞれの静止座標系(X,Y)上における座標
位置を算出し、このように算出された座標位置に基づい
てそれら複数のショット領域のそれぞれを所定の基準位
置に対して順次位置合わせする方法において、そのN枚
の基板の内のJ枚目(Jは2以上で(N−1)以下の整
数)までの基板の内の少なくとも1枚については、2つ
のアライメントセンサ(10,36)を使ってそれら計
測ショットの座標位置の計測を行うと共に、それぞれの
アライメントセンサ(10,36)での計測値の統計演
算結果の差を求めて記憶し(ステップ104〜10
6)、(J+1)枚目以降の基板に対して、2つのアラ
イメントセンサ(10,36)の内の一方(36)のみ
でそれら計測ショットの座標位置の計測を行い、この計
測結果を統計演算した結果を、既に記憶されている2つ
のアライメントセンサ(10,36)での計測値の統計
演算結果の差で補正し、この補正結果に基づいてその
(J+1)枚目以降の基板の複数のショット領域のそれ
ぞれを位置合わせし(ステップ114〜116)、その
J枚目の基板の判定を行うために、そのJ枚目までの基
板についての2つのアライメントセンサ(10,36)
の一方、又は両方の計測値のばらつきを用いる(ステッ
プ111)ものである。
【0015】斯かる本発明の第2の位置合わせ方法は、
例えばEGA方式で位置合わせを行う場合に関するもの
である。この場合、例えば先頭からJ枚目までの基板に
ついては2種類のアライメントセンサ(10,36)を
使って同一の計測ショット(サンプルショット)の配列
でEGA方式でアライメントを行う。そして、両センサ
の計測値について統計演算処理を行ってEGAパラメー
タ値を計算し、その中の例えばオフセットのパラメータ
については、2つのセンサ間の差Siを求め、差Siの
平均値Sm、及び例えば標準偏差Svを求めて記憶す
る。そして、所定枚数の計測終了後、オフセットの差S
iの標準偏差Svが所定の許容値SL以下であれば、
(J+1)枚目以降のウエハを露光するときは第1のア
ライメントセンサのみを使ってEGA方式でアライメン
トを行い、オフセットのみは記憶した平均値Smで補正
する。また、そのJ枚目の判定は、例えば初めてその標
準偏差Svがその許容値SL以下になるときの基板の枚
数とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明による位置合わせ方
法の第1の実施の形態につき図面を参照して説明する。
図2は本例で使用されるステッパー型の投影露光装置の
要部の構成を示し、この図2において、露光用の照明光
(水銀ランプからのg線、i線、あるいはエキシマレー
ザ光源からの紫外線パルス光等)ILはコンデンサーレ
ンズCLを介してレチクルRのパターン領域PAを均一
な照度分布で照射する。パターン領域PAを通った照明
光ILは、例えば両側(片側でもよい)テレセントリッ
クな投影光学系PLに入射し、ウエハWに達する。投影
光学系PLは照明光ILの波長に関して最良に収差補正
されており、その波長のもとでレチクルRとウエハWと
は互いに共役になっている。以下では、投影光学系PL
の光軸AXに平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で
図2の紙面に平行にX軸を取り、図2の紙面に垂直にY
軸を取って説明する。
【0017】さて、レチクルRは2次元的に微動可能な
レチクルステージRSに保持され、レチクルRはその周
辺に形成されたレチクルアライメントマークがミラー1
6、対物レンズ17、マーク検出系18からなるレチク
ルアライメント系で検出されることによって、投影光学
系PLの光軸AXに関して位置決めされる。一方、ウエ
ハWは駆動系13によって2次元的に移動するウエハス
テージST上に載置され、ウエハステージSTの座標値
は干渉計12により逐次計測される。ステージコントロ
ーラ14は干渉計12からの座標計測値等に基づいて駆
動系13を制御して、ウエハステージSTの移動や位置
決めを制御する。ウエハステージST上にはベースライ
ン計測等で使用する基準マークFMが設けられている。
ベースライン計測とは、アライメントセンサの検出中心
と、投影光学系PLの露光フィールドの中心との間隔
(ベースライン)の計測を行うことであり、本例ではそ
のベースラインは予め求められている。
【0018】次に、本例でウエハW上の各ショット領域
に付設されているアライメントマークとしてのウエハマ
ークにつき説明する。図3(a)はウエハW上の1つの
ショット領域Sn と、このショット領域Snに付設され
たウエハマークMXn ,MYn との位置関係を示し、こ
の図3(a)において、ショット領域Sn の4辺はスク
ライブラインSCLで囲まれ、スクライブラインSCL
の直交する2辺のそれぞれの中心部分にX方向に所定ピ
ッチで配列されたウエハマークMXn 、及びY方向に所
定ピッチで配列されたウエハマークMYn が形成されて
いる。ショット領域Sn の中心点SCは、露光時には投
影光学系PLの光軸AX上にある。そして、ウエハマー
クMXn ,MYn はそれぞれ中心SCを原点にX方向、
Y方向のそれぞれに伸びた直線CX,CY上に位置す
る。ウエハマークMXn はX方向の位置検出に使われ、
ウエハマークMYnはY方向の位置検出に使われ、それ
ぞれ複数本の線状パターンを平行に並べたマルチマーク
となっている。
【0019】図3(b)はウエハマークMXn の拡大図
であり、Y方向に伸びた5本の線状パターンP1
2 ,P3 ,P4 ,P5 がX方向にほぼ一定のピッチで
配列されている。図3(c)はそのウエハマークMXn
のX方向の断面構造を示し、ここでは5本の線状パター
ンP1 〜P5 はウエハWの下地から突出した凸状に形成
され、その上面はフォトレジスト層PRで被覆されてい
る。図3(a)にも示したように、ショット領域Sn
中心SCを通るY軸と平行な直線CXはウエハマークM
n の中央の線状パターンP3 の幅中心を通るものとす
る。なお、ウエハマークMYn に関しても同様で、5本
の線状パターンからなり、中央の線状パターンの中心線
が直線CYと一致している。
【0020】図2に戻り、本例では、第1のアライメン
トセンサとしてのオフ・アクシス方式でFIA方式(撮
像方式)のアライメントセンサ(以下、「FIA系」と
呼ぶ)36と、第2のアライメントセンサとしてのTT
L方式でLIA方式(2光束干渉方式)のアライメント
センサ(以下、「LIA系」と呼ぶ)10とが設けられ
ている。本例では、図3に示すウエハマークMXn ,M
n をTTL方式のLIA系10と、オフ・アクシス方
式のFIA系36とで共通に検出対象とする。なお、L
IA系10とFIA系36とで検出対象とするウエハマ
ークを別にしてもよい。この場合、異なる種類のウエハ
マークの位置ずれ量が予め求められていれば問題は無
い。
【0021】次にアライメントセンサの構成につき詳細
に説明する。先ず、後者のLIA系10において、レー
ザ光源1からのレーザビームLBはHe−Neレーザ光
等の赤色単色光で、ウエハW上のフォトレジスト層に対
して非感光性である。このレーザビームLBは音響光学
変調素子等を含むヘテロダインビーム生成光学系2に入
射し、ヘテロダインビーム生成光学系2から周波数が僅
かに異なり互いに可干渉の2本のレーザビームLB1及
びLB2が所定の交差角で射出される。
【0022】射出された2本のレーザビームLB1,L
B2は、ミラー3a、レンズ系4を経て一度フーリエ変
換された後、ミラー3b、対物レンズ6を経て逆フーリ
エ変換された後、レチクルRの下方に45°の傾斜角で
斜設されたミラー7で反射されて投影光学系PLの視野
の周辺に入射する。そして、レーザビームLB1,LB
2は投影光学系PLの瞳EP付近で再びフーリエ変換さ
れた後、それぞれ平行光束としてウエハW上にXZ平面
内で所定の交差角で入射する。この場合、ミラー7はレ
チクルRのパターン領域PAの周辺よりも外側で、且つ
投影光学系PLの視野内にあるように固定される。従っ
て、ウエハW上で交差するレーザビームLB1,LB2
は、パターン領域PAの投影像の外側に位置する。この
交差する1対のレーザビームによってウエハWの各ショ
ット領域に付設された回折格子状のウエハマークのX方
向の位置を検出するには、そのウエハマークのピッチと
2つのレーザビームの交差角とを所定の関係にして、そ
のウエハマークから回折格子が同一方向に射出されるよ
うにする。
【0023】図5は、ウエハW上の所定のウエハマーク
MXn に2本のレーザビームLB1,LB2が対称に照
射されている状態を示し、この図5において、ウエハマ
ークMXn から一方のレーザビームLB1の+1次回折
光と他方のレーザビームLB2の−1次回折光とよりな
る回折光LB3が垂直上方に射出されている。レーザビ
ームLB1及びLB2は周波数が僅かに異なる可干渉光
であるため、回折光LB3は、その周波数差をビート周
波数として光強度が変化するヘテロダインビームであ
る。また、そのウエハマークMXn のX方向の位置に応
じてその回折光LB3の位相が変化するため、その回折
光LB3を光電変換して得られるビート信号の位相を、
例えば参照用のヘテロダインビームを光電変換して得ら
れるビート信号の位相と比較することにより、そのウエ
ハマークMXn のX方向の位置が極めて高い分解能(例
えば数nm程度)で求められる。
【0024】図2に戻り、ウエハW上のウエハマークか
らほぼ垂直上方に発生する回折光は、投影光学系PL、
ミラー7、対物レンズ6、及びミラー3bを経て、2本
の入射側のレーザビームLB1,LB2の間に配置され
た小型のミラー5で反射されて、受光素子8に達する。
受光素子8で光電変換して得られるビート信号は、干渉
計12からのウエハステージSTの位置計測信号PDS
と共に、LIA演算ユニット9に供給される。LIA演
算ユニット9には、ヘテロダインビーム生成光学系2内
で生成される基準のヘテロダインビームを光電変換して
得られる参照ビート信号も供給され、LIA演算ユニッ
ト9では2つのビート信号の位相を比較して、計測対象
のウエハマークのX方向への位置の情報AP1 を求め、
この情報を主制御系50に供給する。
【0025】このとき、例えば基準ビート信号の位相と
ウエハマークに対応するビート信号の位相とが合致して
いるときには、例えばウエハステージSTのX座標が、
そのままそのウエハマークのX座標となり、基準ビート
信号とウエハマークに対応するビート信号との位相がず
れているときには、その位相のずれ量を変位に換算した
値に、そのウエハステージSTのX座標を加算した座標
がそのウエハマークのX座標となる。また、ビート信号
の位相はウエハマークの例えば1/2ピッチ周期で36
0°変化するため、予めサーチアライメント(後述)等
により例えばウエハマークの1/2ピッチ以下の精度で
ウエハWの位置決めを行う必要がある。
【0026】以上において、レーザ光源1、ヘテロダイ
ンビーム生成光学系2、ミラー3a,3b、レンズ系
4、ミラー5、対物レンズ6、ミラー7、受光素子8、
LIA演算ユニット9、及び投影光学系PLが、ウエハ
Wに対するLIA系10を構成する。なお、このLIA
系10はX軸用のウエハマークの位置を検出するための
アライメントセンサであり、同一構成でY軸用のウエハ
マークのY方向の位置を検出するためのLIA系(不図
示)も備えられている。
【0027】次に、第1のアライメントセンサとしての
FIA系36において、ハロゲンランプ20から発生し
た広帯域の光は、コンデンサーレンズ21によって光ガ
イド22の一端面に集光される。光ガイド22を通った
光は、フォトレジスト層の感光波長(短波長)域と赤外
波長域とをカットするフィルター23を通って、レンズ
系24を介してハーフミラー25に達する。ここで反射
された照明光は、ミラー26でほぼ水平に反射された
後、対物レンズ27に入射し、更に投影光学系PLの鏡
筒下部の周辺に投影光学系PLの視野を遮光しないよう
に固定されたプリズム(ミラー)28で反射されてウエ
ハWをほぼ垂直に照射する。ここでは図示していない
が、光ガイド22の射出端から対物レンズ27までの光
路中には、適当な照明視野絞りが対物レンズ27に関し
てウエハWと共役な位置に設けられる。また、対物レン
ズ27はテレセントリック系とし、その開口絞り(瞳と
同じ)の面27aには光ガイド22の射出端の像が形成
され、ケーラー照明が行われる。対物レンズ27の光軸
はウエハW上では垂直となるように定められ、マーク検
出時に光軸の倒れによるマーク位置のずれが生じないよ
うになっている。
【0028】さて、ウエハWからの反射光は対物レンズ
28、ハーフミラー25を通り、レンズ系29によって
指標板30に結像される。この指標板30は対物レンズ
27とレンズ系29とによってウエハWと共役に配置さ
れ、矩形の透明窓内にX方向とY方向とのそれぞれに伸
びた直線状の指標マークを有する。従って、ウエハW上
のウエハマークの像は指標板30の透明窓内に結像さ
れ、このウエハマーク像及び指標マークからの光束は、
第1リレー系31を経てハーフミラー32に入射し、ハ
ーフミラー32で2分割された光束が第2リレー系33
X及びSSYを介してそれぞれCCDカメラ等の撮像素
子34X及び34Y上に結像する。撮像素子34X,3
4Yからの撮像信号はFIA(フィールド・イメージ・
アライメント)演算ユニット35に、干渉計12からの
位置計測信号PDSと共に供給される。FIA演算ユニ
ット35は指標板30上の指標マークに対するウエハマ
ーク像のずれを撮像信号の波形に基づいて求める。この
場合、X軸用の撮像素子34Xからの撮像信号を処理す
ることによりウエハマークのX方向の位置が検出され、
Y軸用の撮像素子34Yからの撮像信号を処理すること
によりウエハマークのY方向の位置が検出される。
【0029】図4はX軸用の撮像素子34Xによって検
出されるウエハマークMXn の様子を示し、図4に示す
ように、検出すべきウエハマークMXn の像を指標板3
0(図2参照)上の指標マーク30a,30bの間に位
置決めし、そのときのウエハステージSTの精密なX方
向の位置XAを求めておく。撮像素子34Xはウエハマ
ークMXn の5本の線状パターンP1 〜P5 と指標マー
ク30a,30bとの像を走査線SLに沿って電気的に
走査する。このとき、例えば1本の走査線だけではSN
比の点で不利なので、破線で示したビデオサンプリング
領域VSAに入る複数の水平走査線によって得られる撮
像信号のレベルを水平方向の各画素毎に加算平均すると
よい。撮像信号には両側に指標マーク30a,30bの
それぞれに対した立上りと立下りとの波形部分があり、
これらの位置(画素上の位置)XR1 ,XR2 は予め求
めてあり、その中点の位置XR0 も求めてある。
【0030】一方、撮像素子34XはウエハマークMX
n の明視野像を光電検出しているため、5本の線状パタ
ーンP1 〜P5 のそれぞれの左右の段差エッジでは光の
散乱によって対物レンズ27へ戻る光が極端に減少す
る。このため、線状パターンP 1 〜P5 のそれぞれの左
エッジ、右エッジは黒い線のように撮像される。従っ
て、撮像信号上の波形は各線状パターンの左エッジ、右
エッジに対応した位置でボトムとなる。
【0031】FIA演算ユニット35は、このような波
形に基づいてウエハマークMXn (パターンP1
5 )の中心(直線CX)のX方向の位置Xmを計算す
る。更に詳しく述べるなら、FIA演算ユニット35は
パターンP1 〜P5 のそれぞれの中心位置を左、右のエ
ッジ位置に基づいて算出した後、5本の線状パターンP
1〜P5 の各位置を加算して5で除算して、中心となる
べきX方向のマーク位置を検出する。
【0032】そして、FIA演算ユニット35は先に求
めておいた位置XR0 とマーク計測位置Xmとの差ΔX
F(=XR0 −Xm)を算出し、ウエハステージSTが
位置決めされたときの位置XAに差ΔXFを加えて得ら
れた値をマーク位置情報AP2として主制御系50に出
力する。また、FIA系36において、フィルター23
を通ったウエハWの照明光は、ウエハW上のウエハマー
クを含む局所領域(ショット領域よりも小さい)をほぼ
均一な照度で照明し、波長域は200nm程度の幅に定
められる。
【0033】そして、ハロゲンランプ20から符号順に
FIA演算ユニット35までの部材によって、FIA系
36が構成される。また、対物レンズ27、レンズ系2
9、リレー系31,33X(又は33Y)によるテレセ
ントリック結像光学系には波長帯域幅で200nm程度
の光が通るため、当然それに対応した色収差の補正を行
っておく必要がある。更に、対物レンズ27のウエハ側
の開口数(N.A.)は投影光学系PLの開口数よりも小さ
くしておくとよい。
【0034】本例ではプリズム28によって、対物レン
ズ27の観察視野域を投影光学系PLの鏡筒下面に一部
もぐり込ませ、極力投影光学系PLの視野に近づけてい
る。一般にこの種の投影露光装置には、投影光学系PL
の結像面とウエハWの表面との間隔(ずれ)を精密に検
出するフォーカスセンサと、ウエハW上のショット領域
の面と投影光学系PLの結像面との相対的な傾きを検出
するレベリングセンサとが設けられている。このフォー
カスセンサやレベリングセンサは、投影光学系PLの投
影視野が存在するウエハW上に斜めから赤外域の光束を
照射し、その反射光の受光位置のずれを求めてフォーカ
スとレベリングを行うように構成されている。この際
に、対物レンズ27の開口数が小さいと、対物レンズ2
7の焦点深度が深くなり、そのフォーカスセンサの検出
結果により合焦を行うと、ほぼFIA系36でも合焦状
態で検出が行われる。
【0035】また、図2中の構成でオフ・アクシス方式
のFIA系36の検出中心(指標板30の中心の共役像
の位置)は投影光学系PLの中心から離れているので、
干渉計12の計測位置と投影光学系PLの中心とを結ぶ
直線、即ち測長軸(測長ビーム中心線)上にそのFIA
系36の検出中心を設けることによって、アッベ誤差
(ステージの傾きによる軸外エラー)を最小限に抑えて
いる。
【0036】また、アライメント実行時はウエハの大ま
かな位置合せのためのサーチアライメント(グローバル
アライメント)と、高精度にアライメントするファイン
アライメントとを行う必要がある。このサーチアライメ
ントに関しては、例えば特開昭60−130742号公
報に開示されているように、TTL方式のアライメント
センサとオフ・アクシス方式のアライメントセンサとを
混用する方法もある。本例の装置では、通常は処理速度
の速いTTL方式のLIA系10によってウエハ上の3
箇所、又は2箇所のウエハマークを検出してサーチアラ
イメントを行うシーケンスを採る。しかしながら、ウエ
ハ下地、又はフォトレジスト層の厚みや種類によってア
ライメントが正常に行われない場合(特にマーク検出が
うまくいかない場合)もあるので、オフ・アクシス方式
の広帯域幅の照明波長を用いたFIA系36を使ってサ
ーチアライメントを実行するようにシーケンスを切換え
る手段も設けられている。この場合、TTL方式のLI
A系10でサーチアライメントを行うときのマーク検出
時間、マーク検出信号の大きさや歪み等を判定して、シ
ーケンスを切り換える。
【0037】次に、TTL方式のLIA系10、オフ・
アクシス方式のFIA系36、及びステージコントロー
ラ14等を統轄制御する主制御系50について説明す
る。主制御系50は干渉計12からの位置情報PDSを
常時入力しているものとする。アライメント(ALG)
データ記憶部501は、LIA演算ユニット9からのマ
ーク位置情報AP1 と、FIA演算ユニット35からの
マーク位置情報AP2 との両方を入力可能となってい
る。
【0038】EGA(エンハンスト・グローバル・アラ
イメント)演算ユニット502は、ALGデータ記憶部
501に記憶された各マーク位置情報に基づいて統計的
な演算手法によりウエハ上の実際のショット配列座標値
を算出するもので、その算出結果はシーケンスコントロ
ーラ506に送られる。詳しくは、特開昭61−444
29号公報に開示されている。
【0039】露光(EXP)ショットマップデータ部5
03はウエハ上の露光すべきショット領域(正確にはこ
れに付設されたウエハマーク)の配列座標値の設計値を
格納し、この設計値はEGA演算ユニット502とシー
ケンスコントローラ506とに送られる。アライメント
(ALG)ショットマップデータ部504はウエハ上の
計測対象とするショット領域(サンプルショット)の配
列座標値の設計値を格納し、この座標値はEGA演算ユ
ニット502とシーケンスコントローラ506とへ送ら
れる。補正データ記憶部505にはアライメント用の各
種データ、あるいは露光ショットに対する位置決めの補
正用のデータ等が格納され、これら補正データはALG
データ記憶部501やシーケンスコントローラ506へ
送られる。シーケンスコントローラ506は上記各デー
タに基づいて、アライメント時やステップ・アンド・リ
ピート方式の露光時のウエハステージSTの移動を制御
するための一連の手順を決定する。
【0040】次に本例の代表的なアライメントシーケン
スを説明する。ここでは高いスループットと、高いアラ
イメント精度との両立を得ることができるエンハンスト
・グローバル・アライメント(EGA)方式について説
明するが、詳細については特開昭61−44429号公
報に開示されているので、その原理についてはここでは
簡単に説明する。
【0041】EGA方式では、ウエハW上の複数個(例
えば3〜9個)のショット領域のウエハマークの位置を
計測し、その計測値に最小自乗近似法を適用して、ウエ
ハステージSTのステージ座標系、即ち干渉計12によ
るX方向、及びY方向の計測値によって規定される座標
系(X,Y)内でのウエハの微小回転誤差(ウエハロー
テーション)θ、ウエハ上のショット配列(又はウエハ
ステージSTの走り)の直交度w、ウエハの線形な微小
伸縮による誤差(ウエハスケーリング)Rx,Ry、及
びウエハのX,Y方向の微小位置ずれであるオフセット
Ox,Oyのパラメータを求める。そして、それら各パ
ラメータを介して設計上のショット配列座標を実際に露
光すべきショット配列座標(ウエハステージSTのステ
ッピング位置座標)に変換して、ウエハ上の各ショット
領域Sn へレチクルRのパターン領域PAの像を重ね合
わせ露光していく。
【0042】ここでウエハ上の各ショット領域Sn の設
計上の配列座標値を(Dxn,Dyn)とし、実際のス
テッピングにより位置決めするウエハの座標値、即ちそ
れら各ショット領域のステージ座標系(X,Y)での配
列座標値を(Fxn,Fyn)とすると次の(数1)の
関係がある。
【0043】
【数1】
【0044】ここで変換行列A,Oは、ウエハスケーリ
ングRx,Ry、ウエハローテーションθ、直交度w、
及びオフセットOx,Oyよりなる6個の変換パラメー
タを用いて、それぞれ近似的に次の(数2)、(数3)
で表される。
【0045】
【数2】
【0046】
【数3】
【0047】そして、ウエハ上の複数のショット領域か
ら予め選択されたショット領域(サンプルショット)に
付設されたウエハマークの位置を計測する。この場合、
n番目(n=1,2,…)のサンプルショットをもSn
で表し、サンプルショットS n に付設されたウエハマー
クMXn ,MYn の位置をアライメントセンサにより計
測して得られた配列座標値を(Mxn,Myn)とす
る。次に、そのサンプルショットSn の設計上の配列座
標(Dxn,Dyn)を(数1)に代入して得られる計
算上の配列座標値を(Fxn,Fyn)として、この配
列座標値(Fxn,Fyn)と実測値(Mxn,My
n)との誤差、即ちアライメント誤差(Exn,Ey
n)(=(Mxn−Fxn,Myn−Fyn))を求め
る。その後、全てのサンプルショットについて求めたア
ライメント誤差の自乗和、即ち残留誤差成分が最小とな
るように、変換行列A,Oの各パラメータの値を決定す
る。
【0048】サンプルショットの個数をM個とすると、
その残留誤差成分は次の(数4)で表される。一例とし
て、その(数4)を6個の変換パラメータで偏微分した
結果をそれぞれ0とおいた連立方程式を解くことによ
り、それら6個の変換パラメータの値が求められ、変換
行列A,Oが定まる。
【0049】
【数4】
【0050】こうして変換行列A,O が決まると、後
は設計上の配列座標(Dxn,Dyn)を(数1)に代
入して、配列座標(Fxn,Fyn)を求め、これに基
づいてウエハステージSTを位置決めして露光していけ
ばよい。ここで図2に示した主制御系50に対応付けて
みると、ウエハ上の全部のショット領域の設計上の配列
座標値(Dxn,Dyn)はEXPショットマップデー
タ部503に記憶され、サンプルショットの設計上の座
標値はALGショットマップデータ部504に記憶さ
れ、そして(数1)〜(数3)、及び変換行列A,Oを
決定する最小自乗近似の演算式はEGA演算ユニット5
02に記憶されている。
【0051】本例では、2つのアライメントセンサが備
えられているため、サンプルショットの各ウエハマーク
の座標値を検出するアライメントセンサによって、得ら
れる(数1)の変換行列A,Oのパラメータが2通りと
なる。即ち、LIA系10の計測結果に基づいてEGA
方式のアライメントを実行すると、(数1)中の6個の
変換パラメータ、即ちウエハスケーリングRx,Ry、
ウエハローテーションθ、直交度w、及びオフセットO
x,Oyが求められる。同様に、FIA系36の計測結
果に基づいてEGA方式のアライメントを実行すると、
(数1)中の6個の変換パラメータ、即ちウエハスケー
リングRx,Ry、ウエハローテーションθ、直交度
w、及びオフセットOx,Oyが求められる。しかしな
がら、例えばFIA系36の計測結果に基づいて得られ
た変換パラメータ中には、所定の偏りのあることがあ
る。そこで、そのような偏りのあるパラメータについて
は、LIA系10の計測結果に基づいて得られる変換パ
ラメータで補正して使用することとする。
【0052】次に、本例において1ロットのウエハにつ
いて、それぞれEGA方式で位置合わせ(アライメン
ト)を行いながら露光を行う場合の動作の一例につき、
図1のフローチャートを参照して説明する。以下の動作
は、ウエハ上の所定の回路パターン層(プロセスレイ
ヤ)への露光を行う場合の動作を示している。そして、
そのプロセスレイヤでは、予め試作時の実験及び評価の
結果、FIA方式のアライメントセンサによる計測結果
に基づいて求めたEGAパラメータ中のオフセットO
x,Oyにほぼ一定の傾向を有する誤差、即ち真値から
の所定の偏り(以下、「プロセスオフセット」とも呼
ぶ)が混入しているが、他のパラメータの誤差は小さ
く、一方、LIA方式のアライメントセンサによる計測
結果に基づいて求めたEGAパラメータ中でオフセット
Ox,Oyの誤差は小さいことが分かっているものとす
る。
【0053】先ず、主制御系50に対して、FIA系3
6を用いる第1のEGA方式のアライメントシーケンス
と、LIA系10を用いる第2のEGA方式のアライメ
ントシーケンスとを記憶させ、ウエハ上で計測対象とす
るショット領域(サンプルショット)の配列は、第1及
び第2のEGA方式のアライメントシーケンスで同じに
設定しておく。そして、2つのアライメントシーケンス
によりそれぞれ求められるEGAパラメータの内で、オ
フセットOx,Oyのみは第2のアライメントシーケン
スにより求められたEGAパラメータに基づいて後述の
ように補正を行うが、他のパラメータについては第1の
アライメントシーケンスにより求められたEGAパラメ
ータをそのまま用いるようにしておく。また、プロセス
に応じて、2つのアライメントセンサで計測を行う最小
のウエハの枚数K(Kは2以上の整数)、及び後述の計
測データのばらつきの許容値SLをシーケンスコントロ
ーラ506に設定しておく。
【0054】具体的に、図1のステップ101におい
て、処理対象のウエハの順序を示す変数iを1に設定し
た後、ステップ102において、1ロットの先頭(i=
1)のウエハWを図2のウエハステージST上にロード
する。図6は、露光対象のウエハWを示し、この図6に
おいて、ウエハW上にはウエハW上の座標系(試料座標
系)(x,y)に沿って多数のショット領域が配列され
ているが、その中の計測対象のサンプルショットS1,S
2,…,S8 のみを示してある。その後、ステップ103
において、サーチアライメント(グローバルアライメン
ト)を行う。即ち、ウエハW上には各ショット領域に付
設されるウエハマークとは別に、大まかな位置合わせ用
のアライメントマークが試料座標系(x,y)に沿って
数個形成されている。そこで、例えば図2のLIA系1
0(Y軸用のLIA系も含む、以下同様)、又はFIA
系36によりそれらのアライメントマークのステージ座
標系(静止座標系)(X,Y)での座標値を計測し、こ
の計測結果に基づいて、試料座標系(x,y)からステ
ージ座標系(X,Y)への近似的な変換パラメータ(ウ
エハスケーリング、ウエハローテーション、オフセット
等)を求めて、図2の主制御系50内のEGA演算ユニ
ット502内のメモリに記憶しておく。
【0055】その後、EGA方式のアライメントを行う
際には、計測対象のウエハマークの試料座標系(x,
y)での配列座標と、その近似的な変換パラメータとか
ら、EGA演算ユニット502においてそのウエハマー
クのステージ座標系(X,Y)での座標値が算出され、
この座標値がシーケンスコントローラ506を介してス
テージコントローラ14に供給される。そして、この供
給された座標値に基づいて、計測対象のウエハマークが
FIA系36の観察視野、又はLIA系10からのレー
ザビームの照射領域に移動される。
【0056】次にステップ104において、図2のFI
A系36を用いて、図6のウエハW上のサンプルショッ
トS1 〜S8 の各ウエハマーク(MX1,MY1)〜(MX
8,MY8)のステージ座標系(X,Y)での座標値を計測
して、EGA方式のアライメントを実行する。これによ
り得られる計測値をEGA演算ユニット502で演算処
理することにより、設計上の配列座標からステージ座標
系上の座標への変換パラメータであるEGAパラメータ
(以下、「FIAパラメータ」と呼ぶ)が算出される。
このFIAパラメータは、ウエハスケーリングRx,R
y、ウエハローテーションθ、直交度w、及びオフセッ
トOx,Oyから構成されている。
【0057】その後、ステップ105において、図2の
LIA系10を用いて、図6のウエハW上のサンプルシ
ョットS1 〜S8 の各ウエハマーク(MX1,MY1)〜
(MX 8,MY8)のステージ座標系(X,Y)での座標値
を計測して、EGA方式のアライメントを実行する。こ
れにより得られる計測値をEGA演算ユニット502で
演算処理することにより、設計上の配列座標からステー
ジ座標系上の座標への変換パラメータであるEGAパラ
メータ(以下、「LIAパラメータ」と呼ぶ)が算出さ
れる。このLIAパラメータも、ウエハスケーリングR
x,Ry、ウエハローテーションθ、直交度w、及びオ
フセットOx,Oyから構成されている。
【0058】次のステップ106において、LIAパラ
メータ内のオフセットOx,OyからFIAパラメータ
の内のオフセットOx,Oyをそれぞれ差し引いて差Δ
Ox,ΔOy(以下、まとめて「差Si」と呼ぶ)を算
出し、この差Si、これまでに算出された差S1,S
2,…,Si(但し、先頭のウエハについては、i=1
である)の平均値Sm、及びこれまでに算出された差S
1〜Siの標準偏差Svを算出し、これらの値を主制御
系50内の補正データ記憶部505に格納する。この場
合、平均値Smは実際には、1番目〜i番目のウエハに
ついての差ΔOx,ΔOyのそれぞれの平均値よりなる
ベクトル量であり、標準偏差Svも差ΔOx,ΔOyの
それぞれの標準偏差を指す。但し、標準偏差Svとして
は、差ΔOx,ΔOyのそれぞれの標準偏差の和、又は
差ΔOx,ΔOyの絶対値(=(ΔOx2 +ΔOy2)
1/2)の標準偏差等を使用してもよい。
【0059】そして、ここで計測を行ったウエハWに対
しては、ステップ107において、ウエハスケーリング
Rx,Ry、ウエハローテーションθ、直交度wについ
ては、FIAパラメータの値を使用し、オフセットO
x,OyについてはLIAパラメータの値を使用して、
EGA演算ユニット505により設計上の配列座標から
全ショット領域のステージ座標系(X,Y)での配列座
標(露光座標)を算出する。その後、ステップ108に
移行して、ステップ107で算出された配列座標をシー
ケンスコントローラ506を介してステージコントロー
ラ14に順次供給することにより、ウエハW上の各ショ
ット領域を順次投影光学系PLの露光フィールド内に位
置決めしてそれぞれレチクルRのパターン像を露光す
る。
【0060】1枚目のウエハWの全ショット領域への露
光が終了した後、変数iの値に1を加算して(ステップ
109)、ステップ110で変数iの値が予め設定され
ている枚数Kを超えたかどうかを判定し(ステップ11
0)、変数iが枚数K以下であるとき(i≦K)には、
動作はステップ102に戻って2つのアライメントセン
サを用いたEGA方式でのアライメントが行われる。そ
して、ステップ106で、FIAパラメータとLIAパ
ラメータとの間のオフセットOx,Oyの差Siの平均
値Sm、及びその差Siの標準偏差Svが更新される。
【0061】その後、ステップ110で変数iが枚数K
を超えたときには(i>K)、ステップ111におい
て、ステップ106で求められた標準偏差Svが予め設
定されている許容値SL以下かどうかが調べられる。な
お、標準偏差Svが、オフセットOx,Oyのそれぞれ
について求められているときには、X方向、及びY方向
のオフセットの標準偏差が共に、その許容値SL以下か
どうかが調べられる。この場合、標準偏差Svが許容値
を超えるとき(SV>SL)には、ステップ102に戻
って、2つのアライメントセンサによるアライメントが
行われ、ステップ106で、その標準偏差Svが更新さ
れる。
【0062】一方、変数iがJのとき(J枚のウエハの
処理が終わった後)のステップ111で、標準偏差Sv
がその許容値SL以下となった(Sv≦SL)場合に
は、動作はステップ112に移行して、露光済みのウエ
ハが搬出され、このロット内でその次に露光するi枚目
(ここでは(J+1)枚目)のウエハが図2のウエハス
テージST上にロードされる。
【0063】本例では、同一ロット内ではプロセスの状
態に大きな差はないことを前提として、FIA系36に
よる計測結果に基づいて求めたFIAパラメータ中のオ
フセットOx,Oyに混入されている偏り(プロセスオ
フセット)は、ロット内でほぼ一定値であるとみなす。
そこで、この(J+1)枚目以降のウエハについては、
FIA系36のみでEGA方式のアライメントを行い、
求められたFIAパラメータ中のオフセットOx,Oy
については、ステップ106で求めたJ枚のウエハにつ
いての差Siの平均値Smを用いて補正することとす
る。
【0064】従って、シーケンスとしては、ステップ1
13でステップ103と同様にサーチアライメントを実
行した後、ステップ114に移行してそのi枚目のウエ
ハ上の図6と同じ配列のサンプルショットについて、F
IA系36を用いてウエハマークの座標値を計測し、こ
の計測結果を処理してEGAパラメータ(FIAパラメ
ータ)の値を算出する。続くステップ115において、
ウエハスケーリングRx,Ry、ウエハローテーション
θ、直交度wについては、直前のステップ114で求め
たFIAパラメータの値を使用し、オフセットOx,O
yについては、直前のステップ114で求めたFIAパ
ラメータに、ステップ106で求めて記憶してあるJ枚
のウエハについての差Si(差ΔOx,ΔOy)の平均
値Smを加算した値を使用して、EGA演算ユニット5
02により設計上の配列座標から全ショット領域のステ
ージ座標系(X,Y)での配列座標(露光座標)を算出
する。その後、ステップ116に移行して、ステップ1
15で算出された配列座標に基づいて、ウエハ上の各シ
ョット領域を順次露光位置に位置決めして、それぞれレ
チクルRのパターン像を露光する。
【0065】次に、ステップ117において、このロッ
ト内で露光すべきウエハが残っているかどうかを判定
し、露光すべきウエハがあるときには、ステップ118
で変数iに1を加算した後、ステップ112〜116を
繰り返してアライメント及び露光を行う。そして、ステ
ップ117において露光すべきウエハが尽きたときにこ
の工程を終了する。
【0066】このように本例では、基本的にFIA系3
6を用いてEGA方式でアライメントを行っているた
め、ウエハマークの非対称性の影響やウエハ上のフォト
レジスト層での薄膜干渉の影響を受けにくい利点があ
る。但し、FIA系36の計測結果より算出されるEG
Aパラメータ(FIAパラメータ)の内で、オフセット
Ox,Oyにほぼ一定の偏りがある場合には、オフセッ
トOx,OyについてはLIA系10で計測した結果か
ら求められる差を用いて補正している。従って、オフセ
ットOx,Oyについても、誤差が小さくなり全体とし
て高い位置合わせ精度が得られている。更に、LIA系
10でも計測を行うのはK枚(又はこれより多少多い枚
数)のウエハのみであるため、露光工程のスループット
は殆ど低下しない利点もある。
【0067】なお、図1のステップ104及び105の
ようにEGAパラメータの補正値を求めるためのサンプ
ルショットの個数を、図1のステップ114で計測対象
となるような通常のサンプルショットの個数に比べて多
くしてもよい。更に、そのEGAパラメータの補正値を
求める際に、ウエハ上の全ショット領域をサンプルショ
ットとしてみなして計測を行ってもよい。
【0068】また、上述の例では2つのアライメントセ
ンサとして、FIA方式、及びLIA方式が使用されて
いるが、2つのアライメントセンサとして例えばLSA
(レーザ・ステップ・アライメント)方式、及びFIA
方式を使用する場合にも本発明が適用される。後者の場
合には、例えばウエハスケーリングについてはFIA方
式のアライメントセンサの計測値から求めた値を使用
し、ウエハローテーション、直交度、オフセットについ
てはLSA方式のアライメントセンサの計測値から求め
た値を使用すること等が考えられる。その他、2つのア
ライメントセンサとしては種々の組み合わせが考えられ
る。
【0069】また、上述の例では、図2のFIA系36
がオフ・アクシス方式、LIA系10がTTL方式とな
っているが、FIA系36を例えばTTL方式、又はT
TR方式で使用してもよく、逆にLIA系10をオフ・
アクシス方式、又はTTR方式で使用してもよい。次
に、本発明の第2の実施の形態につき説明する。本例で
も図2の投影露光装置を使用するが、本例ではアライメ
ントに際して、ウエハ上の各サンプルショットにおいて
1対の1次元マークの位置を計測するのではなく、各サ
ンプルショットにおいてそれぞれ3個以上の1次元マー
ク(又は2個以上の2次元マーク)の位置を計測する。
このように各サンプルショットについて、3個以上の1
次元マーク(又は2個以上の2次元マーク)の位置を計
測する方式は、「ショット内多点計測方式」と呼ばれて
いる。
【0070】このショット内多点計測方式によれば、通
常の6個のEGAパラメータ(ウエハスケーリングR
x,Ry、ウエハローテーションθ、直交度w、オフセ
ットOx,Oy)の他に、各ショット領域内でのパター
ンの回転(ショット回転)θCや、各ショット領域内で
のパターンの線形伸縮(ショット倍率)γx,γyも求
めることができる。そして、例えばショット回転θC
応じてレチクルの回転を行い、ショット倍率γx,γy
に応じて投影光学系の投影倍率の調整を行うことによ
り、重ね合わせ精度を高めることができる。この場合、
ショット倍率γx,γyは、ウエハスケーリングRx,
Ry、及びオフセット成分ax,ayを用いて以下のよ
うに表現できる。
【0071】
【数5】γx=Rx+ax,γy=Ry+ay ここで、ウエハスケーリングRx,Ryは、プロセスや
温度等が原因となるウエハ自体の線形伸縮であり、オフ
セット成分ax,ayは前工程のレチクル倍率や投影光
学系の投影倍率等が原因となる成分である。同様に、シ
ョット回転θCも、ウエハローテーションθ、及びオフ
セット成分bを用いて以下のように表現できる。
【0072】
【数6】θC =θ+b これに関して、オフセット成分ax,ay,bの値は、
1つのロット内でほぼ一定の場合がある。この場合に
は、1ロット内の先頭から数枚目までのウエハについて
は、ショット内多点計測方式でアライメントを行い、各
ウエハ毎のオフセット成分ax,ay,bの値の平均値
〈ax〉,〈ay〉,〈b〉を求める。そして、J枚目
までのウエハについての平均値〈ax〉,〈ay〉,
〈b〉を求めたら、(J+1)枚目以降はショット内多
点計測を行わずに、通常(ショット内で1対の1次元マ
ークの位置計測を行う)のEGA方式でアライメントを
行うようにする。そして、EGA方式で求められたウエ
ハスケーリングRx,Ry、及びウエハローテーション
θと、それら平均値〈ax〉,〈ay〉,〈b〉とか
ら、(数5)及び(数6)よりショット倍率γx,γ
y、ショット回転θC を求める。
【0073】この例でも、そのJ枚目の判定は、図1の
実施の形態と同様に、例えばオフセット成分ax,a
y,bの標準偏差と、予め設定したウエハ枚数K及び標
準偏差の許容値SLとを用いて行うことができる。ま
た、ショット倍率γx,γyのオフセット成分(ax,
ay)がロット内で安定しているのに対して、ショット
回転θC のオフセット成分(b)はウエハ毎にばらつい
ている可能性もある。このような場合、オフセット成分
ax,ayのみは平均値〈ax〉,〈ay〉を使い、オ
フセット成分bは各ウエハ毎に計測するようにしてもよ
い。このときは、先頭からJ枚目までのウエハはショッ
ト内多点計測を行い、各ウエハ毎のオフセット成分a
x,ayの平均値〈ax〉,〈ay〉を求める。そし
て、(J+1)枚目以降はショット内マークのうち倍率
成分を決定するためのマークの計測は行わず、回転成分
を決定するためのマークの計測のみを行うようにする。
この場合にも、そのJ枚目の決定を行う際に、上述の例
と同様にオフセット成分aの標準偏差と、予め設定した
ウエハ枚数K及び標準偏差の許容値SLとを用いること
ができる。
【0074】なお、上記の各実施の形態においては、予
め最低計測枚数Kとオフセットの差のばらつきの許容値
SLとを設定して、そのオフセットの差の標準偏差Sv
とその許容値SLとを比較していた。しかし、通常のプ
ロセスでは1ロット内のウエハの枚数はそれ程多くない
ため、統計学で使用されるt分布を使用する方法も有効
である。
【0075】そこで、以下、t分布を使用した本発明に
よる第3の実施の形態につき図7のフローチャートを参
照して説明する。本例でも図2の投影露光装置を使用し
て、EGA方式でアライメントを行うが、図7において
図1に対応する工程には同一符号を付してその詳細説明
を省略する。本例では、初めに2つのアライメントセン
サの計測値から算出されるEGAパラメータ中のオフセ
ットの差のばらつきの許容値SL、及び信頼係数(検定
率)αをシーケンスコントローラ506に設定してお
く。許容値SLは各プロセスの許容値から決定される値
である。そして、図7のステップ101〜108におい
て、図1の例と同様に1ロット内の先頭(i=1)のウ
エハについて、図2のFIA系36、及びLIA系10
を用いてEGA方式でのアライメント及び露光を行う。
【0076】その後、ロット内の2枚目以降のウエハに
ついて、それぞれステップ102〜109を実行して、
2種類のアライメントセンサによる計測値から求めたE
GAパラメータの内で、FIAパラメータとLIAパラ
メータとの間のオフセットOx,Oyの差Si、この差
Siのそれまでの平均値Sm、及びその差Siのそれま
での標準偏差Svを求める。その後、ステップ109で
変数iに1を加算した後、ステップ119で変数iが3
を超えたかどうか、即ち少なくとも3枚のウエハについ
ての露光が行われたかどうかを判定する。これは図1の
ステップ110で使用される枚数Kを3枚とすることに
対応する。そして、変数iが3以下であるときにはステ
ップ102に戻り、変数iが4以上であるときには、動
作はステップ119からステップ120に移行して、ス
テップ106で求められたオフセットの差の標準偏差S
vを次式よりばらつきStに換算する。
【0077】
【数7】 St=t(i−2,α)・Sv/(i−1)1/2 この式で、変数(i−1)はそれまでに計測されたウエ
ハの枚数であり、t(i−2,α)は自由度(i−2)
で、検定率(既に設定されている信頼係数)αのt分布
関数である。
【0078】次のステップ121で、そのばらつきSt
と予め設定されている許容値SLとを比較して、ばらつ
きStが許容値SLより大きいとき(St>SL)に
は、ステップ102に戻って再び2つのアライメントセ
ンサを使用してEGA方式でアライメントを行って、オ
フセットの差の標準偏差Svを更新する。一方、1ロッ
ト内でJ枚のウエハの処理が終わったときに、ステップ
121でばらつきStが許容値以下となったとき(St
≦Sv)には、ステップ112に移行してFIA系36
のみを使用してEGA方式でアライメントを行う。但
し、ステップ115で示すように、EGAパラメータ中
のオフセットOx,Oyのみは、直前に求めたFIAパ
ラメータに、ステップ106で求めた差Siの平均値S
mを加算した補正値を使用する。そして、(J+1)枚
目以降のウエハについては、FIA系36の計測結果、
及びその平均値Smのみを使用してアライメントが行わ
れる。この結果、スループットをあまり低下させること
なく、高いアライメント精度が得られる。
【0079】また、上述の第2の実施の形態において
も、標準偏差をt分布に換算して判定してもよい。更
に、上述の実施の形態とは別の例として、2つのアライ
メントセンサによって求めたFIAパラメータの内のオ
フセットの差Siのばらつきとして、それまでのウエハ
について求めた差S1〜Siのレンジ(範囲)SRiを
用いる方法もある。この場合、予め所定の枚数K、及び
許容値SLを決定しておく。そして、1ロット内のK枚
目のウエハまでは2つのアライメントセンサを用いてE
GA方式でアライメントを行って、オフセットの差Si
のレンジSRiを記憶する。その後、(K+1)枚目以
降のウエハの露光を行う際には、そのレンジSRiが許
容値SL以下であるとき(SR≦SL)には、FIA系
36のみを使ってEGA方式でアライメントを行い、オ
フセットOx,OyのみはFIAパラメータを記憶して
ある差Siの平均値Smで補正する。
【0080】一方、(K+1)枚目以降のウエハについ
ても、レンジSRiが許容値SLより大きいとき(SR
i>SL)には、ウエハ間のばらつきが大きいと判断し
て、2種類のアライメントセンサを用いてアライメント
を行うようにする。この方法でも、上述の実施の形態と
同様の効果が得られる。なお、上述の実施の形態では、
EGA方式として通常のEGA方式が適用されている
が、ウエハ上のサンプルショットに対して例えばウエハ
の中心からの距離に応じて定まる重みを付して得られる
残留誤差成分が最小になるように変換パラメータの値を
決定する、所謂重み付けEGA方式を使用する場合にも
本発明は同様に適用される。
【0081】更に、本発明はEGA方式でアライメント
を行う場合のみでなく、例えばダイ・バイ・ダイ方式で
アライメント及び露光を行う場合にも適用される。例え
ば1ロットのウエハに対してそれぞれダイ・バイ・ダイ
方式でアライメントを行うときには、J数目までのウエ
ハに対して、図2のFIA系36及びLIA系10の両
方でウエハマークの座標検出を行って、LIA系10の
計測結果を用いて各ショット領域の位置合わせを行うと
共に、2つのアライメントセンサによる検出結果の差分
の平均値、及びばらつきを記憶する。そして、(J+
1)枚目以降のウエハについては、FIA系36の計測
結果を記憶してあるその差分の平均値で補正した値に基
づいてアライメント及び露光を行う。また、そのJ枚目
の判定は、その検出結果の差分のばらつきを所定の許容
値SLと比較して行う。これによって、スループットを
あまり低下させることなく、高精度に位置合わせが行わ
れる。
【0082】なお、本発明は上述の実施の形態に限定さ
れず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取
り得ることは勿論である。
【0083】
【発明の効果】本発明の第1の位置合わせ方法によれ
ば、J枚目までの基板については、2つのアライメント
センサの計測値に基づいて位置合わせを行うと共に、そ
れら計測値の差を記憶し、(J+1)枚目以降の基板に
ついては、一方のアライメントセンサでの計測値、及び
記憶してある差に基づいて位置合わせが行われる。従っ
て、その一方のアライメントセンサとして撮像方式(F
IA方式)のアライメントセンサを使用することによ
り、FIA方式のアライメントセンサの長所を活かすこ
とができると共に、スループットをそれ程低下させるこ
となく、高い位置合わせ精度が得られる利点がある。
【0084】同様に、本発明の第2の位置合わせ方法に
よれば、例えばEGA方式でアライメントを行う際に一
方のアライメントセンサとしてFIA方式のアライメン
トセンサを使用する場合に、FIA方式のアライメント
センサの長所を活かすことができると共に、スループッ
トをそれ程低下させることなく、高い位置合わせ精度が
得られる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による位置合わせ方法の第1の実施の形
態が適用された露光動作を示すフローチャートである。
【図2】実施の形態で使用される投影露光装置の要部を
示す構成図である。
【図3】(a)はウエハ上のショット領域及びウエハマ
ークの一例を示す拡大平面図、(b)はウエハマークを
示す拡大平面図、(c)は図3(b)の断面図である。
【図4】FIA方式のアライメントセンサによる観察像
の一例を示す図である。
【図5】LIA方式のアライメントセンサの検出原理の
説明図である。
【図6】実施の形態で露光対象とされるウエハW上のサ
ンプルショットの配列の一例を示す平面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態が適用された露光動
作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
R レチクル PL 投影光学系 W ウエハ ST ウエハステージ 8 受光素子 10 LIA系 34X,34Y 撮像素子 36 FIA系 50 主制御系 502 EGA演算ユニット 505 補正データ記憶部 S1 〜S8 サンプルショット WX1 X軸のウエハマーク WY1 Y軸のウエハマーク

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 N枚(Nは3以上の整数)の基板に対し
    て、順次前記基板上の複数のショット領域から選択され
    た計測ショットの計測された配列座標に基づいて、前記
    複数のショット領域のそれぞれを所定の基準位置に位置
    決めする位置合わせ方法において、 前記N枚の基板の最初の基板より順次2つのアライメン
    トセンサを用いて前記計測ショットの座標位置を計測
    し、それぞれのアライメントセンサによる計測値の差の
    ばらつきを求め、 J枚目(Jは1以上で(N−1)以下の整数)までの基
    板についての前記2つのアライメントセンサの計測値の
    差のばらつきが所定の許容値以下になったときに、 (J+1)枚目以降の基板については前記2つのアライ
    メントセンサの内の一方の計測値、及びそれまでに求め
    られた前記2つのアライメントセンサの計測値の差に基
    づいて前記複数のショット領域の位置決めを行うことを
    特徴とする位置合わせ方法。
  2. 【請求項2】 N枚(Nは3以上の整数)の基板のそれ
    ぞれに対して、前記基板上に2次元的に配列された複数
    のショット領域の内、予め選択された少なくとも3つの
    計測ショットの前記基板の移動位置を規定する静止座標
    系上における座標位置を計測し、該計測結果を統計演算
    することによって前記複数のショット領域のそれぞれの
    前記静止座標系上における座標位置を算出し、該算出さ
    れた座標位置に基づいて前記複数のショット領域のそれ
    ぞれを所定の基準位置に対して順次位置合わせする方法
    において、 前記N枚の基板の内のJ枚目(Jは2以上で(N−1)
    以下の整数)までの少なくとも1枚については、2つの
    アライメントセンサを使って前記計測ショットの座標位
    置の計測を行うと共に、それぞれのアライメントセンサ
    での計測値の統計演算結果の差を求めて記憶し、 (J+1)枚目以降の前記基板に対して、前記2つのア
    ライメントセンサの内の一方のみで前記計測ショットの
    座標位置の計測を行い、該計測結果を統計演算した結果
    を、既に記憶されている前記2つのアライメントセンサ
    での計測値の統計演算結果の差で補正し、該補正結果に
    基づいて前記(J+1)枚目以降の基板の複数のショッ
    ト領域のそれぞれを位置合わせし、 前記J枚目の基板の判定を行うために、前記J枚目まで
    の基板についての前記2つのアライメントセンサの一
    方、又は両方の計測値のばらつきを用いることを特徴と
    する位置合わせ方法。
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