JP3427836B2 - 位置合わせ装置及び位置合わせ方法 - Google Patents

位置合わせ装置及び位置合わせ方法

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JP3427836B2
JP3427836B2 JP2001381134A JP2001381134A JP3427836B2 JP 3427836 B2 JP3427836 B2 JP 3427836B2 JP 2001381134 A JP2001381134 A JP 2001381134A JP 2001381134 A JP2001381134 A JP 2001381134A JP 3427836 B2 JP3427836 B2 JP 3427836B2
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の被加工領域が
X、Y方向に規則的に整列して形成された基板と所定の
基準点との相対的な位置合わせを行う装置及び方法に関
し、特に半導体素子や液晶表示素子製造用の露光装置に
好適なマスクまたはレチクルと感光性基板(半導体ウエ
ハ、液晶用プレート等)との位置合わせ装置及び位置合
わせ方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体素子製造のリソグラフィ工
程では、レチクルパターンを高分解能でウエハ上に転写
する装置として、ステップ・アンド・リピート方式の縮
小投影型露光装置(ステッパー)が多用されるようにな
っている。この種のステッパーでは半導体素子の高集積
化に伴って、露光光の短波長化や高開口数(N.A.)
の投影レンズの開発が行われ、最近ではウエハ上での解
像線幅がサブ・ミクロン(0.5μm程度)に達してい
る。このような高解像パターンを転写するには、その解
像力に見合ったアライメント(重ね合わせ)精度が必要
となっている。
【0003】現在、ステッパーのアライメント方式は、
例えば特開昭61−44429号公報、または特開昭6
2−84516号公報に開示されているように、拡張さ
れたウエハ・グローバル・アライメント(以下、エンハ
ンスメント・グローバル・アライメント:EGAと呼
ぶ)が主流となっている。EGA方式とは、1枚のウエ
ハに対して重ね合わせ露光を行うのに先立ち、ウエハ上
に形成された複数のショット領域のうち、例えばウエハ
の中心及びその外周付近に位置する7つのショット領域
を指定し、各ショット領域に付随した2組(X、Y方
向)の位置合わせ用のマークの位置をアライメントセン
サーにて計測(サンプルアライメント)する。しかる
後、これらマークの位置計測値と設計値とに基づいて、
ウエハ上のショット領域の配列特性に関する誤差パラメ
ータ、すなわちウエハ中心位置のオフセット(X、Y方
向)、ウエハの伸縮度(X、Y方向)、ウエハの残存回
転量、及びウエハステージの直交度(またはショット配
列の直交度)の計6つのパラメータを統計的手法(最小
二乗法等)により決定する。そして、この決定されたパ
ラメータの値に基づいて、ウエハ上の全てのショット領
域に対してその設計上の座標値を補正し、この補正され
た座標値にウエハが位置するように、順次ウエハステー
ジをステッピングさせていく方式である。
【0004】このEGA方式の利点は、ウエハ露光に
先立ってウエハ上の全ショット数と比べてわずかな数
(3〜16個程度)のマークの位置を計測した後はマー
ク位置計測を必要としないため、スループットの向上が
望めること、従来のグローバルアライメント法と異な
り、ショット領域の配列特性を高精度に認識するため、
サンプルアライメントを行わなかった他のショット領域
に対しても極めてアライメント精度が良く、さらに十分
な数のショット領域に対してサンプルアライメントを行
うと、個々のマーク検出誤差が統計的な演算のもとで平
均化されることになり、1ショット毎のアライメント
(ダイ・バイ・ダイまたはサイト・バイ・サイト方式)
と同等、もしくはそれ以上のアライメント精度が、ウエ
ハ全面の全てのショット領域に対して望めることであ
る。
【0005】ここで、図17を参照してEGA方式によ
る重ね合わせ露光の動作を簡単に説明する。図17にお
いて、点Dはウエハ上に形成すべきショット領域の設計
上のファースト(1st)露光位置、点MALは実際にウエ
ハ上に形成されたショット領域SA1st の1st露光位置
(計測値)、点DEGはEGA演算によって算出された計
算上のセカンド(2nd)露光位置を表している。ショッ
ト領域SA1st に対する重ね合わせ露光を行うにあたっ
ては、まずEGA演算(上記変換行列)によって設計上
の2nd露光位置(すなわち1st露光位置D)を変換(補
正)して2nd露光位置DEGを求める(図中ではベクトル
egaにて表している)。しかる後、ウエハステージを
2nd露光位置DEGまでステッピングさせて露光を行う
と、レチクルパターンの投影像がショット領域SA1st
に重ね合わされて転写され、ウエハ上にショット領域S
A2nd として形成されることになる。尚、図17中では
アライメントセンサーによって計測されたショット領域
SA1st の1st露光位置MALと、実際にウエハ上に形成
されたショット領域SA2nd の2nd露光位置DEG(計算
値)とのずれ(すなわち重ね合わせ誤差)をベクトルV
eで誇張して表している。通常、この重ね合わせ誤差
(ベクトルVe)は零ないし所定の許容値(例えば、最
小解像線幅の1/5程度)以内となっており、ショット
領域SA1st とSA2nd とはほぼ重なり合ってウエハ上
に形成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
如き従来技術においては、EGA方式を使ってウエハ上
の各ショット領域に対してレチクルパターンの重ね合わ
せ露光を行っても、全てのショット領域においてその重
ね合わせ誤差(図17中のベクトルVeに相当)が所定
の許容値以内となり得ないという問題がある。これは、
ウエハ上に形成された実際のショット領域の各位置座
標には、プロセス(現像処理等)の影響等により設計上
の位置座標に対してランダムな位置誤差が含まれるこ
と、ショット領域のアライメントマークを検出する場
合、マーク自体の形状歪みや測定系に含まれるノイズ等
に起因する計測誤差が存在すること等によって生じるも
のと考えられている。しかしながら、実際には重ね合わ
せ誤差が何を原因として発生しているのかがはっきり解
析、分類されないまま、ステッパーでは上記誤差量に対
する評価が行われている。
【0007】本発明は以上の点を考慮してなされたもの
で、重ね合わせ誤差の発生要因を解析でき、さらには重
ね合わせ精度を向上させることができる位置合わせ装置
及び位置合わせ方法を得ることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる問題点を解決する
ため、請求項1に記載の発明においては、基板上におけ
る複数の露光領域のうち、少なくとも2つの露光領域に
関する位置合せ用マークの位置に基づいて、前記複数の
露光領域に関するそれぞれの露光位置を算出し、該算出
された露光位置にしたがって、前記基板を位置合せする
位置合せ装置において、前記複数の露光領域のうち、少
なくとも2つの露光領域を選択するための配置条件を複
数設定し、該複数の配置条件のもとでそれぞれ選択され
た少なくとも2つの露光領域に関する位置合わせ用マー
クの位置に基づき、前記複数の配置条件毎に、前記複数
の露光領域に関するそれぞれの露光位置を算出する露光
位置算出手段と、前記複数の配置条件毎に算出された前
記露光位置に基づいて、前記複数の配置条件のなかか
ら、前記露光位置算出手段における前記露光位置の算出
誤差が小さくなる配置条件を求める演算手段とを有する
こととした。また、請求項6の発明においては、基板上
における複数の露光領域のうち、少なくとも2つの露光
領域に関する位置合せ用マークの位置に基づいて、前記
複数の露光領域に関するそれぞれの露光位置を算出し、
該算出された露光位置にしたがって、前記基板を位置合
せする位置合せ方法において、前記複数の露光領域のう
ち、少なくとも2つの露光領域を選択するための配置条
件を複数設定し、該複数の配置条件のもとでそれぞれ選
択された少なくとも2つの露光領域に関する位置合せ用
マークの位置に基づき、前記複数の配置条件毎に、前記
複数の露光領域に関するそれぞれの露光位置を算出し、
前記複数の配置条件毎に算出された前記露光位置に基づ
いて、前記複数の配置条件のなかから、前記位置合わせ
に関する誤差成分が小さくなる配置条件を決定すること
とした。
【0009】
【作用】本発明では、複数の露光領域(ショット領域S
An)の中から少なくとも2つの露光領域を選択するた
めの配置条件を複数設定し、該設定された複数の配置条
件毎に、複数の露光領域に関するそれぞれの露光位置を
演算する。そして、複数の配置条件毎にそれぞれ求めら
れた露光位置に基づいて、複数の配置条件の中から、該
配置条件に応じて発生する誤差成分が小さくなるよう
に、最適な配置条件を決定することとした。
【0010】このため、アライメント精度の評価ととも
に、統計演算におけるショット配置(例えば、評価用の
被加工領域の位置、または数)を変更(修正)し、各条
件下でアライメント精度上でどのような向上をもたらす
かを解析することができる。
【0011】
【実施例】図2は本発明の位置合わせ装置を備えた縮小
投影型露光装置(ステッパー)の概略的な構成を示す斜
視図、図3は図2に示すステッパーの照明光学系の概略
的な構成を示す斜視図である。図3に示すように、超高
圧水銀灯11から発生する所定波長域の照明光(g線、
i線等)は楕円鏡12で反射された後、コールドミラー
13で反射されて楕円鏡12の第2焦点上に集光され
る。さらに、コリメータレンズ等を含む集光光学系1
4、及びオプチカルインテグレータ(フライアイレンズ
群)15を通過し、光束の一様化等が行われた照明光
は、リレーレンズ系16を介してミラー17に至り、こ
こでほぼ垂直に下方に反射された後、コンデンサーレン
ズ18を介してレチクルRをほぼ均一な照度で照明す
る。尚、露光用照明光源としてKrFエキシマレーザ光
源等を用いても構わない。
【0012】投影原版となるレチクルRには、回路パタ
ーン領域PAの外側(レチクル周辺側)に、レチクルR
の位置決めを行うためのレチクルアライメントマークR
X、RY1 、RY2 が形成されている。レチクルRはレ
チクルステージ19上に載置され、パターン領域PAの
中心点RCが投影光学系1の光軸AXとほぼ一致するよ
うに位置決めが行われる。レチクルステージ19は駆動
モータ21、22により水平面内で2次元移動可能に構
成され、その端部にはレーザ光波干渉式測長器(以下、
干渉計とする)25、26からのレーザビームを反射す
る移動鏡23、24が固定されている。干渉計25、2
6はレチクルRの2次元的な位置を、例えば0.01μ
m程度の分解能で常時検出する。レチクルRの初期設定
は、レチクル周辺のアライメントマークRX、RY1
RY2 を光電検出するレチクルアライメント系(不図
示)からのマーク検出信号に基づいて、レチクルステー
ジ19を微動することにより行われる。
【0013】ところで、本実施例では図4に示すような
2組のパターン群(主尺パターンRP1 と副尺パターン
RP2 )が、例えばレチクルRの中心点RCの近傍に、
Y方向に所定間隔ΔYだけ離れて形成されている。尚、
図4に示す如き2組のパターン群の構成等については、
例えば特公昭63−38697号公報に開示されてい
る。図4において、格子パターン70xはX方向に一定
ピッチで設けられ、格子パターン70yはY方向にパタ
ーン70xと同一ピッチで設けられている。格子パター
ン70x、70yの各々には、パターンの中央を0とし
て正、負方向に2、4、6、8と目安となる数字が打た
れている。格子パターン71x、71yは格子パターン
70x、70yの補助として設けられたもので、ここで
は荒いバーニアとして働く。以上、4つの格子パターン
によって主尺パターンRP1 が構成されるが、格子パタ
ーン71x、71yは特に設けずとも良い。また、副尺
パターンRP2 を成す格子パターン80x、80yは、
そのピッチが格子パターン70x、70yのピッチより
もわずかに大きいピッチに定められるとともに、各バー
マークは主尺パターンRP1 と副尺パターンRP2 とを
重ね合わせた時に格子パターン70x、70yの各バー
マークの間に挟まるように形状決めされている。荒いバ
ーニアとして働く格子パターン81x、81yについて
も同様に、格子パターン71x、71yのピッチよりも
わずかに大きいピッチに定められるとともに、各バーマ
ークは格子パターン71x、71yの各バーマークの間
に挟まるように形状決めされている。
【0014】さて、図2に示すようにパターン領域PA
を通過した照明光は、片側(または両側)テレセントリ
ックな投影光学系1に入射し、投影光学系1はレチクル
Rの回路パターンの投影像を1/5、または1/10に
縮小して、表面にレジスト層が形成されたウエハW上の
1つのショット領域SAに重ね合わせて結像投影する。
ウエハホルダ2はウエハWを真空吸着するとともに、
X、Y方向に2次元移動するウエハステージ3に対して
微小回転可能に設けられる。駆動モータ4はウエハステ
ージ3上に固定され、ウエハホルダ2を回転させる。ま
た、ウエハステージ3は駆動モータ5、6によりステッ
プ・アンド・リピート方式で2次元移動され、ウエハW
上の1つのショット領域SAに対するレチクルRの転写
露光が終了すると、次のショット位置までステッピング
する。ウエハステージ3の端部の直交する2辺には、反
射平面がY方向に伸びた移動鏡7と、反射平面がX方向
に伸びた移動鏡8とが各々固設されている。干渉計9は
移動鏡8にレーザビームを投射して、ウエハステージ3
のY方向の位置(または移動量)を、例えば0.01μ
mの分解能で常時検出し、干渉計10は移動鏡7にレー
ザビームを投射して、ウエハステージ3のX方向の位置
(または移動量)を同様の分解能で検出する。尚、投影
光学系1の光軸AXは干渉計9、10の測長軸(レーザ
光束の中心線)の交点を通るように構成されている。ま
た、図2中には示していないが、ステージコントローラ
27(図1参照)は干渉計9、10からの位置計測信号
等に基づいて、ウエハホルダ2及びウエハステージ3の
移動や位置決めを制御するように構成されている。
【0015】また、図2中には投影光学系1から一定間
隔で固定され、ウエハW上のアライメントマークを拡大
観察するオフ・アクシス方式のアライメント光学系(Fi
eldImage Alignment;FIA系)20も示されている。
FIA系20の構成等については、例えば特開平2−5
4103号公報に開示されているので、ここでは簡単に
説明する。FIA系20は、所定の波長幅を有する照明
光をウエハWに照射することにより、ウエハ上のアライ
メントマークの像と、対物レンズ等によってウエハと共
役に配置された指標板上の指標マークとを、ITV、C
CDカメラ等の撮像素子の受光面上に結像する。撮像素
子からのビデオ信号VSは、干渉計9、10からの位置
計測信号とともに後述のFIA演算ユニット61(図1
参照)に入力する。FIA演算ユニット61はビデオ信
号VSの波形に基づいて指標マークに対するマーク像の
ずれを求め、マーク像が指標マークの中心に位置した時
のマーク位置に関する情報を主制御装置50に対して出
力する。
【0016】さらに、ステッパーにはマーク検出可能範
囲(サーチ範囲)が広く、高速アライメント計測が可能
なTTL(Through The Lens)方式のレーザ・ステップ・
アライメント(LSA)系が設けられている。尚、LS
A系の構成等については、例えば特開昭60−1307
42号、または先に述べた特開平2−54103号公報
に開示されているので、ここでは簡単に説明する。
【0017】図示していないが、He−Ne、Arイオ
ン等のレーザ光源から発生するレーザビームは、ビーム
エクスパンダーで所定のビーム径に拡大され、シリンド
リカルレンズにより細長い楕円ビームに整形された後、
ビームスプリッター30に入射して2つの光束に分割さ
れる。ビームスプリッター30を通過したレーザ光束は
ミラー31で反射され、ビームスプリッター32を通過
して、結像レンズ群33によって横断面が帯状のスポッ
ト光になるように収束された後、レチクルRと投影光学
系1との間に、回路パターン像の投影光路を遮光しない
ように配置された第1折り返しミラー34に入射する。
第1折り返しミラー34はレーザ光束をレチクルRに向
けて上方に反射する。そのレーザ光束はレチクルRの下
側に設けられ、レチクルRの表面と平行な反射平面を有
するミラー35に入射して、投影光学系1の入射瞳Ep
の中心に向けて反射される。ミラー35からのレーザ光
束は、投影光学系1の軸外部分から主光線がウエハWと
ほぼ垂直になるように収束され、ウエハW上では光軸A
Xに向かってX方向に細長く伸びた帯状のスポット光L
YSとして結像される。
【0018】さて、スポット光LYSはウエハW上でX
方向に伸びた回折格子状のアライメントマークを相対的
にY方向に走査して、そのマークの位置を検出するため
に使われる。スポット光LYSがマークを照射すると、
マークからは正反射光(0次光)とともに回折光(1次
光以上)や散乱光が生じる。これら光情報は、再び投影
光学系1、ミラー35、ミラー34、及び結像レンズ群
33を通ってビームスプリッター34に戻り、ここで反
射されて、投影光学系1の瞳Epと共役な空間フィルタ
ーと集光レンズとから成る光学素子36に入射する。光
学素子36は、これら光情報のうち高次回折光(例えば
±1〜3次回折光)、または散乱光を透過させ、正反射
光(0次光)を遮断し、回折光、または散乱光をミラー
37を介して光電素子38の受光面に集光する。光電素
子38は集光した回折光、または散乱光の光量に応じた
光電信号を出力する。以上、ミラー31、ビームスプリ
ッター32、結像レンズ群33、ミラー34,35、光
学素子36、ミラー37、及び光電素子38は、ウエハ
W上のマークのY方向の位置を検出するアライメント光
学系(以下、Y−LSA系と呼ぶ)を構成している。
【0019】一方、ビームスプリッター30で反射され
た別のレーザ光束は、ウエハW上のアライメントマーク
のX方向の位置を検出するアライメント光学系(以下、
X−LSAと呼ぶ)に入射する。X−LSA系はY−L
SA系と全く同様にミラー41、ビームスプリッター4
2、結像レンズ群43、ミラー44,45、光学素子4
6、ミラー47、及び光電素子48から構成され、ウエ
ハW上にY方向に細長く伸びた帯状のスポット光LXS
を結像する。
【0020】ところで、光電素子38,48からの光電
信号LSは、干渉計9、10からの位置計測信号ととも
に後述のLSA演算ユニット60(図1参照)に入力
し、LSA演算ユニット60はウエハステージ3の単位
移動量(0.01μm)毎に発生するアップ・ダウンパ
ルス信号に同期して光電信号LSをサンプリングする。
そして、各サンプリング値をデジタル値に変換してメモ
リに番地順に記憶させた後、所定の演算処理によってア
ライメントマークの位置を検出し、この位置情報を主制
御装置50に対して出力する。尚、LSA演算ユニット
60は回折光及び散乱光の各強度に応じた光電信号の波
形処理を並行して行い、両方の検出結果からアライメン
トマークの位置を決定しても構わない。
【0021】次に、図1を参照して上記構成の装置全体
を統括制御する主制御装置50について説明する。図1
は本実施例による装置の制御系の概略的な構成を示すブ
ロック図であって、主制御装置50は干渉計9、10か
らの位置計測信号PDSを常時入力しているものとす
る。図1において、信号データ記憶部62はX、Y−L
SA系(光電素子38、48)からの光電信号LS、例
えばLSA演算ユニット60にてデジタル値に変換され
た波形データを記憶することができる。図1ではFIA
系20(撮像素子)からのビデオ信号VSも記憶するこ
とが可能となっている。アライメント(ALG)データ
記憶部501は、LSA演算ユニット60、FIA演算
ユニット61の両方からのマーク位置情報(すなわちシ
ョット領域の配列座標値MALn )を入力可能となってい
る。EGA演算ユニット502は、ALGデータ記憶部
501に記憶されたマーク位置情報に基づいて、統計的
な演算手法によりウエハW上のショット領域の配列座標
値DEGn を算出するもので、その算出結果はシーケンス
コントローラ504と記憶部506とに送られる。EG
A演算ユニット502では、配列座標値DEGn に先立っ
て演算パラメータ、すなわちウエハ中心位置のオフセッ
ト(X、Y方向)、ウエハの伸縮度(X、Y方向)、ウ
エハの残存回転量、及びウエハステージの直交度、また
はショット配列の直交度(後述の変換行列A、O)も算
出され、これらパラメータも記憶部506に格納され
る。
【0022】また、露光(EXP)ショットマップデー
タ部503はウエハ上に露光すべきショット領域の設計
上の露光位置(配列座標値Dn )を格納し、この設計値
はEGA演算ユニット502とシーケンスコントローラ
504とに送られる。シーケンスコントローラ504
は、上記各データに基づいてアライメント時やステップ
アンドリピート方式の露光時のウエハステージ3の移動
を制御するための一連の手順を決定する。ここで、図1
中にはオペレータからのコマンドや各種計測データ(後
述のバーニア計測値ΔV等)を入力する装置(キーボー
ド等)63と、演算部505にて算出される重ね合わせ
誤差の解析結果(後述)を表示する装置(CRT等)6
4とが示されている。
【0023】さて、記憶部506はEGA演算ユニット
502からの演算パラメータ、及びショット領域の計算
上の配列座標値DEGn と、入力装置63からの入力デー
タ等を記憶する。また、演算部505は記憶部506に
記憶されたデータ(ショット領域の計算上の配列座標値
EGn 、バーニア計測値ΔV)と、ALGデータ記憶部
501に記憶されたショット領域の計測上の配列座標値
ALn とに基づき、ウエハ上のショット領域毎にその重
ね合わせ誤差(ベクトルv)を解析、すなわちマーク位
置検出時に生じる誤差(ベクトルe)と、サンプルアラ
イメントすべきショット領域のウエハ上での位置(また
はその数)に対応して統計演算時に生じる誤差(ベクト
ルa)とに分けて解析するとともに、その解析結果(す
なわち、後述の位置ずれベクトルv、e、aの線図)を
表示装置64に表示する。さらに演算部505は、重ね
合わせ誤差の解析結果に応じて、LSA演算ユニット6
0(またはFIA演算ユニット61)における信号処理
条件(例えば、波形解析アルゴリズム、アルゴリズム・
スライスレベル等)と、EGA演算ユニット502にお
けるEGAショット配置(すなわちサンプルアライメン
トすべきショット領域の位置、数)とを計算上で変更
(修正)し、シミュレーションにより各条件のもとでの
ベクトル(v)、(e)、(a)を算出する(詳細後
述)。また、演算部505におけるシミュレーション結
果(3つの位置ずれベクトルv、e、aの線図)は、信
号処理条件またはEGAショット配置に関する条件が変
更されるたびに表示装置64に表示される。従って、オ
ペレータは表示装置64に表示される線図から、上記条
件がアライメント精度上でどのような向上をもたらすか
を知ることができる。また、オペレータは上記結果から
信号処理条件とEGAショット配置の各々の最適な条件
を求め、この条件を入力装置63からステッパー(演算
部505)に入力することによって、LSA演算ユニッ
ト60とEGA演算ユニット502に対して最適な処理
条件を設定することが可能となっている。尚、上記条件
の変更は、演算部505からの指令に基づいて、LSA
演算ユニット60とEGA演算ユニット502とがそれ
ぞれ行っている。
【0024】次に、図5を参照して本実施例における重
ね合わせ誤差の解析方法について説明する。図5は本実
施例の動作の一例を示す概略的なフローチャート図であ
る。尚、本実施例ではX、Y−LSA系を用いてEGA
方式のアライメントを行う場合に生じる重ね合わせ誤差
を解析するものとする。さて、図2に示したステッパー
において、シーケンスコントローラ504はEXPショ
ットマップデータ部503に格納された情報、すなわち
ショット領域SAn の設計上の配列座標値(Dxn、Dy
n)に従ってウエハステージ3をステッピングさせ、レ
チクルRのパターン(図4中に示した主尺パターンRP
1 )をウエハW上に順次転写していく(ステップ10
0)。
【0025】1st露光が終了したウエハWはステッパー
から搬出された後、不図示のコータディベロッパーにお
いて現像処理等が施される。この結果、図6に示すよう
にウエハW上には、複数の回路パターン(ショット領域
SAn )とアライメントマークMx、Myとがマトリッ
クス状に形成される。さらに、表面にレジスト層が形成
されたウエハWはステッパーに搬入され、ウエハステー
ジ3上にローディングされる。この際、ステッパーの内
部ではショット領域SAn に対する重ね合わせ(2nd)
露光に備え、上記ウエハ処理と並行して、レチクルRを
Y方向にΔYだけシフトさせる。レチクルRは、干渉計
21、22からの位置計測信号に応じてレチクルステー
ジ19をサーボ制御することにより移動される。この結
果、レチクルRは正確にΔYだけシフトし、副尺パター
ンRP2 (図4)が1st露光時の主尺パターンRP1
座標位置に位置決めされることになる(ステップ10
1)。
【0026】さて、ウエハステージ3上にローディング
されたウエハWは、まず機械的なプリアライメント装置
(不図示)によって数十μm以下の精度で載置される。
次に、シーケンスコントローラ504はFIA系20及
びX−LSA系を用い、ウエハWのプリアライメントを
実行する。まず、FIA系20はウエハWの外周付近
に、かつウエハ中心に関してほぼ左右(Y軸)対称な位
置に形成された2つのショット領域(例えば、図6中の
ショット領域SA11、SA12)のY方向の位置を検出す
る。一方、X−LSA系はウエハWの外周付近に、かつ
上記2つのショット領域SA11、SA12からほぼ等距離
にあるショット領域(例えば、図6中のショット領域S
13)のX方向の位置を検出する。さらにシーケンスコ
ントローラ504は、ALGデータ記憶部501に格納
された3つのショット領域のマーク位置情報に基づい
て、干渉計9、10により規定される直交座標系XYに
対するウエハWの位置ずれ量(回転誤差を含む)を算出
する。しかる後、この位置ずれ量に応じてウエハホルダ
2及びウエハステージ3を駆動することにより、ウエハ
Wのプリアライメントが終了する。この結果、レチクル
RとウエハW(ショット領域SAn )との相対的な位置
ずれが1μm以下の精度で補正されることになる(ステ
ップ102)。
【0027】ところで、ステップ102(プリアライメ
ント)終了後も、例えば図7に誇張して示しているよう
に、ウエハステージ3の移動座標系(直交座標系XY)
に対するショット領域SAn の配列座標系αβの回転誤
差θ(プリアライメントにて補正しきれなかったローテ
ーション)が残存している。尚、図7ではα軸及びβ軸
上に配列されたショット領域のみを示してある。
【0028】そこで、次のステップ103ではEGA演
算に先立ち、X、Y−LSA系を用いてウエハW上の全
てのショット領域SAn のマーク位置計測を実行する。
シーケンスコントローラ504は、EXPショットマッ
プデータ部503に格納されたショット領域の設計上の
配列座標値(Dxn、Dyn)に従ってウエハステージ3を
ステッピングさせていき、ショット領域毎にウエハステ
ージ3を微動してX、Y−LSA系のスポット光LX
S、LYSとアライメントマークMx、Myとを相対走
査させる。これより、LSA演算ユニット60では所定
の信号処理条件のもとでマーク位置が算出され、これら
位置情報は配列座標値(MALxn、MALyn)としてALG
データ記憶部501に記憶される。この際、全てのショ
ット領域SAn のマーク毎に光電素子38、48から出
力される光電信号LSの波形データも、信号データ記憶
部62に記憶させておく。
【0029】ここで、図8を参照してLSA系の計測動
作を簡単に説明する。図8は、マークMxとスポット光
LXSとの相対走査の様子と光電信号LSの波形の様子
との一例を示している。図8(A)に示すように、マー
クMxは相対走査方向(X方向)と直交したY方向に一
定のピッチを有する回折格子状であり、マークMxはウ
エハステージ3の微動によりスポット光LXSをほぼ平
行に横切るように走査される。この時、光電素子48か
らの信号LSは、図8(B)に示すような波形となる。
LSA演算ユニット60において、上記の如き信号波形
は所定のスライスレベルVrと比較され、信号波形の立
ち上がりと立ち下がりのスライスレベルVrとの各交点
の中心点が、マークMxのX方向の中心位置として決定
される。尚、図8(B)に示した信号波形は対称性が保
存されているが、マーク形状歪み等によって、図8
(A)と同一のピッチ構成のマークであっても、図8
(C)のように非対称な波形となったり、図8(D)の
ように明確なピークが得られなかったり、あるいは図8
(E)のように本来1つのピークであるものが山割れを
起こしたりする。図8(D)のような波形の場合、波形
解析アルゴリズムによってマーク位置検出に不適当と判
断され、予めリジェクトされ得る。山割れ波形の場合は
その程度にもよるが、山割れによって生じた隣接する2
つのピークがマーク幅で決まる一定間隔内にある時は1
つのマーク波形とみなし、スライスレベルの設定でマー
ク中心位置を計測することができる。
【0030】次に、先に述べた特開昭61−44429
号公報に開示された手法に従って、ウエハW上の全ての
ショット領域SAn の配列座標値(DEGxn、DEGyn)を
算出する。まず、EGA演算ユニット502はステップ
103でALGデータ記憶部501に記憶された全ての
ショット領域SAn の配列座標値(MALxn、MALyn)の
うち、ウエハWの外周付近に位置する複数個のショット
領域(例えば、図6中のショット領域SA1 〜SA7
の配列座標値を読み出す。そして、この読み出したショ
ット領域SA1 〜SA7 の計測上の配列座標値(MALx
n、MALyn)と、ALGショットマップデータ部504
に格納された設計上の配列座標値(Dxn、Dyn)とに基
づいて、ステップアンドリピート方式で位置合わせすべ
きウエハW上でのショット配列の規則性、すなわち以下
の数式1に示す写像関係式(行列式MALn =A・Dn +
O)における変換行列A、Oを決定する。但し、上記関
係式における変換行列A、Oは、残存回転誤差θ、直交
度ω及びスケーリング誤差Rx、Ryと、オフセット誤
差Ox、Oyとの夫々をパラメータとして含み、変換行
列Aは2行2列、Oは2行1列の行列である。
【0031】
【数1】
【0032】尚、変換行列A、Oは以下の数式2、3で
表される。
【0033】
【数2】
【0034】
【数3】
【0035】ここで、ウエハ上のショット領域は、計測
上の配列座標値(MALxn、MALyn)及び設計上の配列座
標値(Dxn、Dyn)に対して残差項(εXn 、εYn )
が存在し、上記数式1は以下の数式4のように書き換え
られる。
【0036】
【数4】
【0037】従って、EGA演算ユニット502は上記
残差項が最小となるように、変換行列A、Oの各パラメ
ータの値を演算(最小二乗法)により決定する。尚、上
記の如く算出された変換行列A、Oは記憶部506に格
納される(ステップ104)。しかる後、EGA演算ユ
ニット502は上記数式1によって、ウエハW上の全て
のショット領域SAn の配列座標値(DEGxn、DEGyn)
を算出する(ステップ105)。従って、上記座標値
(DEGxn、DEGyn)に従ってウエハステージ3をステッ
ピングさせれば、全てのショット領域SAn に対してレ
チクルパターンの投影像が正確に重ね合わされて露光さ
れることになる。ここで、EGA演算ユニット502で
算出されるショット領域の配列座標値(DEGxn、DEGy
n)は、シーケンスコントローラ504と記憶部506
とに送られる。尚、EGA演算で算出される配列座標値
を(DEGxn、DEGyn)としたのは、EGA演算で最小二
乗法を用いるために、計算上の配列座標値(DEGxn、D
EGyn)と計測上の配列座標値(MALxn、MALyn)とがウ
エハ上の全てのショット領域において必ずしも一致しな
いからである(詳細後述)。
【0038】次に、シーケンスコントローラ504は先
の配列座標値(DEGxn、DEGyn)に従ってウエハステー
ジ3をステッピングさせていき、ウエハW上のショット
領域SAn 毎にレチクルパターンの投影像を重ね合わせ
て露光を行う(2nd露光)。この結果、1st露光で形成
された主尺パターンに対して副尺パターンが重ね合わさ
れて転写されることになる(ステップ106)。
【0039】2nd露光が終了したウエハWはステッパー
から搬出されて、現像処理等が施されると、各ショット
領域SAn の中心付近には主尺パターンRP1 と副尺パ
ターンRP2 とが重なったバーニアが形成される。しか
る後、ウエハWは別設の観察装置(不図示)に搬入さ
れ、ここでショット領域毎に主尺パターンRP1 と副尺
パターンRP2 とのX、Y方向の位置ずれ量ΔVx、Δ
Vyを計測する(ステップ107)。このように計測さ
れたショット領域毎のずれ量ΔVx、ΔVyは、オペレ
ータにより入力装置63を介して記憶部506に入力さ
れる(ステップ108)。尚、バーニア計測は光学的に
行っても、目視により行っても良く、その装置構成、測
定方法はいかなるものであっても構わない。また、本実
施例ではオペレータがバーニア計測値(ΔVx、ΔV
y)を主制御装置50に入力するものとしたが、例えば
FIA系20を用いてバーニアの観察、計測を行うよう
に構成しても良く、この場合にはオペレータがデータを
入力する手間が省けるといった利点がある。
【0040】次に、演算部505は記憶部506からの
バーニア計測値ΔVx、ΔVyと、2nd露光で形成され
たショット領域の配列座標値、すなわちEGA演算ユニ
ット502で算出された配列座標値(DEGxn、DEGyn)
とに基づいて、1st露光で形成されたショット領域の真
の配列座標値(MVExn、MVEyn)を算出する。ここで、
バーニア計測値ΔVx、ΔVyは計算上の配列座標値
(DEGxn、DEGyn)に従って転写された2ndショット領
域(副尺パターンRP2 )に対する1stショット領域
(主尺パターンRP1 )の位置ずれ量を表している。従
って、計算上の配列座標値(DEGxn、DEGyn)に対して
バーニア計測値ΔVx、ΔVyをオフセットとして加え
ることにより、1stショット領域の真の配列座標値(M
VExn、MVEyn)を算出する。この算出された配列座標値
(MVExn、MVEyn)は記憶部506に記憶される(ステ
ップ109)。
【0041】さらに演算部508は、記憶部509に格
納された2ndショット領域の実際の配列座標値(DEGx
n、DEGyn)、及び1stショット領域の真の配列座標値
(MVExn、MVEyn)と、ALGデータ記憶部501に格
納された1stショット領域の計測上の配列座標値(MAL
xn、MALyn)とに基づいて、1stショット領域SA1st
と2ndショット領域SA2nd との重ね合わせ誤差(ベク
トルv)をショット領域毎に解析し、この解析結果を表
示装置64に表示する(ステップ110)。この様子を
図9を参照して簡単に説明する。図9において、点Dは
1stショット領域の設計上の露光位置(座標値Dxn、D
yn)、点MALは1stショット領域(点線)の計測上の露
光位置(座標値MALxn、MALyn)、点DEGは2ndショッ
ト領域SA2nd の実際の露光位置(座標値DEGxn、DEG
yn)、点MVEは1stショット領域SA1st の真の露光位
置(座標値MVExn、MVEyn)を表している。
【0042】図9から明らかなように、点MVEから点D
EGへのベクトルvは重ね合わせ誤差を表し、ベクトルv
は点MALから点MVEへのベクトルeと点MALから点DEG
へのベクトルaとに分けることができる。ここで、ベク
トルeは1stショット領域SA1st の真の露光位置と計
測値とのずれ、すわなちLSA演算ユニット60での信
号処理条件等に対応してマーク位置検出時に生じ得る誤
差(以下、LSA誤差と呼ぶ)を表している。尚、LS
A誤差の発生要因の1つとしては、例えば図8(C)に
示したような信号波形に対して最適な信号処理条件がL
SA演算ユニット60に設定されていないために生じる
と考えられる。また、ベクトルaは1stショット領域S
A1st の計測値と2ndショット領域SA2nd の露光位置
とのずれ、すなわちEGA演算において選択された1st
ショット領域のウエハW上での位置、またはその数(E
GAショット配置)等に対応して生じる誤差(以下、E
GA誤差と呼ぶ)を表している。従って、重ね合わせ誤
差(ベクトルv)は信号処理条件を主因とするLSA誤
差(ベクトルe)とEGAショット配置を主因とするE
GA誤差(ベクトルa)とに分類され、演算部505は
3つのベクトルv、e、aの線図をショット領域毎に表
示装置64に表示するとともに、この解析結果を記憶部
506に格納する。この結果、オペレータはウエハ上の
全てのショット領域における重ね合わせ誤差、さらには
当該誤差の発生要因(LSA誤差、EGA誤差)までも
知ることができる。尚、表示装置64での表示方法は任
意で良く、例えば全てのショット領域のベクトルvのみ
を画面上に表示しておき、ベクトルvが大きいショット
領域については、オペレータの指示により当該領域を拡
大表示、すなわち3つのベクトルv、e、aを同一画面
上に表示するようにしても良い。
【0043】次に、図10を参照して重ね合わせ誤差
(ベクトルv)を最小とするための動作(シミュレーシ
ョン)について説明する。尚、ここではステップ100
〜109までの動作が既に終了し、ウエハ上の全てのシ
ョット領域の各マーク毎の波形データが信号データ記憶
部62に格納されるとともに、1stショット領域の真の
配列座標値(MVExn、MVEyn)も記憶部506に格納さ
れているものとする。
【0044】ここで、図9に示す如く本実施例では、重
ね合わせ誤差(ベクトルv)をLSA誤差(ベクトル
e)とEGA誤差(ベクトルa)とに分類できる。従っ
て、重ね合わせ誤差(ベクトルv)を最小にするには、
LSA誤差(ベクトルe)とEGA誤差(ベクトルa)
の各々を最小にする、換言すればLSA演算ユニット6
0での信号処理条件(例えば、アルゴリズム・スライス
レベルの電圧値等)とEGA演算ユニット502でのE
GAショット配置(ここで、EGAショット配置とは変
換行列A、Oを決定するのに必要な複数のショット領域
のウエハ上での位置や数を指す)の各々を最適化すれば
良いことがわかる。そこで、本実施例では信号処理条件
とEGAショット配置の各々についてその条件を変更し
ながら、各条件でのLSA誤差やEGA誤差をシミュレ
ーションにより求めることによって、信号処理条件とE
GAショット配置の最適化を行うものとする。これに伴
い、本実施例では予めオペレータによって指定された複
数の信号処理条件、及びEGAショット配置の条件が記
憶部506に格納されているものとする。
【0045】さて、LSA演算ユニット60においてマ
ーク位置が正確に検出されるようになっていれば、当然
ながら図9に示した点MALと点MVEとは近づき、LSA
誤差(ベクトルe)は小さくなるはずである。すなわ
ち、LSA誤差(ベクトルe)を評価することはLSA
演算ユニット60の信号処理条件を評価することにな
り、LSA誤差が十分に小さければ、適正な条件で波形
処理が行われていると言える。逆にLSA誤差が大きけ
れば、適正な条件で波形処理が行われているとは言え
ず、信号処理条件を見直す必要がある。そこで、まずL
SA誤差(ベクトルe)を最小とするための信号処理条
件の最適化について説明する。
【0046】ここで、本実施例においてLSA演算ユニ
ット60での信号処理条件とは、波形解析アルゴリズ
ム、アルゴリズム・スライスレベル、及び処理ゲート幅
等を指している。尚、処理ゲート幅とは設計上のマーク
位置を中心として定められるものである。また、波形解
析アルゴリズムとしては、例えば以下に述べる3つのア
ルゴリズムがある。さて、第1のアルゴリズムは所定の
処理ゲート幅から決まる区間で信号波形のスムージング
を行った後、この信号波形をアルゴリズム・スライスレ
ベルで設定されたレベルでスライスし、図8(B)に示
したように信号波形の左右に交点があると、その交点の
中心点をマーク位置として検出するものである。第2の
アルゴリズムは、所定のレベルL1 (電圧値)以上の区
間で信号波形のスムージングを行った後、ピーク値に近
いレベルL2 との間で複数のスライスレベルを一定間隔
で設定し、各スライスレベルでの交点とその長さを求め
る。そして、各スライスレベルでの長さに基づいて、ア
ルゴリズム・スライスレベルで設定されたレベル以下の
部分において信号波形の傾斜が最大となるスライスレベ
ルを選び出し、当該レベルでの交点の中心点をマーク位
置として検出するものである。第3のアルゴリズムは、
アルゴリズム・スライスレベルで設定されたレベルで信
号波形をスライスし、その中心点を基準位置として求め
ておく。次に、所定のレベルL1 (電圧値)以上の区間
で信号波形のスムージングを行った後、ピーク値に近い
レベルL2 との間で複数のスライスレベルを一定間隔で
設定し、各スライスレベルでの交点の中心点、さらに中
点差分(すなわち、隣り合うスライスレベルでの中心点
との差)を求める。そして、各スライスレベルでの中心
点が先に求めた基準位置と大きく離れておらず、各中心
点が安定している領域(すなわち中点差分が微小で、そ
のスライスレベルが一番長く連続している領域)を選
び、当該領域での中心点をマーク位置として検出するも
のである。
【0047】さて、まず演算部505は記憶部506か
ら所定の信号処理条件、例えばスライスレベルVrのレ
ベル値を選び出し、LSA演算ユニット60の信号処理
条件を変更する(ステップ200)。次に、LSA演算
ユニット60は信号データ記憶部62から波形データを
順次読み出し、新たに設定された条件(スライスレベ
ル)のもとで、全てのショット領域のマーク位置(座標
値MALxn、MALyn)を算出する。しかる後、これらマー
ク位置情報はALGデータ記憶部501に格納される
(ステップ201)。
【0048】次に、演算部505はステップ201で求
めた配列座標値(MALxn、MALyn)と、記憶部506か
ら読み出した真の配列座標値(MVExn、MVEyn)とに基
づいて、ショット領域毎にLSA誤差(ベクトルe)を
算出するとともに、各ショット領域のベクトルeを表示
装置64に表示する。このように算出されたLSA誤差
は、LSA演算ユニット60に設定された信号処理条件
に対応付けられて記憶部506に格納される(ステップ
202)。しかる後、演算部505は予めオペレータに
よって記憶部506に設定された全ての信号処理条件に
ついてシミュレーションが行われたか否かを判断する
(ステップ203)。ここでは、全ての条件についての
シミュレーションが終了していないので、ステップ20
0に戻る。演算部505は、シミュレーションが終了す
るまでステップ200〜202を繰り返し実行し、全て
の条件でシミュレーションが終了した時点で次のステッ
プ204に進む。 尚、記憶部506に予め設定してお
く信号処理条件としては、アルゴリズム・スライスレベ
ルのみを変更するように設定しておくだけでも、または
波形解析アルゴリズム(もしくは処理ゲート幅)を変更
のみを変更するように設定しておくだけでも良く、さら
にはこれらを組み合わせた条件を設定するようにしても
良い。
【0049】さて、全ての信号処理条件についてシミュ
レーションが終了した時点で、演算部505は記憶部5
06に格納された各条件でのLSA誤差に基づいて、各
ショット領域でのLSA誤差が最小となる信号処理条件
を選択し、この条件を最適条件としてLSA演算ユニッ
ト60に設定する(ステップ204)。この結果、LS
A演算ユニット60における信号処理条件が最適化さ
れ、LSA系でのマーク位置の検出精度が向上する、換
言すれば上記の如く設定された信号処理条件のもとで、
図9中に示した点MALが点点MVEに最も近づく、もしく
は一致することになる。
【0050】ところで、ステップ200〜203を繰り
返し実行し、全ての信号処理条件でシミュレーションを
行っても、LSA誤差が小さくならないことがある。ま
たは、上記の如く最適条件として設定された処理条件の
もとでも、LSA誤差がわずかしか小さくならならいこ
とがある。そこで、演算部505は最適条件のもとで算
出された各ショット領域でのLSA誤差(記憶部506
に格納されている)に基づいて、さらに詳しくLSA誤
差を解析する必要があるか否かを判断し(ステップ20
5)、シミュレーションを繰り返してもLSA誤差が小
さくならない場合には、LSA誤差の解析が必要と判断
して、次のステップ206に進む。一方、上記の如き信
号処理条件の最適化によって各ショット領域でのLSA
誤差が十分小さくなっている場合には、直ちにステップ
208へ進む。ここで演算部505は、例えば全てのシ
ョット領域でのLSA誤差から標準偏差(または平均
値)を求め、この値が所定値を超えているか否かによっ
て判断するようにして構わない。尚、本実施例ではLS
A誤差が小さくならなかったものとして、次のステップ
206に進むものとする。従って、LSA演算ユニット
60における信号処理条件は任意の条件、例えば初期条
件(ステップ103での条件)、またはステップ200
〜202において最後に行われたシミュレーションでの
処理条件に設定されていることになる。また、ここでは
演算部505がLSA誤差の解析の要否を判断していた
が、オペレータが表示装置64に表示される各条件での
LSA誤差を観察してその解析の要否を判断するように
しても良い。
【0051】次に、演算部505は線形最小二乗法を用
いて、LSA誤差(ベクトルe)の解析を実行する(ス
テップ206)。尚、線形最小二乗法とは先に述べたE
GA演算と全く同一の手法であり、この演算処理によっ
てLSA誤差(ベクトルe)を線形成分(以下、LSA
残留誤差と呼ぶ)と残りの成分(以下、ランダム誤差と
呼ぶ)とに分けることが可能となる。
【0052】そこで、演算部505はショット領域の真
の配列座標値(MVExn、MVEyn)を記憶部506から読
み出すとともに、ステップ204が終了した時点でLS
A演算ユニット60に設定された信号処理条件のもとで
検出されたショット領域の計測上の配列座標値(MALx
n、MALyn)をALGデータ記憶部501から読み出
す。この際、演算部505はウエハ上のショット領域S
An の中から複数のショット領域、例えばショット領域
SA1 〜SA7 (図6)を指定し、これらの配列座標値
をALGデータ記憶部501及び記憶部506の各々か
ら読み出す。しかる後、演算部505はこの読み出した
配列座標値を用いて、以下の数式5に示す行列における
変換行列B、Cを、EGA演算(ステップ104)と同
一の手法により決定し、この値を記憶部506に格納す
る。尚、変換行列Bは2行2列、Cは2行1列の行列で
ある。また、変換行列B、Cの決定に用いるショット領
域の数は2つ以上であれば良く、例えば全てのショット
領域の配列座標値を用いて決定するようにしても構わな
い。
【0053】
【数5】
【0054】さらに演算部505は、この決定された変
換行列B、Cと数式5とを用いて、ショット領域の計測
上の配列座標値(MALxn、MALyn)の変換を行い、この
変換された座標値を(Merxn、Meryn)として記憶部5
06に格納する。しかる後、演算部505は記憶部50
6に格納された3つの配列座標値(MALxn、MALyn)、
(MVExn、MVEyn)及び(Merxn、Meryn)に基づいて
ショット領域毎にLSA誤差(ベクトルe)を解析し、
この解析結果を表示装置64に表示する(ステップ20
7)。この様子を図11を参照して説明するが、ここで
は図9と異なる点のみについて述べる。尚、図11中の
点Merは数式5によって変換されたショット位置(座標
値Merxn、Meryn)を表している。
【0055】図11から明らかなようにLSA誤差(ベ
クトルe)は、点MALから点MerへのベクトルeR と、
点Merから点MVEへのベクトルrとに分けられる。ここ
で、ベクトルeR は線形最小二乗法によって算出される
ので、LSA誤差(ベクトルe)の線形成分(LSA残
留誤差)を表しており、ベクトルrはLSA誤差の線形
成分を除く残りの成分(すなわち、非線形な成分を含む
ランダム誤差)を表していることになる。この結果、L
SA誤差(ベクトルe)をLSA残留誤差(ベクトルe
R )と、ランダム誤差(ベクトルr)とに分けることが
できる。演算部505は、3つのベクトルe、eR 、r
の線図をショット領域毎に表示装置64に表示し、さら
にこの解析結果を記憶部506に格納する。この際、各
ショット領域のベクトルeR (またはr)、もしくは変
換行列B、C(または各パラメータの値)のみ、あるい
はこれらを組み合わせたものをを表示装置64に表示す
るようにしても良い。
【0056】尚、LSA残留誤差(ベクトルeR )は上
述の如く常にある傾向を持っているので、実際のプロセ
スウエハでのLSA系及びLSA演算ユニット60の計
測結果に対してLSA残留誤差をそのまま加える、換言
すればEGA演算結果(変換行列A、O)をLSA残留
誤差(変換行列B、C)で更新することによって、LS
A系及びLSA演算ユニット60の位置検出精度を結果
的に向上させることになる(詳細後述)。
【0057】以上の動作により、LSA演算ユニット6
0での信号処理条件の最適化(及びLSA誤差の解析)
が終了することになる。ところで、上記の如き信号処理
条件の最適化が行われて、マーク位置が正確に検出され
るようになっていれば、当然ながら図9に示した点MAL
と点DEGとは近づき、EGA誤差(ベクトルa)は小さ
くなるはずである。すなわち、EGA誤差(ベクトル
a)を評価することはEGA演算の精度を評価すること
になり、EGA誤差が十分に小さければ、EGAショッ
ト配置が適正な条件に設定されていると言える。逆にE
GA誤差が大きければ、EGAショット配置が適正な条
件に設定されているとは言えず、EGAショット配置を
見直す必要がある。そこで、次にEGA誤差(ベクトル
a)を最小とするためのEGAショット配置の最適化に
ついて説明する。
【0058】さて、演算部505は記憶部506から所
定のEGAショット配置(ショット数、及びその位置)
を選び出して、EGA演算ユニット502でのEGAシ
ョット配置を変更する(ステップ208)。次に、EG
A演算ユニット502はこの新たに設定されたEGAシ
ョット配置に対応した各ショット領域の計測上の配列座
標値(MALxn、MALyn)をALGデータ記憶部501か
ら読み出し、さらに設計上の配列座標値(Dxn、Dyn)
をEXPショットマップデータ部503から読み出す。
尚、ALGデータ記憶部501から読み出す配列座標値
(MALxn、MALyn)は、先のステップ204で設定され
た信号処理条件のもとで検出された値である。しかる
後、EGA演算ユニット502は各ショット領域の配列
座標値(M ALxn、MALyn)及び(Dxn、Dyn)を用い
て、先のステップ104と全く同様に変換行列A、Oを
決定する。尚、この算出された変換行列A、Oは記憶部
506に格納される。さらに、EGA演算ユニット50
2はこの算出された変換行列A、Oと上記数式1と用い
て、ウエハW上の全てのショット領域SAn の配列座標
値(DEGxn、DEGyn)を算出し、この演算結果を記憶部
506に格納する(ステップ209)。
【0059】次に、演算部505は上記の如く算出され
た配列座標値(DEGxn、DEGyn)と、ALGデータ記憶
部501から読み出した配列座標値(MALxn、MALyn)
とに基づいて、ショット領域毎にEGA誤差(ベクトル
a)を算出し、さらに各ショット領域のベクトルaを表
示装置64に表示する。このように算出されたEGA誤
差は、EGA演算ユニット502に設定されたEGAシ
ョット配置に対応付けられて記憶部506に格納される
(ステップ210)。しかる後、演算部505は予めオ
ペレータによって記憶部506に設定された全てのEG
Aショット配置についてシミュレーション(ショット領
域毎のEGA誤差の算出)が行われたか否かを判断し
(ステップ211)、このシミュレーションが終了する
までステップ208〜210を繰り返し実行する。
【0060】尚、記憶部506に設定しておくEGAシ
ョット配置の条件としては、ショット位置については予
め定めておき、ショット数を変更するだけでも、あるい
はショット数は一定としてショット位置の指定のみを変
更するだけでも良く、さらにはこれらを組み合わせた条
件を設定するようにしても良い。さて、全てのEGAシ
ョット配置についてシミュレーションが終了した時点
で、演算部505は記憶部506に格納された各条件で
のEGA誤差に基づいて、各ショット領域でのEGA誤
差が最小となるEGAショット配置を選択し、この配置
を最適条件としてEGA演算ユニット502に設定する
(ステップ212)。この結果、EGA演算ユニット5
02における演算精度が向上する、換言すれば上記の如
く設定されたショット配置のもとで、図9中に示した点
EGが点点M ALに最も近づく、もしくは一致することに
なり、EGAショット配置の最適化が終了する。
【0061】ここで、信号処理条件及びEGAショット
配置の最適化が行われた後の重ね合わせ誤差(ベクトル
v)の様子を図12、図13に示す。図12は信号処理
条件の最適化によってLSA誤差(ベクトルe)が十分
小さくなっている場合、図13は信号処理条件の最適化
を行ってもLSA誤差(ベクトルe)が小さくならない
場合を示している。図12から明らかなように、信号処
理条件及びEGAショット配置の最適化が行われると、
LSA誤差(ベクトルe)とEGA誤差(ベクトルa)
とがともに十分に小さくなり、これに伴って重ね合わせ
誤差(ベクトルv)も十分に小さく(またはほぼ零に)
なる。従って、上記解析に用いたウエハと同一の条件
(例えば、ウエハの種類、レジストや下地の種類・厚さ
等であり、ウエハ処理条件も同一であることが望まし
い)のプロセスウエハを使用する限り、上記の如く設定
された条件のもとでマーク位置検出やEGA演算を行え
ば、EGA方式における重ね合わせ誤差を常に最小、な
いしほぼ零にすることができ、高精度なアライメントを
実現することが可能となる。また、以上のことから上記
条件が異なるプロセスウエハ毎に、最適な信号処理条
件、及びEGAショット配置(さらには変換行列B、
C)を求め、これらの値を上記条件に対応付けて記憶部
506に格納しておくことが望ましい。
【0062】一方、図13ではLSA誤差(ベクトル
e)が小さくなっていないため、実際のプロセスウエハ
において上記条件のもとでマーク位置検出やEGA演算
を行っても、所定の許容値以上の重ね合わせ誤差が残存
し得る。そこで、LSA誤差が小さくならず、しかもL
SA残留誤差(ベクトルeR )が常にある傾向を持って
いる場合には、プロセスウエハでのLSA系及びLSA
演算ユニット60による計測結果に対してLSA残留誤
差をそのまま加える。換言すれば、上記条件のもとで算
出されるEGA演算式(数式1)を、LSA残留誤差を
算出する際に決定される変換行列B、C(ステップ20
6)を用いて更新する。つまり、上記数式1、5から以
下に示す数式6を求める。
【0063】
【数6】
【0064】この結果、EGA演算(数式6)によっ
て、見掛け上ショット領域の設計上の配列座標値(点
D)が点DEG' に変換される、すなわちEGA演算精度
を向上させることになり、重ね合わせ誤差(点MVEと点
EG' との距離)を小さくすることができる。尚、数式
6はショット領域の真の配列座標値(MVExn、MVEyn)
と設計上の配列座標値(Dxn、Dyn)とを用いて、EG
A演算式における変換行列を算出する場合と全く同じで
あることは言うまでもない。
【0065】以上の通り本実施例においては、LSA誤
差(ベクトルe)やEGA誤差(ベクトルa)のシミュ
レーションを行うため、予めオペレータが指定した複数
の信号処理条件やEGAショット配置を記憶部506に
格納しておくこととしたが、例えばオペレータ(または
演算部505)がLSA誤差やEGA誤差のシミュレー
ションが行われるたびに、そのシミュレーション結果に
基づいて次の信号処理条件やEGAショット配置を決定
するようにし、この決定された条件をLSA演算ユニッ
ト60やEGA演算ユニット502に対して設定するよ
うにしても構わない。この場合には、LSA誤差やEG
A誤差のシミュレーションの回数が、上記実施例に比べ
て少なくなり得るといった利点がある。
【0066】また、LSA誤差(ベクトルe)のシミュ
レーション、特に信号処理条件の変更(ステップ20
0)を行う際、ウエハ上の複数のショット領域の中か
ら、いくつかのショット領域(例えば、ウエハの中心及
び外周付近に位置するショット領域)を選択し、この選
択したショット領域のマーク毎の信号波形(例えば、図
8(C))を表示装置64に表示させるようにしても良
い。このように信号波形を表示することは、LSA誤差
のシミュレーションにおいて次の信号処理条件を決定す
るのに役立ち、シミュレーションの回数をより減らすこ
とが可能になるといった効果が得られる。尚、信号波形
を表示させるショット領域は1つであっても構わない。
【0067】同様に、EGA誤差(ベクトルa)のシミ
ュレーション、特にEGAショット配置の変更(ステッ
プ208)を行う際、次にシミュレーションを行うべき
EGAショット配置に対応した複数のショット領域(ま
たはウエハ上の全てのショット領域)の中から、いくつ
かのショット領域(または全てのショット領域でも良
い)を選択し、この選択したショット領域でのLSA誤
差(ベクトルe)、LSA残留誤差(ベクトルeR )、
及びランダム誤差(ベクトルr)のうちの少なくとも1
つを表示装置64に表示するようにしても良い。このよ
うな表示を行うと、EGA誤差のシミュレーションにお
いて次のEGAショット配置を決定するのに役立ち、シ
ミュレーションの回数をより減らすことが可能になると
いった効果が得られる。
【0068】また、変換行列B、Cを算出するにあたっ
て、ウエハ上の全てのショット領域(または予め指定さ
れている複数のショット領域SA1 〜SA7 のみでも良
い)でのLSA誤差(ベクトルe)を表示装置64に表
示させるようにする。そして、例えばウエハ全体での傾
向と比較してベクトルeの傾向(方向や大きさ)が極端
に異なる(換言すればランダム誤差rが極端に大きい)
ショット領域を、予め変換行列B、Cを算出するのに用
いる指定ショットから除くするようにすれば、より一層
精度良く変換行列B、Cを算出することが可能となる。
尚、ここで除去したショット領域については、EGAシ
ョット配置の最適化(シミュレーション)を行う際にも
EGAショットとして指定しないようにすれば、EGA
ショット配置のシミュレーション回数を減らすことが可
能になり、結果的にプロセスウエハでのEGA演算精度
が向上する、すなわち全てのショット領域においてEG
A誤差(ベクトルa)が最小になる。
【0069】さらに、EGAショット配置のシミュレー
ションを行ってもEGA誤差(ベクトルa)が小さくな
らない場合には、例えばウエハ上のショット領域をいく
つかのブロックに分け、各ブロック毎にEGA演算(変
換行列A、Oの算出)を行うこととし、ブロック単位で
EGAショット配置の最適化を行うようにしても構わな
い。また、例えばウエハの外周付近でのスケーリング誤
差が極端に大きい場合には、ウエハ上の全てのショット
領域を、ウエハセンタを中心とした円形状の第1領域と
当該領域の外側の円環状の第2領域(例えば、最外周に
位置するショット領域のみを含む領域)とに分け、EG
Aショット配置の最適化は第1領域内のショット領域の
みを用いて行うようにしても良い。尚、このような条件
のもとで決定されたEGAショット配置に従って実際の
プロセスウエハでEGA演算を行うと、第2領域内のシ
ョット領域での重ね合わせ誤差は大きくなり得るので、
実際のプロセスウエハでは第2領域内のショット領域に
ついて、別にEGA演算を実行する、またはダイ・バイ
・ダイ、もしくはサイト・バイ・サイト方式でアライメ
ントを行うようにすることが望ましい。
【0070】さらに、上記実施例では予め記憶部506
に設定された全ての信号処理条件やEGAショット配置
についてシミュレーションが終了した時点で、演算部5
05(またはオペレータ)が各条件に対応付けられて記
憶部506に格納されたシミュレーション結果に基づい
て最適な条件を選択し、この選択した条件をLSA演算
ユニット60やEGA演算ユニット502に対して設定
していた(ステップ204、212)。しかしながら、
例えばオペレータ(または演算部505)がLSA誤差
やEGA誤差のシミュレーションが行われるたびに、そ
のシミュレーション結果と既に記憶部506に格納され
ているシミュレーション結果とを比較し、シミュレーシ
ョン結果が良くなっている、すなわちLSA誤差やEG
A誤差が小さくなっている場合のみ、記憶部506の格
納データ(上記条件に対応付けられたシミュレーション
結果)の書換(更新)を行うようにしても構わない。こ
の場合には、記憶部506に設定された全ての信号処理
条件やEGAショット配置についてシミュレーションが
終了した時点で最適な条件の選択を行わずとも、記憶部
506の格納データに従って直ちにLSA演算ユニット
60やEGA演算ユニット502に最適条件を設定でき
る。また、記憶部506に設定された全ての信号処理条
件やEGAショット配置でのシミュレーション結果を記
憶部506に格納しておく必要がないので、その記憶容
量が小さくて済むといった利点が得られる。尚、全ての
条件についてシミュレーションを行ってもLSA誤差や
EGA誤差が小さくならない場合、LSA演算ユニット
60やEGA演算ユニット502には最後に行われたシ
ミュレーションでの条件が設定されていることになる。
この際、演算部505はこの最後の条件でのシミュレー
ション結果を記憶部506に格納しておくことが望まし
い。
【0071】また、図5に示したフローチャートにおい
ては、ステップ102の終了後にウエハ上の全てのショ
ット領域のマーク位置を検出するようにしていたが、ス
テップ103では変換行列A、Oの決定に必要なショッ
ト領域のみについて、マーク位置計測(及び波形データ
の格納)を行っておき、残りのショット領域については
ステップ106における2nd露光と並行してマーク計測
等を行うようにしても構わない。
【0072】さらに、例えば特開平1−179317号
公報に開示されているように、ステッパー本体とコータ
ディベロッパー(さらには別設の検査装置等)をインラ
イン化すれば、上記実施例での動作を全て自動化でき、
オペレータが介在する必要がなくなることは言うまでも
ない。また、このようなシステムを構築することによっ
て、ウエハに対する処理条件(現像、エッチング条件
等)までも含めた(考慮した)重ね合わせ誤差の解析、
及び信号処理条件やEGAショット配置の最適化を行う
ことが可能となる。
【0073】ところで、以上の実施例においてはEGA
方式のファインアライメントにおける重ね合わせ誤差の
解析について述べたが、本発明に好適なアライメント方
式はEGA方式(さらには最小二乗法)に限られるもの
ではなく、重ね合わせ露光に先立ってウエハステージの
ステッピング位置を補正する方式であれば良く、さらに
最小二乗法以外のいかなる演算手法を用いても構わな
い。尚、露光前にウエハ全体のX、Y及び回転方向の位
置ずれを一括して補正するグローバルアライメント方式
であっても、その重ね合わせ誤差を上記実施例と全く同
様の動作で解析することができる。また、1ショット毎
にアライメントを行う方式(ダイ・バイ・ダイまたはサ
イト・バイ・サイト方式)であっても、上記実施例と同
様の動作を行うことによってその重ね合わせ誤差を解析
することができる。但し、ダイ・バイ・ダイまたはサイ
ト・バイ・サイト方式では、上記実施例における点DEG
と点MALとが一致することになるため、アライメントセ
ンサーによるマーク位置検出時に生じ得る誤差(LSA
誤差に相当)のみについて、当該誤差を線形成分と残り
の成分とに分けて解析することができる。
【0074】また、上記実施例ではアライメントセンサ
ーとしてLSA系を用いる場合について述べたが、本発
明はいかなる方式のアライメントセンサーに対しても適
用することができる。すなわちTTR方式、TTL方
式、またはオフオクシス方式のいずれの方式であって
も、さらにその検出方式が上記の如きLSA方式であっ
ても、FIA系20の如き画像処理方式であっても構わ
ない。また、例えばウエハ上に形成された1次元の回折
格子に対して2方向からコヒーレントな平行ビームを照
射して回折格子上に1次元の干渉縞を作り、この干渉縞
の照射により回折格子から発生する回折光(干渉光)の
強度を光電検出する方式のアライメントセンサー(以
下、Laser Interferometric Alignment;LIA系と呼
ぶ)を用いても構わない。この方式には、2方向からの
平行ビームに一定の周波数差を与えるヘテロダイン方式
と、周波数差のないホモダイン方式とがある。特にヘテ
ロダイン方式のLIA系は、ウエハ上の回折格子からの
干渉光の光電信号(光ビート信号)と、2本の送光ビー
ムから別途作成された参照用干渉光の光ビート信号との
位相差(±180°以内)を求めることにより、格子ピ
ッチ(2P)の±(2P)/4以内の位置ずれを検出す
るものである。尚、この詳細な構成については、例えば
特開平2−227602号、または特開平2−2723
05号公報等に開示されている。また、以上のようなア
ライメントセンサーを用いる場合の上記実施例との差異
は、その最適化に際して変更可能な信号処理条件だけで
ある。以下、図14、図15を参照してFIA系、LI
A系の各々での信号処理条件について簡単に説明する。
【0075】図14(A)はFIA系20によって検出
されるウエハマークWM1 の様子を示し、図14(B)
はそのとき得られる画像信号の波形を示す。図14
(A)に示すようにFIA系20(不図示の撮像素子)
は、ウエハマークWM1 の3本のバーマークと指標マー
クFM1 、FM2 との像を走査線VLに沿って電気的に
走査する。この際、1本の走査線だけではS/N比の点
で不利なので、ビデオサンプリング領域VSA(一点鎖
線)に入る複数の水平走査線によって得られる画像信号
のレベルを、水平方向の各画素毎に加算平均すると良
い。図14(B)に示すように画像信号には、両側に指
標マークFM1 、FM2 の各々に対応した波形部分があ
り、FIA演算ユニット61はこの波形部分をスライス
レベルSL2 により処理することで各マークの中心位置
(画素上の位置)を求め、その中心位置x0 を求めてい
る。尚、指標マークFM1 、FM2 の各中心位置を求め
る代わりに、指標マークFM1 の右エッジと指標マーク
FM2 の左エッジの各位置を求めることで、中心位置x
0 を求めるようにしても構わない。一方、ここでは図1
4(B)に示すように画像信号上の波形が、各バーマー
クの左エッジ、右エッジに対応した位置でボトムとなっ
ており、FIA演算ユニット61はスライスレベルSL
1 により波形処理を行って各バーマークの中心位置を求
めた後、各位置を加算平均してウエハマークWM1 の中
心位置xC を算出する。さらに、先に求めた位置x0
マーク計測位置xC との差Δx(=x0 −xC )を算出
し、FIA系20の観察領域内にウエハマークWM1
位置決めされたときのウエハステージ3の位置と先の差
Δxとを加えた値をマーク位置情報として出力してい
る。
【0076】従って、上記の如きFIA系20において
変更可能な信号処理条件としては、波形解析アルゴリズ
ム、スライスレベルSL1 (電圧値)、コントラストリ
ミット値、及び処理ゲート幅Gx(画素上での幅Gxの
中心位置、及びその幅)等がある。さらに波形解析アル
ゴリズムとしては、各バーマークの中心位置を求めるに
際して、バーマークの左エッジ、右エッジに対応した波
形部分BS1L、BS1RとBS2L、BS2Rとのうち、外
スロープBS1L、BS2Rのみを用いるモード、内スロ
ープBS1R、BS2Lのみを用いるモード、外スロープ
BS1L、BS2R、及び内スロープBS1R、BS2Lを用い
るモードがある。
【0077】次に、図15を参照してLIA系(特にヘ
テロダイン方式)での信号処理条件について説明する。
図15に示すように、ウエハ上の1次元の回折格子WM
2 に対して、周波数差Δfの2本のコヒーレントビーム
(平行光束)BM1 、BM2が交差角(2ψ0 )で入射
すると、回折格子WM2 上にはピッチP(但し、格子ピ
ッチ2P)の1次元の干渉縞IFが作られる。この干渉
縞IFは、回折格子WM2 のピッチ方向に周波数差Δf
に対応して移動することになり、その速度VはV=Δf
・Pなる関係式で表される。この結果、回折格子WM2
からは図15に示すような回折光B1 (-1)、B2 (+1)、
・・・が発生する。尚、添字1、2は入射ビームBM
1 、BM2 との対応を表し、カッコ内の数字は回折次数
を表している。通常、LIA系では光軸AXに沿って進
行する±1次回折光B1 (-1)、B2(+1)の干渉光の光電
信号と、2本の送光ビームから別途作成された参照用干
渉光の光電信号との位相差を求めることにより位置ずれ
を検出している。または、0次回折光B2 (0) と−2次
回折光B1 (-2)との干渉光の光電信号と参照用の光電信
号との位相差から検出した位置ずれ量と、0次回折光B
1 (0) と−2次回折光B2 (+2)との干渉光の光電信号と
参照用の光電信号との位相差から検出した位置ずれ量と
を加算平均して位置ずれ量を求めるようにしても良い。
【0078】従って、上記の如きLIA系で変更可能な
信号処理条件は、光電検出すべき干渉光(回折光の次
数)の選択のみである。すなわち、LIA系では±1次
回折光B1 (-1)、B2 (+1)を用いる第1モード、0次回
折光B2 (0) と−2次回折光B 1 (-2)、及び0次回折光
1 (0) と−2次回折光B2 (+2)を用いる第2モード、
さらには第1モードと第2モードとでの干渉光の強度を
比較して、その強度値が大きい方を選択して使用する第
3モードとがあり、LIA系の最適化に際してはこの3
つのモードを変更してシミュレーションを行うことにな
る。
【0079】また、本実施例では真の配列座標値(MVE
xn、MVEyn)を求めるために、目視用のバーニア(図
4)を用いていたが、例えば図16に示すような2組の
パターン群、すなわち主尺パターン(RX1a、RX1b
及び(RY1a、RY1b)と副尺パターン(RX2a、RX
2b)及び(RY2a、RY2b)を用いれば、目視によらず
別設の検査装置(さらにはステッパーのアライメントセ
ンサー)において両者の位置ずれ量(ΔVx、ΔVy)
を自動計測でき、しかも計測精度も向上させることがで
きる。この種のパターンを用いた計測技術に関しては、
例えば特開平2−31142号公報に開示されているの
で、ここでは説明を省略する。尚、図16中では主尺パ
ターンに対して副尺パターンを重ね合わせた様子を点線
にて示しており、例えばX方向の位置ずれ量ΔVxは、
交差した部分(斜線部)の距離Lyを計測することによ
って、ΔVx=(LY−Ly)/2・tan(α/2)なる
関係式から算出される。ここで、LYは主尺パターンと
副尺パターンとがX方向に位置ずれすることなく正確に
重ね合わせが行われたときの距離(設計値)である。ま
た、図16に示したパターン群を用いずとも、例えば主
尺パターン及び副尺パターンとしてともに図8(A)中
に示したような回折格子マークMxを用い、両者を所定
間隔(設計値)だけ離してウエハ上に転写すれば、両者
の間隔を計測して設計値との差を求めることにより、上
記と同様に位置ずれ量を自動計測することが可能とな
る。
【0080】また、上記実施例ではLSA系での信号処
理条件の最適化についてのみ説明したが、例えば同一の
プロセスウエハについてFIA系やLIA系でもその信
号処理条件の最適化を行っておき、上記実施例における
ベクトルeに相当する誤差が最も小さくなるアライメン
トセンサーを選択し、このアライメントセンサーをプロ
セスウエハの種類に対応付けて記憶部506に格納して
おけば、より一層重ね合わせ精度を向上させることが可
能となる。また、上記実施例では主尺パターンRP1
副尺パターンRP2 とを同一レチクル上に形成し、レチ
クルを所定距離だけ移動させることによって重ね合わせ
露光を行うこととしたが、当然ながら上記2つのパター
ンを別々のレチクルに形成し、レチクル交換を行ってか
ら重ね合わせ露光を行うようにしても良い。さらに、主
尺パターンRP1 と副尺パターンRP2 とはテストレチ
クルに形成しても、あるいはデバイスレチクルの一部
(例えばマルチ・ダイ・レチクルにあってはストリート
ライン相当領域内)に形成するようにしても構わない。
【0081】さらに、上記実施例では露光が終了した時
点でウエハの現像、エッチング処理を行い、ウエハ上の
下地層に形成されたパターンを使って各種計測(例えば
バーニア計測、マーク位置計測等)を行うこととした
が、例えばレジスト層に対して2重露光を行うことによ
り形成されたマークやバーニアの像(潜像)、またはそ
のウエハに対して現像処理のみを施すことにより形成さ
れるマークやバーニアのレジスト像を使って各種計測を
行うようにしても構わない。ここで潜像を用いる場合に
は、1st露光により形成されたマーク像(潜像)をアラ
イメントセンサーで検出した後に2nd露光が行われるの
に対して、レジスト像を用いる場合には、1st露光及び
2nd露光が終了した時点で現像処理が施され、その結果
形成されるレジスト像を使って各種形成が行われること
になる。つまり、レジスト像を用いる場合には、1st露
光でレジスト層に形成されたマーク像が2nd露光におい
ても露光され、現像処理を施してもマークのレジスト像
が形成されないことが起こり得る。そこで、このような
場合には2nd露光を行うにあたって、予め1st露光で形
成されたマーク像に対応するレチクルの部分領域に遮光
層(クロム等)を形成しておく、もしくは照明光学系中
のレチクルとほぼ共役な面内に配置される可変ブライン
ドを駆動して、レジスト層のマーク像が露光されないよ
うにレチクルの当該領域を遮光しておく必要がある。
【0082】以上の実施例では、バーニア計測(ステッ
プ107)を行うことによって1stショット領域の真の
座標位置MVEを求め、これによって重ね合わせ誤差(ベ
クトルv)をLSA誤差(ベクトルe)とEGA誤差
(ベクトルa)とに分けて解析していた。ここで、バー
ニア計測を行わない場合は、例えば図9中に示す点MVE
が点MALに一致することになる。しかしながら、このよ
うな場合でも上記の如き信号処理条件についてシミュレ
ーションを行えば、点MVEと点MALとは近づき、上記条
件に応じたLSA誤差(ベクトルe)の変化の傾向を知
ることができる。従って、本発明では必ずしもバーニア
を必要とせず、バーニア計測を行わなくとも、信号処理
条件の最適化を行うことが可能となっている。
【0083】また、本発明による位置合わせ装置をステ
ッパーに適用する場合について述べたが、ステッパー以
外の露光装置(X線露光装置、複数の分割マスクを備え
た電子ビーム露光装置等)、ステップ・アンド・リピー
ト方式で順次検査を行う装置、またはウエハ上の素子の
一部にレーザ光を照射して、欠陥素子のリペアを行う装
置等に適用しても、本実施例と同様の効果を得られる。
【0084】
【発明の効果】以上のように本発明では、露光位置算出
手段で選択される少なくとも2つの露光領域を選択する
ための配置条件を複数設定し、この複数の配置条件がア
ライメント精度上でどのような向上をもたらすかを解析
することができる。従って、露光領域の配置条件を最適
化することによって、より一層アライメント精度を向上
させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の位置合わせ装置を備えた縮小投影型露
光装置の制御系の概略的な構成の一例を示すブロック
図。
【図2】本発明の位置合わせ装置を備えた縮小投影型露
光装置の概略的な構成を示す斜視図。
【図3】図2に示した縮小投影型露光装置の照明光学系
の概略的な構成を示す斜視図。
【図4】レチクルに形成される主尺パターンと副尺パタ
ーンの構成の一例を示す平面図。
【図5】本発明の実施例における重ね合わせ誤差の解析
動作の一例を示す概略的なフローチャート図。
【図6】ウエハ上に形成される複数のショット領域の様
子を示す平面図。
【図7】EGA演算の説明に供する図。
【図8】LSA系によるマーク位置計測の様子を説明す
る図。
【図9】本発明の実施例による重ね合わせ誤差の解析結
果の様子を説明する図。
【図10】本発明の実施例での重ね合わせ誤差を最小と
するための動作の一例を示す概略的なフローチャート
図。
【図11】本発明の実施例によるLSA誤差の解析結果
の様子を説明する図。
【図12】本発明の実施例においてマーク位置検出時の
信号処理条件、及び統計演算でのEGAショット配置を
最適化したときの重ね合わせ誤差の様子を説明する図。
【図13】本発明の実施例においてLSA誤差が大きく
残存するときの重ね合わせ誤差の様子を説明する図。
【図14】FIA系によるマーク位置計測の様子を説明
する図。
【図15】LIA系によるマーク位置検出の様子を説明
する図。
【図16】レチクルに形成する主尺パターンと副尺パタ
ーンの別の例を示す図。
【図17】従来技術の説明に供する図。
【符号の説明】
3 …ウエハステージ 9、10…干渉計 60 …LSA演算ユニット 61 …FIA演算ユニット 62 …信号データ記憶部 63 …入力装置 64 …表示装置 501 …アライメントデータ記憶部 502 …EGA演算ユニット 503 …露光ショットマップデータ部 504 …シーケンスコントローラ 505 …演算部 506 …記憶部 W …ウエハ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 7/20 - 7/24 G03F 9/00 - 9/02 H01L 21/027

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上における複数の露光領域のうち、少
    なくとも2つの露光領域に関する位置合せ用マークの位
    置に基づいて、前記複数の露光領域に関するそれぞれの
    露光位置を算出し、該算出された露光位置にしたがっ
    て、前記基板を位置合せする位置合せ装置において、 前記複数の露光領域のうち、少なくとも2つの露光領域
    を選択するための配置条件を複数設定し、該複数の配置
    条件のもとでそれぞれ選択された少なくとも2つの露光
    領域に関する位置合わせ用マークの位置に基づき、前記
    複数の配置条件毎に、前記複数の露光領域に関するそれ
    ぞれの露光位置を算出する露光位置算出手段と、 前記複数の配置条件毎に算出された前記露光位置に基づ
    いて、前記複数の配置条件のなかから、前記露光位置算
    出手段における前記露光位置の算出誤差が小さくなる配
    置条件を求める演算手段とを有することを特徴とする位
    置合わせ装置。
  2. 【請求項2】前記複数の露光領域に関するそれぞれの位
    置合せ用マークの位置を検出するマーク検出手段と、 前記マーク検出手段で検出された前記位置合せ用マーク
    の位置を記憶する記憶手段とを有し、 前記露光位置算出手段は、前記記憶手段に記憶された前
    記位置合せ用マークの位置を用いて、前記複数の配置条
    件毎に、前記複数の露光領域に関するそれぞれの露光位
    置を算出することを特徴とする請求項1に記載の位置合
    わせ装置。
  3. 【請求項3】前記演算手段は、前記記憶手段に記憶され
    た、前記複数の露光領域に関するそれぞれの位置合わせ
    用マークの位置と、前記露光位置算出手段で算出され
    た、前記複数の露光領域に関するそれぞれの露光位置と
    に基づいて、前記複数の露光領域毎に前記算出誤差を算
    出することを特徴とする請求項2に記載の位置合わせ装
    置。
  4. 【請求項4】前記複数の配置条件は、選択する前記露光
    領域の数が互いに異なることを特徴とする請求項1から
    請求項3のいずれか一項に記載の位置合せ装置。
  5. 【請求項5】前記複数の配置条件は、選択する前記露光
    領域の位置が互いに異なることを特徴とする請求項1か
    ら請求項3のいずれか一項に記載の位置合わせ装置。
  6. 【請求項6】基板上における複数の露光領域のうち、少
    なくとも2つの露光領域に関する位置合せ用マークの位
    置に基づいて、前記複数の露光領域に関するそれぞれの
    露光位置を算出し、該算出された露光位置にしたがっ
    て、前記基板を位置合せする位置合せ方法において、 前記複数の露光領域のうち、少なくとも2つの露光領域
    を選択するための配置条件を複数設定し、 該複数の配置条件のもとでそれぞれ選択された少なくと
    も2つの露光領域に関する位置合せ用マークの位置に基
    づき、前記複数の配置条件毎に、前記複数の露光領域に
    関するそれぞれの露光位置を算出し、 前記複数の配置条件毎に算出された前記露光位置に基づ
    いて、前記複数の配置条件のなかから、前記位置合わせ
    に関する誤差成分が小さくなる配置条件を決定すること
    を特徴とする位置合わせ方法。
  7. 【請求項7】前記複数の配置条件は、選択する前記露光
    領域の位置が互いに異なることを特徴とする請求項6に
    記載の位置合わせ方法。
  8. 【請求項8】前記複数の配置条件は、選択する前記露光
    領域の数が互いに異なることを特徴とする請求項6に記
    載の位置合わせ方法。
  9. 【請求項9】請求項1から請求項5に記載の位置合わせ
    装置を備える露光装置。
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