JPH04324615A - 位置合わせ装置及び位置合わせ方法 - Google Patents

位置合わせ装置及び位置合わせ方法

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JPH04324615A
JPH04324615A JP3094463A JP9446391A JPH04324615A JP H04324615 A JPH04324615 A JP H04324615A JP 3094463 A JP3094463 A JP 3094463A JP 9446391 A JP9446391 A JP 9446391A JP H04324615 A JPH04324615 A JP H04324615A
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shot
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の被加工領域がX
、Y方向に規則的に整列して形成された基板と所定の基
準点との相対的な位置合わせを行う装置に関し、特に半
導体素子や液晶表示素子製造用の露光装置に好適なマス
クまたはレチクルと感光性基板(半導体ウエハ、液晶用
プレート等)との位置合わせ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体素子製造のリソグラフィ工
程では、レチクルパターンを高分解能でウエハ上に転写
する装置として、ステップ・アンド・リピート方式の縮
小投影型露光装置(ステッパー)が多用されるようにな
っている。この種のステッパーでは半導体素子の高集積
化に伴って、露光光の短波長化や高開口数(N.A.)
の投影レンズの開発が行われ、最近ではウエハ上での解
像線幅がサブ・ミクロン(0.5μm程度)に達してい
る。このような高解像パターンを転写するには、その解
像力に見合ったアライメント(重ね合わせ)精度が必要
となっている。
【0003】現在、ステッパーのアライメント方式は、
例えば特開昭61−44429号公報、または特開昭6
2−84516号公報に開示されているように、拡張さ
れたウエハ・グローバル・アライメント(以下、エンハ
ンスメント・グローバル・アライメント:EGAと呼ぶ
)が主流となっている。EGA方式とは、1枚のウエハ
に対して重ね合わせ露光を行うのに先立ち、ウエハ上に
形成された複数のショット領域のうち、例えばウエハの
中心及びその外周付近に位置する7つのショット領域を
指定し、各ショット領域に付随した2組(X、Y方向)
の位置合わせ用のマークの位置をアライメントセンサー
にて計測(サンプルアライメント)する。しかる後、こ
れらマークの位置計測値と設計値とに基づいて、ウエハ
上のショット領域の配列特性に関する誤差パラメータ、
すなわちウエハ中心位置のオフセット(X、Y方向)、
ウエハの伸縮度(X、Y方向)、ウエハの残存回転量、
及びウエハステージの直交度(またはショット配列の直
交度)の計6つのパラメータを統計的手法(最小二乗法
等)により決定する。そして、この決定されたパラメー
タの値に基づいて、ウエハ上の全てのショット領域に対
してその設計上の座標値を補正し、この補正された座標
値にウエハが位置するように、順次ウエハステージをス
テッピングさせていく方式である。
【0004】このEGA方式の利点は、■ウエハ露光に
先立ってウエハ上の全ショット数と比べてわずかな数(
3〜16個程度)のマークの位置を計測した後はマーク
位置計測を必要としないため、スループットの向上が望
めること、■従来のグローバルアライメント法と異なり
、ショット領域の配列特性を高精度に認識するため、サ
ンプルアライメントを行わなかった他のショット領域に
対しても極めてアライメント精度が良く、さらに十分な
数のショット領域に対してサンプルアライメントを行う
と、個々のマーク検出誤差が統計的な演算のもとで平均
化されることになり、1ショット毎のアライメント(ダ
イ・バイ・ダイまたはサイト・バイ・サイト方式)と同
等、もしくはそれ以上のアライメント精度が、ウエハ全
面の全てのショット領域に対して望めることである。
【0005】ここで、図17を参照してEGA方式によ
る重ね合わせ露光の動作を簡単に説明する。図17にお
いて、点Dはウエハ上に形成すべきショット領域の設計
上のファースト(1st)露光位置、点MALは実際に
ウエハ上に形成されたショット領域SA1st の1s
t露光位置(計測値)、点DEGはEGA演算によって
算出された計算上のセカンド(2nd)露光位置を表し
ている。ショット領域SA1st に対する重ね合わせ
露光を行うにあたっては、まずEGA演算(上記変換行
列)によって設計上の2nd露光位置(すなわち1st
露光位置D)を変換(補正)して2nd露光位置DEG
を求める(図中ではベクトルegaにて表している)。 しかる後、ウエハステージを2nd露光位置DEGまで
ステッピングさせて露光を行うと、レチクルパターンの
投影像がショット領域SA1st に重ね合わされて転
写され、ウエハ上にショット領域SA2nd として形
成されることになる。尚、図17中ではアライメントセ
ンサーによって計測されたショット領域SA1st の
1st露光位置MALと、実際にウエハ上に形成された
ショット領域SA2nd の2nd露光位置DEG(計
算値)とのずれ(すなわち重ね合わせ誤差)をベクトル
Veで誇張して表している。通常、この重ね合わせ誤差
(ベクトルVe)は零ないし所定の許容値(例えば、最
小解像線幅の1/5程度)以内となっており、ショット
領域SA1st とSA2nd とはほぼ重なり合って
ウエハ上に形成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
如き従来技術においては、EGA方式を使ってウエハ上
の各ショット領域に対してレチクルパターンの重ね合わ
せ露光を行っても、全てのショット領域においてその重
ね合わせ誤差(図17中のベクトルVeに相当)が所定
の許容値以内となり得ないという問題がある。これは、
■ウエハ上に形成された実際のショット領域の各位置座
標には、プロセス(現像処理等)の影響等により設計上
の位置座標に対してランダムな位置誤差が含まれること
、■ショット領域のアライメントマークを検出する場合
、マーク自体の形状歪みや測定系に含まれるノイズ等に
起因する計測誤差が存在すること等によって生じるもの
と考えられている。しかしながら、実際には重ね合わせ
誤差が何を原因として発生しているのかがはっきり解析
、分類されないまま、ステッパーでは上記誤差量に対す
る評価が行われている。
【0007】本発明は以上の点を考慮してなされたもの
で、重ね合わせ誤差の発生要因を解析でき、さらには重
ね合わせ精度を向上させることができる位置合わせ装置
を得ることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる問題点を解決する
ため本発明においては、複数の被加工領域〔ショット領
域SAn 〕が所定の配列座標に従って2次元的に形成
された基板〔ウエハW〕を保持して2次元移動する基板
ステージ〔ウエハステージ3〕と、基板ステージの移動
位置を規定する静止座標系〔直交座標系XY〕内の所定
位置〔原点O〕に加工中心点〔投影光学系1の光軸AX
〕を有し、基板上の複数の被加工領域のうち任意の1つ
の被加工領域を加工する加工手段〔投影光学系1及び照
明光学系11〜18〕と、静止座標系XY上で加工中心
点に対して一定の位置関係で設定された検出中心点〔ス
ポット光LXS、LYS〕を有し、基板上の複数の被加
工領域の夫々に付随したマークMx、Myのうち、予め
選ばれた少なくとも2つの特定被加工領域の夫々に付随
したマークを特定マークとして検出するためのマーク検
出手段〔X、Y−LSA系〕と、マーク検出手段の検出
中心点と特定マークの夫々とが一致するように基板ステ
ージを移動させた時の静止座標系XY上における座標位
置を計測する座標計測手段〔干渉計9、10〕と、計測
された複数の座標位置を統計演算することによって、基
板上の複数の被加工領域の夫々の位置を静止座標系XY
上の座標位置として算出する統計演算手段〔EGA演算
ユニット502〕とを備え、この算出された複数の被加
工領域の夫々の座標位置に従って基板ステージの移動位
置を制御することによって、基板上の複数の被加工領域
の夫々を順次加工手段の加工中心点に対して位置合わせ
する装置において、基板上の複数の被加工領域のうち、
評価用の少なくとも1つの被加工領域を設定し、加工手
段によって評価用の被加工領域を加工した際の加工中心
点に対する評価用の被加工領域の位置ずれ量(ΔV)と
、統計演算手段によって算出された評価用の被加工領域
の計算上の座標位置(DEG)とに基づいて、評価用の
被加工領域の実際の座標位置(MVE)と計算上の座標
位置(DEG)との位置ずれベクトル(v)を算出する
第1計算手段〔演算部505〕と;マーク検出手段と座
標計測手段とによって、評価用の被加工領域に付随した
マークの位置を計測することで、評価用の被加工領域の
計測上の座標位置(MAL)を求める手段〔LSA演算
ユニット60〕と;計測上の座標位置(MAL)と位置
ずれベクトル(v)とに基づいて、実際の座標位置(M
VE)と計測上の座標位置(MAL)との位置ずれベク
トル(e)と、計測上の座標位置(MAL)と計算上の
座標位置(DEG)との位置ずれベクトル(a)とを算
出する第2計算手段〔演算部505〕と;2つの位置ず
れベクトル(v)、(e)のベクトル和が位置ずれベク
トル(a)になるように、3つの位置ずれベクトル(v
)、(e)、(a)の線図を表示する表示手段〔表示装
置64〕と;マーク検出手段と座標計測手段とによって
測定されるマークの座標位置、もしくは統計演算手段の
演算パラメータの一部を計算上で修正する手段〔LSA
演算部60、もしくはEGA演算ユニット502〕とを
設け、上記修正が行われるたびに3つの位置ずれベクト
ル(v)、(e)、(a)の線図を表示手段に表示する
こととした。
【0009】
【作用】本発明では、複数の被加工領域が2次元的に形
成された基板上において、■評価用の被加工領域の実際
の座標位置(MVE)と、マーク検出手段と座標計測手
段とによって求められる計測上の座標位置(MAL)と
が必ずしも一致しないこと、■評価用の被加工領域の計
測上の座標位置(MAL)と、統計演算によって算出さ
れる計算上の座標位置(DEG)との関係(換言すれば
、統計演算手段の演算パラメータ)が、複数の被加工領
域の中から選択した評価用の被加工領域の基板上での位
置に応じて変動し得ることに着目し、被加工領域の実際
の座標位置(MVE)に対する計算上の座標位置(DE
G)のずれ、すなわち重ね合わせ誤差(ベクトルv)を
、マーク位置(座標値)の検出時に生じ得る誤差(ベク
トルe)と、統計演算において評価用の被加工領域の基
板上での位置(またはその数)に対応して生じる誤差(
ベクトルa)とに分けて解析することとした。さらに、
修正手段によってマーク位置、もしくは演算パラメータ
の一部を計算上で修正するとともに、この修正が行われ
るたびに3つの位置ずれベクトル(v)、(e)、(a
)の線図を表示手段に表示することとした。
【0010】このため、アライメント精度の評価ととも
に、マーク位置検出における信号処理条件(例えばスラ
イスレベル)や統計演算におけるショット配置(例えば
、評価用の被加工領域の位置、または数)を変更(修正
)し、各条件下でのベクトル(v)、(e)、(a)の
シミュレーションを実行することにより、各条件がアラ
イメント精度上でどのような向上をもたらすかを解析す
ることができる。
【0011】
【実施例】図2は本発明の位置合わせ装置を備えた縮小
投影型露光装置(ステッパー)の概略的な構成を示す斜
視図、図3は図2に示すステッパーの照明光学系の概略
的な構成を示す斜視図である。図3に示すように、超高
圧水銀灯11から発生する所定波長域の照明光(g線、
i線等)は楕円鏡12で反射された後、コールドミラー
13で反射されて楕円鏡12の第2焦点上に集光される
。さらに、コリメータレンズ等を含む集光光学系14、
及びオプチカルインテグレータ(フライアイレンズ群)
15を通過し、光束の一様化等が行われた照明光は、リ
レーレンズ系16を介してミラー17に至り、ここでほ
ぼ垂直に下方に反射された後、コンデンサーレンズ18
を介してレチクルRをほぼ均一な照度で照明する。尚、
露光用照明光源としてKrFエキシマレーザ光源等を用
いても構わない。
【0012】投影原版となるレチクルRには、回路パタ
ーン領域PAの外側(レチクル周辺側)に、レチクルR
の位置決めを行うためのレチクルアライメントマークR
X、RY1 、RY2 が形成されている。レチクルR
はレチクルステージ19上に載置され、パターン領域P
Aの中心点RCが投影光学系1の光軸AXとほぼ一致す
るように位置決めが行われる。レチクルステージ19は
駆動モータ21、22により水平面内で2次元移動可能
に構成され、その端部にはレーザ光波干渉式測長器(以
下、干渉計とする)25、26からのレーザビームを反
射する移動鏡23、24が固定されている。干渉計25
、26はレチクルRの2次元的な位置を、例えば0.0
1μm程度の分解能で常時検出する。レチクルRの初期
設定は、レチクル周辺のアライメントマークRX、RY
1 、RY2 を光電検出するレチクルアライメント系
(不図示)からのマーク検出信号に基づいて、レチクル
ステージ19を微動することにより行われる。
【0013】ところで、本実施例では図4に示すような
2組のパターン群(主尺パターンRP1 と副尺パター
ンRP2 )が、例えばレチクルRの中心点RCの近傍
に、Y方向に所定間隔ΔYだけ離れて形成されている。 尚、図4に示す如き2組のパターン群の構成等について
は、例えば特公昭63−38697号公報に開示されて
いる。図4において、格子パターン70xはX方向に一
定ピッチで設けられ、格子パターン70yはY方向にパ
ターン70xと同一ピッチで設けられている。格子パタ
ーン70x、70yの各々には、パターンの中央を0と
して正、負方向に2、4、6、8と目安となる数字が打
たれている。格子パターン71x、71yは格子パター
ン70x、70yの補助として設けられたもので、ここ
では荒いバーニアとして働く。以上、4つの格子パター
ンによって主尺パターンRP1 が構成されるが、格子
パターン71x、71yは特に設けずとも良い。また、
副尺パターンRP2 を成す格子パターン80x、80
yは、そのピッチが格子パターン70x、70yのピッ
チよりもわずかに大きいピッチに定められるとともに、
各バーマークは主尺パターンRP1 と副尺パターンR
P2 とを重ね合わせた時に格子パターン70x、70
yの各バーマークの間に挟まるように形状決めされてい
る。荒いバーニアとして働く格子パターン81x、81
yについても同様に、格子パターン71x、71yのピ
ッチよりもわずかに大きいピッチに定められるとともに
、各バーマークは格子パターン71x、71yの各バー
マークの間に挟まるように形状決めされている。
【0014】さて、図2に示すようにパターン領域PA
を通過した照明光は、片側(または両側)テレセントリ
ックな投影光学系1に入射し、投影光学系1はレチクル
Rの回路パターンの投影像を1/5、または1/10に
縮小して、表面にレジスト層が形成されたウエハW上の
1つのショット領域SAに重ね合わせて結像投影する。 ウエハホルダ2はウエハWを真空吸着するとともに、X
、Y方向に2次元移動するウエハステージ3に対して微
小回転可能に設けられる。駆動モータ4はウエハステー
ジ3上に固定され、ウエハホルダ2を回転させる。また
、ウエハステージ3は駆動モータ5、6によりステップ
・アンド・リピート方式で2次元移動され、ウエハW上
の1つのショット領域SAに対するレチクルRの転写露
光が終了すると、次のショット位置までステッピングす
る。ウエハステージ3の端部の直交する2辺には、反射
平面がY方向に伸びた移動鏡7と、反射平面がX方向に
伸びた移動鏡8とが各々固設されている。干渉計9は移
動鏡8にレーザビームを投射して、ウエハステージ3の
Y方向の位置(または移動量)を、例えば0.01μm
の分解能で常時検出し、干渉計10は移動鏡7にレーザ
ビームを投射して、ウエハステージ3のX方向の位置(
または移動量)を同様の分解能で検出する。尚、投影光
学系1の光軸AXは干渉計9、10の測長軸(レーザ光
束の中心線)の交点を通るように構成されている。また
、図2中には示していないが、ステージコントローラ2
7(図1参照)は干渉計9、10からの位置計測信号等
に基づいて、ウエハホルダ2及びウエハステージ3の移
動や位置決めを制御するように構成されている。
【0015】また、図2中には投影光学系1から一定間
隔で固定され、ウエハW上のアライメントマークを拡大
観察するオフ・アクシス方式のアライメント光学系(F
ieldImage Alignment;FIA系)
20も示されている。 FIA系20の構成等については、例えば特開平2−5
4103号公報に開示されているので、ここでは簡単に
説明する。FIA系20は、所定の波長幅を有する照明
光をウエハWに照射することにより、ウエハ上のアライ
メントマークの像と、対物レンズ等によってウエハと共
役に配置された指標板上の指標マークとを、ITV、C
CDカメラ等の撮像素子の受光面上に結像する。撮像素
子からのビデオ信号VSは、干渉計9、10からの位置
計測信号とともに後述のFIA演算ユニット61(図1
参照)に入力する。FIA演算ユニット61はビデオ信
号VSの波形に基づいて指標マークに対するマーク像の
ずれを求め、マーク像が指標マークの中心に位置した時
のマーク位置に関する情報を主制御装置50に対して出
力する。
【0016】さらに、ステッパーにはマーク検出可能範
囲(サーチ範囲)が広く、高速アライメント計測が可能
なTTL(Through The Lens)方式の
レーザ・ステップ・アライメント(LSA)系が設けら
れている。尚、LSA系の構成等については、例えば特
開昭60−130742号、または先に述べた特開平2
−54103号公報に開示されているので、ここでは簡
単に説明する。
【0017】図示していないが、He−Ne、Arイオ
ン等のレーザ光源から発生するレーザビームは、ビーム
エクスパンダーで所定のビーム径に拡大され、シリンド
リカルレンズにより細長い楕円ビームに整形された後、
ビームスプリッター30に入射して2つの光束に分割さ
れる。ビームスプリッター30を通過したレーザ光束は
ミラー31で反射され、ビームスプリッター32を通過
して、結像レンズ群33によって横断面が帯状のスポッ
ト光になるように収束された後、レチクルRと投影光学
系1との間に、回路パターン像の投影光路を遮光しない
ように配置された第1折り返しミラー34に入射する。 第1折り返しミラー34はレーザ光束をレチクルRに向
けて上方に反射する。そのレーザ光束はレチクルRの下
側に設けられ、レチクルRの表面と平行な反射平面を有
するミラー35に入射して、投影光学系1の入射瞳Ep
の中心に向けて反射される。ミラー35からのレーザ光
束は、投影光学系1の軸外部分から主光線がウエハWと
ほぼ垂直になるように収束され、ウエハW上では光軸A
Xに向かってX方向に細長く伸びた帯状のスポット光L
YSとして結像される。
【0018】さて、スポット光LYSはウエハW上でX
方向に伸びた回折格子状のアライメントマークを相対的
にY方向に走査して、そのマークの位置を検出するため
に使われる。スポット光LYSがマークを照射すると、
マークからは正反射光(0次光)とともに回折光(1次
光以上)や散乱光が生じる。これら光情報は、再び投影
光学系1、ミラー35、ミラー34、及び結像レンズ群
33を通ってビームスプリッター34に戻り、ここで反
射されて、投影光学系1の瞳Epと共役な空間フィルタ
ーと集光レンズとから成る光学素子36に入射する。光
学素子36は、これら光情報のうち高次回折光(例えば
±1〜3次回折光)、または散乱光を透過させ、正反射
光(0次光)を遮断し、回折光、または散乱光をミラー
37を介して光電素子38の受光面に集光する。光電素
子38は集光した回折光、または散乱光の光量に応じた
光電信号を出力する。以上、ミラー31、ビームスプリ
ッター32、結像レンズ群33、ミラー34,35、光
学素子36、ミラー37、及び光電素子38は、ウエハ
W上のマークのY方向の位置を検出するアライメント光
学系(以下、Y−LSA系と呼ぶ)を構成している。
【0019】一方、ビームスプリッター30で反射され
た別のレーザ光束は、ウエハW上のアライメントマーク
のX方向の位置を検出するアライメント光学系(以下、
X−LSAと呼ぶ)に入射する。X−LSA系はY−L
SA系と全く同様にミラー41、ビームスプリッター4
2、結像レンズ群43、ミラー44,45、光学素子4
6、ミラー47、及び光電素子48から構成され、ウエ
ハW上にY方向に細長く伸びた帯状のスポット光LXS
を結像する。
【0020】ところで、光電素子38,48からの光電
信号LSは、干渉計9、10からの位置計測信号ととも
に後述のLSA演算ユニット60(図1参照)に入力し
、LSA演算ユニット60はウエハステージ3の単位移
動量(0.01μm)毎に発生するアップ・ダウンパル
ス信号に同期して光電信号LSをサンプリングする。 そして、各サンプリング値をデジタル値に変換してメモ
リに番地順に記憶させた後、所定の演算処理によってア
ライメントマークの位置を検出し、この位置情報を主制
御装置50に対して出力する。尚、LSA演算ユニット
60は回折光及び散乱光の各強度に応じた光電信号の波
形処理を並行して行い、両方の検出結果からアライメン
トマークの位置を決定しても構わない。
【0021】次に、図1を参照して上記構成の装置全体
を統括制御する主制御装置50について説明する。図1
は本実施例による装置の制御系の概略的な構成を示すブ
ロック図であって、主制御装置50は干渉計9、10か
らの位置計測信号PDSを常時入力しているものとする
。図1において、信号データ記憶部62はX、Y−LS
A系(光電素子38、48)からの光電信号LS、例え
ばLSA演算ユニット60にてデジタル値に変換された
波形データを記憶することができる。図1ではFIA系
20(撮像素子)からのビデオ信号VSも記憶すること
が可能となっている。アライメント(ALG)データ記
憶部501は、LSA演算ユニット60、FIA演算ユ
ニット61の両方からのマーク位置情報(すなわちショ
ット領域の配列座標値MALn )を入力可能となって
いる。EGA演算ユニット502は、ALGデータ記憶
部501に記憶されたマーク位置情報に基づいて、統計
的な演算手法によりウエハW上のショット領域の配列座
標値DEGn を算出するもので、その算出結果はシー
ケンスコントローラ504と記憶部506とに送られる
。EGA演算ユニット502では、配列座標値DEGn
 に先立って演算パラメータ、すなわちウエハ中心位置
のオフセット(X、Y方向)、ウエハの伸縮度(X、Y
方向)、ウエハの残存回転量、及びウエハステージの直
交度、またはショット配列の直交度(後述の変換行列A
、O)も算出され、これらパラメータも記憶部506に
格納される。
【0022】また、露光(EXP)ショットマップデー
タ部503はウエハ上に露光すべきショット領域の設計
上の露光位置(配列座標値Dn )を格納し、この設計
値はEGA演算ユニット502とシーケンスコントロー
ラ504とに送られる。シーケンスコントローラ504
は、上記各データに基づいてアライメント時やステップ
アンドリピート方式の露光時のウエハステージ3の移動
を制御するための一連の手順を決定する。ここで、図1
中にはオペレータからのコマンドや各種計測データ(後
述のバーニア計測値ΔV等)を入力する装置(キーボー
ド等)63と、演算部505にて算出される重ね合わせ
誤差の解析結果(後述)を表示する装置(CRT等)6
4とが示されている。
【0023】さて、記憶部506はEGA演算ユニット
502からの演算パラメータ、及びショット領域の計算
上の配列座標値DEGn と、入力装置63からの入力
データ等を記憶する。また、演算部505は記憶部50
6に記憶されたデータ(ショット領域の計算上の配列座
標値DEGn 、バーニア計測値ΔV)と、ALGデー
タ記憶部501に記憶されたショット領域の計測上の配
列座標値MALn とに基づき、ウエハ上のショット領
域毎にその重ね合わせ誤差(ベクトルv)を解析、すな
わちマーク位置検出時に生じる誤差(ベクトルe)と、
サンプルアライメントすべきショット領域のウエハ上で
の位置(またはその数)に対応して統計演算時に生じる
誤差(ベクトルa)とに分けて解析するとともに、その
解析結果(すなわち、後述の位置ずれベクトルv、e、
aの線図)を表示装置64に表示する。さらに演算部5
05は、重ね合わせ誤差の解析結果に応じて、LSA演
算ユニット60(またはFIA演算ユニット61)にお
ける信号処理条件(例えば、波形解析アルゴリズム、ア
ルゴリズム・スライスレベル等)と、EGA演算ユニッ
ト502におけるEGAショット配置(すなわちサンプ
ルアライメントすべきショット領域の位置、数)とを計
算上で変更(修正)し、シミュレーションにより各条件
のもとでのベクトル(v)、(e)、(a)を算出する
(詳細後述)。また、演算部505におけるシミュレー
ション結果(3つの位置ずれベクトルv、e、aの線図
)は、信号処理条件またはEGAショット配置に関する
条件が変更されるたびに表示装置64に表示される。従
って、オペレータは表示装置64に表示される線図から
、上記条件がアライメント精度上でどのような向上をも
たらすかを知ることができる。また、オペレータは上記
結果から信号処理条件とEGAショット配置の各々の最
適な条件を求め、この条件を入力装置63からステッパ
ー(演算部505)に入力することによって、LSA演
算ユニット60とEGA演算ユニット502に対して最
適な処理条件を設定することが可能となっている。尚、
上記条件の変更は、演算部505からの指令に基づいて
、LSA演算ユニット60とEGA演算ユニット502
とがそれぞれ行っている。
【0024】次に、図5を参照して本実施例における重
ね合わせ誤差の解析方法について説明する。図5は本実
施例の動作の一例を示す概略的なフローチャート図であ
る。尚、本実施例ではX、Y−LSA系を用いてEGA
方式のアライメントを行う場合に生じる重ね合わせ誤差
を解析するものとする。さて、図2に示したステッパー
において、シーケンスコントローラ504はEXPショ
ットマップデータ部503に格納された情報、すなわち
ショット領域SAn の設計上の配列座標値(Dxn、
Dyn)に従ってウエハステージ3をステッピングさせ
、レチクルRのパターン(図4中に示した主尺パターン
RP1 )をウエハW上に順次転写していく(ステップ
100)。
【0025】1st露光が終了したウエハWはステッパ
ーから搬出された後、不図示のコータディベロッパーに
おいて現像処理等が施される。この結果、図6に示すよ
うにウエハW上には、複数の回路パターン(ショット領
域SAn )とアライメントマークMx、Myとがマト
リックス状に形成される。さらに、表面にレジスト層が
形成されたウエハWはステッパーに搬入され、ウエハス
テージ3上にローディングされる。この際、ステッパー
の内部ではショット領域SAn に対する重ね合わせ(
2nd)露光に備え、上記ウエハ処理と並行して、レチ
クルRをY方向にΔYだけシフトさせる。レチクルRは
、干渉計21、22からの位置計測信号に応じてレチク
ルステージ19をサーボ制御することにより移動される
。この結果、レチクルRは正確にΔYだけシフトし、副
尺パターンRP2 (図4)が1st露光時の主尺パタ
ーンRP1の座標位置に位置決めされることになる(ス
テップ101)。
【0026】さて、ウエハステージ3上にローディング
されたウエハWは、まず機械的なプリアライメント装置
(不図示)によって数十μm以下の精度で載置される。 次に、シーケンスコントローラ504はFIA系20及
びX−LSA系を用い、ウエハWのプリアライメントを
実行する。まず、FIA系20はウエハWの外周付近に
、かつウエハ中心に関してほぼ左右(Y軸)対称な位置
に形成された2つのショット領域(例えば、図6中のシ
ョット領域SA11、SA12)のY方向の位置を検出
する。一方、X−LSA系はウエハWの外周付近に、か
つ上記2つのショット領域SA11、SA12からほぼ
等距離にあるショット領域(例えば、図6中のショット
領域SA13)のX方向の位置を検出する。さらにシー
ケンスコントローラ504は、ALGデータ記憶部50
1に格納された3つのショット領域のマーク位置情報に
基づいて、干渉計9、10により規定される直交座標系
XYに対するウエハWの位置ずれ量(回転誤差を含む)
を算出する。しかる後、この位置ずれ量に応じてウエハ
ホルダ2及びウエハステージ3を駆動することにより、
ウエハWのプリアライメントが終了する。この結果、レ
チクルRとウエハW(ショット領域SAn)との相対的
な位置ずれが1μm以下の精度で補正されることになる
(ステップ102)。
【0027】ところで、ステップ102(プリアライメ
ント)終了後も、例えば図7に誇張して示しているよう
に、ウエハステージ3の移動座標系(直交座標系XY)
に対するショット領域SAn の配列座標系αβの回転
誤差θ(プリアライメントにて補正しきれなかったロー
テーション)が残存している。尚、図7ではα軸及びβ
軸上に配列されたショット領域のみを示してある。
【0028】そこで、次のステップ103ではEGA演
算に先立ち、X、Y−LSA系を用いてウエハW上の全
てのショット領域SAn のマーク位置計測を実行する
。 シーケンスコントローラ504は、EXPショットマッ
プデータ部503に格納されたショット領域の設計上の
配列座標値(Dxn、Dyn)に従ってウエハステージ
3をステッピングさせていき、ショット領域毎にウエハ
ステージ3を微動してX、Y−LSA系のスポット光L
XS、LYSとアライメントマークMx、Myとを相対
走査させる。これより、LSA演算ユニット60では所
定の信号処理条件のもとでマーク位置が算出され、これ
ら位置情報は配列座標値(MALxn、MALyn)と
してALGデータ記憶部501に記憶される。この際、
全てのショット領域SAn のマーク毎に光電素子38
、48から出力される光電信号LSの波形データも、信
号データ記憶部62に記憶させておく。
【0029】ここで、図8を参照してLSA系の計測動
作を簡単に説明する。図8は、マークMxとスポット光
LXSとの相対走査の様子と光電信号LSの波形の様子
との一例を示している。図8(A)に示すように、マー
クMxは相対走査方向(X方向)と直交したY方向に一
定のピッチを有する回折格子状であり、マークMxはウ
エハステージ3の微動によりスポット光LXSをほぼ平
行に横切るように走査される。この時、光電素子48か
らの信号LSは、図8(B)に示すような波形となる。 LSA演算ユニット60において、上記の如き信号波形
は所定のスライスレベルVrと比較され、信号波形の立
ち上がりと立ち下がりのスライスレベルVrとの各交点
の中心点が、マークMxのX方向の中心位置として決定
される。尚、図8(B)に示した信号波形は対称性が保
存されているが、マーク形状歪み等によって、図8(A
)と同一のピッチ構成のマークであっても、図8(C)
のように非対称な波形となったり、図8(D)のように
明確なピークが得られなかったり、あるいは図8(E)
のように本来1つのピークであるものが山割れを起こし
たりする。図8(D)のような波形の場合、波形解析ア
ルゴリズムによってマーク位置検出に不適当と判断され
、予めリジェクトされ得る。山割れ波形の場合はその程
度にもよるが、山割れによって生じた隣接する2つのピ
ークがマーク幅で決まる一定間隔内にある時は1つのマ
ーク波形とみなし、スライスレベルの設定でマーク中心
位置を計測することができる。
【0030】次に、先に述べた特開昭61−44429
号公報に開示された手法に従って、ウエハW上の全ての
ショット領域SAn の配列座標値(DEGxn、DE
Gyn)を算出する。まず、EGA演算ユニット502
はステップ103でALGデータ記憶部501に記憶さ
れた全てのショット領域SAn の配列座標値(MAL
xn、MALyn)のうち、ウエハWの外周付近に位置
する複数個のショット領域(例えば、図6中のショット
領域SA1 〜SA7 )の配列座標値を読み出す。そ
して、この読み出したショット領域SA1 〜SA7 
の計測上の配列座標値(MALxn、MALyn)と、
ALGショットマップデータ部504に格納された設計
上の配列座標値(Dxn、Dyn)とに基づいて、ステ
ップアンドリピート方式で位置合わせすべきウエハW上
でのショット配列の規則性、すなわち以下の数式1に示
す写像関係式(行列式MALn =A・Dn +O)に
おける変換行列A、Oを決定する。但し、上記関係式に
おける変換行列A、Oは、残存回転誤差θ、直交度ω及
びスケーリング誤差Rx、Ryと、オフセット誤差Ox
、Oyとの夫々をパラメータとして含み、変換行列Aは
2行2列、Oは2行1列の行列である。
【0031】
【数1】
【0032】尚、変換行列A、Oは以下の数式2、3で
表される。
【0033】
【数2】
【0034】
【数3】
【0035】ここで、ウエハ上のショット領域は、計測
上の配列座標値(MALxn、MALyn)及び設計上
の配列座標値(Dxn、Dyn)に対して残差項(εX
n 、εYn )が存在し、上記数式1は以下の数式4
のように書き換えられる。
【0036】
【数4】
【0037】従って、EGA演算ユニット502は上記
残差項が最小となるように、変換行列A、Oの各パラメ
ータの値を演算(最小二乗法)により決定する。尚、上
記の如く算出された変換行列A、Oは記憶部506に格
納される(ステップ104)。しかる後、EGA演算ユ
ニット502は上記数式1によって、ウエハW上の全て
のショット領域SAn の配列座標値(DEGxn、D
EGyn)を算出する(ステップ105)。従って、上
記座標値(DEGxn、DEGyn)に従ってウエハス
テージ3をステッピングさせれば、全てのショット領域
SAn に対してレチクルパターンの投影像が正確に重
ね合わされて露光されることになる。ここで、EGA演
算ユニット502で算出されるショット領域の配列座標
値(DEGxn、DEGyn)は、シーケンスコントロ
ーラ504と記憶部506とに送られる。尚、EGA演
算で算出される配列座標値を(DEGxn、DEGyn
)としたのは、EGA演算で最小二乗法を用いるために
、計算上の配列座標値(DEGxn、DEGyn)と計
測上の配列座標値(MALxn、MALyn)とがウエ
ハ上の全てのショット領域において必ずしも一致しない
からである(詳細後述)。
【0038】次に、シーケンスコントローラ504は先
の配列座標値(DEGxn、DEGyn)に従ってウエ
ハステージ3をステッピングさせていき、ウエハW上の
ショット領域SAn 毎にレチクルパターンの投影像を
重ね合わせて露光を行う(2nd露光)。この結果、1
st露光で形成された主尺パターンに対して副尺パター
ンが重ね合わされて転写されることになる(ステップ1
06)。
【0039】2nd露光が終了したウエハWはステッパ
ーから搬出されて、現像処理等が施されると、各ショッ
ト領域SAn の中心付近には主尺パターンRP1 と
副尺パターンRP2 とが重なったバーニアが形成され
る。しかる後、ウエハWは別設の観察装置(不図示)に
搬入され、ここでショット領域毎に主尺パターンRP1
 と副尺パターンRP2 とのX、Y方向の位置ずれ量
ΔVx、ΔVyを計測する(ステップ107)。このよ
うに計測されたショット領域毎のずれ量ΔVx、ΔVy
は、オペレータにより入力装置63を介して記憶部50
6に入力される(ステップ108)。尚、バーニア計測
は光学的に行っても、目視により行っても良く、その装
置構成、測定方法はいかなるものであっても構わない。 また、本実施例ではオペレータがバーニア計測値(ΔV
x、ΔVy)を主制御装置50に入力するものとしたが
、例えばFIA系20を用いてバーニアの観察、計測を
行うように構成しても良く、この場合にはオペレータが
データを入力する手間が省けるといった利点がある。
【0040】次に、演算部505は記憶部506からの
バーニア計測値ΔVx、ΔVyと、2nd露光で形成さ
れたショット領域の配列座標値、すなわちEGA演算ユ
ニット502で算出された配列座標値(DEGxn、D
EGyn)とに基づいて、1st露光で形成されたショ
ット領域の真の配列座標値(MVExn、MVEyn)
を算出する。ここで、バーニア計測値ΔVx、ΔVyは
計算上の配列座標値(DEGxn、DEGyn)に従っ
て転写された2ndショット領域(副尺パターンRP2
 )に対する1stショット領域(主尺パターンRP1
)の位置ずれ量を表している。従って、計算上の配列座
標値(DEGxn、DEGyn)に対してバーニア計測
値ΔVx、ΔVyをオフセットとして加えることにより
、1stショット領域の真の配列座標値(MVExn、
MVEyn)を算出する。この算出された配列座標値(
MVExn、MVEyn)は記憶部506に記憶される
(ステップ109)。
【0041】さらに演算部508は、記憶部509に格
納された2ndショット領域の実際の配列座標値(DE
Gxn、DEGyn)、及び1stショット領域の真の
配列座標値(MVExn、MVEyn)と、ALGデー
タ記憶部501に格納された1stショット領域の計測
上の配列座標値(MALxn、MALyn)とに基づい
て、1stショット領域SA1st と2ndショット
領域SA2nd との重ね合わせ誤差(ベクトルv)を
ショット領域毎に解析し、この解析結果を表示装置64
に表示する(ステップ110)。この様子を図9を参照
して簡単に説明する。図9において、点Dは1stショ
ット領域の設計上の露光位置(座標値Dxn、Dyn)
、点Maは1stショット領域(点線)の計測上の露光
位置(座標値MALxn、MALyn)、点DEGは2
ndショット領域SA2nd の実際の露光位置(座標
値DEGxn、DEGyn)、点Mvは1stショット
領域SA1st の真の露光位置(座標値MVExn、
MVEyn)を表している。
【0042】図9から明らかなように、点Mvから点D
EGへのベクトルvは重ね合わせ誤差を表し、ベクトル
vは点Maから点Mvへのベクトルeと点Maから点D
EGへのベクトルaとに分けることができる。ここで、
ベクトルeは1stショット領域SA1st の真の露
光位置と計測値とのずれ、すわなちLSA演算ユニット
60での信号処理条件等に対応してマーク位置検出時に
生じ得る誤差(以下、LSA誤差と呼ぶ)を表している
。尚、LSA誤差の発生要因の1つとしては、例えば図
8(C)に示したような信号波形に対して最適な信号処
理条件がLSA演算ユニット60に設定されていないた
めに生じると考えられる。また、ベクトルaは1stシ
ョット領域SA1st の計測値と2ndショット領域
SA2nd の露光位置とのずれ、すなわちEGA演算
において選択された1stショット領域のウエハW上で
の位置、またはその数(EGAショット配置)等に対応
して生じる誤差(以下、EGA誤差と呼ぶ)を表してい
る。従って、重ね合わせ誤差(ベクトルv)は信号処理
条件を主因とするLSA誤差(ベクトルe)とEGAシ
ョット配置を主因とするEGA誤差(ベクトルa)とに
分類され、演算部505は3つのベクトルv、e、aの
線図をショット領域毎に表示装置64に表示するととも
に、この解析結果を記憶部506に格納する。この結果
、オペレータはウエハ上の全てのショット領域における
重ね合わせ誤差、さらには当該誤差の発生要因(LSA
誤差、EGA誤差)までも知ることができる。尚、表示
装置64での表示方法は任意で良く、例えば全てのショ
ット領域のベクトルvのみを画面上に表示しておき、ベ
クトルvが大きいショット領域については、オペレータ
の指示により当該領域を拡大表示、すなわち3つのベク
トルv、e、aを同一画面上に表示するようにしても良
い。
【0043】次に、図10を参照して重ね合わせ誤差(
ベクトルv)を最小とするための動作(シミュレーショ
ン)について説明する。尚、ここではステップ100〜
109までの動作が既に終了し、ウエハ上の全てのショ
ット領域の各マーク毎の波形データが信号データ記憶部
62に格納されるとともに、1stショット領域の真の
配列座標値(MVExn、MVEyn)も記憶部506
に格納されているものとする。
【0044】ここで、図9に示す如く本実施例では、重
ね合わせ誤差(ベクトルv)をLSA誤差(ベクトルe
)とEGA誤差(ベクトルa)とに分類できる。従って
、重ね合わせ誤差(ベクトルv)を最小にするには、L
SA誤差(ベクトルe)とEGA誤差(ベクトルa)の
各々を最小にする、換言すればLSA演算ユニット60
での信号処理条件(例えば、アルゴリズム・スライスレ
ベルの電圧値等)とEGA演算ユニット502でのEG
Aショット配置(ここで、EGAショット配置とは変換
行列A、Oを決定するのに必要な複数のショット領域の
ウエハ上での位置や数を指す)の各々を最適化すれば良
いことがわかる。そこで、本実施例では信号処理条件と
EGAショット配置の各々についてその条件を変更しな
がら、各条件でのLSA誤差やEGA誤差をシミュレー
ションにより求めることによって、信号処理条件とEG
Aショット配置の最適化を行うものとする。これに伴い
、本実施例では予めオペレータによって指定された複数
の信号処理条件、及びEGAショット配置の条件が記憶
部506に格納されているものとする。
【0045】さて、LSA演算ユニット60においてマ
ーク位置が正確に検出されるようになっていれば、当然
ながら図9に示した点Maと点Mvとは近づき、LSA
誤差(ベクトルe)は小さくなるはずである。すなわち
、LSA誤差(ベクトルe)を評価することはLSA演
算ユニット60の信号処理条件を評価することになり、
LSA誤差が十分に小さければ、適正な条件で波形処理
が行われていると言える。逆にLSA誤差が大きければ
、適正な条件で波形処理が行われているとは言えず、信
号処理条件を見直す必要がある。そこで、まずLSA誤
差(ベクトルe)を最小とするための信号処理条件の最
適化について説明する。
【0046】ここで、本実施例においてLSA演算ユニ
ット60での信号処理条件とは、波形解析アルゴリズム
、アルゴリズム・スライスレベル、及び処理ゲート幅等
を指している。尚、処理ゲート幅とは設計上のマーク位
置を中心として定められるものである。また、波形解析
アルゴリズムとしては、例えば以下に述べる3つのアル
ゴリズムがある。さて、第1のアルゴリズムは所定の処
理ゲート幅から決まる区間で信号波形のスムージングを
行った後、この信号波形をアルゴリズム・スライスレベ
ルで設定されたレベルでスライスし、図8(B)に示し
たように信号波形の左右に交点があると、その交点の中
心点をマーク位置として検出するものである。第2のア
ルゴリズムは、所定のレベルL1 (電圧値)以上の区
間で信号波形のスムージングを行った後、ピーク値に近
いレベルL2 との間で複数のスライスレベルを一定間
隔で設定し、各スライスレベルでの交点とその長さを求
める。そして、各スライスレベルでの長さに基づいて、
アルゴリズム・スライスレベルで設定されたレベル以下
の部分において信号波形の傾斜が最大となるスライスレ
ベルを選び出し、当該レベルでの交点の中心点をマーク
位置として検出するものである。第3のアルゴリズムは
、アルゴリズム・スライスレベルで設定されたレベルで
信号波形をスライスし、その中心点を基準位置として求
めておく。次に、所定のレベルL1 (電圧値)以上の
区間で信号波形のスムージングを行った後、ピーク値に
近いレベルL2 との間で複数のスライスレベルを一定
間隔で設定し、各スライスレベルでの交点の中心点、さ
らに中点差分(すなわち、隣り合うスライスレベルでの
中心点との差)を求める。そして、各スライスレベルで
の中心点が先に求めた基準位置と大きく離れておらず、
各中心点が安定している領域(すなわち中点差分が微小
で、そのスライスレベルが一番長く連続している領域)
を選び、当該領域での中心点をマーク位置として検出す
るものである。
【0047】さて、まず演算部505は記憶部506か
ら所定の信号処理条件、例えばスライスレベルVrのレ
ベル値を選び出し、LSA演算ユニット60の信号処理
条件を変更する(ステップ200)。次に、LSA演算
ユニット60は信号データ記憶部62から波形データを
順次読み出し、新たに設定された条件(スライスレベル
)のもとで、全てのショット領域のマーク位置(座標値
MALxn、MALyn)を算出する。しかる後、これ
らマーク位置情報はALGデータ記憶部501に格納さ
れる(ステップ201)。
【0048】次に、演算部505はステップ201で求
めた配列座標値(MALxn、MALyn)と、記憶部
506から読み出した真の配列座標値(MVExn、M
VEyn)とに基づいて、ショット領域毎にLSA誤差
(ベクトルe)を算出するとともに、各ショット領域の
ベクトルeを表示装置64に表示する。このように算出
されたLSA誤差は、LSA演算ユニット60に設定さ
れた信号処理条件に対応付けられて記憶部506に格納
される(ステップ202)。しかる後、演算部505は
予めオペレータによって記憶部506に設定された全て
の信号処理条件についてシミュレーションが行われたか
否かを判断する(ステップ203)。ここでは、全ての
条件についてのシミュレーションが終了していないので
、ステップ200に戻る。演算部505は、シミュレー
ションが終了するまでステップ200〜202を繰り返
し実行し、全ての条件でシミュレーションが終了した時
点で次のステップ204に進む。  尚、記憶部506
に予め設定しておく信号処理条件としては、アルゴリズ
ム・スライスレベルのみを変更するように設定しておく
だけでも、または波形解析アルゴリズム(もしくは処理
ゲート幅)を変更のみを変更するように設定しておくだ
けでも良く、さらにはこれらを組み合わせた条件を設定
するようにしても良い。
【0049】さて、全ての信号処理条件についてシミュ
レーションが終了した時点で、演算部505は記憶部5
06に格納された各条件でのLSA誤差に基づいて、各
ショット領域でのLSA誤差が最小となる信号処理条件
を選択し、この条件を最適条件としてLSA演算ユニッ
ト60に設定する(ステップ204)。この結果、LS
A演算ユニット60における信号処理条件が最適化され
、LSA系でのマーク位置の検出精度が向上する、換言
すれば上記の如く設定された信号処理条件のもとで、図
9中に示した点Maが点Mvに最も近づく、もしくは一
致することになる。
【0050】ところで、ステップ200〜203を繰り
返し実行し、全ての信号処理条件でシミュレーションを
行っても、LSA誤差が小さくならないことがある。ま
たは、上記の如く最適条件として設定された処理条件の
もとでも、LSA誤差がわずかしか小さくならならいこ
とがある。そこで、演算部505は最適条件のもとで算
出された各ショット領域でのLSA誤差(記憶部506
に格納されている)に基づいて、さらに詳しくLSA誤
差を解析する必要があるか否かを判断し(ステップ20
5)、シミュレーションを繰り返してもLSA誤差が小
さくならない場合には、LSA誤差の解析が必要と判断
して、次のステップ206に進む。一方、上記の如き信
号処理条件の最適化によって各ショット領域でのLSA
誤差が十分小さくなっている場合には、直ちにステップ
208へ進む。ここで演算部505は、例えば全てのシ
ョット領域でのLSA誤差から標準偏差(または平均値
)を求め、この値が所定値を超えているか否かによって
判断するようにして構わない。尚、本実施例ではLSA
誤差が小さくならなかったものとして、次のステップ2
06に進むものとする。従って、LSA演算ユニット6
0における信号処理条件は任意の条件、例えば初期条件
(ステップ103での条件)、またはステップ200〜
202において最後に行われたシミュレーションでの処
理条件に設定されていることになる。また、ここでは演
算部505がLSA誤差の解析の要否を判断していたが
、オペレータが表示装置64に表示される各条件でのL
SA誤差を観察してその解析の要否を判断するようにし
ても良い。
【0051】次に、演算部505は線形最小二乗法を用
いて、LSA誤差(ベクトルe)の解析を実行する(ス
テップ206)。尚、線形最小二乗法とは先に述べたE
GA演算と全く同一の手法であり、この演算処理によっ
てLSA誤差(ベクトルe)を線形成分(以下、LSA
残留誤差と呼ぶ)と残りの成分(以下、ランダム誤差と
呼ぶ)とに分けることが可能となる。
【0052】そこで、演算部505はショット領域の真
の配列座標値(MVExn、MVEyn)を記憶部50
6から読み出すとともに、ステップ204が終了した時
点でLSA演算ユニット60に設定された信号処理条件
のもとで検出されたショット領域の計測上の配列座標値
(MALxn、MALyn)をALGデータ記憶部50
1から読み出す。この際、演算部505はウエハ上のシ
ョット領域SAn の中から複数のショット領域、例え
ばショット領域SA1 〜SA7 (図6)を指定し、
これらの配列座標値をALGデータ記憶部501及び記
憶部506の各々から読み出す。しかる後、演算部50
5はこの読み出した配列座標値を用いて、以下の数式5
に示す行列における変換行列B、Cを、EGA演算(ス
テップ104)と同一の手法により決定し、この値を記
憶部506に格納する。尚、変換行列Bは2行2列、C
は2行1列の行列である。また、変換行列B、Cの決定
に用いるショット領域の数は2つ以上であれば良く、例
えば全てのショット領域の配列座標値を用いて決定する
ようにしても構わない。
【0053】
【数5】
【0054】さらに演算部505は、この決定された変
換行列B、Cと数式5とを用いて、ショット領域の計測
上の配列座標値(MALxn、MALyn)の変換を行
い、この変換された座標値を(Merxn、Meryn
)として記憶部506に格納する。しかる後、演算部5
05は記憶部506に格納された3つの配列座標値(M
ALxn、MALyn)、(MVExn、MVEyn)
及び(Merxn、Meryn)に基づいてショット領
域毎にLSA誤差(ベクトルe)を解析し、この解析結
果を表示装置64に表示する(ステップ207)。この
様子を図11を参照して説明するが、ここでは図9と異
なる点のみについて述べる。尚、図11中の点Merは
数式5によって変換されたショット位置(座標値Mer
xn、Meryn)を表している。
【0055】図11から明らかなようにLSA誤差(ベ
クトルe)は、点Maから点MerへのベクトルeR 
と、点Merから点Mvへのベクトルrとに分けられる
。ここで、ベクトルeR は線形最小二乗法によって算
出されるので、LSA誤差(ベクトルe)の線形成分(
LSA残留誤差)を表しており、ベクトルrはLSA誤
差の線形成分を除く残りの成分(すなわち、非線形な成
分を含むランダム誤差)を表していることになる。この
結果、LSA誤差(ベクトルe)をLSA残留誤差(ベ
クトルeR )と、ランダム誤差(ベクトルr)とに分
けることができる。演算部505は、3つのベクトルe
、eR 、rの線図をショット領域毎に表示装置64に
表示し、さらにこの解析結果を記憶部506に格納する
。この際、各ショット領域のベクトルeR (またはr
)、もしくは変換行列B、C(または各パラメータの値
)のみ、あるいはこれらを組み合わせたものをを表示装
置64に表示するようにしても良い。
【0056】尚、LSA残留誤差(ベクトルeR )は
上述の如く常にある傾向を持っているので、実際のプロ
セスウエハでのLSA系及びLSA演算ユニット60の
計測結果に対してLSA残留誤差をそのまま加える、換
言すればEGA演算結果(変換行列A、O)をLSA残
留誤差(変換行列B、C)で更新することによって、L
SA系及びLSA演算ユニット60の位置検出精度を結
果的に向上させることになる(詳細後述)。
【0057】以上の動作により、LSA演算ユニット6
0での信号処理条件の最適化(及びLSA誤差の解析)
が終了することになる。ところで、上記の如き信号処理
条件の最適化が行われて、マーク位置が正確に検出され
るようになっていれば、当然ながら図9に示した点Ma
と点DEGとは近づき、EGA誤差(ベクトルa)は小
さくなるはずである。すなわち、EGA誤差(ベクトル
a)を評価することはEGA演算の精度を評価すること
になり、EGA誤差が十分に小さければ、EGAショッ
ト配置が適正な条件に設定されていると言える。逆にE
GA誤差が大きければ、EGAショット配置が適正な条
件に設定されているとは言えず、EGAショット配置を
見直す必要がある。そこで、次にEGA誤差(ベクトル
a)を最小とするためのEGAショット配置の最適化に
ついて説明する。
【0058】さて、演算部505は記憶部506から所
定のEGAショット配置(ショット数、及びその位置)
を選び出して、EGA演算ユニット502でのEGAシ
ョット配置を変更する(ステップ208)。次に、EG
A演算ユニット502はこの新たに設定されたEGAシ
ョット配置に対応した各ショット領域の計測上の配列座
標値(MALxn、MALyn)をALGデータ記憶部
501から読み出し、さらに設計上の配列座標値(Dx
n、Dyn)をEXPショットマップデータ部503か
ら読み出す。 尚、ALGデータ記憶部501から読み出す配列座標値
(MALxn、MALyn)は、先のステップ204で
設定された信号処理条件のもとで検出された値である。 しかる後、EGA演算ユニット502は各ショット領域
の配列座標値(MALxn、MALyn)及び(Dxn
、Dyn)を用いて、先のステップ104と全く同様に
変換行列A、Oを決定する。尚、この算出された変換行
列A、Oは記憶部506に格納される。さらに、EGA
演算ユニット502はこの算出された変換行列A、Oと
上記数式1と用いて、ウエハW上の全てのショット領域
SAn の配列座標値(DEGxn、DEGyn)を算
出し、この演算結果を記憶部506に格納する(ステッ
プ209)。
【0059】次に、演算部505は上記の如く算出され
た配列座標値(DEGxn、DEGyn)と、ALGデ
ータ記憶部501から読み出した配列座標値(MALx
n、MALyn)とに基づいて、ショット領域毎にEG
A誤差(ベクトルa)を算出し、さらに各ショット領域
のベクトルaを表示装置64に表示する。このように算
出されたEGA誤差は、EGA演算ユニット502に設
定されたEGAショット配置に対応付けられて記憶部5
06に格納される(ステップ210)。しかる後、演算
部505は予めオペレータによって記憶部506に設定
された全てのEGAショット配置についてシミュレーシ
ョン(ショット領域毎のEGA誤差の算出)が行われた
か否かを判断し(ステップ211)、このシミュレーシ
ョンが終了するまでステップ208〜210を繰り返し
実行する。
【0060】尚、記憶部506に設定しておくEGAシ
ョット配置の条件としては、ショット位置については予
め定めておき、ショット数を変更するだけでも、あるい
はショット数は一定としてショット位置の指定のみを変
更するだけでも良く、さらにはこれらを組み合わせた条
件を設定するようにしても良い。さて、全てのEGAシ
ョット配置についてシミュレーションが終了した時点で
、演算部505は記憶部506に格納された各条件での
EGA誤差に基づいて、各ショット領域でのEGA誤差
が最小となるEGAショット配置を選択し、この配置を
最適条件としてEGA演算ユニット502に設定する(
ステップ212)。この結果、EGA演算ユニット50
2における演算精度が向上する、換言すれば上記の如く
設定されたショット配置のもとで、図9中に示した点D
EGが点Maに最も近づく、もしくは一致することにな
り、EGAショット配置の最適化が終了する。
【0061】ここで、信号処理条件及びEGAショット
配置の最適化が行われた後の重ね合わせ誤差(ベクトル
v)の様子を図12、図13に示す。図12は信号処理
条件の最適化によってLSA誤差(ベクトルe)が十分
小さくなっている場合、図13は信号処理条件の最適化
を行ってもLSA誤差(ベクトルe)が小さくならない
場合を示している。図12から明らかなように、信号処
理条件及びEGAショット配置の最適化が行われると、
LSA誤差(ベクトルe)とEGA誤差(ベクトルa)
とがともに十分に小さくなり、これに伴って重ね合わせ
誤差(ベクトルv)も十分に小さく(またはほぼ零に)
なる。従って、上記解析に用いたウエハと同一の条件(
例えば、ウエハの種類、レジストや下地の種類・厚さ等
であり、ウエハ処理条件も同一であることが望ましい)
のプロセスウエハを使用する限り、上記の如く設定され
た条件のもとでマーク位置検出やEGA演算を行えば、
EGA方式における重ね合わせ誤差を常に最小、ないし
ほぼ零にすることができ、高精度なアライメントを実現
することが可能となる。また、以上のことから上記条件
が異なるプロセスウエハ毎に、最適な信号処理条件、及
びEGAショット配置(さらには変換行列B、C)を求
め、これらの値を上記条件に対応付けて記憶部506に
格納しておくことが望ましい。
【0062】一方、図13ではLSA誤差(ベクトルe
)が小さくなっていないため、実際のプロセスウエハに
おいて上記条件のもとでマーク位置検出やEGA演算を
行っても、所定の許容値以上の重ね合わせ誤差が残存し
得る。そこで、LSA誤差が小さくならず、しかもLS
A残留誤差(ベクトルeR )が常にある傾向を持って
いる場合には、プロセスウエハでのLSA系及びLSA
演算ユニット60による計測結果に対してLSA残留誤
差をそのまま加える。換言すれば、上記条件のもとで算
出されるEGA演算式(数式1)を、LSA残留誤差を
算出する際に決定される変換行列B、C(ステップ20
6)を用いて更新する。つまり、上記数式1、5から以
下に示す数式6を求める。
【0063】
【数6】
【0064】この結果、EGA演算(数式6)によって
、見掛け上ショット領域の設計上の配列座標値(点D)
が点DEG’ に変換される、すなわちEGA演算精度
を向上させることになり、重ね合わせ誤差(点MVEと
点DEG’ との距離)を小さくすることができる。尚
、数式6はショット領域の真の配列座標値(MVExn
、MVEyn)と設計上の配列座標値(Dxn、Dyn
)とを用いて、EGA演算式における変換行列を算出す
る場合と全く同じであることは言うまでもない。
【0065】以上の通り本実施例においては、LSA誤
差(ベクトルe)やEGA誤差(ベクトルa)のシミュ
レーションを行うため、予めオペレータが指定した複数
の信号処理条件やEGAショット配置を記憶部506に
格納しておくこととしたが、例えばオペレータ(または
演算部505)がLSA誤差やEGA誤差のシミュレー
ションが行われるたびに、そのシミュレーション結果に
基づいて次の信号処理条件やEGAショット配置を決定
するようにし、この決定された条件をLSA演算ユニッ
ト60やEGA演算ユニット502に対して設定するよ
うにしても構わない。この場合には、LSA誤差やEG
A誤差のシミュレーションの回数が、上記実施例に比べ
て少なくなり得るといった利点がある。
【0066】また、LSA誤差(ベクトルe)のシミュ
レーション、特に信号処理条件の変更(ステップ200
)を行う際、ウエハ上の複数のショット領域の中から、
いくつかのショット領域(例えば、ウエハの中心及び外
周付近に位置するショット領域)を選択し、この選択し
たショット領域のマーク毎の信号波形(例えば、図8(
C))を表示装置64に表示させるようにしても良い。 このように信号波形を表示することは、LSA誤差のシ
ミュレーションにおいて次の信号処理条件を決定するの
に役立ち、シミュレーションの回数をより減らすことが
可能になるといった効果が得られる。尚、信号波形を表
示させるショット領域は1つであっても構わない。
【0067】同様に、EGA誤差(ベクトルa)のシミ
ュレーション、特にEGAショット配置の変更(ステッ
プ208)を行う際、次にシミュレーションを行うべき
EGAショット配置に対応した複数のショット領域(ま
たはウエハ上の全てのショット領域)の中から、いくつ
かのショット領域(または全てのショット領域でも良い
)を選択し、この選択したショット領域でのLSA誤差
(ベクトルe)、LSA残留誤差(ベクトルeR )、
及びランダム誤差(ベクトルr)のうちの少なくとも1
つを表示装置64に表示するようにしても良い。このよ
うな表示を行うと、EGA誤差のシミュレーションにお
いて次のEGAショット配置を決定するのに役立ち、シ
ミュレーションの回数をより減らすことが可能になると
いった効果が得られる。
【0068】また、変換行列B、Cを算出するにあたっ
て、ウエハ上の全てのショット領域(または予め指定さ
れている複数のショット領域SA1 〜SA7 のみで
も良い)でのLSA誤差(ベクトルe)を表示装置64
に表示させるようにする。そして、例えばウエハ全体で
の傾向と比較してベクトルeの傾向(方向や大きさ)が
極端に異なる(換言すればランダム誤差rが極端に大き
い)ショット領域を、予め変換行列B、Cを算出するの
に用いる指定ショットから除くするようにすれば、より
一層精度良く変換行列B、Cを算出することが可能とな
る。 尚、ここで除去したショット領域については、EGAシ
ョット配置の最適化(シミュレーション)を行う際にも
EGAショットとして指定しないようにすれば、EGA
ショット配置のシミュレーション回数を減らすことが可
能になり、結果的にプロセスウエハでのEGA演算精度
が向上する、すなわち全てのショット領域においてEG
A誤差(ベクトルa)が最小になる。
【0069】さらに、EGAショット配置のシミュレー
ションを行ってもEGA誤差(ベクトルa)が小さくな
らない場合には、例えばウエハ上のショット領域をいく
つかのブロックに分け、各ブロック毎にEGA演算(変
換行列A、Oの算出)を行うこととし、ブロック単位で
EGAショット配置の最適化を行うようにしても構わな
い。また、例えばウエハの外周付近でのスケーリング誤
差が極端に大きい場合には、ウエハ上の全てのショット
領域を、ウエハセンタを中心とした円形状の第1領域と
当該領域の外側の円環状の第2領域(例えば、最外周に
位置するショット領域のみを含む領域)とに分け、EG
Aショット配置の最適化は第1領域内のショット領域の
みを用いて行うようにしても良い。尚、このような条件
のもとで決定されたEGAショット配置に従って実際の
プロセスウエハでEGA演算を行うと、第2領域内のシ
ョット領域での重ね合わせ誤差は大きくなり得るので、
実際のプロセスウエハでは第2領域内のショット領域に
ついて、別にEGA演算を実行する、またはダイ・バイ
・ダイ、もしくはサイト・バイ・サイト方式でアライメ
ントを行うようにすることが望ましい。
【0070】さらに、上記実施例では予め記憶部506
に設定された全ての信号処理条件やEGAショット配置
についてシミュレーションが終了した時点で、演算部5
05(またはオペレータ)が各条件に対応付けられて記
憶部506に格納されたシミュレーション結果に基づい
て最適な条件を選択し、この選択した条件をLSA演算
ユニット60やEGA演算ユニット502に対して設定
していた(ステップ204、212)。しかしながら、
例えばオペレータ(または演算部505)がLSA誤差
やEGA誤差のシミュレーションが行われるたびに、そ
のシミュレーション結果と既に記憶部506に格納され
ているシミュレーション結果とを比較し、シミュレーシ
ョン結果が良くなっている、すなわちLSA誤差やEG
A誤差が小さくなっている場合のみ、記憶部506の格
納データ(上記条件に対応付けられたシミュレーション
結果)の書換(更新)を行うようにしても構わない。こ
の場合には、記憶部506に設定された全ての信号処理
条件やEGAショット配置についてシミュレーションが
終了した時点で最適な条件の選択を行わずとも、記憶部
506の格納データに従って直ちにLSA演算ユニット
60やEGA演算ユニット502に最適条件を設定でき
る。また、記憶部506に設定された全ての信号処理条
件やEGAショット配置でのシミュレーション結果を記
憶部506に格納しておく必要がないので、その記憶容
量が小さくて済むといった利点が得られる。尚、全ての
条件についてシミュレーションを行ってもLSA誤差や
EGA誤差が小さくならない場合、LSA演算ユニット
60やEGA演算ユニット502には最後に行われたシ
ミュレーションでの条件が設定されていることになる。 この際、演算部505はこの最後の条件でのシミュレー
ション結果を記憶部506に格納しておくことが望まし
い。
【0071】また、図5に示したフローチャートにおい
ては、ステップ102の終了後にウエハ上の全てのショ
ット領域のマーク位置を検出するようにしていたが、ス
テップ103では変換行列A、Oの決定に必要なショッ
ト領域のみについて、マーク位置計測(及び波形データ
の格納)を行っておき、残りのショット領域については
ステップ106における2nd露光と並行してマーク計
測等を行うようにしても構わない。
【0072】さらに、例えば特開平1−179317号
公報に開示されているように、ステッパー本体とコータ
ディベロッパー(さらには別設の検査装置等)をインラ
イン化すれば、上記実施例での動作を全て自動化でき、
オペレータが介在する必要がなくなることは言うまでも
ない。また、このようなシステムを構築することによっ
て、ウエハに対する処理条件(現像、エッチング条件等
)までも含めた(考慮した)重ね合わせ誤差の解析、及
び信号処理条件やEGAショット配置の最適化を行うこ
とが可能となる。
【0073】ところで、以上の実施例においてはEGA
方式のファインアライメントにおける重ね合わせ誤差の
解析について述べたが、本発明に好適なアライメント方
式はEGA方式(さらには最小二乗法)に限られるもの
ではなく、重ね合わせ露光に先立ってウエハステージの
ステッピング位置を補正する方式であれば良く、さらに
最小二乗法以外のいかなる演算手法を用いても構わない
。尚、露光前にウエハ全体のX、Y及び回転方向の位置
ずれを一括して補正するグローバルアライメント方式で
あっても、その重ね合わせ誤差を上記実施例と全く同様
の動作で解析することができる。また、1ショット毎に
アライメントを行う方式(ダイ・バイ・ダイまたはサイ
ト・バイ・サイト方式)であっても、上記実施例と同様
の動作を行うことによってその重ね合わせ誤差を解析す
ることができる。但し、ダイ・バイ・ダイまたはサイト
・バイ・サイト方式では、上記実施例における点DEG
と点MALとが一致することになるため、アライメント
センサーによるマーク位置検出時に生じ得る誤差(LS
A誤差に相当)のみについて、当該誤差を線形成分と残
りの成分とに分けて解析することができる。
【0074】また、上記実施例ではアライメントセンサ
ーとしてLSA系を用いる場合について述べたが、本発
明はいかなる方式のアライメントセンサーに対しても適
用することができる。すなわちTTR方式、TTL方式
、またはオフオクシス方式のいずれの方式であっても、
さらにその検出方式が上記の如きLSA方式であっても
、FIA系20の如き画像処理方式であっても構わない
。また、例えばウエハ上に形成された1次元の回折格子
に対して2方向からコヒーレントな平行ビームを照射し
て回折格子上に1次元の干渉縞を作り、この干渉縞の照
射により回折格子から発生する回折光(干渉光)の強度
を光電検出する方式のアライメントセンサー(以下、L
aser Interferometric Alig
nment;LIA系と呼ぶ)を用いても構わない。こ
の方式には、2方向からの平行ビームに一定の周波数差
を与えるヘテロダイン方式と、周波数差のないホモダイ
ン方式とがある。特にヘテロダイン方式のLIA系は、
ウエハ上の回折格子からの干渉光の光電信号(光ビート
信号)と、2本の送光ビームから別途作成された参照用
干渉光の光ビート信号との位相差(±180°以内)を
求めることにより、格子ピッチ(2P)の±(2P)/
4以内の位置ずれを検出するものである。尚、この詳細
な構成については、例えば特開平2−227602号、
または特開平2−272305号公報等に開示されてい
る。また、以上のようなアライメントセンサーを用いる
場合の上記実施例との差異は、その最適化に際して変更
可能な信号処理条件だけである。以下、図14、図15
を参照してFIA系、LIA系の各々での信号処理条件
について簡単に説明する。
【0075】図14(A)はFIA系20によって検出
されるウエハマークWM1 の様子を示し、図14(B
)はそのとき得られる画像信号の波形を示す。図14(
A)に示すようにFIA系20(不図示の撮像素子)は
、ウエハマークWM1 の3本のバーマークと指標マー
クFM1 、FM2 との像を走査線VLに沿って電気
的に走査する。この際、1本の走査線だけではS/N比
の点で不利なので、ビデオサンプリング領域VSA(一
点鎖線)に入る複数の水平走査線によって得られる画像
信号のレベルを、水平方向の各画素毎に加算平均すると
良い。図14(B)に示すように画像信号には、両側に
指標マークFM1 、FM2 の各々に対応した波形部
分があり、FIA演算ユニット61はこの波形部分をス
ライスレベルSL2により処理することで各マークの中
心位置(画素上の位置)を求め、その中心位置x0 を
求めている。尚、指標マークFM1 、FM2 の各中
心位置を求める代わりに、指標マークFM1 の右エッ
ジと指標マークFM2 の左エッジの各位置を求めるこ
とで、中心位置x0 を求めるようにしても構わない。 一方、ここでは図14(B)に示すように画像信号上の
波形が、各バーマークの左エッジ、右エッジに対応した
位置でボトムとなっており、FIA演算ユニット61は
スライスレベルSL1 により波形処理を行って各バー
マークの中心位置を求めた後、各位置を加算平均してウ
エハマークWM1 の中心位置xC を算出する。さら
に、先に求めた位置x0 とマーク計測位置xC との
差Δx(=x0 −xC )を算出し、FIA系20の
観察領域内にウエハマークWM1 が位置決めされたと
きのウエハステージ3の位置と先の差Δxとを加えた値
をマーク位置情報として出力している。
【0076】従って、上記の如きFIA系20において
変更可能な信号処理条件としては、波形解析アルゴリズ
ム、スライスレベルSL1 (電圧値)、コントラスト
リミット値、及び処理ゲート幅Gx(画素上での幅Gx
の中心位置、及びその幅)等がある。さらに波形解析ア
ルゴリズムとしては、各バーマークの中心位置を求める
に際して、バーマークの左エッジ、右エッジに対応した
波形部分BS1L、BS1RとBS2L、BS2Rとの
うち、■外スロープBS1L、BS2Rのみを用いるモ
ード、■内スロープBS1R、BS2Lのみを用いるモ
ード、■外スロープBS1L、BS2R、及び内スロー
プBS1R、BS2Lを用いるモードがある。
【0077】次に、図15を参照してLIA系(特にヘ
テロダイン方式)での信号処理条件について説明する。 図15に示すように、ウエハ上の1次元の回折格子WM
2 に対して、周波数差Δfの2本のコヒーレントビー
ム(平行光束)BM1 、BM2 が交差角(2ψ0 
)で入射すると、回折格子WM2 上にはピッチP(但
し、格子ピッチ2P)の1次元の干渉縞IFが作られる
。この干渉縞IFは、回折格子WM2 のピッチ方向に
周波数差Δfに対応して移動することになり、その速度
VはV=Δf・Pなる関係式で表される。この結果、回
折格子WM2 からは図15に示すような回折光B1 
(−1)、B2 (+1)、・・・が発生する。尚、添
字1、2は入射ビームBM1 、BM2との対応を表し
、カッコ内の数字は回折次数を表している。通常、LI
A系では光軸AXに沿って進行する±1次回折光B1 
(−1)、B2(+1)の干渉光の光電信号と、2本の
送光ビームから別途作成された参照用干渉光の光電信号
との位相差を求めることにより位置ずれを検出している
。または、0次回折光B2 (0) と−2次回折光B
1 (−2)との干渉光の光電信号と参照用の光電信号
との位相差から検出した位置ずれ量と、0次回折光B1
 (0) と−2次回折光B2 (+2)との干渉光の
光電信号と参照用の光電信号との位相差から検出した位
置ずれ量とを加算平均して位置ずれ量を求めるようにし
ても良い。
【0078】従って、上記の如きLIA系で変更可能な
信号処理条件は、光電検出すべき干渉光(回折光の次数
)の選択のみである。すなわち、LIA系では±1次回
折光B1 (−1)、B2 (+1)を用いる第1モー
ド、0次回折光B2 (0) と−2次回折光B1 (
−2)、及び0次回折光B1 (0) と−2次回折光
B2 (+2)を用いる第2モード、さらには第1モー
ドと第2モードとでの干渉光の強度を比較して、その強
度値が大きい方を選択して使用する第3モードとがあり
、LIA系の最適化に際してはこの3つのモードを変更
してシミュレーションを行うことになる。
【0079】また、本実施例では真の配列座標値(MV
Exn、MVEyn)を求めるために、目視用のバーニ
ア(図4)を用いていたが、例えば図16に示すような
2組のパターン群、すなわち主尺パターン(RX1a、
RX1b)及び(RY1a、RY1b)と副尺パターン
(RX2a、RX2b)及び(RY2a、RY2b)を
用いれば、目視によらず別設の検査装置(さらにはステ
ッパーのアライメントセンサー)において両者の位置ず
れ量(ΔVx、ΔVy)を自動計測でき、しかも計測精
度も向上させることができる。この種のパターンを用い
た計測技術に関しては、例えば特開平2−31142号
公報に開示されているので、ここでは説明を省略する。 尚、図16中では主尺パターンに対して副尺パターンを
重ね合わせた様子を点線にて示しており、例えばX方向
の位置ずれ量ΔVxは、交差した部分(斜線部)の距離
Lyを計測することによって、ΔVx=(LY−Ly)
/2・tan(α/2)なる関係式から算出される。こ
こで、LYは主尺パターンと副尺パターンとがX方向に
位置ずれすることなく正確に重ね合わせが行われたとき
の距離(設計値)である。また、図16に示したパター
ン群を用いずとも、例えば主尺パターン及び副尺パター
ンとしてともに図8(A)中に示したような回折格子マ
ークMxを用い、両者を所定間隔(設計値)だけ離して
ウエハ上に転写すれば、両者の間隔を計測して設計値と
の差を求めることにより、上記と同様に位置ずれ量を自
動計測することが可能となる。
【0080】また、上記実施例ではLSA系での信号処
理条件の最適化についてのみ説明したが、例えば同一の
プロセスウエハについてFIA系やLIA系でもその信
号処理条件の最適化を行っておき、上記実施例における
ベクトルeに相当する誤差が最も小さくなるアライメン
トセンサーを選択し、このアライメントセンサーをプロ
セスウエハの種類に対応付けて記憶部506に格納して
おけば、より一層重ね合わせ精度を向上させることが可
能となる。また、上記実施例では主尺パターンRP1 
と副尺パターンRP2 とを同一レチクル上に形成し、
レチクルを所定距離だけ移動させることによって重ね合
わせ露光を行うこととしたが、当然ながら上記2つのパ
ターンを別々のレチクルに形成し、レチクル交換を行っ
てから重ね合わせ露光を行うようにしても良い。さらに
、主尺パターンRP1 と副尺パターンRP2 とはテ
ストレチクルに形成しても、あるいはデバイスレチクル
の一部(例えばマルチ・ダイ・レチクルにあってはスト
リートライン相当領域内)に形成するようにしても構わ
ない。
【0081】さらに、上記実施例では露光が終了した時
点でウエハの現像、エッチング処理を行い、ウエハ上の
下地層に形成されたパターンを使って各種計測(例えば
バーニア計測、マーク位置計測等)を行うこととしたが
、例えばレジスト層に対して2重露光を行うことにより
形成されたマークやバーニアの像(潜像)、またはその
ウエハに対して現像処理のみを施すことにより形成され
るマークやバーニアのレジスト像を使って各種計測を行
うようにしても構わない。ここで潜像を用いる場合には
、1st露光により形成されたマーク像(潜像)をアラ
イメントセンサーで検出した後に2nd露光が行われる
のに対して、レジスト像を用いる場合には、1st露光
及び2nd露光が終了した時点で現像処理が施され、そ
の結果形成されるレジスト像を使って各種形成が行われ
ることになる。つまり、レジスト像を用いる場合には、
1st露光でレジスト層に形成されたマーク像が2nd
露光においても露光され、現像処理を施してもマークの
レジスト像が形成されないことが起こり得る。そこで、
このような場合には2nd露光を行うにあたって、予め
1st露光で形成されたマーク像に対応するレチクルの
部分領域に遮光層(クロム等)を形成しておく、もしく
は照明光学系中のレチクルとほぼ共役な面内に配置され
る可変ブラインドを駆動して、レジスト層のマーク像が
露光されないようにレチクルの当該領域を遮光しておく
必要がある。
【0082】以上の実施例では、バーニア計測(ステッ
プ107)を行うことによって1stショット領域の真
の座標位置MVEを求め、これによって重ね合わせ誤差
(ベクトルv)をLSA誤差(ベクトルe)とEGA誤
差(ベクトルa)とに分けて解析していた。ここで、バ
ーニア計測を行わない場合は、例えば図9中に示す点M
VEが点MALに一致することになる。しかしながら、
このような場合でも上記の如き信号処理条件についてシ
ミュレーションを行えば、点MVEと点MALとは近づ
き、上記条件に応じたLSA誤差(ベクトルe)の変化
の傾向を知ることができる。従って、本発明では必ずし
もバーニアを必要とせず、バーニア計測を行わなくとも
、信号処理条件の最適化を行うことが可能となっている
【0083】また、本発明による位置合わせ装置をステ
ッパーに適用する場合について述べたが、ステッパー以
外の露光装置(X線露光装置、複数の分割マスクを備え
た電子ビーム露光装置等)、ステップ・アンド・リピー
ト方式で順次検査を行う装置、またはウエハ上の素子の
一部にレーザ光を照射して、欠陥素子のリペアを行う装
置等に適用しても、本実施例と同様の効果を得られる。
【0084】
【発明の効果】以上のように本発明では、重ね合わせ(
アライメント)精度(ベクトルv)の解析(評価)を、
マーク位置検出時に生じ得る誤差(ベクトルe)と統計
演算における評価用の被加工領域の配置(すなわち評価
用の被加工領域の基板上での位置、または数)に対応し
て生じる誤差(ベクトルa)とに分けて解析することが
でき、重ね合わせ誤差の発生要因をより詳しく知ること
が可能となる。さらに、マーク位置検出時の信号処理条
件、及び統計演算で用いる評価用の被加工領域の配置を
変更(修正)し、各条件下でのベクトル(v)、(e)
、(a)のシミュレーションを実行することにより、各
条件がアライメント精度上でどのような向上をもたらす
かを解析することができる。従って、シミュレーション
結果に基づいて信号処理条件や被加工領域の配置を最適
化することによって、より一層アライメント精度を向上
させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の位置合わせ装置を備えた縮小投影型露
光装置の制御系の概略的な構成の一例を示すブロック図
【図2】本発明の位置合わせ装置を備えた縮小投影型露
光装置の概略的な構成を示す斜視図。
【図3】図2に示した縮小投影型露光装置の照明光学系
の概略的な構成を示す斜視図。
【図4】レチクルに形成される主尺パターンと副尺パタ
ーンの構成の一例を示す平面図。
【図5】本発明の実施例における重ね合わせ誤差の解析
動作の一例を示す概略的なフローチャート図。
【図6】ウエハ上に形成される複数のショット領域の様
子を示す平面図。
【図7】EGA演算の説明に供する図。
【図8】LSA系によるマーク位置計測の様子を説明す
る図。
【図9】本発明の実施例による重ね合わせ誤差の解析結
果の様子を説明する図。
【図10】本発明の実施例での重ね合わせ誤差を最小と
するための動作の一例を示す概略的なフローチャート図
【図11】本発明の実施例によるLSA誤差の解析結果
の様子を説明する図。
【図12】本発明の実施例においてマーク位置検出時の
信号処理条件、及び統計演算でのEGAショット配置を
最適化したときの重ね合わせ誤差の様子を説明する図。
【図13】本発明の実施例においてLSA誤差が大きく
残存するときの重ね合わせ誤差の様子を説明する図。
【図14】FIA系によるマーク位置計測の様子を説明
する図。
【図15】LIA系によるマーク位置検出の様子を説明
する図。
【図16】レチクルに形成する主尺パターンと副尺パタ
ーンの別の例を示す図。
【図17】従来技術の説明に供する図。
【符号の説明】
3      …ウエハステージ 9、10…干渉計 60    …LSA演算ユニット 61    …FIA演算ユニット 62    …信号データ記憶部 63    …入力装置 64    …表示装置 501  …アライメントデータ記憶部502  …E
GA演算ユニット 503  …露光ショットマップデータ部504  …
シーケンスコントローラ 505  …演算部 506  …記憶部 W      …ウエハ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  複数の被加工領域が所定の配列座標に
    従って2次元的に形成された基板を保持して2次元移動
    する基板ステージと、該基板ステージの移動位置を規定
    する静止座標系内の所定位置に加工中心点を有し、前記
    基板上の複数の被加工領域のうち任意の1つの被加工領
    域を加工する加工手段と、前記静止座標系上で前記加工
    中心点に対して一定の位置関係で設定された検出中心点
    を有し、前記基板上の複数の被加工領域の夫々に付随し
    たマークのうち、予め選択された少なくとも2つの特定
    被加工領域の夫々に付随したマークを特定マークとして
    検出するためのマーク検出手段と、該マーク検出手段の
    検出中心点と前記特定マークの夫々とが一致するように
    前記基板ステージを移動させた時の前記静止座標系上に
    おける座標位置を計測する座標計測手段と、該計測され
    た複数の座標位置を統計演算することによって、前記基
    板上の複数の被加工領域の夫々の位置を前記静止座標系
    上の座標位置として算出する統計演算手段とを備え、該
    算出された複数の被加工領域の夫々の座標位置に従って
    前記基板ステージの移動位置を制御することによって、
    前記基板上の複数の被加工領域の夫々を順次前記加工手
    段の加工中心点に対して位置合わせする装置において、
    前記基板上の複数の被加工領域のうち、評価用の少なく
    とも1つの被加工領域を設定し、前記加工手段によって
    前記評価用の被加工領域を加工した際の前記加工中心点
    に対する前記評価用の被加工領域の位置ずれ量(ΔV)
    と、前記統計演算手段によって算出された前記評価用の
    被加工領域の計算上の座標位置(DEG)とに基づいて
    、前記評価用の被加工領域の実際の座標位置(MVE)
    と前記計算上の座標位置(DEG)との位置ずれベクト
    ル(v)を算出する第1計算手段と;前記マーク検出手
    段と前記座標計測手段とによって、前記評価用の被加工
    領域に付随したマークの位置を計測することで、該評価
    用の被加工領域の計測上の座標位置(MAL)を求める
    手段と;該計測上の座標位置(MAL)と前記位置ずれ
    ベクトル(v)とに基づいて、前記実際の座標位置(M
    VE)と前記計測上の座標位置(MAL)との位置ずれ
    ベクトル(e)と、前記計測上の座標位置(MAL)と
    前記計算上の座標位置(DEG)との位置ずれベクトル
    (a)とを算出する第2計算手段と;前記2つの位置ず
    れベクトル(v)、(e)のベクトル和が前記位置ずれ
    ベクトル(a)になるように、3つの位置ずれベクトル
    (v)、(e)、(a)の線図を表示する表示手段と;
    前記マーク検出手段と前記座標計測手段とによって測定
    されるマークの座標位置、もしくは前記統計演算手段の
    演算パラメータの一部を計算上で修正する手段とを備え
    、該修正が行われるたびに前記3つの位置ずれベクトル
    (v)、(e)、(a)の線図を前記表示手段に表示す
    ることを特徴とする位置合わせ装置。
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