JP4724996B2 - アルカリ金属炭酸水素塩の製造方法 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、アルカリ金属炭酸水素塩の製造方法に関する。
背景技術
炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩は、水溶液からの晶析により製造される。例えば、ナトリウムイオンを含む水溶液に二酸化炭素を吹き込んで、反応により生成する炭酸水素ナトリウム結晶を得ている。ナトリウムイオンを含む溶液としては、炭酸ナトリウムもしくは水酸化ナトリウムを含む水溶液、又は、塩化ナトリウム溶液にアンモニアを吹き込んで得られる、いわゆるアンモニアカン水等が用いられている。
炭酸水素ナトリウムは、一般的に晶析の際に核の発生が多いために微粒子状の結晶の割合が増加して大粒子まで成長しにくく、平均粒子径が小さくなりやすい。核の発生は、大粒子の結晶を得ようとするほど顕著に起こりやすく、粒子表面での母液の速い流れにより結晶の表面から種晶が剥がれることによるものと推定される。微粒子状の結晶が増加すると、この後の固体の分離、洗浄、乾燥、分級の操作が困難となったり、大きな結晶の収率が低下したりすることがある。また、粉体としての流動性が必要な用途等では大粒子結晶が要望されており、いかに大きな結晶を得るかが晶析工程の課題となっている。
従来、晶析工程において、晶析させる結晶を大きくするために、例えば媒晶剤を使用する方法が採用されている。媒晶剤を使用する場合には、晶癖が変わって結晶形状が変化するおそれがあり、また特定の条件下で効果を発現するために他の方法との併用が困難であった。さらに、媒晶剤が結晶中に残留する場合もあり、結晶の純度を低下させる原因となっていた。
また、単位容積単位時間あたりの結晶生成量である晶析負荷を大幅に低くすることにより、母液中の晶析結晶成分の過飽和度を低く維持して、核の発生を著しく少なくする方法も知られている。しかし、この方法では、晶析設備の単位容積単位時間あたりの晶析負荷を低くしなければならないため、設備の生産性を低下させることが多かった。
また、母液中の晶析結晶成分の過飽和度を低下させるために、アルカリ金属炭酸水素塩の溶解度を低下させる第三成分(塩化ナトリウムやエチルアルコール等)を添加する方法もあるが、母液からの分離時に充分な洗浄が必要となり、上記第三成分が結晶中に残留するおそれもある。また、塩化ナトリウムを添加する場合は設備の材質により制約が発生し、エタノールを添加する場合は引火性を考慮して操作上の制約が発生するため、操作が複雑となる。
発生した微粒子状の結晶を系外に除去する方法によっても結晶粒子径を大きくできるが、これを連続操作として実施する場合は、結晶を大きくするに見合った数の微粒子を選択的に大量に取り出すことが設備上困難であり、十分な微粒子状の結晶の処理ができない等の問題がある。さらに、取り出した微粒子を処分するための設備が必要となり、収率も低下する。したがって、この方法のみでは、大きな結晶を高い収率で工業的に生産することはできなかった。
発明の開示
本発明は、上記のような問題を排除し、水溶液からの晶析法により、結晶粒子径の大きなアルカリ金属炭酸水素塩を高収率で工業的に得るための方法を提供することを目的とする。
本発明は、アルカリ金属イオンを含む水溶液と二酸化炭素の反応から結晶を晶析させるアルカリ金属炭酸水素塩の製造方法において、晶析設備内の晶析液全体を対象として、液中に溶解しているアルカリ金属炭酸水素塩の濃度を飽和溶解度以下にすることによりアルカリ金属炭酸水素塩の微粒子を溶解除去する操作を、間欠的に繰り返して施すことを特徴とするアルカリ金属炭酸水素塩の製造方法を提供する。
本発明では、晶析設備内の晶析液全体を対象として、液中に溶解しているアルカリ金属炭酸水素塩の濃度を飽和溶解度以下にして、微粒子を溶解除去する。この操作により、晶析時に新たに生成した核を間欠的に溶解でき、その結果、結晶核のみかけの発生数を大幅に低減できる。核の発生数の抑制は、晶析槽内の析出結晶の過飽和度を低く制御することによっても達成できるが、この場合晶析速度が制限される。また、反応物として気体の二酸化炭素を使用しているので、液圧の影響で二酸化炭素の溶解度が晶析液の深さ方向において異なる等の問題が生じるため、大型の工業的規模の晶析設備では、析出結晶の過飽和度の制御は実質上不可能である。これに対し、本発明は工業的規模でも採用できる方法である。
また、結晶粒子径が大きくかつ結晶の長軸と短軸の長さの比(アスペクト比)が小さく流動性に富む結晶を得たい場合は、上記の微粒子の溶解除去操作とともに、晶析設備内に存在する結晶を粉砕する工程を行うことが好ましい。例えば、炭酸水素ナトリウムを製造する場合、上記微粒子の溶解除去操作を行うと、粗大でアスペクト比の大きい長い結晶を得やすい。このような結晶に対して粉砕の操作を行って粗粉砕すると、結晶が長軸方向に垂直に折れて、より立方体に近い形状となり粉体としての流動性が向上する。
発明を実施するための最良の形態
本発明において、アルカリ金属炭酸水素塩を構成するアルカリ金属は特に限定されない。以下、ナトリウムを例にとって説明するが、カリウムやその他のアルカリ金属についても同様に本発明を適用できる。
結晶が析出しているときは、当然ながら晶析液中に溶解している炭酸水素ナトリウム濃度は飽和濃度を超えている。本発明では、微粒子の溶解除去は、晶析液中に溶解している炭酸水素ナトリウムの濃度を一時的に飽和濃度以下にすることによって行う。このとき、晶析液中には種々の粒子径の炭酸水素ナトリウム結晶が存在し、すべての粒子が溶解を始めるが、粒径の小さい粒子は粒径の大きな粒子より早く完全に溶解して消滅するので除去される。その後改めて晶析操作を再開することにより、粒径の大きな炭酸水素ナトリウム粒子のみを得ることができる。ここで晶析を再開したときにしばらくは微粒子が発生せずに大粒子が成長することが本発明の要点の一つである。
晶析液中に溶解している炭酸水素ナトリウムの濃度を一時的に飽和濃度以下にする方法としては、具体的には、晶析液に水酸化ナトリウムを間欠的に添加する操作、又は晶析設備に吹き込む二酸化炭素を間欠的に空気に切りかえる操作等を採用するのが好ましい。これらの方法は、炭酸水素ナトリウムの製造方法が、炭酸ナトリウム溶液(水酸化ナトリウム又は炭酸水素ナトリウムを含有するものであってもよい。)と二酸化炭素との反応による晶析の場合に特に有効である。
晶析液に水酸化ナトリウムを添加する場合には、水酸化ナトリウムと炭酸水素ナトリウムとの反応により炭酸水素ナトリウムが分解され、この結果溶液中の炭酸水素ナトリウムの濃度が低下し飽和濃度以下になる。晶析設備に吹き込む二酸化炭素を空気に切りかえる場合には、晶析液中に溶解した二酸化炭素が空気中に放出されるので、晶析液中に溶解している炭酸水素ナトリウムの濃度が低下し飽和濃度以下になる。
晶析が、炭酸水素ナトリウム溶液又は炭酸ナトリウムを含有する炭酸水素ナトリウム溶液を冷却する方法である場合には、晶析設備の晶析部分全体を間欠的に加熱する操作が有効である。また、晶析液に水を間欠的に添加して、溶液中に溶解している炭酸水素ナトリウムの濃度を低下させる操作も採用できる。また、これまでに述べた微粒子の溶解除去方法は、適宜組み合わせて使用できる。
本発明においては、全晶析工程に対する、微粒子溶解工程の時間、すなわち炭酸水素ナトリウムの濃度を飽和溶解度以下にしている時間の配分を変えることにより、微小結晶の除去の程度を調整でき、晶析結晶の大きさを制御できる。時間配分は、晶析設備の大きさやその他の要因により影響されるが、例えば微粒子溶解工程を10分〜5時間程度かつ全晶析時間の1〜30%程度の範囲に制御するのが好ましい。この結果、炭酸水素ナトリウムの場合では、篩い分け法による粒度分析で平均粒子径が150μm以上の結晶を安定的に得ることができる。
本発明は、連続式晶析操作又は回分式晶析操作を問わず、アルカリ金属イオンを含む溶液と二酸化炭素との反応により結晶を晶析させる種々の晶析操作に有効である。また本発明は、媒晶剤を使用する方法等の従来から採用されている微粒子の発生防止操作、除去操作と合わせて使用することもでき、種々の微粒子除去操作を複数組み合わせることもできる。
以上の操作により得られた結晶は晶析設備から取り出して母液と分離し、二酸化炭素ガス雰囲気中で乾燥することにより、大きくかつ太い炭酸水素ナトリウム結晶が得られる。このようにして得られる結晶は通常アスペクト比が大きいので、粗粉砕して結晶を長軸方向に垂直に切断すると、より立方体に近くて大きく嵩密度が低い、流動性に優れた粉体となる。またこのようにして得られる炭酸水素ナトリウムは、長軸方向から水に溶解していくので、上述の粗粉砕により水への溶解速度も高まる。
本発明においては、結晶を晶析設備から取り出して乾燥させた後に粗粉砕するかわりに、晶析設備内の炭酸水素ナトリウムスラリー中の粒子を粉砕してアスペクト比の小さい結晶を得ることもできる。通常、晶析しながら晶析設備内の炭酸水素ナトリウムスラリー中の粒子を粗粉砕すると、種晶が過剰に発生し、晶析設備内の炭酸水素ナトリウムは急激に微粒子化する。しかし、本発明における微粒子の溶解除去の操作は効果が高いため、晶析設備内でスラリー中の粒子を粉砕しても、上述の乾燥後に粉砕した結晶と近似したアスペクト比の結晶が得られる。さらにこのようにして得られる結晶は、粗粉砕後も晶析されるため、若干丸みを帯び、より一層粉体としての流動性が高い。
晶析設備内の炭酸水素ナトリウムスラリー中の粒子を粉砕する方法としては、例えば結晶を含むスラリーを配管によって晶析設備外に設置した粉砕機に導入して当該粉砕機で粉砕した後、晶析設備内に戻して循環させる方法が挙げられる。粉砕の方法としては、例えばポンプを用いてインペラと粒子とを衝突させて粒子を破砕させればよい。あまり強い外力を付与することは、長軸方向に垂直な方向で破断するという目的以上に粒子を細かく粉砕することになり好ましくない。
以下に本発明の実施例及び比較例により、本発明を具体的に説明する。
内径0.4m、全高15.3mの晶析塔を用いて、連続的に炭酸水素ナトリウムの晶析試験を実施し、本発明の効果を確認した。晶析塔に供給する原料溶液は、イオン交換膜法により得られた水酸化ナトリウム水溶液に、あらかじめ二酸化炭素を反応させ、さらに純水を加えて、濃度及び組成を調整した炭酸ナトリウム水溶液を用いた。この水溶液は、目開き0.1μmのメンブレンフィルタにて精密濾過した後、晶析塔に連続的に定量供給した。晶析のための二酸化炭素は、空気を混合して濃度を調整し圧縮機により昇圧後、目開き0.1μmのメンブレンフィルタにて精密濾過して晶析塔に定量供給した。
晶析塔内の結晶の平均粒子直径の測定は、晶析塔内の結晶と溶液の混合スラリーを遠心分離機で分離し、箱型乾燥器内にて50℃に加熱した二酸化炭素雰囲気中で乾燥後、ロータップ振とう試験機とJIS標準篩を用いて質量基準で評価した。すなわち、目開きがそれぞれ、355μm、250μm、180μm、150μm、106μm、75μm及び45μmであり直径が20cmの標準篩を、目開きの小さい順に受け皿の上に積み重ね、最上段に試料100gを入れてふたをした後、打振と回転を同時に与えることのできる篩分け機械に取りつけて30分間篩分けを行った。それぞれの篩の上に残留した試料及び受け皿にたまった試料の重量を測定して累積篩上粒度分布を求め、これを対数正規分布図上にプロットして50%値より平均粒子直径を求めた。
核の発生数は、完全混合型の連続晶析装置のモデルに基づいて理論的に計算で求めた(化学工学便覧改訂五版の図8‐36参照)。供給原料溶液の濃度は、ウィンクラー法による酸アルカリ中和滴定により求めた。晶析に使用した二酸化炭素の濃度は、オルザット分析法により求めた。
[例1(実施例)]
原料溶液は110リットル/時で定量供給し、晶析塔に吹き込む二酸化炭素は、表1に示す濃度で、流量71m(Normal)/時になるように調整して連続供給した。晶析塔内には、3時間の停止時間をはさんで、水酸化ナトリウム水溶液を1時間ずつ供給した(以下、この操作を水酸化ナトリウムの間欠的供給という。)。この水酸化ナトリウムは、イオン交換膜法により得られた水酸化ナトリウム水溶液を48質量%に濃縮したものを用い、目開き0.1μmのメンブレンフィルタにて精密濾過して、50リットル/時で定量供給した。
晶析時の温度は55〜65℃となるように調整したが、ここでは晶析設備での放熱のほうが反応熱よりも大きいために、晶析装置の晶析部分を外部より蒸気を用いて加熱した。また、晶析部分における、炭酸水素ナトリウム結晶の固体濃度は10〜25質量%となるように、供給原料溶液の濃度と、晶析設備からの固体と溶液の取り出し量を調整した。
試験開始1日目から4日目までのそれぞれの晶析塔内の粒子の平均粒子直径、供給された原料溶液の組成、供給される二酸化炭素の濃度、及び核の発生数を表1に示す。
Figure 0004724996
[例2(比較例)]
例1に続いて、水酸化ナトリウムの間欠的供給をやめ、連続的に炭酸ガスを供給した以外は例1と同様の条件で晶析を行った。供給原料液流量は130リットル/時、供給二酸化炭素の流量は70m(Normal)/時とした。例1と同様に晶析の結果を表2に示す。例1では、微粒子の除去により、結果として核発生数が大幅に低減され、晶析結晶を大きくしていることがわかる。
なお、例2においては、1日目の晶析が終了した後、急速に結晶の微粒子化が進んだため、この時点で試験を中断した。
Figure 0004724996
[例3(実施例)]
原料溶液を200リットル/時で定量供給して晶析を行った。表3に示す濃度の二酸化炭素を流量74m(Normal)/時で3時間供給した後、二酸化炭素の供給を止め同じ流量の空気を1時間供給することを交互に繰り返した。この空気は、圧縮機の入口に空気のみが送られるようにして、目開き0.1μmのメンブレンフィルタにて精密濾過して供給した。また、吹き込みガスの切り替えは、結晶の沈降を防止するため瞬時に行った。
晶析時の温度は55〜65℃となるように調整したが、例1同様に晶析設備での放熱のほうが反応熱よりも大きいために、晶析装置の晶析部分を外部より蒸気を用いて加熱した。晶析部分の、炭酸水素ナトリウム結晶の固体濃度は10〜25質量%となるように、供給原料溶液の濃度と、晶析設備よりの、固体と溶液の取り出し量を調整した。例1と同様に晶析の結果を表3に示す。この試験結果より、例1と同様にこの方法が微粒子の除去に有効で、核発生数を大幅に低減することにより、晶析結晶を大きくしていることがわかる。
Figure 0004724996
[例4(実施例)]
例3と同一の条件で晶析操作を行いながら、晶析開始3日目から晶析操作と同時に晶析設備の下部からスラリーを配管で取り出し、出力100Wのモーターを有する遠心ポンプを使用して晶析設備の下部にスラリーを戻す操作を行った。この操作により、取り出したスラリー中の結晶粒子を粗粉砕した。例1と同様に晶析の結果を表4に示す。
また、晶析開始5日目に得られた結晶(結晶A)と晶析開始2日目に得られた結晶(結晶B)とを顕微鏡で観察して比較したところ、結晶Aは長軸の長さは結晶Bに比べて短くなっていたが、短軸の長さすなわち太さは結晶Bの短軸の太さとほぼ同じであり、アスペクト比が小さくなっていることが確認された。
Figure 0004724996
産業上の利用の可能性
本発明は、アルカリ金属炭酸水素塩の晶析時の核発生数を、工業的規模にて確実かつ容易に制御できる操作方法であり、種々の微粒子除去操作を併用できる。そのため、本発明によれば、粒子径が大きく粉体としての流動性が良好なアルカリ金属炭酸水素塩を工業的に製造できる。そして、炭酸水素ナトリウムの場合には、平均粒子直径が150μm以上の結晶を得ることができる。
本発明によれば、かさ密度が高く溶解性も良好なアルカリ金属炭酸水素塩が得られるので、例えば人工腎臓による血液透析等に用いる透析剤用の炭酸水素ナトリウム等に好適に使用できる。

Claims (11)

  1. アルカリ金属の炭酸塩又は水酸化物を含む水溶液と二酸化炭素の反応から結晶を晶析させるアルカリ金属炭酸水素塩の製造方法において、晶析液に供給する二酸化炭素を空気に切りかえて、晶析設備内の晶析液全体を対象として、液中に溶解しているアルカリ金属炭酸水素塩の濃度を飽和溶解度以下にすることによりアルカリ金属炭酸水素塩の微粒子を溶解除去する操作を、間欠的に繰り返して施すことを特徴とするアルカリ金属炭酸水素塩の製造方法。
  2. アルカリ金属の炭酸塩又は水酸化物を含む水溶液が、アルカリ金属の水酸化物、又はアルカリ金属の水酸化物に予め二酸化炭素を反応させて得たアルカリ金属の炭酸塩を含む水溶液である請求項1に記載のアルカリ金属炭酸水素塩の製造方法。
  3. 前記アルカリ金属炭酸水素塩の微粒子を溶解除去する操作において、晶析液にアルカリ金属水酸化物を添加する請求項1または2に記載のアルカリ金属炭酸水素塩の製造方法。
  4. 前記アルカリ金属炭酸水素塩の微粒子を溶解除去する操作において、晶析液に水を添加する請求項1〜3の何れか一項に記載のアルカリ金属炭酸水素塩の製造方法。
  5. 前記アルカリ金属炭酸水素塩の微粒子を溶解除去する操作において、晶析設備の晶析部分全体を加熱する請求項1〜4の何れか一項に記載のアルカリ金属炭酸水素塩の製造方法。
  6. アルカリ金属炭酸水素塩が炭酸水素ナトリウムである請求項1〜5のいずれか1項に記載のアルカリ金属炭酸水素塩の製造方法。
  7. 前記アルカリ金属炭酸水素塩の微粒子を溶解除去する操作は10分〜5時間の工程である請求項1〜6のいずれか1項に記載のアルカリ金属炭酸水素塩の製造方法。
  8. 前記アルカリ金属炭酸水素塩の微粒子を溶解除去する操作の時間が、全晶析時間の1〜30%である請求項1〜7のいずれか1項に記載のアルカリ金属炭酸水素塩の製造方法。
  9. 晶析部分における、アルカリ金属炭酸水素塩の結晶の固体濃度が、10〜25質量%となるように調製する請求項1〜8のいずれか1項に記載のアルカリ金属炭酸水素塩の製造方法。
  10. 晶析設備内に存在する結晶を晶析させながら粉砕する請求項1〜9のいずれか1項に記載のアルカリ金属炭酸水素塩の製造方法。
  11. 晶析設備内に存在する結晶をスラリ状で配管を通して晶析設備外に取り出して粉砕した後、晶析設備内に戻して循環させる請求項10に記載のアルカリ金属炭酸水素塩の製造方法。
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