JP2005194153A - 硫安結晶の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】晶析缶内に存在する余剰の微結晶を効率良く低減するとともに、迅速に結晶成長を行い、特に液滞留時間が短い晶析条件下においても安定的な粒度の粗大な硫安結晶を製造する方法を提供する。
【解決手段】硫安液を蒸発濃縮して硫安結晶を得る晶析缶が特定の攪拌機および分級脚を備えており、攪拌機の攪拌によりドラフトチューブ内外を循環される混合域とバッフルに仕切られた清澄域を形成している晶析缶により硫安結晶を製造する際、清澄域のスラリーを抜き出して回収し、回収スラリーを硫酸とアンモニアを反応させる中和工程に循環させ、中和反応熱により該回収スラリー中の結晶を溶解させて晶析缶に戻し、かつ清澄域のスラリーを回収して中和工程に循環させる以外に、清澄域のスラリーを系外に抜き出すようにした硫安結晶の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、硫安液から粗大な硫安結晶を製造する方法に関する。
近年、窒素質、リン酸質およびカリ質の肥効3成分のうち、2種類以上が配合されている複合肥料の用途が高まっている。例えば、硫安、塩安、塩化カリウム、過燐酸石灰等の粒状肥料原料の2種類以上を混合配合したバルクブレンド用肥料の需要が高まっている。
バルクブレンド用肥料は、地域の土壌条件、栽培方法等に併せて任意の配合率で混合し施肥できることが特徴である。そのため、バルクブレンド用の硫安は均一に混合できるように粒径を揃えること、飛散が少なく植物への付着がないこと、農業の大型化から機械蒔きができること、環境問題からスローリリースであることといった観点から、粒径2〜4mm程度の粒度の揃った粒状の粗大結晶が要望されている。
粗大硫安結晶の製造に関する技術としては、晶析缶の攪拌機の電流値、スラリー濃度、結晶保有量、晶析缶底部より抜き出された結晶の粒度分布を監視して、該晶析缶底部からの抜き出し量を増減させて、晶析缶における余剰核発生を抑えながら小粒硫安結晶の缶内滞留時間を長くすることによって、カプロラクタムを製造から副生する硫安液から大粒硫安を製造する方法がに提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この方法は、晶析缶中の硫安結晶が成長して最大径になる時点の缶内結晶滞留量を缶内硫安結晶保有量の上限値、過飽和状態となった缶液から新たな硫安結晶が異常発生する直前の時点における缶内結晶滞留量を缶内硫安結晶保有量の下限値として、この上下限値の範囲内で晶析缶から硫安結晶スラリーを抜き出すために、結晶滞留時間が大きく取れるので得られる硫安中には非常に大きな結晶が存在する。しかし、抜き出し量の増減幅が非常に大きいので、滞留時間が非常に短い期間もあり、製品硫安の粒度分布が大きく変動し均一の粒子サイズが得られない。また、連続的であるが、間欠的に近いスラリーの抜き出し増減であり、局所的な抜き出し量が大きくなるので脱水機や乾燥機の能力を大きくしなければならないという問題を有する。
また、硫安溶液から効率的に安定して粗大硫安結晶を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この方法は、晶析缶の外部循環ラインに流れ込む硫安結晶の存在量または存在割合を把握して適正量に制御することにより、缶内のスラリー濃度を最大限にまで大きくして粗大結晶を安定的に得ている。また、水添加、攪拌機の回転数、外部循環流量、真空度を変えることにより、外部循環ラインに流れ込む過剰な微結晶を消去、あるいは減少させることにより、缶内の余剰結晶核を減らして結晶を成長させている。
しかしながら、この提案は余分な微結晶を減らして結晶の成長を促している手法であり、缶内のスラリー濃度を最大限にすることについての明記はなく、缶内のスラリー濃度が下がってしまうと外部循環ラインに流れ込む微結晶が減少して見掛けの余剰結晶が減少したように見えるが、缶内結晶滞留時間が減少し、製品結晶の粒径は小さくなる。連続的に晶析する状況下では、攪拌機の回転数を変動させると晶析缶内の操作過飽和度(結晶生産量/内部循環流量)が変動し結晶成長は不安定となる。外部循環流量を変えると外部循環液により分級脚にて製品スラリーを含む結晶を分級している場合には分級流速が変動し分級脚の分級性が低下する。真空度を下げると缶内温度が上がるのでオストワルドライプニング現象により微結晶は溶解し易いが液面が下がるため、スラリーの滞留時間が減少すると共に、生産量が減少するという問題を有する。
また、大型結晶状の純粋な硫酸アンモニウムの収得方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。この方法は、カプロラクタムの製造にて硫酸又は発煙硫酸によるベックマン転位によって得られた反応混合物をアンモニアで中和する際に、蒸発濃縮して得られた硫安結晶スラリーの分離母液を循環して高められた温度においてアンモニアを添加して80〜115℃で自己発生圧力下において中和し、72〜101℃の温度で晶析している。
しかしながら、晶析温度が高く、硫安母液と中和での温度差が小さくなるので、中和工程に循環される硫安母液流量が増大して晶析缶での滞留時間が短くなり、特に晶析缶容量が小さい場合には結晶成長が困難となる。中和熱だけでは微粒を溶解できず、相当量の希釈水が必要である。自己発生圧力下で中和しているので、中和後のカプロラクタムと硫安液の分離操作が大気圧下で運転できず、設備コストや管理が困難となる。特に100℃付近以上の中和温度では、放熱ロスが大きく、晶析前に温度が下がると微結晶が生成してしまい結晶成長の妨げとなるという問題を有する。
硫安母液から晶析装置を経て粒状硫安を製造する工程において、硫安母液に媒晶剤を添加して粗大な粒状の硫安結晶を得る方法が多数報告されている。例えば、媒晶剤として硝酸または硝酸アンモニウム(例えば、特許文献4参照)、スルファミン酸アンモニウム(例えば、特許文献5参照)、硝酸または硝酸アンモニウムとスルファミン酸またはスルファミン酸アンモニウム(例えば、特許文献6参照)、スルファミン酸またはスルファミン酸アンモニウムとスルファミン酸グアニジン(例えば、特許文献7参照)、スルファミン酸イオンと金属イオン(例えば、特許文献8参照)、クエン酸,リンゴ酸,リン酸アンモニウム(例えば、特許文献9参照)を使用した方法が提案されている。しかし、媒晶剤を添加する場合、得られる硫安結晶中に不純物として媒晶剤が結晶に付着もしくは内包され、製品結晶の純度を低下させてしまう。また、多量の媒晶剤を使用しなければならないので、品質面のみならずコストも悪化する。硫安母液を回収したり、スラリー中の結晶を再溶解して晶析缶に戻したり、水や蒸発水等を添加するような晶析工程では、媒晶剤の濃度管理が非常に難しく、かつカプロラクタム製造からの副生硫安の製造においてはカプロラクタムへの媒晶剤混入の危険性もあり得るという問題を有する。
このように、粗大硫安結晶の製造する方法が数多く提案されている。それらは、一般的な晶析方法の改良と媒晶剤添加に二分されている。しかし、晶析方法の改良では、余剰結晶を抑えて結晶滞留時間を延ばすために晶析缶内の結晶保有量を増減したり、余剰結晶を再溶解したり、種結晶を添加したりするものであった。そのため、得られる製品結晶の粒度が周期変動したり、運転面おいては攪拌や外部循環を常時変動させたり、半回分的に結晶抜き出し量を大きく増減したりするため、運転管理が非常に複雑化し、コスト面では結晶を溶解するための加熱を必要とした。また、媒晶剤を使用する方法では、品質面と経済性の問題があり工業的な生産は困難である。
つまり、晶析缶サイズを大きくし、滞留時間を大きく取れば、比較的容易に粗大結晶が取れる訳であるが、設備投資が巨額になるため、以上のような提案がなされてきた。しかし、連続的に滞留時間を十分に取れず安定的に粗大な硫安結晶が得られない問題があった。特に、結晶缶に供給される液滞留時間が短い場合に対する硫安の大粒径化技術については提案されていない。
特公平7−64553号公報 特開2000−72436号公報 特開昭53−60900号公報 特公昭60−38336号公報 特公昭60−38337号公報 特公昭60−38338号公報 特開平7−61811号公報 特開2000−226211号公報 特開2002−193614号公報
本発明の課題は、これら従来の問題点を解決しようとするものであり、媒晶剤の無添加で、晶析缶内に存在する結晶成長を妨げる余剰の微結晶をアンモニアと硫酸との中和熱により溶解させて晶析缶に循環させることと系外に排出することで、微結晶を効率良く低減するとともに、晶析缶内の大粒径の結晶保有量を高めて迅速に結晶成長を行い、特に液滞留時間が短い晶析条件下においても安定的な粒度の粗大な硫安結晶を製造する方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用する。すなわち、
(1)硫安液を蒸発濃縮して硫安結晶を得る晶析缶がドラフトチューブ、バッフル、攪拌機および分級脚を備えており、上記攪拌機の攪拌によりドラフトチューブ内外を循環される混合域と上記バッフルに仕切られた清澄域を形成している晶析缶により硫安結晶を製造する方法において、前記清澄域のスラリーを抜き出して回収し、該回収スラリーを硫酸とアンモニアを反応させる中和工程に循環させ、中和反応熱により該回収スラリー中の結晶を溶解させて前記晶析缶に戻し、かつ上記清澄域のスラリーを回収して中和工程に循環させる以外に、該清澄域のスラリーを系外に抜き出すようにしたことを特徴とする硫安結晶の製造方法。
(2)前記清澄域から系外に抜き出すスラリーが、清澄域から晶析缶もしくは分級脚に循環している外部循環ラインの抜き出し位置と同等もしくは下部の位置にあるスラリー、あるいは外部循環ラインのスラリーであることを特徴とする前記(1)に記載の硫安結晶の製造方法。
(3)前記清澄域から回収し中和工程に循環するスラリーが、外部循環ラインの抜き出し位置と同等もしくは上部の位置にあるスラリー、あるいは外部循環ラインのスラリーであることを特徴とする前記(1)または(2)のいずれか一項に記載の硫安結晶の製造方法
(4)前記中和工程において、中和温度が80〜95℃となるように中和工程に回収スラリーを供給し、晶析温度40〜70℃で真空蒸発させることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の硫安結晶の製造方法。
(5)前記晶析缶において、前記外部循環ラインもしくは前記清澄域から系外に抜き出す微粒抜きラインに流れ込む清澄域のスラリーの結晶濃度が5〜45wt%であり、かつ前記混合域のスラリーの結晶濃度が20〜45%でり、該清澄域の結晶濃度が混合域の結晶濃度以下であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の粗大硫安結晶の製造方法。
(6)前記晶析缶において、分級脚から抜き出された製品結晶を含むスラリーを濃縮分離装置にて濃縮し、該濃縮された製品結晶を含む濃縮スラリーを得て、一方の希薄スラリーを再び該晶析缶に循環し、該濃縮スラリーおよび/または希薄スラリーの流量を増減することを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の硫安結晶の製造方法。
(7)前記硫安液がカプロラクタム製造において副生される硫安液であることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の硫安結晶の製造方法。
(8)前記晶析缶に供給させる硫安液の流量に対する晶析缶内の液滞留時間が0.3〜3時間であることを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の硫安結晶の製造方法。
本発明によれば、以下に示すとおり、晶析缶内に存在する結晶成長を妨げる余剰の微結晶をアンモニアと硫酸との中和熱により溶解させて晶析缶に循環させることと系外に排出することで効率良く低減するとともに、晶析缶内の大粒径の結晶保有量を高めて迅速に結晶成長を行い、特に液滞留時間が短い晶析条件下においても、安定的な粒度の粗大硫安結晶を製造することができる。
本発明は、硫安液を蒸発濃縮し硫安結晶を得る晶析缶がドラフトチューブ、バッフル、プロペラ型の攪拌機および分級脚を備えており、攪拌によりドラフトチューブ内外を循環される混合域とバッフルに仕切られた清澄域を形成し、外部循環ラインから清澄域のスラリーを晶析缶もしくは分級脚に一部もしくは全量を循環している一般的な晶析装置を備えた硫安結晶の製造方法において、晶析缶内に存在する余分な微結晶を効率良く低減すると共に晶析缶内の結晶保有量を高めた状態で迅速に結晶成長させることで、特に液滞留時間が短い晶析条件下においても安定的な粒度の粗大硫安結晶を製造する方法を特徴とするものである。
本発明の粗大硫安結晶の製造方法の詳細を図面に示す一実施態様に基づいて説明する。
図1は、本発明の粗大硫安結晶の製造工程の一例を示す概略図であり、図2は、本発明の粗大硫安結晶の製造工程の他の一例を示す概略図であり、図3は、本発明の粗大硫安結晶の製造工程のさらに他の一例を示す概略図であり、図4は、本発明の実施例で行った製造工程を示す概略図である。
図1〜図4に示すように、本発明の製造方法における晶析缶1は、ドラフトチューブ2、バッフル3、攪拌機4、分級脚5、外部循環ライン6、スラリー抜き出しライン7が備え付けられている。ドラフトチューブ2は、一般的には円筒管形状で晶析缶の中心部に設けられ、ドラフトチューブ2の内側と外側を硫安スラリーが流れ、ドラフトチューブ2で循環系路を形成している。バッフル3は、一般的にドラフトチューブ2の外側に設けられ、形状は円筒管状であり、バッフル3の上端は晶析缶1の壁面に接合し、バッフル3上端および側面からは硫安スラリーが流入しないようにし、スラリーはバッフル3の下部から流入される。バッフル3は、ドラフトチューブ2で形成される循環系路を仕切る働きである。攪拌機4は、一般的にドラフトチューブ3の中央から下部の位置に攪拌翼が設置され、攪拌機4の攪拌によりドラフトチューブ2の内側では上昇流、外側では下降流を形成させて、ドラフトチューブ内外をスラリーが循環される。攪拌機4は、ドラフトチューブ2の内側にあり、攪拌翼が完全にドラフトチューブ2内に収まっているD.T.B型やドラフトチューブ2の内側と外側に攪拌翼が取り付けられているD.P.型が一般的である。分級脚5は、一般的に晶析缶1の底部に設けられた円筒管で、例えば清澄域27から外部循環ライン6を通して抜き出したスラリーを分級脚5の底部より導入して、分級脚5内で上昇流を形成することで晶析缶1内で成長した硫安結晶を分級脚5内で分級して、スラリー抜き出しライン7から粒度の安定した結晶を取り出せるような構造である。
つまり、晶析缶1は攪拌によりドラフトチューブ2内外を硫安スラリーが循環され均一な混合状態が形成されて結晶を成長させる混合域26と、バッフル3により攪拌の影響を受けない清澄域27を形成させる一般的な完全混合型晶析缶であり、例えばD.T.B.型(ドラフトチューブアンドバッフル型)晶析缶が良い。結晶破砕と所用動力を低減するためにはD.P.型(ダブルプロペラ型)晶析缶であることがさらに好ましい。
清澄域27は、バッフル3の外側と晶析缶1の壁面との間で形成される領域であり、バッフル3の下端までのゾーンである。混合域26は、分級脚5を除く晶析缶1のスラリーあるいは液が存在する領域である。
硫安結晶を効率良く成長させるには、晶析缶1内に余剰に発生する微結晶を消去もしくは除去しなければならない。つまり、多量の微結晶が存在した場合、微粒結晶により結晶保有量当たりの保有量結晶表面積が増えるので、即座に過飽和度が消滅し結晶成長が進まないので、晶析缶には大結晶を保有させ余剰微粒を低減する必要がある。さらに、液の滞留時間が短い場合には、過飽和度が高くなり過飽和度が破れて急激に微結晶が自己発生し易く結晶成長が遅滞してしまう。
そこで、本発明では、余分な微結晶を低減するために、図1〜図4に示すように晶析缶1内に形成される清澄域27に存在する微粒のスラリーを抜き出して、微粒回収ライン8から回収工程9にて該スラリーを回収し、回収スラリー10を中和工程11に供給して、硫酸12およびアンモニア13の中和反応で得られた中和熱により、回収スラリー10中の微結晶を溶解すると共に、中和反応で生ずる硫安を析出させないようにしている。そして、中和工程11で得られた硫安液14を晶析缶1に戻すことで、晶析缶1で発生した余剰の微結晶を中和工程11で完全に溶解させて、再び晶析缶1で結晶化させている。さらには、晶析缶1に存在する余分な微結晶を清澄域27から系外に排出して、晶析缶混合域26の大結晶の成長を促進させている。
晶析缶1内のバッフル3で仕切られた清澄域27は、攪拌の影響を受けないので大粒径の結晶は存在せず、基本的には清澄域27から抜き出されるスラリー流量(例えば、外部循環ライン6と微粒回収ライン8の総流量)における線速度が上昇流速となるので、その線速度を終末速度に持つ結晶粒子径以下の微粒結晶が存在している。その微結晶を低減することで、効率良く結晶することができるのである。
本発明の微粒回収ライン8は、図1、図3、および図4に示すように、バッフル3で仕切られた清澄域27のスラリーを外部循環ライン6の抜き出し位置と同等もしくはそれよりも上部の位置から取り出すライン、もしくは図2に示すように、外部循環ライン6のスラリーの一部から取り出すラインである。清澄域27の微粒は、上昇流にて分級しているので、その上部ほど分級性が良く、さらに外部循環にて流量が奪われるので、外部循環ライン6の抜き出し位置より上部では上昇流速がより小さくなり微結晶のみを取り出せ、スラリー濃度も低く抑えられて缶内のスラリー濃度を低下させないので、微粒回収ライン8の抜き出し位置は外部循環ライン6の抜き出し位置よりも上部が好ましい。
回収工程9には、晶析缶1の清澄液27から抜き出したスラリーを回収すると共に、製品結晶を含んだスラリーや系外に抜き出したスラリーを脱水した母液、硫安結晶の乾燥後の微粉を捕集し溶解した硫安液を添加することもできる。回収工程は硫安結晶が堆積しないように攪拌や工程内循環等により混合させることが望ましい。
中和工程11で使用する硫酸12は、硫酸、発煙硫酸、硫酸塩等の硫酸が含有されているものならいずれでも良い。特に、カプロラクタム製造工程から発生する反応混合物が好ましい。例えば、硫酸および発煙硫酸によりシクロヘキサノンオキシムをベックマン転位した反応混合物が好ましい。中和工程11で使用するアンモニア13は、アンモニアガス、アンモニア水等のアンモニアが含有されているものならいずれでも良い。
回収工程9および中和工程11では、微粒結晶の溶解補助として、希釈水15を添加しても良い。希釈水15は水、温水、希薄硫安溶液のいずれでも良く、系内の水収支を安定化させる意味では晶析で発生する蒸気16を凝縮した水を使用するのがさらに好ましい。
本発明では、晶析缶1内の余分な微結晶をさらに除去するために、図2および図3に示すように、バッフル3で仕切られた清澄域27のスラリーを外部循環ライン6と同等もしくはそれよりも下部の位置から取り出すライン、もしくは図1および図4に示すように、外部循環ライン6の一部を抜き出すラインを微粒抜きライン17として設けて系外に抜き出している。これは、微粒を抜き出すことで、晶析缶1内に大粒結晶の保有量を高めて、迅速に結晶成長させることが可能にしている。さらに、晶析缶1に余剰の結晶が多量に発生した場合や余剰の微結晶を再溶解しきれない場合には、晶析缶1内の余剰微結晶を迅速に低減でき、系内の微粒の滞留を低減できる。その上、微粒を抜き出すことで晶析缶1内で粗大結晶と微結晶を分離でき、製品結晶の粒度分布が狭くなる。
微粒抜きライン17は、外部循環ライン6や微粒回収ライン8に流れ込むスラリーの濃度を低減するために、外部循環ライン6よりも下部の位置から抜き出すことが好ましい。微粒抜き量は、連続、あるいは間欠でも良く、流量も晶析缶内の結晶保有量を低減させないように調整できる。微粒抜き量が多すぎると粗大結晶を含む製品結晶の生産量が下がるので、晶析缶1に供給される流量に対して0.5〜20%が好ましい。系外に抜き出した微粒スラリーは、清澄域のスラリーであるので、該清澄域での上昇流速に対応する終末速度以下での粒径となり、非常に均一粒径の微結晶である。そのため、該スラリーを脱水、乾燥して微粒硫安結晶として使用したり、直列的に晶析缶を2個以上有する場合には種結晶としても有意である。また、図3に示すように、微粒抜きスラリーを希釈水で溶解するため希釈水の添加が必要となる場合もあるが、回収工程に送ることも可能である。
外部循環ライン6には、スラリー中の微結晶を溶解できる加熱器18を図2および図3に示すように備え付けても良いが、中和工程で十分に結晶が溶解できる場合には加熱器18は必要としないので、コストを削減できる。また、外部循環ライン6には、希釈水15を添加することもでき、スラリー中の微結晶を溶解できる。
大粒径で均一な粒度分布の硫安結晶を得るためには、晶析缶内の結晶保有量を高めて結晶滞留時間を延ばすとともに、結晶滞留時間を一定にするために缶内混合域のスラリー濃度を一定にすることが重要である。
本発明では、図1〜図4に示すように、スラリーの濃縮分離装置19を設け、分級脚5より抜き出された製品結晶を含むスラリー抜き出しライン7のスラリーを該濃縮分離装置19に供給し、製品結晶を含む濃縮スラリー20と希薄スラリー21を得る。該濃縮分離装置19により濃縮スラリー20中の微粒結晶を低減でき、希薄スラリー21を晶析缶1の混合域に再循環させることにより、希薄スラリー21中の微粒結晶を種結晶とすることができると共に結晶を戻すことで晶析缶内の結晶保有量が高められる。さらには、濃縮スラリー20および/または希薄スラリー21の流量を増減させている。これは、濃縮スラリー20の流量を減少および/または希薄スラリー21を増加させることで、晶析缶1内のスラリー濃度を高めることができ、逆の操作をすれば晶析缶1内のスラリー濃度を下げることができる。この制御を連続的に行うことにより、晶析缶1内の混合域のスラリー濃度を高めながら、スラリー濃度を一定にすることができる。特に、濃縮スラリー20および希薄スラリー21での単独の流量増減では、該濃縮スラリー20および希薄スラリー21の増減が激しくなり、晶析缶内のスラリー濃度が上下変動を起こす可能性があるので、該濃縮スラリー20および希薄スラリー21を共に微調整する二段の増減方法が望ましい。該缶内の混合域26のスラリー濃度は、該濃度を比重に換算した密度計を用いることが好ましい。該濃縮スラリー20および希薄スラリー21のスラリー増減方法は、例えば、晶析缶1の混合域26のスラリー濃度を差圧式密度計にて連続監視し、手動弁でも良いが、自動弁で晶析缶1内のスラリー濃度を制御することが望ましい。
濃縮分離工程19で、結晶スラリーを濃縮分離させる方法は、篩分離、遠心分離、重力分離などのいずれの方式でも良い。さらに、即座にスラリーの濃縮が可能で、工程内の詰まりや閉塞が少ない遠心分離装置である液体サイクロンやデカンタが好ましい。後工程に脱水工程が備えられている場合は、濃縮分離装置は小型の液体サイクロンで良く、比較的濃縮率が低くても十分で、逆に晶析缶1内のスラリー濃度制御が容易になる。
以上のように、本発明では、清澄域27から微結晶のスラリーを抜き出して、中和反応熱で微結晶を溶解して加熱された硫安液14を晶析缶1に供給することと余剰の微粒を系外に抜き出すことで結晶成長を促進している。特に液滞留時間が短い場合には、余剰の微結晶が多量に発生しても、微結晶を再溶解および除去し、結晶を含まない加熱硫安液をスラリー濃度を高めた晶析缶1に連続的に供給することで、大粒結晶の結晶成長を促している。さらに、濃縮分離装置19を設けて粗大結晶と微結晶とを分離しながら微結晶を種結晶として循環し、晶析缶内の結晶保有量を高めている。
本発明の中和温度は、80〜95℃が好ましく、所定温度になるように回収スラリー10の流量を増減して制御することが望ましい。80℃未満では晶析缶1に供給される硫安液量が増大され、晶析缶1内の液滞留時間が短くなる。また、硫安液中に結晶が残存あるいは析出する恐れもある。95℃を超える場合には、晶析缶1内で過飽和度が急激に破れ微結晶が多量に発生したり、大気圧下での中和運転が困難となったり、放熱ロスで晶析缶に入る前に微結晶が析出したりスケーリングする恐れがある。回収スラリー10の結晶濃度は、中和工程11後の硫安液中に結晶が析出させないように10wt%以下が良い。
晶析缶内の晶析温度は40〜70℃が好ましく、さらには50〜60℃が好ましく、真空圧力は10〜35kPaが好ましい。晶析温度が70℃を超えると回収スラリーの液温度が高くなり、中和後の硫安液量が増大するため、晶析時間が短くなり結晶が成長しない。
攪拌機の羽根先端速度は、結晶が均一に分散し、結晶の破砕が少なければ良いが、例えばD.T.B型晶析缶では6〜11m/s、D.P.型晶析缶では3〜7m/sが好ましい。操作過飽和度(結晶生産量/内部循環量)は0.25〜0.75kg/m3 が好ましく、結晶の破砕を抑制するには0.5〜0.7kg/m3 がさらに好ましい。結晶サイズが1〜2mm程度の結晶スラリーを十分に混合し成長できるように、攪拌により形成される上昇流速は0.6〜1.6m/sが好ましい。晶析缶内のスラリー濃度、すなわち前記混合域のスラリー濃度は20〜45wt%が好ましい、結晶保有量を高く、良好な混合状態を形成するには25〜40wt%がさらに好ましい。
本発明の中和工程11あるいは分離工程23から晶析缶1に供給される硫安液14は、ドラフトチューブ2の下端の位置と同等もしくはそれよりも上部に投入し、かつ攪拌によりドラフトチューブ2内外を循環させる混合域26にて、上昇流を形成させるドラフトチューブ2の内側に投入することが望ましい。該混合域26では、結晶成長ゾーンとも呼ばれている。特に、ドラフトチューブ2内側に形成される上昇流は目的サイズの結晶に成長するまで、結晶を持ち上げて循環しているので、その上昇流に加熱された硫安液14を供給することで、迅速に混合域内で結晶成長が生じる。また、これにより、混合域のスラリー中に存在する微結晶と大結晶は、オストワルドライプニング現象により優先的に微結晶が溶解し、余分な微結晶を低減したり、微粒の自己発生を抑制することができる。
本発明の外部循環ライン6もしくは微粒引き抜きライン17に流れ込む清澄域のスラリー濃度は結晶が存在すれば良いが、さらには5〜45wt%が望ましく、できる限り缶内結晶保有量を高めるには20〜30wt%が好ましい。しかし、結晶保有量を高めすぎると安定運転が難しいので該スラリー濃度は、缶内の混合域の結晶濃度以下にするが望ましい。分級脚での分級性や中和等での微粒の溶解を考慮すると、清澄域27のスラリー濃度は低い方が良いが、晶析缶内のスラリー濃度が低下した場合、清澄域27のスラリー濃度も減少してしまい、結晶保有量が減少する恐れがある。そのため、晶析缶内の結晶保有量を高めた状態で維持するためには、清澄域27には該範囲内で結晶を存在させて、一定のスラリー濃度にするのが好ましい。
本発明の晶析缶に供給させる硫安液の流量に対する晶析缶内の液滞留時間は0.3時間(h)以上ならいずれでも良いが、さらに液滞留時間の短い0.3〜3hでも十分に結晶成長できる、さらに好ましくは0.45〜1hである。一般的には、液滞留時間および結晶滞留時間を4h以上にするが、本発明では液滞留時間が短く、結晶成長が遅く、微粒発生が多くなる条件下でも、余分な微結晶を除去し、多量の加熱された硫安液にて晶析缶内には大結晶を保有し続けてを迅速に結晶成長させている。
本発明における中和後の硫安液は、直接晶析缶に供給しても良いが、例えばカプロラクタムの製造工程において副生される硫安液を用いる場合には、図3、図4に示すように、中和後の中和混合液22を分離工程23に供給し、液の比重差により反応混合液から硫安液を分離した後、得られた硫安液を晶析缶に供給することが望ましい。
本発明においる回収工程9および中和工程11では、硫安スラリーの堆積を防いだり、スラリーを溶解させたり、また中和反応を迅速にさせるために、攪拌機24、25で攪拌混合させたり、工程内循環させることが望ましい。
実施例1〜8
図4に示すフローにて、硫酸としてシクロヘキサンオキシムを硫酸にてベックマン転位した反応混合物(硫酸49wt%)を用いた。中和温度80〜92℃、晶析温度44〜59℃、系外への微粒抜きを行い、晶析缶スラリー濃度は25〜40%として、操作過飽和度(結晶生産量/晶析缶の内部循環量)は0.6kg/m3 とした。外部循環ラインへの希釈水の添加は実施例4,6,7および8、循環ラインに加熱器を設けて使用した場合は実施例5,7および8である。
粗大結晶は、濃縮スラリーを脱水したのち乾燥して結晶を得た。脱水した母液は回収工程に供給した。
製品結晶は、粗大結晶を10meshの篩分級し、篩上の結晶量(t/h)で示した。
晶析缶で蒸発した蒸発水は凝縮して、回収工程および中和工程に戻した。また、微粒引き抜きしたスラリーは脱水して乾燥して結晶を得て、母液を回収工程に回収した。
微粒抜き量は、晶析缶に供給される硫安液量(m3 /h)に対する微粒抜き流量(m3 /h)の容積比率(vol%)で示している。
晶析缶スラリー濃度(wt%)は、晶析缶混合域にて差圧式密度計を用いて比重を測定し、結晶濃度に換算して求めた。循環ラインのスラリー濃度、回収スラリーの濃度および晶析缶に供給する硫安液のスラリー濃度(wt%)は、スラリーを純水で全溶解し、フロート式比重計を用いて液比重を測り全硫安量(wt%)を求め、次に工程内温度における硫安の溶解度から母液の硫安量(wt%)を求めて、全硫安量から母液の硫安量(wt%)を差し引いて求めた。
スラリー濃度(wt%)=全硫安量(wt%)−母液の硫安量(wt%)
液滞留時間は、以下のように表せる。
液滞留時間(h)=晶析缶の混合域(m3 )/晶析缶に供給される硫安液量(m3 /h)
粗大結晶の粒度は、8、10meshの篩を用いて分級を行い、それぞれの篩上の重量比率(wt%)を求めた。
以上の結果を表1に示す。
比較例1〜4
実施例と同様の条件下にて、中和温度80〜90℃、晶析温度48〜75℃とし、系外への微粒抜きは行っていない。外部循環ラインへの希釈水の添加は比較例3および4、循環ラインに加熱器を設けて使用した場合は実施例2および4である。結果を表2に示す。
以上の結果より、実施例1〜8では中和熱により完全に回収スラリーを溶解し、かつ系外に微粒を引き抜くことにより、系外に微粒引き抜きを行っていない比較例1〜4と比べて粒度が大きいことが分かる。
実施例2,4,5,7および8では、実施例1よりも中和温度を上げて、微粒の溶解を促進し、晶析缶の液滞留時間を延ばしており粒径が大きい。また、実施例2〜5,7および8では、実施例1よりも晶析缶内のスラリー濃度を上げることで缶内の結晶滞留時間を延ばして結晶成長を促し、粒径が大きい。
晶析缶スラリー濃度が上がると、外部循環や回収スラリーの濃度が上がるので、中和温度を上げて微粒溶解を促進している実施例2,4,5,7および8は、中和温度の低い実施例3よりも粒径が大きい。
実施例3,5〜7では、微粒抜き量も上げることで、晶析缶内の余剰の微粒を低減している。実施例1および2のように、晶析缶のスラリー濃度や外部循環ラインのスラリー濃度が低いと粒径が低下する傾向にある。
実施例7および8では、外部循環ラインへの水添加と加熱器の使用を行うことで、さらに余剰の微粒を低減して粒径が大きい。そのため、系外への微粒引き抜きを低減できて、粗大結晶の製品量が高くできる。
実施例1〜8で系外に微粒引き抜きから得られた結晶は、全て平均粒径0.4〜0.6mm、10mesh on 10wt%以下の微粒硫安で均一粒子であった。例えば、この硫安は石膏等の製造における反応液の原料として、非常に有意である。
比較例1では、結晶缶内のスラリー濃度を高めることで結晶滞留時間を延ばそうとしているが、微粒引き抜きが無いので、中和熱による微粒の溶解のみでは余剰の微結晶を低減できない。したがって、実施例1よりも晶析缶スラリー濃度を高くしても結晶は小さい。
比較例2では、晶析温度を75℃にしているが、晶析温度を高くすることで、晶析缶内での微粒の溶解アップよりも、中和温度との温度差が小さくなることで硫安液流量が増大して液滞留時間が短くなる影響が大きく、外部循環ラインの加熱器を使用しても結晶が成長できない。結果として、回収スラリーの濃度が高くなり、中和工程にて完全に微粒を溶解できない。
比較例3では、実施例1の中和温度、晶析温度とほぼ同様にし、かつ外部循環ラインの添加水において、微粒消しを行ったが、実施例1よりも効果が低い。
比較例4では、外部循環ラインの水添加と加熱器の使用を行いながら、外部循環ラインのスラリー濃度を低減した。しかしながら、外部循環スラリー中にほとんど結晶を存在させないようにするには、晶析缶内のスラリー濃度も低下させざる得ない。そのため、結晶保有量が減少して結晶成長が不十分で、大結晶が得られない。
Figure 2005194153
Figure 2005194153
本発明は、滞留時間の短い晶析缶においても、容易に粗大硫安結晶が製造でき、篩等の簡単な分級操作でバルクブレンド用の硫安を得ることができる。また、系外に抜き出した微粒硫安結晶も高純度で粒径が整っており、微粒硫安肥料や石膏製造等の原料に使用することができるが、その応用範囲が、これらに限られるものではない。
本発明の粗大硫安結晶の製造工程の一例を示す概略図である。 本発明の粗大硫安結晶の製造工程の他の一例を示す概略図である。 本発明の粗大硫安結晶の製造工程のさらに他の一例を示す概略図である。 本発明の実施例で行った製造工程を示す概略図である。
符号の説明
1:晶析缶
2:ドラフトチューブ
3:バッフル
4:攪拌機
5:分級脚
6:外部循環ライン
7:スラリー抜き出しライン
8:微粒回収ライン
9:回収工程
10:回収スラリー
11:中和工程
12:硫酸
13:アンモニア
14:硫安液
15:希釈水
16:蒸気
17:微粒抜きライン
18:加熱器
19:濃縮分離装置
20:濃縮スラリー
21:希薄スラリー
22:中和混合液
23:分離工程
24、25:攪拌機
26:混合域
27:清澄域

Claims (8)

  1. 硫安液を蒸発濃縮して硫安結晶を得る晶析缶がドラフトチューブ、バッフル、攪拌機および分級脚を備えており、上記攪拌機の攪拌によりドラフトチューブ内外を循環される混合域と上記バッフルに仕切られた清澄域を形成している晶析缶により硫安結晶を製造する方法において、前記清澄域のスラリーを抜き出して回収し、該回収スラリーを硫酸とアンモニアを反応させる中和工程に循環させ、中和反応熱により該回収スラリー中の結晶を溶解させて前記晶析缶に戻し、かつ上記清澄域のスラリーを回収して中和工程に循環させる以外に、該清澄域のスラリーを系外に抜き出すようにしたことを特徴とする硫安結晶の製造方法。
  2. 前記清澄域から系外に抜き出すスラリーが、清澄域から晶析缶もしくは分級脚に循環している外部循環ラインの抜き出し位置と同等もしくは下部の位置にあるスラリー、あるいは外部循環ラインのスラリーであることを特徴とする請求項1に記載の硫安結晶の製造方法。
  3. 前記清澄域から回収し中和工程に循環するスラリーが、外部循環ラインの抜き出し位置と同等もしくは上部の位置にあるスラリー、あるいは外部循環ラインのスラリーであることを特徴とする請求項1または2のいずれか一項に記載の硫安結晶の製造方法。
  4. 前記中和工程において、中和温度が80〜95℃となるように中和工程に回収スラリーを供給し、晶析温度40〜70℃で真空蒸発させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の硫安結晶の製造方法。
  5. 前記晶析缶において、前記外部循環ラインもしくは前記清澄域から系外に抜き出す微粒抜きラインに流れ込む清澄域のスラリーの結晶濃度が5〜45wt%であり、かつ前記混合域のスラリーの結晶濃度が20〜45wt%であり、該清澄域の結晶濃度が混合域の結晶濃度以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の硫安結晶の製造方法。
  6. 前記晶析缶において、分級脚から抜き出された製品結晶を含むスラリーを濃縮分離装置にて濃縮し、該濃縮された製品結晶を含む濃縮スラリーを得て、一方の希薄スラリーを再び該晶析缶に循環し、該濃縮スラリーおよび/または希薄スラリーの流量を増減することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の硫安結晶の製造方法。
  7. 前記硫安液がカプロラクタム製造において副生される硫安液であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の硫安結晶の製造方法。
  8. 前記晶析缶に供給させる硫安液の流量に対する晶析缶内の液滞留時間が0.3〜3時間であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の硫安結晶の製造方法。
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